JP3598428B2 - 樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非晶性ポリオレフィン樹脂と特定のブロック共重合体とを含有する樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形物に関する。
本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性および透明性に優れ、かつ、ガスバリアー性にも優れることから、フィルム、シート、容器(びん等)、トレイ等の成形物を与えるプラスチックとして有用であり、該樹脂組成物からなる成形物はこれらの優れた性能を有効に発揮することができる。
【0002】
【従来の技術】
最近、エチレンと環状オレフィンとの共重合体(例えば、ノルボルネン系モノマーとエチレンとの付加共重合体)やノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物のごとき非晶性ポリオレフィン樹脂が、透明性等に優れたプラスチックとして注目されている。例えば、特開平3−220211号公報、特開平3−223328号公報、特開平3−252446号公報等には、これらの樹脂に関し、ポリオレフィンの一種であることに由来して耐水性、耐薬品性および耐溶剤性が良好であるのみならず、優れた透明性を有すること、および高いガラス転移温度を示すことから耐熱性にも優れることが記載されている。
しかしながら、これらの樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂等に比べると脆く、シート状、フィルム状等の成形物にした場合、非常に割れやすいという欠点がある。このような欠点を解決するための方法として、特開平3−12448号公報には、エチレンと環状オレフィンとの共重合体に炭化水素樹脂等の軟化剤を添加することによって、該共重合体を可塑化する方法が提案されている。また、特開平3−72558号公報には、ノルボルネン類の開環重合体の水素添加物とゴム質重合体とからなる熱可塑性樹脂組成物に関し、該ゴム質重合体として、芳香族ビニル化合物重合体ブロック、1,2−ビニル結合含有量が30〜70重量%であるポリブタジエンブロックおよび1,2−ビニル結合含有量が30重量%未満であるポリブタジエンブロックを特定の割合で含有するブロック共重合体の水素添加物、または、芳香族ビニル化合物重合体ブロック、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体ブロックおよび芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのテーパー共重合体ブロックを特定の割合で含有するブロック共重合体の水素添加物を使用した場合には、耐衝撃性と透明性の両方に優れた樹脂組成物が得られることが記載されている。
【0003】
なお、国際公開WO 92/14790号明細書には、ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィン樹脂100重量部に、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体0.5〜35重量部を配合することによって、結晶性ポリオレフィン樹脂の耐衝撃性を向上させ得ることが記載されているが、該ブロック共重合体を非晶性ポリオレフィン樹脂に配合することに関する記載も、その場合における透明性の程度を示す記載もない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平3−12448号公報に記載されているような非晶性ポリオレフィン樹脂に炭化水素樹脂等の軟化剤を添加した場合には、得られた成形物から軟化剤がブリードアウトして汚れの付着等を引き起こすことがあるので、耐衝撃性の改善方法としては実用上十分であるとは言いがたい。
また、上記の特開平3−72558号公報には、ある種のゴム質重合体を非晶性ポリオレフィン樹脂に配合することによって、耐衝撃性と透明性との両方に優れた樹脂組成物が得られることが記載されてはいるが、耐衝撃性と透明性との両立を可能にし得るゴム質重合体として記載されているものは、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物系の極めて特殊な構造のブロック共重合体に限られており、この点からも、耐衝撃性と透明性との両立は極めて達成困難な課題であることが窺われる。
本発明の目的は、炭化水素樹脂のようなブリードアウト性の大きい添加物を必要とすることなく、かつ透明性等の非晶性ポリオレフィン樹脂が本来有するプラスチックとしての優れた性質を損なわないで、非晶性ポリオレフィン樹脂の耐衝撃性が高度に改善された、非晶性ポリオレフィン樹脂系の新規な樹脂組成物および成形物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を進めた結果、非晶性ポリオレフィン樹脂に特定の重合体を配合した場合に透明性と耐衝撃性の両立が可能となることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、第一に、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)および芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体(B)を含有し、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)が、エチレンと環状オレフィンとの両モノマーからなるか、もしくはそれらの両方とさらにα−オレフィンとからなる付加型共重合体(A−1)であるか、または環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(A−2)であり、かつ、(A)/(B)の重量比が95/5〜50/50の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物である。また本発明は、第二に、該樹脂組成物からなる成形物である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)としては、非晶性(すなわち、DSC測定により融点が実質的に観測されない性質)を有しているものをいう。これらの中でも、ブロック共重合体(B)の配合に由来する耐衝撃性改良効果が特に顕著に現れる点で、エチレンと環状オレフィンとの両モノマーからなるか、もしくはそれらの両方とさらにα−オレフィンとからなる付加型共重合体(A−1)、または環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(A−2)が用いられる。非晶性ポリオレフィン樹脂(A)の数平均分子量または極限粘度数は、特に限定されることなく目的等に応じて適宜好適なものを採用することができるが、一般的には、数平均分子量が10000〜500000の範囲内であるか、またはデカリン中135℃で測定した極限粘度数が0.01〜20デシリットル/グラムの範囲内であることが好ましい。
【0008】
上記の付加型共重合体(A−1)の製造方法は特に限定されることなく、公知の種々の製造方法を採用することができる。付加型共重合体(A−1)は、例えば、エチレンおよび環状オレフィン、またはそれらとα−オレフィンを、液相で共重合させることによって製造することができる。該液相での共重合は、例えば、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒中で、−50℃〜100℃の範囲内の温度、0〜50kg/cm2Gの範囲内の圧力で行うことができる。なお、環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のノルボルネン類が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン等が挙げられる。
【0009】
また、上記の水素添加物(A−2)の製造方法も特に限定されることなく、公知の種々の製造方法が採用可能である。水素添加物(A−2)は、例えば、環状オレフィンを開環重合した後、生成重合体が有するオレフィン性不飽和結合部分に水素添加することによって製造することができる。該開環重合は、例えば、環状オレフィンを、遷移金属化合物または白金族金属化合物と有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物を含む触媒系において、必要に応じて脂肪族または芳香族の第三級アミン等の添加剤の存在下に、−20℃〜100℃の範囲内の温度、0〜50kg/cm2Gの範囲内の圧力で行うことができる。また該水素添加は、通常の水素化触媒の存在下で行うことができる。なお、環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のノルボルネン類などが挙げられる。
【0010】
本発明において使用されるブロック共重合体(B)は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックとを含有するブロック共重合体である。該芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロックである。該芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、インデン、アセナフチレン等が挙げられる。また、該イソブチレン系重合体ブロックは、主としてイソブチレンから構成される重合体ブロックである。ブロック共重合体(B)を構成する芳香族ビニル化合物とイソブチレンの重量比は、通常、芳香族ビニル化合物/イソブチレンの比において5/95〜80/20の範囲内で目的に応じて適宜選ぶことができるが、耐衝撃性向上効果が大きい点から、10/90〜70/30の範囲内であることが好ましい。該ブロック共重合体(B)には、芳香族ビニル化合物およびイソブチレンの外に、本発明の効果を損なわない範囲において他のモノマーが共重合されていてもよい。該他のモノマーとしては、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテル等のカチオン重合性モノマーを例示することができる。
ブロック共重合体(B)としては、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック−イソブチレン系重合体ブロック−芳香族ビニル化合物系重合体ブロックのブロック構成を有するトリブロック共重合体が好ましい。
【0011】
ブロック共重合体(B)の数平均分子量は、5000〜400000の範囲内であることが好ましい。なお、共重合体の数平均分子量が5000以上である場合には、非晶性ポリオレフィン樹脂と混合して得られる樹脂組成物からのブリードアウトの抑制効果が特に大きい。
また、ブロック共重合体(B)は、分子鎖途中または分子鎖末端に塩素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、酸無水物残基等の官能基を含有していてもよい。
【0012】
ブロック共重合体(B)の製造法としては、特に限定されることなく、公知の方法を採用することができる。例えば、ルイス酸およびこれと組み合わせてカチオン重合活性種を形成する有機化合物から構成される開始剤系の存在下、必要に応じてピリジン誘導体、アミド類等の添加剤の共存下において、ヘキサン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、主として芳香族ビニル化合物からなるモノマーの重合と主としてイソブチレンからなるモノマーの重合とを任意の順序・回数で段階的に行うことによって、ブロック共重合体(B)を製造することができる。ここで、ルイス酸としては、四塩化チタン、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化スズ等が挙げられる。カチオン重合活性種を形成する有機化合物とは、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子等の官能基を有する有機化合物であって、例えば、ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン等が挙げられる。また、上記のアミド類としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が例示される。
例えば、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック−イソブチレン系重合体ブロック−芳香族ビニル化合物系重合体ブロックの構成を有するトリブロック共重合体は、1個の官能基を有する有機化合物とルイス酸とを開始剤系として用いて、まず、主として芳香族ビニル化合物からなるモノマーを重合系内に添加して重合させ、重合反応が実質的に終了した後、主としてイソブチレンからなるモノマーを重合系内に添加して重合させ、その重合反応が実質的に終了した後、再度、主として芳香族ビニル化合物からなるモノマーを重合系内に添加して重合させる方法によって製造することができる。また、該トリブロック共重合体は、2個の官能基を有する有機化合物とルイス酸とを使用して、主としてイソブチレンからなるモノマーを重合させ、その重合反応が実質的に終了した後、主として芳香族ビニル化合物からなるモノマーを重合系内に添加して重合させる方法によって製造することもできる。
【0013】
本発明の樹脂組成物は、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびブロック共重合体(B)を、(A)/(B)の重量比において95/5〜50/50の範囲内となる割合で含有する。(A)/(B)の重量比が95/5より大きい場合、樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となり、得られる成形物が脆いものとなる。また、(A)/(B)の重量比が50/50よりも小さい場合、樹脂組成物の弾性率が低下し、プラスチックとしての性質が失われる。耐衝撃性および弾性率の両方が特に良好となる点からは、(A)/(B)の重量比は90/10〜60/40の範囲内であることが好ましい。
【0014】
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を実質的に損なわない範囲内において、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびブロック共重合体(B)の外の成分が含有されていてもよい。他の成分としては、例えば、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンのブロック構造のブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレンのブロック構造のブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンのブロック構造のブロック共重合体、エチレン・プロピレンゴム(EPR、EPDM)、ポリブテン、ポリイソブチレン、メタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)等のポリマー成分;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル等の鉱物油系軟化剤;無機充填剤;無機繊維状物質;有機繊維状物質;熱安定剤;酸化防止剤;光安定剤;難燃剤;粘着付与剤;帯電防止剤;発泡剤等を挙げることができる。
ここで、鉱物油系軟化剤の添加は、成形加工性の向上や成形物への柔軟性の付与に有効な場合がある。また、無機充填剤、無機繊維状物質または有機繊維状物質の配合は、樹脂組成物の耐熱性または耐候性の向上や増量に有効な場合がある。
【0015】
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の樹脂組成物の製造方法に準じた方法を採用することができる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー等の混練機または混合機を用いて、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)等の所定量を、加熱溶融条件下で混練することによって、本発明の樹脂組成物を得ることができる。
【0016】
本発明の樹脂組成物は、押出成形、射出成形、真空成形、圧空成形、ブロー成形等の成形法によって、適宜、所望の形状の成形物に成形することができる。本発明の樹脂組成物からなる成形物としては、シートまたはフィルム、容器(びん等)、トレイなどが挙げられる。
【0017】
本発明の樹脂組成物は、透明性に優れており、熱プレス法により作製した長辺長さ75mm、短辺長さ45mm、厚さ1mmの長方形のシートについてJISK7105に基づき測定した場合、ヘーズ(Haze)値において通常20以下である。また本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性およびガスバリヤー性にも優れる。
【0018】
【実施例】
本発明をより具体的に説明するために、以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」を意味する。
【0019】
樹脂組成物の性能評価は、以下に示す方法によった。
【0020】
(a)耐衝撃性
23℃でアイゾット衝撃強度(ASTM D256による。1/4ノッチ付き。)を測定した。
【0021】
(b)透明性
熱プレス法により長辺長さ75mm、短辺長さ45mm、厚さ1mmの長方形のシートを作製し、直読ヘーズコンピュータ(スガ試験機(株)社製HGM−2DP)を用いて、JIS K7105に基づきヘーズを測定した。
また、該シートの目視による透明性を、透明(○)、やや曇りあり(△)、不透明(×)の三段階で判定した。
【0022】
(c)酸素透過係数(Po2)
熱プレス法により20μm厚のフィルムを作製し、該フィルムについて、ガス透過率測定装置(柳本製 GTR−10)を用いて酸素透過係数(ASTM D3985による)を測定した。
【0023】
(合成例1)
攪拌式重合反応器中において、VO(OC2H5)Cl2(重合触媒)およびエチルアルミニウムセスキクロリド(助触媒)をAl/Vのモル比において8.0になる割合で添加したシクロヘキサン溶媒に、エチレンおよび環状オレフィンとしてのテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを連続的に供給することによって、付加型の共重合反応を行った。なお、この間、重合温度は11℃、重合圧力は1.8kg/cm2Gに維持した。このようにして、エチレン含量51モル%、135℃デカリン中での極限粘度数[η]が0.95デシリットル/グラムであるエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−1)を得た。得られたエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−1)を、示差走査熱量計(DSC)(メトラー製 TA4000)により、室温から200℃まで10℃/分の速度で昇温し、200℃で10分間保持し、室温まで急冷した後、再度10℃/分の昇温条件下に300℃までの温度範囲で融点の有無を観察したが、融点は実質的に観察されなかった。
【0024】
(合成例2)
合成例1において、環状オレフィンとして8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを用いた以外は合成例1と同様な方法で、エチレン含量82モル%、135℃デカリン中での極限粘度数[η]が0.35デシリットル/グラムであるエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−2)を得た。得られたエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−2)について、合成例1と同様な方法で融点の有無を観察したが、融点は実質的に観察されなかった。
【0025】
(合成例3)
合成例1において、環状オレフィンとして8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを用いた以外は合成例1と同様な方法で、エチレン含量36モル%、135℃デカリン中での極限粘度数[η]が1.28デシリットル/グラムであるエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−3)を得た。得られたエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−3)について、合成例1と同様な方法で融点の有無を観察したが、融点は実質的に観察されなかった。
【0026】
(合成例4)
攪拌式重合反応器に、トルエン90部、トリエチルアルミニウム0.5部、トリエチルアミン1.4部および1−ヘキセン0.08部を入れた。温度を20℃に保ちながら、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン30部および四塩化チタン0.17部を1時間にわたって連続的に反応系に添加しながら開環重合反応を開始させ、さらに添加終了後も1時間重合反応を継続させた。
得られた開環重合体をシクロヘキサン200部に溶解し、パラジウム/カーボン触媒(パラジウム担持量:5重量%)0.6部とともにオートクレーブ中に仕込み、水素圧70kg/cm2、温度140℃で4時間、水素添加反応を行った。
このようにして、水素添加率99%以上、GPCによる数平均分子量(Mn)が72000、重量平均分子量(Mw)が185000、分子量分布(Mw/Mn)が2.5である重合体(a−4)を得た。得られた重合体(a−4)について、合成例1と同様な方法で融点の有無を観察したが、融点は実質的に観察されなかった。
【0027】
(合成例5)
攪拌式重合反応器に、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン500部、1,2−ジクロロエタン2500部、分子量調節剤である1−ヘキセン3.8部、触媒としての六塩化タングステンの濃度0.05モル/リットルのクロロベンゼン溶液101部、パラアルデヒドの濃度0.1モル/リットルの1,2−ジクロロエタン溶液86部、およびトリイソブチルアルミニウムの濃度0.5モル/リットルのトルエン溶液32部を仕込み、60℃で10時間反応させた。このようにして、クロロホルム中30℃での極限粘度数[η]が0.75デシリットル/グラムである開環重合体を得た。この重合体をテトラヒドロフラン8000部に溶解し、パラジウム濃度が5重量%のパラジウム−アルミナ触媒45部を加えた後、水素圧100kg/cm2の条件において、150℃で5時間水素添加反応を行った。
上記のようにして、水素添加率が99%以上である重合体(a−5)を得た。得られた重合体(a−5)について、合成例1と同様な方法で融点の有無を観察したが、融点は実質的に観察されなかった。
【0028】
(合成例6)
攪拌式重合反応器中に、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウム二塩化物20mg、濃度10重量%のメチルアルミノキサンのトルエン溶液500ml、濃度20重量%のトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液300mlおよびノルボルネン20kgを仕込み、エチレン圧力18kg/cm2、温度70℃の条件下で、ノルボルネンとエチレンとの付加型の共重合反応を行った。このようにして、135℃デカリン中での極限粘度数[η]が0.51デシリットル/グラムであるエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−6)を得た。得られた共重合体(a−6)について、合成例1と同様な方法で融点の有無を観察したが、融点は実質的に観察されなかった。
【0029】
(合成例7)
攪拌機付き反応器中に、モレキュラーシーブス4Aで脱水精製した塩化メチレン1060部およびメチルシクロヘキサン924部を仕込み、1,4−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン2.0部、2,6−ジメチルピリジン0.98部、ピリジン1.38部およびイソブチレン210部をそれぞれ加えた。この混合液に、−78℃で四塩化チタン12.3部を加えて重合を開始させ、同温度で3時間重合した後、2,6−ジメチルピリジン0.5部およびスチレン90部を添加し、さらに2時間重合を行うことにより、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロック共重合体(b−1)を得た。
得られたブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は34000、分子量分布(Mw/Mn)は1.23、ポリスチレン含有量は30重量%であった。
【0030】
(合成例8)
攪拌機付き反応器中に、モレキュラーシーブス4Aで脱水精製した塩化メチレン1060部およびメチルシクロヘキサン924部を仕込み、1,4−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン1.0部、2,6−ジ−t−ブチルピリジン1.74部、ピリジン0.68部およびイソブチレン210部をそれぞれ加えた。この混合液に、−78℃で四塩化チタン12.3部を加えて重合を開始させ、4時間重合した後、2,6−ジ−t−ブチルピリジン0.90部およびスチレン52.5部を添加し、さらに4時間重合を行うことにより、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロック共重合体(b−2)を得た。
得られたブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は75000、分子量分布(Mw/Mn)は1.20、ポリスチレン含有量は30重量%であった。
【0031】
(合成例9)
攪拌機付き反応器中に、モレキュラーシーブス4Aで脱水精製した塩化メチレン1060部およびメチルシクロヘキサン924部を仕込み、1,4−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン0.5部、2,6−ジメチルピリジン0.98部、ピリジン0.34部およびイソブチレン210部をそれぞれ加えた。この混合液に、−78℃で四塩化チタン12.3部を加えて重合を開始させ、同温度で4時間重合した後、2,6−ジメチルピリジン0.5部およびスチレン140部を添加し、さらに4時間重合を行うことにより、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロック共重合体(b−3)を得た。
得られたブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は170000、分子量分布(Mw/Mn)は1.20、ポリスチレン含有量は40重量%であった。
【0032】
(実施例1)
合成例1で得られたエチレン−環状オレフィンランダム共重合体(a−1)と合成例7で得られたブロック共重合体(b−1)とを90/10の重量比で用い、これらをプラストグラフ(ブラベンダー社製PL−3000)により230℃、100rpmの条件下で3分間溶融混練することによって、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を230℃でプレス成形することによって、厚さ1mmのプレスシートおよび厚さ20μmのフィルムをそれぞれ作製した。また、樹脂組成物を230℃で射出成形することにより厚さ4mmのアイゾット(Izod)衝撃強度測定用の試験片を作製した。
樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
【0033】
(実施例2〜13)
構成成分の種類および配合割合を下記の表1〜4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、該樹脂組成物からシート、試験片およびフィルムを作製した。なお、一部の実施例においては、非晶性ポリオレフィン樹脂として、三井石油化学製APEL6015(VO(OC2H5)Cl2の存在下にテトラシクロドデセンとエチレンとを付加型共重合させて得られた共重合体)を使用した(以下、この共重合体を「(a−7)」で示す)。
樹脂組成物の評価結果を表1〜4に示す。
【0034】
(比較例1〜7)
表1〜4に示すように、非晶性ポリオレフィン樹脂(a−1)〜(a−7)のみを使用してシート、試験片およびフィルムを作製した。
非晶性ポリオレフィン樹脂単独の評価結果を表1〜4に示す。
【0035】
(比較例8、9)
ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロック共重合体の代わりに、ポリスチレン−ポリエチレン・プロピレン−ポリスチレントリブロック共重合体(c−1)(数平均分子量(Mn):45000;Mw/Mn:1.13;ポリスチレン含有量:30重量%)を使用する以外は実施例と同様な方法により、下記の表5に示すような割合で非晶性ポリオレフィン樹脂(a−1)または(a−2)と混練した。また、得られた樹脂組成物からシート、試験片およびフィルムを作製した。
樹脂組成物の評価結果を表5に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
上記表1〜5に示された結果から、本発明の樹脂組成物(実施例1〜13)は、高い耐衝撃性を有し、透明性が良好であり、しかも酸素バリヤー性にも優れることが判る。一方、非晶性ポリオレフィン樹脂単独(比較例1〜7)の場合、耐衝撃性がかなり低いことが判る。また、非晶性ポリオレフィン樹脂に配合したブロック共重合体がブロック共重合体(B)ではない点で本発明とは相違する樹脂組成物(比較例8、9)では、耐衝撃性の改善が不十分であり、非晶性ポリオレフィン樹脂本来の優れた透明性および酸素バリヤー性が大きく損なわれることが判る。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)に特定のブロック共重合体(B)を配合することにより、該非晶性ポリオレフィン樹脂(A)本来の透明性、ガスバリアー性等のプラスチックとしての優れた性質をほとんど損なうことなく、該非晶性ポリオレフィン樹脂(A)の耐衝撃性が大幅に改善されるので、高い耐衝撃性と良好な透明性が両立され、しかも酸素バリヤー性にも優れた樹脂組成物および成形物が提供される。
Claims (3)
- 非晶性ポリオレフィン樹脂(A)および芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体(B)を含有し、非晶性ポリオレフィン樹脂(A)が、エチレンと環状オレフィンとの両モノマーからなるか、もしくはそれらの両方とさらにα−オレフィンとからなる付加型共重合体(A−1)であるか、または環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(A−2)であり、かつ、(A)/(B)の重量比が95/5〜50/50の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物。
- 熱プレス法によりシートにした場合にヘーズ値が20以下となる請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の樹脂組成物からなる成形物。
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-
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