JP3135413B2 - 高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート - Google Patents
高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シートInfo
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Description
トあるいは、フィルム等として利用できる新規な高防湿
薬品包装用ポリマーアロイ多層シートに関するものであ
る。更に詳しくは外層と内層及び中間層にに相溶性に優
れる特定の非晶性ポリオレフィンと特定の高密度ポリエ
チレンとの異なる比率のポリマーアロイを積層すること
により得られる、物性バランス及び外観、成形性、防湿
性、透明性、耐衝撃性、耐油性、耐薬品性に優れた新規
な高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シートに関する
ものである。
性、電気的性質、機械的強度、成形性、寸法安定性に優
れた特性を持っているが、非常に脆く、押出成形等によ
り作製したシートあるいはフィルムは、実用的には耐衝
撃性が不足しており、非晶性ポリオレフィンの特性を損
なわず強靭化することが望まれている。又、非晶性ポリ
オレフィンは、非晶性であるが故に耐油性が悪く、耐油
性を要求される食品等の用途に用いるには改良が必要で
ある。これらの欠点を改良の為、結晶性ポリマーとガラ
ス転移点の高いジシクロペンタジエンの開環重合体の水
素化物とを組み合わせた複合シートにする方法が特開平
4−272937号公報に例示されているが、この発明
の複合シートは耐衝撃性に優れるものの、成形性が悪く
防湿性に劣る結晶性樹脂がリッチなシートであり、又、
成形しにくいガラス転移点の高いジシクロペンタジエン
の開環重合体の水素化物を組み合わせおり、高防湿薬品
包装用シートとしては使用が困難なものであった。又、
非晶性ポリオレフィン(A)と高密度ポリエチレン
(B)とのポリマーアロイ複合シートでは、高密度ポリ
エチレンを用いるが故に透明性、防湿性が不足してい
た。
及び中間層が熱変形温度100℃以下の非晶性ポリオレ
フィンと高密度ポリエチレンを異なる比率で配合したポ
リマーアロイを積層することにより、成形加工性、剛
性、耐傷付性、耐衝撃性、耐油性、耐薬品性、耐水性、
防湿性、透明性等の物性のバランスがきわめて良好でか
つ、フィルム、シート等成形加工時の外観及び成形性の
優れた新規な高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シー
トを提供することを目的とするものである。
び中間層が、熱変形温度100℃以下の非晶性ポリオレ
フィン(A)と高密度ポリエチレン(B)を異なる比率
で配合したポリマーアロイを積層してなることを特徴と
する高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シートに関す
るものであり、好ましくは外層及び内層が非晶性ポリオ
レフィン(A)と高密度ポリエチレン(B)の配合比率
が70重量%:30重量%〜40重量%:60重量%で
あり、中間層が非晶性ポリオレフィン(A)と高密度ポ
リエチレン(B)の配合率が95重量%:5重量%〜7
0重量%:30重量%であり、高密度ポリエチレン
(B)の密度が0.940以上であり、非晶性ポリオレ
フィン(A)が、ジシクロペンタジエンとエチレン及び
又はブタジエンとの共重合体の水素添加物である高防湿
薬品包装用ポリマーアロイ多層シートである。
一般に、二種以上の樹脂を組み合わせた場合に透明性良
好なものを得るために各々の樹脂の屈折率がほとんど同
じものを選ぶことと、分散粒子径をミクロに分散させる
ことが考えられる。本発明の場合は、外層と内層の樹脂
としては屈折率がほぼ同一で且つ防湿性、耐油性、耐薬
品性が良好であり、又同じポリオレフィン系樹脂のため
相溶性に優れる2種の樹脂を組み合わせ、中間層の樹脂
としても屈折率がほぼ同一で且つ防湿性、透明性、成形
性が良好であり、又同じポリオレフィン系樹脂のため相
溶性に優れる2種の樹脂を組合わせたポリマーアロイを
積層させることによりはじめて成形加工性、剛性、耐傷
付性、耐衝撃性、防湿性、透明性、耐油性、耐薬品性等
の物性のバランスがきわめて良好でかつ、フィルム、シ
ート等成形加工時の外観及び成形性の優れた新規な高防
湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シートが得られること
を見いだし本発明を完成するに至った。本発明に、用い
られる熱変形温度が100℃以下の非晶性ポリオレフィ
ン(A)とは、環状オレフィン構造を有する重合体であ
り、その構造及び性質より非晶性ポリオレフィンと言え
る。熱変形温度が100℃以下の非晶性ポリオレフィン
の例としては、下記の様な物が挙げられる。例えば、一
般式(1)で表されるジシクロペンタジエンの開環重合
体またはその水添物があり、この開環重合体は、単量体
としてジシクロペンタジエン又はその誘導体を使用し、
環状オレフィンの公知の開環重合法により製造すること
ができる。また、この開環重合体の水素添加物も通常の
水素添加反応法を利用して得ることができる。本発明の
場合、重合体単独でであっても良いが、ジシクロペンタ
ジエンとエチレンやブタジエンとの共重合体がより好ま
しい。
(3)で表される不飽和単量体からなる群から選ばれた
少なくとも一種の化合物等も挙げられる。これらは、シ
クロペンタジエン類と相応するオレフィン類、及び環状
オレフィン類とをディールス・アルダー反応で縮合させ
ることにより容易に製造される。(式中、n及びmはい
ずれも0もしくは正の整数であり、lは3以上の整数で
あり、R1 ないしR10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子または炭素水素基を示す。)及びまた、一般式(4)
(式中、R1 は水素原子もしくはメチル基を示し、R2
はC1 〜C20の炭化水素基を示す。)及び(5)(R3
〜R6 は、水素原子またはR3 、R4 から構成されるC
1 〜C10のアルキリデン基を示す。)で表されるテトラ
シクロドデセン誘導体の開環重合体またはその水添物等
が挙げられる。及びまた、ノルボルナジエン類と、一般
式(6)(式中、R1 、R2 は、互いに独立して水素原
子、炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン化炭化水素基
またはハロゲン原子を示す。)で表されるスチレン誘導
体との共重合体である。
無置換のノルボルナジエンまたは置換ノルボルナジエン
が用いられる。具体的には、下記の様なノルボルナジエ
ン化合物が用いられる。ノルボルナジエン、5−メチル
ノルボルナジエン、5−エチルノルボルナジエン、5−
フェニルノルボルナジエン、1−(または4−、または
7−)メチルノルボルナジエン、1−(または2−、ま
たは3−、または4−、または7−)ジメチルノルボル
ナジエン。またスチレン誘導体としては、例えばスチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、o−クロルスチレ
ン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、o−エ
チルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−クロロエチルスチレ
ン、p−メチル−α−メチルスチレンなどが用いられ
る。なお、これらは2種類以上の混合物としても使用で
きる。
(B)は、密度が0.94〜0.98(g/ml)のものであり、その
中でも0.96〜0.98(g/ml)のものが好ましく用いられる。
また、透湿度は1.0(g/m2・24hr/0.1mm)以下のものであ
り、低いものが好ましく用いられる。また、屈折率につ
いては組み合わせる非晶性ポリオレフィンの応じて近い
ものが好ましく使用される。本発明による高防湿薬品包
装用ポリマーアロイ多層シートの外層、内層において、
熱変形温度が100℃以下の非晶性ポリオレフィン
(A)70〜40重量%好ましくは55〜45重量%、
高密度ポリエチレン(B)30〜60重量%好ましくは
45〜55重量%の範囲で配合しなければならない。
又、中間層においては、熱変形温度が100℃以下の非
晶性ポリオレフィン(A)95〜65重量%好ましくは
85〜75重量%、高密度ポリエチレン(B)5〜35
重量%好ましくは15〜25重量%の範囲で配合しなけ
ればならない。更に、必要に応じて基本的性質を損なわ
ない範囲で相溶化剤、添加剤、例えば染顔料、安定剤、
可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑
剤、充填剤及び柔軟性を付与するエラストマー等も添加
することもできる。本発明による高防湿薬品包装用ポリ
マーアロイ多層シートを製造する方法としては、特に指
定を受けないが、共押出法、押出ラミネート法、ドライ
ラミネート法などにより積層シートを製造し、真空成形
法、圧空成形法等の成形法により成形する事ができる。
れは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。なお、シートの特性測定には0.30mmの
T−ダイシートを使用し、光線透過率及びHAZEはA
STM−D1003により、透湿度はJIS−Z020
8に基づいて条件A、即ち温度40℃、相対湿度90%
での測定値であり、外観は目視により判定した。 耐油
性については、5mm角で厚さ約300μのシートをn
−ヘプタン中に浸漬し、23℃で3日間放置後の外観変
化(膨潤等)、軟化の程度、透明性の変化等を評価し、
変化のない物を○、やや変化した物を△、変化した物を
×とした。またデュポン50%破壊衝撃試験はJIS−
K5400に基ずき、即ち先端R=1/4インチ、30
0gの錘の落下高さを5cmきざみに替えてシートに落
下させ、20回落下の結果よりシートの破壊が50%で
ある落下高さを測定した結果である。各特性値の結果
は、表1に示した。
9[APO;熱変形温度72℃(ASTM D648
18.6Kg/cm2)三井石油化学工業(株)製]を使
用し、(B)成分としては、エースポリエチHD F6
080V[HDPE;密度0.961g/cm3(JI
S K6760)昭和電工(株)製]を使用した。 (実施例1) 外層=10μ/中間層=280μ/内層=10μの計3
00μの積層体で、外層、内層の配合率は(A)成分5
0重量%、(B)成分50重量%、中間層の配合率は
(A)成分80重量%、(B)成分20重量%のものを
使用した。 (実施例2) 外層=10μ/中間層=280μ/内層=10μの計3
00μの積層体で、外層、内層の配合率は実施例1と同
じとし、中間層の配合率は(A)成分60重量%、
(B)成分40重量%のものを使用した。 (実施例3) 外層=10μ/中間層=280μ/内層=10μの計3
00μの積層体で、外層、内層の配合率は(A)成分7
0重量%、(B)成分30重量%、中間層の配合率は実
施異例1と同じものを使用した。 (実施例4) 外層=10μ/中間層=280μ/内層=10μの計3
00μの積層体で、外層、内層の配合率は実施例3と同
じとし、中間層の配合率は実施例2と同じものを使用し
た。
L6509[APO;三井石油化学工業(株)製]を使用
した。(B)成分としては、エースポリエチHD F6
080V[HDPE;密度0.961g/cm3(JI
S K6760) 昭和電工(株)製]を使用した。 (比較例1)(A)成分の300μ単層シート (比較例2)(A)成分70重量%、(B)成分30重
量%300μポリマーアロイ単層シート (比較例3)(A)成分50重量%、(B)成分50重
量%300μポリマアーアロイ単層シート
アロイ多層シートは、通常の熱可塑性シートに用いられ
ている加工方法、例えば押出成形等により、容易にフィ
ルム、シート等に加工され、成形加工性、剛性、耐傷付
性、耐衝撃性、耐油性、耐薬品性、耐水性、透明性、防
湿性等の物性のバランスがきわめて良好でかつ、フィル
ム、シート等成形加工時の外観の優れた製品を与える。
Claims (4)
- 【請求項1】 外層と内層及び中間層が、熱変形温度1
00℃以下の非晶性ポリオレフィン(A)と高密度ポリ
エチレン(B)とを配合したポリマーアロイからなり、
外層及び内層が中間層に比べ高密度ポリエチレンの配合
比率の高いポリマーアロイを積層してなることを特徴と
する高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート。 - 【請求項2】 外層及び内層が非晶性ポリオレフィン
(A)と高密度ポリエチレン(B)の配合比率が70重
量%:30重量%〜40重量%:60重量%であり、中
間層が非晶性ポリオレフィン(A)と高密度ポリエチレ
ン(B)の配合率が95重量%:5重量%〜70重量
%:30重量%であることを特徴とする請求項1の高防
湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート。 - 【請求項3】 高密度ポリエチレン(B)が密度0.9
40以上であることを特徴とする請求項1又は2の高防
湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート。 - 【請求項4】 非晶性ポリオレフィン(A)がジシクロ
ペンタジエンとエチレン及び又はブタジエンとの共重合
体の水素添加物であることを特徴とする請求項1、2又
3の高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05099932A JP3135413B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05099932A JP3135413B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06305101A JPH06305101A (ja) | 1994-11-01 |
JP3135413B2 true JP3135413B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=14260511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05099932A Expired - Lifetime JP3135413B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3135413B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4878668B2 (ja) * | 1999-05-21 | 2012-02-15 | 三井化学株式会社 | 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体 |
JP2010504392A (ja) * | 2006-09-20 | 2010-02-12 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | 透明組成物及びラミネート |
-
1993
- 1993-04-27 JP JP05099932A patent/JP3135413B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06305101A (ja) | 1994-11-01 |
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