JPH07330959A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤトレッド用ゴム組成物Info
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- JPH07330959A JPH07330959A JP6122522A JP12252294A JPH07330959A JP H07330959 A JPH07330959 A JP H07330959A JP 6122522 A JP6122522 A JP 6122522A JP 12252294 A JP12252294 A JP 12252294A JP H07330959 A JPH07330959 A JP H07330959A
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- rubber
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 耐ウエットスキッド性と転がり抵抗性を向上
するためシリカ充填剤を添加する場合にも、一般のトレ
ッド用SBR配合に劣らぬ加工性と耐摩耗性が確保さ
れ、かつ、良好な導電性を備えたタイヤトレッド用ゴム
組成物。 【構成】 リチウム触媒を用いて得られるリビングポリ
マーをジグリシジルアミノ基を含有する多官能化合物に
よりカップリングした変成溶液重合SBRの単独、また
はこれを 60 重量%以上含み、残りが他のジエン系ゴム
成分からなる原料ゴム 100重量部に対して、シリカを10
〜80重量部、カーボンブラックを 25 重量部以上とし、
かつこの両者をあわせて40〜100 重量部配合してなるゴ
ム組成物。
するためシリカ充填剤を添加する場合にも、一般のトレ
ッド用SBR配合に劣らぬ加工性と耐摩耗性が確保さ
れ、かつ、良好な導電性を備えたタイヤトレッド用ゴム
組成物。 【構成】 リチウム触媒を用いて得られるリビングポリ
マーをジグリシジルアミノ基を含有する多官能化合物に
よりカップリングした変成溶液重合SBRの単独、また
はこれを 60 重量%以上含み、残りが他のジエン系ゴム
成分からなる原料ゴム 100重量部に対して、シリカを10
〜80重量部、カーボンブラックを 25 重量部以上とし、
かつこの両者をあわせて40〜100 重量部配合してなるゴ
ム組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タイヤトレッド用ゴ
ム組成物に関し、更に詳しくは工程性を低下することな
く、タイヤの耐ウエットスキッド性、転がり抵抗性及び
耐摩耗性を同時に満足しうるトレッド用ゴム組成物に関
する。
ム組成物に関し、更に詳しくは工程性を低下することな
く、タイヤの耐ウエットスキッド性、転がり抵抗性及び
耐摩耗性を同時に満足しうるトレッド用ゴム組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車に装着されたタイヤに加えられた
回転力の一部は、転がり抵抗によって熱エネルギーに変
わり、エネルギーロスを発生する。この転がり抵抗の大
半は、トレッドの繰り返し変形に伴うヒステリシスロス
に基因し、該ヒステリシスロスはトレッドに使用したゴ
ム組成物の損失正接(tan δ)が大きくなるにつれて大
きくなることが認められている。
回転力の一部は、転がり抵抗によって熱エネルギーに変
わり、エネルギーロスを発生する。この転がり抵抗の大
半は、トレッドの繰り返し変形に伴うヒステリシスロス
に基因し、該ヒステリシスロスはトレッドに使用したゴ
ム組成物の損失正接(tan δ)が大きくなるにつれて大
きくなることが認められている。
【0003】一方、タイヤ走行時の転がり抵抗が大きい
と自動車の燃料消費量が多くなり、その上、排気ガスに
よる大気汚染問題を増幅するので、タイヤの転がり抵抗
を減少させて燃費を削減し環境問題を解消することが社
会的に要請されている。
と自動車の燃料消費量が多くなり、その上、排気ガスに
よる大気汚染問題を増幅するので、タイヤの転がり抵抗
を減少させて燃費を削減し環境問題を解消することが社
会的に要請されている。
【0004】かかる要請に答えるため、天然ゴムやシス
ポリブタジエンゴムなどのガラス転移温度の低いゴム材
料を使用したり、カーボンブラックや軟化剤の種類、配
合量等を調節することにより転がり抵抗を減少させよう
とすると、前者では耐ウエットスキッド性が著しく低下
したり、後者では、とりわけゴムのミクロ構造が類似し
ている場合、耐ウエットスキッド性と耐摩耗性が低下す
るという現象が認められ、互に二律背反するこれら三つ
の特性を同時に満足させることは極めて困難なことであ
った。
ポリブタジエンゴムなどのガラス転移温度の低いゴム材
料を使用したり、カーボンブラックや軟化剤の種類、配
合量等を調節することにより転がり抵抗を減少させよう
とすると、前者では耐ウエットスキッド性が著しく低下
したり、後者では、とりわけゴムのミクロ構造が類似し
ている場合、耐ウエットスキッド性と耐摩耗性が低下す
るという現象が認められ、互に二律背反するこれら三つ
の特性を同時に満足させることは極めて困難なことであ
った。
【0005】従来も、この二律背反関係を打破して耐ウ
エットスキッド性と耐摩耗性を充分保持しながら転がり
抵抗を小さくする試みはなされており、例えば、特開平
3−252431号では、有機リチウムを開始剤として
得られ、ガラス転移温度が−50℃以上のジエン系重合
体を主成分とする原料ゴムにシリカ充填剤とシランカッ
プリング剤及び必要に応じてカーボンブラックを配合し
てなるゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤが
提案されている。また、特開平3−252433号で
は、上記のジエン系重合体に変えて、分子末端にリチウ
ム−炭素結合を有する活性ジエン系重合体と特定のシラ
ン化合物とをカップリング反応させて得られる変性重合
体を使用して同様にゴム組成物を構成し、これをトレッ
ドに用いた空気入りタイヤが提案されている。また、欧
州公開特許EPO501227号には、共役ジエン化合
物と5〜50重量%の芳香族ビニル化合物との共重合体
でガラス転移温度が0〜−80℃であるゴムに、カーボ
ンブラックに代わる充填剤として窒素吸着比表面積が1
00〜250 m2 /g 、ジブチルフタレート吸油量が1
50〜250ml/100gであるシリカ充填剤を配合したゴ
ム組成物をタイヤトレッドに使用する方法が開示されて
いる。
エットスキッド性と耐摩耗性を充分保持しながら転がり
抵抗を小さくする試みはなされており、例えば、特開平
3−252431号では、有機リチウムを開始剤として
得られ、ガラス転移温度が−50℃以上のジエン系重合
体を主成分とする原料ゴムにシリカ充填剤とシランカッ
プリング剤及び必要に応じてカーボンブラックを配合し
てなるゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤが
提案されている。また、特開平3−252433号で
は、上記のジエン系重合体に変えて、分子末端にリチウ
ム−炭素結合を有する活性ジエン系重合体と特定のシラ
ン化合物とをカップリング反応させて得られる変性重合
体を使用して同様にゴム組成物を構成し、これをトレッ
ドに用いた空気入りタイヤが提案されている。また、欧
州公開特許EPO501227号には、共役ジエン化合
物と5〜50重量%の芳香族ビニル化合物との共重合体
でガラス転移温度が0〜−80℃であるゴムに、カーボ
ンブラックに代わる充填剤として窒素吸着比表面積が1
00〜250 m2 /g 、ジブチルフタレート吸油量が1
50〜250ml/100gであるシリカ充填剤を配合したゴ
ム組成物をタイヤトレッドに使用する方法が開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記特開平
3−252431号のように、有機リチウムを開始剤と
して得られる溶液重合ジエン系重合体を原料ゴムとする
シリカ充填配合では、加工性と耐摩耗性が充分でなく、
なお改良の余地があった。また、特開平3−25243
3号では、シラン化合物をカップリング剤として上記溶
液重合ジエン系重合体の分子量を増大し、ムーニー粘度
を特定な範囲に設定して耐摩耗性の改善を図っている
が、シリカ配合の加工性を向上するための要件、例え
ば、ポリマーの分子量分布については殆ど検討がなされ
ていない。更に、シラン化合物を用いてカップリングし
たポリマーは、スズ化合物ほどでないにしても、ブレー
クダウンして分子量が低下しやすいという問題が従来よ
り指摘されている。また、EP0501227号記載の
ごときシリカ配合は、電気絶縁性が高いので、これでタ
イヤトレッドを構成すると自動車に発生した静電気が路
面に逃げないで帯電し、ラジオノイズ等の電波障害を生
起するという欠点がある。しかして,本発明の目的は、
かかる従来型のシリカ充填配合に比べて加工性が良好
で、耐ウエットスキッド性、低転がり抵抗性並びに耐摩
耗性に優れ、しかも充分な導電性が確保されたタイヤト
レッド用ゴム組成物を提供することにある。
3−252431号のように、有機リチウムを開始剤と
して得られる溶液重合ジエン系重合体を原料ゴムとする
シリカ充填配合では、加工性と耐摩耗性が充分でなく、
なお改良の余地があった。また、特開平3−25243
3号では、シラン化合物をカップリング剤として上記溶
液重合ジエン系重合体の分子量を増大し、ムーニー粘度
を特定な範囲に設定して耐摩耗性の改善を図っている
が、シリカ配合の加工性を向上するための要件、例え
ば、ポリマーの分子量分布については殆ど検討がなされ
ていない。更に、シラン化合物を用いてカップリングし
たポリマーは、スズ化合物ほどでないにしても、ブレー
クダウンして分子量が低下しやすいという問題が従来よ
り指摘されている。また、EP0501227号記載の
ごときシリカ配合は、電気絶縁性が高いので、これでタ
イヤトレッドを構成すると自動車に発生した静電気が路
面に逃げないで帯電し、ラジオノイズ等の電波障害を生
起するという欠点がある。しかして,本発明の目的は、
かかる従来型のシリカ充填配合に比べて加工性が良好
で、耐ウエットスキッド性、低転がり抵抗性並びに耐摩
耗性に優れ、しかも充分な導電性が確保されたタイヤト
レッド用ゴム組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ジグリシジル
アミノ基を含有する特定な多官能化合物によりカップリ
ングして得られる溶液重合ジエン系ゴムと、シリカ充填
剤並びにカーボンブラックを組み合わせてタイヤ用ゴム
組成物を構成すれば、所期の目的が達成されることを見
出だし、この発明を完成するに至った。
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ジグリシジル
アミノ基を含有する特定な多官能化合物によりカップリ
ングして得られる溶液重合ジエン系ゴムと、シリカ充填
剤並びにカーボンブラックを組み合わせてタイヤ用ゴム
組成物を構成すれば、所期の目的が達成されることを見
出だし、この発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、この発明は、炭化水素溶媒中で
有機リチウムを触媒にしてスチレンと1,3−ブタジエ
ンとを共重合して得られるリビングポリマーを、ジグリ
シジルアミノ基を含有する多官能化合物によりカップリ
ングしてなる、重量平均分子量(Mw)が50万以上で
あり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比で示される分子量分布(Mw/Mn)が2.2〜
3.2の範囲にあるカップリング変成溶液重合スチレン
−ブタジエン共重合体ゴムの単独、または該共重合体ゴ
ムを60重量%以上含み、残りが他のジエン系ゴム成分
からなる原料ゴム100重量部に対して、シリカ充填剤
を10〜80重量部、カーボンブラックを25重量部以
上とし、かつ該シリカ充填剤と該カーボンブラックを合
わせて40〜100重量部配合してなることを特徴とす
るタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
有機リチウムを触媒にしてスチレンと1,3−ブタジエ
ンとを共重合して得られるリビングポリマーを、ジグリ
シジルアミノ基を含有する多官能化合物によりカップリ
ングしてなる、重量平均分子量(Mw)が50万以上で
あり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比で示される分子量分布(Mw/Mn)が2.2〜
3.2の範囲にあるカップリング変成溶液重合スチレン
−ブタジエン共重合体ゴムの単独、または該共重合体ゴ
ムを60重量%以上含み、残りが他のジエン系ゴム成分
からなる原料ゴム100重量部に対して、シリカ充填剤
を10〜80重量部、カーボンブラックを25重量部以
上とし、かつ該シリカ充填剤と該カーボンブラックを合
わせて40〜100重量部配合してなることを特徴とす
るタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0009】上記のジグリシジルアミノ基を含有する特
定な多官能化合物としては、例えばジグリシジルアニリ
ン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグ
リシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等
を例示することができる。これらの多官能化合物の種類
(または官能基数)やリビングポリマーの分子量及び両
者の反応モル比を適宜選択することにより、カップリン
グ反応後の分子量や分子量分布、或いは未反応グリシジ
ル基の数を所望の値に調整されたゴム状ポリマーを得る
ことができる。
定な多官能化合物としては、例えばジグリシジルアニリ
ン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグ
リシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等
を例示することができる。これらの多官能化合物の種類
(または官能基数)やリビングポリマーの分子量及び両
者の反応モル比を適宜選択することにより、カップリン
グ反応後の分子量や分子量分布、或いは未反応グリシジ
ル基の数を所望の値に調整されたゴム状ポリマーを得る
ことができる。
【0010】かくして得られるゴム状ポリマーのうち、
重量平均分子量(Mw)が50万以上で、分子量分布
(Mw/Mn)が2.2〜3.2の範囲にあり、かつ、
少なくとも一個の未反応グリシジル基を含有するスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムが本発明のゴム成分として
特に好適である。該ゴム状ポリマー中に残存する未反応
グリシジル基は、ポリマーとシリカ充填剤との相互作用
を高める上に有効であり、分子量(Mw)が50万以上
と高いことは、耐摩耗性と低発熱性の改良にとって有利
である。また、分子量分布(Mw/Mn)が2.2以上
で広いということは、シリカ配合に伴う加工性の低下を
抑制するのに欠かせない要件である。但し、(Mw/M
n)が3.2を越えると低分子量ポリマーの増加に基づ
き発熱特性が低下するので好ましくない。
重量平均分子量(Mw)が50万以上で、分子量分布
(Mw/Mn)が2.2〜3.2の範囲にあり、かつ、
少なくとも一個の未反応グリシジル基を含有するスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムが本発明のゴム成分として
特に好適である。該ゴム状ポリマー中に残存する未反応
グリシジル基は、ポリマーとシリカ充填剤との相互作用
を高める上に有効であり、分子量(Mw)が50万以上
と高いことは、耐摩耗性と低発熱性の改良にとって有利
である。また、分子量分布(Mw/Mn)が2.2以上
で広いということは、シリカ配合に伴う加工性の低下を
抑制するのに欠かせない要件である。但し、(Mw/M
n)が3.2を越えると低分子量ポリマーの増加に基づ
き発熱特性が低下するので好ましくない。
【0011】この発明において使用するカップリング変
成溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、更に
シリカとの相互作用を高めるため、分子中の未反応グリ
シジル基に加えて、スチレン含有量とビニル結合量を特
定しポリマー連鎖中のペンダント基を増加させているこ
とに特徴がある。すなわち、溶液重合スチレン−ブタジ
エン共重合体を構成するポリマー連鎖中のスチレン含有
量をS(モル%)、同ブタジエン部分のビニル結合量を
V(モル%)とするとき、AおよびBが下式(1)及び
(2)で表される関係を同時に満足するごとく構成され
たものが特に好適である。 45 ≧ S+1/2V ≧ 25 …(1) 62 ≧ S+V ≧ 40 …(2) 式(1)において、S+1/2Vが45以上では耐摩耗
性、発熱特性を良好にすることが難しく、25以下では
耐ウエットスキッド性を維持することができない。ま
た、式(2)において、S+Vが62以上になると架橋
可能な二重結合が減少して加硫速度に悪影響が現れ、4
0以下ではペンダント量不足となってシリカとの強い相
互作用が確保できない。
成溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、更に
シリカとの相互作用を高めるため、分子中の未反応グリ
シジル基に加えて、スチレン含有量とビニル結合量を特
定しポリマー連鎖中のペンダント基を増加させているこ
とに特徴がある。すなわち、溶液重合スチレン−ブタジ
エン共重合体を構成するポリマー連鎖中のスチレン含有
量をS(モル%)、同ブタジエン部分のビニル結合量を
V(モル%)とするとき、AおよびBが下式(1)及び
(2)で表される関係を同時に満足するごとく構成され
たものが特に好適である。 45 ≧ S+1/2V ≧ 25 …(1) 62 ≧ S+V ≧ 40 …(2) 式(1)において、S+1/2Vが45以上では耐摩耗
性、発熱特性を良好にすることが難しく、25以下では
耐ウエットスキッド性を維持することができない。ま
た、式(2)において、S+Vが62以上になると架橋
可能な二重結合が減少して加硫速度に悪影響が現れ、4
0以下ではペンダント量不足となってシリカとの強い相
互作用が確保できない。
【0012】この発明においては、上記のごとく特定な
多官能化合物によりカップリングしてなる変成溶液重合
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを単独で、またはこ
れを原料ゴム中に60重量%以上含有するごとく他のジ
エン系ゴム成分とブレンドして使用する。このブレンド
率が60重量%未満では、ポリマーとシリカの間に充分
な相互作用がえられず、所期の目的が達成されない。こ
こで使用される他のジエン系ゴムとしては天然ゴム、合
成ポリイソプレンゴム、高シス−1,4−ポリブタジエ
ンゴム、低シス−1,4−ポリブタジエンゴム、乳化重
合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム等の汎用ジエン系ゴム並び
にこれらの1種以上からなるブレンドゴムを挙げること
ができる。
多官能化合物によりカップリングしてなる変成溶液重合
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを単独で、またはこ
れを原料ゴム中に60重量%以上含有するごとく他のジ
エン系ゴム成分とブレンドして使用する。このブレンド
率が60重量%未満では、ポリマーとシリカの間に充分
な相互作用がえられず、所期の目的が達成されない。こ
こで使用される他のジエン系ゴムとしては天然ゴム、合
成ポリイソプレンゴム、高シス−1,4−ポリブタジエ
ンゴム、低シス−1,4−ポリブタジエンゴム、乳化重
合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム等の汎用ジエン系ゴム並び
にこれらの1種以上からなるブレンドゴムを挙げること
ができる。
【0013】この発明に係るゴム組成物は、上記の原料
ゴム100重量部当たりシリカ充填剤を10〜80重量
部及びカーボンブラックを25重量部以上含み、かつ該
シリカ充填剤とカーボンブラックを合わせて40〜10
0重量部含有することを特徴とする。シリカ充填剤が1
0重量部未満では耐ウエットスキッド性の改良効果が乏
しく、シリカとカーボブラックとの合計量が40重量部
未満では転がり抵抗性には優れるが、ゴムに強度がな
く、耐摩耗性に欠ける。シリカ充填剤が80重量部を越
えるか、或いはシリカとカーボンブラックの合計量が1
00重量部を越えると、加工性と転がり抵抗性が低下す
る。
ゴム100重量部当たりシリカ充填剤を10〜80重量
部及びカーボンブラックを25重量部以上含み、かつ該
シリカ充填剤とカーボンブラックを合わせて40〜10
0重量部含有することを特徴とする。シリカ充填剤が1
0重量部未満では耐ウエットスキッド性の改良効果が乏
しく、シリカとカーボブラックとの合計量が40重量部
未満では転がり抵抗性には優れるが、ゴムに強度がな
く、耐摩耗性に欠ける。シリカ充填剤が80重量部を越
えるか、或いはシリカとカーボンブラックの合計量が1
00重量部を越えると、加工性と転がり抵抗性が低下す
る。
【0014】図1は、この発明に係るゴム組成物につい
て、カーボンブラックの配合量と導電性の関係を示した
ものである。縦軸は体積抵抗値である。図より明らかな
ように、カーボンブラックが少ないとシリカ配合並の電
気絶縁性を示す。このような配合でタイヤを構成した場
合、自動車に発生する静電気が地面に逃げ難くラジオノ
イズ発生の原因となっていた。そこで、この発明におい
ては、ゴム組成物の導電性を確保するため、原料ゴム1
00重量部当たりカーボンブラックを25重量部以上配
合する。ここで使用するカーボンブラックの種類は、特
に限定されないが、よう素吸着量(IA)65mg/g 以
上、ジブチルフタレート吸油量(DBP)90cm3 /10
0 g 以上のコロイダル特性を示す補強性カーボンブラッ
クが導電性と同時に耐摩耗性を確保できて好ましい。
て、カーボンブラックの配合量と導電性の関係を示した
ものである。縦軸は体積抵抗値である。図より明らかな
ように、カーボンブラックが少ないとシリカ配合並の電
気絶縁性を示す。このような配合でタイヤを構成した場
合、自動車に発生する静電気が地面に逃げ難くラジオノ
イズ発生の原因となっていた。そこで、この発明におい
ては、ゴム組成物の導電性を確保するため、原料ゴム1
00重量部当たりカーボンブラックを25重量部以上配
合する。ここで使用するカーボンブラックの種類は、特
に限定されないが、よう素吸着量(IA)65mg/g 以
上、ジブチルフタレート吸油量(DBP)90cm3 /10
0 g 以上のコロイダル特性を示す補強性カーボンブラッ
クが導電性と同時に耐摩耗性を確保できて好ましい。
【0015】また、シリカ充填剤は、乾式法シリカより
は通常一般ゴム用として知られている湿式法シリカが好
ましい。その好適な例としては、日本シリカ(株)製
商品名:ニップシール VN3、AQ、徳山曹達(株)製 商
品名:トクシール U、塩野義製薬(株)製 商品名:カ
ープレックス 1120 、水沢化学(株)製 商品名:シル
トン R-2等を挙げることができる。
は通常一般ゴム用として知られている湿式法シリカが好
ましい。その好適な例としては、日本シリカ(株)製
商品名:ニップシール VN3、AQ、徳山曹達(株)製 商
品名:トクシール U、塩野義製薬(株)製 商品名:カ
ープレックス 1120 、水沢化学(株)製 商品名:シル
トン R-2等を挙げることができる。
【0016】なお、この発明に係るゴム組成物には上記
成分の他に公知の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、
可塑剤、老化防止剤、およびシランカップリング剤等を
適宜添加できることは勿論である。この場合において
も、シランカップリング剤は、通常の処方に従ってシリ
カ充填量の5〜10%の範囲で添加するのが好ましい。
成分の他に公知の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、
可塑剤、老化防止剤、およびシランカップリング剤等を
適宜添加できることは勿論である。この場合において
も、シランカップリング剤は、通常の処方に従ってシリ
カ充填量の5〜10%の範囲で添加するのが好ましい。
【0017】
【作用】この発明においては、シリカと組み合わせるス
チレン−ブタジエン共重合体ゴムについて、ジグリシジ
ルアミノ基を含有する多官能化合物をカップリング剤に
用いて、その分子量と分子量分布を特定の範囲に調整し
ているので、加工性の低下を伴うことなく、低発熱性と
良好な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られる。また、
分子中に残るジグリシジルアミノ基に加え、スチレン含
有量とビニル結合量を特定の範囲に設定して、ポリマー
中のペンダント基を増加させたので、加硫速度に悪影響
を及ぼすことなく、ポリマーとシリカとの相互作用を高
めることができる。また、シリカに加えカーボンブラッ
クを所定量添加したので、シリカ配合の電気絶縁性が解
消されてラジオノイズの発生が防止される。かかる構成
のゴム組成物をトレッドに使用することにより、耐摩耗
性を維持ししつつ空気入りタイヤの耐ウエットスキッド
性と転がり抵抗性を改良することが可能となった。
チレン−ブタジエン共重合体ゴムについて、ジグリシジ
ルアミノ基を含有する多官能化合物をカップリング剤に
用いて、その分子量と分子量分布を特定の範囲に調整し
ているので、加工性の低下を伴うことなく、低発熱性と
良好な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られる。また、
分子中に残るジグリシジルアミノ基に加え、スチレン含
有量とビニル結合量を特定の範囲に設定して、ポリマー
中のペンダント基を増加させたので、加硫速度に悪影響
を及ぼすことなく、ポリマーとシリカとの相互作用を高
めることができる。また、シリカに加えカーボンブラッ
クを所定量添加したので、シリカ配合の電気絶縁性が解
消されてラジオノイズの発生が防止される。かかる構成
のゴム組成物をトレッドに使用することにより、耐摩耗
性を維持ししつつ空気入りタイヤの耐ウエットスキッド
性と転がり抵抗性を改良することが可能となった。
【0018】
【実施例】つぎに、実施例および比較例を挙げてこの発
明を具体的に説明する。表1は、各カップリング剤変成
の溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレ
ン含有量(S)、ブタジエン部のビニル結合量(V)、
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、
ペンダント量(S+V及びS+1/2 V)を示したもので
ある。
明を具体的に説明する。表1は、各カップリング剤変成
の溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレ
ン含有量(S)、ブタジエン部のビニル結合量(V)、
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、
ペンダント量(S+V及びS+1/2 V)を示したもので
ある。
【0019】表1におけるスチレン−ブタジエン共重合
体ゴムのミクロ構造は、FT−IRを用いて測定される
赤外吸収スペクトルにつき、ハンプトン法によりスチレ
ン含有量を、モレロ法によりブタジエン部のビニル結合
量を求めて決定された。重量平均分子量(Mw)と分子
量分布(Mw/Mn)はTHFを展開溶媒としてゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定された値
である。
体ゴムのミクロ構造は、FT−IRを用いて測定される
赤外吸収スペクトルにつき、ハンプトン法によりスチレ
ン含有量を、モレロ法によりブタジエン部のビニル結合
量を求めて決定された。重量平均分子量(Mw)と分子
量分布(Mw/Mn)はTHFを展開溶媒としてゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定された値
である。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示す各種のカップリング変成スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム単独、又はこれとシス−
1,4−ポリブタジエンゴム(BR01)とのブレンド
ゴムを原料ゴムとし、かつ乳化重合スチレン−ブタジエ
ン共重合体ゴム(SBR1712)を特性評価の基準ゴムと
するゴム組成物を、表2に示すごとき配合割合にてバン
バリーミキサーで混合し調製した。
ン−ブタジエン共重合体ゴム単独、又はこれとシス−
1,4−ポリブタジエンゴム(BR01)とのブレンド
ゴムを原料ゴムとし、かつ乳化重合スチレン−ブタジエ
ン共重合体ゴム(SBR1712)を特性評価の基準ゴムと
するゴム組成物を、表2に示すごとき配合割合にてバン
バリーミキサーで混合し調製した。
【0022】ついで上記各ゴム組成物につき、加工性並
びにタイヤトレッドに用いた場合の耐ウエットスキッド
性、耐摩耗性、導電性等の諸特性を下記の方法により、
また転がり抵抗は剪断損失正接(tan δ)と関係するの
で、これを測定して転がり抵抗を評価した。 加工性… JIS K6300に準じてムーニー粘度
ML1+4(100 ℃)を測定し、その値が80以下の場合を
加工良好(○印)とし、80を越えるものを加工難(×
印)とした。 耐ウエットスキッド性… 住友3M社製セイフティウォ
ーク(タイプB)の表面を水で濡らして作成した湿潤路
面に対する摩擦抵抗を、英国スタンレー社製ポータブル
スキッドテスターを用いて Rubber Chemical and Techn
ology 38巻 840頁記載の方法にしたがって測定し、比較
例1の測定値を100として指数化し、耐ウエットスキ
ッド性を評価する指標とした。値が大きいほど好まし
い。 転がり抵抗性… 岩本製作所製 VISCO ELASTIC SPECTRO
METER により、5mm四方角、厚み2mmのサンプルにつ
き、50Hz、5% 剪断条件下、温度60℃で測定した剪
断損失正接(tan δ)を、比較例1を100として指数
化し、転がり抵抗性を評価する指標とした。この場合
は、値の小さい方が好ましい。 耐摩耗性… 島多技研社製ランボーン摩耗試験機を用
い、JIS K6264にしたがって、荷重3kg、スリ
ップ率60% の条件下において測定した摩耗損失量を、
比較例1を100として指数化し、耐摩耗性評価の指標
とした。値の大きい方が好ましい。 導電性… 二つの電極間に試験片を挟んで直流電圧を印
加したとき試験片を通る電流値を測定し、これより求ま
る体積抵抗値(電圧を試験片の単位体積を通る電流で除
した数値)を導電性の指標とした。値の小さい方が好ま
しい。結果は表2に纏めて示す。
びにタイヤトレッドに用いた場合の耐ウエットスキッド
性、耐摩耗性、導電性等の諸特性を下記の方法により、
また転がり抵抗は剪断損失正接(tan δ)と関係するの
で、これを測定して転がり抵抗を評価した。 加工性… JIS K6300に準じてムーニー粘度
ML1+4(100 ℃)を測定し、その値が80以下の場合を
加工良好(○印)とし、80を越えるものを加工難(×
印)とした。 耐ウエットスキッド性… 住友3M社製セイフティウォ
ーク(タイプB)の表面を水で濡らして作成した湿潤路
面に対する摩擦抵抗を、英国スタンレー社製ポータブル
スキッドテスターを用いて Rubber Chemical and Techn
ology 38巻 840頁記載の方法にしたがって測定し、比較
例1の測定値を100として指数化し、耐ウエットスキ
ッド性を評価する指標とした。値が大きいほど好まし
い。 転がり抵抗性… 岩本製作所製 VISCO ELASTIC SPECTRO
METER により、5mm四方角、厚み2mmのサンプルにつ
き、50Hz、5% 剪断条件下、温度60℃で測定した剪
断損失正接(tan δ)を、比較例1を100として指数
化し、転がり抵抗性を評価する指標とした。この場合
は、値の小さい方が好ましい。 耐摩耗性… 島多技研社製ランボーン摩耗試験機を用
い、JIS K6264にしたがって、荷重3kg、スリ
ップ率60% の条件下において測定した摩耗損失量を、
比較例1を100として指数化し、耐摩耗性評価の指標
とした。値の大きい方が好ましい。 導電性… 二つの電極間に試験片を挟んで直流電圧を印
加したとき試験片を通る電流値を測定し、これより求ま
る体積抵抗値(電圧を試験片の単位体積を通る電流で除
した数値)を導電性の指標とした。値の小さい方が好ま
しい。結果は表2に纏めて示す。
【0023】
【表2】
【0024】表1および表2から判るように、前記のご
ときこの発明の構成要件を満足するゴム組成物(実施例
1〜6)は、シリカ配合であるにも拘らず良好な加工性
を有し、カーボンブラック補強の乳化重合SBRからな
るゴム組成物(比較例1)に比較して、いずれも転がり
抵抗性にすぐれ、かつ、これに劣らぬ耐ウエットスキッ
ド性と耐摩耗性を備える。また、導電性も充分である。
ときこの発明の構成要件を満足するゴム組成物(実施例
1〜6)は、シリカ配合であるにも拘らず良好な加工性
を有し、カーボンブラック補強の乳化重合SBRからな
るゴム組成物(比較例1)に比較して、いずれも転がり
抵抗性にすぐれ、かつ、これに劣らぬ耐ウエットスキッ
ド性と耐摩耗性を備える。また、導電性も充分である。
【0025】更に詳細に説明すると、比較例1は、カー
ボンブラック( N-339)を含有する乳化重合SBR(S
BR 1712 )からなる一般トレッド用ゴム組成物であ
り、これを特性評価用のコントロールとした。比較例2
は、トリエトキシクロロシランによりカップリング変成
してなる溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを
用いた以外は、実施例1または2と同じ配合組成のもの
であり、転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性は改良さ
れるが、分子量(Mw)が29万と小さいことも基因し
て耐摩耗性が劣る。また、比較例3のように、シリカ充
填剤のみの配合では、たとえ原料ゴムがこの発明に係る
構成要件を満たしていても、電気絶縁性が高く、かつ耐
摩耗性の劣った組成物となる。
ボンブラック( N-339)を含有する乳化重合SBR(S
BR 1712 )からなる一般トレッド用ゴム組成物であ
り、これを特性評価用のコントロールとした。比較例2
は、トリエトキシクロロシランによりカップリング変成
してなる溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを
用いた以外は、実施例1または2と同じ配合組成のもの
であり、転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性は改良さ
れるが、分子量(Mw)が29万と小さいことも基因し
て耐摩耗性が劣る。また、比較例3のように、シリカ充
填剤のみの配合では、たとえ原料ゴムがこの発明に係る
構成要件を満たしていても、電気絶縁性が高く、かつ耐
摩耗性の劣った組成物となる。
【0026】比較例4は、この発明に係るカップリング
変成溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのミク
ロ構造において、S+1/2 Vの値が小さくて、前記
(1)式の要件が満たされない例を示したものである。
この場合、転がり抵抗性と耐摩耗性の改良については最
大の効果が得られたが、耐ウエットスキッド性の向上効
果がやや劣り好ましくない。比較例5及び比較例6は、
他の従来型カップリング剤(四塩化ケイ素及び四塩化ス
ズ)で変成した共重合体ゴムに関する例である。これら
の変成ゴムについても、比較例2と同様に、耐ウエット
スキッド性と転がり抵抗性には有効な効果が認められる
が、分子量分布(Mw/Mn)が1.4と狭いため加工
性が劣り、また、後者では特に耐摩耗性が悪い。これ
は、シスポリプタジエン(BR−01)を含まず、かつ
分子量(Mw)が50万以下の単独ゴム組成物であるこ
とに基因するものと思える。
変成溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのミク
ロ構造において、S+1/2 Vの値が小さくて、前記
(1)式の要件が満たされない例を示したものである。
この場合、転がり抵抗性と耐摩耗性の改良については最
大の効果が得られたが、耐ウエットスキッド性の向上効
果がやや劣り好ましくない。比較例5及び比較例6は、
他の従来型カップリング剤(四塩化ケイ素及び四塩化ス
ズ)で変成した共重合体ゴムに関する例である。これら
の変成ゴムについても、比較例2と同様に、耐ウエット
スキッド性と転がり抵抗性には有効な効果が認められる
が、分子量分布(Mw/Mn)が1.4と狭いため加工
性が劣り、また、後者では特に耐摩耗性が悪い。これ
は、シスポリプタジエン(BR−01)を含まず、かつ
分子量(Mw)が50万以下の単独ゴム組成物であるこ
とに基因するものと思える。
【0027】
【発明の効果】以上の通り、この発明においては、ジグ
リシジルアミノ基を含有する多官能化合物によりカップ
リングして得られ、特定なマクロ及びミクロ構造を有す
る溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを使用
し、かつこれを主成分とする原料ゴムにシリカ充填剤並
びにカーボンブラックの所定量を配合してゴム組成物を
構成したので、加工性が良好で、耐ウエットスキッド
性、転がり抵抗性及び耐摩耗性にすぐれ、しかも導電性
があってラジオノイズ発生の虞れのないタイヤトレッド
用ゴム組成物が得られる。
リシジルアミノ基を含有する多官能化合物によりカップ
リングして得られ、特定なマクロ及びミクロ構造を有す
る溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを使用
し、かつこれを主成分とする原料ゴムにシリカ充填剤並
びにカーボンブラックの所定量を配合してゴム組成物を
構成したので、加工性が良好で、耐ウエットスキッド
性、転がり抵抗性及び耐摩耗性にすぐれ、しかも導電性
があってラジオノイズ発生の虞れのないタイヤトレッド
用ゴム組成物が得られる。
【図1】この発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物に
おいて、カーボンブラックの配合量と体積抵抗値との関
係を示したグラフである。
おいて、カーボンブラックの配合量と体積抵抗値との関
係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 康則 大阪府茨木市西中条町5番7号 東洋ゴム 工業株式会社技術開発研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 炭化水素溶媒中で有機リチウムを触媒に
してスチレンと1,3−ブタジエンとを共重合して得ら
れるリビングポリマーを、ジグリシジルアミノ基を含有
する多官能化合物によりカップリングしてなる、重量平
均分子量(Mw)が50万以上であり、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で示される分子
量分布(Mw/Mn)が2.2〜3.2の範囲にあるカ
ップリング変成溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体
ゴムの単独、または該共重合体ゴムを60重量%以上含
み、残りが他のジエン系ゴム成分からなる原料ゴム10
0重量部に対して、シリカ充填剤を10〜80重量部、
カーボンブラックを25重量部以上とし、かつ該シリカ
充填剤と該カーボンブラックを合わせて40〜100重
量部配合してなることを特徴とするタイヤトレッド用ゴ
ム組成物。 - 【請求項2】 カップリング変成溶液重合スチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムを構成するポリマー連鎖中のスチ
レン含有量をS(モル%)、同ブタジエン部分のビニル
結合量をV(モル%)とするとき、S及びVが下式
(1)及び(2)で表される関係を同時に満足する請求
項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。 45 ≧ S+1/2V ≧ 25 …(1) 62 ≧ S+V ≧ 40 …(2) - 【請求項3】 カップリング変成溶液重合スチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムが、分子中に少なくとも一個の未
反応グリシジル基を含有する請求項1または2記載のタ
イヤトレッド用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6122522A JPH07330959A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6122522A JPH07330959A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330959A true JPH07330959A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14837939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6122522A Pending JPH07330959A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330959A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0934973A1 (en) * | 1998-02-06 | 1999-08-11 | PIRELLI PNEUMATICI S.p.A. | Vulcanizable rubber composition, in particular for low rolling resistance treads of vehicle tires |
WO2001023467A1 (fr) * | 1999-09-27 | 2001-04-05 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Composition de caoutchouc |
JP2002284934A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Asahi Kasei Corp | ゴム組成物 |
JP2002284930A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Asahi Kasei Corp | 変性共役ジエン系重合体組成物 |
JP2002284933A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Asahi Kasei Corp | 変性共役ジエン系重合体組成物及びゴム組成物 |
JP2002284931A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Asahi Kasei Corp | 履物用ゴム組成物 |
WO2005056615A1 (ja) * | 2003-12-15 | 2005-06-23 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 無機充填剤との親和性に優れた重合体 |
US7005469B2 (en) * | 2001-02-15 | 2006-02-28 | Japan Elastomer Co., Ltd. | Modified rubber, process for producing the same, and composition |
US7034081B2 (en) | 2002-09-16 | 2006-04-25 | Bayer Aktiengesellschaft | Highly branched diene polymers |
JP2008095111A (ja) * | 1997-04-10 | 2008-04-24 | Bridgestone Corp | 静電蓄積抑制用シリカ含有タイヤ組成物 |
WO2008123215A1 (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-16 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 変性共役ジエン系重合体の製造方法、該重合体を含む組成物及び該組成物を含むタイヤ |
JP2009275178A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 変性共役ジエン系重合体組成物及びこれを用いた加硫ゴム組成物 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP6122522A patent/JPH07330959A/ja active Pending
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2001023467A1 (fr) * | 1999-09-27 | 2001-04-05 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Composition de caoutchouc |
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US6906152B2 (en) | 1999-09-27 | 2005-06-14 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Rubber compositions |
US7005469B2 (en) * | 2001-02-15 | 2006-02-28 | Japan Elastomer Co., Ltd. | Modified rubber, process for producing the same, and composition |
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JP2002284933A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Asahi Kasei Corp | 変性共役ジエン系重合体組成物及びゴム組成物 |
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US7034081B2 (en) | 2002-09-16 | 2006-04-25 | Bayer Aktiengesellschaft | Highly branched diene polymers |
WO2005056615A1 (ja) * | 2003-12-15 | 2005-06-23 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 無機充填剤との親和性に優れた重合体 |
KR100726911B1 (ko) * | 2003-12-15 | 2007-06-11 | 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 | 무기 충전제와의 친화성이 우수한 중합체 |
CN100436487C (zh) * | 2003-12-15 | 2008-11-26 | 旭化成化学株式会社 | 与无机填充剂的亲合性优异的聚合物 |
JP4739025B2 (ja) * | 2003-12-15 | 2011-08-03 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 無機充填剤との親和性に優れた重合体 |
WO2008123215A1 (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-16 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 変性共役ジエン系重合体の製造方法、該重合体を含む組成物及び該組成物を含むタイヤ |
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JP2009275178A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 変性共役ジエン系重合体組成物及びこれを用いた加硫ゴム組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030916 |