JP4643189B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物、及び、それを用いた空気入りタイヤに関するものである。
最近、環境あるいは安全への関心が高まるにつれ、タイヤにも転がり抵抗の低減による低燃費性や、路面把握性、特に湿潤路面での制動性能(ウェット制動性能)の向上が強く要請されるようになった。しかし、これらの特性は一般に背反することが多く、両立させるために、例えば、充填剤と相互作用のある変性重合体を用いたり(下記特許文献1など)、あるいはまた、充填剤としてシリカを配合することが行われている(下記特許文献2など)。
しかしながら、特許文献1記載に記載された四塩化ケイ素や四塩化スズなどの変性剤で変性された重合体では、転がり抵抗性能とウェット制動性能の改善効果という点で、最近の高い要求レベルに応えることは難しい。
また、シリカ配合のみで、転がり抵抗性能とウェット制動性能の更なる改善を図ろうとした場合、補強剤としての総量には限界があるため、カーボンブラックの量を抑えてシリカの配合量を多くする必要がある。そのため、ゴム組成物の抵抗値が増大して、ラジオノイズなどの静電気トラブルが発生してしまう。
ところで、昨今、新技術として、ジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物で変性してなるスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いることが提案されている(下記特許文献3など)。この変性ゴムを用いた場合、転がり抵抗性能とウェット制動性能の両立という点で上記従来のものに比べれば効果は認められるものの、最近のより高い要求レベルに対しては充分満足できるものとは言えない。
また、下記特許文献4には、第1級アミノ基とアルコキシシリル基を有する変性スチレン−ブタジエン共重合ゴムを用いることが提案されている。この変性ゴムを用いた場合、転がり抵抗性能とウェット制動性能の両立という点では優れた効果が得られる。すなわち、アミノ基及びアルコキシシリル基により、充填剤との相互作用が向上し、充填剤の分散性が向上することにより、転がり抵抗性能を大幅に改善することができる。しかし、この場合、相互作用が強すぎることによって、ゴム組成物の粘度が上昇し、ゴムシートとしての取り扱いが困難で、加工性に劣るという問題がある。
特開昭57−55912号公報。 特開2003−155383号公報。 特開2002−284934号公報。 特開2003−171418号公報。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ラジオノイズ等の静電気によるトラブルの発生を伴うことなく、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスに優れ、更に、加工性にも優れるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体であって、ジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物で変性してなるゴム状重合体(A)20〜60重量%と、共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体であって、重合体鎖に結合した第1級アミノ基とアルコキシシリル基を有するゴム状重合体(B)20〜60重量%と、天然ゴム10〜20重量%と、を含んでなるゴム成分100重量部と、カーボンブラック及びシリカからなり、かつその重量比がカーボンブラック/シリカ=1/〜2/1である補強剤50〜100重量部と、を含有するゴム組成物であって、ゴム組成物全体に対するカーボンブラックの体積分率が10〜15vol%であり、体積固有抵抗値が10Ω・cm未満であることを特徴とするものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、これらのゴム組成物からなるトレッドを有するものである。
本発明によれば、ジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物で変性した重合体(A)と、アミノ基及びアルコキシシリル基を有する重合体(B)と、を併用したことにより、加工性を損なうことなく、転がり抵抗性能とウェット制動性能を、従来にもまして高いレベルで両立させることができ、しかも、体積固有抵抗値を10Ω・cm未満とすることにより、ラジオノイズ等の静電気によるトラブルの発生を解消することができる。よって、タイヤトレッド用ゴム組成物として実用上極めて有益なゴム組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
1.重合体(A)
本発明のゴム組成物において、ゴム成分として使用される重合体(A)は、共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体であって、ジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物で変性してなるゴム状重合体である。
かかる重合体(A)は、特開2002−284934号公報に記載の方法により製造することができる。すなわち、炭化水素溶媒中で、共役ジエン、あるいは共役ジエンとスチレンとを、有機アルカリ金属及び/又は有機アルカリ土類金属を重合開始剤としてアニオン重合せしめ、これにより得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体に対し、その活性末端にジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物を反応させることにより得られる。
上記共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、共重合するスチレンはランダム共重合したものであることが好ましい。また、必要に応じ、他の共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。好ましくは、重合体(A)としては、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いることである。
上記炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。また、重合開始剤としては、n−ブチルリチウムが好ましく用いられる。
変性剤として用いるジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物としては、例えば、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどのジグリシジルアミノ化合物が挙げられる。該多官能化合物は、エポキシ基/重合体の活性末端の比が、1当量を越え10当量以下の量比で反応させることが好ましい。これにより、重合体の活性末端とエポキシ基が反応して生成する水酸基とともに、重合体に結合した多官能化合物分子中の未反応のエポキシ基が存在する変性重合体を生成させることができ、更に、上記多官能化合物であるとアミノ基も導入される。なお、重合体(A)において、かかる多官能化合物による変性率は高いほど好ましいが、実際には変性率にはある程度の限界があり、本発明では、重合体(A)は、多官能化合物を反応させて得られる変性成分を60重量%を越えて含有することが好ましい。
重合体(A)がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである場合、スチレン含有量は20〜45重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜40重量%である。また、ブタジエン部中のビニル含有量は15〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは25〜45重量%である。
2.重合体(B)
本発明のゴム組成物において、ゴム成分として使用される重合体(B)は、共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体であって、重合体鎖に結合した第1級アミノ基とアルコキシシリル基を有するゴム状重合体である。
かかる重合体(B)は、特開2003−171418号公報に記載の方法により製造することができる。すなわち、(1)炭化水素溶媒中で、共役ジエン、あるいは共役ジエンとスチレンとを、有機アルカリ金属及び/又は有機アルカリ土類金属を重合開始剤としてアニオン重合せしめ、これにより得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体に対し、保護された1級アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物を添加して活性末端に反応せしめ、次いで脱保護(加水分解)することによる製法、又は、(2)炭化水素溶媒中で、共役ジエン、あるいは共役ジエンとスチレンとを、重合開始剤として1級アミノ基を保護したリチウムアミドを用いて、アニオン重合せしめ、これにより得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体に対し、アルコキシシラン化合物を添加して活性末端に反応せしめ、次いで脱保護(加水分解)することによる製法、により得られる。
上記共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、共重合するスチレンはランダム共重合したものであることが好ましい。また、必要に応じ、他の共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。好ましくは、重合体(B)としては、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いることである。なお、炭化水素溶媒としては、上記した重合体(A)の場合と同様のものを用いることができる。
上記(1)の製法において、変性剤として用いる保護された1級アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物としては、アルキルシリル基で保護されたアミノ基含有アルコキシシラン化合物が好ましく用いられ、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。なお、変性剤として、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンを用いた場合、該シラシクロペンタンは2分子の重合体の活性末端と反応することができる。また、重合開始剤としては、n−ブチルリチウムが好ましく用いられる。更に、保護された第1級アミノ基を脱保護させるための加水分解は、80〜150℃の温度範囲内で、前記変性剤として用いる化合物の2倍モル以上の水又は酸性水などを添加し、10分以上反応させることにより行うことができる。なお、上記アミノ基含有アルコキシシラン化合物とともに、四塩化ケイ素や四塩化スズなどの公知のカップリング剤を併用してもよい。
上記(2)の製法において、リチウムアミド開始剤としては、第1級アミノ基がアルキルシリル基で保護されたリチウムアミドが好ましく用いられ、例えば、3−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)〕−1−プロピルリチウム、3−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)〕−2−メチル−1−プロピルリチウム、4−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)〕−1−ブチルリチウム、3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、2−メチル−3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウムなどが挙げられる。また、重合後の活性末端に反応させるアルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの各種アルコキシシラン化合物を用いることができる。なお、保護された第1級アミノ基を脱保護させるための加水分解は、80〜150℃の温度範囲内で、上記リチウムアミド開始剤の2倍モル以上の水又は酸性水などを添加し、10分以上反応させることにより行うことができる。
重合体(B)がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである場合、スチレン含有量は30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10〜25重量%である。また、ブタジエン部中のビニル含有量は50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50〜70重量%である。また、重合体(A)及び(B)がともにスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである場合、重合体(A)の方がスチレン含有量が多く、かつブタジエン部中のビニル含有量が少ないことが好ましい。
3.ゴム成分
本発明のゴム組成物において、ゴム成分は、上記重合体(A)20〜60重量%と、上記重合体(B)20〜60重量%とを含んでなる。重合体(A)の比率が20重量%未満では、重合体(B)の比率が増加し、ゴム組成物の粘度が上昇して加工性が劣り、逆に、60重量%を越えると、重合体(B)の比率が減少して、転がり抵抗性能とウェット制動性能の改良効果に劣る。また、重合体(B)の比率が20重量%未満では、転がり抵抗性能とウェット制動性能が劣り、逆に、60重量%を越えると、ゴム組成物の粘度が上昇して加工性に劣る。なお、重合体(A)と重合体(B)は、合計量で、ゴム成分の80重量%以上であることが好ましい。
該ゴム成分は、上記重合体(A)及び(B)のみから構成することもできるが、これら重合体(A)及び(B)とともに、他のジエン系重合体(C)を0〜20重量%含有させてもよく、重合体(A)と(B)と(C)の合計量で100重量%とする(A+B+C=100重量%)。すなわち、他のジエン系重合体(C)は必須ではないが、併用する場合、20重量%以下であることが好ましい。他のジエン系重合体(C)が20重量%を越えると、転がり抵抗性能とウェット制動性能の改良効果に劣る。他のジエン系重合体(C)の配合比率は、より好ましくは10〜20重量%である。
ここで、他のジエン系重合体(C)としては、特に限定はなく、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴムの他、上記重合体(A)及び(B)以外のブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。これらの内でも、天然ゴム、ブタジエンゴムが好ましく、より好ましくは天然ゴムを併用することである。天然ゴムを併用した場合、後記実施例に示されるように、ゴム組成物の体積固有抵抗値が低下するので好ましい。これは、天然ゴム中の不純物に導電効果があるものと推測される。
4.補強剤
本発明のゴム組成物において、上記ゴム成分とともに配合される補強剤は、カーボンブラック及び無機充填剤からなる。ここで、無機充填剤としては、シリカ(含水珪酸)が好ましく使用される。カーボンブラックの配合量としては、ゴム成分100重量部に対して、20〜50重量部であることが好ましく、また、ゴム組成物全体に対するカーボンブラックの体積分率として、10〜15vol%であることが好ましい。カーボンブラックの配合量がこれより少なくなると、導電性を確保することが難しくなる。また、無機充填剤の配合量としては、ゴム成分100重量部に対して、20〜50重量部であることが好ましい。無機充填剤の配合量がこれよりも少なくなると、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスが悪化する。カーボンブラックと無機充填剤は、合計量で、ゴム成分100重量部に対して、50〜100重量部配合されることが、タイヤトレッド用ゴムとして要求される補強性を確保する上で好ましい。また、カーボンブラックと無機充填剤の比率は、重量比で、カーボンブラック/無機充填剤=1/〜2/1であることが、導電性と転がり抵抗性能/ウェット制動性能との両立を図る上で好ましい。逆に言えば、本発明であると、ゴム成分として用いる上記重合体(A)及び(B)の組合せにより転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスを大幅に改善することができるので、その分、無機充填剤の配合量を減らすことができ、そのため、補強剤としての総量を増やすことなくカーボンブラックを増量して導電性を確保することができ、よって、所定の補強性、導電性を確保した上で、転がり抵抗性能とウェット制動性能を改善することができる。
5.その他の成分
本発明のゴム組成物には、上記した成分の他に、シランカップリング剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。なお、シランカップリング剤は、通常、無機充填剤100重量部に対して2〜25重量部配合される。
6.体積固有抵抗値
本発明のゴム組成物においては、体積固有抵抗値が10Ω・cm未満であることが必要である。体積固有抵抗値が10Ω・cm以上であると、本ゴム組成物をタイヤトレッド用ゴムとして用いた場合に、タイヤの通電性が劣り、静電気が帯電されやすくなり、走行中にラジオノイズが発生したり、乗降車時における静電気ショックなどの不快感の原因となる。かかる体積固有抵抗値は、上記したカーボンブラックの量を調整したり、ゴム成分に天然ゴムを併用したりすることにより、上記範囲内に設定することができる。
7.作用
以上よりなるゴム組成物であると、転がり抵抗性能とウェット制動性能とのバランスには優れるものの加工性に問題がある重合体(B)の当該問題点を、上記した特殊な官能基を持つ重合体(A)とともに併用することにより解消して、転がり抵抗性能とウェット制動性能と加工性を両立させることができ、更に、後記の実施例に示されるように、転がり抵抗性能を従来にも増して大幅に改善することができる。しかも、体積固有抵抗値を10Ω・cm未満とすることにより、ラジオノイズ等の静電気によるトラブルの発生を解消することができるので、空気入りタイヤのトレッドを形成するゴムとして好ましく使用することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ゴム組成物の調製)
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・SBR1:変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを用いて、特開2002−284934号公報に記載の方法により合成したスチレン−ブタジエンゴム(上記重合体(A)に相当。スチレン含有量=35重量%、ブタジエン部中のビニル含有量=35重量%、ガラス転移点=−26℃、重量平均分子量=95万)。
・SBR2:変性剤としてSiClを用いて合成したスチレン−ブタジエンゴム(スチレン含有量=35重量%、ブタジエン部中のビニル含有量=35重量%、ガラス転移点=−26℃、重量平均分子量=100万)。
・SBR3:変性剤として1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンを用いて、特開2003−171418号公報に記載の方法により合成したスチレン−ブタジエンゴム(上記重合体(B)に相当。スチレン含有量=20重量%、ブタジエン部中のビニル含有量=60重量%、ガラス転移点=−30℃、重量平均分子量=45万)。
・SBR4:変性剤としてSnClを用いて合成したスチレン−ブタジエンゴム(スチレン含有量=20重量%、ブタジエン部中のビニル含有量=60重量%、ガラス転移点=−30℃、重量平均分子量=65万)。
・NR:天然ゴム(RSS#3)
・ハイシスBR:JSR社製ブタジエンゴム「BR01」
・カーボンブラック:東海カーボン社製N234「シースト7H」
・シリカ:デグサ社製「ウルトラジルVN3」
・カップリング剤:デグサ社製「Si75」
また、各ゴム組成物には、共通配合として、アロマ系プロセス油(ジャパンエナジー社製「プロセスX−140」)30重量部、ステアリン酸(花王製「ルナックS−20」)2重量部、亜鉛華(三井金属鉱業製「亜鉛華1種」)2重量部、老化防止剤(住友化学製「アンチゲン6C」)2重量部、ワックス(日本精鑞製「オゾエース0355」)2重量部、加硫促進剤(住友化学製「ソクシノールCZ」)1.5重量部、硫黄(鶴見化学製「粉末硫黄」)2.1重量部を配合した。
(評価)
得られた各ゴム組成物についてムーニー粘度(加工性)を測定するとともに、体積固有抵抗値(電気抵抗)を測定した。また、各ゴム組成物を用いて空気入りタイヤを作製した。タイヤは、キャップ/ベース構造のトレッドを有する205/65R15 94Hの乗用車用ラジアルタイヤのキャップトレッドに各ゴム組成物を適用し、定法に従い加硫成形することにより製造した。そして、得られた各タイヤについて、ウェット制動性能、転がり抵抗、ラジオノイズを評価した。各評価方法は次の通りである。
・ムーニー粘度(加工性):JIS K6300に準拠してムーニー粘度を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど粘度が低いこと、即ち加工性が良好であることを示し、105以上は実使用に適さないことを意味する。
・ウェット制動性:2000ccのFF車に上記空気入りタイヤを4本装着し、2〜3mmの水深で水をまいた路面上を走行し、時速90kmでABSを作動させて20km/hまで減速時の制動距離を測定した(n=10の平均値)。比較例1の値を100とした指数で表示し、指数が大きいほど制動距離が短く、ウェット制動性に優れることを示す。
・転がり抵抗(低燃費性):使用リムを15×6.5−JJとしてタイヤを装着し、空気圧230kPa、荷重450kgfとして、転がり抵抗測定ドラムにて23℃で80km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定した。比較例1の値を100とした指数で表示し、指数が小さいほど、転がり抵抗が小さく、よって低燃費性に優れることを示す。
・電気抵抗(体積固有抵抗値):ゴム組成物から厚み2mmのゴムシートを加硫成形し、得られた各ゴムシートについて、三菱化学製「ハイレスターUP」を用い、500V、23℃、65RH%にて体積固有抵抗値を測定した。
・ラジオノイズ:上記空気入りタイヤを上記FF車に装着し、通常走行時、AMラジオ視聴時のノイズの有無を評価した。
Figure 0004643189
表1に示すように、実施例1〜4のゴム組成物(但し、実施例2及び4は参考例)であると、比較例1に比べて、ムーニー粘度及び電気抵抗が上昇することなく、同等以上のウェット制動性能で、転がり抵抗性能が著しく改良されていた。
これに対し、比較例2では、重合体(A)の代わりにSBR2を使用したことから、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスは問題ないが、ムーニー粘度が高く加工性に劣るものであった。比較例3では、補強剤が全てカーボンブラックであったため、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスが悪い。比較例4では、補強剤が全てシリカであったため、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスは良好であったが、ムーニー粘度が高く、電気抵抗も高く、ラジオノイズの発生も認められた。比較例5では、実施例3に対し、重合体(B)の代わりにSBR4を使用したことから、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスが不十分であった。比較例6では、実施例3に対し、重合体(A)の代わりにSBR2を使用したことから、粘度が高く加工性に劣っていた。比較例7では、実施例4に対し、重合体(B)の代わりにSBR4を使用したことから、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスが不十分であった。比較例8では、実施例4に対し、重合体(A)の代わりにSBR2を使用したことから、粘度が高く加工性に劣っていた。比較例9では、BRが過剰に使用されたため、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスに劣っていた。比較例10では、SBR1の単独使用であったため、転がり抵抗性能とウェット制動性能の改良代が不十分であった。比較例11では、SBR3の単独使用であったため、転がり抵抗性能とウェット制動性能のバランスには優れたものの、粘度が高く、加工性に劣っていた。
図1には、実施例及び比較例のウェット制動性能と転がり抵抗性能との関係を示した。図示するように、実施例では、ウェット制動性能を損なうことなく転がり抵抗を下げるという点において、比較例よりも明らかに優れた傾向にあった。これに対し、比較例については、粘度が高い比較例2,6,8では実施例と比較的近い傾向にあったが、粘度が低く実用上の加工条件を満足するものについては、実施例とは明らかに異なる傾向が見られ、ウェット制動性能と転がり抵抗性能の改善効果の劣るものであった。
実施例及び比較例の各ゴム組成物について、ウェット制動性能と転がり抵抗性能との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体であって、ジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物で変性してなるゴム状重合体(A)20〜60重量%と、
    共役ジエン系重合体または共役ジエン−スチレン系共重合体であって、重合体鎖に結合した第1級アミノ基とアルコキシシリル基を有するゴム状重合体(B)20〜60重量%と
    天然ゴム10〜20重量%と、
    を含んでなるゴム成分100重量部と、
    カーボンブラック及びシリカからなり、かつその重量比がカーボンブラック/シリカ=1/〜2/1である補強剤50〜100重量部と、
    を含有するゴム組成物であって、
    ゴム組成物全体に対するカーボンブラックの体積分率が10〜15vol%であり、
    体積固有抵抗値が10Ω・cm未満である
    ことを特徴とするゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤ。
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