JP2010209254A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】引張強度、耐摩耗性、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤ等に用いる加硫ゴムを製造することができるゴム組成物を提供すること。
【解決手段】所定の工程で得られる変性スチレン−ブタジエン共重合体を20質量%以上、及び所定の共役ジエン系重合体を変性してなる変性共役ジエン系重合体を5質量%以上含有するジエン系ゴムを含むゴム成分と、ゴム成分100質量部に対し、2〜100質量部のカーボンブラック、及び/又は、30〜100質量部のシリカを含む充填剤と、を含有するゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム組成物及び空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、破壊強度、耐摩耗性、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤ等に用いる加硫ゴムを製造することができるゴム組成物、及び破壊強度、耐摩耗性、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤに関する。
近年の自動車に対する低燃費化要求に伴い、タイヤの転がり抵抗を低減するゴム材料の開発が望まれている。タイヤの転がり抵抗を低減するためには、加硫ゴムの低周波数でのエネルギーロスを小さくすれば良い。即ち、走行中の自動車のタイヤ温度は50〜70℃となるが、その際、タイヤ(トレッドゴム)が受ける外力の周波数(車速とタイヤの直径から算出される)は数10Hzであり、この温度及び低周波数条件でのエネルギーロスを小さくするほど燃費が良好なタイヤとなる。このように「加硫ゴムの低周波数でのエネルギーロス」という概念は、タイヤの実際の使用条件における燃費性に関する加硫ゴムの評価指数となるものであるが、他方、実際の走行によることなく、その実走行条件をラボで再現した場合の燃費性に関する加硫ゴムの評価指数(ラボ指数)として、「50℃におけるtanδ(tanδはエネルギーロスを示す)」があり、この「50℃におけるtanδ」を小さくするほど燃費が良好なタイヤを製造することができる。
一方で、自動車の走行安定性の向上という要請もある。この要請に伴い、タイヤの氷雪路面での摩擦抵抗や乾燥路面での摩擦抵抗を増加させるゴム材料の開発も望まれている。ゴム材料の摩擦抵抗を増加させるためには、加硫ゴムの高周波数でのエネルギーロスを大きくすれば良い。即ち、自動車がブレーキをかけた場合、自動車のタイヤ温度は50〜70℃となるが、その際、タイヤは路面の目に見えない凹凸により高周波数(数万〜数10万Hz)で外力をうけることになり、この温度及び高周波数条件でのエネルギーロスを大きくするほど路面での摩擦抵抗が大きい(即ち、走行安定性に優れた)タイヤとなる。このように「加硫ゴムの高周波数でのエネルギーロス」という概念は、タイヤの実際の使用条件における走行安定性に関する加硫ゴムの評価指数となるものであるが、この高周波数で測定する試験機が入手困難であるため、そのままでは走行安定性に関する加硫ゴムのラボ指数に置き換えることはできない。そこで、周波数を温度に換算し、(周波数を下げてその分だけ温度を下げるという条件で)、即ち「0℃におけるtanδ」を測定することで走行安定性に関する加硫ゴムのラボ指数として評価している。この「0℃におけるtanδ」を大きくするほど走行安定性に優れるタイヤを製造することができる。
上記記載からわかるように、低燃費化(転がり抵抗の低減)の要求と走行安定性の向上の要請(摩擦抵抗の増加)とは二律背反の関係にあり、これらの物性を両立させることは困難であった。また、低燃費化の要求に関しては、転がり抵抗を低減する他に、タイヤを軽量化するという方法がある。タイヤを軽量化するには、必然的にトレッド部の薄型化を伴うため、タイヤ寿命の短期化を避けるためには、摩耗特性や破壊強度を改良したゴム材料が望まれている。
このような低燃費化の要求と走行安定性の向上の要請を満たすために、ゴム材料に充填剤を配合することが行われている。充填剤としては、例えば、耐摩耗性の向上や補強の目的で配合されるカーボンブラックや、高速での走行安定性や転がり抵抗の改良の目的で配合されるシリカがある。しかしながら、シリカを配合する場合、カーボンブラックの配合量が必然的に減少するため、タイヤの耐摩耗性や破壊強度が低下するという問題がある。また、シリカの分散性が悪く、混練を行う際の作業性についても、現実にタイヤを製造する上での大きな問題となる。
このようなシリカを使用した場合の問題を改善するゴム材料として、重合体鎖に、アミノ基とアルコキシシリル基を有し、重量平均分子量が所定の値をとる共役ジエン系(共)重合ゴム、及び重量平均分子量が所定の値をとる共役ジエン系(共)重合ゴムを主成分とするゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、所定の官能基を有するジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、脂肪族成分と、を含有するゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、シス−1,4−結合の含有量が75mol%以上の共役ジエン系重合体の活性末端を、少なくともヒドロカルビルオキシシラン化合物により変性してなる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、を含有するゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、前記変性共役ジエン系重合体及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むゴム成分を含有するゴム組成物を用いた空気入りタイヤが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
国際公開第2005/085343号パンフレット 国際公開第2006/016512号パンフレット 特開2007−308653号公報 特開2007−326942号公報
しかしながら、特許文献1〜4等において開示されたゴム組成物であっても、近年の高い低燃費化に対する要求や、走行安定性に対する要請に対し、必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤ等に用いる加硫ゴムを製造することができるゴム組成物を提供することにある。また、その課題とするところは、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ゴム組成物が所定のジエン系ゴムを含むゴム成分と、所定の充填剤とを含有することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明のゴム組成物を用いて空気入りタイヤを製造することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すゴム組成物及び空気入りタイヤが提供される。
[1]変性スチレン−ブタジエン共重合体を20質量%以上、及び変性共役ジエン系重合体を5質量%以上含有するジエン系ゴムを含むゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対し、2〜100質量部のカーボンブラック、及び/又は、30〜100質量部のシリカを含む充填剤と、を含有し、前記変性スチレン−ブタジエン共重合体が、炭化水素溶媒中で、スチレン及びブタジエンをアルカリ金属系開始剤を用いてアニオン重合させてアルカリ金属活性末端を有するスチレン−ブタジエン共重合体を得る重合反応工程と、前記スチレン−ブタジエン共重合体の前記活性末端に、第一のアルコキシシラン化合物を反応させる変性反応工程と、第一の縮合促進剤の存在下で、前記スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に導入されたアルコキシシリル基を縮合する縮合反応工程と、によって得られるものであり、前記変性共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合の含有率が80%以上の共役ジエン系重合体の活性末端を、少なくとも第二のアルコキシシラン化合物により第1次変性してなるものであり、前記充填剤が、前記シリカを含む場合に、前記シリカ100質量部に対し、5〜20質量部のシランカップリング剤を更に含む、ゴム組成物。
[2]前記縮合反応工程が、更に酸性化合物の存在下で、前記スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に導入されたアルコキシシリル基を縮合する工程である前記[1]に記載のゴム組成物。
[3]前記第一のアルコキシシラン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である前記[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
Figure 2010209254
前記一般式(1)中、Aは、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、及び炭酸ジヒドロカルビルエステル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、nは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(1)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
前記一般式(2)中、Aは、環状又は非環状の三級アミノ基、ピリジル基、スルフィド基、及びマルチスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(2)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
前記一般式(3)中、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、pは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(3)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
[4]前記第一の縮合促進剤が、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、及びアルミニウム(Al)の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5]前記酸性化合物が、金属ハロゲン化物及び有機リン酸化合物の少なくともいずれかの化合物である前記[2]に記載のゴム組成物。
[6]前記変性共役ジエン系重合体が、前記共役ジエン系重合体の前記活性末端を前記第二のアルコキシシラン化合物により第1次変性した後、更に第二の縮合促進剤の存在下で第2次変性を行い得られるものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のゴム組成物。
[7]前記第二のアルコキシシラン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である前記[1]〜[6]のいずれかに記載のゴム組成物。
Figure 2010209254
前記一般式(1)中、Aは、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、及び炭酸ジヒドロカルビルエステル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、nは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(1)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
前記一般式(2)中、Aは、環状又は非環状の三級アミノ基、ピリジル基、スルフィド基、及びマルチスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(2)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
前記一般式(4)中、Aは、ヒドロキシル基、チオール基、一級アミノ基、一級アミンのオニウム塩、環状又は非環状の二級アミノ基、環状又は非環状の二級アミンのオニウム塩、環状又は非環状の三級アミンのオニウム塩、アリールSn又はアリールアルキルSn結合を有する基、スルホニル基、及びスルフィニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R10及びR11は、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、qは、0〜2の整数を示す。R10が複数ある場合、複数のR10は同一でも異なっていてもよく、OR11が複数ある場合、複数のOR11は同一でも異なっていてもよい。
[8]前記第二のアルコキシシラン化合物が、前記一般式(1)で表される化合物及びそれらの部分縮合物の少なくともいずれかの化合物である前記[7]に記載のゴム組成物。
[9]前記第二のアルコキシシラン化合物が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である前記[8]に記載のゴム組成物。
[10]前記第二の縮合促進剤が、下記一般式(5)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、及び下記一般式(7)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、水と、からなるものである前記[6]〜[9]のいずれかに記載のゴム組成物。
Sn(OCOR12 (5)
前記一般式(5)中、R12は、相互に独立に、炭素数2〜19の有機基を示す。
13 SnA (4−t−r) (6)
前記一般式(6)中、Aは、炭素数2〜30の脂肪族カルボン酸残基、炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び炭素数1〜20のヒドロカルビル基からなる群より選択される基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基を示し、Bは、ヒドロキシル基又はハロゲンを示し、R13は、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を示し、rは、1〜3の整数を示し、tは、1又は2を示し、かつt+rは、3又は4を示す。Aが複数ある場合、複数のAは同一でも異なっていてもよく、R13が複数ある場合、複数のR13は同一でも異なっていてもよい。
TiB (4−x) (7)
前記一般式(7)中、Aは、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基及び炭素数1〜30のアルキル基の少なくともいずれかの基で合計三置換されたシロキシ基を示し、Bは、炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基を示し、xは、2又は4を示す。Aが複数ある場合、複数のAは同一でも異なっていてもよく、Bが複数ある場合、複数のBは同一でも異なっていてもよい。
[11]前記変性共役ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンである前記[1]〜[10]のいずれかに記載のゴム組成物。
[12]タイヤトレッド用の加硫ゴムに用いられる前記[1]〜[11]のいずれかに記載のゴム組成物。
[13]前記[1]〜[12]のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物は、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤ等に用いる加硫ゴムを製造することができるという効果を奏するものである。また、本発明の空気入りタイヤは、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
I ゴム組成物
本発明のゴム組成物は、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れる空気入りタイヤ等に用いる加硫ゴムを製造することができるものであり、ゴム成分と、充填剤とを含有するものである。
1 ゴム成分
ゴム成分は、ジエン系ゴムを含むものである。また、ジエン系ゴム以外のゴム(以下、「他のゴム」ともいう)を含むものであっても良い。
1.1 ジエン系ゴム
ジエン系ゴムは、変性スチレン−ブタジエン共重合体を20質量%以上、及び変性共役ジエン系重合体を5質量%以上含有するものである。また、これらの(共)重合体以外のゴム(以下、「他のジエン系ゴム」ともいう)を含有するものであっても良い。
(1) 変性スチレン−ブタジエン共重合体
変性スチレン−ブタジエン共重合体は、炭化水素溶媒中で、スチレン及びブタジエンをアルカリ金属系開始剤を用いてアニオン重合させてアルカリ金属活性末端を有するスチレン−ブタジエン共重合体を得る重合反応工程と、スチレン−ブタジエン共重合体の活性末端に、第一のアルコキシシラン化合物を反応させる変性反応工程と、第一の縮合促進剤の存在下で、スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に導入されたアルコキシシリル基を縮合する縮合反応工程と、によって得られるものである。
(i) 重合反応工程
重合条件としては、炭化水素溶媒中でのアルカリ金属系開始剤を用いたアニオン重合である。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであっても良い。更に、スチレン−ブタジエン共重合体中の、ブタジエンに由来する構造単位のビニル結合含有率を制御する目的や、ブタジエン単位やスチレン単位のランダム化を目的として、ランダマイザーを併用しても良い。
重合反応の反応温度は、−20〜150℃であることが好ましく、0〜120℃であることが更に好ましい。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、単量体を実質的に液層に保つのに十分な圧力で行うことが望ましい。即ち、炭化水素溶媒や反応温度にも依存するが、所望ならばより高い圧力下で行うことができる。このような高い圧力は、重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で行うことができる。
単量体混合物中のスチレンの含有割合は、3〜50質量%であることが好ましく、6〜45質量%であることが更に好ましい。
炭化水素溶媒としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等がある。なお、炭化水素溶媒は1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
炭化水素溶媒中の単量体濃度は、5〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。
アルカリ金属系開始剤としては特に制限されるものではないが、リチウム金属開始剤が好ましく、有機リチウム化合物又はリチウムアミド化合物を用いることが更に好ましい。有機リチウム化合物を用いる場合には、重合開始末端が炭化水素基であり、かつ他方の末端がアルカリ金属活性末端であるスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。また、リチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端が窒素含有基であり、かつ他方の末端がアルカリ金属活性末端であるスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。なお、アルカリ金属系開始剤の使用量は、単量体の合計100g当り、0.2〜20mmolであることが好ましい。
有機リチウム化合物としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有するものが好ましく、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等がある。これらの中でも、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが特に好ましい。
リチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等がある。これらの中でも、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の観点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状のリチウムアミド化合物が好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジドが特に好ましい。なお、リチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することが多いが、重合系中(in−site)で調製することもできる。
また、アルカリ金属系開始剤の反応性を向上させる目的や、スチレン−ブタジエン共重合体中のスチレンに由来する構造単位をランダムで配列させる、又はスチレンの単連鎖を付与する目的で、カリウム化合物を添加しても良い。カリウム化合物としては、例えば、カリウムイソプロポキシド、カリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−アミロキシド、カリウム−n−ヘプタオキシド、カリウムベンジルオキシド等のカリウムアルコキシド;カリウムフェノキシド;イソバレリン酸、カプリル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、安息香酸、フタル酸、2−エチルヘキサン酸等のカリウム塩;ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸のカリウム塩;亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリル等の有機亜リン酸部分エステルのカリウム塩等がある。
カリウム化合物の添加量は、アルカリ金属系開始剤のアルカリ金属原子当量当り、0.005〜0.5molであることが好ましい。添加量が、0.005mol未満であると、カリウム化合物の添加効果が十分に発現しない場合がある。一方、0.5mol超であると、重合活性が低下し、生産性を大幅に低下させることになるとともに、変性反応を行う際の変性効率が低下する場合がある。
ランダマイザーとしては、特に制限されるものではなく、従来公知のランダマイザーの中から任意のものを適宣選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン等のエーテル類や三級アミン類等を挙げることができる。これらのランダマイザーは1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
重合反応においては、アルカリ金属系開始剤、炭化水素溶媒、単量体等の重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
(ii) 変性反応工程
変性反応工程は、スチレン−ブタジエン共重合体の活性末端に、第一のアルコキシシラン化合物を反応させる工程である。変性反応は、溶液反応(重合反応時に使用した未反応単量体を含む溶液でも良い。)で行うことが好ましい。また、変性反応の形式は特に制限されるものではなく、バッチ式反応器を用いて行っても良く、多段連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いて連続式で行っても良い。なお、変性反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、重合体単離に必要な諸操作を行う前に実施することが肝要である。
変性反応の反応温度は、重合反応の際の反応温度をそのまま用いることができる。具体的には、0〜120℃が好ましく、20〜100℃が更に好ましい。反応温度が0℃未満であると、ムーニー粘度が上昇する傾向にある。一方、120℃超であると、スチレン−ブタジエン共重合体の活性末端が失活し易くなる傾向にある。また、反応時間は、通常、1分〜5時間であり、2分〜1時間であることが好ましい。
第一のアルコキシシラン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。なお、本明細書中、「部分縮合物」とは、アルコキシシラン化合物のSiOR基の一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。また、変性反応において、使用されるスチレン−ブタジエン共重合体は、少なくとも20%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
Figure 2010209254
一般式(1)中、Aは、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、及び炭酸ジヒドロカルビルエステル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、nは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(1)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
一般式(2)中、Aは、環状又は非環状の三級アミノ基、ピリジル基、スルフィド基、及びマルチスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(2)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
一般式(3)中、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、pは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(3)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
一般式(1)中、Aとして表される基のうち、イミノ基はケチミン、アルジミン、アミジンを包む。また、(チオ)カルボン酸エステル基は、アクリレートやメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル基を包む。更に、(チオ)カルボン酸の金属塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
一般式(1)中、Rとして表される基のうち、二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基を好適例として挙げることができる。このアルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであっても良いが、直鎖状が好ましい。直鎖状のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等を挙げることができる。
一般式(1)中、R及びRとして表される基のうち、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基等がある。これらのアルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであっても良く、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
また、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等がある。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等を挙げることができる。なお、これらの芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有しても良い。低級アルキル基等の置換基を有する芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等がある。
一般式(1)で表される化合物として、具体的には、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、及びこれらの化合物中のエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えた(チオ)エポキシ基含有アルコキシシラン化合物;
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジエトキシシリル化合物、メチルジメトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物等のイミノ基含有アルコキシシラン化合物;
3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン等のシアノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物等のシアノ基含有アルコキシシラン化合物;
3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシラン等のカルボン酸エステル基含有化合物;3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン等のイソシアネート基含有化合物;3−トリエトキシシリルプロピルサクシニック無水物、3−トリメトキシシリルプロピルサクシニック無水物、3−メチルジエトキシシリルプロピルサクシニック無水物等のカルボン酸無水物含有化合物等を挙げることができる。なお、これらは1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
一般式(2)中、Aとして表される官能基のうち、非環状の三級アミノ基は、N,N−(二置換)アニリン等のN,N−(二置換)芳香族アミンを含む。また、環状の三級アミノ基は、環の一部として(チオ)エーテル結合を含んでも良い。
一般式(2)中のRとして表される基は、一般式(1)中のRとして表される基、また、一般式(2)中のR及びRとして表される基は、一般式(1)中のR及びRとして表される基と同様のことがいえる。
一般式(2)で表される化合物として、具体的には、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等の非環状の三級アミノ基含有アルコキシシラン化合物;
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン、3−[10−(トリエトキシシリル)デシル]−4−オキサゾリン等の環状の三級アミノ基含有アルコキシシラン化合物;
2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン等のその他のアルコキシシラン化合物を挙げることができる。なお、これらは1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
一般式(3)中、R及びRとして表される基は、一般式(1)中のR及びRとして表される基と同様のことがいえる。
一般式(3)で表される化合物として、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシシラン、テトライソブトキシシシラン、テトラ−sec−ブトキシシシラン、テトラ−tert−ブトキシシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等を挙げることができる。なお、これらは1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(iii) 縮合反応工程
縮合反応工程は、第一の縮合促進剤の存在下で、スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に導入されたアルコキシシリル基を縮合する工程である。また、第一の縮合促進剤と酸性化合物の共存下でアルコキシシリル基を縮合する工程であることが好ましい。縮合反応工程を行うことにより、スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に当量より多くのアルコキシシラン化合物残基を導入することができる。なお、縮合反応は、変性反応後の溶液をそのまま用いることができる。
縮合反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行っても良い。また、縮合反応と同時に脱溶媒を行っても良い。
縮合条件として反応温度は、20〜180℃が好ましく、30〜160℃が更に好ましく、50〜150℃が特に好ましい。反応温度が20℃未満であると、縮合反応を完結することができなくなるおそれがあるため、得られる変性スチレン−ブタジエン共重合体に経時変化が発生し、品質上問題が生じる場合がある。一方、180℃超であると、変性スチレン−ブタジエン共重合体の老化反応が進行し、加硫ゴムの物性を低下させる場合がある。また、反応時間は、通常、5分〜10時間であり、15分〜5時間であることが好ましい。反応時間が5分未満であると、縮合反応を完結することができなくなるおそれがあるため、品質上問題が生じる場合がある。一方、10時間超であると、縮合反応は完結しているため、経済上好ましくはない。
また、縮合反応は、水の存在下で行うことも好ましい。水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態にして使用しても良い。直接、変性スチレン−ブタジエン共重合体又はその溶液を水に接触させても良い。また、固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分を有効に用いることもできる。従って、吸着水をもつ固体や、水和物等、容易に水を放出することができる化合物を使用することもできる。
第一の縮合促進剤としては、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、及びアルミニウム(Al)の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
第一の縮合促進剤として、より具体的には、ジ(n−オクタン酸)スズ、ビス(2−エチルヘキサン酸)スズ、ジラウリン酸スズ、ジナフテン酸スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、ジブチルスズジエタン酸、ジブチルスズビス(n−オクタン酸)、ジブチルスズビス(2−エチルヘキサン酸)、ジブチルスズジラウリン酸、ジブチルスズマレイン酸、ジブチルスズジ(マレイン酸ベンジル)、ジブチルスズジ(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、ジ−n−オクチルスズジエタン酸、ジ−n−オクチルスズビス(n−オクタン酸)、ジ−n−オクチルスズビス(2−エチルヘキサン酸)、ジ−n−オクチルスズジラウリン酸、ジ−n−オクチルスズマレイン酸、ジ−n−オクチルスズジ(マレイン酸ベンジル)、n−オクチルスズジ(マレイン酸−2−エチルヘキシル)等のスズ化合物;
チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドオリゴマー、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、テトラキス−2−エチルヘキシルオキシチタン、ジ−i−プロポキシチタンビス(1,3−オクチレングリコレート)、ジブトキシチタンビス(1,3−オクチレングリコレート)、ビス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンビス(1,3−オクチレングリコレート)、チタンテトラキス(1,3−オクチレングリコレート)、ジラクチルオキシチタンジヒドロキシド、ジプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジブトキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ステアリルオキシチタントリブトキシド、ステアリルチタントリプロポキシド、アセチルアセトナトチタントリプロポキシド、ジアセチルアセトナトチタンジプロポキシド、アセチルアセトナトチタントリブトキシド、ビスアセチルアセトナトチタンジブトキシド、アセチルアセトナトチタントリブトキシド、テトラアセチルアセトナトチタン、ビス(2−エチルヘキサン酸)チタンオキシド、ジ(ラウリン酸)チタンオキシド、ジ(ナフテン酸)チタンオキシド、ジ(ステアリン酸)チタンオキシド、ジ(オレイン酸)チタンオキシド、ジ(リノール酸)チタンオキシド、テトラキス(2−エチルヘキサン酸)チタン、テトラ(ラウリン酸)チタン、テトラ(ナフテン酸)チタン、テトラ(ステアリン酸)チタン、テトラ(オレイン酸)チタン、テトラ(リノール酸)チタン等のチタン化合物;
トリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス、トリス(ラウリン酸)ビスマス、トリス(ナフテン酸)ビスマス、トリス(ステアリン酸)ビスマス、トリス(オレイン酸)ビスマス、トリス(リノール酸)ビスマス等のビスマスのカルボン酸塩;ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド、ジルコニウムテトラキス−2−エチルヘキシオキシド等のジルコニウムのアルコキサイド;
(ステアリン酸)ジルコニウムトリブトキシド、ビス(2−エチルヘキサン酸)ジルコニウムオキシド、ビス(ラウリル酸)ジルコニウムオキシド、ビス(ナフテン酸)ジルコニウムオキシド、ビス(ステアリン酸)ジルコニウムオキシド、ビス(オレイン酸)ジルコニウムオキシド、ビス(リノール酸)ジルコニウムオキシド、テトラキス(2−エチルヘキサン酸)ジルコニウム、テトラ(ラウリン酸)ジルコニウム、テトラ(ナフテン酸)ジルコニウム、テトラ(ステアリン酸)ジルコニウム、テトラ(オレイン酸)ジルコニウム、テトラ(リノレール酸)ジルコニウム等のジルコニウムのカルボン酸塩;アセチルアセトナトジルコニウムトリブトキシド、ジ(アセチルアセトナト)ジルコニウムジブトキシド、テトラ(アセチルアセトナト)ジルコニウム等のジルコニウムのアセチルアセトン塩;
トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシルオキシ)アルミニウム等のアルミニウムのアルコキサイド;トリス(2−エチルヘキサン酸)アルミニウム、トリ(ラウリン酸)アルミニウム、トリ(ナフテン酸)アルミニウム、トリ(ステアリン酸)アルミニウム、トリ(オレイン酸)アルミニウム、トリ(リノール酸)アルミニウム等のアルミニウムのカルボン酸塩;アセチルアセトナトアルミニウムジブトキシド、ビス(アセチルアセトナト)アルミニウムブトキシド、トリ(アセトアセトナト)アルミニウム等のアルミニウムのアセチルアセトン塩を挙げることができる。
第一の縮合促進剤の使用量は、反応系内に存在するアルコキシル基総量に対するmol比で、0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることが更に好ましい。0.1未満であると、縮合反応が十分に進行しない場合がある。一方、10超であると、縮合促進剤の効果は飽和しており、経済上好ましくはない。
酸性化合物としては、金属ハロゲン化物及び有機リン酸化合物の少なくともいずれかの化合物であることが好ましい。酸性化合物を共存させることで、ムーニー粘度が高く、形状安定性に優れる変性スチレン−ブタジエン共重合体が得られるという効果がある。
金属ハロゲン化物として、具体的には、四塩化ケイ素、トリメチルシリルクロライド、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、四塩化スズ、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、塩化亜鉛、四塩化チタン、チタノセンジクロライド、四塩化ジルコニウム、ジルコノセンジクロライド等を挙げることができる。
有機リン酸化合物として、具体的には、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸等を挙げることができる。これらの中でも、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸等が好ましい。
酸性化合物の使用量は、反応に使用した第一のアルコキシシラン化合物の総mol数に対するmol比で、0.05〜20であることが好ましく、0.1〜15であることが更に好ましく、0.1〜10であることが特に好ましい。0.05未満であると、変性スチレン−ブタジエン共重合体と酸性化合物との反応が十分に行われず、ムーニー粘度が高く、形状安定性に優れる変性スチレン−ブタジエン共重合体を得ることが困難になる。一方、20超であると、過剰の酸が金属等を腐食させる場合がある。
上記のように縮合反応工程をした後、従来公知の後処理を行うことで、目的の変性スチレン−ブタジエン共重合体を得ることができる。
変性スチレン−ブタジエン共重合体の含有割合は、ジエン系ゴム中、20質量%以上であり、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。含有割合が20質量%未満であると、所望の物性を有する加硫ゴムが得られ難く、本発明の目的が達せられない場合がある。
変性スチレン−ブタジエン共重合体中、ブタジエンに由来する構造単位の割合は、通常、70%以下であり、15〜70%であることが好ましく、18〜67%であることが更に好ましい。70%超であると、引張強度、耐摩耗性が悪化し、ヒステリシスロスが悪化する場合がある。
ブタジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含有率は、通常、70%以下であり、15〜70%であることが好ましく、18〜67%であることが更に好ましい。70%超であると、加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、転がり抵抗性が劣る場合がある。なお、ビニル結合含有率は、重合反応中にエーテル化合物及び3級アミン化合物の少なくともいずれかを添加することで調整することができる。
変性スチレン−ブタジエン共重合体の結合スチレン含有率は、通常、45質量%以下であり、5〜42質量%であることが好ましい。45質量%超であると、低温特性、ウェッドスキッド抵抗性、耐摩耗性が悪化する場合がある。
変性スチレン−ブタジエン共重合体のガラス転移温度は、通常、−5℃以下であり、−70〜−10℃であることが更に好ましい。−5℃超であると、耐摩耗性が悪化し、ヒステリシスロスが大きくなるという場合がある。
変性スチレン−ブタジエン共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、10〜150であることが好ましく、15〜130であることがより好ましい。ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10未満であると、引張強度等の破壊特性が劣る場合がある。一方、150超であると、作業性が悪く、配合剤とともに、混練することが困難になる場合がある。
変性スチレン−ブタジエン共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)は、100,000〜1,500,000であることが好ましく、120,000〜1,300,000であることが更に好ましく、150,000〜1,200,000であることが特に好ましい。Mwが100,000未満であると、破壊強度、耐摩耗性、及び低ヒステリシスロス性が低下する場合がある。一方、1,500,000超であると、加工性が低下する場合がある。
(2) 変性共役ジエン系重合体
変性共役ジエン系重合体は、シス−1,4−結合の含有率が80%以上の共役ジエン系重合体の活性末端に、少なくとも第二のアルコキシシラン化合物が結合したものである。また、変性ポリブタジエンであることが好ましい。
(i) 共役ジエン系重合体
共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物に由来する構造単位中、シス−1,4−結合の含有率が80%以上であり、活性末端を有するものである。また、シス−1,4−結合の含有率は、83%以上であることが好ましく、85%以上であることが更に好ましい。シス−1,4−結合の含有率が80%未満であると、耐摩耗性、破壊強度が低下する場合がある。
共役ジエン系重合体を調製する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の重合反応であって良い。重合条件については、特に制限されるものではなく、溶液重合方法、気相重合方法、バルク重合方法等の従来公知の方法を用いることができる。これらの中でも、溶液重合方法が好ましい。重合反応が溶液重合方法である場合、溶媒としては反応に不活性な有機溶媒、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族等の炭化水素溶媒がある。具体的には、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。なお、溶媒は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
重合反応の条件として、反応温度は−80〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることが更に好ましい。また、圧力は、単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力であることが好ましく、単量体、溶媒、反応温度等にも依存するが、より高い圧力であることが更に好ましい。このような高い圧力は、不活性ガスで反応容器を加圧する等といった操作で調整することができる。なお、重合反応において、重合触媒、溶媒、単量体等の全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものを用いることが好ましい。
共役ジエン化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等がある。これら中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。なお、共役ジエン化合物は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物以外の単量体(以下、「他の単量体」ともいう)に由来する構造を有しても良いが、この場合、共役ジエン化合物は、全単量体に対して80mol%以上使用することが好ましい。
また、共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合の含有率を80%以上にするために、重合触媒の存在下で重合反応を行うことが好ましい。重合触媒としては、国際公開第03/046020号パンフレットに記載されたものを好適に用いることができる。より具体的には、下記(e)〜(g)成分を主成分とする重合触媒が好ましい。このような重合触媒を用いることにより、分子量分布が狭く、シス−1,4−結合の含有率が80%以上である共役ジエン系重合体を調製することができる。
(e)成分:ランタノイド元素(周期律表の原子番号57〜71にあたる希土類元素)の少なくともいずれかを含有するランタノイド元素含有化合物、又はランタノイド元素含有化合物とルイス塩基との反応により得られる反応生成物
(f)成分:アルモキサン、及び/又は、一般式(8):AlR141516で表される有機アルミニウム化合物(但し、一般式(8)中、R14及びR15は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R16は、相互に独立に、炭素数1〜10の炭化水素基を示す)
(g)成分:その分子構造中に少なくとも一つのハロゲン元素を含有するハロゲン含有化合物
(e)成分は、ランタノイド元素(周期律表の原子番号57〜71にあたる希土類元素)の少なくともいずれかを含有するランタノイド元素含有化合物、又はこのランタノイド元素含有化合物とルイス塩基との反応により得られる反応生成物である。ランタノイド元素の具体例としては、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウム、サマリウム等を挙げることができる。これらの中でも、ネオジムが好ましい。なお、これらのランタノイド元素は、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。ランタノイド元素含有化合物の具体例としては、ランタノイド元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩、亜リン酸塩等を挙げることができる。これらの中でも、ランタノイド元素のカルボン酸塩、又はリン酸塩が好ましく、ランタノイド元素のカルボン酸塩が更に好ましい。
ランタノイド元素のカルボン酸塩の具体例としては、一般式(9):(R17−COMで表される化合物を挙げることができる(但し、一般式(9)中、Mは、ランタノイド元素を示し、R17は、炭素数1〜20の炭化水素基(好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐状、又は環状)を示す)。なお、カルボキシル基は、一級、二級、又は三級の炭素原子に結合している。カルボキシル基の具体例としては、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、商品名「バーサチック酸」(シェル化学社製)(カルボキシル基が三級の炭素原子に結合しているカルボン酸)等の塩を挙げることができる。これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
ランタノイド元素のアルコキサイドの具体例としては、一般式(10):(R18O)Mで表される化合物を挙げることができる(但し、一般式(10)中、Mは、ランタノイド元素を示し、R18は、炭素数1〜20の炭化水素基(好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐状、又は環状)を示す)。なお、アルコキシル基は、一級、二級、又は三級の炭素原子に結合している。アルコキシル基の具体例としては、2−エチル−ヘキシルオキシ基、オレイルオキシ基、ステアリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。
ランタノイド元素のβ−ジケトン錯体のβ−ジケトン錯体部位の具体例としては、アセチルアセトン錯体、ベンゾイルアセトン錯体、プロピオニトリルアセトン錯体、バレリルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体等を挙げることができる。これらの中でも、アセチルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体が好ましい。
ランタノイド元素のリン酸塩又は亜リン酸塩のリン酸塩部位又は亜リン酸塩部位の具体例としては、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸等の塩を挙げることができる。これらの中でも、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸の塩が好ましい。
これまで例示したもののうち、ランタノイド元素含有化合物としては、ネオジムのリン酸塩、又はネオジムのカルボン酸塩が更に好ましく、ネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、又はネオジムのバーサチック酸塩等のカルボン酸塩が特に好ましい。
上記のランタノイド元素含有化合物を溶剤に可溶化するため、又は長期間安定に貯蔵するために、ランタノイド元素含有化合物とルイス塩基を混合すること、又はランタノイド元素含有化合物とルイス塩基を反応させて反応生成物とすることも好ましい。ルイス塩基の使用量は、ランタノイド元素1mol当り、0.1〜30molとすることが好ましく、1〜10molとすることが更に好ましい。ルイス塩基の具体例としては、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、一価又は二価のアルコール等を挙げることができる。なお、これまで述べてきた(e)成分は、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
(f)成分は、アルモキサン、及び/又は、一般式(8):AlR141516で表される有機アルミニウム化合物(但し、一般式(8)中、R14及びR15は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R16は、相互に独立に、炭素数1〜10の炭化水素基を示す)である。
アルモキサン(アルミノオキサンともいう)は、その構造が、一般式(11)又は(12)で表される化合物である。なお、ファインケミカル,23,(9),5(1994)、J.Am.Chem.Soc.,115,4971(1993)、及びJ.Am.Chem.Soc.,117,6465(1995)で開示されている、アルモキサンの会合体であっても良い。
Figure 2010209254
Figure 2010209254
一般式(11)及び(12)中、R19は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。また、一般式(11)中のn及び一般式(12)中のmは、2以上の整数を示す。一般式(11)及び(12)中、R19として表される炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基等を挙げることができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ブチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。また、一般式(11)中のn、及び一般式(12)中のmは、4〜100の整数が好ましい。
アルモキサンの具体例としては、メチルアルモキサン(MAO)、エチルアルモキサン、n−プロピルアルモキサン、n−ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、t−ブチルアルモキサン、ヘキシルアルモキサン、イソヘキシルアルモキサン等を挙げることができる。アルモキサンは、従来公知の方法によって調製することができる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の有機溶媒中に、トリアルキルアルミニウム、又はジアルキルアルミニウムモノクロライドを加え、更に水、水蒸気、水蒸気含有窒素ガス、又は硫酸銅5水塩や硫酸アルミニウム16水塩等の結晶水を有する塩を加えて反応させることにより調製することができる。なお、アルモキサンは、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
一般式(8)で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム、エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等を挙げることができる。これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等が好ましい。なお、有機アルミニウム化合物は、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
(g)成分は、その分子構造中に少なくとも一つのハロゲン原子を含有するハロゲン含有化合物であり、例えば、金属ハロゲン化物とルイス塩基との反応物や、ジエチルアルミニウムクロリド、四塩化ケイ素、トリメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、四塩化スズ、三塩化スズ、三塩化リン、ベンゾイルクロリド、t−ブチルクロリド、トリメチルシリルアイオダイド、トリエチルシリルアイオダイド、ジメチルシリルジアイオダイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、メチルアイオダイド、ブチルアイオダイド、ヘキシルアイオダイド、オクチルアイオダイド、ヨードホルム、ジヨードメタン、ヨウ素、ベンジリデンアイオダイド等がある。
金属ハロゲン化物として具体的には、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、臭化金、ヨウ化金等を挙げることができる。これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化マンガン、ヨウ化亜鉛、ヨウ化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化マンガン、ヨウ化亜鉛、ヨウ化銅が特に好ましい。
また、金属ハロゲン化物との反応物を生成させるために用いるルイス塩基としては、例えば、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等がある。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、商品名「バーサチック酸」(シェル化学社製)(カルボキシル基が三級炭素原子に結合しているカルボン酸)、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチルヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が好ましい。
ルイス塩基の使用量は、金属ハロゲン化物1mol当り、0.01〜30molが好ましく、0.05〜10molが更に好ましい。金属ハロゲン化物とルイス塩基の反応物を使用すると、共役ジエン系重合体中に残存する金属の量を低減することができる。
なお、重合触媒の主成分となる上記各成分((e)〜(g)成分)の配合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。(e)成分の使用量は、100gの共役ジエン化合物に対して、0.00001〜1.0mmolであることが好ましく、0.0001〜0.5mmolであることが更に好ましい。(e)成分の使用量が0.00001mmol未満であると、重合活性が低下する傾向にある。一方、1.0mmol超であると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる場合がある。
(f)成分がアルモキサンである場合、重合触媒に含有されるアルモキサンの好ましい量は、(e)成分とアルモキサンに含まれるアルミニウム(Al)のmol比で表すことができる。即ち、「(e)成分」:「アルモキサンに含まれるアルミニウム(Al)」(mol比)=1:1〜1:500であることが好ましく、1:3〜1:250であることが更に好ましく、1:5〜1:200であることが特に好ましい。上記の範囲外では、触媒活性が低下する傾向にあるか、又は触媒残渣を除去する工程が必要となる場合がある。
また、(f)成分が有機アルミニウム化合物である場合、重合触媒に含有される有機アルミニウム化合物の好ましい量は、(e)成分と、有機アルミニウム化合物のmol比で表すことができる。即ち、「(e)成分」:「有機アルミニウム化合物」(mol比)=1:1〜1:700であることが好ましく、1:3〜1:500であることが更に好ましい。上記の範囲外では、触媒活性が低下する傾向にあるか、又は触媒残渣を除去する工程が必要となる場合がある。
更に、重合触媒に含有される(g)成分の好ましい量は、(g)成分に含有されるハロゲン原子と、(e)成分とのmol比で表すことができる。即ち、(ハロゲン原子)/((e)成分)(mol比)=0.1〜20であることが好ましく、0.2〜15であることが更に好ましく、0.5〜8であることが特に好ましい。
重合触媒には、(e)〜(g)成分以外に、触媒活性を向上させる目的で、共役ジエン化合物及び非共役ジエン系合物の少なくともいずれか(以下、「助触媒」ともいう)を含有させても良い。助触媒の使用量は、(e)成分1molに対して、1000mol以下であることが好ましく、1〜1000molであることが更に好ましく、3〜300molであることが特に好ましい。共役ジエン化合物としては、重合用の単量体と同じく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等がある。また、非共役ジエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリイソプロペニルベンゼン、1,4−ビニルヘキサジエン、エチリデンノルボルネン等がある。
重合触媒は、例えば、溶剤に溶解した(e)〜(g)成分、更に必要に応じて添加される助触媒を反応させることにより、調製することができる。なお、各成分の添加順序は任意で良い。但し、各成分を予め混合及び反応させるとともに、熟成させておくことが、重合活性の向上、及び重合開始誘導期間の短縮の点から好ましい。熟成温度は0〜100℃とすることが好ましく、20〜80℃とすることが更に好ましい。熟成温度が0℃未満であると、熟成が不十分となる傾向にある。一方、100℃超であると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが生じ易くなる傾向にある。なお、熟成時間は、特に制限されるものではなく、0.5分以上であれば十分であり、重合反応槽に添加する前に、各成分同士をライン中で接触させて行っても良い。また、調製した触媒は、数日間は安定である。このような触媒を用いることにより、シス−1,4−結合の含有率が80%以上の、活性末端を有する共役ジエン系重合体を調製することができる。
共役ジエン系重合体の1,2−ビニル結合含有率は、通常、10%以下であり、5%以下であることが好ましい。10%超であると、耐摩耗性、破壊強度が低下する場合がある。
共役ジエン系重合体のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる数平均分子量(以下、「Mn」ともいう)の比(即ち、分子量分布)は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.2〜4.5であることが更に好ましく、1.5〜4.0であることが特に好ましい。なお、共役ジエン系重合体の分子量分布は、重合触媒の主成分((e)〜(g)成分)のmol比をコントロールすることによって、容易に調整することができる。
また、共役ジエン系重合体の100℃におけるムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、20〜150であることが好ましく、25〜130であることが更に好ましく、30〜120であることが特に好ましい。ムーニー粘度が20未満であると、加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性等が低下する場合がある。一方、150超であると、変性反応を行った後の変性共役ジエン系重合体の混練時の加工性が低下する場合がある。なお、ムーニー粘度は、重合触媒の主成分((e)〜(g)成分)のmol比をコントロールすることによって、容易に調整することができる。
(ii) 第二のアルコキシシラン化合物
調製した共役ジエン系重合体の活性末端を第二のアルコキシシラン化合物を用いて第1次変性することで変性共役ジエン系重合体を調製することができる。第二のアルコキシシラン化合物としては、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、及びこれらの化合物の部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2010209254
一般式(1)中、Aは、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、及び炭酸ジヒドロカルビルエステル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、nは0〜2の整数(好ましくは0)を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一であっても良く、異なっていても良い。また、ORが複数ある場合、複数のORは同一であっても良く、異なっていても良い。なお、一般式(1)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
一般式(2)中、Aは、環状又は非環状の三級アミノ基、ピリジル基、スルフィド基、及びマルチスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一であっても良く、異なっていても良い。また、ORが複数ある場合、複数のORは同一であっても良く、異なっていても良い。なお、一般式(2)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
Figure 2010209254
一般式(4)中、Aは、ヒドロキシル基、チオール基、一級アミノ基、一級アミンのオニウム塩、環状又は非環状の二級アミノ基、環状又は非環状の二級アミンのオニウム塩、環状又は非環状の三級アミンのオニウム塩、アリールSn結合又はアリールアルキルSn結合を有する基、スルホニル基、及びスルフィニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、qは0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一であっても良く、異なっていても良い。また、ORが複数ある場合、複数のORは同一であっても良く、異なっていても良い。
一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物については、「(1) 変性スチレン−ブタジエン共重合体」にて記載した内容と同様のことがいえる。
一般式(4)中、Aとして表される官能基のうち、一級アミノ基は、アニリン等の芳香族アミンを含む。また、非環状の二級アミノ基は、N−(一置換)アニリン等のN−(一置換)芳香族アミンを含む。更に、非環状の三級アミンのオニウム塩は、N,N−(二置換)アニリン等のN,N−(二置換)芳香族アミンのオニウム塩を含む。また、環状の二級アミンや環状の三級アミンは、環の一部として(チオ)エーテル結合を含んでも良い。
一般式(4)中のRとして表される基は、一般式(1)中のRとして表される基、また、一般式(4)中のR10及びR11として表される基は、一般式(1)中のR及びRとして表される基と同様のことがいえる。
一般式(4)で表される化合物として、具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)アンモニウムクロリド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシリルプロピル)アンモニウムクロリド、スルホニルメチルトリメトキシシラン、スルホニルメチルトリエトキシシラン、スルフィニルメチルトリメトキシシラン、スルフィニルメチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
第二のアルコキシシラン化合物としては、一般式(1)で表される化合物及びそれらの部分縮合物の少なくともいずれかの化合物であることが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが特に好ましい。
共役ジエン系重合体の活性末端と第二のアルコキシシラン化合物との反応(以下、「変性反応」ともいう)は、溶液反応又は固相反応のいずれを用いて行っても良いが、溶液反応が好ましい。溶液反応においては、重合反応で使用した溶媒をそのまま用いても良く、未反応の単量体を除去する必要はない。また、形式については特に制限されるものではなく、バッチ式反応器を用いても良く、多段階連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いても良い。なお、変性反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、共役ジエン系重合体の単離等の操作を行わずに実施することが肝要である。
変性反応の反応温度は、重合反応の反応温度をそのまま適用することができる。具体的には、20〜100℃が好ましい。反応温度が20℃未満であると、変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度が上昇する傾向にある。一方、100℃超であると、共役ジエン系重合体の活性末端が失活し易い傾向にある。
このように共役ジエン系重合体を第1次変性することにより、変性共役ジエン系重合体を調製することができるが、第1次変性した後、更に第二の縮合促進剤の存在下で第2次変性(以下、「縮合反応」ともいう)して調製することが好ましい。
(iii) 第二の縮合促進剤
第二の縮合促進剤としては、一般式(5)で表される酸化数2のスズの炭素数3〜20のカルボン酸塩、一般式(6)で表される酸化数4のスズ化合物、及び一般式(7)で表される酸化数4のチタン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、水と、からなるものが好ましい。
Sn(OCOR12 (5)
一般式(5)中、R12は、炭素数2〜19の有機基を示す。なお、複数のR12は同一であっても良く、異なっていても良い。
13 SnA (4−t−r) (6)
一般式(6)中、Aは、炭素数2〜30の脂肪族カルボン酸残基、炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び炭素数1〜20のヒドロカルビル基からなる群より選択される基で合計三置換(同一であっても良く、異なっていても良い)されたシロキシ基を示し、Bはヒドロキシル基又はハロゲン原子を示し、R13は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を示し、rは1〜3の整数を示し、tは1又は2を示し、かつt+rは3又は4を示す。Aが複数ある場合には、複数のAは同一であっても良く、異なっていても良い。R13が複数ある場合は、複数のR11は同一であっても良く、異なっていても良い。
TiB (4−x) (7)
一般式(7)中、Aは、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び炭素数1〜30のアルキル基の少なくともいずれかの基で合計三置換されたシロキシ基を示し、Bは、炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基を示し、xは2又は4を示す。Aが複数ある場合は、複数のAは同一であっても良く、異なっていても良い。Bが複数ある場合は、複数のBは同一であっても良く、異なっていても良い。
一般式(5)又は(6)で表される化合物として、より具体的には、スズジカルボン酸塩(好ましくは、炭素数8〜20のカルボン酸塩)、ジヒドロカルビルスズジカルボン酸塩、ジヒドロカルビルスズビス(α,γ−ジケトネート)、ジヒドロカルビルスズアルコキシハライド、ジヒドロカルビルスズモノカルボン酸塩ヒドロキシド、ジヒドロカルビルスズアルコキシ(トリヒドロカルビルシロキシド)、ジヒドロカルビルスズアルコキシ(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)、ジヒドロカルビルスズビス(トリヒドロカルビルシロキシド)、ジヒドロカルビルスズビス(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)等を挙げることができる。
一般式(7)で表される化合物として、より具体的には、チタンテトラアルコキシド、チタンジアルコキシビス(α,γ−ジケトネート)、チタンテトラキス(トリヒドロカルビオキシシロキシド)等を挙げることができる。
第二の縮合促進剤の使用量は、反応系内に存する第二のアルコキシシラン化合物の総量に対し、金属換算で0.1mol以上であることが好ましい。
水としては、水そのものや、水を含むアルコール、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の他、固体表面の吸着水や、水和物に存する水和水等を挙げることができる。
水の使用量は、反応系内に存する第二のアルコキシシラン化合物の総量に対し、金属換算で0.1mol以上であることが好ましく、0.5〜3mol程度であることが更に好ましい。なお、第二の縮合促進剤の金属の使用量に対しては、0.5〜20mol程度であることが好ましい。
上記のように縮合反応をした後、従来公知の後処理を行うことで、目的の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
変性共役ジエン系重合体の含有割合は、ジエン系ゴム中、5質量%以上であり、10質量%以上であることが好ましい。変性共役ジエン系重合体の含有割合が5質量%未満であると、転がり抵抗性やウェッドスキッド抵抗性に劣る場合がある。
変性共役ジエン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜6.0であることが好ましく、1.2〜5.5であることが更に好ましく、1.5〜5.0であることが特に好ましい。分子量分布が6.0超であると、耐摩耗性が悪化し、ヒステリシスロスが大きくなるという場合がある。
変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、10〜150であることが好ましく、15〜70であることが更に好ましい。ムーニー粘度が10未満であると、引張強度をはじめとする加硫ゴムの物性値が劣る場合がある。一方、150超であると、加工性が悪く、配合剤とともに混練することが困難になる場合がある。
(3) 他のジエン系ゴム
他のジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、高シス1,4結合−ポリブタジエンゴム等がある。なお、ジエン系ゴムとして、他のジエン系ゴムを含有する場合、その含有割合は75質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることが更に好ましい。
1.2 他のゴム
他のゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ化ビニリデンゴム等がある。なお、他のゴムの含有割合は、ゴム成分に対して、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが更に好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
2 充填剤
充填剤は、カーボンブラック及びシリカの少なくともいずれか、を含むものである。充填剤を含有させると、本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの引張強度等の破壊特性、耐摩耗性、転がり抵抗性等を向上させるとともに、加工性を良好にする効果がある。
(1) カーボンブラック
カーボンブラックは、引張強度等の破壊特性の改良効果に優れる充填剤である。カーボンブラックとしては、特に制限されるものではなく、例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISA、ISAF、SAF等がある。これらの中でも、ヨウ素吸着量が60mg以上、かつ、ジブチルフタレート吸油量が80mL/100gのものが好ましく、特に耐摩耗性に優れるHAF、ISA、SAFが更に好ましい。
カーボンブラックを充填剤として含む場合、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、2〜100質量部であり、5〜90質量部であることが好ましく、5〜80質量部であることが更に好ましい。カーボンブラックの使用量が2質量部未満であると、改良効果が十分に得られ難い場合がある。一方、100質量部超であると、ゴム組成物の加工性が劣る場合がある。
(2) シリカ
シリカとしては、特に制限されるものではなく、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等がある。これらの中でも、引張強度等の破壊特性、ウェッドスキッド抵抗性、転がり抵抗性の改良効果に優れる湿式シリカが好ましい。
シリカを充填剤として含む場合、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、30〜100質量部であり、30〜95質量部であることが好ましく、30〜90質量部であることが更に好ましい。シリカの使用量が30質量部未満であると、改良効果が十分に得られ難い場合がある。一方、100質量部超であると、ゴム組成物の加工性が劣る場合がある。
また、シリカを充填剤として含む場合、シランカップリング剤を更に含む。シランカップリング剤は、シリカの補強効果を更に向上させる性質を有している。
シランカップリング剤として、具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等を挙げることができる。これらの中でも、補強効果が高いため、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。なお、シランカップリング剤は1種単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
シランカップリング剤の使用量は、シリカ100質量部に対し、5〜20質量部であり、5〜15質量部であることが好ましい。シランカップリング剤の使用量が5質量部未満であると、改良効果が十分に得られ難い場合がある。一方、20質量部超であると、ゲル化を引き起こす場合がある。
(3) 無機充填剤
充填剤は、カーボンブラック及びシリカ以外の無機充填剤を含んでも良い。無機充填剤として、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、アタパルジャイト、チタン白、チタン黒、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、クレー、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、マイカ等を挙げることができる。なお、これらの無機充填剤は1種単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
3 その他の成分
本発明のゴム組成物は、その性質を損なわない範囲でゴム成分及び充填剤以外のその他の成分を含有するものであっても良い。その他の成分として、具体的には、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス等の加工助剤、粘着付与剤等を挙げることができる。
加硫剤としては、例えば、イオウ;ジ−t−ブチルパーオキサイド等のパーオキサイド類;テトラメチルチウラムジサルファイド等のイオウ供与物質等がある。これらの中でも、耐久性の観点から、イオウが好ましい。加硫剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜5質量部であることが好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、ジフェニルグアニジン、N−テトラ−ブチル−2−ベンゾチアゾルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾルスルフェンアミド等がある。加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、1〜5質量部であることが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等がある。老化防止剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、1〜10質量部であることが好ましい。
4 ゴム組成物の製造
本発明のゴム組成物を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ゴム成分、充填剤、及び必要に応じて含有されるその他の成分を、インターナルミキサー、オープンロール等のゴム用の混練機を用いて混練する方法がある。なお、混練する際に、別途伸展油を配合することも好ましい。このように伸展油を配合することで、ゴム組成物の加工性を良好にすることができる。この場合の伸展油の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、6〜55質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることが更に好ましい。伸展油の配合量が6質量部未満であると、加工性と低燃費性を両立させることが困難な場合がある。一方、55質量部超であると、低燃費性に劣る場合がある。
また、製造した本発明のゴム組成物を加工成形した後、130〜200℃の温度で加硫を行うことで加硫ゴムを得ることができる。この加硫ゴムは、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド性に極めて優れているので、タイヤ、特に高性能タイヤやタイヤトレッド用として好適に用いることができる他、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビート部等にも好適に用いることができる。
II 空気入りタイヤ
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いてなるものである。より具体的には、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物を加硫した加硫ゴムを用いてなるものである。このため、耐摩耗性、破壊強度、転がり抵抗性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れるものである。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[ビニル結合含有率(%)及び結合スチレン含有率(%)]:270MHz 1H−NMRを用いて算出した。
[シス−1,4−結合の含有率(%)及び1,2−ビニル結合含有率(%)]:赤外法(モレロ法)を用いて算出した。
[ガラス転移温度(℃)]:ASTM D3418に準拠して測定した。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]:商品名「HLC−8120」(東ソー社製)のGPCを用い、検知器として、示差屈折計を用いて、次の条件で測定した。
カラム:商品名「カラムGMHHXL」、東ソー社製
流量:1.0mL/秒
温度:50℃
基準物質:ポリスチレン
[分子量分布(Mw/Mn)]:測定したMw及びMnの値から算出した。
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:JIS K6300に準拠して、Lローター、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃で測定した。
[引張強度(300%モジュラス)]:JIS K6301に準拠して測定した。なお、指数で表示し、数値が大きいほど、引張強度が大きく、破壊強度に優れるといえる。
[tanδ(50℃)及びtanδ(0℃)]:tanδ(50℃)は、米国レオメトリックス社製の動的スペクトロメーターを使用し、引張動歪1%、周波数10Hz、50℃の条件で測定した。なお、指数で表示し、数値が大きいほど、転がり抵抗が小さいといえる。また、tanδ(0℃)は、同機器を使用し、引張動歪0.1%、周波数10Hz、0℃の条件で測定した。なお、指数で表示し、数値が大きいほど、ウェッドスキッド抵抗性に優れるといえる。
[耐摩耗性]:ランボーン型摩耗試験機を室温で用い、スリップ率が25%の摩耗量を指数で表した。なお、数値が大きいほど、耐摩耗性に優れるといえる。
(変性スチレン−ブタジエン共重合体の調製)
(合成例1:SBR−A)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、1,3−ブタジエン390gを仕込んだ。反応器内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム360mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた後、第一のアルコキシシラン化合物として変性剤(1)2,130mgを加えて15分間変性反応を行った。変性反応終了後の重合体溶液に、第一の縮合促進剤としてテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン6,608mgを添加し、15分間縮合反応を行った後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、変性スチレン−ブタジエン共重合体(1)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(1)をSBR−Aとする。SBR−Aのビニル結合含有率は56%であり、結合スチレン含有率は20%であり、ガラス転移温度は−35℃であり、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は22であり、重量平均分子量は22万であった。
(合成例2:SBR−B)
合成例1において、第一の縮合促進剤をビス(2−エチルヘキサン酸)スズ4,739mgに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(2)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(2)をSBR−Bとする。SBR−Bの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例3:SBR−C)
合成例1において、第一の縮合促進剤をビス(2−エチルヘキサン酸)酸化ジルコン4,605mgに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(3)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(3)をSBR−Cとする。SBR−Cの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例4:SBR−D)
合成例1において、第一の縮合促進剤をトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス7,471mgに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(4)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(4)をSBR−Dとする。SBR−Dの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例5:SBR−E)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、1,3−ブタジエン390gを仕込んだ。反応器内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム360mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた後、第一のアルコキシシラン化合物として変性剤(1)2,130mgを加えて15分間変性反応を行った。変性反応終了後の重合体溶液に、第一の縮合促進剤としてテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン6,608mgを添加し、15分間縮合反応を行った後、四塩化ケイ素746mgを添加した。次いで、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した後、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、変性スチレン−ブタジエン共重合体(5)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(5)をSBR−Eとする。SBR−Eの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例6:SBR−F)
アルカリ金属系開始剤をn−ブチルリチウム360mgとヘキサメチレンイミン493mgから調製したリチウムアミド化合物に変更したこと以外は、合成例5と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(6)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(6)をSBR−Fとする。SBR−Fの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例7:SBR−G)
第一のアルコキシシラン化合物を変性剤(2)1,775mgにしたこと及び1,3−ブタジエンの使用量を325gにしたこと以外は、合成例5と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(7)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(7)をSBR−Gとする。SBR−Gの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例8:SBR−H)
第一のアルコキシシラン化合物を変性剤(3)1,043mgに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(8)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(8)をSBR−Hとする。SBR−Hの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例9:SBR−I)
第一のアルコキシシラン化合物を変性剤(3)1,043mgに変更したこと以外は、合成例5と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(9)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(9)をSBR−Iとする。SBR−Iの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例10:SBR−J)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、1,3−ブタジエン390gを仕込んだ。反応器内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム360mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた後、第一のアルコキシシラン化合物として変性剤(1)2,130mgを加えて15分間変性反応を行った。変性反応終了後の重合体溶液に、四塩化ケイ素746mgを添加した後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、変性スチレン−ブタジエン共重合体(10)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(10)をSBR−Jとする。SBR−Jの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例11:SBR−K)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、1,3−ブタジエン400gを仕込んだ。反応器内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム360mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。更に10分間重合反応を行った。重合反応終了後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、スチレン−ブタジエン共重合体(11)を得た。このスチレン−ブタジエン共重合体(11)をSBR−Kとする。SBR−Kの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例12:SBR−L)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン1.5g、スチレン175g、1,3−ブタジエン150g、ジビニルベンゼン0.05g及びドデシルベンゼンスルホン酸カリウム60mgを仕込んだ。反応器内容物の温度を40℃に調整した後、n−ブチルリチウム350mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、重合温度が55℃に到達した時点で、更に1,3−ブタジエン165gを連続的に追加して重合反応を進行させた。最高温度は80℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、1,3−ブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた後、第一のアルコキシシラン化合物として変性剤(1)2,130mgを加えて10分間変性反応を行った。その後、更に、第一の縮合促進剤としてテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン6,608mgを加えて10分間縮合反応を行った。縮合反応終了後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、変性スチレン−ブタジエン共重合体(12)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(12)をSBR−Lとする。SBR−Lの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例13:SBR−M)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン1.5g、スチレン175g、1,3−ブタジエン150g、ジビニルベンゼン0.05g及びドデシルベンゼンスルホン酸カリウム60mgを仕込んだ。反応器内容物の温度を40℃に調整した後、n−ブチルリチウム350mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、重合温度が55℃に到達した時点で、更に1,3−ブタジエン165gを連続的に追加して重合反応を進行させた。最高温度は80℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、1,3−ブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた後、第一のアルコキシシラン化合物として変性剤(1)2,130mgを加えて10分間変性反応を行った。その後、更に、第一の縮合促進剤としてテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン6,608mgを加えて10分間縮合反応を行った。縮合反応終了後の重合体溶液に、四塩化ケイ素746mgを添加した後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、変性スチレン−ブタジエン共重合体(13)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(13)をSBR−Mとする。SBR−Mの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例14:SBR−N)
第一のアルコキシシラン化合物を変性剤(2)1,775mgに、第一の縮合促進剤をビス(2−エチルヘキサン酸)スズ4,739mgに変更したこと以外は、合成例12と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(14)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(14)をSBR−Nとする。SBR−Nの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例15:SBR−O)
第一のアルコキシシラン化合物を変性剤(2)1,775mgに、縮合促進剤をビス(2−エチルヘキサン酸)酸化ジルコン4,605mgに変更したこと以外は、合成例12と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(15)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(15)をSBR−Oとする。SBR−Oの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例16:SBR−P)
第一のアルコキシシラン化合物を変性剤(2)1,775mgに、第一の縮合促進剤をビス(2−エチルヘキサン酸)酸化ジルコン4,605mgに変更したこと以外は、合成例13と同様にして、変性スチレン−ブタジエン共重合体(16)を得た。この変性スチレン−ブタジエン共重合体(16)をSBR−Pとする。SBR−Pの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
(合成例17:SBR−Q)
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン1.5g、スチレン175g、1,3−ブタジエン150g、ジビニルベンゼン0.05g及びドデシルベンゼンスルホン酸カリウム60mgを仕込んだ。反応器内容物の温度を40℃に調整した後、n−ブチルリチウム350mgを添加して重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で実施し、重合温度が55℃に到達した時点で、更に1,3−ブタジエン175gを連続的に追加して重合反応を進行させた。最高温度が80℃に到達してから、更に10分間重合反応を行った。重合反応終了後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、スチレン−ブタジエン共重合体(17)を得た。このスチレン−ブタジエン共重合体(17)をSBR−Qとする。SBR−Qの重合条件及び物性値を表1に併せて示す。
Figure 2010209254
なお、表1中、省略した化合物を以下に記す。
(第一のアルコキシシラン化合物)
変性剤(1):N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン
変性剤(2):N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン
変性剤(3):メチルトリメトキシシラン
(変性共役ジエン系重合体の調製)
(合成例18:BR−Y)
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン2,400g、1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。これらに、予め触媒成分としてバーサチック酸ネオジム(0.09mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルアルモキサン(1.8mmol)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(5.0mmol)及び四塩化ケイ素(0.045mmol)のトルエン溶液と1,3−ブタジエン(4.5mmol)を50℃で30分間反応熟成させて調製した触媒を仕込み、80℃で60分間重合反応を行った。1,3−ブタジエンの重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液200gを抜き取り、2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液を添加し、重合反応を停止させた。その後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、共役ジエン系重合体(1)を得た。この共役ジエン系重合体(1)のシス−1,4−結合の含有率は97.0%であり、1,2−ビニル結合含有率は1.1%であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であり、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は18であった。
残りの重合体溶液を温度60℃に保ち、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(4.5mmol)のトルエン溶液を添加し、30分間反応させて変性反応を行った。続いて、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン(13.5mmol)のトルエン溶液を添加し、30分間混合した。その後、2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液を添加し、変性共役ジエン系重合体(1)の溶液250gを得た。次に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水溶液20Lに、得られた変性共役ジエン系重合体(1)の溶液を添加し、110℃で2時間、脱溶媒とともに縮合反応を行い、110℃のロールで乾燥して、変性共役ジエン系重合体(1)を得た。この変性共役ジエン系重合体(1)をBR−Yとする。BR−Yの分子量分布(Mw/Mn)は2.7であり、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は43であった。
(合成例19:BR−Z)
テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタンの代わりにビス(2−エチルヘキサン酸)スズを使用したこと以外は、合成例18と同様にして、変性共役ジエン系重合体(2)を得た。この変性共役ジエン系重合体(2)をBR−Zとする。BR−Z及び変性反応前の共役ジエン系重合体(2)の物性値を表2に併せて示す。
Figure 2010209254
表3に示す配合処方に従い、250ccラボプラストミルで混練してゴム組成物を製造した。このゴム組成物を145℃で30分間、加硫を行って加硫ゴムを調製し、それ用いてゴム組成物の評価を行った。
Figure 2010209254
(実施例1)
変性スチレン−ブタジエン共重合体としてSBR−Aを70部、変性共役ジエン系重合体としてBR−Yを30部、伸展油として商品名「アロマックス#3」(富士興産社製)を37.5部、シリカとして商品名「ニプシルAQ」(東ソー・シリカ社製)を70部、カーボンブラックとして商品名「ダイアブラックN339」(三菱化学社製)を5.6部、シランカップリング剤として商品名「Si69」(デグサ社製)を5.6部、ステアリン酸を2部、老化防止剤として商品名「ノクラック810NA」(大内新興化学工業社製)を1部、酸化亜鉛を3部、加硫促進剤NSとして商品名「ノクセラーNS・F」(大内新興化学工業社製)を1.5部、加硫促進剤CZとして商品名「ノクセラーCZ」(大内新興化学工業社製)を1.8部、硫黄を1.5部配合したものを250ccラボプラストミルで混練してゴム組成物(1)を製造した。このゴム組成物(1)を145℃で30分間、加硫を行って加硫ゴムを得た。この加硫ゴムを用いて各種評価試験を行ったところ、引張強度は120であり、tanδ(0℃)は116であり、tanδ(50℃)は127であり、耐摩耗性は117であった。なお、指数の値は全て比較例8の加硫ゴムを基準として算出した。
(実施例2〜12、比較例1〜8)
表4に示す条件で行ったこと以外は、実施例1と同様にして加硫ゴムを得た。この加硫ゴムを用いて各種評価を行った。評価結果を表4に併せて示す。
Figure 2010209254
なお、表4中、略記した化合物の詳細を以下に記す。
(共役ジエン系重合体)
BR01:商品名「ポリブタジエンゴムBR01」、JSR社製(シス−1,4−結合含有率=95%、1,2−ビニル結合含有率=2.5%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)=45)
実施例1〜12及び比較例1〜8の結果から、重合体末端に結合したアルコキシシランと縮合剤を反応させて得られた変性スチレン−ブタジエン共重合体と、アルコキシシラン化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を組み合わせたゴム組成物を用いて加硫ゴム製造すると、それぞれを単独で使用した場合に比べても引張強度、転がり抵抗、ウェッドスキッド抵抗性、耐摩耗性が著しく改良されることがわかる。また、実施例6,7と比較例1,2の比較から、重合体末端に結合したアルコキシシランに縮合剤を反応させて得られた変性スチレン−ブタジエン共重合体の各物性値が大幅に改良されることが分かる。この結果は、縮合剤で重合体末端を処理することで、アルコキシランが活性化された結果、シリカ表面との反応性が向上した結果を示している。更に、実施例8、9の結果から、重合体開始末端に3級アミノ基を導入すると、両末端に官能基が導入された効果から、各物性値が更に改良されることがわかる。
(実施例13)
スチレン−ブタジエン共重合体としてSBR−Lを70部、変性共役ジエン系重合体としてBR−Yを30部、伸展油として商品名「アロマックス#3」(富士興産社製)を37.5部、シリカとして商品名「ニプシルAQ」(東ソー・シリカ社製)を70部、カーボンブラックとして商品名「ダイアブラックN339」(三菱化学社製)を5.6部、シランカップリング剤として商品名「Si69」(デグサ社製)を5.6部、ステアリン酸を2部、老化防止剤として商品名「ノクラック810NA」(大内新興化学工業社製)を1部、酸化亜鉛を3部、加硫促進剤NSとして商品名「ノクセラーNS・F」(大内新興化学工業社製)を1.5部、加硫促進剤CZとして商品名「ノクセラーCZ」(大内新興化学工業社製)を1.8部、硫黄を1.5部配合したものを250ccラボプラストミルで混練してゴム組成物(1)を製造した。このゴム組成物(1)を145℃で30分間、加硫を行って加硫ゴムを得た。この加硫ゴムを用いて各種評価試験を行ったところ、引張強度は113あり、tanδ(0℃)は118であり、tanδ(50℃)は121であり、耐摩耗性は124であった。なお、指数の値は全て比較例14の加硫ゴムを基準として算出した。
(実施例14〜17、比較例9〜14)
表5に示す条件で行ったこと以外は、実施例13と同様にして加硫ゴムを得た。この加硫ゴムを用いて各種評価を行った。評価結果を表5に併せて示す。
Figure 2010209254
なお、表5中、略記した化合物の詳細を以下に記す。
(共役ジエン系重合体)
BR01:商品名「ポリブタジエンゴムBR01」、JSR社製(シス−1,4−結合含有率=95%、1,2−ビニル結合含有率=2.5%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)=45)
実施例13〜17及び比較例9〜14の結果から、重合体末端に結合したアルコキシシランと縮合剤を反応させて得られた変性スチレン−ブタジエン共重合体と、アルコキシシラン化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を組み合わせたゴム組成物を用いて加硫ゴムを製造すると、変性スチレン−ブタジエン共重合体のミクロ構造に関係なく、引張強度、転がり抵抗、ウェッドスキッド抵抗性、耐摩耗性が、それぞれを単独で使用した場合に比べても著しく改良されることがわかる。
本発明は、耐摩耗性、低温特性、ウェッドスキッド抵抗性等に優れた空気入りタイヤを製造することができ、高性能なタイヤとして市場に供給することができる。

Claims (13)

  1. 変性スチレン−ブタジエン共重合体を20質量%以上、及び変性共役ジエン系重合体を5質量%以上含有するジエン系ゴムを含むゴム成分と、
    前記ゴム成分100質量部に対し、2〜100質量部のカーボンブラック、及び/又は、30〜100質量部のシリカを含む充填剤と、を含有し、
    前記変性スチレン−ブタジエン共重合体が、炭化水素溶媒中で、スチレン及びブタジエンをアルカリ金属系開始剤を用いてアニオン重合させてアルカリ金属活性末端を有するスチレン−ブタジエン共重合体を得る重合反応工程と、前記スチレン−ブタジエン共重合体の前記活性末端に、第一のアルコキシシラン化合物を反応させる変性反応工程と、第一の縮合促進剤の存在下で、前記スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に導入されたアルコキシシリル基を縮合する縮合反応工程と、によって得られるものであり、
    前記変性共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合の含有率が80%以上の共役ジエン系重合体の活性末端を、少なくとも第二のアルコキシシラン化合物により第1次変性してなるものであり、
    前記充填剤が、前記シリカを含む場合に、前記シリカ100質量部に対し、5〜20質量部のシランカップリング剤を更に含む、ゴム組成物。
  2. 前記縮合反応工程が、更に酸性化合物の存在下で、前記スチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に導入されたアルコキシシリル基を縮合する工程である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記第一のアルコキシシラン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
    Figure 2010209254
    (前記一般式(1)中、Aは、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、及び炭酸ジヒドロカルビルエステル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、nは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(1)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。)
    Figure 2010209254
    (前記一般式(2)中、Aは、環状又は非環状の三級アミノ基、ピリジル基、スルフィド基、及びマルチスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(2)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。)
    Figure 2010209254
    (前記一般式(3)中、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、pは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(3)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。)
  4. 前記第一の縮合促進剤が、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、及びアルミニウム(Al)の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 前記酸性化合物が、金属ハロゲン化物及び有機リン酸化合物の少なくともいずれかの化合物である請求項2に記載のゴム組成物。
  6. 前記変性共役ジエン系重合体が、前記共役ジエン系重合体の前記活性末端を前記第二のアルコキシシラン化合物により第1次変性した後、更に第二の縮合促進剤の存在下で第2次変性を行い得られるものである請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. 前記第二のアルコキシシラン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
    Figure 2010209254
    (前記一般式(1)中、Aは、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、及び炭酸ジヒドロカルビルエステル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、nは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(1)で表される化合物には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。)
    Figure 2010209254
    (前記一般式(2)中、Aは、環状又は非環状の三級アミノ基、ピリジル基、スルフィド基、及びマルチスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R及びRは、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは、0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、ORが複数ある場合、複数のORは同一でも異なっていてもよい。なお、一般式(2)で表される化合物には、活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。)
    Figure 2010209254
    (前記一般式(4)中、Aは、ヒドロキシル基、チオール基、一級アミノ基、一級アミンのオニウム塩、環状又は非環状の二級アミノ基、環状又は非環状の二級アミンのオニウム塩、環状又は非環状の三級アミンのオニウム塩、アリールSn又はアリールアルキルSn結合を有する基、スルホニル基、及びスルフィニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する一価の基を示し、Rは、単結合又は二価の不活性炭化水素基を示し、R10及びR11は、相互に独立に、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、qは、0〜2の整数を示す。R10が複数ある場合、複数のR10は同一でも異なっていてもよく、OR11が複数ある場合、複数のOR11は同一でも異なっていてもよい。)
  8. 前記第二のアルコキシシラン化合物が、前記一般式(1)で表される化合物及びそれらの部分縮合物の少なくともいずれかの化合物である請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 前記第二のアルコキシシラン化合物が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの部分縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 前記第二の縮合促進剤が、下記一般式(5)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、及び下記一般式(7)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、水と、からなるものである請求項6〜9のいずれか一項に記載のゴム組成物。
    Sn(OCOR12 (5)
    (前記一般式(5)中、R12は、相互に独立に、炭素数2〜19の有機基を示す。)
    13 SnA (4−t−r) (6)
    (前記一般式(6)中、Aは、炭素数2〜30の脂肪族カルボン酸残基、炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び炭素数1〜20のヒドロカルビル基からなる群より選択される基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基を示し、Bは、ヒドロキシル基又はハロゲンを示し、R13は、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を示し、rは、1〜3の整数を示し、tは、1又は2を示し、かつt+rは、3又は4を示す。Aが複数ある場合、複数のAは同一でも異なっていてもよく、R13が複数ある場合、複数のR13は同一でも異なっていてもよい。)
    TiB (4−x) (7)
    (前記一般式(7)中、Aは、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基及び炭素数1〜30のアルキル基の少なくともいずれかの基で合計三置換されたシロキシ基を示し、Bは、炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基を示し、xは、2又は4を示す。Aが複数ある場合、複数のAは同一でも異なっていてもよく、Bが複数ある場合、複数のBは同一でも異なっていてもよい。)
  11. 前記変性共役ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンである請求項1〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  12. タイヤトレッド用の加硫ゴムに用いられる請求項1〜11のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
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