JP2005232364A - 変性共役ジエン系重合体、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

変性共役ジエン系重合体、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】充填剤としてシリカを用いた配合及び充填剤としてカーボンブラックを用いた配合のいずれの場合においても、充填剤の分散性を改良する効果が高い変性共役ジエン系重合体を提供する。
【解決手段】共役ジエン系重合体の末端を、下記式(I):
【化1】
Figure 2005232364

(式中、R1は、単結合又は二価の不活性炭化水素基であり;R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;nは0〜2の整数であり;OR3が複数ある場合、各OR3は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩は含まない)で表される変性剤で変性してなる変性共役ジエン系重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性共役ジエン系重合体と、該変性共役ジエン系重合体を含有してなるゴム組成物と、該ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤに関し、特にシリカ及びカーボンブラックとの相互作用に優れた変性共役ジエン系重合体に関するものである。
近年、省エネルギーの社会的な要請によって、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。ここで、タイヤの転がり抵抗を低下させる手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の小さいゴム組成物を得るために、従来、ゴム組成物に用いる充填剤の分散性を高める技術が多数開発されてきた。かかる技術の中でも、リチウム化合物を用いたアニオン重合で得られる共役ジエン系重合体の重合活性部位を充填剤と相互作用可能な官能基で修飾する方法が最も一般的になりつつある。
ゴム組成物の発熱性を抑制する方法の中でも、最も代表的な方法として、充填剤としてカーボンブラックを用い、ゴム成分として重合活性部位をスズ化合物で修飾した変性重合体を用いる方法(特許文献1参照)、充填剤としてカーボンブラックを用い、ゴム成分として重合活性末端にアミノ基を導入した変性重合体を用いる方法(特許文献2参照)等が知られている。
一方、近年、自動車の安全性への関心の高まりに伴い、低燃費性のみならず、湿潤路面での性能(以下、ウェット性能と称する)、特に、湿潤路面での制動性能についても要求が高まってきた。このため、タイヤのトレッド用ゴム組成物に対する要求性能として、単に転がり抵抗を低減するだけでなく、ウェット性能と低発熱性(低燃費性能)とを高度に両立することが求められている。
これに対し、良好な低燃費性と良好なウェット性能とを同時にタイヤに付与するために、補強用充填剤としてカーボンブラックに代えてシリカを配合したゴム組成物がトレッドに用いられている。
しかしながら、シリカを補強用充填剤として用いた場合、補強用充填剤としてカーボンブラックを用いた場合に比べて、ゴム組成物の破壊強度及び耐摩耗性が著しく低下する問題がある。また、カーボンブラックに比べてシリカの方がゴム成分に対する分散性が悪いため、ゴム組成物の混練りにおける作業性が悪く、実際にタイヤを製造する上で大きな問題となっている。
これに対して、発熱性の低いゴム組成物を生産性よく製造するために、補強用充填剤としてカーボンブラック又はシリカを単独で用いるのではなく、カーボンブラック及びシリカを併用し、更に、これら多様な充填剤のそれぞれに対して相互作用でき、多様な充填剤の分散性を改良し、得られるゴム組成物に十分な破壊強度及び耐摩耗性を付与できる変性重合体が求められている。
しかしながら、従来、重合体の活性部位を変性する検討が、単一の充填剤を想定して進められてきたため、充填剤の種類に関係なく各種充填剤と十分に相互作用できる変性重合体は、極めて限られているのが現状である。
例えば、上述の重合活性部位をスズ化合物で修飾した変性重合体は、カーボンブラックに対する分散性の改良効果が大きいものの、シリカの分散性を改良する効果はほとんど無く、補強効果の向上が全く見られない。また、アミノシランによるシリカの分散性改良効果が報告されている(特許文献3参照)が、その効果は十分でなかった。
一方、シリカの分散性を改良してゴム組成物の補強性を改善する効果のあるアルコキシシラン化合物を変性剤として用いて製造した変性共役ジエン系重合体を用いる方法(特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)が知られているが、その効果は不十分であった。
また、シリカ及びシランカップリング剤を含むゴム組成物に、配合時にシラノール縮合触媒を添加する手法(特許文献7、特許文献8参照)が開示されている。この手法により、シリカの分散性を改良してゴム組成物の補強性を改善できるものの、ポリマーと反応すべきシラノール縮合触媒が、配合時に外添されるシランカップリング剤同士の縮合で消費されるため、縮合触媒の効率が悪く、シリカの分散性改良によるゴム組成物の物性向上効果が不十分である。
また、アルキルリチウム又はリチウムアミドを重合開始剤とするアニオン重合により得られる重合体の活性末端に、ジアルキルアミノ基を有するアルコキシシラン化合物を導入した変性重合体が知られている(特許文献9参照)。ここで、該変性重合体を用いることで、ゴム組成物の作業性を良好にしつつ、シリカを配合したゴム組成物の補強性を改善したり、シリカ及びカーボンブラックの双方の分散性を改良できる。しかしながら、特許文献9には、変性剤としてジアルキルアミノ基を有するアルコキシシランが開示されているものの、他の変性剤についての開示は無い。
特公平5−87530号公報 特開昭62−207342号公報 特開平9−151275号公報 特開平1−188501号公報 特開平8−53513号公報 特開平8−53576号公報 特開平10−67887号公報 特開2000−248117号公報 特公平6−57767号公報
そこで、本発明の目的は、ジアルキルアミノ基を有するアルコキシシラン以外の変性剤を用いた新規変性共役ジエン系重合体であって、充填剤としてシリカを用いた配合及び充填剤としてカーボンブラックを用いた配合のいずれの場合においても、充填剤の分散性を改良する効果が高い変性共役ジエン系重合体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる変性共役ジエン系重合体を含み、シリカ及びカーボンブラックの分散性が良好で、低発熱性、破壊特性、耐摩耗性及び作業性に優れたゴム組成物を提供することにある。更に、本発明のその他の目的は、かかるゴム組成物をトレッドに適用した、低燃費性、破壊特性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、共役ジエン系重合体のリビング重合末端にニトリル基を含む特定構造のアルコキシシラン化合物を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体をゴム成分として含むゴム組成物が、シリカ及びカーボンブラックの双方の分散性が改良されており、その結果として、低発熱性、破壊特性、耐摩耗性及び作業性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体の末端を、下記式(I):
Figure 2005232364

(式中、R1は、単結合又は二価の不活性炭化水素基であり;R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;nは0〜2の整数であり;OR3が複数ある場合、各OR3は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩は含まない)で表される変性剤で変性してなることを特徴とする。ここで、本発明の変性共役ジエン系重合体は、前記共役ジエン系重合体の末端を、上記式(I)で表される変性剤で変性した後に縮合促進剤で処理してなるのが好ましい。
本発明の変性共役ジエン系重合体の好適例においては、前記変性共役ジエン系重合体が、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第1次変性の後、反応系に縮合促進剤を添加して上記式(I)で表される変性剤を反応させる第2次変性を行うことにより製造されたものである。
本発明の変性共役ジエン系重合体の他の好適例においては、上記式(I)で表される変性剤が2-シアノエチルトリエトキシシランである。
本発明の変性共役ジエン系重合体の他の好適例においては、前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体である。
本発明の変性共役ジエン系重合体の他の好適例においては、前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン化合物の単独重合体又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体であって、共役ジエン化合物部分のシス結合含量が70%以上である。
本発明の変性共役ジエン系重合体の他の好適例においては、前記共役ジエン系重合体は、数平均分子量が50,000〜500,000である。
本発明の変性共役ジエン系重合体の他の好適例においては、上記変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜150である。
また、本発明のゴム組成物は、上記変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とする。ここで、本発明のゴム組成物は、更にシリカ及び/又はカーボンブラックを含有するのが好ましい。
更に、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする。
本発明によれば、カーボンブラック及びシリカとの相互作用に優れ、カーボンブラック及びシリカの分散性を改善できる新規変性共役ジエン系重合体を提供することができる。また、該変性共役ジエン系重合体を配合してなり、低発熱性、破壊特性、耐摩耗性及び作業性に優れたゴム組成物、並びに該ゴム組成物をトレッドに適用した、低燃費性、破壊特性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体の末端を、上記式(I)で表される変性剤で変性してなる。式(I)の化合物が含窒素官能基であるニトリル基を含むため、該式(I)の化合物で変性された本発明の変性共役ジエン系重合体は、カーボンブラックと十分に相互作用できる。また、式(I)の化合物がアルコキシシリル基を含むため、該式(I)の化合物で変性された本発明の変性共役ジエン系重合体は、シリカとも十分に相互作用できる。そのため、本発明の変性共役ジエン系重合体は、ゴム組成物中のシリカ及びカーボンブラックの双方の分散性を改善し、充填剤による補強効果を十分に発揮させて、ゴム組成物の低発熱性、破壊特性、耐摩耗性及び作業性を改善することができる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体の末端を式(I)で表されるニトリル基含有アルコキシシラン化合物で変性してなる。ここで、共役ジエン系重合体は、活性末端を有し、該共役ジエン系重合体としては、アニオン重合により製造されたものでも、配位重合により製造されたものでもよい。なお、該共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体であるのが好ましい。また、該共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物の単独重合体又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体であって、共役ジエン化合物部分のシス結合含量が70%以上であるのも好ましい。
本発明の変性共役ジエン系重合体にアニオン重合により製造された共役ジエン系重合体を用いる場合、重合開始剤としては、リチウム化合物を用いるのが好ましい。該リチウム化合物としては、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましい。重合開始剤としてヒドロカルビルリチウムを用いる場合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。一方、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合、重合開始末端に含窒素基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。なお、重合開始剤としてのリチウム化合物の使用量は、単量体100g当り0.2〜20mmolの範囲が好ましい。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、n-ブチルリチウムが特に好ましい。
一方、上記リチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ-2-エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム-N-メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらリチウムアミド化合物は、二級アミンとリチウム化合物から予備調製して重合反応に用いてもよいが、重合系中で生成させてもよい。
上記リチウム化合物等を重合開始剤として、アニオン重合により共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物単独で、又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との混合物を重合させることで共役ジエン系重合体を製造することができる。
単量体としての上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、単量体としての上記ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。これらビニル芳香族化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記アニオン重合は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、共役ジエン化合物のミクロ構造を制御することができ、例えば、単量体としてブタジエンを用いた重合体のブタジエン単位の1,2-結合含量を制御したり、単量体としてスチレンとブタジエンを用いた共重合体のブタジエン単位とスチレン単位とをランダム化する等の作用を有する。上記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、カリウム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、リチウム化合物1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
上記アニオン重合は、溶液重合、気相重合、バルク重合のいずれで実施してもよいが、溶液重合の場合、溶液中の上記単量体の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。なお、単量体として、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を併用する場合、単量体混合物中のビニル芳香族化合物の含有率は、3〜50質量%の範囲が好ましく、4〜45質量%の範囲が更に好ましい。また、重合形式は特に限定されず、回分式でも連続式でもよい。
上記アニオン重合の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うのが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧するのが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いるのが好ましい。
本発明の変性共役ジエン系重合体に配位重合により製造された共役ジエン系重合体を用いる場合、重合開始剤として、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分を組み合わせて用いるのが好ましい。なお、配位重合により製造された共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物の単独重合体であるのが好ましく、ポリブタジエンであるのが特に好ましい。
上記配位重合で用いる(A)成分は、希土類化合物、及び希土類化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β-ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。上記希土類化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(A)成分として、具体的には、ネオジムトリ-2-エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリn-ブトキシド等が挙げられる。これら(A)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記配位重合で用いる(B)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R3Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物(式中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていてもよい)、式R2AlH又はRAlH2で表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていてもよい)、炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム,ジアルキルアルミニウムヒドリド,アルキルアルミニウムジヒドリド,アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(B)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
上記配位重合で用いる(C)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(C)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル,塩化t-ブチル,臭化ベンジル,臭化t-ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(C)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記の(A),(B),(C)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(A)成分又は(C)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。上記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常(A)成分は単量体100g当たり0.001〜0.5mmolである。また、モル比で(B)成分/(A)成分は5〜1000、(C)成分/(A)成分は0.5〜10が好ましい。
上記配位重合に用いる単量体としては、アニオン重合の項で述べた共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物を用いることができ、それらの中でも、1,3-ブタジエンが好ましい。また、配位重合における重合温度は、-80〜150℃の範囲が好ましく、-20〜120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。上記配位重合は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つのに充分な圧力で操作することが望ましい。即ち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力で行うことができ、例えば、重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等してもよい。この配位重合反応において、触媒、溶媒、単量体等の重合に関与する全ての原材料としては、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものを用いることが望ましい。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、上述の共役ジエン系重合体の末端を、上記式(I)で表される変性剤で変性してなる。式(I)において、R1は、単結合又は二価の不活性炭化水素基であり、該二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ウンデカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられ、これらの中でも、エチレン基、トリメチレン基、ウンデカメチレン基が好ましく、エチレン基が特に好ましい。
また、R2及びR3としては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜20のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基及びエチル基が好ましい。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
式(I)中、nは0〜2の整数であり、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。ここで、OR3が複数ある場合、各OR3は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(I)で表される変性剤として、具体的には、2-シアノエチルトリエトキシシラン、2-シアノエチルメチルジメトキシシラン、2-シアノエチルトリメトキシシラン、3-シアノプロピルトリエトキシシラン、3-シアノプロピルトリメトキシシラン、11-シアノウンデシルトリメトキシシランが好ましく、これらの中でも、2-シアノエチルトリエトキシシランが特に好ましい。
上記式(I)で表される変性剤の使用量は、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に対して、0.5モル当量以上用いるのが好ましい。また、式(I)の変性剤による変性反応は、20℃以上で行うのが好ましく、30〜120℃で行うのが更に好ましく、活性末端を有する共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができる。式(I)の変性剤による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。
上記式(I)の変性剤による変性反応終了後、公知の酸化防止剤等を重合系に添加して、反応を停止させることができる。また、その後、脱溶媒等の公知の後処理を行い、目的とする変性共役ジエン系重合体が得られる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に上記式(I)で表される変性剤を反応させたもの、即ち、変性反応が一段のみの変性共役ジエン系重合体でもよいし、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第1次変性の後、反応系に縮合促進剤を添加して上記式(I)で表される変性剤を更に反応させる第2次変性を行うことにより製造されたもの、即ち、変性反応が二段階の変性共役ジエン系重合体でもよい。また、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に上記式(I)で表される変性剤を反応させた後に縮合促進剤で処理したものでもよい。ここで、変性反応が一段のみの変性共役ジエン系重合体には、アニオン重合で製造した共役ジエン系重合体を用いるのが好ましく、一方、変性反応が二段階の変性共役ジエン系重合体には、アニオン重合で製造した共役ジエン系重合体でも、配位重合で製造した共役ジエン系重合体でも好適に用いることができる。変性反応が二段階の変性共役ジエン系重合体を製造するにあたって、上記式(I)で表される変性剤の添加時期は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と同時に添加しても、縮合促進剤の添加の前でも後でもよい。
上記第1次変性に用いるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、下記式(II):
Figure 2005232364

[式中、A1は(チオ)エポキシ、(チオ)インシアネート、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド、イミン、アミド、イソシアヌル酸トリエステル、(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物及び炭酸ジヒドロカルビルエステルの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R4は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R5及びR6は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;mは0〜2の整数であり;OR6が複数ある場合、複数のOR6はたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物、下記式(III):
Figure 2005232364

(式中、A2は環状三級アミン、非環状三級アミン、ニトリル、ピリジン、スルフィド及びマルチスルフィドの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R7は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R8及びR9は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;pは0〜2の整数であり;OR9が複数ある場合、複数のOR9は互いに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物、及び下記式(IV):
10 q−Si(OR114-q ・・・ (IV)
(式中、R10及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;qは0〜2の整数であり;OR11が複数ある場合、複数のOR11はたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮物を用いることができる。なお、配位重合で製造した共役ジエン系重合体に対しては、上記式(II)のヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物を用いるのが好ましい。
式(II)において、A1における官能基の中で、イミンはケチミン、アルジミン、アミジンを包含し、(チオ)カルボン酸エステルは、アクリレートやメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルを包含する。また、(チオ)カルボン酸の金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
4のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R5及びR6としては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
mは0〜2の整数であるが、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば(チオ)エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2-グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができるが、これらの中でも、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルエチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-エチリデン-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(4-N,N-ジメチルアミノベンジリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(シクロヘキシリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物等を挙げることができるが、これらの中でも、N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びN-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミンが特に好ましい。
また、イミン(アミジン)基含有化合物としては、1-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-イソプロポキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-メチルジエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾールが好ましい。
更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物として、以下のものを挙げることができる。即ち、カルボン酸エステル基含有化合物としては、3-メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、イソシアネート基含有化合物としては、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましい。
上記式(II)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
式(III)において、A2のうちの非環状三級アミンは、N,N-二置換アニリン等のN,N-二置換芳香族アミンを包含し、また環状三級アミンは、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。R7のうちの二価の不活性炭化水素基、R8及びR9については、それぞれ前記式(II)におけるR4、R5及びR6について説明したとおりである。この分子中には活性プロトン及びオニウム塩は有しないことが必要である。
式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、非環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン,3-ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン,3-ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン,3-ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン,2-ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン,2-ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン,3-ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3-ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン等が挙げられ、これらの中でも、3-ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン及び3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランが好ましい。
また、環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン,(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン,(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン,2-(1-ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン,2-(1-ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン,3-(1-ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン,3-(1-ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン,3-[10-(トリエトキシシリル)デシル]-4-オキサゾリン等が挙げられ、これらの中でも、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン及び(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シランが好ましい。
更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、2-(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2-(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2-シアノエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これら式(III)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
式(IV)において、R10及びR11については、それぞれ前記式(II)におけるR5及びR6について説明したとおりである。
式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、テトラエトキシシランが特に好ましい。
式(IV)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物を用いることもできる。
上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限はなく、バッチ式でも連続式でもよい。ヒドロカルビルオキシシラン化合物による一次変性反応の温度は、20℃以上が好ましく、30〜120℃が更に好ましい。
変性反応が二段階の変性共役ジエン系重合体を製造する場合、重合反応系に添加する縮合促進剤としては、一般にアルコキシ縮合硬化型室温架橋(RTV)シリコーン用の硬化触媒として知られている金属化合物と、水との組み合わせが使用できる。例えば、スズのカルボン酸塩及び/又はチタンアルコキシドと水との組み合わせが好適に挙げられる。縮合促進剤の水の反応系中への投入方法には特に制限はない。アルコール等の水と相溶な有機溶媒の溶液としてもよいし、種々の化学工学的手法を用いて水を直接炭化水素溶液中に注入・分散・溶解させてもよい。
上記縮合促進剤としては、下記(V):
Sn(OCOR12)2 ・・・ (V)
[式中、R12は、それぞれ独立して炭素数2〜19のアルキル基である]で表される酸化数2のスズ化合物、下記式(VI):
13 rSnA3 t1 (4-t-r) ・・・ (VI)
[式中、rは1〜3の整数で、tは1又は2の整数で、t+rは3又は4の整数であり;R13はそれぞれ独立して炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基であり;A3は、それぞれ独立して炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数5〜20のα,γ-ジオニル基、炭素数3〜20のヒドロカルビルオキシ基、及び炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で三置換されたシロキシ基から選ばれる基であり;B1はヒドロキシル基又はハロゲンである]で表される酸化数4のスズ化合物、及び下記式(VII):
4 uTiB2 (4-u) ・・・ (VII)
[式中、uは2又は4の整数であり;A4は、それぞれ独立して炭素数3〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基で三置換されたシロキシ基であり;B2は、それぞれ独立して炭素数5〜20のα,γ-ジオニル基である]で表される酸化数4のチタン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属化合物と、水とからなるものが好ましい。
上記スズ化合物としては、二価のスズのジカルボン酸塩や、四価のジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩[ビス(ヒドロカルビルジカルボン酸)塩を含む]、ビス(α,γ-ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド、アルコキシ(トリヒドロカルビルシロキシド)、アルコキシ(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)、ビス(トリヒドロカルビルシロキシド)、ビス(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)等が好ましい。また、スズに直接結合したヒドロカルビル基としては炭素数4以上のものが望ましく、炭素数4〜8のものが特に好ましい。
また、上記チタン化合物としては、酸化数4のチタンのテトラアルコキシド、ジアルコキシビス(α,γ-ジケトネート)、テトラキス(トリヒドロカルビオキシド)等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(トリヒドロカルビオキシド)が好ましい。
一方、水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態が好適に用いられる他、必要ならば固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分も有効に用いることができる。
縮合促進剤を形成するこれら二者は、反応系に別々に投入しても、使用直前に混合して混合物として投入してもよいが、混合物の長期保存は金属化合物の分解を招くので好ましくない。
この縮合促進剤の使用量としては、前記金属化合物の金属及び反応に有効な水のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシシリル基の総量に対するモル比として、共に0.1以上であるのが好ましい。上限は目的や反応条件によっても異なるが、縮合処理以前の段階で重合体の活性末端に結合されたヒドロカルビルオキシシリル基の量に対して0.5〜3モル当量の有効な水が存在することが好ましい。縮合促進剤を用いた上記式(I)の変性剤による2次変性反応は、20℃以上で行うのが好ましく、30〜120℃で行うのが更に好ましい。また、反応時間としては、0.5〜120分程度が好ましく、3〜60分が更に好ましい。
本発明の変性共役ジエン系重合体において、共役ジエン系重合体は、数平均分子量(Mn)が50,000〜500,000であるのが好ましい。共役ジエン系重合体の数平均分子量が50,000未満では、変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の加硫後の破壊特性や耐摩耗性が低下し、500,000を超えると、変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の作業性が悪化して、混練りが困難となる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜150であるのが好ましい。変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度ML1+4(100℃)が10未満では、該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の破壊特性等の力学特性が不十分となり、150を超えると、該変性共役ジエン系重合体と充填剤等の各種配合剤とを混練する際の作業性が著しく悪化する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として上述の変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とする。本発明のゴム組成物は、充填剤の分散性を改善できる上記変性共役ジエン系重合体を含むため、低発熱性、破壊特性、耐摩耗性及び作業性に優れる。ここで、上記変性共役ジエン系重合体以外のゴム成分としては、天然ゴム(NR)の他、上記式(I)の化合物で変性していないスチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等を用いることができる。これらゴム成分は、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラック、シリカ及び下記式(VIII):
wM・xSiOy・zH2O ・・・ (VIII)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;w、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数である)で表される無機化合物から選択される一種以上を含むのが好ましい。尚、式(VIII)において、x、zがともに0である場合、該無機化合物は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記式(VIII)で表わされる無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。
上記充填剤は、一種単独で用いても、二種以上を混合して使用してもよい。上記充填剤の中でも、カーボンブラック及びシリカが好ましく、カーボンブラック及びシリカを併用するのが特に好ましい。カーボンブラックとしては、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのものが好ましく、シリカとしては、湿式シリカが好ましい。ここで、カーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、5〜95質量部の範囲が好ましく、シリカの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、5〜95質量部の範囲が好ましく、カーボンブラック及びシリカの総配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部の範囲が好ましい。カーボンブラック及び/又はシリカの配合量が上記範囲未満では、ゴム組成物の破壊特性及び耐摩耗性が低下し、上記範囲を超えると、ゴム組成物の作業性が悪化する。
本発明のゴム組成物には、上記変性共役ジエン系重合体等のゴム成分、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、老化防止剤、カップリング剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、本発明のゴム組成物は、コールドフロー耐性が改良されているため、多価カップリング剤を配合しなくても、十分なコールドフロー耐性を有する。上記ゴム組成物は、少なくとも変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする。本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をトレッドに用いているため、低燃費性、破壊特性及び耐摩耗性に特に優れる。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。本発明のタイヤのトレッドには、上記ゴム組成物が用いられているため、シリカ等の無機充填剤を多量に配合しても、加硫後のヒステリシスロスを低下させつつ、補強性を大幅に改善することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
まず、乾燥精製した原料を用いて以下の方法で重合体を製造した。
(製造比較例1)
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液(1,3-ブタジエン濃度:16質量%)及びスチレンのシクロヘキサン溶液(スチレン濃度:21質量%)を、1,3-ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン 0.70mmolを加え、更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)0.70mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して重合体Aを得た。
(製造比較例2)
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液(1,3-ブタジエン濃度:16質量%)及びスチレンのシクロヘキサン溶液(スチレン濃度:21質量%)を、1,3-ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン 0.75mmolを加え、更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)0.75mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤としてテトラエトキシシラン(TEOS)0.75mmolを加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して重合体Bを得た。
(製造比較例3)
変性剤としてテトラエトキシシランに代えて、四塩化スズ(TTC)0.18mmolを加える以外は上記製造比較例2と同様にして重合体Cを得た。
(製造実施例1)
変性剤としてテトラエトキシシランに代えて、2-シアノエチルトリエトキシシラン(CEEOS)0.75mmolを加える以外は上記製造比較例2と同様にして重合体Dを得た。
上記のようにして製造した重合体A〜Dの数平均分子量(Mn)とムーニー粘度ML1+4(100℃)とを下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)数平均分子量(Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を求めた。
(2)ムーニー粘度ML1+4(100℃)
東洋精機社製RLM−01型テスターを用いて、100℃にて各重合体のムーニー粘度ML1+4(100℃)を測定した。
Figure 2005232364
上記重合体A〜Dを用いて表2に示す配合1及び配合2のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物を160℃で15分間加硫して得た加硫ゴムの破壊特性、低発熱性及び耐摩耗性を下記方法で測定した。配合1のゴム組成物に対する結果を表3に、配合2のゴム組成物に対する結果を表4に示す。
(3)破壊特性(引張応力)
JIS K6301−1995に準拠して300%伸長時の引張応力(Tb)を測定し、配合1のゴム組成物については比較例1のゴム組成物の300%伸長時引張応力を100として指数表示し、配合2のゴム組成物については比較例4のゴム組成物の300%伸長時引張応力を100として指数表示した。指数値が大きい程、破壊特性に優れることを示す。
(4)低発熱性
レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて、温度50℃、周波数15Hz、歪3%又は10%でtanδを測定し、配合1のゴム組成物については比較例1のゴム組成物のtanδを100として指数表示し、配合2のゴム組成物については比較例4のゴム組成物のtanδを100として指数表示した。指数値が小さい程、低発熱性に優れることを示す。
(5)耐摩耗性
ランボーン式摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、配合1のゴム組成物については比較例1のゴム組成物の摩耗量を100として指数表示し、配合2のゴム組成物については比較例4のゴム組成物の摩耗量を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 2005232364
*1 上記製造比較例1〜3並びに製造実施例1で製造した重合体A〜D, 使用した重合体の種類を表3及び表4に示す.
*2 日本シリカ工業製, ニップシールAQ.
*3 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン, 大内新興化学(株)製, ノクラック6C.
*4 ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド, デグサ社製, シランカップリン剤Si69.
*5 N,N'-ジフェニルグアニジン, 三新化学工業(株)製, サンセラーD−G.
*6 ジベンゾチアジルジスルフィド, 大内新興化学(株)製, ノクセラーDM−P.
*7 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド, 大内新興化学(株)製, ノクセラーNS−P.
Figure 2005232364
Figure 2005232364
表3及び表4の結果から、重合体Dを含む実施例1及び2のゴム組成物は、カーボンブラックを含有した配合においても、シリカを含有した配合においても、低発熱性及び耐摩耗性に優れつつ、十分な破壊強度を維持していることが分かる。

Claims (13)

  1. 共役ジエン系重合体の末端を、下記式(I):
    Figure 2005232364

    (式中、R1は、単結合又は二価の不活性炭化水素基であり;R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;nは0〜2の整数であり;OR3が複数ある場合、各OR3は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩は含まない)で表される変性剤で変性してなる変性共役ジエン系重合体。
  2. 共役ジエン系重合体の末端を、上記式(I)で表される変性剤で変性した後に縮合促進剤で処理したことを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  3. 前記変性共役ジエン系重合体が、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第1次変性の後、反応系に縮合促進剤を添加して上記式(I)で表される変性剤を反応させる第2次変性を行うことにより製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  4. 上記式(I)で表される変性剤が2-シアノエチルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  5. 前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  6. 前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン化合物の単独重合体又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体であって、共役ジエン化合物部分のシス結合含量が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  7. 前記共役ジエン系重合体は、数平均分子量が50,000〜500,000であることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  8. ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜150であることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とするゴム組成物。
  10. 更にシリカを含むことを特徴とする請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 更にカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項9に記載のゴム組成物。
  12. シリカ及びカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに適用したタイヤ。
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