JP2010202867A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性や低発熱性等を発揮するとともに、良好な氷上性能とウェット性能とを兼ね備えたゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、ゴム成分中に共役系変性基を有するブタジエン系重合体を含み、加硫時および/または加硫後に独立気泡を有するゴム組成物であって、前記ブタジエン系重合体が、式(I)または式(II)で表される複素環式ニトリル化合物である変性剤で変性されてなり、かつシス含量が40%以上であることを特徴としている。
θ−C≡N ・・・(I)
θ−R−C≡N ・・・(II)
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのトレッド部に採用した場合に良好な低発熱性および湿潤路面上でのタイヤの制動・駆動性能(ウェット性能)を保持しつつ、優れた耐クラック性および氷雪路面でのタイヤの制動・駆動性能(氷上性能)を発揮し得るゴム組成物、およびそれをトレッド部に用いた空気入りタイヤに関する。
省エネルギー、省資源の社会的要請の下、自動車の燃料消費量を節約するため、優れた耐久性を有することが求められ、空気入りタイヤに用いられるゴム組成物としては、従来よりもさらに優れた耐久性や低燃費性を発揮することが強く望まれている。
なかでもスタッドレスタイヤのようなタイヤにおいては、スパイクタイヤが規制されて以来、上記のような要求性能に加え、乾燥路面上でのタイヤの制動・駆動性能(以下、「ドライ性能」ともいう)や湿潤路面上でのタイヤの制動・駆動性能(以下、「ウェット性能」ともいう)とともに、氷雪路面上でのタイヤの制動・駆動性能(以下、「氷上性能」ともいう。)の向上をも求められるため、これに応えるべく、特にトレッドについての研究が盛んに行われている。このようなトレッドに用いられるゴム成分としては、ガラス転移温度が−60℃以下の天然ゴムや高シスポリブタジエン等が用いられる。例えば、高シスポリブタジエンを採用した場合、ガラス転移温度が低いため、ゴム成分中の高シスポリブタジエンの比率を増やすことによって氷上性能の向上を図ることができる。
また、近年、トレッドにはカーボンブラックおよびシリカのような充填剤が主として用いられ、特にカーボンブラックはドライ性能や耐摩耗性の改良が可能な充填剤として好適に採用されており、これらを充填剤とするゴム組成物に使用する変性ゴムの技術開発も数多くなされている。例えば、有機リチウム化合物を用いたアニオン重合で得られるジエン系重合体の重合活性末端をアルコキシシラン誘導体で変性する方法(特許文献1参照)のほか、特定の官能基を導入した変性重合体(特許文献2参照)等も開示されている。
国際公開第2002/02356号 国際公開第2006/112450号
しかしながら、ゴム成分中の高シスポリブタジエンの比率を増やすと、氷上性能の向上を図ることができるものの、それに伴ってウェット性能が低下するおそれがある。また、カーボンブラックと高シスポリブタジエンとを混合した場合、耐摩耗性やドライ性能が改善され得るものの、ゴムが必要以上に硬くなる傾向にあるために氷上性能が低下するだけでなく、転がり抵抗性も悪化するおそれがある。さらに、上記のような変性重合体を採用するにしても、導入する官能基の種類によっては充填剤との反応性が異なり、良好な低発熱性を保持しつつ優れた氷上性能とウェット性能とを兼ね備え得るゴム組成物を実現するには、依然として検討すべき余地が残されている。
そこで、本発明は、優れた耐摩耗性や低発熱性等を発揮するとともに、良好な氷上性能とウェット性能とを兼ね備えたゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定の変性剤で変性されてなるブタジエン系重合体を配合するゴム組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分中に共役系変性基を有するブタジエン系重合体を含み、加硫時および/または加硫後に独立気泡を有するゴム組成物であって、
前記ブタジエン系重合体が、式(I)または式(II)で表される複素環式ニトリル化合物である変性剤で変性されてなり、かつシス含量が40%以上であることを特徴とする。
θ−C≡N ・・・(I)
θ−R−C≡N ・・・(II)
(式(I)および(II)中、θは複素環基を示し、Rは2価の炭化水素基を示す。)。
前記ゴム成分100質量%中、前記共役系変性基を有するブタジエン系重合体を60質量%以下の量で含んでもよく、20質量%以上の量で含んでもよい。
また、前記ゴム成分100質量%中、天然ゴムを40〜80質量%の量で含むのが望ましい。
さらに、前記ゴム成分100質量部に対して、さらにカーボンブラックを20〜70質量部の量で含むのが望ましく、前記カーボンブラックを含む充填剤を総量で40〜80質量部の量で含んでもよい。
前記式(I)および(II)中、θが窒素原子を含む複素環基であるのが望ましく、酸素原子を含む複素環基、硫黄原子を含む複素環基、2以上のヘテロ原子を含む複素環基、および1以上のシアノ基を含む複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環基であってもよい。
さらに、前記式(I)および(II)中、θが複素芳香環基または複素非芳香環基、あるいは単環式、二環式、三環式、または多環式の複素環基であってもよい。
前記共役系変性基を有するブタジエン系重合体のシス含量が90%以上であるのが好ましく、かかる共役系変性基を有するブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、1.3〜3.5であるのが望ましい。
また、前記ゴム成分は、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムを含んでもよく、前記ゴム成分100質量部に対して、さらに、結晶高分子から形成された熱可塑性樹脂からなり、融点が100〜190℃であって、かつ平均径が0.03〜0.3mm及び平均長さが1〜10mmの有機繊維を1〜10質量部の量で含んでもよい。
本発明の空気入りタイヤは、上記いずれかに記載のゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とし、乗用車用タイヤまたは重荷重用タイヤであるのが望ましい。
本発明のゴム組成物によれば、ゴム成分として用いる比較的高シス含量のブタジエン系重合体は、特定の変性剤で変性されてなる重合体であるため、充填剤の分散性を向上させることもでき、良好な氷上性能とウェット性能とを兼ね備えつつ、優れた耐摩耗性や低発熱性を発揮することができ、低転がり抵抗性や耐クラック性をも向上し得るゴム組成物を得ることができる。
また、かかるゴム組成物をトレッド部に採用すれば、特に良好なウェット性能や転がり抵抗性を発揮する乗用車用タイヤ、或いは良好な低発熱性や耐クラック性を発揮するトラックやバス等の重荷重用タイヤに好適なスタッドレスタイヤを容易に実現することができる。
一般的な空気入りタイヤの断面概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分中に共役系変性基を有するブタジエン系重合体を含み、加硫時および/または加硫後に独立気泡を有するゴム組成物であって、
前記ブタジエン系重合体が、式(I)または式(II)で表される複素環式ニトリル化合物である変性剤で変性されてなり、かつシス含量が40%以上であることを特徴としている。
θ−C≡N ・・・(I)
θ−R−C≡N ・・・(II)
[ブタジエン系重合体]
本発明のゴム組成物には、ゴム成分として、シス含量(1,4−シス結合含量)が40%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは96%以上、最も好ましくは98%以上である、共役系変性基を有するブタジエン系重合体(以下、「変性ブタジエン系重合体」ともいう)を用いる。シス含量が40%未満では、本発明の効果が発現しにくい傾向となり、上記範囲内であると、伸張結晶性の増加により、優れた耐破壊性を発揮することが可能となるとともに、ガラス転移温度も低下し、低温特性や耐寒特性が向上することとなる。なお、シス含量とは、ブタジエン系重合体中のブタジエン化合物単位における1,4−シス結合の割合を意味する。
上記ブタジエン系重合体は、1,3−ブタジエン単量体からなるのが好ましく、1,3−ブタジエン単量体のみからなるのが特に好ましく、いわゆるポリブタジエンゴム(BR)であるのが望ましい。なお、1,3−ブタジエン単量体単位が80〜100質量%で、1,3−ブタジエンと共重合可能なその他の単量体単位が20〜0質量%であるのが好ましい。重合体中の1,3−ブタジエン単量体単位含量が80質量%未満では、重合体全体に対する1,4−シス結合含量が低下するため、本発明の効果が発現しにくくなる。
ここで、1,3−ブタジエンと共重合可能なその他の単量体としては、例えば、炭素数5〜8の共役ジエン単量体、芳香族ビニル単量体等が挙げられ、これらの中でも、炭素数5〜8の共役ジエン単量体が好ましい。上記炭素数5〜8の共役ジエン単量体としては、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。上記芳香族ビニル単量体としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
なお、上記ブタジエン系重合体のビニル含量(1,2−ビニル結合含量)は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下である。ビニル含量が上記範囲外であると、重合体の結晶性が低下するおそれがあり、好ましくない。ここで、ビニル含量とは、ブタジエン系重合体中のブタジエン化合物単位における1,2−ビニル結合の割合を意味する。
さらに、上記共役系変性基を有するブタジエン系重合体(変性ブタジエン系重合体)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.3〜3.5、好ましくは1.3〜3.0である。ここで、MnおよびMw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質として求められる値を意味する。
本発明で用いる共役系変性基を有するブタジエン系重合体(変性ブタジエン系重合体)は、以下に詳述する(A)成分、(B)成分および(C)成分からなる触媒系の存在下、25℃以下の温度で少なくとも1,3−ブタジエンのようなジエン系単量体を含む単量体を重合させることで得られる変性前のブタジエン系重合体を用いる。ここで、単量体としては、たとえば1,3−ブタジエンの他、上述した1,3−ブタジエンと共重合可能なその他の単量体などが挙げられる。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造に使用する触媒系の(A)成分は、周期律表の原子番号57〜71の希土類元素を含有する化合物、またはこれらの化合物とルイス塩基との反応物である。ここで、原子番号57〜71の希土類元素の中でも、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウム等、またはこれらの混合物が好ましく、ネオジムが特に好ましい。
上記希土類元素含有化合物としては、炭化水素溶媒に可溶な塩が好ましく、具体的には、上記希土類元素のカルボン酸塩、アルコキシド、β−ジケトン錯体、リン酸塩および亜リン酸塩が挙げられ、これらの中でも、カルボン酸塩およびリン酸塩が好ましく、カルボン酸塩が特に好ましい。ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
上記希土類元素のカルボン酸塩としては、下記一般式(III):
(R4−CO23M ・・・ (III)
(式中、R4は炭素数1〜20の炭化水素基で、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。ここで、R4は、飽和または不飽和でもよく、アルキル基およびアルケニル基が好ましく、直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。また、カルボキシル基は、1級、2級または3級の炭素原子に結合している。該カルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
上記希土類元素のアルコキサイドとしては、下記一般式(IV):
(R5O)3M ・・・ (IV)
(式中、R5は炭素数1〜20の炭化水素基で、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。R5Oで表されるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、ベンジルアルコキシ基が好ましい。
上記希土類元素のβ−ジケトン錯体としては、上記希土類元素のアセチルアセトン錯体、ベンゾイルアセトン錯体、プロピオニトリルアセトン錯体、バレリルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体等が挙げられる。これらの中でも、アセチルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体が好ましい。
上記希土類元素のリン酸塩および亜リン酸塩としては、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸等との塩が挙げられ、これらの中でも、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸との塩が好ましい。
上記希土類元素含有化合物の中でも、ネオジムのリン酸塩、およびネオジムのカルボン酸塩が更に好ましく、特にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのネオデカン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のネオジムの分岐カルボン酸塩が最も好ましい。
また、(A)成分は、上記希土類元素含有化合物とルイス塩基との反応物でもよい。該反応物は、ルイス塩基によって、希土類元素含有化合物の溶剤への溶解性が向上しており、また、長期間安定に貯蔵することができる。上記希土類元素含有化合物を溶剤に容易に可溶化させるため、また、長期間安定に貯蔵するために用いられるルイス塩基は、希土類元素1モル当り0〜30モル、好ましくは1〜10モルの割合で、両者の混合物として、または予め両者を反応させた生成物として用いられる。ここで、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価または2価のアルコールが挙げられる。
以上に述べた(A)成分としての希土類元素含有化合物またはこれらの化合物とルイス塩基との反応物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造に使用する触媒系の(B)成分は、下記一般式(V):
AlR123 ・・・ (V)
(式中、R1およびR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1またはR2と同一または異なっていてもよい)で表される有機アルミニウム化合物である。式(V)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(B)成分としての有機アルミニウム化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造に使用する触媒系の(C)成分は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、および活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のハロゲン化合物である。
上記ルイス酸は、ルイス酸性を有し、炭化水素に可溶である。具体的には、二臭化メチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化ブチルアルミニウム、二塩化ブチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジブチルアルミニウム、塩化ジブチルアルミニウム、セスキ臭化メチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化ジブチルスズ、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四塩化ケイ素等が例示できる。これらの中でも、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、および二臭化エチルアルミニウムが好ましい。また、トリエチルアルミニウムと臭素の反応生成物のようなアルキルアルミニウムとハロゲンの反応生成物を用いることもできる。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造に使用する触媒系には、上記(A)〜(C)成分の他に、更に(D)成分として、有機アルミニウムオキシ化合物、所謂アルミノキサンを添加するのが好ましい。ここで、該アルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、クロロアルミノキサン等が挙げられる。(D)成分としてアルミノキサンを加えることで、分子量分布がシャープになり、触媒としての活性も向上する。
本発明で使用する触媒系の各成分の量または組成比は、その目的または必要性に応じて適宜選択される。このうち、(A)成分は、たとえば1,3−ブタジエン 100gに対し、0.00001〜1.0ミリモル用いるのが好ましく、0.0001〜0.5ミリモル用いるのが更に好ましい。(A)成分の使用量が0.00001ミリモル未満では、重合活性が低くなり、1.0ミリモルを超えると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる。また、(A)成分と(B)成分の割合は、モル比で、(A)成分:(B)成分が1:1〜1:700、好ましくは1:3〜1:500である。更に、(A)成分と(C)成分中のハロゲンの割合は、モル比で、1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:15、更に好ましくは1:2.0〜1:5.0である。また、(D)成分中のアルミニウムと(A)成分との割合は、モル比で、1:1〜700:1、好ましくは3:1〜500:1である。これらの触媒量または構成成分比の範囲外では、高活性な触媒として作用せず、または、触媒残渣を除去する工程が必要になるため好ましくない。また、上記の(A)〜(C)成分以外に、重合体の分子量を調節する目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行ってもよい。
触媒成分として、上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分以外に、必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体を少量、具体的には、(A)成分の化合物1モル当り0〜1000モルの割合で用いてもよい。触媒成分としての1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体は必須ではないが、これを併用すると、触媒活性が一段と向上する利点がある。
上記触媒の製造は、例えば、溶媒に(A)成分〜(C)成分を溶解させ、さらに必要に応じて、1,3−ブタジエン等の単量体を反応させることによる。その際、各成分の添加順序は、特に限定されず、更に(D)成分としてアルミノキサンを添加してもよい。重合活性の向上、重合開始誘導期間の短縮の観点からは、これら各成分を、予め混合して、反応させ、熟成させることが好ましい。ここで、熟成温度は、0〜100℃であり、20〜80℃が好ましい。0℃未満では、充分に熟成が行われず、100℃を超えると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こる。また、熟成時間は、特に制限なく、重合反応槽に添加する前にライン中で接触させることでも熟成でき、通常は、0.5分以上あれば充分であり、数日間は安定である。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造は、溶液重合で行うことが好ましい。ここで、溶液重合の場合、重合溶媒としては、不活性の有機溶媒を用いる。不活性の有機溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が特に好ましい。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造は、25℃以下の重合温度で行う必要があり、10〜−78℃で行うのが好ましい。重合温度が25℃を超えると、重合反応を充分に制御することができず、生成したブタジエン系重合体のシス−1,4結合含量が低下し、ビニル結合含量が上昇してしまう。また、重合温度が−78℃未満では、溶媒の凝固点を下まわってしまうため、重合を行うことができない。
上記変性前のブタジエン系重合体の製造は、回分式および連続式のいずれで行ってもよい。また、上記ブタジエン系重合体の製造において、上記希土類元素化合物系触媒および重合体を失活させないために、重合の反応系内に酸素、水、炭酸ガス等の失活作用のある化合物の混入を極力なくすような配慮が必要である。
上記共役系変性基を有するブタジエン系重合体(変性ブタジエン系重合体)は、後述する特定の変性剤で上記変性前のブタジエン系重合体が変性されてなる重合体であって、共役系変性基を有する。ここで共役系変性基とは、共役する官能基を意味し、該変性基を介して変性基および該変性基を有する重合体の少なくとも一部が共役することとなる。このような共役系変性基を有するブタジエン系共重合体であると、該重合体に存在する非局在化した電子が作用して、カーボンブラックのような充填剤に対する親和性をより向上させることができ、これら充填剤を極めて効果的に分散させることが可能となって、より優れた低転がり抵抗性を実現できる。
このように、上記ブタジエン系重合体に共役系変性基を導入し得る変性剤は、後述する充填剤の分散性向上に寄与し得る共役系変性基を導入するものであり、下記式(I)または式(II)で表される複素環式ニトリル化合物である。
θ−C≡N ・・・(I)
θ−R−C≡N ・・・(II)
上記式(I)および(II)中、θは複素環基を示す。さらにθが窒素原子を含む複素環基であるのが好ましく、また酸素原子を含む複素環基、硫黄原子を含む複素環基、2以上のヘテロ原子を含む複素環基、および1以上のシアノ基を含む複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環基であるのが好ましい。さらに、チオフェン、ピリジン、フラン、ピペリジン、ジオキサンなどの複素芳香環基または複素非芳香環基であってもよく、さらに単環式、二環式、三環式、または多環式の複素環基であってもよい。
従来、ブタジエン系重合体に導入し得る変性基は−CN、−SiCl、−SiOR、C=Oのような特定の基に限られていたが、本発明では、より優れた低発熱性の実現化という観点から、さらに好適な共役系変性基を導入することができる。このような共役系変性基は、より確実にブタジエン系共重合体等を共役させることができ、充填剤の分散性の向上に寄与することとなる。
このようなθとして具体的には、たとえば、窒素原子を含む複素環基として、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピラジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、N−メチル−2−ピロリル、N−メチル−3−ピロリル、N−メチル−2−イミダゾリル、N−メチル−4−イミダゾリル、N−メチル−5−イミダゾリル、N−メチル−3−ピラゾリル、N−メチル−4−ピラゾリル、N−メチル−5−ピラゾリル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−5−イル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,3,5−トリアジニル、N−メチル−2−ピロリン−2−イル、N−メチル−2−ピロリン−3−イル、N−メチル−2−ピロリン−4−イル、N−メチル−2−ピロリン−5−イル、N−メチル−3−ピロリン−2−イル、N−メチル−3−ピロリン−3−イル、N−メチル−2−イミダゾリン−2−イル、N−メチル−2−イミダゾリン−4−イル、N−メチル−2−イミダゾリン−5−イル、N−メチル−2−ピラゾリン−3−イル、N−メチル−2−ピラゾリン−4−イル、N−メチル−2−ピラゾリン−5−イル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、N−メチルインドール−2−イル、N−メチルインドール−3−イル、N−メチルイソインドール−1−イル、N−メチルイソインドール−3−イル、1−インドリジニル、2−インドリジニル、3−インドリジニル、1−フタラジニル、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、2−キノキサリニル、3−シンノリニル、4−シンノリニル、1−メチルインダゾール−3−イン、1,5−ナフチリジン−2−イル、1,5−ナフチリジン−3−イル、1,5−ナフチリジン−4−イル、1,8−ナフチリジン−2−イル、1,8−ナフチリジン−3−イル、1,8−ナフチリジン−4−イル、2−プテリジニル、4−プテリジニル、6−プテリジニル、7−プテリジニル、1−メチルベンズイミダゾール−2−イル、6−フェナンスリジニル、N−メチル−2−プリニル、N−メチル−6−プリニル、N−メチル−8−プリニル、N−メチル−β−カルボリン−1−イル、N−メチル−β−カルボリン−3−イル、N−メチル−β−カルボリン−4−イル、9−アクリジニル、1,7−フェナントロリン−2−イル、1,7−フェナントロリン−3−イル、1,7−フェナントロリン−4−イル、1,10−フェナントロリン−2−イル、1,10−フェナントロリン−3−イル、1,10−フェナントロリン−4−イル、4,7−フェナントロリン−1−イル、4,7−フェナントロリン−2−イル、4,7−フェナントロリン−3−イル、1−フェナジニル、2−フェナジニル、ピロリジノ、ピペリジノが挙げられる。
酸素原子を含む複素環基として、2−フリル、3−フリル、2−ベンゾ[b]フリル、3−ベンゾ[b]フリル、1−イソベンゾ[b]フリル、3−イソベンゾ[b]フリル、2−ナフト[2,3−b]フリル、3−ナフト[2,3−b]フリルが挙げられる。
硫黄原子を含む複素環基として、2−チエニル、3−チエニル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、1−イソベンゾ[b]チエニル、3−イソベンゾ[b]チエニル、2−ナフト[2,3−b]チエニル、3−ナフト[2,3−b]チエニルが挙げられる。
2以上のヘテロ原子を含む複素環基として、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−オキサゾリン−2−イル、2−オキサゾリン−4−イル、2−オキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリニル、4−イソオキサゾリニル、5−イソオキサゾリニル、2−チアゾリン−2−イル、2−チアゾリン−4−イル、2−チアゾリン−5−イル、3−イソチアゾリニル、4−イソチアゾリニル、5−イソチアゾリニル、2−ベンゾチアゾリル、モルホリノが挙げられる。
これらのなかでも、θは窒素原子を含む複素環基であるのが好ましく、特に2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルであるのが好ましい。
上記式(I)および(II)中、Rは2価の炭化水素基を示し、後述する複素環式ニトリル化合物に対応したアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基などに相当する。
このような複素環式ニトリル化合物としては、具体的には、たとえば、窒素原子を含む複素環基を有する化合物として、2−ピリジンカルボニトリル、3−ピリジンカルボニトリル、4−ピリジンカルボニトリル、ピラジンカルボニトリル、2−ピリミジンカルボニトリル、4−ピリミジンカルボニトリル、5−ピリミジンカルボニトリル、3−ピリダジンカルボニトリル、4−ピリダジンカルボニトリル、N−メチル−2−ピロールカルボニトリル、N−メチル−3−ピロールカルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾールカルボニトリル、N−メチル−4−イミダゾールカルボニトリル、N−メチル−5−イミダゾールカルボニトリル、N−メチル−3−ピラゾールカルボニトリル、N−メチル−4−ピラゾールカルボニトリル、N−メチル−5−ピラゾールカルボニトリル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニトリル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−5−カルボニトリル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボニトリル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−5−カルボニトリル、1,2,4−トリアジン−3−カルボニトリル、1,2,4−トリアジン−5−カルボニトリル、1,2,4−トリアジン−6−カルボニトリル、1,3,5−トリアジンカルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−2−カルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−3−カルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−4−カルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−5−カルボニトリル、N−メチル−3−ピロリン−2−カルボニトリル、N−メチル−3−ピロリン−3−カルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾリン−2−カルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾリン−4−カルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾリン−5−カルボニトリル、N−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボニトリル、N−メチル−2−ピラゾリン−4−カルボニトリル、N−メチル−2−ピラゾリン−5−カルボニトリル、2−キノリンカルボニトリル、3−キノリンカルボニトリル、4−キノリンカルボニトリル、1−イソキノリンカルボニトリル、3−イソキノリンカルボニトリル、4−イソキノリンカルボニトリル、N−メチルインドール−2−カルボニトリル、N−メチルインドール−3−カルボニトリル、N−メチルイソインドール−1−カルボニトリル、N−メチルイソインドール−3−カルボニトリル、1−インドリジンカルボニトリル、2−インドリジンカルボニトリル、3−インドリジンカルボニトリル、1−フタラジンカルボニトリル、2−キナゾリンカルボニトリル、4−キナゾリンカルボニトリル、2−キノキサリンカルボニトリル、3−シンノリンカルボニトリル、4−シンノリンカルボニトリル、1−メチルインダゾール−3−カルボニトリル、1,5−ナフチリジン−2−カルボニトリル、1,5−ナフチリジン−3−カルボニトリル、1,5−ナフチリジン−4−カルボニトリル、1,8−ナフチリジン−2−カルボニトリル、1,8−ナフチリジン−3−カルボニトリル、1,8−ナフチリジン−4−カルボニトリル、2−プテリジンカルボニトリル、4−プテリジンカルボニトリル、6−プテリジンカルボニトリル、7−プテリジンカルボニトリル、1−メチルベンズイミダゾール−2−カルボニトリル、フェナントリジン−6−カルボニトリル、N−メチル−2−プリンカルボニトリル、N−メチル−6−プリンカルボニトリル、N−メチル−8−プリンカルボニトリル、N−メチル−β−カルボリン−1−カルボニトリル、N−メチル−β−カルボリン−3−カルボニトリル、N−メチル−β−カルボリン−4−カルボニトリル、9−アクリジンカルボニトリル、1,7−フェナントロリン−2−カルボニトリル、1,7−フェナントロリン−3−カルボニトリル、1,7−フェナントロリン−4−カルボニトリル、1,10−フェナントロリン−2−カルボニトリル、1,10−フェナントロリン−3−カルボニトリル、1,10−フェナントロリン−4−カルボニトリル、4,7−フェナントロリン−1−カルボニトリル、4,7−フェナントロリン−2−カルボニトリル、4,7−フェナントロリン−3−カルボニトリル、1−フェナジンカルボニトリル、2−フェナジンカルボニトリル、1−ピロリジンカルボニトリル、1−ピペリジンカルボニトリルが挙げられる。
酸素原子を含む複素環基を有する化合物としては、2−フロニトリル、3−フロニトリル、2−ベンゾ[b]フランカルボニトリル、3−ベンゾ[b]フランカルボニトリル、イソベンゾ[b]フラン−1−カルボニトリル、イソベンゾ[b]フラン−3−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]フラン−2−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]フラン−3−カルボニトリルが挙げられる。
硫黄原子を含む複素環基を有する化合物として、2−チオフェンカルボニトリル、3−チオフェンカルボニトリル、ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニトリル、ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボニトリル、イソベンゾ[b]チオフェン−1−カルボニトリル、イソベンゾ[b]チオフェン−3−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]チオフェン−3−カルボニトリルが挙げられる。
2以上のヘテロ原子を含む複素環基を有する化合物として、2−オキサゾールカルボニトリル、4−オキサゾールカルボニトリル、5−オキサゾールカルボニトリル、3−イソオキサゾールカルボニトリル、4−イソオキサゾールカルボニトリル、5−イソオキサゾールカルボニトリル、2−チアゾールカルボニトリル、4−チアゾールカルボニトリル、5−チアゾールカルボニトリル、3−イソチアゾールカルボニトリル、4−イソチアゾールカルボニトリル、5−イソチアゾールカルボニトリル、1,2,3−オキサゾール−4−カルボニトリル、1,2,3−オキサゾール−5−カルボニトリル、1,3,4−オキサゾール−2−カルボニトリル、1,2,3−チアゾール−4−カルボニトリル、1,2,3−チアゾール−5−カルボニトリル、1,3,4−チアゾール−2−カルボニトリル、2−オキサゾリン−2−カルボニトリル、2−オキサゾリン−4−カルボニトリル、2−オキサゾリン−5−カルボニトリル、3−イソオキサゾリンカルボニトリル、4−イソオキサゾリンカルボニトリル、5−イソオキサゾリンカルボニトリル、2−チアゾリン−2−カルボニトリル、2−チアゾリン−4−カルボニトリル、2−チアゾリン−5−カルボニトリル、3−イソチアゾリンカルボニトリル、4−イソチアゾリンカルボニトリル、5−イソチアゾリンカルボニトリル、ベンゾチアゾール−2−カルボニトリル、4−モルホリンカルボニトリルが挙げられる。
2以上のシアノ基を有する化合物として、2,3−ピリジンジカルボニトリル、2,4−ピリジンジカルボニトリル、2,5−ピリジンジカルボニトリル、2,6−ピリジンジカルボニトリル、3,4−ピリジンジカルボニトリル、2,4−ピリミジンジカルボニトリル、2,5−ピリミジンジカルボニトリル、4,5−ピリミジンジカルボニトリル、4,6−ピリミジンジカルボニトリル、2,3−ピラジンジカルボニトリル、2,5−ピラジンジカルボニトリル、2,6−ピラジンジカルボニトリル、2,3−フランジカルボニトリル、2,4−フランジカルボニトリル、2,5−フランジカルボニトリル、2,3−チオフェンジカルボニトリル、2,4−チオフェンジカルボニトリル、2,5−チオフェンジカルボニトリル、N−メチル−2,3−ピロールジカルボニトリル、N−メチル−2,4−ピロールジカルボニトリル、N−メチル−2,5−ピロールジカルボニトリル、1,3,5−トリアジン−2,4−ジカルボニトリル、1,2,4−トリアジン−3,5−ジカルボニトリル、3,2,4−トリアジン−3,6−ジカルボニトリル、2,3,4−ピリジントリカルボニトリル、2,3,5−ピリジントリカルボニトリル、2,3,6−ピリジントリカルボニトリル、2,4,5−ピリジントリカルボニトリル、2,4,6−ピリジントリカルボニトリル、3,4,5−ピリジントリカルボニトリル、2,4,5−ピリミジントリカルボニトリル、2,4,6−ピリミジントリカルボニトリル、4,5,6−ピリミジントリカルボニトリル、ピラジントリカルボニトリル、2,3,4−フラントリカルボニトリル、2,3,5−フラントリカルボニトリル、2,3,4−チオフェントリカルボニトリル、2,3,5−チオフェントリカルボニトリル、N−メチル−2,3,4−ピロールトリカルボニトリル、N−メチル−2,3,5−ピロールトリカルボニトリル、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリカルボニトリル、1,2,4−トリアジン−3,5,6−トリカルボニトリルが挙げられる。
これらのなかでも、2−シアノピリジン(2−ピリジンカルボニトリル)、3−シアノピリジン(3−ピリジンカルボニトリル)、4−シアノピリジン(4−ピリジンカルボニトリル)が好適なものとして挙げられる。
上記のようにブタジエン系重合体を複素環式ニトリル化合物で変性する方法としては、重合体と複素環式ニトリル化合物を反応させればよく、たとえば、1,3−ブタジエン単量体を、必要に応じてその他の単量体を加えて触媒または開始剤ともに混合および反応させることで重合混合物を得て、これに複素環式ニトリル化合物を添加する方法が挙げられる。また、活性化された重合混合物に複素環式ニトリル化合物を添加してもよく、1,3−ブタジエン単量体を重合させて形成した反応性ポリマーと複素環式ニトリル化合物とを反応させてもよい。さらに、活性化された重合混合物に複素環式ニトリル化合物を添加し、これに官能化剤を添加してもよい。
このようにして得られた重合混合物を冷却し、通常の方法を用いて脱溶媒および乾燥を経ることにより、変性されたブタジエン系重合体を得る。たとえば、ポリマーセメントから回収したポリマーを溶媒に流し込み、次いで得られたポリマーをドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥する。このとき、ドラムドライヤーで乾燥したポリマーセメントから直接ポリマーを回収してもよい。得られた乾燥ポリマー中の揮発性物質は1重量%以下となる。
得られる変性されたブタジエン系重合体の構造は、たとえば触媒や開始剤の種類や添加量のように反応性ポリマーを調製するのに用いた条件や、複素環式ニトリル化合物の種類や配合量のように反応性ポリマーと複素環式ニトリル化合物とを反応させるのに用いた条件に左右される。
上記変性されたブタジエン系重合体は、下記式(X)または(Y)のような構造を有するものと推定される。
Figure 2010202867
式(X)および(Y)中のAは水素原子または金属原子を示し、金属原子は上記触媒に起因するものである。Bは単結合またはRを示し、Rは上記式(I)および(II)と同義である。θは上記式(I)および(II)と同義であり、θ’はθから1つの原子が脱離した2価の置換基を示す。ただし、θ’はθが有するヘテロ原子にさらに水素原子などが付加した場合も含む。π1およびπ2はともにブタジエン系重合体のポリマー鎖を示す。
そして、上記のような構造を有するブタジエン系重合体が水蒸気等にさらされると、加水分解して下記式(X’)または(Y’)のようなケトン系構造に変換されるものと考えられる。
Figure 2010202867
式(X’)および(Y’)中のB、θ、およびθ’は、上記式(I)および(II)と同義である。π1およびπ2はともにブタジエン系重合体のポリマー鎖を示す。
上記ブタジエン系重合体がこのような構造をとり得るため、カーボンブラック等の充填剤の分散性をより向上させる要因となって、さらに優れた低発熱性を実現できるものと推定される。
上記ブタジエン系重合体は、ゴム成分100質量%中、好ましくは60質量%以下、より好ましくは20質量%、さらに好ましくは35〜55質量%、最も好ましくは40〜55質量%の量で含まれる。60質量%を超えると熱入れ性が低下して作業性が悪化するおそれがあるだけでなく、ウェット性能も低下するおそれがある。したがって、60質量%以下であれば、良好なウェット性能や低発熱性を発揮するとともに優れた耐摩耗性や耐クラック性をバランスよく保持することができ、乗用車用タイヤや重荷重用タイヤのいずれのトレッド部にも好適に採用することができる。特に20質量%であると、乗用車用タイヤに最適な転がり抵抗性やウェット性能を充分に発揮することができる。
[その他のゴム成分]
上記ブタジエン系重合体のように官能基を有するブタジエン系重合体以外のその他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらの中でも、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムが特に好ましい。これらのゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
なお、天然ゴムを配合する場合、かかる天然ゴムとして国際品質包装標準(通称グリーンブック)における格付けによるリブド・スモーク・シート(RSS)や技術的格付けゴム(TSR)を用いてもよく、またリクレームゴムを用いることもできる。これら天然ゴムは、ゴム成分100質量%中、40〜80質量%、好ましくは45〜65質量%、より好ましくは45〜60質量%の量であるのが望ましい。上記下限値未満であると耐摩耗性が充分に発揮できないおそれがあり、上記上限値を超えると低転がり抵抗性が低下するおそれがある。
[充填剤]
本発明のゴム組成物には、さらに充填剤として、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム等の無機充填剤のほか、カーボンブラック等を配合してもよい。なお、これら充填剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。なかでもカーボンブラックが好適であり、シリカと組み合わせて用いることもできる。
カーボンブラックとしては、そのゴム層の力学的性能を高め、加工性等を改善させるものである限り、I2吸着量、CTAB比表面積、N2吸着量、DBP吸着量等の範囲を適宜選択した公知のものを使用することができる。カーボンブラックの種類としては、例えば、SAF、ISAF−LS、HAF、HAF−HS等の公知のものを適宜選択して使用することができる。耐摩耗性を考慮すると、微粒子径のSAFが好ましい。上記カーボンブラックは、本発明のゴム組成物のゴム成分100質量部に対し、20〜70質量部、好ましくは25〜50質量部の量で含まれるのが望ましい。上記下限値未満であると耐摩耗性が悪化するおそれがあり、上記上限値を超えると氷上性能が低下するおそれがある。
シリカとしては、狭義の二酸化珪素のみを示すものだけではなく、ケイ酸系充填剤を意味するものも用いることができ、具体的には、無水ケイ酸の他に、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩を含む。上記シリカは、本発明のゴム組成物のゴム成分100質量部に対し、20〜60質量部、好ましくは20〜50質量部の量で含まれるのが望ましい。上記範囲内の量とすることにより、良好なドライ性能を保持しつつ、優れた氷上性能およびウェット性能を発揮することができる。
上記カーボンブラックのほか、シリカ等の充填剤を組み合わせて用いる場合、これら充填剤の総配合量は、本発明のゴム組成物のゴム成分100質量部に対し、40〜80質量部、好ましくは45〜70質量部の量であるのが望ましい。上記下限値未満であると耐摩耗性が悪化するおそれがあり、上記上限値を超えると氷上性能が低下するおそれがある。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、加硫時および/または加硫後に形成された気泡、すなわち独立気泡を有しており、これがミクロな排水溝を形成して水膜除去能が付与されることとなる。かかる独立気泡を形成するには、上記ゴム成分、充填剤のほか、発泡剤および有機繊維を配合するのが望ましい。
上記発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられる。
これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましく、特にジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記発泡剤の作用により、得られた上記加硫ゴムは発泡率に富む発泡ゴムとなる。
本発明のゴム組成物は、融点が100〜190℃の結晶高分子から形成された熱可塑性樹脂からなり、かつ平均径が0.03〜0.3mm及び平均長さが1〜10mmの有機繊維であって、該繊維が加硫時にゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間に該ゴム組成物のマトリックス中で溶融又は軟化することを特徴とする有機繊維を含有するのが好ましい。ここで、有機繊維の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対し1〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。ここで、ゴムマトリックスとは、ゴム組成物における有機繊維を除く成分を含み、具体的には、ゴム成分と発泡剤とを少なくとも含有してなり、他の構成として目的に応じて適宜選択された充填剤や加硫薬品や添加剤その他からなる。また、加硫最高温度とは、加硫時におけるゴム組成物が達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでの間にゴム組成物が達する最高温度を意味する。該加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
上記有機繊維の素材は、上記熱特性を有する熱可塑性樹脂であり、その融点が上記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子からなる有機繊維である。該結晶性高分子からなる有機繊維を例に説明すると、該繊維の融点と、上記ゴム組成物の加硫最高温度との差が大きくなる程、上記ゴム組成物の加硫中に速やかに該繊維が溶融する。一方、有機繊維の融点が、ゴム組成物の加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初期に速やかに該繊維が溶融せず、加硫終期に有機繊維が溶融する。加硫終期では、該繊維内に存在していた空気が拡散し、加硫したゴムマトリックス中に分散乃至取り込まれてしまっており、溶融した有機繊維内には充分な量の空気が保持されない。他方、有機繊維の融点が低くなり過ぎると、ゴム組成物の混練り時の熱で有機繊維が溶融し、混練りの段階で有機繊維同士の融着による分散不良、混練りの段階で有機繊維が複数に分断されてしまう、有機繊維がゴム組成物中に溶け込んでミクロに分散してしまう等の不都合が生じ好ましくない。
上記有機繊維の融点(又は軟化点)の上限としては、具体的には、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。すなわち、ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、一般的には、上記ゴム組成物の加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。一方、ゴム組成物の混練りを考慮すると、上記有機繊維の融点としては、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。すなわち、上記ゴム組成物の混練りでの最高温度を例えば95℃と想定した場合には、上記有機繊維の融点(又は軟化点)としては、混練り時の最高温度に対して、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が特に好ましい。なお、上記有機繊維の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を上記融点とすることができる。
上記有機繊維は、上記結晶性高分子から形成され、かかる結晶性高分子としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック-1,2-ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれらに添加剤を加えたものも使用できる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これら結晶性高分子の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
上記有機繊維の素材の分子量は、該素材の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概に規定することはできないが、一般に、該繊維は、同じ素材で形成されていてもその分子量が高い程、融点(又は軟化点)が高くなる。本発明においては、上記有機繊維の素材の分子量は、該繊維の融点が100〜190℃の範囲内であって上記ゴム組成物の加硫最高温度よりも該繊維の融点(又は軟化点)が高くならないような範囲で選択される。また、上記有機繊維には、本発明の目的を害しない範囲において、必要に応じて公知の添加剤が添加されていてもよい。
上記有機繊維のデニールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記氷上性能を向上させる観点からは、1〜1000デニールが好ましく、2〜800デニールがより好ましい。
上記有機繊維の平均径(D)としては、該繊維を含むゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に、後述のミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を効率良く形成する上で、0.03〜0.3mmであり、0.06〜0.25mmがより好ましい。平均径(D)が、0.03mm未満であると、長尺状の円柱発泡溝が形成されにくくなり、また上記有機繊維の製造時に糸切れが多く発生する点で好ましくなく、0.3mmを超えると、上記有機繊維の平均径(直径)が大きくなり、同一配合量では円柱発泡溝の数が減少して、排水効率が悪くなる傾向がある。
上記有機繊維の平均長さ(L)としては、氷上性能を向上させる観点から、1〜10mmであり、2〜8mmがより好ましい。平均長さ(L)が1mm未満であると、機械的な切断が困難になり、上記有機繊維の生産性が悪化することがあり、10mmを超えると、ゴム組成物の混練り時の分散不良や、押出時の配向乱れが発生することがある。なお、上記有機繊維の平均長さ(L)と平均径(D)は、例えば、光学顕微鏡等により測定できる。
本発明のゴム組成物が上述の有機繊維を含有する場合、該繊維は加硫中に溶融又は軟化し、一方、ゴムマトリックス中で加硫中に発生したガスは、加硫反応が進行したゴムマトリックスに比べ、溶融又は軟化した熱可塑性樹脂の内部に留まる。その結果、ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムにおいては、有機繊維が存在していた場所に気泡が存在する。この気泡は、その周囲(気泡の壁面)が上記有機繊維中の熱可塑性樹脂によって覆われ、カプセル状になっている。また、この気泡は、加硫ゴム内において独立して存在している。なお、有機繊維中の熱可塑性樹脂の素材をポリエチレン、ポリプロピレン等とした場合、加硫したゴムマトリックスと該樹脂とは強固に接着している。
本発明のゴム組成物には、上記ブタジエン系重合体を含むゴム成分、充填剤、発泡剤や有機繊維の他、さらに加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、作業性改良に寄与するオイル、粘度低減剤、成型作業性改良に寄与する粘着性樹脂、弾性率の向上に寄与する熱硬化性樹脂等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上記のゴム組成物をタイヤのトレッド部、特に該トレッド部の少なくとも路面と実質接する面に発泡ゴム層として設けられるように配するものである。これにより、上述のように加硫後に形成された気泡がトレッド部の表面に現れ、表面の摩擦により生じた溝が上記ミクロな排水溝として機能し、水膜排除効果とともに、エッヂ効果やスパイク効果を充分に発揮することができる。かかる空気入りタイヤは、具体的には、例えば、図1に示すように、一対のビード部3と、一対のサイドウォール部4と、トレッド部5とを具え、トロイド状に延びビードコア2に係止されるカーカス層6と、そのクラウン部外周に位置するベルト層7と、そのタイヤ径方向外側に位置するトレッドゴム層8とを有する。トレッドゴム層8は、ベルト層7を覆うベースゴム部9と、トレッド表面を構成するキャップゴム部10とからなる。上記トレッド部5の表面部は、本発明に係るゴム組成物を加硫させて形成した発泡ゴム層である。タイヤ1は、その製造方法については特に制限はないが、例えば、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形する。その結果、未加硫のトレッドが加硫されてなる本発明の発泡ゴム層で形成されたキャップゴム部10を有するトレッド部5を具えるタイヤ1が得られる。
なお、トレッド部5を構成するトレッドゴム層8は上述のように二層構造に限られず、一層構造であってもよく、三層以上の多層構造であってもよく、トレッド部の表面層の少なくとも一部が本発明のゴム組成物により構成されているのが望ましい。
また、上記発泡ゴム層の発泡率は3〜50%の範囲、より好ましくは15〜40%である。発泡率を上記範囲にすることによって、耐摩耗性やドライ性能を良好に保持しつつ、トレッド部5における凹部の体積を充分に確保することができるので、優れた氷上性能を発揮することが可能となる。
本発明に係る空気入りタイヤは、いわゆる乗用車用タイヤのみならず、トラック・バス用等の各種重加重用タイヤとしても好適に適用できる。氷雪路面上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適に使用でき、タイヤのトレッドは、上記氷上でのスリップを抑えることが必要な限り、例えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイヤ等に使用できる。また、内部に充填する気体としては空気のほかに窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、ブタジエン系重合体やゴム組成物に関する各物性は、以下の方法に従って測定した。
《ミクロ構造[シス-1,4結合含量(%),1,2-ビニル結合含量(%)]》
フーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR−4100、日本分光社製)を使用し、赤外法(モレロ法)によって測定した。
《ブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)》
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名「HLC−8120GPC」、東ソー社製)を使用し、検知器として示差屈折計を用いて、以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した。
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製) 2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/min
サンプル濃度;10mg/20ml
《発泡率の測定》
発泡率のVsは、トレッドにおける全発泡率を意味し、各トレッドからサンプリングした試料(n=10)を用いて次式により算出した。
Vs=(ρ0/ρ1−1)×100(%)
ここで、ρ1は、加硫ゴム(発泡ゴム)の密度(g/cm3)を表す。ρ0は、加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度(g/cm3)を表す。なお、加硫後のゴム(発泡ゴム)の密度及び加硫後のゴム(発泡ゴム)における固相部の密度は、例えば、エタノール中の質量と空気中の質量を測定し、これから算出した。
[重合体Aの製造]
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン2.4kg、1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。該オートクレーブに、触媒成分としてバーサチック酸ネオジム(0.09mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルアルミノキサン(MAO、3.6mmol)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH、5.5mmol)およびジエチルアルミニウムクロリド(0.18mmol)のトルエン溶液と、1,3−ブタジエン(4.5mmol)とを40℃で30分間反応熟成させて予備調製した触媒組成物を仕込み、60℃で60分間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。
さらに重合体溶液を温度60℃に保持し、2−シアノピリジン4.16mmolのトルエン溶液を添加して、15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この重合体溶液200gを2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥させて、重合体A(変性ブタジエン系重合体)を得た。得られた重合体Aのシス−1,4結合含量は96.1%であり、1,2−ビニル結合含量は0.62%、Mw/Mn=2.2であった。
[比較例1〜5、実施例1〜6]
未変性のブタジエン系重合体として、重合体B(JSR BR01、シス−1,4結合含量:95.5%、1,2−ビニル結合含量:2.3%、Mw/Mn=3.8)を用い、表1に示す配合処方のゴム組成物を調製し、これを図1に示すようにタイヤのトレッド部に使用して試験タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。得られた試験タイヤを用い、下記の方法に従って氷上性能(制動性)、耐摩耗性、ウェット性能(制動性)および転がり抵抗性を測定した。結果を表1に示す。
《氷上性能(制動性)》
上記試験タイヤ4本を排気量2000ccの乗用車に装着し、その乗用車を一般アスファルト路上で200km走行させた後、氷上平坦路(氷温−1℃)を走行させ、時速20km/hrの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示した。尚、数値が大きい程、氷上性能が良好であることを示す。
《耐摩耗性》
上記試験タイヤ4本を排気量2000ccの乗用車に装着し、舗装路面を1万km走行後、残溝を測定し、トレッドが1mm摩耗するのに要する走行距離を相対比較して、比較例1を100(8000km/mmに相当)として指数表示した。数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
《ウェット性能(制動性)》
上記試験タイヤ4本を排気量2000ccの乗用車に装着し、その乗用車をテストコースのウェット評価路で走行させ、時速80km/hrの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示した。数値が大きい程、ウェット性能に優れることを示す。
《転がり抵抗性》
スチール平滑面を有する外径1707.6mm、幅が350mmの回転ドラムを用い、4410Nの荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させたときの惰行法を持って測定し、評価した。測定値は比較例1の値を100として指数化した。数値が大きい程、低転がり抵抗性に優れる(低燃費である)ことを示す。
Figure 2010202867
※1:N134、旭カーボン社製、窒素吸着比表面積:146m2/g
※2:NipsilAQ、日本シリカ工業(株)製
※3:Si69、デグサ社製
※4:N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製、ノクラック810−NA
※5:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製、ノクセラーDM−T
※6:N−シクロヘキシル−2−ベンゾジアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、ノクセラーCZ−G
※7:ジニトロソペンタメチレンテトラミン、セルラーZ−K、永和化成工業(株)製
[比較例6〜7、実施例7〜9]
表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、これを図1に示すようにタイヤのトレッド部に使用して試験タイヤ(タイヤサイズ:195/11R22.5)を得た。得られた試験タイヤを用い、下記の方法に従って氷上性能(制動性)、耐摩耗性、耐クラック性および低発熱性を測定した。結果を表2に示す。
《耐摩耗性》
比較例6を100とした以外、上記比較例1〜5および実施例1〜6と同様にして指数表示した。数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
《氷上性能(制動性)》
比較例6を100とした以外、上記比較例1〜5および実施例1〜6と同様にして指数表示した。尚、数値が大きい程、氷上性能が良好であることを示す。
《耐クラック性》
デマッチャー試験法により、室温、40mmストロークの条件下で、サンプル中央部のクラックが全幅までつながるまで測定し、その半減期を、比較例6を100とする指数値で示す。この値が大きいほど耐クラック性が良好であることを示す。
《tanδの測定(低発熱性の評価)》
得られた加硫物の試験片について、粘弾性測定装置(東洋精機社製スペクトロメーター)を用い、温度25℃、歪2%、および周波数52Hzの条件で測定した。測定結果を第1表に示す。実施例8を100として指数で表した。数値の低いほうが低発熱性であることを示す。
Figure 2010202867
※1〜※6は表1と同義である。
※8:ポリエチレン素材、タイレ製、融点=125度、繊維径(D)=3.6d、平均径(D)=0.023mm、平均長さ(L)=2mm
※9:アゾジカルボン酸アミド
※10:ADCA:尿素=1:1(質量比)
表1の結果によれば、特定の変性剤で変性されてなるブタジエン系重合体を用いた実施例1〜6は、未変性のブタジエン系重合体を用いた比較例1〜2、5よりも、優れた氷上性能およびウェット性能だけでなく、良好な耐摩耗性や低転がり抵抗性をバランス良く発揮することがわかる。
また、特定の変性剤で変性されてなるブタジエン系重合体を用いた場合であっても、比較例3〜4と比べ、特定の配合量で用いた実施例1〜6の方がバランスに優れた性能を発揮することが明らかである。
さらに、実施例1〜2に比べ、カーボンブラックを特定の量で配合した実施例3〜6の方が良好な結果が得られることもわかる。
他方、表2の結果によれば、未変性のブタジエン系重合体を用いた場合であっても、特定の変性剤で変性されてなるブタジエン系重合体を用いた実施例7〜9は、かかる重合体を含まない比較例6〜7よりも、優れた氷上性能および耐摩耗性を発揮するだけでなく、良好な耐クラック性および低発熱性を充分に向上できることがわかる。
1: 空気入りタイヤ
2: ビードコア
3: ビード部
4: サイドウォール部
5: トレッド部
6: カーカス層
7: ベルト層
8: トレッドゴム層
9: ベースゴム部
10:キャップゴム部

Claims (15)

  1. ゴム成分中に共役系変性基を有するブタジエン系重合体を含み、加硫時および/または加硫後に独立気泡を有するゴム組成物であって、
    前記ブタジエン系重合体が、式(I)または式(II)で表される複素環式ニトリル化合物である変性剤で変性されてなり、かつシス含量が40%以上であることを特徴とするゴム組成物;
    θ−C≡N ・・・(I)
    θ−R−C≡N ・・・(II)
    (式(I)および(II)中、θは複素環基を示し、Rは2価の炭化水素基を示す。)。
  2. 前記ゴム成分100質量%中、前記共役系変性基を有するブタジエン系重合体を60質量%以下の量で含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100質量%中、前記共役系変性基を有するブタジエン系重合体を20質量%以上の量で含むことを特徴とする請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100質量%中、天然ゴムを40〜80質量%の量で含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対して、さらにカーボンブラックを20〜70質量部の量で含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックを含む充填剤を総量で40〜80質量部の量で含むことを特徴とする請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 前記式(I)および(II)中、θが窒素原子を含む複素環基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記式(I)および(II)中、θが酸素原子を含む複素環基、硫黄原子を含む複素環基、2以上のヘテロ原子を含む複素環基、および1以上のシアノ基を含む複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 前記式(I)および(II)中、θが複素芳香環基または複素非芳香環基、あるいは単環式、二環式、三環式、または多環式の複素環基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 前記共役系変性基を有するブタジエン系重合体のシス含量が90%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 前記共役系変性基を有するブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、1.3〜3.5であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 前記ゴム成分が、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. 前記ゴム成分100質量部に対して、さらに、結晶高分子から形成された熱可塑性樹脂からなり、融点が100〜190℃であって、かつ平均径が0.03〜0.3mm及び平均長さが1〜10mmの有機繊維を1〜10質量部の量で含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のゴム組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  15. 前記空気入りタイヤが乗用車用タイヤまたは重荷重用タイヤであることを特徴とする請求項14に記載の空気入りタイヤ。
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