JPH0732904A - 自動車の自動変速機のシフト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の自動変速機のシフト装置の構造の簡
素化を図る。 【構成】 シフトレバー１１がシフト方向とセレクト方
向とに回動可能な継手に支持され、Ａ／Ｔモードとマニ
ュアルモードとの操作が可能な自動車の自動変速機のシ
フト装置において、下端が継手のシフト方向回動軸にシ
フトレバーと並んでシフト方向に回動可能に支持され、
上端がコントロールケーブルを介して変速機に連結され
るケーブルアーム１６の上端に上方に開口する切欠１６
ａを設け、シフトレバーに切欠に臨ませて略水平にアー
ム２６を設け、シフトレバーがＡ／Ｔモードの位置にあ
るときにはアームの先端を切欠に係合させ、セレクト方
向に回動されてマニュアルモードの位置にあるときには
アームと切欠との係合を解除させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の自動変速機の
シフト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の自動変速機のシフト装置とし
て、自動変速機の機能にマニュアル操作機能を加え、自
動変速モードにおけるＤ（ドライブ）レンジの位置にホ
ールドしたままマニュアルモードに切り換えて、運転者
が手動により変速段をシフトアップ又はシフトダウンさ
せて、好みの変速段を選択できるようにしたものがあ
る。このようなシトフ装置として例えば、特開平３−８
９０６５号公報に開示されている自動車の自動変速機の
ためのシフト装置がある。

【０００３】このシフト装置は、図６に示すように構成
されている。即ち、車体に固定されるケーシング５０内
にシフトレバー５１の下部がカルダン継手５２の回転軸
５３、５４によりシフト（前後）方向及びセレクト（左
右）方向に回動可能に支持されている。一方、ケーシン
グ５０のカバープレート５５には図７に示すように自動
変速（以下「Ａ／Ｔ」という）モード用シフト路５５
ａ、シフト路５５ａのＤレンジ位置に横方向に設けられ
た横路５５ｂ、横路５５ｂ連通されシフト路５５ａに平
行なマニュアルモード用シフト路５５ｃからなるシフト
パターンが設けられている。

【０００４】カバープレート５５にはシフトレバー５１
のＡ／Ｔモードからマニュアルシフトモードへの切換を
検出するシフトレバー切換感知センサ、シフト路５５ｃ
におけるシフトレバー５１のシフトアップ、シフトダウ
ン操作を検出するシフト検出センサが設けられている。
そして、シフトレバー５１とケーシング５０との間には
遮断装置７０が設けられている。

【０００５】遮断装置７０は、Ａ／Ｔモード時にシフト
レバー５１の動きを変速機（図示せず）に伝達する伝達
装置７１の位置を、マニュアルモード時にシフトレバー
５１と当該伝達装置７１とが遮断されている間固定する
機構で、シフトレバー５１が図示のＡ／Ｔモードの位置
にあるときには連行部材７２と係合して伝達装置７１と
連結され、当該シフトレバー５１と共に伝達装置７１が
作動可能とされ、コントロールケーブル５９を介して変
速機が制御される。

【０００６】シフトレバー５１が図６の２点鎖線で示す
セレクト方向（右方）に回動操作されてマニュアルモー
ドにされると、シフトレバー５１が連行部材７２から離
隔して伝達装置７１との連結が解除される。同時に、連
行部材７２に収納された遮断部材７３がばね７４により
回動されて上端７３ａが固定部材７５の孔７５ａに係合
し、伝達装置７１を当該位置に係止する。これにより伝
達装置７１がマニュアルモード時においてＡ／Ｔモード
のＤレンジ位置に保持される。

【０００７】シフトレバー５１は、Ａ／Ｔモードにある
ときには伝達装置７１、コントロールケーブル５９を介
して変速機を制御し、マニュアルモードにあるときには
伝達装置７１との係合が解除される。シフトレバー５１
がシフト路５５ａからシフト路５５ｃに操作されるとシ
フトレバー切換感知センサが信号を出力し、シフト路５
５ｃ内でシフトアップ又はシフトダウン方向に操作され
るとシフト検出センサ５７が信号を出力する。制御装置
（図示せず）は、シフトレバー切換感知センサからの信
号によりＡ／Ｔモードからマニュアルモードに切換られ
たことを感知し、シフト検出センサから信号が入力され
ると前記変速機を電気的に制御してシフトアップ又はシ
フトダウンさせる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ａ／Ｔ
モード時にはシフトレバー５１と伝達装置７２とを連結
し、マニュアルモード時にはシフトレバー５１と伝達装
置７２との連結を解除すると共に伝達装置７２をＡ／Ｔ
モードのＤレンジ位置に固定する遮断装置７０は、構造
が複雑であり、コストが高く、また、組付け工数が多く
なり、作業性が悪い等の問題がある。

【０００９】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、マニュアルモード時にケーブルアームを、コントロ
ールケーブルの保持力によりＡ／Ｔモード遮断位置に維
持させることによりシフト装置の構造の簡素化を図るよ
うにした自動車の自動変速機のシフト装置を提供するこ
とを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、シフトレバーがシフト方向とセレク
ト方向とに回動可能な継手に支持され、Ａ／Ｔモードと
マニュアルモードとによる操作が可能な自動車の自動変
速機のシフト装置において、下端が前記継手をシフト方
向に回動可能に支持するシフト方向回転軸に前記シフト
レバーと並んでシフト方向に回動可能に支持され、上端
がコントロールケーブルを介して変速機に連結されるケ
ーブルアームの前記上端に上方に開口する切欠を設ける
一方、前記シフトレバーに前記切欠に臨ませて略水平に
アームを設け、前記シフトレバーが、Ａ／Ｔモードの位
置にあるときには前記アームの先端を前記切欠に係合さ
せ、前記シフトレバーがセレクト方向に回動されて前記
マニュアルモードの位置にあるときには前記アームと前
記切欠との係合を解除させる構成としたものである。

【００１１】

【作用】シフトレバーは、Ａ／Ｔモードの位置にあると
きにはアームを介してケーブルアームと係合する。これ
によりケーブルアームは、シフトレバーと一体的にシフ
ト方向に回動し、コントロールケーブルを介して変速機
が制御される。シフトレバーがセレクト方向に回動され
てマニュアルモード位置に切換られると、アームがケー
ブルアームの切欠から外れてシフトレバーとケーブルア
ームとの係合が解除される。このときケーブルアーム
は、コントロールケーブルの保持力によりＡ／Ｔモード
遮断位置に維持される。

【００１２】

【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図１及び図２において自動車の自動変速機の
シフト装置１は、ベースプレート２の上面に前後方向に
沿ってディテントプレート３の下端が溶着されて垂設さ
れており、上部３ａは、垂直部３ｂに対して一側に直角
に折曲されて水平部（以下「水平部３ａ」という）とさ
れている。水平部３ａには図３に示すようにＡ／Ｔモー
ド用のシフト路３ｃ、横路３ｄ及びマニュアルモード用
のシフト路３ｅのシフトパターンが設けられている。２
本のシフト路３ｃ、３ｅは、シフト方向（前後方向）に
平行に設けられ、シフト路３ｃは、運転者に近い側に、
シフト路３ｅは、運転者から遠い側に配置されている。
そして、横路３ｄは、シフト路３ｃのＤレンジ位置にお
いてシフト路３ｃと３ｅと連通している。

【００１３】シフト方向回転軸４は、ベースプレート２
の略中央に左右方向に配置され、当該ベースプレート２
に設けられた軸受２ａ〜２ｃに回転可能に軸支されてい
る。継手５は、互いに直交する２つの軸受６と７とによ
り構成されており、軸受６の上部一側には軸受７が、他
側にはディテントブラケット８の下端が溶着されてい
る。軸受６は、シフト方向回転軸４に軸支されている。
軸受７にはシフトレバー１１の下端が溶着されたブラケ
ット１２がセレクト方向回転軸１３により回動可能に軸
支されている。そして、シフトレバー１１は、回転軸４
によりシフト方向（前後方向）に、回転軸１３によりセ
レクト方向（左右方向）に夫々回動可能とされている。

【００１４】ディテントブラケット８は、シフトレバー
１１の側方（シフト路３ｅ側）に離隔対向して配置され
ている。そして、ディテントブラケット８にはシフトレ
バー１１の側面に臨んでシフトレバー切換感知センサ例
えば、マイクロスイッチ９が取付られており、作動子が
シフトレバー１１に当接している。シフトレバー１１の
上部は、ディテントプレート３のシフト路３ｃ、インジ
ケータパネル１４を貫通して上方に延出し、上端にはノ
ブ１５が装着されている。

【００１５】シフトレバー１１にはディテントブラケッ
ト８に臨んでブラケット２１が水平に溶着されており、
その先端には板ばね２２が固定されている。板ばね２２
の先端にはローラ２３が回転可能に軸支されており、デ
ィテントブラケット８に設けられた位置決め用切欠８ａ
又は８ｂにばね力により係合可能とされている。そし
て、切欠８ａは、シフトレバー１１のＡ／Ｔモード、切
欠８ｂは、シフトレバー１１のマニュアルモードの位置
を確定する。これらのディテントブラケット８、板ばね
２２及びローラ２３によりシフトレバー１１のＡ／Ｔモ
ード、マニュアルモードの各位置を確定するためのディ
テント機構２５が構成されている。

【００１６】ケーブルアーム１６は、図１及び図４に示
すように略逆三角形状をなし、下端に軸受１７が溶着固
定され、上端の前側にピン１８が溶着固定されており、
上端の後側に切欠１６ａが設けられている。切欠１６ａ
は、上方に臨んで開口し、開口端１６ｂ、１６ｂ’が僅
かにテーパ状に拡開されて幅広とされており（図４）、
後述するアーム２６の入出が容易とされている。このケ
ーブルアーム１６は、図１及び図２に示すようにシフト
レバー１１を挟んでディテントブラケット８と反対側に
配置され、軸受１７により回転軸４にシフトレバー１１
のシフト方向に回動可能に僅かな間隔を存して並んで軸
支されている。

【００１７】ケーブルアーム１６のピン１８にはコント
ロールケーブル１９の一端が連結されており（図１、図
２）、当該コントロールケーブル１９の他端は、変速機
（図示せず）に連結されている。また、コントロールケ
ーブル１９の鞘の一端は、ベースプレート２の一端に立
設された支持板２ｄに係止保持されている。シフトレバ
ー１１にはケーブルアーム１６の切欠１６ａに臨んで水
平にアーム２６（図２）が溶着されており、その先端が
ケーブルアーム１６に設けられた切欠１６ａとＡ／Ｔモ
ードにおけるＤレンジ位置において係合又は解除可能と
されている。そして、シフトレバー１１は、Ａ／Ｔモー
ドの位置にあるときにはアーム２６がケーブルアーム１
６と係合して当該ケーブルアーム１６を一体にシフト方
向に回動させ、マニュアルモードのときにはアーム２６
がケーブルアーム１６から外れる。

【００１８】ディテントプレート３の水平部３ａ（図
１）にはシフト路３ｅの側方位置にマニュアルモード時
にシフト路３ｅの中立位置にシフトレバー１１を保持す
るためのシフトレバー中立位置保持機構３０が設けられ
ている。また、シフト路３ｅの前後両端位置にはマニュ
アルモードのシフト検出センサ（図示せず）が配設され
ている。

【００１９】以下に作用を説明する。図２に示すように
シフトレバー１１がＡ／Ｔモードにあるときにはディテ
ント機構２５のローラ２３がディテントブラケット８の
切欠８ａと係合しており、当該シフトレバー１１は、Ａ
／Ｔモード位置に確定されている。また、マイクロスイ
ッチ９は、オフとなっている。このときシフトレバー１
１のアーム２６の先端がケーブルアーム１６の切欠１６
ａと係合しており（図２、図４、図５）、ケーブルアー
ム１６がシフトレバー１１と一体にシフト方向に回動可
能とされ、コントロールケーブル１９により変速機が制
御される。

【００２０】Ｄレンジ位置で走行中に、マニュアル操作
を行なうべく運転者がシフトレバー１１をシフト路３ｃ
から横路３ｄを経てシフト路３ｅに操作すると、当該シ
フトレバー１１が左方に回動されて傾斜し（図２）、マ
イクロスイッチ９がオンとなる。同時にディテント機構
２５のローラ２３が板ばね２２のばね力に抗してディテ
ントブラケット８の切欠８ａから押し出され、切欠８ｂ
と係合し、シフトレバー１１の切換方向の位置決め即
ち、マニュアルモード位置が確定される。このとき節度
感が得られる。

【００２１】シフトレバー１１は、横路３ｄからシフト
路３ｅに操作されると、図５に２点鎖線で示すようにア
ーム２６の先端が上方に回動してケーブルアーム１６の
切欠１６ａから外れ、当該ケーブルアーム１６との係合
が解除される。このときケーブルアーム１６は、コント
ロールケーブル１９の保持力により当該解除位置（Ａ／
Ｔモード遮断位置）に保持される。そして、シフトレバ
ー１１がシフトアップ又はシフトダウン方向に操作され
るとシフト検出センサがこれを検出して信号を出力す
る。

【００２２】前記制御装置は、マイクロスイッチ９から
信号が入力されるとＡ／Ｔモードからマニュアルモード
に切り換えられたことを検出し、前記シフト検出センサ
から信号が入力されると前記変速機を電気的に制御して
シフトアップ又はシフトダウンさせる。この間ケーブル
アーム１６は、コントロールケーブル１９の保持力によ
り前記Ａ／Ｔモード遮断位置即ち、Ｄレンジの位置に保
持されている。

【００２３】シフトレバー１１がシフト路３ｅからシフ
ト路３ｃに回動操作されると、図４及び図５の実線のよ
うにシフトレバー１１のアーム２６の先端が下方に回動
しながらケーブルアーム１６の切欠１６ａに係合する。
これにより再びケーブルアーム１６がシフトレバー１１
と一体にシフト方向に回動可能とされる。ケーブルアー
ム１６の切欠１６ａの開口端１６ｂ、１６ｂ’は、テー
パ状に拡開されているためにアーム２６が容易に係合可
能とされる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、Ａ
／Ｔモードのときにはシフトレバーとケーブルアームと
を係合させ、マニュアルモードの時にはシフトレバーと
ケーブルアームとの係合を解除させ、且つケーブルアー
ムをコントロールケーブルの保持力により係合解除時の
位置に保持させるようにしたので、シフト装置の構造の
簡素化が図られ、これに伴い低コスト化が図られる。ま
た、組付け工数の低減が図られ作業性が向上する等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動車の自動変速機のシフト装置
の一実施例を示す側面図である。

【図２】図１の一部断面後方端面図である。

【図３】図１のディテントプレートの水平部の平面図で
ある。

【図４】図１のケーブルアームの側面図である。

【図５】図４の矢線Ｖ−Ｖに沿う断面図である。

【図６】従来の自動車の自動変速機のシフト装置の断面
図である。

【図７】図６のカバープレートに設けられたシフトレバ
ーのシフトパターンの平面図である。

【図８】図６の矢線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩに沿う断面図で
ある。

【符号の説明】

１ シフト装置 ２ ベースプレート ３ ディテントプレート ４、１３ 回転軸 ５ 継手 ８ ディテントブラケット ９ マイクロスイッチ １１ シフトレバー １６ ケーブルアーム ２５ ディテント機構 ２６ アーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフトレバーがシフト方向とセレクト方
   向とに回動可能な継手に支持され、Ａ／Ｔモードとマニ
   ュアルモードとによる操作が可能な自動車の自動変速機
   のシフト装置において、 下端が前記継手をシフト方向に回動可能に支持するシフ
   ト方向回転軸に前記シフトレバーと並んでシフト方向に
   回動可能に支持され、上端がコントロールケーブルを介
   して変速機に連結されるケーブルアームの前記上端に上
   方に開口する切欠を設ける一方、 前記シフトレバーに前記切欠に臨ませて略水平にアーム
   を設け、前記シフトレバーが、Ａ／Ｔモードの位置にあ
   るときには前記アームの先端を前記切欠に係合させ、前
   記シフトレバーがセレクト方向に回動されて前記マニュ
   アルモードの位置にあるときには前記アームと前記切欠
   との係合を解除させることを特徴とする自動車の自動変
   速機のシフト装置。