JPH07326782A - 有機光起電力素子 - Google Patents

有機光起電力素子

Info

Publication number
JPH07326782A
JPH07326782A JP6127488A JP12748894A JPH07326782A JP H07326782 A JPH07326782 A JP H07326782A JP 6127488 A JP6127488 A JP 6127488A JP 12748894 A JP12748894 A JP 12748894A JP H07326782 A JPH07326782 A JP H07326782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
layer
protective layer
surface protective
donating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6127488A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ikuno
弘 生野
Shigeto Kojima
成人 小島
Hiroshi Nagame
宏 永目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP6127488A priority Critical patent/JPH07326782A/ja
Publication of JPH07326782A publication Critical patent/JPH07326782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/20Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation comprising organic-organic junctions, e.g. donor-acceptor junctions
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/50Photovoltaic [PV] devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 表面保護層を設けることにより長寿命の有機光起電力素
子を提供する。 【構成】 少なくとも一方が透光性である2つの電極の
間に、整流接合を形成する電子受容性有機物層と電子供
与性有機物層の積層した構成を持ち、さらに透光性であ
る電極を設けた基板表面に、気相成長法により作成され
た炭素又は炭素を主成分とした膜を表面保護層として設
けた有機光起電力素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機太陽電池、光セン
サ、フォトカプラー等として有用な光起電力素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機物を能動材料として用いた光起電力
素子が多く研究されている。その目的は、無機物の光起
電材料である単結晶、多結晶、アモルファスのSiやII
I−V族化合物では達成が困難とされている、安価で生
産性に優れ低毒性の光起電力素子を開発するためであ
る。光起電力素子は、光エネルギーを電気エネルギー
(電圧×電流)に変換する素子であるため、変換効率が
その主要な評価対象となる。光電流の生成には内部電界
の存在が必要であるが、内部電界を生成する方法として
いくつかの素子構成が知られている。能動材料として有
機物を用いた場合の、各々の既知の構成での変換効率の
ベストデータは以下の通りである。
【0003】1)ショットキー接合またはMIS型接合 金属/半導体接合で生じる内部電界を利用したもので、
有機半導体材料としてメロシアニン染料、フタロシアニ
ン顔料等が報告されている。Al/メロシアニン/Ag
素子に対する78mW/cm2の白色光照射で変換効率
0.7%(Voc=1.2V,Jsc=1.8mA/c
2,ff=0.25)が報告されている。〔A.K.
GhoshらJ.Appl.Phys.49,5982
(1978)〕 このタイプの素子に用いられている有
機半導体で変換効率が高いものはp型に限定されてい
る。従って、電極材料もAl,In,Mg等の仕事関数
が低いものが使用されるが、これらは容易に酸化され
る。 2)n型無機半導体/p型有機半導体接合を利用したヘ
テロpn接合 n型無機半導体/p型有機半導体を接合したときに生じ
る内部電界を利用したもので、n型材料としてCdS,
ZnO等が用いられる。p型有機半導体材料としてメロ
シアニン染料、フタロシアニン等が報告されている。
【0004】ITO/電着CdS/塩素化アルミニウム
クロロフタロシアニン/Au素子に対する75mW/c
2のAM−2光照射で変換効率0.22(Voc=
0.69V,Jsc=0.89mA/cm2,ff=
0.29)がベストである〔A.HorらAppl.P
hys.Lett.,42,15(1983)〕。 3)有機/有機ヘテロ接合を利用したもの 電子受容性の有機物と電子供与性の有機物を接合したと
きに生じる整流接合による電界を利用したもので、前者
の有機物としてマラカイトグリーン、メチルバイオレッ
ト、ピリリウム等の染料、フラバンスロン、ペリレン顔
料等の縮合多環芳香族化合物が報告されており、後者の
例として、フタロシアニン顔料、メロシアニン染料等が
報告されている。
【0005】ITO/銅フタロシアニン/ペリレン顔料
/Ag素子に対する75mW/cm2のAM−2光照射
で変換効率0.95%(Voc=0.45V,Jsc=2.
3mA/cm2,ff=0.65)が報告されている
〔C.Tang Appl.Phys.Lett.,4
8,183(1986)〕。この値は有機物を用いた光
起電力素子では最高のものである。また、同じ発明者に
よる特公昭62−4871には、この素子構成で別種の
ペリレン顔料に対して変換効率1%(Voc=0.44
V,Jsc=3.0mA/cm2,ff=0.6)が報告
されている。有機物を用いた光起電力素子は、無機半導
体を用いたものと比較して、短絡光電流(Jsc)が低
く、ffが小さい。そして素子の長期的寿命に問題があ
るものが多い。
【0006】素子の寿命に関しては、400nm以下の
短波長光による化学的劣化などが考えられる。短波長光
による劣化を防止する方法として特開平1−20976
8に報告されている。しかし、膜を均一に大面積で製膜
できる気相成長法で製膜された表面保護層を用いるもの
はこれまでに報告されていない。また素子自体の硬度は
低いものが多く、機械的な負荷が加わった場合、局部的
な傷がつきやすいという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は表面保護層を
用いることにより長寿命の有機光起電力素子を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、鋭意検討した結果、素子の保護層とし
て、気相成長法により作製された炭素及び炭素を主成分
とする膜を保護層として設けることにより、上記目的が
達成されるとの知見を得た。つまり少なくとも一方が透
光性である2つの電極の間に、整流接合を形成する電子
受容性有機物層と電子供与性有機物層の積層した構成を
持ち、さらに素子の表面に表面保護層を積層した構成を
含む光起電力素子において、該表面保護層は炭素または
炭素を主成分とする膜を設ける事により、上記目的を達
成することが判明した。さらに炭素以外に酸素、水素だ
けを含有する膜にすることにより、より接着性の高い表
面保護層を製膜できることが判明した。
【0009】更に本発明者は、透光性である電極を設け
た基板表面に樹脂層を積層し、その上に表面保護層を設
けることにより、長期的な使用による膜の剥離に対して
充分な抵抗力を有し、上記の気相成長法により作成され
た炭素又は炭素を主成分とした膜より成る表面保護層の
接着性を向上させることができるとの知見を得た。つま
り少なくとも一方が透光性である2つの電極の間に、整
流接合を形成する電子受容性有機物層と電子供与性有機
物層の積層した構成を持ち、さらに透光性である電極を
設けた基板表面上に、樹脂層及び該樹脂層上に気相成長
法により作成された炭素又は炭素を主成分とした表面保
護層とすることにより、より接着性の高い表面保護層を
製膜できることが判明した。以下本発明の素子の構成、
作製法、使用材料等について説明する。
【0010】本発明の請求項1に適用される電子受容性
層と電子供与性層の整流接合を有し、表面に保護層を持
つ光起電力素子の構成としては図1〜8に例示されるも
のがある。図1において支持体は背面電極側にあっても
よい。この場合は、透明電極上に表面保護層を設ける。
また、電子受容性層と電子供与性層の順が逆であっても
よい。さらに異なる構成として図2のものが挙げられ
る。ここで支持体は背面電極側にあってもよい。この場
合は、透明電極上に表面保護層を設ける。また、電子受
容性層と電子供与性層の順が逆であってもよく、その場
合は電子供与性有機物層(2)、電子供与性有機物層
(1)、電子受容性有機物層の順となる。
【0011】さらに異なる構成として図3のものが挙げ
られる。ここで支持体は背面電極側にあってもよい。こ
の場合は、透明電極上に表面保護層を設ける。また、電
子受容性層と電子供与性層の順が逆であってもよく、そ
の場合は、透光性n型無機半導体層、電子供与性有機物
層、電子受容性有機物層の順となる。さらに異なる構成
として図4のものが挙げられる。ここで支持体は背面電
極側にあってもよい。この場合は、透明電極上に表面保
護層を設ける。また、電子受容性層と電子供与性層の順
が逆であってもよく、その場合は電子供与性有機物層
(2)、電子供与性有機物層(1)、電子受容性有機物
層、透光性n型無機半導体層の順となる。
【0012】さらに異なる構成として図5の様に素子全
体を覆う保護層も挙げられる。ここで支持体は背面電極
側にあってもよい。この場合は、透明電極上に表面保護
層を設ける。また、電子受容性層と電子供与性層の順が
逆であってもよいる。さらに異なる構成として図6のも
のが挙げられる。ここで支持体は背面電極側にあっても
よい。この場合は、透明電極上に表面保護層を設ける。
また、電子受容性層と電子供与性層の順が逆であっても
よく、その場合は電子供与性有機物層(2)、電子供与
性有機物層(1)、電子受容性有機物層の順となる。
【0013】さらに異なる構成として図7のものが挙げ
られる。ここで支持体は背面電極側にあってもよい。こ
の場合は、透明電極上に表面保護層を設ける。また、電
子受容性層と電子供与性層の順が逆であってもよく、そ
の場合は、透光性n型無機半導体層、電子供与性有機物
層、電子受容性有機物層の順となる。さらに異なる構成
として図8のものが挙げられる。ここで支持体は背面電
極側にあってもよい。この場合は、透明電極上に表面保
護層を設ける。また、電子受容性層と電子供与性層の順
が逆であってもよく、その場合は電子供与性有機物層
(2)、電子供与性有機物層(1)、電子受容性有機物
層、透光性n型無機半導体層の順となる。本発明の請求
項2に適用される電子受容性有機物層と電子供与性有機
物層の整流接合を有し、表面に樹脂層及び保護層をもつ
光起電力素子の構成の例には図9〜12に例示されるも
のがある。
【0014】図9において支持体は背面電極側にあって
もよい。その場合は透明電極上に樹脂層を設ける。また
電子受容性有機物層と電子供与性有機物層の順が逆であ
ってもよい。さらに異なる構成として図10のものが挙
げられる。ここで支持体は背面電極側にあってもよい。
その場合は透明電極上に樹脂層を設ける。また電子受容
性有機物層と電子供与性有機物層の順が逆であってもよ
く、その場合は透明電極側から電子供与性有機物層
(2)、電子供与性有機物層(1)、電子受容性有機物
層の順となる。さらに異なる構成として図11のものが
挙げられる。ここで支持体は背面電極側にあってもよ
い。その場合は透明電極上に樹脂層を設ける。また電子
受容性有機物層と電子供与性有機物層の順が逆であって
もよく、その場合は透明電極側から透光性n型無機半導
体層、電子供与性有機物層、電子受容性有機物層の順と
なる。
【0015】さらに異なる構成として図12のものが挙
げられる。ここで支持体は背面電極側にあってもよい。
その場合は透明電極上に樹脂層を設ける。また電子受容
性有機物層と電子供与性有機物層の順が逆であってもよ
く、その場合は透明電極側から電子供与性有機物層
(2)、電子供与性有機物層(1)、電子受容性有機物
層、透光性n型無機半導体層の順となる。更に、図5〜
8において、素子全体を覆う保護層を用いたように、図
9〜12においても、保護層を素子全体を覆う様にする
こともできる。
【0016】なお、本発明において素子の構成は上記し
た構成に限定されるものではない。本発明において、有
機光起電力素子に設けられる炭素または炭素を主成分と
した膜とは、好ましくは、SP3軌道を有するダイヤモ
ンドと類似のC−C結合を有する膜で形成され、膜厚が
40nm以上である方が望ましい。しかし、SP2軌道
を有するグラファイトと類似の構造を持つ膜でもかまわ
ないし、さらに非晶質性のものでもかまわない。膜組成
は炭素を主成分とし、それ以外に酸素、水素だけを含有
する方が望ましい。
【0017】この様な膜の分光透過率を図13に示す。
これで示すように400nm以下の短波長光の大部分
は、表面保護層で吸収され、有機物層には到達しない。
有機物層内の電荷移動物質は大部分が短波長光以下に光
吸収端があることが多く、従って400nm以下の短波
長光を遮光することにより、電荷移動物質の短波長光吸
収を防止でき、有機物層の連続使用による光劣化を抑制
できる。この様な膜は、一般的にスパッタリング、熱フ
ィラメントCVD法、プラズマCVD法、グロー放電分
解法、光CVD法、電子衝撃CVD法等により形成され
るが、特にその製膜方法は限定されるものではない。
【0018】本発明において使用する樹脂層とは、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブタジエン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート、イオン交換オレフィン共重合体、スチレンブタ
ジエンブロック共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、セルロースエステル、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、キシレン
樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂等が用いられる。こ
のような膜は蒸着、スピンコート、ディッピング、スプ
レー塗工などの方法で製膜されるが、特にその製膜方法
は限定されるものではない。本発明において使用する透
明絶縁支持体としては、ガラス、プラスチックフィルム
等公知のものが用いられる。
【0019】本発明において使用する透明電極として
は、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ、酸化イ
ンジウム等が用いられる。その好ましい厚さは10〜1
000nmである。本発明において使用するn型無機半
導体層としては、酸化亜鉛、3価の金属がドープされた
酸化亜鉛、CdS、酸化チタン、リンをドープしたアモ
ルファスシリコン等が挙げられる。この中で酸化亜鉛、
CdS等が好ましい。厚さは10〜1000nmが好ま
しい。本発明に使用する電子供与性有機物層または電子
供与性有機物層(1)としては、 ・フタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn,C
o,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無
金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニ
ン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロ
フタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属の
フタロシアニン、その他バナジルフタロシアニン、チタ
ニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニ
ン)が使用される。
【0020】本発明に使用する電子供与性有機物層
(2)としては、電子供与性有機物層(1)に使用され
るものと異なり、 ・フタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn,C
o,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無
金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニ
ン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロ
フタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属の
フタロシアニン、その他バナジルフタロシアニン、チタ
ニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニ
ン) ・インジゴ、チオインジゴ系顔料(Pigment B
lue 66,Pigment Violet 36
等)、キナクリドン系顔料(Pigment Viol
et 19,Pigment Red 122等)、メ
ロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合
物等の染料、 ・有機電子写真感光体で用いられる電荷移動剤(ヒドラ
ゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化
合物、トリフェニルアミン化合物等)、 ・電気伝導性有機電荷移動錯体で用いられる電子供与性
化合物(テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラ
チオフラバレン等)、 ・導電性高分子(ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ
アニリン等) から選択される。
【0021】これらの層は蒸着、スピンコート、ディッ
ピング、電界重合等での方法で製膜される。この中で薄
膜化、均一化には蒸着が好ましい。膜厚は電子供与性有
機物層(1)では3〜30nmが適当である。厚くなる
とJscの増大がみられず、また、薄くなるとその層自
体の光吸収効率が落ち、Jscが低下する。電子供与性
有機物層(2)では適当な膜厚は5〜300nmであ
る。電子供与性有機物層が一層の場合は適当な膜厚は5
〜300nmである。また、本発明で用いられる背面電
極としては、Au,Pt,Ni,Pd,Cu,Cr,A
g等が用いられ、特にAuは安定で好ましい。膜厚は5
〜300nmが適当である。
【0022】本発明において使用する電子受容性有機物
層としては、 ペリレン系顔料 Pigment Red(以下PR)
179,PR190,PR149,PR189,PR1
23,PigmentBrown 26等 ペリノン系顔料 Pigment Orange 4
3,PR194等 アントラキノン系顔料 PR168,PR177,Va
t Yellow 4等 フラバンスロン等の含キノン黄色顔料 クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、マラカ
イトグリーン等の染料を挙げることができる。これらは
蒸着、スピンコート、ディッピングにて製膜される。薄
膜化、均一化には蒸着が好ましい。膜厚は10〜300
nmが好ましい。表面保護層の膜組成の分析する方法
は、XPS、AES、SIMS等の測定法を用いる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明に更に詳細に説
明する。 実施例1 よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)
上に基板温度約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを
用い、DCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1
30nmの厚さで設けた。その上に、真空蒸着法で電子
受容性物質であるペリレンテトラカルボン酸ビスメチル
イミド(PL−ME)を約40nmの厚さで、次いで電
子供与性物質である銅フタロシアニン(CuPc)を約
15nmの厚さで設け、更に2,9−ジメチルキナクリ
ドン(QA−ME)を約30nmの厚さで設けた。その
上に金を真空蒸着し、更に表面保護層として、プラズマ
CVD法により製膜し、素子とした。プラズマCVD法
の製膜条件は、次に示す。
【0024】反応ガス:C24/H2/NF3 ガス流量:90sccm/200sccm/20scc
m 反応圧 :0.01Torr RF出力:100W この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素以外に窒素、フッ素を含有してい
た。
【0025】この素子のITO側に75mW/cm2
白色光を照射しながら、6mV/sで掃印される電圧を
印加して変換効率を測定した。そして擬似太陽光照射下
(A.M.1.5、75mW/cm2)で5日間放置
後、同様の測定を行った。結果を表1に示す。また、こ
の素子を(40℃、90%)で光を照射せずに放置し、
テープ剥離試験を行った結果、表面層の局部的な剥離が
起こるまで、5日間かかった。
【0026】実施例2 よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)
上に基板温度約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを
用い、DCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1
30Aの厚さで設けた。その上に、真空蒸着法で電子受
容性物質であるペリレンテトラカルボン酸ビスメチルイ
ミド(PL−ME)を約40nmの厚さで、次いで電子
供与性物質であるインジウムクロロフタロシアニン(I
nClPc)を約50nmの厚さで設けた。その上に金
を真空蒸着し、更に表面保護層として、プラズマCVD
法により製膜し、素子とした。プラズマCVD法の製膜
条件は、次に示す。 反応ガス:C24 ガス流量:100sccm 反応圧 :0.01Torr RF出力:70W この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素だけであった。高温高湿状態(4
0℃、90%)で光を照射せずに放置し、テープ剥離試
験を行った結果、表面層の局部的な剥離が起こるまで、
15日間かかった。
【0027】比較例1 表面保護層を設けないこと以外は全て実施例1と同様に
して測定を行った。測定結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例3 よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)
上に基板温度約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを
用い、DCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1
30nmの厚さで設けた。その上に、真空蒸着法で電子
受容性物質であるペリレンテトラカルボン酸ビスメチル
イミド(PL−ME)を約40nmの厚さで、次いで電
子供与性物質である銅フタロシアニン(CuPc)を約
15nmの厚さで設け、更に2,9−ジメチルキナクリ
ドン(QA−ME)を約30nmの厚さで設けた。その
上に金を真空蒸着し、樹脂層として塩素化ポリプロピレ
ン(ハードレン、東洋化成工業社製)をTHF溶媒を用
いスプレー塗工し、さらに表面保護層として、プラズマ
CVD法により炭素を主成分とする膜を製膜し、素子と
した。プラズマCVD法の製膜条件は、次に示す。 反応ガス:C24/H2/NF3 ガス流量:90sccm/200sccm/20scc
m 反応圧 :0.01Torr RF出力:100W この素子のITO側に75mW/cm2の白色光を照射
しながら、6mV/sで掃印される電圧を印加して変換
効率を測定した。そして擬似太陽光照射下(A.M.
1.5、75mW/cm2)で5日間放置後、同様の測
定を行った。結果を表2に示す。また、この素子を(5
0℃、90%)で放置し、テープ剥離試験を行った結
果、表面保護層の剥離が起こるまで、20日間かかっ
た。
【0030】実施例4 樹脂層を塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重
合体(エスレックM、積水化学社製)をスピンコートで
製膜する以外は全て実施例3と同じにして素子を作成
し、同様な測定及び剥離試験を行った。測定結果を表2
に示す。剥離試験においては表面保護層が剥離するまで
に、25日間かかった。
【0031】比較例2 表面保護層を設けないこと以外は全て実施例3と同様に
して測定を行った。測定結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、有機光起電力素子の透
光性の電極を設けた基板表面に気相成長法により作成し
た炭素または炭素を主成分とする表面保護層を設けるこ
とにより、耐環境性に優れた長寿命の素子を提供でき
る。又、炭素または炭素を主成分とする表面保護層の膜
組成を炭素を主成分とし、それ以外に酸素、水素だけを
含有する膜とすることにより、さらに基板表面と表面保
護層の間に樹脂層を設けることにより、長期的な使用に
よる膜の剥離に対して充分な抵抗力を有し、表面保護層
の接着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の説明図である。
【図2】本発明の他の実施例の説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例の説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の説明図である。
【図8】本発明の他の実施例の説明図である。
【図9】本発明の他の実施例の説明図である。
【図10】本発明の他の実施例の説明図である。
【図11】本発明の他の実施例の説明図である。
【図12】本発明の他の実施例の説明図である。
【図13】本発明の表面保護層の分光透過率を示すグラ
フである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性である2つの電
    極の間に、整流接合を形成する電子受容性有機物層と電
    子供与性有機物層の積層した構成を持ち、さらに透光性
    である電極を設けた基板表面に表面保護層を積層した構
    成を含む光起電力素子において、該表面保護層は気相成
    長法により作成された炭素又は炭素を主成分とした膜よ
    り成ることを特徴とする有機光起電力素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透光性である2つの電
    極の間に、整流接合を形成する電子受容性有機物層と電
    子供与性有機物層の積層した構成を持ち、さらに透光性
    である電極を設けた基板表面に樹脂層及び表面保護層を
    積層した構成を含む光起電力素子において、該表面保護
    層は気相成長法により作成された炭素又は炭素を主成分
    とした膜より成ることを特徴とする有機光起電力素子。
  3. 【請求項3】 上記表面保護層の膜組成は、炭素を主成
    分とし、それ以外に酸素、水素だけを含有する膜からな
    る事を特徴とする請求項1又は2記載の有機光起電力素
    子。
JP6127488A 1993-08-24 1994-06-09 有機光起電力素子 Pending JPH07326782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6127488A JPH07326782A (ja) 1993-08-24 1994-06-09 有機光起電力素子

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20943093 1993-08-24
JP7083794 1994-04-08
JP6-70837 1994-04-08
JP5-209430 1994-04-08
JP6127488A JPH07326782A (ja) 1993-08-24 1994-06-09 有機光起電力素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07326782A true JPH07326782A (ja) 1995-12-12

Family

ID=27300453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6127488A Pending JPH07326782A (ja) 1993-08-24 1994-06-09 有機光起電力素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07326782A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004319705A (ja) * 2003-04-15 2004-11-11 Univ Kanazawa 有機太陽電池
JP5617053B1 (ja) * 2013-12-11 2014-10-29 積水化学工業株式会社 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004319705A (ja) * 2003-04-15 2004-11-11 Univ Kanazawa 有機太陽電池
JP5617053B1 (ja) * 2013-12-11 2014-10-29 積水化学工業株式会社 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5264048A (en) Photoelectric conversion device
US5350459A (en) Organic photovoltaic element
JPH06318725A (ja) 光起電力素子およびその製造方法
Tang Two‐layer organic photovoltaic cell
US5006915A (en) Electric device and photoelectric conversion device comprising the same
JP3283973B2 (ja) 有機光起電力素子
JPH06177410A (ja) 光起電力素子およびその製造方法
JPH07326782A (ja) 有機光起電力素子
JP3269247B2 (ja) 有機太陽電池およびその製造方法
JPH05275728A (ja) 有機光起電力素子
JPH05152594A (ja) 光起電力素子
JP2849157B2 (ja) 光起電力素子
JPH06120535A (ja) 有機光起電力素子
JP2935998B2 (ja) 光起電力素子
JPH0427170A (ja) 光起電力素子
JPH0669526A (ja) 有機光起電力素子
JPH03166773A (ja) 光起電力素子
JPH03263380A (ja) 光起電力素子
JPH05308145A (ja) 有機光起電力素子
JPH05291598A (ja) 有機光起電力素子
JP2837485B2 (ja) 光起電力素子
JPH05343718A (ja) 光起電力素子
JPH05299682A (ja) 有機光起電力素子
JPH05102506A (ja) 光起電力素子
JPH05259493A (ja) 有機光起電力素子