JPH0732587U - 時計リューズのネジロック構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、時計のネジロック・リューズにお
けるリューズ芯の組込性を向上させることを画するもの
である。 【構成】 ネジロック・リューズのリューズ芯の先端の
ツバ部１４ｂから、異形部１４ｃに向けて、少なくとも
１本のスリット１４ｅを形成する。 【効果】 リューズ芯のスリット１４ｅの変形、及び斜
面１４ａの案内により、リューズの軸部に穿設された摺
動穴に抜け止めリングを固定した後、前記摺動穴にリュ
ーズ芯を簡単に挿入できる。よって、リューズ芯の組込
性を著しく向上できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は腕時計に使用するリューズのネジロック構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

本考案に関する従来の時計リューズのネジロック構造としては実開平４−７９ ２９３号公報に開示されているものがある。この従来の構造は図５及び図６に示 す様に、リューズ１の軸部１ｂに形成されている摺動穴２内に弾性部材３とリュ ーズ芯４を同時に挿入し、軸部１ｂに形成されている摺動穴２の開口端の内周面 に形成されている周状溝１ｃにリング５を接合することにより、リューズ芯４の 先端に形成されたツバ部４ａが前記リューズ１の首引き時には前記リング５に当 接され、前記リューズ芯４の抜け防止となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の技術では弾性部材とリューズ芯を同時に挿入した後に抜け止め リングを装着するため、リューズ芯の組込性が悪く、且つ、リングの取付け加工 の問題点等があった。

【０００４】 本考案の目的は、上記問題点を解決し、特にリューズ芯の組込性が良く、かつ 小型化ができる時計リューズのネジロック構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の構成は下記の通りである。リューズの軸部の摺動穴の開口端の内周面 には周状溝が形成され、リューズ芯には、外端よりツバ部と異形部と巻真ネジ穴 とがそれぞれ形成され、前記ツバ部の外端には斜面が形成され、且つ外端から前 記異形部に向けて少なくとも一本のスリットが形成されており、前記摺動穴の周 状溝には、内周部が前記リューズ芯の異形部と整合するリングが装着され、更に 、前記リューズの摺動穴には、弾性部材を前記リューズ芯のツバ部を前記リング の内方に挿入して、前記リューズ芯をリューズの摺動穴に摺動可能に固定したも のである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。図１は本考案の時計リュー ズのネジロック構造の実施例を示す要部断面図であり、図２は図１におけるリュ ーズ芯の先端部の斜視図である。図３は本考案の他の実施例を示す要部断面図で あり、図４は図３におけるリューズ芯の斜視図である。

【０００７】 まず、図１及び図２において、リューズ１１は頭部１１ａと軸部１１ｂより成 り、前記軸部１１ｂに形成された摺動穴１２の開口端の内周面に、リング１０を 係合する周状溝１１ｅが形成されている。前記リング１０は、前記周状溝１１ｅ にロー付け、接着、かしめ等の方法により固着されている。また、リング１０の 内面は、前記リューズ芯１４の異形部１４ｃと整合するため、異形形状となって いる。

【０００８】 一方、リューズ芯１４には、外端より前記摺動穴１２に挿入した後、抜け止め 用のリング１０と係合するツバ部１４ｂ、異形部１４ｃ及び巻真ネジ穴１４ｄが 形成されている。前記ツバ部１４ｂの外端には、前記摺動穴１２の周状溝１１ｅ に前記リング１０を固着させた後にリューズ芯１４の挿入を容易にするために斜 面１４ａが形成されている。又、前述のように、前記リューズ芯１４の挿入を助 けるために、外端から前記異形部１４ｃに向けて少なくとも１本のスリット１４ ｅが形成されている。

【０００９】 さらに、該摺動穴１２に形成された前記周状溝１１ｅに固着された前記リング １０を使用せず、該軸部１１ｂ先端を軸部径の外側から内側に折り曲げ、更に、 内面形状を異形形状として、前記リング１０の変わりに使用しても良いことは明 らかである。また、パイプ１６内端部の内壁１６ａ及び前記軸部１１ｂ先端の外 壁のそれぞれに形成されたネジ部を螺合してなるネジロック構造にも使用できる ことは明らかである。

【００１０】 次に、リューズ１１の摺動穴１２にリューズ芯１４を取付け固定する方法を説 明する。摺動穴１２に弾性部材１９を挿入した後、リューズ芯１４を挿入する。 この時、リング１０の異形内径よりもリューズ芯１４のツバ部１４ｂの外形の方 が大きくできているが、ツバ部１４ｂに形成されている斜面１４ａとスリット１ ４ｅの変形（リング１０の異形内径よりツバ部１４ｂが径小となる）とにより容 易に挿入することができる。また、摺動穴１２内に挿入されたリューズ芯１４の ツバ部１４ｂは、摺動穴１２内でもとの外径寸法にもどり、この結果、ツバ部１ ４ｂがリング１０に当接し、リューズ１１からリューズ芯１４の抜けがなくなる 。また、リューズ芯１４のツバ部１４ｂの外径と摺動穴１２の内径は、ほぼ同一 寸法となっている。

【００１１】 上記の構成により、前記摺動穴１２に弾性部材１９を挿入し前記リング１０を 固着させた後（リング１０を軸部１１ｂに固着後、弾性部材１９を摺動穴１２に 挿入しても良い）に、前記リューズ芯１４を前記摺動穴１２に挿入することが可 能になることで、組込性が改善され、更に、軸部１１ｂへのリング１０の取付け 加工も容易になる。

【００１２】 尚、１５は、前記パイプ１６を配設固定するための、前記胴１３に横貫された 貫通穴である。また、１１ｄは、前記リューズ１１の軸部１１ｂの外周面に形成 された溝部であり、該溝部１１ｄに配設されたパッキン１７が、前記パイプ１６ の内周面に圧接されることで、防水性が確保される。更に、１４ｆは、前記リュ ーズ芯１４のツバ部１４ｂに穿設された孔部であり、前記弾性部材１９が挿入さ れるためのものである。

【００１３】 次に、図３及び図４は、本考案の他の実施例であり、上記実施例との相違点は 、リューズ芯１４の孔部１４ｆを無くした点で、その他は同一の構造であるので 詳細な説明は省略する。

【００１４】 孔部１４ｆが無いリューズ芯１４にすることにより、リューズ芯１４の径をよ り細くできるため、摺動穴１２をより細くでき、その結果としてリューズ１１の 軸部１１ｂ及び頭部１１ａの小型化が図れると共に、リューズ１１のロック解除 時のガタも極めて小さく出来る。

【００１５】 尚、図面の部品符号は、孔部１４ｆが無い以外、上記実施例と同一であるので 、ここでの説明は省略する。

【００１６】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、リューズ芯先端のツバ部に形 成されたスリット及び斜面により、リューズの軸部先端に形成された摺動穴にリ ングを固定した後、前記摺動穴に、リューズ芯を簡単に挿入できると共に、摺動 固定もでき、組込性が著しく向上できる。また、リューズにリューズ芯を取付け る前にリングを固定することができるので、リューズの加工性も改善することが できる。

【００１７】 また、リューズ芯に孔部を形成しないことにより、リューズの軸部及び頭部が 小型化することもでき、多大な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例で、時計リューズのネジロック
構造を示す要部断面図である。

【図２】図１におけるリューズ芯先端の斜視図である。

【図３】本考案の他の実施例で、時計リューズのネジロ
ック構造を示す要部断面図である。

【図４】図３におけるリューズ芯先端の斜視図である。

【図５】従来例で、時計リューズのネジロック構造を示
す要部断面図である。

【図６】図５におけるリューズ芯先端の斜視図である。

【符号の説明】

１０ パイプ １１ リューズ １１ａ 頭部 １１ｂ 軸部 １１ｃ 外壁 １１ｄ 溝部 １１ｅ 周状溝 １２ 摺動穴 １３ 胴 １４ リューズ芯 １４ａ 斜面 １４ｂ ツバ部 １４ｃ 異形部 １４ｄ 巻真ネジ穴 １４ｅ スリット １４ｆ 孔部 １５ 貫通穴 １６ パイプ １６ａ 内壁 １７ パッキン １８ ネジ部 １９ 弾性部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部及び軸部よりなるリューズとリュー
   ズ芯と弾性部材とより構成され、前記軸部に形成されて
   いる摺動穴内を前記リューズ芯が前記弾性部材の反発力
   に抗して摺動し、前記胴の貫通穴に固定されているパイ
   プの内端部の内壁にネジ部を形成し、前記ネジ部が前記
   軸部の先端部の外壁に形成したネジ部に螺合してなる時
   計リューズのネジロック構造において、前記リューズの
   軸部の摺動穴の開口端の内周面には周状溝が形成され、
   前記リューズ芯には、外端よりツバ部と異形部と巻真ネ
   ジ穴とがそれぞれ形成され、前記ツバ部の外端には斜面
   が形成され、且つ、外端から前記異形部に向けて少なく
   とも一本のスリットが形成されており、前記摺動穴の周
   状溝には、内周部が前記リューズ芯の異形部と整合する
   リングが装着され、更に、前記リューズの摺動穴には、
   前記弾性部材と前記リューズ芯のツバ部を前記リングの
   内方に挿入して、前記リューズ芯を前記リューズの摺動
   穴に摺動可能に固定したことを特徴とする時計リューズ
   のネジロック構造。