JPH0247838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はホース用口金に関し、詳しくは別体と
して形成されたスリーブをもつ口金本体とニツプ
ルとが、一体的に固定された口金に関するもので
ある。

［従来の技術］ ニツプル外周表面とスリーブ内周表面との間に
形成された筒状空間にホースが挿入され、スリー
ブ外周表面から径方向にカシメることによりホー
スを締結する口金において、従来は第７図に示す
ように全体を切削加工により一体的に形成したも
のが知られている。ところでニツプル１００の外
周表面またはスリーブ１０１の内周表面には、ホ
ースとの締結力の向上、シール性の向上の目的で
周方向に延びる溝を設けることが好ましいことが
知られている。しかしながら、上記したような一
体的に形成された口金では、ニツプル１００とス
リーブ１０１との間に切削バイトが挿入できない
場合もあり、溝加工に制約があつた。また、ニツ
プル１００が長い場合には、ニツプル穴加工時に
偏芯が生じ、ニツプル１００の肉厚を均一に保つ
のが困難な場合があつた。

このような不具合を解決するものとして第８図
に示すような口金本体２００とニツプル３００と
を別体として形成し、ロウ付け部４００により一
体化したものが知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記した口金本体とニツプルとを別体として形
成し、ろう付けにより一体化する口金において
は、ろう付け工程に工数が多く必要であり、コス
ト面で不利であつた。

本考案は、口金本体とニツプルとを容易に一体
的に結合することができ、低コストで新規なホー
ス用口金を提供するものである。

［問題点を解決するための手段及び作用］ 本考案のホース用口金は、中心孔を有し一端部
が他の部材と係合する係合部と係合部の他端部か
ら中心孔と同軸的に延びた円筒状のスリーブとか
らなり、スリーブの底面に開口する中心孔の開口
部には中心孔と同軸で中心孔の径より大きな径の
係合凹部と係合凹部の内周表面に設けられ係合凹
部を一周するリング状溝とをもつ口金本体と、 筒形状をなし口金本体とは別体として形成され
係合凹部およびリング状溝内に膨出して係止され
た鍔部をもちスリーブと同軸的に取り付けられた
ニツプルと、からなることを特徴とする。

口金本体は係合部とスリーブとから構成され
る。ここで係合部はホース内を流れる流体の流路
に設けられる他の部材と係合し、以て流路を確保
する機能を果たす。例えば他の部材と螺合するオ
ネジをもつもの、あるいは他の部材と嵌合するニ
ツプル状のもの、等従来と同様の形状とすること
ができる。

スリーブの底面に開口する中心孔の開口部に
は、中心孔と同軸で中心孔の径より大きな径の係
合凹部をもつ。そして係合凹部の内周表面には、
係合凹部を一周するリング状溝をもち、この係合
凹部およびリング状溝に後述のニツプルから膨出
した鍔部が係止される。

ニツプルは上記口金本体とは別体として形成さ
れた筒状をなし、上記係合凹部内に膨出して係止
された鍔部をもちスリーブと同軸的に取付けられ
ている。即ち、この鍔部が係合凹部およびリング
状溝内に充填され、以てニツプルの軸方向の相対
移動を防止するものである。

この鍔部は筒状のニツプルを口金本体内に配置
し、ビード加工あるいはバルジ加工等により形成
されたものとすることができる。

以下に本考案の口金を製造する方法の一例を説
明する。まず口金本体にニツプルを挿入し、所定
の位置で保持する。そしてニツプルの外周表面と
スリーブの内周表面との間の筒状空間に支持体を
挿入し、ニツプルの一端を口金本体内で保持した
状態で他端をポンチにより軸方向に挟圧する。こ
れによりニツプルは係合凹部の位置で径方向外方
に膨出して鍔部が形成され、鍔部先端の肉はさら
にリング状溝内に嵌入される。従つて口金本体と
ニツプルとは一体的に固定される。また鍔部先端
がリング状溝内に充填されているので、ニツプル
の軸方向の相対移動が確実に規制されている。

［考案の効果］ 本考案の口金によれば、口金本体とニツプルと
は係合凹部およびリング状溝内に膨出して係止さ
れた鍔部により一体的に固定されている。従つて
ロウ付け工程を行う必要がないので、工数を低減
することができ、コストの低減を図ることができ
る。またポンチで押圧するだけで固定することが
でき、口金本体とニツプルとを固定するのが従来
に比べてはるかに容易である。

［実施例］ 以下実施例により具体的に説明する。第１図お
よび第２図に本考案の一実施例のホース用口金を
示す。この口金は口金本体１と、ニツプル２とか
ら構成されている。

口金本体１は第３図にも示すように、中心孔１
０を有し一端部に他の部材と螺合するオネジをも
つ係合部１１と、係合部１１の他端部から中心孔
１０と同軸的に延びた円筒状のスリーブ１２とか
ら構成されている。そしてスリーブ１２の底部に
開口する中心孔１０に開口部には、係合凹部１３
が中心孔１３と同軸に形成され、係合凹部１３の
内周表面には係合凹部１３を一周するリング状溝
１６が形成されている。

ニツプル２は略円筒形状をなし、口金本体１と
は別体として形成され、係合凹部１３内に膨出す
る鍔部２１をもつ。この鍔部２１が係合凹部１３
と係合することにより、口金本体１と一体的に固
定されている。また第２図に拡大して示すよう
に、鍔部２１先端の肉は係合凹部１３内に嵌入
し、ニツプル２の軸方向への相対移動を規制して
いる。

またスリーブ１２の内周表面およびニツプル２
の外周表面には、締結強度の向上およびシール性
の向上の目的から、それぞれ複数の溝１４，２２
が形成されている。なお口金本体１はＳ１２Ｃ材
から、ニツプル２はSTKM材からそれぞれ切削
により形成されている。

次に本実施例の口金を製造する方法を説明す
る。まず第３図に示す口金本体１に第４図に示す
ニツプル２を挿入する。このときニツプル２の端
面は口金本体１の段部１５に当接し、位置決めさ
れる。この状態を第５図に示す。

次に第６図に示すように、係合部１１を保持部
材５に保持させ、スリーブ１２の内周表面とニツ
プル２の外周表面とで形成された筒状空間に支持
体３を挿入し、支持体３に摺動自在に保持された
ポンチ３１でニツプル２の端面を挟圧する。する
とニツプル２は圧縮の応力により係合凹部１３の
位置で径方向外方に２段に膨出し、係合凹部１３
およびリング状溝１６に係止された鍔部２１が形
成される。これにより口金本体１とニツプル２と
は一体的に固定される。

本実施例のホース用口金は、上記したようにポ
ンチで押圧するだけで口金本体とニツプルとを一
体的に固定することができ、固定が容易であると
ともにロウ付けの工程を省略することができるの
で、工数の低減に伴うコストの低減を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の一実施例のホース用
口金に係わるものであり、第１図はその断面図、
第２図はその要部拡大断面図、第３図は口金本体
の断面図、第４図は結合固定前のニツプルの断面
図、第５図は口金本体に第３図のニツプルを挿入
した状態を示す断面図、第６図はニツプルの鍔部
を形成しているところを示す説明断面図である。
第７図および第８図はそれぞれ従来のホース用口
金の断面図である。 １……口金本体、２……ニツプル、３……支持
体、３１……ポンチ、５……保持部材、１０……
中心孔、１１……係合部、１２……スリーブ、１
３……係合凹部、１６……リング状溝、１４……
溝、１５……段部、２１……鍔部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中心孔を有し一端部が他の部材と係合する係合
   部と該係合部の他端部から該中心孔と同軸的に延
   びた円筒状のスリーブとからなり、該スリーブの
   底面に開口する該中心孔の開口部には該中心孔と
   同軸で該中心孔の径より大きな径の係合凹部と該
   係合凹部の内周表面に設けられ該係合凹部を一周
   するリング状溝とをもつ口金本体と、 筒形状をなし該口金本体とは別体として形成さ
   れ該係合凹部および該リング状溝内に膨出して係
   止された鍔部をもち該スリーブと同軸的に取り付
   けられたニツプルと、からなることを特徴とする
   ホース用口金。