JPS5924865Y2 - 内燃機関における燃料弁の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ディーゼル式内燃機関における燃料弁取付装
置に関し、特に断熱パツキンを使用して燃料弁をシリン
ダヘッドに対して完全に断熱保持するようにした燃料弁
取付装置に関する。

ディーゼル機関では燃料（噴射）弁が燃焼室壁面に装着
されるのであるが、従来は、燃料弁の先端すなわち燃焼
室に面する部分には、断熱パツキンを介在させ、燃焼室
の高温が燃料弁に伝わるのを阻止している。

しかし、燃料弁の主体部分は、燃料弁ケースナツトを介
してシリンダヘッドに穿設した燃料弁挿入孔に直接保持
されているため、燃料弁にはこの部分から燃焼室の高温
が伝わることになり、燃料弁の断熱は完全ではない。

本考案は、従来装置におけるこの点（燃料弁の主体部分
が燃料弁ケースナツトを介してシリンダヘッドに保持さ
れる点）に起因する断熱効果の不完全さの解決をはかろ
うとするものであって、本考案は、燃料弁ケースナツト
３とシリンダヘッド１に穿設した燃料弁挿入孔２との間
に少許の断熱用空間８が形成されるように両者の形状・
寸法を選定し、燃料弁９とシリンダヘッド１との間に前
記ケースナツト３の下端面に当接するフランジ部６を有
する断熱パツキン５を介設し、該断熱パツキン５を、燃
料弁仕組の取付は時における軸方向の締付力で、そのフ
ランジ部６の外周寄りの一部分が前記断熱用空間８内に
流入するように、変形させ、この流入した部分で該断熱
用空間８がその後一定寸法に保持されるようにした点を
特長とするものであり、本考案によれば燃料弁を完全に
断熱的に保持することができるものである。

次に、図により本考案の実施例を説明する。

１はシリンダヘッドで、該シリンダヘッド１に形成され
た燃料弁挿入孔２内には、燃料弁ケースナツト３に保持
された燃料弁ホルダ４が挿入保持される。

５は断熱パツキンで、該断熱パツキン５は、組立て前は
、第２図に示すように、フランジ部６と足部７とから戊
り側面からみてほは゛Ｔ字状の形状をなしている。

そして、燃料弁挿入孔２の内径ｄ１は燃料弁ケースナツ
ト３の外径ｄ２よりも少し太きく（ｄ＋−ｄ２＝２△ｄ
）、したがって、燃料弁ケースナツト３の外周には寸法
△ｄの断熱用空間８が形成されることになる。

実際には△ｄは０．５〜１ｍ／ｍが適当である。

燃料弁ホルダ４の先端には燃料弁９が突出し、該燃料弁
９とシリンダヘッド１間には断熱パツキン５が介在する
。

断熱パツキン５のフランジ部６の外径は燃料弁挿入孔２
の内径ｄ１と同じであり、中心部を貫通する燃料弁９を
保持する孔１０の内径ｄ３は燃料弁９の外径ｄ３と同じ
寸法である。

そしてフランジ部６は初期には厚さがｈ２であり足部７
は寸法ｈ１の長さをもっている。

断熱パツキン５は、前述したように、第２図に示した形
状を初期には呈している。

このような形状のま・断熱パツキン５を燃料弁挿入孔２
の最底部に挿置し、次いで燃料弁仕組を挿入し締付ける
。

そして、この締付は時の軸方向の締付は力Ｆ（第３図参
照）は断熱パツキン５（断熱パツキンは例えばテフロン
のような軟質の合成樹脂材より構成されている）を、第
３図に示すように、そのフランジ部６を、フランジ部６
の外周寄りの部分が断熱用空間８内に流入するように変
形する。

そして、この変形によってフランジ部の外周部分は厚さ
が寸法ｈ４となりフランジ部自体の厚さはｈ３となる。

なお実際にはｈ４は２〜５ｍ／ｍが適当である。

燃料弁仕組を断熱パツキン５がこのような変形を起すま
で締付けることにより、燃料弁挿入孔２と燃料弁ケース
ナツト３との間に形成された断熱用空間８内に断熱パツ
キン５の変形流入を起こさせ、この流入した部分が、断
熱空間８を、その後の機関の運転中にも一定寸法に保持
する作用を奏することになる。

したがって、本考案によれば燃料弁ケースナラ１−３は
シリンダヘッドに形成した燃料弁挿入孔２から断熱用空
間８をへだてて常に保持されることになり、燃料の断熱
効果を一層顕著なものとすることができる。

第４図は断熱パツキン５の足部７を先細のテーパ状とし
た例で（他については第１〜３図の例と同じ）、このよ
うな先細のテーパ状とすることにより（この場合シリン
ダヘッド側もこれに応じたテーパ形状となることは勿論
である）、断熱パツキンのシリンダヘッドからの取出し
を容易にすることか゛できる。

本考案によれば、燃料弁ケースナツト３とシリンダヘッ
ド１に穿設した燃料弁挿入孔２との間に少許の断熱用空
間８が形成されるように両者の形状・寸法を選定し、燃
料弁９とシリンダヘッド１との間に前記ケースナツト３
の下端面に当接するフランジ部６を有する断熱パツキン
５を介設し、該断熱パツキン５を、燃料弁仕組の取付は
時における軸方向の締付力で、そのフランジ部６の外周
寄りの一部分が前記断熱用空間８内に流入するように、
変形させ、その流入した部分で該断熱用空間８を保持す
るようにしたので、燃料弁ケースナツト３がシリンダヘ
ッド１に形成した燃料弁挿入孔２から断熱用空間８をへ
だてで常に一定寸法に保持されることになり、燃料弁を
完全に断熱的に保持することができる。

しかも、断熱用空間８内への断熱パツキン５の流入が、
主としてそのフランジ部６の外周寄りの部分、即ち該断
断用空間８と対応する部分の変形で行なわれるので、そ
の変形流入を容易かつ均一になし得て、該断熱用空間８
をその後の機関の運転中にも常に一定寸法に保持するこ
とができ、燃料弁の断熱効果を一層顕著なものとするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の燃料弁取付装置の側断面図、第２図は
本考案の取付装置に用いる断熱パツキンの側断面図、第
３図は第２図の断熱パツキンの変形状態を説明するため
の側断面図、第４図は他の断熱パツキンの側断面図であ
る。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・・・・・燃料弁
挿入孔、３・・・・・・燃料弁ケースナツト、４・・・
・・・燃料弁ホルダ、５・・・・・・断熱パツキン、６
・・・・・・フランジ部、７・・・・・・足部、８・・
・・・・断熱用空間、９・・・・・・燃料弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料弁ケースナツト３とシリンダヘッド１に穿設した燃
   料弁挿入孔２との間に少許の断熱用空間８が形成される
   ように両者の形状・寸法を選定し、燃料弁９とシリンダ
   ヘッド１との間に前記ケースナツト３の下端面に当接す
   るフランジ部６を有する断熱パツキン５を介設し、該断
   熱パツキン５を、燃料弁仕組の取付は時における軸方向
   の締付力で、そのフランジ部６の外周寄りの一部分が前
   記断熱用空間８内に流入するように、変形させ、この流
   入した部分で該断熱用空間８がその後一定寸法に保持さ
   れるようにした内燃機関における燃料弁取付装置。