JPH07324494A - 全天候型仮設屋根のリフトアップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡略化され、架設費が低減され多くの
建物に適用できるリフトアップ式全天候型仮設屋根のリ
フトアップ装置を提供する。 【構成】 施工中の建造物Ａの外部足場３内に、頂部に
開閉式の全天候型仮設屋根Ｋが組み立てられたリフトア
ップ支柱１を、前記足場に装着されたガイドローラ４を
介してリフトアップ支柱１が建造物の施工進捗状況に応
じて同支柱１に装架された電動チェーンブロック６、チ
ェーン７、昇降索８よりなる昇降手段によって上昇する
ように構成され、同昇降手段によってリフトアップ支柱
１の上昇分に相当する長さの継接用支柱ｂを同リフトア
ップ支柱１の下端に継接したのち、両支柱ｂ、１が共に
上昇するように構成された。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建造物の構築中に際し
て、降雨や直射日光より作業員を保護し、作業環境を良
好ならしめる全天候型仮設屋根のリフトアップ装置に係
るものである。

【０００２】

【従来の技術】建造物を建設する際、基礎工事、上部駆
体工事を行う。駆体工事は、型枠工事、鉄筋工事、コン
クリート打設と階層順に構築していくが、工事中、降雨
や直射日光から作業員を保護するため、工事中の作業床
を覆うように仮設の屋根を設けて天候に左右されること
のないようにしている。

【０００３】この仮設屋根の架設方法は建物の規模によ
って夫々の工法によって行なわれている。例えば建物外
周に足場を組み立て、同足場にピニオン・ラック方式に
よる昇降装置を装備し、屋根シートが展張された仮設屋
根を前記昇降装置と連結して昇降せしめるようにした全
天候型仮設屋根や、躯体外部に独立した支柱を立設し
て、スクリュージャッキ方式によって躯体の施工進捗状
況に対応して同支柱頂部に装架された仮設屋根を上昇せ
しめるもの等が提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】建造物の施工中の作業
環境を向上させて、作業員の確保、作業の効率化、安定
化を推進するための課題として、近年全天候型仮設屋根
の開発が進み、普及化されつつある。仮設屋根の架設方
法としては、建物の規模によっても異るが、前記した各
工法もその例であり、夫々特徴をもった架設方法であ
り、一応所期の目的は達成されている。

【０００５】しかしながら前記従来工法においては、建
造物外周に足場を組み立て、更に同足場に専用のタワー
を立設したり、特殊な昇降機械を使用しているので、架
設する機材が汎用性に欠け、また外部足場とともに、専
用タワーを必要とするなど、設置費が嵩み、簡便に架設
することが困難である。本発明は前記従来技術の問題点
に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、
構造がより簡略化され、架設機材に共通性を持たせて架
設費を低減し、多くの建物に適用できるリフトアップ式
全天候型仮設屋根のリフトアップ装置を提供する点にあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る全天候型仮設屋根のリフトアップ装置
は施工中の建造物の外周に組み立てられた足場内に、頂
部に開閉式屋根が装架されたリフトアップ支柱を、前記
足場に装着されたガイドローラを介して前記リフトアッ
プ支柱が建造物の施工進捗状況に応じて同支柱に装架さ
れた昇降手段によって上昇するように構成された仮設屋
根のリフトアップ装置において、前記昇降手段を介して
前記リフトアップ支柱の上昇分に相応する長さの継接用
支柱を、同リフトアップ支柱下端に継接したのち、同両
支柱共に上昇せしめるように構成されている。

【０００７】請求項２の発明は、前記リフトアップ支柱
の下端部に、一双の滑車を具え、且つ前記支柱下端部と
継脱自在の基礎柱を対設するとともに、前記支柱上部に
電動チェーンブロックを懸架し、前記足場における支柱
継接部より上部位置に係止部を配設し、同係止部に一端
を係止された昇降索の他端を、前記滑車を経由せしめて
前記チェーンブロックより懸吊されたチェーンに繋着
し、前記足場内に立設されたリフトアップ支柱の下部
に、リフトアップ時に用いる前記継接用支柱と前記ガイ
ドローラの仮受機構を設けて構成されている。

【０００８】

【作用】本発明は前記したように構成されているので、
建造物の進捗状況に応じて前記リフトアップ支柱に設置
された昇降手段によって上昇分に相当する長さの継接用
支柱をリフトアップ支柱の下端に継接して、同リフトア
ップ支柱と継接用支柱の両支柱を上昇することによっ
て、開閉式屋根が上昇して１階層の作業空間を確保でき
る。

【０００９】請求項２の発明によれば、前記リフトアッ
プ支柱の下端部と着脱自在に対設された基礎柱における
柱脚部の基礎部に対する固定を解除し、前記電動チェー
ンブロックを操作して昇降索を巻き上げ、基礎柱に装架
され、且つ昇降索が捲回された一双の滑車を介して前記
リフトアップ支柱を継接される支柱の高さまで吊り上げ
てガイドローラの仮受機構に一時仮置きして、基礎柱の
み旧の位置に戻し、その間に前記リフトアップ支柱下端
に同支柱上昇分の高さの継接用支柱を継接し、同継接用
支柱とともに、前記リフトアップ支柱を所要高さまで吊
り上げ、以下同様の工程を反覆してリフトアップを行
う。

【００１０】

【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明す
る。図１は本発明に係る全天候型仮設屋根のリフトアッ
プ装置の概念図を示し、施工中の建造物Ａを覆う開閉式
の全天候型仮設屋根Ｋがリフトアップ支柱１で支持さ
れ、同リフトアップ支柱１の下端は後述のようにアンカ
ーボルトを介して基礎に取り付けられた基礎柱２に接合
されて、建造物の外部足場３にガイドローラ４によって
鉛直に立設して固定されている。そして工事の進捗状況
に応じて前記仮設屋根Ｋを上昇させて、常に１階層の空
間Ｓを確保して雨天や直射日光を避けて快適な作業環境
を形成しうるようにしたものである。

【００１１】前記基礎柱２には一双の滑車５が装架さ
れ、リフトアップ支柱１の上部に電動チェーンブロック
６が懸吊され、同チェーンブロック６に捲装されたチェ
ーン７に一端を繋止された昇降索８の他端が前記一双の
滑車５を経由して外部足場３の上部係止部９に繋止され
ている。前記基礎柱２は鋼管柱より構成され、ベースプ
レート１０にアンカーボルト１１を介して接合されてい
る。１２は滑車軸受板、１３は滑車回転軸である。また
前記基礎柱２は上部リフトアップ支柱１に添板１４及び
ボルト１５、ナット１６を介して継接されるようになっ
ている。また前記基礎柱２を構成する鋼管柱の４隅には
リフトアップ支柱１、継接作業時の案内板１７が立設さ
れている。図中１８はボルト１５貫通用のボルト穴であ
る。

【００１２】図７及び図８はガイドローラ仮置機構を示
し、ガイドローラ１９は外部足場３間に架渡す横架材２
０と外部足場横枠３ａにクランプ２１を介して取り着け
られる取付杆２２とによって枠体が組立てられ、外部足
場３内に立設されたリフトアップ支柱１をリフトアップ
するとき、ガイドローラ１９が鋼管柱より構成されたリ
フトアップ支柱１の４隅に沿って転動するように横架材
２０に取付けられている。これに仮置機構が取り付けら
れ、同仮置機構は横架材２０間に横架された横受材２３
と仮置きする受材２４がボルト２５を介して着脱自在に
取り付けられ、同受材２４はリフトアップ支柱１側に固
着された仮置係止金物２６にボルト２７を介して着脱自
在に取り付けられている。

【００１３】次に前記仮設屋根Ｋのリフトアップ工程に
ついて説明する。図２は本装置による施工初期に設置し
た開閉仮設屋根で、建造物を平面的に覆う開閉型の全天
候型仮設屋根Ｋを設置するため、２階層分に相当するリ
フトアップ支柱１を外部足場３内にガイドローラ４を介
して挿通し、地盤基礎に固定されている基礎柱２と接合
して、前記電動チェーンブロック６、滑車５、及び昇降
索８より構成されたリフトアップ装置を取り付けてリフ
トアップ支柱１下部上昇分の長さの継接用支柱ｂを継接
していく。

【００１４】リフトアップの工程は図９（イ）に示すよ
うに、第１段の外部足場に仮置装置の付いたガイドロー
ラ４を取り付け、図９（ロ）に示すように基礎柱２とベ
ースプレート１０とのアンカーボルト１１によるアンカ
ーを解除し、電動チェーンブロック６を作動して昇降索
８を巻き上げて基礎柱２とともにリフトアップ支柱１を
巻き上げ、仮置装置の受材２４と横受材２３とをボルト
接合して受材２４を係止する。

【００１５】次いで図９（ハ）に示すように基礎柱２と
リフトアップ支柱１との接合を解除し、基礎柱２を降下
して継接用支柱ｂを基礎柱２とリフトアップ支柱１との
間に嵌入し、図９（ニ）に示すように継接用支柱ｂを前
記基礎柱２及びリフトアップ支柱１との間に嵌入し、そ
の上下を添板１４とボルト１５とによって接合し、この
工程を繰り返してリフトアップをするものである。

【００１６】以上の方法によって所要の階までリフトア
ップして作業階の空間を確保して、良好な環境下で作業
をすることができる。図１０は本発明の他の実施例を示
し、仮置装置のないガイドローラ４ａを装架した場合を
示すものである。図中、前記実施例と均等部分には同一
符号が附されている。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば前記したように、施工中
の建造物の外周に組立てられた足場内に、頂部に開閉式
屋根が装架されたリフトアップ支柱を、前記足場に装着
されたガイドローラを介して前記リフトアップ支柱を建
物の施工進捗状況に応じて同支柱に装架された昇降手段
によって上昇するように構成された仮設屋根のリフトア
ップ装置において、前記支柱に設けた昇降手段を介して
リフトアップ支柱の上昇分に相当する長さの継接用支柱
をリフトアップ支柱の下端に継接し、同リフトアップ支
柱と継接用支柱の両支柱を上昇することによって開閉式
屋根が上昇して１階層の作業空間を確保しうるものであ
る。このように本発明によれば簡単な構成で躯体工事の
進捗に応じて１階層分の作業空間が形成され、所要階ま
でリフトアップ支柱を介して仮設屋根を順次上昇させる
ことによって、従来のように特別なタワー等を設置する
ことなく低コストで設置することができ、部品の互換性
が図られ、降雨や直射日光を遮り工事の中断や灼熱の作
業環境を改善し、工期の短縮が図られるものである。

【００１８】請求項２の発明は、前記リフトアップ支柱
の下端部に、同リフトアップ支柱下端部と継脱自在で、
且つ一双の滑車を具え、前記支柱上部に電動チェーンブ
ロックを懸架し、前記足場における支柱継接部より上部
位置に設けた係止部に一端を係止された昇降索の他端を
前記滑車を経由せしめて前記チェーンブロックより懸吊
されたチェーンに繋着したことによって、リフト支柱の
上昇に対応してその下端に同支柱の上昇分の柱部材を補
充し、リフト支柱の連続上昇を可能ならしめるものであ
る。また足場内に立設されたリフトアップ支柱に前記継
接用支柱と同支柱のガイドローラ仮受機構を設けたこと
によって、リフトアップ支柱の上昇作業が円滑に行なわ
れるようにしたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る全天候型仮設屋根のリフトアップ
装置の一実施例の概要を示す縦断面図である。

【図２】前記装置のリフトアップ工程初期に開閉仮設屋
根を設置した状態を示す縦断面図である。

【図３】基礎柱と継接用支柱を示す斜視図である。

【図４】基礎柱と継接用支柱の接合部を示す立面図であ
る。

【図５】図４の平面図である。

【図６】リフトアップ支柱における各柱部材の接合状態
を示す立面図である。

【図７】継接用支柱とガイドローラの仮置部を示す斜視
図である。

【図８】前記仮置部端部とリフトアップ支柱の接合部を
示す側面図である。

【図９】（イ）（ロ）（ハ）（ニ）はリフトアップ支柱
と継接用支柱の継接工程を示す立面図である。

【図１０】本発明の他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 建造物 Ｋ 全天候型仮設屋根 Ｓ 空間 ｂ 継接用支柱 １ リフトアップ支柱 ２ 基礎柱 ３ 外部足場 ３ａ 外部足場横枠 ４ ガイドローラ ５ 滑車 ６ 電動チェーンブロック ７ チェーン ８ 昇降索 ９ 係止部 １０ ベースプレート １１ アンカーボルト １２ 滑車軸受板 １３ 滑車回転軸 １４ 添板 １５ ボルト １６ ナット １７ 案内板 １８ ボルト穴 １９ ガイドローラ ２０ 横架材 ２１ クランプ ２２ 取付杆 ２３ 横受材 ２４ 受材 ２５ ボルト ２６ 仮置係止金物 ２７ ボルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊野 俊昭 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目６番15号 株 式会社フジタ内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 施工中の建造物の外周に組み立てられた
   足場内に、頂部に開閉式屋根が装架されたリフトアップ
   支柱を、前記足場に装着されたガイドローラを介して前
   記リフトアップ支柱が建造物の施工進捗状況に応じて同
   支柱に装架された昇降手段によって上昇するように構成
   された仮設屋根のリフトアップ装置において、前記昇降
   手段を介して前記リフトアップ支柱の上昇分に相応する
   長さの継接用支柱を、同リフトアップ支柱下端に継接し
   たのち、同両支柱共に上昇せしめることを特徴とする全
   天候型仮設屋根のリフトアップ装置。
2. 【請求項２】 前記リフトアップ支柱の下端部に、一双
   の滑車を具え、且つ前記支柱下端部と継脱自在の基礎柱
   を対設するとともに、前記支柱上部に電動チェーンブロ
   ックを懸架し、前記足場における支柱継接部より上部位
   置に係止部を配設し、同係止部に一端を係止された昇降
   索の他端を、前記滑車を経由せしめて前記チェーンブロ
   ックより懸吊されたチェーンに繋着し、前記足場内に立
   設されたリフトアップ支柱の下部に、リフトアップ時に
   用いる前記継接用支柱と前記ガイドローラの仮受機構を
   設けた請求項１記載の全天候型仮設屋根のリフトアップ
   装置。