JPH07319181A - 機能分離型感光体の製造方法 - Google Patents
機能分離型感光体の製造方法Info
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- JPH07319181A JPH07319181A JP11669594A JP11669594A JPH07319181A JP H07319181 A JPH07319181 A JP H07319181A JP 11669594 A JP11669594 A JP 11669594A JP 11669594 A JP11669594 A JP 11669594A JP H07319181 A JPH07319181 A JP H07319181A
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Abstract
輸送層を形成するにあたり、その塗布液に使用する樹脂
の選択の許容幅を広くすることができ、且つ電荷輸送層
の白濁や支持体の上下方向における電荷輸送層の膜厚差
を少なくし、高品質な画像が得られる感光体の製造方法
の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明は、導電性支持体上に電荷発生層およ
び電荷輸送層を順次積層してなる機能分離型感光体の製
造方法において、電荷輸送層形成用塗布液の液温を、表
面に電荷発生層が形成された導電性支持体の温度よりも
高く設定し、前記導電性支持体を前記電荷輸送層形成用
塗布液中に浸漬塗布することにより、厚さ27〜50μ
mの電荷輸送層を形成することを特徴とする機能分離型
感光体の製造方法に関する。
Description
電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を順次積層
してなる機能分離型感光体の製造方法、特に浸漬塗布方
法によって厚膜の電荷輸送層を形成する機能分離型感光
体の製造方法に関するものである。
の感光層表面に帯電、露光を行って静電潜像を形成し、
これを現像剤で現像して可視化させ、その可視像をその
まま直接感光体に定着させて複写像を得る直接方式、ま
た感光体上の可視像を紙などの転写紙上に転写し、その
転写像を定着させて複写像を得る粉像転写方式あるいは
感光体上の静電潜像を転写紙上に転写し、転写紙上の静
電潜像を現像・定着する潜像転写方式等が知られてい
る。
体において、感光層を形成する場合には、その光導電性
材料として、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無
機系光導電性材料を用いることが知られている。
位に帯電できること、暗所で電荷の散逸が少ないこと、
あるいは光照射によって速やかに電荷を散逸できること
などの数多くの利点を持っている反面、次のような各種
の欠点を持っている。たとえば、セレン系の感光体で
は、製造コストが高く、また熱や機械的な衝撃に弱いた
め取扱に注意を要する。また、硫化カドミウム系感光体
では、多湿の環境下では安定したえ感度が得られない点
や、増感剤として添加した色素がコロナ帯電による帯電
劣化や露光による光退色を生じるため長期に渡って安定
した特性を与えることができない欠点を有している。
ゾールを始めとする各種の有機光導電性ポリマーを感光
層の形成に用いることも検討されてきた。これらのポリ
マーは、前述の無機系光導電性材料に比べて成膜性、軽
量性などの点で優れているが、未だ十分な感度、耐久性
および環境変化による安定性の点で無機系光導電性材料
に比べ劣るという欠点があった。
うな欠点を解決するため、近年において種々の研究開発
が行われ、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層
とからなる感光層を形成した機能分離型積層感光体や、
電荷発生材料と電荷輸送材料を含有した感光層を支持体
上に形成してなる機能分離型単層感光体が提案されてい
る。
用する物質の選択範囲が広く、帯電特性、感度、残留電
位、繰り返し特性、耐刷性等の電子写真特性において、
最良の物質を組み合わせることにより高性能な感光体を
提供することができるため、このような感光体が広く利
用されるようになった。
性をさらに改良する方法として、感光層の膜厚、具体的
には電荷輸送層の膜厚を厚くする方法があり、このよう
な厚膜の感光層を備えた感光体の製造方法が特開平3−
63653号公報において提案されている。同公報にお
いては、電荷輸送層の塗布液として、粘度平均分子量が
15000〜25000の縮合系ポリマーを含み、全固
形分濃度が25%以上で且つ粘度が50〜300センチ
ポアーズである塗布液を使用することにより、27μm
以上の厚さの電荷輸送層を形成した場合にも均一な塗膜
が得られることが記載されている。
殊な粘度範囲の樹脂を使用するものであり、従来20μ
m程度の電荷輸送層を形成するために使用されていた粘
度平均分子量26000〜60000程度の樹脂を使用
することができず、汎用性に乏しい技術であった。
基づいてなされたものであり、浸漬塗布方法によって厚
膜の電荷輸送層を形成するにあたり、その塗布液に使用
する樹脂の選択の許容幅を広くすることができ、且つ電
荷輸送層の白濁や支持体の上下方向における電荷輸送層
の膜厚差を少なくし、高品質な画像が得られる感光体の
製造方法の提供を目的とするものである。
合や、支持体にプラスチック等の熱導電性の悪い材料を
用いた場合に、電荷輸送層塗布時に発生する液ダレ、白
化および結晶析出を有効に防止することを目的とするも
のであり、具体的には、従来の製造条件では均一塗布が
困難であった膜厚27〜50μmにおいての塗布時の液
ダレを防止し、均一膜厚化を図ることを目的とするもの
である。
製造方法においては、機能分離型の積層感光体において
浸漬塗布方法によって電荷輸送層を形成するにあたり、
電荷輸送層の塗布液の温度を調整して塗布することによ
り、従来の電子写真感光体に認められるような上記のご
とき問題点がなく、感光体の作製時に塗工性が改善さ
れ、製造安定性が良く、しかも、高感度で長期使用期間
に渡って優れた機械的強度及び電子写真特性を維持する
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
生層および電荷輸送層を順次積層してなる機能分離型感
光体の製造方法において、電荷輸送層形成用塗布液の液
温を、表面に電荷発生層が形成された導電性支持体の温
度よりも高く設定し、前記導電性支持体を前記電荷輸送
層形成用塗布液中に浸漬塗布することにより、厚さ27
〜50μmの電荷輸送層を形成することを特徴とする機
能分離型感光体の製造方法に関する。
に電荷発生層と電荷輸送層を積層した構成の感光体を形
成する場合について具体的に説明する。
としては、銅、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル等の箔
ないしは板をシート状又はドラム状にしたものや、これ
らの金属をプラスチックフィルム等に真空蒸着、無電解
メッキ等によって付着させたもの、あるいは導電性ポリ
マー、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性化合物の層
を同じく紙あるいはプラスチックフィルム等の支持体上
に塗布もしくは蒸着によって形成したもの等を使用する
ことができる。
発生層を形成するにあたっては、電荷発生材料を導電性
支持体上に蒸着やプラズマ重合により、あるいは電荷発
生材料を適当な樹脂を溶解させた溶液中に分散させ、こ
の分散液を導電性支持体上に塗布し、乾燥させて形成す
る。なお、この電荷発生層については、その膜厚が0.
01〜2μm、好ましくは0.1〜1μmになるように
する。
としては、例えば、ビスアゾ系顔料、トリアリールメタ
ン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサン
テン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系染料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、インジ
ゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベ
ンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクア
リリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料
及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、
硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファス
シリコン等の無機材料を使用することができる。
脂としては、例えば、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロースエステル、ポリイミド、スチロール樹
脂、ポリアセタール樹脂、フェノキシ樹脂等の熱可塑性
結着剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ア
ルキッド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化結着
剤、光硬化性樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リビニルピレン、ポリビニルアントラセン等の光導電性
樹脂を使用することができる。
脂と共に、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチル
エーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等の
エステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエ
チレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハ
ロゲン化炭化水素類あるいはベンゼン、トルエン、キシ
レン、リグロイン、モノクロルベンゼン、ジクロルベン
ゼン等の芳香族類等の有機溶剤に分散あるいは溶解させ
て調製した塗液を、上記の導電性支持体上に塗布し、乾
燥させて電荷発生層を設けるようにする。
体上に塗布する方法としては、浸漬コーティング法、ス
プレーコーティング法、スピナーコーティング法、ブレ
ードコーティング法、ローラーコーティング法、ワイヤ
ーバーコーティング法等の色々なコーティング法を用い
ることができる。
発生層の上に電荷輸送層を設けるにあたっては、電荷輸
送材料とバインダー樹脂を適当な溶剤を用いて溶解し、
塗布液を調整する。そして、電荷発生層が形成された導
電性支持体をこの塗布液中に浸漬させ、塗布液から引き
上げ、この塗布液を上記電荷発生層上に塗布し、乾燥さ
せて電荷輸送層を形成する。この場合、電荷輸送層の膜
厚は27〜50μm、好ましくは30〜40μmとなる
ように形成する。電荷輸送層の膜厚を上記範囲とするこ
とにより、感光体の機械的な耐久性を向上させることが
できる。また、電荷輸送層中の電荷輸送材料の含有量
は、上記結着剤樹脂1重量部に対して0.02〜2重量
部、好ましくは0.5〜1.2重量部となるようにす
る。なお、電荷輸送材料は2種以上組み合わせて使用し
てもよい。
輸送材料としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合
物、スチリル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキ
サジアゾール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン
化合物、エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジジン化合
物、アジン化合物等色々なものを使用することができ
る。具体的には、例えばカルバゾール、N−エチルカル
バゾール、N−ビニルカルバゾール、N−フェニルカル
バゾール、テトラセン、クリセン、ピレン、ペリレン、
2−フェニルナフタレン、アザピレン、2,3−ベンゾ
クリセン、3,4−ベンゾピレン、フルオレン、1,2−
ベンゾフルオレン、4−(2−フルオレニルアゾ)レゾル
シノール、2−p−アニソールアミノフルオレン、p−ジ
エチルアミノアゾベンゼン、カジオン、N,N−ジメチ
ル−p−フェニルアゾアニリン、p−(ジメチルアミノ)ス
チルベン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼ
ン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、
2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,5
−オキサジアゾール、1−フェニル−3−(p−ジエチル
アミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1−フェニル−3−フェニル−5−ピラゾリ
ン、2−(m−ナフチル)−3−フェニルオキサゾール、
2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミ
ノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール、ビス(4−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタ
ン、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−エ
チルフェニル)ヘプタン、N,N−ジフェニルヒドラジノ
−3−メチリデン−10−エチルフェノキサジン、N,
N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エ
チルフェノチアジン、1,1,2,2−テトラキス−(4−
N,N−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)エタン、
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン、p−ジフェニルアミノベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−エチルカルバゾ
ール−N−メチル−N−フェニルヒドラゾン、p−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−
フェニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾ
ン、2−メチル−4−N,N−ジフェニルアミノ−β−
フェニルスチルベン、α−フェニル−4−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベン、ビスジエチルアミノテトラフ
ェニルブタジエン等の電荷輸送物質を、単独または2種
以上混合して使用する。
ダー樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および光導
電性樹脂等を使用することができる。
特にこれらに限定されるものではないが、例えば、飽和
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共
重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、ポリアリレート、ポリカーボネート、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリ
イミド、スチロール樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノ
キシ樹脂等の熱可塑性結着剤、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化性アクリル
樹脂等の熱硬化結着剤、光硬化性樹脂、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアント
ラセン等の光導電性樹脂がある。なお、これらのバイン
ダー樹脂は、単独で、または組み合わせて使用すること
ができ、またこれらの電気絶縁性は、単独で測定して1
×1012Ω・cm以上の体積抵抗率を有することが望ま
しい。より好ましいバインダー樹脂としてはポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
ステルカーボネート樹脂である。
26000〜60000程度の縮合系樹脂を好適に使用
することができる。バインダー樹脂の粘度平均分子量を
大きくする程塗膜強度(硬度)を大きくすることができ
るが、粘度平均分子量が26000未満では塗膜強度の
点で不十分であり、60000を越えると溶剤に対する
溶解性が悪くなり、塗布液の粘度が高くなり易いため塗
工性が悪くなる。
に、必要によりハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェ
ニル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、ター
フェニル、ベンジルジフェニル等の可塑剤、クロラニ
ル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキノン、テ
トラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フタル酸、
3,5−ジニトロ、シアノビニル化合物、安息香酸等の
電子吸引性増感剤、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等
の分光増感剤、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防
止剤、ベンゾトリアゾール化合物等の紫外線吸収剤等一
般的に公知な添加剤を使用してもよい。
の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル、四塩
化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、
テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド
等を挙げることができる。
よく、あるいは、2種以上を混合溶媒として併用しても
よい。
送材料とバインダー樹脂を含有し全固形分濃度が18〜
25重量%、粘度が150〜450cPとなるように上
記溶媒の量を調整する。固形分濃度が18重量%より低
いと塗布膜のたれが大きくなり、また乾燥時間も長くな
るため塗布膜の白濁等の欠損を生じ易くなる。固形分濃
度が25重量%よりも大きくなると、レベリング効果が
表れにくくなり均一な塗布液や塗布膜を得にくくなる。
また、塗布する速度を非常に遅くしないと塗布すること
ができなくなり作業性が低下してしまう。塗布液の粘度
が150cPより低いと塗布膜のたれが大きくなり、電
荷輸送層の上下の膜厚差や膜厚ムラが大きくなる。粘度
が450cPより高くなるとドラム円周方向の不均一性
が生じ易くなり、また塗布する速度を非常に遅くしない
と塗布することができなくなり作業性が低下してしま
う。
荷発生層上に、均一な膜厚を持つ電荷輸送層が形成さ
れ、感光体における画像安定性や耐刷性が向上されるよ
うになるとともに、レーザープリンター等において反転
現像する場合に生じる白紙部での黒斑点(黒ポチ)等が
抑制されるようになる。
も高く設定して塗布する。具体的には支持体の温度より
も1〜10℃高くなるように塗布液を調整する。これ
は、塗布液の温度が支持体の温度と同等もしくは低い
と、乾燥が遅いために表面が白化したり、乾燥のムラが
生じたりするためである。また、上述した範囲内で塗布
液の温度を高くすると溶剤の蒸気が発生するため、塗膜
の白化現象を有効に防止することができる。また、バイ
ンダー樹脂として上述したように広い粘度平均分子量範
囲のものを使用することができ、従来より電荷輸送層用
に使用されていた樹脂が使用可能となり汎用性が広が
る。
の温度は室温となるようにし、塗布液をヒーター等の熱
媒と攪拌により上記温度範囲となるように調整すること
が好ましい。一方、支持体自体の温度を下げて調節する
と、支持体に温度分布を生じたり、製造上複雑になった
りするため好ましくない。また、塗布液の液温をあまり
高くすると塗布液の溶剤が蒸発するために粘度変化を生
じたり、ヒーターの容量が多くかかる等の問題が生じ
る。
においても、必要に応じて、導電性支持体と電荷発生層
との間に中間層を、また電荷輸送層の表面に表面保護層
を設けることができる。
ポリイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアルコール等のポリマーをそ
のまま、あるいはこれに酸化スズや酸化インジウム等の
低抵抗化合物を分散させたものや、酸化アルミニウム、
酸化亜鉛、酸化ケイ素等の蒸着膜が適当であり、その膜
厚が1μm以下になるように形成することが望ましい。
アクリル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ウレタン樹脂等のポリマーをそのまま、または酸化
スズや酸化インジウム等の低抵抗化合物を分散させたも
の等が適当である。また、この有機プラズマ重合膜を使
用することもでき、この有機プラズマ重合膜には、必要
に応じて酸素、窒素、ハロゲン、周期律表第III族、第
V族の原子を含めることも可能である。 なお、表面保
護層は、その膜厚が5μm以下になっていることが望ま
しい。
のに使用する塗布装置の一例及びその使用方法を第1図
に基づいて説明する。
うに、電荷発生層の設けられた円筒状の支持体(1)を
適当な支持手段(図示せず)によって浸漬槽(3)上に
保持するようになっている。
の支持体(1)に塗布する電荷輸送層形成用塗布液
(2)が収納されている。この塗布液(2)は、前記の
ように支持体の温度よりも高く調整されている。
オーバーフロー受け部(4)が設けけられており、上記
円筒状の支持体(1)を浸漬槽(3)内に浸漬させた場
合、浸漬槽(3)からオーバーフローした塗布液(2)
を収容させるようになっている。
(2)を供給するためのノズル(21)が設けられてお
り、このノズル(21)は、パイプ(17)によってポ
ンプ(18)、フィルター(19)およびバルブ(2
0)を介して集中タンク(5)の底部に設けられた排出
口に接続されている。集中タンク(5)には、攪拌機
(11)および温度調節器(12)が設けられている。
オーバーフロー受け部(4)の底部に排出口(4a)を
設け、この排出口(4a)と集中タンク(5)とを、適
当な位置にバルブ(6)が設けられた回収用パイプ
(7)によって接続し、オーバーフロー受け部(4)に
収容された塗布液(2)を集中タンク(5)に回収させ
るようになっている。
液(2)を集中タンク(5)に回収させるための回収口
(3a)を設け、この回収口(3a)に取り付けられた
バイパス管(8)を上記回収用パイプ(7)に切り替え
バルブ(9)を介して接続されている。
塗布液(2)を集中タンク(5)に回収させる場合に
は、この切り替えバルブ(9)によって、バイパス管
(8)と上記回収用パイプ(7)とを連結させて、浸漬
槽(3)下部の回収口(3a)からバイパス管(8)と
回収パイプ(7)とを通し塗布液(2)を集中タンク
(5)に回収させるようになっている。
収する上記集中タンク(5)には、上記のように集中タ
ンク(5)内に導かれた塗布液(2)の温度を調節する
温度調節手段(10)が設けられている。この温度調節
手段(10)によって支持体の温度よりも高くなるよう
に調整されている。そして、温度が高くなり過ぎたり塗
布液が少なくなった場合には、補助タンク(13)と集
中タンク(5)とを結ぶ塗液供給管(14)に設けられ
た電磁弁(15)を開き前記攪拌手段(11)によって
塗布液(2)を攪拌しながら、集中タンク(5)内にお
ける塗布液(2)の温度が所定の温度になるまで、上記
補助タンク(13)内に収容された塗液(16)を集中
タンク(5)に供給するようにしている。
ロー受け器(4)に流出し、集中タンクに入った塗布液
(2)を、ポンプ(18)によってフィルター(19)
に導き、流出した塗布液(2)中に混在するゴミ等を取
り除いた後、ノズル(21)から再び浸漬槽(3)へ供
給するようになっている。
の円筒状の支持体(1)上に形成された電荷発生層上に
塗布液(2)を塗布し、電荷輸送層を形成するにあたっ
ては、前記支持手段によって、この支持体(1)を塗布
液(2)が収容され、環境温度よりも高く設定された浸
漬槽(3)内に浸漬させた後、この浸漬槽(3)から支
持体(1)を1〜15r香^秒の引き上げ速度で引き上げ
て、この支持体(1)上に塗布液(2)を塗布し、これ
を乾燥させて電荷輸送層を形成する。
は、特にアルミニウムドラムとガラス円筒が適してい
る。なお、この円筒状の支持体(1)は、その両端が開
口したものであっても、片方だけが開口したものであっ
てもよい。
は、このような円筒状のものに限られず、シート状や板
状のものも使用することができる。
た具体的な実施例について説明するとともに、比較例を
示してこの発明の実施例のものが優れていることを明ら
かにする。
マイト処理を施した外径80mm、長さ350mmのア
ルミニウムドラムを用いるようにした。
[A]で表されるトリスアゾ顔料:
脂(アセチル化度3モル%、ブチル化度68モル%、重
合度1500)0.5重量部をシクロヘキサノン100
重量部とともにサンドミルを用いて分散させ、この分散
液を上記アルミニウムドラム上に浸漬塗布させ、このア
ルミニウムドラム上に0.3g/m2の電荷発生層を形
成した。
成するにあたっては、下記化学式[B]で表されるジア
ミノ化合物:
−1300:粘度平均分子量30000:帝人化成社
製)600重量部およびジter−ブチルヒドロキシト
ルエン(BHT)40重量部をジクロルメタン4600
重量部に溶解させ、固形分濃度18.4%、粘度260
cPの塗布液を調整した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
3℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を26℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、8m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は3
0μmであった。
ニウムドラム上に電荷発生層を形成した。
成するにあたっては、上記ジアミノ化合物[B]600
重量部、ポリカーボネート樹脂(C−1400:粘度平
均分子量40000:帝人化成社製)600重量部およ
びジter−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)50
重量部をテトラヒドロフラン4620重量部に溶解さ
せ、固形分濃度21.3%、粘度220cPの塗布液を
調整した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
1℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を25℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、8m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は3
5μmであった。
ニウムドラム上に電荷発生層を形成した。
成するにあたっては、上記ジアミノ化合物[B]500
重量部、ポリカーボネートZ樹脂(TS−2050:粘
度平均分子量50000:帝人化成社製)500重量部
およびジter−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)
50重量部をテトラヒドロフラン4050重量部に溶解
させ、固形分濃度20.6%、粘度326cPの塗布液
を調整した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
2℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を27℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、6m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は4
0μmであった。
ニウムドラム上に電荷発生層を形成した。
成するにあたっては、上記ジアミノ化合物[B]600
重量部、特殊ポリカーボネート樹脂(K−1285:粘
度平均分子量27000:帝人化成社製)600重量部
およびジter−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)
90重量部をジクロルメタン4200重量部に溶解さ
せ、固形分濃度23.5%、粘度430cPの塗布液を
調整した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
0℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を24℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、4m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は4
5μmであった。
ニウムドラム上に電荷発生層を形成した。
成するにあたっては、上記ジアミノ化合物[B]660
重量部、ポリカーボネート樹脂(Z−300:粘度平均
分子量30000:三菱ガス化学社製)600重量部お
よびジter−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)1
00重量部をテトラヒドロフラン4200重量部に溶解
させ、固形分濃度24.5%、粘度160cPの塗布液
を調整した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
2℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を25℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、7m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は4
2μmであった。
ニウムドラム上に電荷発生層を形成した。
成するにあたっては、上記ジアミノ化合物[B]600
重量部、ポリカーボネート樹脂(PC−BP:粘度平均
分子量40000:出光興産社製)600重量部および
ジter−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)90重
量部をテトラヒドロフラン4500重量部に溶解させ、
固形分濃度22.3%、粘度257cPの塗布液を調整
した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
0℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を24℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、7m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は3
8μmであった。
温(23℃)としたこと以外は、実施例1と全く同様に
して電荷輸送層を塗布し、感光体を作製した。
ニウムドラム上に電荷発生層を形成した。
成するにあたっては、上記ジアミノ化合物[B]600
重量部、ポリカーボネート樹脂(L−1225:粘度平
均分子量22500:帝人化成社製)600重量部およ
びジter−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)60
重量部をジオキサン/テトラヒドロフラン=1/1の混
合液2800重量部に溶解させ、固形分濃度28.0
%、粘度190cPの塗布液を調整した。
(3)および集中タンク(5)に投入し、塗布環境を2
2℃に設定し、支持体の温度を設定温度に調整した。
設定し、塗布液の温度を22℃に調整した。
支持体を上から10mmの高さまで浸漬させた後、8m
m/秒の速さで引き上げ、電荷輸送層を浸漬塗布した。
塗布後、110℃で乾燥させたところ乾燥後の膜厚は4
0μmであった。
表面の塗工性を目視観察して評価した。塗工性について
は、液ダレや電荷輸送層の白濁が全く生じていないもの
を○、液ダレや白濁が生じたものを×として評価した。
目視観察して評価した。塗布液について白濁や結晶化が
全く生じていないものを○、白濁や結晶化が生じたもの
を×として評価した。
複写機(ミノルタカメラ社製;EP5400)を用いて
画像評価した。市販の1mm方眼のグラフ用紙を複写し
たときに、均一にグラフ用紙が再現された場合を○、画
像にカブリが生じたりグラフ画像に白抜けが生じた場合
を×として評価した。
て1万枚の複写を行った場合の感光体の削れ量(μm)
を測定した。
体の上下における膜厚の差(両端より3cm離れた部分
における膜厚の差)についても評価した。
施例に係るものは、比較例のものに比べて全体的に画像
特性に優れるとともに、感光体上下における膜厚差も少
なく、塗布液の塗工性にも優れていた。
づいて感光体を製造した場合には、電荷輸送層に使用す
るバインダー樹脂の選択幅が広がり汎用性が高くなると
ともに、液だれ等が抑えられ、乾燥時に白化現象を起こ
すことがなく、均一な膜厚を持つ電荷輸送層が形成され
るようになり、感光体の画像安定性や耐刷性が向上され
る。
浸漬槽、5:集中タンク、11:攪拌機、10:温度調
節機、13:補助タンク、18:ポンプ、19:フィル
ター。
Claims (2)
- 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層および電荷
輸送層を順次積層してなる機能分離型感光体の製造方法
において、電荷輸送層形成用塗布液の液温を、表面に電
荷発生層が形成された導電性支持体の温度よりも高く設
定し、前記導電性支持体を前記電荷輸送層形成用塗布液
中に浸漬塗布することにより、厚さ27〜50μmの電
荷輸送層を形成することを特徴とする機能分離型感光体
の製造方法。 - 【請求項2】 前記電荷輸送層形成用塗布液が、少なく
とも電荷輸送材料と粘度平均分子量26000〜600
00の縮合系ポリマ−を含有してなり、且つ前記塗布液
の全固形分濃度が18〜25重量%、粘度が150〜4
50cPであることを特徴とする請求項1記載の機能分
離型感光体の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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1994
- 1994-05-30 JP JP06116695A patent/JP3125581B2/ja not_active Expired - Fee Related
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