JPH07316836A - 高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材 - Google Patents

高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材

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JPH07316836A
JPH07316836A JP7320595A JP7320595A JPH07316836A JP H07316836 A JPH07316836 A JP H07316836A JP 7320595 A JP7320595 A JP 7320595A JP 7320595 A JP7320595 A JP 7320595A JP H07316836 A JPH07316836 A JP H07316836A
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chromate
phase silica
chromium
chromate layer
corrosion resistance
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JP7320595A
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Katsuhei Kikuchi
池 勝 平 菊
Yoshihiro Naruse
瀬 義 弘 成
Keizou Okuno
埜 計 造 奥
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた耐蝕性と塗装性(塗装密着性)との両方
を備えるクロメート処理鋼材を提供する。 【構成】液相シリカとクロム酸化合物とを含有し、液相
シリカ量とクロム量との重量比SiO2 /Crが1〜6
である液相シリカクロメート層と、気相シリカとクロム
酸化合物とを含有し、気相シリカ量とクロム量との重量
比SiO2 /Crが1〜5である気相シリカクロメート
層とを、例えば、両クロメート層(液相シリカクロメー
ト層が下層)を鋼板の両面に、あるいは鋼板の一面に液
相シリカクロメート層で多面に気相シリカクロメート層
を、あるいは鋼板の両面に液相シリカクロメート層に形
成して一面に気相シリカクロメート層を、それぞれ形成
することにより、前記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材や亜鉛または亜鉛
合金めっき鋼材等の耐蝕性および塗装性(塗装密着性)
を同時に向上させたクロメート処理鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼材や亜鉛または亜鉛合金めっき
鋼材等のめっき鋼材の防錆処理として種々のクロメート
処理方法が実用化され、使用されている。それらの中で
も特に高耐蝕性を得る処理としては、クロメート処理液
中にシリカゾルや3価のクロムイオンを添加する方法が
公知である(例えば、特公昭42−14050号、同5
2−2851号の各公報等参照)。また、これらをさら
に改良し、塗装密着性と耐蝕性を向上させるものが、例
えば、特公昭61−58552号公報に開示されてい
る。さらに、塗装用途に関しては、特開昭62−222
839号や特公平3−66393号の各公報等に開示さ
れている。
【0003】ところで、クロメート処理鋼材は、近年で
は、塗装されずにそのまま裸で家電装品、家具、自動車
部品等に使用されるケースが増大している。ところが、
前記各公報に開示される従来の方法で製造されたクロメ
ート処理鋼材は、クロメート特有の黄色味が強く(b値
が大きい)、外観の秀麗性を重要視する需要家(ユー
ザ)からは不評であった。しかも、Cr固定率が小さい
場合には、プレス等の後に実施されるアルカリ脱脂の際
にクロムが溶出して脱脂槽中に蓄積するので、排水時に
は環境対策が必要になるなどの問題が生じる。このよう
な問題を解決する方法として、本出願人は、3価クロム
/6価クロムの重量比が1/2〜1/1で、さらにシリ
カゾル、リン酸、亜鉛等を所定量含有するクロメート処
理液を用い、6価クロム/全クロムの重量比が0.3以
下のクロメート層を形成するクロメート処理材の製造方
法を先に特願平1−204346号で提案している(特
開平3−68783号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、クロメ
ート処理材には裸(無塗装)使用に対応する各種の性能
が要求されているが、さらに近年では、裸使用での高耐
蝕性を保持すると同時に、塗装して使用する際の塗装密
着性に優れたクロメート処理鋼材の出現が需要家から望
まれている。すなわち、例えば鋼板であれば、クロメー
ト処理された鋼板の一方の面を裸で使用し、他方の面を
塗装して使用するのである。しかしながら、前述の各公
報に開示されるクロメート処理材では、耐蝕性を延ばし
ていくと反対に塗装後の密着性が劣化していく傾向にあ
り、従来の製造方法ではこのような両者の性能を同時に
満足させることはできなかった。
【0005】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、従来のクロメート処理材では実現
することができなかった、優れた耐蝕性と塗装性(塗装
密着性)との両方を備えるクロメート処理鋼材を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の欠点を改善すべく研究を進めた結果、耐蝕性を確
保するためにはクロメート層への液相シリカの添加が不
可欠であり、良好な塗装密着性を得るためにはクロメー
ト層への粒子状気相シリカの添加が不可欠であることが
わかった。さらに、それぞれを単独で使用したのでは良
好な耐蝕性と塗装密着性とを同時に得ることは困難であ
り、両者を使用して初めて耐蝕性および塗装密着性の両
者を確保できることを見出した。
【0007】すなわち、本発明の第1の態様は、鋼材の
表面に、液相シリカを含有し、前記液相シリカと金属ク
ロム換算のクロム付着量との重量比SiO2 /Crが1
〜6である第1クロメート層と、前記第1クロメート層
上に、気相シリカを含有し、前記気相シリカと金属クロ
ム換算のクロム付着量との重量比SiO2 /Crが1〜
5である第2クロメート層とを有し、前記第1クロメー
ト層および第2クロメート層のクロム付着量の合計が金
属クロム換算で10mg/m2 〜200mg/m2 である高耐食
性良塗装性クロメート処理鋼材を提供する。
【0008】また、前記本発明の第1の態様において、
前記鋼材が鋼板またはめっき鋼板であるのが好ましい。
【0009】また、本発明の第2の態様は、鋼板または
めっき鋼板の一方の面に、液相シリカを含有し、前記液
相シリカと金属クロム換算のクロム付着量との重量比S
iO 2 /Crが1〜6であるクロメート層を有し、前記
鋼板またはめっき鋼板の他方の面に、気相シリカを含有
し、前記気相シリカと金属クロム換算のクロム付着量と
の重量比SiO2 /Crが1〜5であるクロメート層を
有し、各クロメート層のクロム付着量が金属クロム換算
で10mg/m2 〜200mg/m2 である高耐食性良塗装性ク
ロメート処理鋼材を提供する。
【0010】さらに、本発明の第3の態様は、鋼板また
はめっき鋼板の両面に、液相シリカを含有し、前記液相
シリカと金属クロム換算のクロム付着量との重量比Si
2/Crが1〜6である第1クロメート層を有し、前
記鋼板またはめっき鋼板のいずれか一方の面の第1クロ
メート層上に、気相シリカを含有し、前記気相シリカと
金属クロム換算のクロム付着量との重量比SiO2 /C
rが1〜5である第2クロメート層を有し、前記鋼板の
片面当たりにおけるクロメート層のクロム付着量の合計
が金属クロム換算で10mg/m2 〜200mg/m2 である高
耐食性良塗装性クロメート処理鋼材を提供する。
【0011】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。前述の
ように、耐蝕性を向上させるためにはクロメート層中へ
の液相シリカの添加が必要である。一方、塗料密着性を
向上させるためにはクロメート層中への気相シリカの添
加が効果的であるが、耐蝕性の向上に効果的な液相シリ
カの添加は、塗装密着性を低下させる。しかも、一方の
シリカだけを用いただけでは、耐蝕性および塗装密着性
を同時に満足させることができない。
【0012】本発明の高耐食性良塗装性クロメート処理
鋼材(以下、クロメート処理鋼材とする)は、両者の特
徴を発揮させるために、塗料密着性の向上に効果がある
気相シリカを含有するクロメート層(以下、気相シリカ
クロメート層とする)と、耐蝕性の向上に効果がある液
相シリカを含有するクロメート層(以下、液相シリカク
ロメート層とする)との両方を形成すると共に、塗装が
施される部位には、気相シリカクロメート層のみを形
成、あるいは、塗装密着性に悪影響を与える液相シリカ
クロメート層を下層として、その上層に気相シリカクロ
メート層を形成する。このように両クロメート層を形成
することにより、耐蝕性および塗装密着性の両者を同時
に満足させることが可能となる。
【0013】より具体的には、本発明の第1の態様で
は、鋼板、めっき鋼板、鋼管等の鋼材の表面に耐蝕性を
向上する液相シリカクロメート層(第1クロメート層)
を形成し、その上層に塗装密着性を向上する気相シリカ
クロメート層(第2クロメート層)を形成する。また、
本発明の第2の態様では、鋼板あるいはめっき鋼板の一
方の面に液相シリカクロメート層を形成し、他方の面す
なわち塗装が施される面に気相シリカクロメート層を形
成する。さらに、本発明の第3の態様では、鋼板あるい
はめっき鋼板の両面に液相シリカクロメート層(第1ク
ロメート層)を形成し、液相シリカクロメート層が形成
された鋼板のいずれか一方の面すなわち塗装が施される
面の液相シリカクロメート層の上層に気相シリカクロメ
ート層(第2クロメート層)を形成する。
【0014】液相シリカクロメート層中に添加する液相
シリカは、水ガラスを出発原料にしたもので、いわゆる
コロイダルシリカが好適に利用される。このような液相
シリカとしては、スノーテックス(日産化学社製)等の
各種の市販品を使用すればよい。液相シリカの粒径につ
いては特に限定しないが、クロメート処理液中でのコロ
イドの安定性が良好であり、凝集沈殿しないものを選定
する必要がある。
【0015】気相シリカクロメート層中に添加する気相
シリカ(ヒュームドシリカ)は、有機シリカ化合物等を
気相で熱分解等を行って製造されたシリカ粒子で、総称
して気相シリカと称される。例えば、揮発性シラン化合
物の酸水素炎中における加水分解により製造された極め
て微細な二酸化珪素や、四塩化珪素等を出発原料にして
気相法により微粒子状にしたもの等が例示される。気相
シリカの粒径については特に限定しないが、クロメート
処理液中での分散性が良好であり、凝集沈殿しないもの
を選定する必要がある。
【0016】本発明のクロメート処理鋼材は、このよう
なシリカを添加・分散したクロメート処理液を用い、例
えば、めっき鋼板の表面にこのクロメート処理液を塗布
して乾燥する等、各種の公知のクロメート処理法によっ
て、鋼材(鋼板)の表面に前述の各態様に示されるよう
に液相シリカクロメートおよび気相シリカクロメートを
形成することによって製造される。なお、このクロメー
ト処理液は、クロム酸、無水クロム酸、重クロム酸など
の水溶液を基本とする通常のクロメート処理液に、前記
シリカを添加・分散して作製すればよい。また、クロメ
ート処理液中のクロムは部分的に還元、好ましくは30
〜80%(Cr3+/CrTotal ) 程度還元されているの
がよい。
【0017】液相シリカクロメート層における液相シリ
カの含有量は、液相シリカクロメート層中のクロム付着
量(金属クロム換算)に対して、重量比で1〜6倍であ
る(SiO2 /Cr=1〜6)。液相シリカの含有量が
クロム付着量の1倍未満では耐蝕性を十分確保できず、
6倍を超えると耐蝕性は充分となるが、クロム固定率の
低下およびb値の増大を招き、また導電性および溶接性
が不良になるので好ましくない。なお、液相シリカの含
有量は、好ましくはSiO2 /Cr=1〜4である。
【0018】気相シリカクロメート層における気相シリ
カの含有量は、気相シリカクロメート層中のクロム付着
量(金属クロム換算)に対して、重量比で1〜5倍であ
る(SiO2 /Cr=1〜5)。気相シリカの含有量が
クロム付着量の1倍未満では塗装密着性が不十分であ
り、5倍を超えると、Cr固定率の低下、b値の増大、
導電性および溶接性の低下等の各種の不都合が生じ、さ
らに、クロメート処理液中での気相シリカの分散安定性
が低下し、かつ経済的にも好ましくない。なお、気相シ
リカの含有量は、好ましくはSiO2 /Cr=1〜4で
ある。
【0019】本発明のクロメート処理鋼材において、液
相シリカクロメート層および気相シリカクロメート層を
合計した総クロム付着量は、金属クロム換算で10mg/m
2 〜200mg/m2 の範囲である。基材となる鋼材が犠牲
防食性のある亜鉛および亜鉛系合金めっき鋼材等の良好
な耐蝕性を有するものであれば、クロム付着量は10mg
/m2 〜100mg/m2 の範囲で充分である。他方、鉄素地
が露出する鋼材等では、クロム付着量はさらに200mg
/m2 の範囲まで必要である。クロム付着量が10mg/m2
未満では裸耐蝕性を十分に確保できず、200mg/m2
超えてもそれ以上の耐蝕性は一般的に不要でコストアッ
プになり、また良好な外観が得られなくなるためであ
る。なお、各クロメート層ともに、クロム付着量は、少
なくとも5mg/m2 は必要である。また、基材が鋼板であ
る場合は、クロム付着量は1面当たり合計(1層の場合
は1層で)で10mg/m2 〜200mg/m2 である。また、
第1の態様を鋼板に利用する場合は、両クロメート層は
基本的に両面に形成されるが、鋼板の用途に応じて片面
のみにクロメート層を形成してもよい。
【0020】本発明のクロメート処理材において、基材
となる鋼材や鋼板には特に限定はなく各種の公知の鉄鋼
材料が利用可能である。また、めっき材である場合に
は、亜鉛またはZn−Ni、Zn−Fe、Zn−Al、
Zn−Crなどの2元合金、さらにはZn−Ni−C
o、Zn−Al−Crなどの多元合金などを広く含むめ
っき好ましくは亜鉛系めっきを施したものが利用可能で
あり、また溶融めっき、電気めっき、あるいは蒸着めっ
き等のめっき手段にも限定はない。また、本発明の第1
の態様においては、鋼板、型鋼、鋼管、線材等の各種の
鋼材が利用可能であり、形状等により制限を受けるもの
ではない。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0022】[実施例1]電気亜鉛めっき鋼板(目付量
20g/m2)、溶融亜鉛めっき鋼板(付着量90g/m2)、
Zn−Ni合金めっき鋼板(Ni12%・付着量20g/
m2)、Niめっき鋼板(付着量5g/m2)、および冷延鋼
板(SPCD相当)を基材(下地)として、Cr還元率
40%(Cr3+/CrTotal ) で金属クロム換算で4w
t%のクロム、および液相シリカ(スノーテックスO
粒径10〜20nm:日産化学社製)を含むクロメート処
理液を塗布して温度150℃で乾燥して、表1に示すク
ロム付着量(金属クロム換算)および液相シリカ含有量
(SiO2 /Cr重量比)の第1クロメート層(液相シ
リカクロメート層)を形成した。
【0023】このような第1クロメート層の上層に、C
r還元率40%で金属クロム換算で4wt%のクロム、
および気相シリカ(AEROSIL 130 粒径約16nm:日
本アエロジル社製)を含むクロメート処理液を塗布し、
温度250℃で乾燥して、表1に示すクロム付着量(金
属クロム換算)および気相シリカ含有量(SiO2 /C
r重量比)の第2クロメート層(気相シリカクロメート
層)を形成して、表1に示される各種のクロメート処理
鋼材を作製した。
【0024】また、表1に示されるように、第1クロメ
ート層あるいは第2クロメート層のみを単独で形成した
クロメート処理鋼材も作製した。なお、この場合は、乾
燥温度は一律250℃とした。
【0025】このようにして得られた各種のクロメート
処理鋼材について、下記の方法で裸耐蝕性および塗装密
着性を試験し、また、各クロメート層の形成に用いたク
ロメート処理液の安定性を調査した。
【0026】<裸耐蝕性>SST促進試験(JIS Z
2371に準じる)で5%白錆発生率時間により評価
した。評価基準は、面積比で5%の白錆発生時間が75
時間以内であれば×、75〜150時間であれば△、1
50〜250時間であれば○、250時間を越えるもの
は◎とした。なお、下地がNiめっき鋼板および冷延鋼
板である例に関しては、5%赤錆発生時間が50時間以
下の場合は×、50〜100時間のものは○、100時
間を越えるものは◎とした。
【0027】<塗装密着性>粉体ポリエステル系樹脂塗
料(コナック#1600:日本油脂社製)を塗布後、1
80℃で20分乾燥焼付し、乾燥膜厚50μmの樹脂塗
膜を形成した。得られた平板に碁盤目(1mm角、100
個)カットしたものをエリクセン試験機で8mm押出し後
のテープ剥離による塗膜残存率で評価した。塗装密着性
の評価基準は、塗膜残存率が70%以下であれば×、7
0〜85%であれば△、86〜95%であれば○、95
%を越えるものは◎とした。さらに、メラミン樹脂塗料
(オルガノセレクト120ホワイト:日本ペイント社
製)を塗布し、130℃で15分乾燥焼付し、20μm
の樹脂塗膜を形成した際においても、同様の評価を行な
った。
【0028】<液安定性>クロメート処理液中でシリカ
が沈澱分離しない場合を良好とし、沈澱分離する場合を
不良とした。結果を下記表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示されるように、本発明のクロメー
ト処理鋼材の場合、裸耐蝕性、塗装密着性および液安定
性のいずれも良好であった。これに対し、本発明の範囲
を外れる比較例の場合は、裸耐蝕性および塗装密着性の
両者が共に優れたクメート処理材を得ることはできな
い。なお、比較例7における液安定性の不良は、第2ク
ロメート層を形成したクロメート処理液のシリカ等の沈
降による不良である。
【0031】[実施例2]電気亜鉛めっき鋼板(目付量
20g/m2)、溶融亜鉛めっき鋼板(付着量90g/m2)、
Zn−Ni合金めっき鋼板(Ni12%・付着量20g/
m2)、Niめっき鋼板(付着量5g/m2)、および冷延鋼
板(SPCD相当)を基材(下地)として用意した。こ
のような基材の一方の面(以下、便宜的に片面と称す
る)に、気相シリカクロメート層あるいはさらに液相シ
リカクロメート層を形成し、他方の面(以下、便宜的に
他面と称する)に、液相シリカクロメート層を形成し、
下記表2に示される各種のクロメート処理鋼材を作製し
た。なお、片面において液相シリカクロメート層と気相
シリカクロメート層の両方を形成した例では、液相シリ
カクロメート層を鋼板表面に形成し、その上層に気相シ
リカクロメート層を形成した。
【0032】液相シリカクロメート層および気相シリカ
クロメート層の形成方法は、前記実施例1と同様であ
る。また、片面に形成したクロメート層の種類、各クロ
メート層におけるクロム付着量(金属クロム換算)、液
相シリカ含有量(SiO2 /Cr重量比)あるいは気相
シリカ含有量(SiO2 /Cr重量比)は、表2に示
す。さらに、表2に示されるように、一方の面のみにク
ロメート層を形成したクロメート処理鋼材も作製した。
この場合は、乾燥温度は一律250℃とした。
【0033】このようにして得られた各種のクロメート
処理鋼材について、裸耐蝕性および塗装密着性を試験し
た。裸耐蝕性は前記実施例1と同様に試験を行った。な
お、塩水の噴霧は液相シリカクロメート層形成面側に行
った。一方、塗装密着性は、前記実施例1と同様にして
粉体ポリエステル系樹脂塗料(コナック#1600:日
本油脂社製)を用いた試験を行った。ただし、塗料は片
面(気相シリカクロメート層形成面)側に塗布して塗装
密着性を評価した。結果を下記表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示されるように、本発明のクロメー
ト処理鋼板の場合、裸耐蝕性および塗装密着性および液
安定性のいずれも良好であった。これに対し、本発明の
範囲を外れる比較例の場合は、裸耐蝕性および塗装密着
性の両者が共に優れたクロメート処理鋼材を得ることは
できない。以上の結果より、本発明の効果は明らかであ
る。
【0036】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材によれば、耐蝕性
と塗装密着性が共に優れたクロメート処理鋼材を実現す
ることができ、産業上に有効であることが明らかであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材の表面に、液相シリカを含有し、前記
    液相シリカと金属クロム換算のクロム付着量との重量比
    SiO2 /Crが1〜6である第1クロメート層と、 前記第1クロメート層上に、気相シリカを含有し、前記
    気相シリカと金属クロム換算のクロム付着量との重量比
    SiO2 /Crが1〜5である第2クロメート層とを有
    し、 前記第1クロメート層および第2クロメート層のクロム
    付着量の合計が金属クロム換算で10mg/m2 〜200mg
    /m2 である高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材。
  2. 【請求項2】前記鋼材が鋼板またはめっき鋼板である請
    求項1に記載の高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材。
  3. 【請求項3】鋼板またはめっき鋼板の一方の面に、液相
    シリカを含有し、前記液相シリカと金属クロム換算のク
    ロム付着量との重量比SiO2 /Crが1〜6であるク
    ロメート層を有し、 前記鋼板またはめっき鋼板の他方の面に、気相シリカを
    含有し、前記気相シリカと金属クロム換算のクロム付着
    量との重量比SiO2 /Crが1〜5であるクロメート
    層を有し、 各クロメート層のクロム付着量が金属クロム換算で10
    mg/m2 〜200mg/m2である高耐食性良塗装性クロメー
    ト処理鋼材。
  4. 【請求項4】鋼板またはめっき鋼板の両面に、液相シリ
    カを含有し、前記液相シリカと金属クロム換算のクロム
    付着量との重量比SiO2 /Crが1〜6である第1ク
    ロメート層を有し、 前記鋼板またはめっき鋼板のいずれか一方の面の第1ク
    ロメート層上に、気相シリカを含有し、前記気相シリカ
    と金属クロム換算のクロム付着量との重量比SiO2
    Crが1〜5である第2クロメート層を有し、 前記鋼板の片面当たりにおけるクロメート層のクロム付
    着量の合計が金属クロム換算で10mg/m2 〜200mg/m
    2 である高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材。
JP7320595A 1994-03-31 1995-03-30 高耐食性良塗装性クロメート処理鋼材 Withdrawn JPH07316836A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113490767A (zh) * 2019-02-28 2021-10-08 德国艾托特克公司 水性后处理组合物和腐蚀保护方法

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CN113490767A (zh) * 2019-02-28 2021-10-08 德国艾托特克公司 水性后处理组合物和腐蚀保护方法

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