JPH05320931A - 耐食性及び塗装性に優れた表面処理鋼材及びその製造方法 - Google Patents
耐食性及び塗装性に優れた表面処理鋼材及びその製造方法Info
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- JPH05320931A JPH05320931A JP15606492A JP15606492A JPH05320931A JP H05320931 A JPH05320931 A JP H05320931A JP 15606492 A JP15606492 A JP 15606492A JP 15606492 A JP15606492 A JP 15606492A JP H05320931 A JPH05320931 A JP H05320931A
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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- C23C22/82—After-treatment
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C23C2222/00—Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Ｚｎ系めっき鋼材の表面に反応型クロメート
層が形成され、更にその上に、最表面にシラノール基を
有するシリカ層が形成されたものである。このような表
面処理鋼材はＺｎ系めっき鋼材に反応型クロメート処理
を施した後乾燥することなくコロイダルシリカ溶液に浸
漬するか、或いは該コロイダルシリカ溶液を噴霧するこ
とによって得られる。 【効果】 優れた耐食性及び塗装性を兼備した表面処理
鋼材を提供できるようになった。
層が形成され、更にその上に、最表面にシラノール基を
有するシリカ層が形成されたものである。このような表
面処理鋼材はＺｎ系めっき鋼材に反応型クロメート処理
を施した後乾燥することなくコロイダルシリカ溶液に浸
漬するか、或いは該コロイダルシリカ溶液を噴霧するこ
とによって得られる。 【効果】 優れた耐食性及び塗装性を兼備した表面処理
鋼材を提供できるようになった。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は優れた耐食性及び塗装性
を兼備した反応型クロメート処理Ｚｎ系めっき鋼材及び
その製造方法に関するものであり、この表面処理鋼材
は、自動車、建材、家電製品用等に利用することができ
る。尚、本発明において基材として用いられる鋼材の形
状は、板状、棒状、波板状、管状等の如何を問わない
が、以下冷延鋼板を代表的に例示して本発明を説明す
る。
を兼備した反応型クロメート処理Ｚｎ系めっき鋼材及び
その製造方法に関するものであり、この表面処理鋼材
は、自動車、建材、家電製品用等に利用することができ
る。尚、本発明において基材として用いられる鋼材の形
状は、板状、棒状、波板状、管状等の如何を問わない
が、以下冷延鋼板を代表的に例示して本発明を説明す
る。
【０００２】
【従来の技術】鋼板の防錆を目的として、鋼板にまずＺ
ｎ系めっきを施し、更にその表面にクロメート処理を施
すことが行われており、こうして得られるクロメート処
理Ｚｎ系めっき鋼板は、家電製品，自動車，建材等の分
野において多量に用いられている。
ｎ系めっきを施し、更にその表面にクロメート処理を施
すことが行われており、こうして得られるクロメート処
理Ｚｎ系めっき鋼板は、家電製品，自動車，建材等の分
野において多量に用いられている。
【０００３】ところで上記クロメート処理Ｚｎ系めっき
鋼板に対する耐食性の要求は厳しくなる一方であり、単
なる一次防錆技術としてだけではなく、塗装なしでも長
期の使用に耐えられる程度の高耐食性を有し、且つりん
酸塩処理等の前処理なしでも良好な塗装性を示す様なも
のが要求されており、さらには両性能を兼備すること等
が求められている。
鋼板に対する耐食性の要求は厳しくなる一方であり、単
なる一次防錆技術としてだけではなく、塗装なしでも長
期の使用に耐えられる程度の高耐食性を有し、且つりん
酸塩処理等の前処理なしでも良好な塗装性を示す様なも
のが要求されており、さらには両性能を兼備すること等
が求められている。
【０００４】従来広くおこなわれているクロメート処理
は、塗布型、反応型及び電解型の３種に大別される。反
応型クロメート処理は、その処理工程が簡便であるため
広く行なわれているが、得られる表面処理鋼板は、需要
家の手に渡るまでの白錆発生防止即ち一次防錆程度の耐
食性しか有しておらず、また塗装性も十分ではないの
で、需要家の高度な要求に対応するには困難であった。
は、塗布型、反応型及び電解型の３種に大別される。反
応型クロメート処理は、その処理工程が簡便であるため
広く行なわれているが、得られる表面処理鋼板は、需要
家の手に渡るまでの白錆発生防止即ち一次防錆程度の耐
食性しか有しておらず、また塗装性も十分ではないの
で、需要家の高度な要求に対応するには困難であった。
【０００５】そこでクロメート皮膜上に有機樹脂皮膜を
形成することによって耐食性や塗装性を向上させた表面
処理鋼板の製造方法が提案されている（特公昭49-1986
号公報 ，特開昭62-124297号公報 ）。しかしながら有
機樹脂皮膜を形成すると、電気絶縁性が高くなってアー
ス性が劣化する他、加工時に黒変したり或は樹脂が剥離
する等といった問題がある。さらに耐食性の向上を目的
として樹脂の膜厚を増加させていくと、溶接ができなく
なったり、電着塗装ができない等の問題も発生する。
形成することによって耐食性や塗装性を向上させた表面
処理鋼板の製造方法が提案されている（特公昭49-1986
号公報 ，特開昭62-124297号公報 ）。しかしながら有
機樹脂皮膜を形成すると、電気絶縁性が高くなってアー
ス性が劣化する他、加工時に黒変したり或は樹脂が剥離
する等といった問題がある。さらに耐食性の向上を目的
として樹脂の膜厚を増加させていくと、溶接ができなく
なったり、電着塗装ができない等の問題も発生する。
【０００６】一方特開昭50-9545 号及び特公昭53-19981
号公報には下層に電解型クロメート皮膜、上層に塗布型
クロメート皮膜が形成されて耐食性の向上が図られたク
ロメート被膜鋼板が開示されている。しかしながら元来
塗装性に問題がある塗布型クロメート皮膜が上層に存在
するため、電着塗装等の必要な用途においては十分でな
い。
号公報には下層に電解型クロメート皮膜、上層に塗布型
クロメート皮膜が形成されて耐食性の向上が図られたク
ロメート被膜鋼板が開示されている。しかしながら元来
塗装性に問題がある塗布型クロメート皮膜が上層に存在
するため、電着塗装等の必要な用途においては十分でな
い。
【０００７】また特開昭63-109200 号公報には、上層と
下層に製造条件を変えて電解型クロメート皮膜を形成
し、塗装性及び耐Ｃｒ溶出性を向上させた技術が開示さ
れている。しかしながら該技術では耐食性が必ずしも十
分ではなく、耐食性を向上する目的でクロメート皮膜を
厚くするとムラが生じたりあるいはクロメート皮膜の凝
集破壊により塗装性が劣化する等の問題を有している。
この様に従来の技術では、耐食性及び塗装性を満足する
表面処理鋼板は得られていない。
下層に製造条件を変えて電解型クロメート皮膜を形成
し、塗装性及び耐Ｃｒ溶出性を向上させた技術が開示さ
れている。しかしながら該技術では耐食性が必ずしも十
分ではなく、耐食性を向上する目的でクロメート皮膜を
厚くするとムラが生じたりあるいはクロメート皮膜の凝
集破壊により塗装性が劣化する等の問題を有している。
この様に従来の技術では、耐食性及び塗装性を満足する
表面処理鋼板は得られていない。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、耐食性及び塗装性に優れ
た表面処理鋼材の製造方法を提供しようとするものであ
る。
目してなされたものであって、耐食性及び塗装性に優れ
た表面処理鋼材の製造方法を提供しようとするものであ
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明とは、Ｚｎ系めっき鋼材の表面に反応型クロメート層
が形成され、更にその上に、最表面にシラノール基を有
するシリカ層が形成されたものであることに要旨を有す
る。そしてこの様な表面処理鋼材はＺｎ系めっき鋼材に
反応型クロメート処理を施した後乾燥することなくコロ
イダルシリカ溶液に浸漬するか或いは該コロイダルシリ
カ溶液を噴霧することによって容易に得ることができ
る。
明とは、Ｚｎ系めっき鋼材の表面に反応型クロメート層
が形成され、更にその上に、最表面にシラノール基を有
するシリカ層が形成されたものであることに要旨を有す
る。そしてこの様な表面処理鋼材はＺｎ系めっき鋼材に
反応型クロメート処理を施した後乾燥することなくコロ
イダルシリカ溶液に浸漬するか或いは該コロイダルシリ
カ溶液を噴霧することによって容易に得ることができ
る。
【００１０】
【作用】本発明者等は塗装性及び耐食性に優れた表面処
理鋼板について種々検討した結果、(a) 基材であるＺｎ
系めっき鋼板、(b) 更にその上へ反応型クロメート処理
層、即ちＣｒ3+及びＣｒ6+よりなるＣｒ酸化物及び水和
酸化物層が形成されたもの、(c) 更にその上へ表面にシ
ラノール基を有するシリカ層が形成されたもの、を比較
したところ、(c) の表面処理鋼板が優れた塗装性及び耐
食性を兼備することを見出した。
理鋼板について種々検討した結果、(a) 基材であるＺｎ
系めっき鋼板、(b) 更にその上へ反応型クロメート処理
層、即ちＣｒ3+及びＣｒ6+よりなるＣｒ酸化物及び水和
酸化物層が形成されたもの、(c) 更にその上へ表面にシ
ラノール基を有するシリカ層が形成されたもの、を比較
したところ、(c) の表面処理鋼板が優れた塗装性及び耐
食性を兼備することを見出した。
【００１１】(a) のＺｎ系めっき鋼板は、素地の鋼板に
対して犠牲防食能を有するＺｎ系めっきを施したもの
で、従来より汎用されている。本発明はこれをベ−スと
するものであって、Ｚｎ系めっきの種類は特に限定され
るものではなく、純Ｚｎめっきの他にＺｎ−Ｎｉ，Ｚｎ
−Ｆｅ等の各種合金めっきであってもよい。また鋼板に
Ｚｎ系めっきを形成する方法も限定されず、電気めっき
法、溶融めっき法、蒸着めっき法等が例示される。
対して犠牲防食能を有するＺｎ系めっきを施したもの
で、従来より汎用されている。本発明はこれをベ−スと
するものであって、Ｚｎ系めっきの種類は特に限定され
るものではなく、純Ｚｎめっきの他にＺｎ−Ｎｉ，Ｚｎ
−Ｆｅ等の各種合金めっきであってもよい。また鋼板に
Ｚｎ系めっきを形成する方法も限定されず、電気めっき
法、溶融めっき法、蒸着めっき法等が例示される。
【００１２】(b) のＣｒ3+及びＣｒ6+よりなるＣｒ酸化
物及び水和酸化物層は、Ｃｒ6+による皮膜の自己修復作
用により耐食性を向上させるものである。更にＣｒ3+に
よりクロメ−ト皮膜の重合度が高まって皮膜が難溶化す
るため、皮膜の吸湿による剥離が防止されて下地のＺｎ
系めっき鋼板との密着性を確保する。この層中のＣｒ付
着量は特に限定されるものではないが、十分な耐食性及
び塗装性を確保するために好ましくは５mg/m2 以上、よ
り好ましくは10mg/m2 以上が望まれる。Ｃｒ付着量の上
限についても特に限定されるものではないが、好ましく
は200mg/m2以下、より好ましくは150mg/m2以下が望まし
い。Ｃｒ付着量が多すぎても耐食性の改善効果に変化は
見られず、またクロメート皮膜自体の凝集破壊によって
かえって密着性が劣化する恐れがあり、更に製造コスト
が高くなって経済的ではないからである。クロメート皮
膜中のＣｒ6+の量も特に限定されるものではないが、好
ましくは皮膜中全Ｃｒ量に対して２〜20重量％の範囲に
するのが望ましい。Ｃｒ6+が少なすぎると皮膜の自己修
復作用が弱くなって耐食性の向上効果が認められず、ま
たＣｒ6+量が多すぎると皮膜への着色が著しいためであ
る。
物及び水和酸化物層は、Ｃｒ6+による皮膜の自己修復作
用により耐食性を向上させるものである。更にＣｒ3+に
よりクロメ−ト皮膜の重合度が高まって皮膜が難溶化す
るため、皮膜の吸湿による剥離が防止されて下地のＺｎ
系めっき鋼板との密着性を確保する。この層中のＣｒ付
着量は特に限定されるものではないが、十分な耐食性及
び塗装性を確保するために好ましくは５mg/m2 以上、よ
り好ましくは10mg/m2 以上が望まれる。Ｃｒ付着量の上
限についても特に限定されるものではないが、好ましく
は200mg/m2以下、より好ましくは150mg/m2以下が望まし
い。Ｃｒ付着量が多すぎても耐食性の改善効果に変化は
見られず、またクロメート皮膜自体の凝集破壊によって
かえって密着性が劣化する恐れがあり、更に製造コスト
が高くなって経済的ではないからである。クロメート皮
膜中のＣｒ6+の量も特に限定されるものではないが、好
ましくは皮膜中全Ｃｒ量に対して２〜20重量％の範囲に
するのが望ましい。Ｃｒ6+が少なすぎると皮膜の自己修
復作用が弱くなって耐食性の向上効果が認められず、ま
たＣｒ6+量が多すぎると皮膜への着色が著しいためであ
る。
【００１３】本発明においては、(c) の如くクロメート
皮膜の上層に、表面にシラノール基を持つシリカ層を有
することが大きな特徴である。本発明者等の検討の結
果、表面にシラノール基、即ち極性基を有するシリカ層
を設けることにより表面処理鋼板の耐食性及び塗装性が
飛躍的に向上することが判明した。耐食性が飛躍的に向
上する機構は未だ必ずしも明らかではないが、以下のよ
うに考えられる。表面の均一なシリカ層はクロメート皮
膜の欠陥部を保護するとともに、腐食環境下において塩
基性の塩化亜鉛の生成を促進しＺｎの腐食生成物を安定
化させることにより、耐食性を向上させる。また塗装性
が飛躍的に向上する理由は以下のように考えられる。処
理層表面に均一なシリカ層が存在すると、塗装を施した
際シリカの有するシラノール基と塗膜とが強固に結合
し、しかもその接触率が高まるので良好な塗膜密着性を
保持できるようになる。シリカ付着量は特に限定される
ものではないが、５〜100mg/m2の範囲が好ましい。シリ
カ付着量が少なすぎると耐食性及び塗装性の改善効果が
十分に発揮されず、また付着量が多すぎると塗装性の改
善効果に変化はみられず、また製造コストが高くなり経
済的でないためである。
皮膜の上層に、表面にシラノール基を持つシリカ層を有
することが大きな特徴である。本発明者等の検討の結
果、表面にシラノール基、即ち極性基を有するシリカ層
を設けることにより表面処理鋼板の耐食性及び塗装性が
飛躍的に向上することが判明した。耐食性が飛躍的に向
上する機構は未だ必ずしも明らかではないが、以下のよ
うに考えられる。表面の均一なシリカ層はクロメート皮
膜の欠陥部を保護するとともに、腐食環境下において塩
基性の塩化亜鉛の生成を促進しＺｎの腐食生成物を安定
化させることにより、耐食性を向上させる。また塗装性
が飛躍的に向上する理由は以下のように考えられる。処
理層表面に均一なシリカ層が存在すると、塗装を施した
際シリカの有するシラノール基と塗膜とが強固に結合
し、しかもその接触率が高まるので良好な塗膜密着性を
保持できるようになる。シリカ付着量は特に限定される
ものではないが、５〜100mg/m2の範囲が好ましい。シリ
カ付着量が少なすぎると耐食性及び塗装性の改善効果が
十分に発揮されず、また付着量が多すぎると塗装性の改
善効果に変化はみられず、また製造コストが高くなり経
済的でないためである。
【００１４】以下に本発明による表面処理鋼板の製造方
法を説明する。基材となるＺｎ系めっき鋼板は前述した
ように公知の方法で製造すればよい。反応型クロメート
処理方法も公知の方法と同様であり、Ｚｎ系めっき鋼板
を反応型クロメート溶液に浸漬するか、或いはＺｎ系め
っき鋼板に反応型クロメート溶液を噴霧することにより
Ｚｎ系めっき層上にＣｒ3+及びＣｒ6+からなるＣｒ酸化
物及び水和酸化物層（反応型クロメート層）を形成させ
る。本発明において反応型クロメート処理温度は特に限
定されないが、浴の管理の容易さや経済性を考慮する
と、実用的には常温から70℃の範囲が好ましい。反応時
間（浸漬時間）も特に限定されないが、工業上10秒以下
が好ましい。反応型クロメート処理液の組成も特に限定
されず、市販の処理液を使用することもできる。
法を説明する。基材となるＺｎ系めっき鋼板は前述した
ように公知の方法で製造すればよい。反応型クロメート
処理方法も公知の方法と同様であり、Ｚｎ系めっき鋼板
を反応型クロメート溶液に浸漬するか、或いはＺｎ系め
っき鋼板に反応型クロメート溶液を噴霧することにより
Ｚｎ系めっき層上にＣｒ3+及びＣｒ6+からなるＣｒ酸化
物及び水和酸化物層（反応型クロメート層）を形成させ
る。本発明において反応型クロメート処理温度は特に限
定されないが、浴の管理の容易さや経済性を考慮する
と、実用的には常温から70℃の範囲が好ましい。反応時
間（浸漬時間）も特に限定されないが、工業上10秒以下
が好ましい。反応型クロメート処理液の組成も特に限定
されず、市販の処理液を使用することもできる。
【００１５】本発明においては、上記の反応型クロメー
ト処理を行った後、乾燥することなく反応型クロメート
処理Ｚｎ系めっき鋼板をコロイダルシリカ溶液に浸漬す
るか或いは前記鋼板にコロイダルシリカ溶液を噴霧する
ことを大きな特徴とする。この方法によれば、乾燥工程
を通らないので反応型クロメート処理層表面は活性化し
た状態で存在し、その活性なクロメート層とコロイダル
シリカとの反応により皮膜表面に均一なシリカ層が形成
される。つまり、本発明の方法によってのみ、皮膜表面
に均一なシリカ層を有する反応型クロメート処理Ｚｎ系
めっき鋼板の製造が可能になるのである。本発明におい
て浸漬或いは噴霧溶液中のシリカ濃度は特に限定される
ものではないが、好ましくは１〜300g/リットル の範囲であ
る。シリカ濃度が１g/リットル未満の場合は得られるシリカ
層が不均一になるので、耐食性及び塗装性の改善効果に
乏しく、また300g/リットル を超えると溶液中のシリカがゲ
ル化しやすく溶液の管理が困難となるとともに経済的に
も不利となるからである。コロイダルシリカ溶液は、要
は浸漬或いは噴霧することによって反応型クロメート処
理層上にシリカ層を形成できるのであればよいのであっ
て、その種類及び溶液のｐＨは特に限定されず、例えば
溶液のｐＨについては、溶液中のコロイダルシリカが最
も安定して存在し得るｐＨで使用すれば良い。
ト処理を行った後、乾燥することなく反応型クロメート
処理Ｚｎ系めっき鋼板をコロイダルシリカ溶液に浸漬す
るか或いは前記鋼板にコロイダルシリカ溶液を噴霧する
ことを大きな特徴とする。この方法によれば、乾燥工程
を通らないので反応型クロメート処理層表面は活性化し
た状態で存在し、その活性なクロメート層とコロイダル
シリカとの反応により皮膜表面に均一なシリカ層が形成
される。つまり、本発明の方法によってのみ、皮膜表面
に均一なシリカ層を有する反応型クロメート処理Ｚｎ系
めっき鋼板の製造が可能になるのである。本発明におい
て浸漬或いは噴霧溶液中のシリカ濃度は特に限定される
ものではないが、好ましくは１〜300g/リットル の範囲であ
る。シリカ濃度が１g/リットル未満の場合は得られるシリカ
層が不均一になるので、耐食性及び塗装性の改善効果に
乏しく、また300g/リットル を超えると溶液中のシリカがゲ
ル化しやすく溶液の管理が困難となるとともに経済的に
も不利となるからである。コロイダルシリカ溶液は、要
は浸漬或いは噴霧することによって反応型クロメート処
理層上にシリカ層を形成できるのであればよいのであっ
て、その種類及び溶液のｐＨは特に限定されず、例えば
溶液のｐＨについては、溶液中のコロイダルシリカが最
も安定して存在し得るｐＨで使用すれば良い。
【００１６】またコロイダルシリカ溶液の使用時の液温
も特に限定されないが、実用上好ましいのは常温から70
℃の範囲である。コロイダルシリカ溶液の浸漬時間或い
は噴霧時間は特に限定されないが、実用上10秒以下が望
ましい。以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明す
るが、下記実施例は本発明を制限するものではなく前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術的範囲に包含される。
も特に限定されないが、実用上好ましいのは常温から70
℃の範囲である。コロイダルシリカ溶液の浸漬時間或い
は噴霧時間は特に限定されないが、実用上10秒以下が望
ましい。以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明す
るが、下記実施例は本発明を制限するものではなく前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術的範囲に包含される。
【００１７】
実施例１〜６ 公知の方法で清浄にした電気Ｚｎめっき鋼板（Ｚｎ付着
量20g/m2）を表１に示す条件で反応型クロメート処理し
た後、乾燥させることなくコロイダルシリカ溶液による
浸漬を行ない表面処理鋼板を製造した。尚クロメート処
理の浴温度は45℃である。
量20g/m2）を表１に示す条件で反応型クロメート処理し
た後、乾燥させることなくコロイダルシリカ溶液による
浸漬を行ない表面処理鋼板を製造した。尚クロメート処
理の浴温度は45℃である。
【００１８】比較例１〜４ コロイダルシリカ溶液による処理を行なわない以外は実
施例と同様にして表１に示す条件で表面処理鋼板を製造
した。
施例と同様にして表１に示す条件で表面処理鋼板を製造
した。
【００１９】比較例５ 公知の方法で清浄にした電気Ｚｎめっき鋼板（Ｚｎ付着
量20g/m2）を市販のりん酸塩溶液で処理した。以上の方
法で得られた各々の表面処理鋼板を供試材として下記に
示す方法で耐食性試験及び塗装性試験を行った。耐食性試験 ＪＩＳ−Ｚ−2371に準じて塩水噴霧試験を行ない、白錆
発生面積率が１％になるまでの時間によって評価した。
量20g/m2）を市販のりん酸塩溶液で処理した。以上の方
法で得られた各々の表面処理鋼板を供試材として下記に
示す方法で耐食性試験及び塗装性試験を行った。耐食性試験 ＪＩＳ−Ｚ−2371に準じて塩水噴霧試験を行ない、白錆
発生面積率が１％になるまでの時間によって評価した。
【００２０】塗装性試験 アミノアルキド系塗料をバーコーターにて供試材塗布し
焼き付けて、厚さ２０μｍの塗膜を形成し、塗膜の密着
性試験を行った。塗膜の密着性は、塗膜の表面にカッタ
ーナイフで１mm×１mmの卦書きをしてエリクセン試験機
で６mm押し出した後粘着テープを貼着し、次いでそのテ
ープを剥離し、その際の塗膜残存率によって評価した。
上記試験結果を表１に一括して示す。
焼き付けて、厚さ２０μｍの塗膜を形成し、塗膜の密着
性試験を行った。塗膜の密着性は、塗膜の表面にカッタ
ーナイフで１mm×１mmの卦書きをしてエリクセン試験機
で６mm押し出した後粘着テープを貼着し、次いでそのテ
ープを剥離し、その際の塗膜残存率によって評価した。
上記試験結果を表１に一括して示す。
【００２１】
【表１】
【００２２】表１から明らかなように、本発明の規定要
件を満足する実施例１〜６は、いずれも耐食性及び塗装
性の双方が優れている。一方クロメート処理層の表面に
シリカ層を有さない比較例１〜４及びクロメート処理の
代わりにりん酸塩処理を行った比較例５は耐食性と塗装
性の両方或いは一方が劣っている。
件を満足する実施例１〜６は、いずれも耐食性及び塗装
性の双方が優れている。一方クロメート処理層の表面に
シリカ層を有さない比較例１〜４及びクロメート処理の
代わりにりん酸塩処理を行った比較例５は耐食性と塗装
性の両方或いは一方が劣っている。
【００２３】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
反応型クロメート処理を施したＺｎ系めっき鋼材の表面
にシリカ層を形成させることによって、優れた耐食性及
び塗装性を兼備した表面処理鋼材を提供できるようにな
った。
反応型クロメート処理を施したＺｎ系めっき鋼材の表面
にシリカ層を形成させることによって、優れた耐食性及
び塗装性を兼備した表面処理鋼材を提供できるようにな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶田 富男 神戸市中央区脇浜町１丁目３番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内
Claims (2)
- 【請求項１】 Ｚｎ系めっき鋼材の表面に反応型クロメ
ート層が形成され、更にその上に、最表面にシラノール
基を有するシリカ層が形成されたものであることを特徴
とする耐食性及び塗装性に優れた表面処理鋼材。 - 【請求項２】 Ｚｎ系めっき鋼材に反応型クロメート処
理を施した後、乾燥することなくコロイダルシリカ溶液
に浸漬するか或いは該コロイダルシリカ溶液を噴霧する
ことを特徴とする請求項１記載の耐食性及び塗装性に優
れた表面処理鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15606492A JPH05320931A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | 耐食性及び塗装性に優れた表面処理鋼材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15606492A JPH05320931A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | 耐食性及び塗装性に優れた表面処理鋼材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05320931A true JPH05320931A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=15619521
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15606492A Withdrawn JPH05320931A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | 耐食性及び塗装性に優れた表面処理鋼材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05320931A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0964078A1 (en) * | 1998-06-12 | 1999-12-15 | Enamels and Ceramic Coatings International C.V. | Enamelling of zinc or zinc-alloy precoated steel surfaces |
| GB2356396A (en) * | 1999-10-07 | 2001-05-23 | Rolls Royce Plc | A metallic article having a chromised coating and a glass coating |
| US11759819B2 (en) | 2016-05-16 | 2023-09-19 | Bluescope Steel Limited | Coating process by ion exchange |
-
1992
- 1992-05-22 JP JP15606492A patent/JPH05320931A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0964078A1 (en) * | 1998-06-12 | 1999-12-15 | Enamels and Ceramic Coatings International C.V. | Enamelling of zinc or zinc-alloy precoated steel surfaces |
| WO1999066103A1 (en) * | 1998-06-12 | 1999-12-23 | Enamels And Ceramic Coatings International C.V. | Enamelling of zinc or zinc-alloy precoated steel surfaces |
| GB2356396A (en) * | 1999-10-07 | 2001-05-23 | Rolls Royce Plc | A metallic article having a chromised coating and a glass coating |
| US6444332B1 (en) | 1999-10-07 | 2002-09-03 | Rolls-Royce Plc | Metallic article having a protective coating and a method of applying a protective coating to a metallic article |
| GB2356396B (en) * | 1999-10-07 | 2003-11-19 | Rolls Royce Plc | A metallic article having a protective coating and a method of applying a protective coating to a metallic article |
| US11759819B2 (en) | 2016-05-16 | 2023-09-19 | Bluescope Steel Limited | Coating process by ion exchange |
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