JPH0713317B2 - 耐パウダリング性及び耐クレーター性に優れた亜鉛系合金電気めっき鋼板 - Google Patents

耐パウダリング性及び耐クレーター性に優れた亜鉛系合金電気めっき鋼板

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JPH0713317B2
JPH0713317B2 JP63233763A JP23376388A JPH0713317B2 JP H0713317 B2 JPH0713317 B2 JP H0713317B2 JP 63233763 A JP63233763 A JP 63233763A JP 23376388 A JP23376388 A JP 23376388A JP H0713317 B2 JPH0713317 B2 JP H0713317B2
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一章 京野
一雄 望月
顕 安田
康二 大和
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はリン酸塩処理性,耐クレーター性,耐パウダリ
ング性などに優れ、自動車用に適した高耐食性表面処理
鋼板に関するものである。
<従来の技術> Zn及びZn系合金は優れた犠牲防食性を有するために家
電,建材,自動車車体などに幅広く使用されている。特
に近年自動車車体用としては薄目付で高耐食性が必要な
ことからZn−Fe合金めっき,Zn−Ni合金めっきなどの合
金めっきが使用されるようになってきている。
自動車に多用されるプライマー塗装としてカチオン型電
着塗装が行われているが、この際にクレーターと称する
塗膜欠陥が上記の合金めっき、特にZn−Fe合金めっき,Z
n−Ni合金めっきに特異的に発生し、実用上の問題とな
っている。
このカチオン型電着塗装時のクレーター発生を防止する
方法として、既に本発明者らはFe−Pめっき処理(特開
昭59−211592号公報,特開昭60−177186号公報,特開昭
60−177187号公報,特開昭61−253397号公報)を提案し
ている。
これらのFe−Pめっき鋼板の中で、Fe−P/Zn−Fe2層型
めっき鋼板及びFe−P/Zn−Ni2層型めっき鋼板を自動車
車体に適用した際に以下の問題点が発生した。すなわ
ち、第1にはプレス成形後のカチオン型電着塗装時にな
おクレーターが発生する場合があること、第2にはプレ
ス加工時にパウダリングと称するめっき剥離を発生する
場合があり、プレス成形品の製品欠陥を生ずること、の
実用上の問題が発生した。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、上記の問題に鑑み、プレス成形後のカ
チオン型電着塗装性すなわち耐クレーター性とプレス成
形後の耐パウダリング性に優れた亜鉛系合金電気めっき
鋼板を提供するものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上述したFe−P系めっきを利用し、プレス
成形後のカチオン型電着塗装性の向上、プレス加工時の
パウダリング性の向上について鋭意研究を重ねた結果、
本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、鋼板の少なくとも一方の面に、下
層としてFe含有率10〜20wt%のZn−Fe系合金電気めっき
層又はNi含有率8〜14wt%のZn−Ni系合金電気めっき層
を有し、その上層にP含有率0.003〜0.5wt%のFe−P電
気めっき層を3g/m2超かつ該下層のめっき付着量の1/3以
下有することを特徴とする耐パウダリング性及び耐クレ
ーター性に優れた亜鉛系合金電気めっき鋼板である。
<作 用> 本発明者らは、まずプレス成形後のカチオン電着塗装性
の不良原因をまず追求した。その結果、Fe−Pめっき層
はカチオン型電着塗装性に元来優れており、確かにプレ
ス成形前にはカチオン電着塗装性が良好であるが、プレ
ス成形後にはカチオン電着塗装性が総じて不良になる傾
向を有することを見出した。その原因はプレス成形によ
りめっき層にクラックがはいるため、元来がカチオン電
着塗装に劣る下層のZn−Feめっき層、又はZn−Niめっき
層が露出するためと推定された。
そこで、プレス成形後の条件下でカチオン電着塗装性を
改良する方策について検討したところ第1図に示すよう
に、プレス成形後ではFe−P付着量3g/m2超で耐クレー
ター性が良好になることを知見した。これはFe−P付着
量が多くなるとプレス成形後でも相対的に下層のZn−Fe
めっき,Zn−Niめっきの露出面が少なくなるために良好
になるものと考えられる。
次に本発明者らはプレス加工時の耐パウダリング性につ
いて検討した。通常のduPont衝撃試験やOT曲げ密着試験
では剥離がなく良好であっても、プレス加工におけるパ
ウダリング性の不良な場合があった。そこで、duPont衝
撃試験やOT曲げ試験のような単純な曲げ変形による密着
性試験でなく、より実際のプレスに近い変形を与えるこ
とのできるエリクセンカップ絞り試験によるパウダリン
グ性のテストをZn−Feめっきについて調べた。その結果
を第2図に示す。図より、Fe含有率20%以下でパウダリ
ング性が良好になり、Fe15%以下でさらに良好になるこ
とを知見した。一方、塗装前の耐赤錆性を許容できる程
度に確保するためにはFe含有率が30%以下であれば十分
であるが、塗装後の耐食性の確保のためには、Zn−Feめ
っき層にη相が出現しない10%以上にする必要があり、
従ってパウダリング性と両立させるためにはFe含有率は
10〜20%に限定される。好ましくは10〜15%である。
またZn−Niめっきの場合にも同じ理由でNi含有率8〜14
%に限定される。好ましくは8〜13%である。
ところでZn−Fe付着量又はZn−Ni付着量は耐食性を確保
するために15g/m2以上、好ましくは20g/m2以上が適当で
あり、一方パウダリング性を確保するために60g/m2
下、好ましくは50g/m2以下がよい。
なお、下層としてZn−Feめっき又はZn−Niめっきを施す
のはZnの犠牲防食機能が必要なためであるので、犠牲防
食性のないFe−Pめっき付着量は少ない方が望ましく、
下層のZn−Feめっき又はZn−Niめっき付着量の1/3以下
に限定される。
また、Fe−Pめっき中のPはリン酸塩処理性を向上させ
るために添加したものであるが、P含有率が0.003wt%
以上でリン酸塩結晶の初期核数の増加,フォスフォフィ
ライト(Phosphophyllite)比率の上昇,リン酸塩結晶
の微細化の効果が得られる。一方、P含有率が0.5wt%
を超えるとリン酸塩の処理ムラが発生し、フォスフォフ
ィライトの比率が低下するので好ましくない。従ってFe
−P電気めっき層中のP含有率は0.003〜0.5wt%に限定
される。
<実施例> 以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
る。
常法に従って電解脱脂,酸洗を行った冷延鋼板上に以下
の条件下でZn−Niめっき又はZn−Feめっきを施し、続い
て水洗後Fe−Pめっきを行った。処理後の評価条件も以
下に示す。
いずれも含有率制御の容易な塩化物浴を用いたが、本発
明はこのような製造方法に特に限定されるものではな
い。
(1) Zn−Feめっき (浴組成) FeCl2・nH2O 40〜70g/ (Fe含有率を変化させるため) ZnCl2 225g/ KCl 350g/ (めっき条件) 浴温 60℃ pH 2.5 電流密度 100A/dm2 (2) Zn−Niめっき (浴組成) NiCl2・6H2O 50〜70g/ (Ni含有率を変化させるため) ZnCl2 230g/ KCl 350g/ (めっき条件) 浴温 60℃ pH 4.5 電流密度 100A/dm2 (3) Fe−Pめっき (浴組成) FeCl2・nH2O 180g/ KCl 180g/ NaH2PO2 0.1〜0.5g/ (めっき条件) 浴温 60℃ pH 2.0 電流密度 50A/dm2 (4) リン酸塩処理 ディップ型のグラノジンSD−2000(日本ペイント社製)
を用いて常法によりリン酸塩処理を行った。
(5) フォスフォフィライト比 常法により、X線回折のフォスフォフィライトとホペイ
ト(Hopeite)のピーク高さより求めた。
(6) リン酸塩結晶サイズ ×1000のSEM写真より平均的な結晶サイズを測定した。
(7) カチオン型電着塗装時の耐クレーター性 パワートップU−30(日本ペイント社製)を使用し、ク
イックスタートにて電圧250Vで電着塗装を行い、180℃
×30分間焼付後、クレーター状欠陥個数を評価した。
(8) 塗装後耐食性 リン酸塩処理:グラノジンSD−2000 (日本ペイント社製) カチオン型電着塗装:パワートップU−30 20μm(日本ペイント社製) 上記塗装後クロスカットを施し、塩水噴霧試験(JIS Z
2371)を行い、20日後のふくれ幅により評価した。
(9) パウダリング性試験 エリクセンカップ絞り試験機を使用し、ポンチ径33mm,
しわ押え圧300kg,絞り比1.85にてカップ絞りを行い、テ
ープ剥離しテープの黒化度により剥離量を目視にて評価
した。
〇:剥離なし △:やや剥離 ×:かなり剥離 上記条件にて各試験を行った結果について第1に示す。
なお、上記(4)〜(8)の試験はプレス加工による変
形を考慮して15%引張試験後に実施した。
表1から明らかなように本発明によるP含有率0.003〜
0.5wt%のFe−Pめっき3g/m2超で優れた耐クレーター性
が得られ、リン酸塩処理性も良好である。Fe含有率10〜
20wt%のZn−Feめっき又はNi含有率8〜14%のZn−Niめ
っきにより塗装後耐食性と耐パウダリング性を両立させ
ることができる。
<発明の効果> 本発明による2層型めっき鋼板により、優れた塗装性,
プレス性,耐食性を同時に得ることができ、より一層自
動車車体に好適な素材の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プレス成形前及び成形後のカチオン型電着塗
装におけるFe−P付着量と耐クレーター性との関係を示
すグラフ、第2図は、エリクセンカップ絞りにおけるFe
含有率と剥離量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和 康二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭62−13590(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の少なくとも一方の面に、下層として
    Fe含有率10〜20wt%のZn−Fe系合金電気めっき層又はNi
    含有率8〜14wt%のZn−Ni系合金電気めっき層を有し、
    その上層にP含有率0.003〜0.5wt%のFe−P電気めっき
    層を3g/m2超かつ該下層のめっき付着量の1/3以下有する
    ことを特徴とする耐パウダリング性及び耐クレーター性
    に優れた亜鉛系合金電気めっき鋼板。
JP63233763A 1988-09-20 1988-09-20 耐パウダリング性及び耐クレーター性に優れた亜鉛系合金電気めっき鋼板 Expired - Fee Related JPH0713317B2 (ja)

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