JP2890636B2 - 表面処理鋼材およびその製法 - Google Patents

表面処理鋼材およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗装密着性、耐指紋性および耐食性に優れ
た表面処理鋼材およびその製法に関する。特に、本発明
は、亜鉛めっき皮膜と無機系クロメート皮膜との組み合
わせを利用した、塗装密着性、耐指紋性および耐食性に
優れた表面処理鋼材およびその製法に関する。但し、こ
こで「鋼材」とは板材、棒材、管材等の鋼材料一般を指
称する。
(従来の技術) 従来、亜鉛めっき鋼板に施されるクロメート処理は、
主としてユーザーで使用されるまでの一時防錆の目的で
行われてきた。すなわち出荷されたクロメート処理鋼板
は、所定形状に成形後、塗装されて使用されるのであ
り、塗装皮膜の密着性が要求される。
しかし、近年、家庭電気製品等にあっては、成形加工
後、亜鉛めっき鋼板が塗装されずに、しかも消費者の目
にふれる部位にそのまま使用される場合が多くなってき
ている。この場合、クロメート皮膜自体に優れた耐食性
および耐指紋性が要求される。ここで、耐指紋性とは、
組立作業時に付着する指紋汚れが見えないという性能を
いう。
このように、従来の塗装用とは異なった性能が要求さ
れるクロート処理鋼板の需要が増えてきた。そこで、塗
装用と裸使用とでクロメート処理鋼板を作り分ければよ
いが、近年のように生産コストの低減が要請されている
状況下では、両者に共通する同一種の鋼板を多量に生産
することが望まれる。
そのため、今日、亜鉛めっき鋼板のクロメート皮膜に
は、塗装密着性、耐指紋性および耐食性を具備すること
が非常に望ましい 耐食性および塗装密着性を向上させる方法としては、
クロメート処理液にコロイダルシリカを添加すること
が、特公昭42−14050号公報、特開昭60−13079号公報等
において提案されている。
しかし、これらの方法で得られた処理鋼板は耐食性の
点では優れていても、塗装密着性の点で不十分であり、
しかも耐指紋性については何ら考慮されていない。ま
た、コロイダルシリカとして、乾性コロイダルシリカを
用いた場合は、塗装密着性には優れているが耐指紋性は
劣っている。
本出願人は、水性コロイダルシリカを用いる場合、従
来のように小粒径のもの(粒子直径10〜20mμ)では塗
装密着性に劣るが、大粒径のもの(粒子直径40〜100m
μ)をクロメート皮膜に配合すると塗装密着性が改善さ
れるとともに、優れた耐指紋性が得られるという知見に
基づき、先に、特願昭62−140532号(特開昭63−307281
公報)として、粒子直径40〜100mμの水性コロイダルシ
リカをクロメート皮膜中に含有させた、耐指紋性に優れ
た表面処理鋼材を提案した。しかし、塗装密着性につい
ては、さらに改善されたものが求められている。
(発明が解決しようとする課題) コロイダルシリカを添加したクロメート処理液を用い
て亜鉛めっき鋼材の表面特性を改善する従来方法では、
前述のように一長一短があり、塗装密着性、耐指紋性お
よび耐食性のすべてを満足させる方法はなかった。
本発明の目的は、塗装密着性、耐指紋性および耐食性
のすべてに優れた表面処理鋼材およびその製法を提供す
ることである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、クロメート処理液中にコロイダルシリカ
を添加する方法について、さらに検討を加えた結果、繊
維形状を有する水性コロイダルシリカを用いれば、耐食
性はもちろんのこと、塗装密着性向上効果および耐指紋
性向上効果を得ることができることを見出し、本発明を
完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、亜鉛または亜鉛合金めっ
き層と、該亜鉛めっき層の上に設けた、繊維形状を有す
るコロイダルシリカをSiO2/CrO3の重量比が0.2〜5と
なる量で含有したクロメート皮膜を備えた、塗装密着
性、耐指紋性および耐食性に優れた表面処理鋼材であ
る。
さらに別の面からは、本発明の要旨は、亜鉛または亜
鉛合金めっき層を設けた鋼材表面に、繊維形状を有する
コロイダルシリカをクロメート皮膜中のSiO2/CrO3の重
量比が0.2〜5となる量で含有させると共に、Cr3+が全C
r量の20〜60%を占めるクロメート処理液を適用してク
ロメート皮膜を形成させる、塗装密着性、耐指紋性およ
び耐食性に優れた表面処理鋼材の製法である。
(作用) 本発明の方法において使用する被処理材は、亜鉛めっ
きもしくは亜鉛合金めっきを施した亜鉛系めっき鋼材で
あり、これは電気めっき材でも溶融めっき材でもよい。
亜鉛合金めっき鋼材には、合金化亜鉛めっき鋼材も含ま
れる。また、本発明は上層が亜鉛系めっき層である複層
めっき鋼材にも適用できる。めっき付着量は特に制限は
なく、従来と同様でよい。
本発明で使用する、繊維形状を有する水性コロイダル
シリカは、例えば通常の球状の水性コロイダルシリカを
高pHあるいは低pH域において凝集させて得ることができ
るが、安定な市販品としては、例えば日産化学工業製の
スノーテックスUPがある。この水性コロイダルシリカ
は、太さ5〜20mμ、長さ40〜300mμの細長い形状の屈
曲した棒状シリカが枝状に分岐して凝集体を形成してい
るものである。また、このシリカはクロメート処理液中
においても沈降したりゲル化することはない。
本発明において、クロメート皮膜中に含有させるコロ
イダルシリカとして、繊維形状を有する水性コロイダル
シリカが有効であるのは、繊維形状を有するコロイダル
シリカが凝集体を形成することによる、乾性コロイダル
シリカと同様の塗装密着性向上効果と、水性コロイダル
シリカ特有の耐指紋性向上効果が得られるためであると
考えられる。以下にその理由を詳しく述べる。
1)乾性コロイダルシリカが水性コロイダルシリカより
も塗装密着性向上効果が大きい理由は、乾性コロイダル
シリカはクロメート処理液中およびクロメート皮膜中に
おいて大きな凝集体を形成し、そのため、クロメート皮
膜表面にシリカが出現しやすく、塗料との相互作用を得
やすいことにあると推定される。
2)乾性コロイダルシリカが耐指紋性を低下させる理由
は、シリカ表面に活性なシラノール基を有するため、指
紋成分中の水、油等との相互作用が大きいことであると
推定される。それに対し、水性コロイダルシリカのシラ
ノール基はNaイオンを対イオンとしているので活性が適
度に抑制されて耐指紋性を向上させている。
3)従って、凝集体を形成しやすい、あるいは凝集体を
形成している水性コロイダルシリカを使用すると、塗装
密着性と耐指紋性の両者を向上させることができると考
えられる。
繊維形状を有する水性コロイダルシリカのクロメート
皮膜中への添加量は、SiO2/CrO3の重量比で0.2〜5と
なる量である。重量比が0.2以下では塗装密着性および
耐指紋性に対する向上効果が十分でなく、重量比5以上
ではシリカ過剰のクロメート皮膜となり、加工性が低下
する。より好ましいSiO2/CrO3重量比は0.4〜2であ
る。
本発明の表面処理鋼材を製造する方法を以下に説明す
る。
使用するクロメート処理液は、通常使用されるもので
よいが、繊維形状を有するコロイダルシリカをクロメー
ト皮膜中のSiO2/CrO3重量比が0.2〜5となる量を含有
させるとともに、Cr3+の含有量が全Cr量の20〜60%であ
るものを使用する。20%未満ではCrが溶出しやすく、ま
たクロメート皮膜の吸湿性が大きくなり、60%以上では
Cr6+によるクロメート皮膜の自己修復性が不十分でキズ
部や端面における耐食性が低下する。
クロメート処理液中には、クロメート皮膜形成の促進
剤として、リン酸(H3PO4)およびフッ化ケイ素酸(H2S
iF6)の一方もしくは両方を少量添加してもよい。その
他、シランカップリング剤等の添加剤を含有させてもよ
い。
クロメート処理液の塗布は、浸漬法、スプレー法、ロ
ールコート法等の慣用の方法により実施でき、皮膜の乾
燥は通常、熱風乾燥機等を用いて100〜150℃の温度で行
う。
クロメート皮膜のCr付着量は特に制限されないが、通
常20〜100mg/m2の範囲が好ましい。
次に、実施例により本発明の効果を示す。
(実施例) 亜鉛目付量20g/m2、板厚0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板
上に、CrO3 25g/l、H3PO4 5g/l、H2SiF6 2g/lおよびCr
3+ 6.3g/l(Cr3+量=全Cr量の50%)を含有するクロメ
ート処理液に、第1表に示した割合で水性コロイダルシ
リカ、乾性コロイダルシリカ、繊維形状を有する水性コ
ロイダルシリカおよび羽毛状の形状を有するアルミナゾ
ルのいずれかを添加、分散させたものを塗布し、130℃
の乾燥炉で60秒間乾燥して、クロメート皮膜を形成させ
た。
得られたクロメート処理鋼板より試験片を採取し、性
能評価として、一次および二次の塗装密着性試験、耐指
紋性試験および耐食性試験を実施し、その成績を第1表
に併記した。
各試験方法は次の通りである。
塗装密着性試験は、試験片のクロメート皮膜上にメラ
ミン・アルキッド系樹脂塗料(神東塗料製、グリミン#
500)をバーコーターにより25〜30μmの厚さに塗装し
た後、150℃で焼き付けして塗膜を形成することにより
行った。
一次密着性は、基盤目試験機を用いて、塗装した試験
片に1mm角の枡目を鋼素地に達する深さで100個けがき、
それをエリクセン試験機で7mm張り出し、その後、セロ
テープの密着と剥離を行い、残存枡目の数を数えて評価
した。評価符号の意味は次の通りである。
◎:剥離無し(全て残存) ○:ほとんど剥離なし(残存枡目90〜99) △:一部剥離(残存枡目51〜89) ×:大部分剥離(残存枡目50個以下) 二次密着性試験は、上述のようにメラミン・アルキッ
ド系樹脂塗料を塗装した試験片を沸騰水中に2時間浸漬
した後、基盤目試験機を用いて2mm角の枡目を25個けが
き、その後は一次密着性と同様の方法で評価した。評価
符号の意味は次の通りである。
◎:剥離無し(全て残存) ○:ほとんど剥離なし(残存枡目22〜24) △:一部剥離(残存枡目13〜21) ×:大部分剥離(残存枡目12個以下) 一次、二次密着性試験とも符号○までを合格とした。
耐指紋性試験は試験片に人工汗液をゴム判でスタンプ
した後、および実際に手指を押しつけた後の目視検査に
より行った。結果は次の4段階の符号で評価した。
◎:指紋が見えない ○:よく見ると指紋が見える △:不鮮明に指紋が見える ×:鮮明に指紋が見える 符号○までを合格とした。
耐食性試験は、クロメート処理液の裏面および端面を
テープでシールした後、塩水噴霧試験機に入れ、10%の
面積に白錆が発生するまでの時間で評価した。300時間
以上を合格とした。
第1表から明らかなように、本発明例では塗装密着
性、耐指紋性および耐食性のすべてを満足しているが、
本発明例以外ではこれらのすべてを満足するものはな
い。
(発明の効果) 本発明によれば、亜鉛または亜鉛合金めっき層上のク
ロメート皮膜中に繊維形状を有する水性コロイダルシリ
カを添加するという簡単な構成で、塗装密着性、耐指紋
性および耐食性のすべてに優れる表面処理鋼材が得られ
るので、塗装用および無塗装用のいずれにも有用であ
り、大量生産に適した汎用の表面処理鋼材として実際上
の利益は大きい。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛または亜鉛合金めっき層と、該亜鉛め
    っき層の上に設けた、繊維形状を有するコロイダルシリ
    カをSiO2/CrO3の重量比が0.2〜5となる量で含有した
    クロメート皮膜を備えた、塗装密着性、耐指紋性および
    耐食性に優れた表面処理鋼材。
  2. 【請求項2】亜鉛または亜鉛合金めっきを施した鋼材の
    めっき面上に、繊維形状を有するコロイダルシリカをク
    ロメート皮膜中のSiO2/CrO3の重量比が0.2〜5となる
    量で含有し、かつCr3+が全Cr量の20〜60%を占めるクロ
    メート処理液を適用してクロメート皮膜を形成させる、
    塗装密着性、耐指紋性および耐食性に優れた表面処理鋼
    材の製法。
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