JP3217453B2 - 耐熱性皮膜を有する金属材料 - Google Patents

耐熱性皮膜を有する金属材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料が高温加熱さ
れても、その皮膜が母材表面変化や耐食性劣化を阻止す
る被覆金属材料(以下「耐熱性皮膜を有する金属材料」
という)に関するものであり、さらに詳しく述べるなら
ば金属材料の表面に被覆するコーティング皮膜組成に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄、亜鉛、アルミニウム、銅、ステンレ
スなどの金属材料の耐熱性、耐食性を向上させるのに従
来有機、無機の各種コーティング剤を使用して母材表面
に皮膜を形成し、母材表面から内部への熱と表面の化学
反応を阻止することが行われてきた。このコーティング
剤に使われる有機系の樹脂は、一般に無機系に比較して
耐熱性が劣り、比較的高温度に耐えるポリイミド、アミ
ド系、シリコン系などは高価である。一方、無機系コー
ティング剤は耐熱性は優れるが、欠点として、シリカを
成分とするものは金属表面への密着性が悪く、水ガラス
を成分とするものは高温度の焼付けが必要であり、又耐
水性が悪い欠点があった。このため、耐熱性および密着
性に優れ、しかも安価な耐熱皮膜で被覆した金属材料が
必要とされていた。
【0003】本出願人の出願に係る特公昭60−417
05号公報は、シリカ5〜200g/L、PO4 1〜5
0g/Lと、酸価400以上のアニオン性水溶性樹脂
0.5〜50g/Lを含有し、pH1〜5の組成物によ
り耐アルカリ性にすぐれた塗布型皮膜を形成することに
関するものであり、耐熱性に関する言及はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、アクリ
ル系などの一般的な有機高分子樹脂に高い含有率でシリ
カを混合して、耐熱性の付与を目指した。また、シリカ
含有率を高めるのみでは皮膜の密着性、塗工性が劣るた
め耐熱性充分な性能が得られないという事実を踏まえ、
さらにこれら諸性能を改善すべく研究を行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、コロイド状シ
リカを含む有機高分子樹脂を主成分とする水系コーティ
ング剤が金属材料などの耐熱性を向上させるのに有効で
あることを見出した。しかし、シリカを約20%以上含
むコーティング皮膜は皮膜に亀裂が入りやすく素地金属
との密着性も低くなるため性能にばらつきが生じ易く、
外観上も問題となるため、発明者らはさらに研究を重
ね、シリカとともに少量のPO4 を添加することによ
り、耐熱性が良く、密着性、光沢性にも優れた耐熱性皮
膜が主として金属表面に形成できることを見出し、本発
明を完成した。
【0006】したがって、本発明は、樹脂中にコロイド
状又はパウダー状シリカを25〜90wt%分散してな
り、さらにPO4 0.2〜8wt%を含有し、残部が実
質的に樹脂からなる樹脂被覆層を金属材料表面に厚さ
0.1〜5μmで形成したことを特徴とする耐熱性皮膜
を有する金属材料を提供する。
【0007】本発明は、鉄、亜鉛めっき(合金、複合め
っきを含む)した鉄、アルミニウムおよびその合金、ス
テンレス、銅などの各種金属材料に適用され、すぐれた
耐熱性を付与することができる。また、提供される金属
材料は加工した成型品であるか、板材、線材などの素材
であるかを問わない。
【0008】本発明においてシリカ(SiO2 )は、コ
ロイド状シリカまたはパウダー状シリカとして添加し、
樹脂と混合できるものであれば使用できるが、分散性、
耐食性の面から粒子径は5〜100μmの範囲であるこ
とが好ましい。コーティング液中には、SiO2 は3〜
15wt%含まれることが適当である。又皮膜中にはS
iO2 は25〜90wt%含まれることが必要であり、
25%未満では耐熱性が充分でなく、90%を超えると
密着性が不十分となる。
【0009】また、コーティング液は水溶液であること
が望ましい。この場合、樹脂とシリカコロイドの相溶性
の点では両者の安定pHが近く、また母材からの金属イ
オンの溶出を防ぐためpH6〜9の中性から弱アルカリ
性であることが望ましい。
【0010】有機高分子樹脂はアクリル系樹脂の他、エ
ポキシ系、ウレタン系、エステル系などを使用すること
により充分な耐熱性を得ることができるが、さらに高い
耐熱性を得るためには、シリコン系又はフッ素系高分子
樹脂を使用することができる。
【0011】コーティング液の濃度は、目的とする塗布
膜厚となるよう自由に調整できるが、有機高分子樹脂と
して1〜5重量%程度であることが望ましい。
【0012】PO4 は可溶性リン酸塩の形で添加され、
リン酸アンモニウム(リン酸水素アンモニウム)やリン
酸カリウム(リン酸水素カリウム)が通常使用される
が、樹脂とシリカの分散安定性を阻害しないものであれ
ば他のリン酸化合物も使用できる。
【0013】PO4 は、コーティング皮膜中に0.2〜
8wt%含まれることが必要であり、その含有量が0.
2wt%未満であると皮膜の母材に対する密着性が不十
分であるので、特に高温にさらされたときに皮膜に亀裂
が入り易く、一方8wt%を越えると皮膜中のSiO2
含有量が少なくなるために耐熱性が低下する。
【0014】本発明のコーティング剤を塗布する方法と
しては、浸漬塗布、スプレー塗布、刷毛塗り、ロールコ
ートなど、いずれの方法を用いても良いが、膜厚が0.
1〜5μmであることが必要である。膜厚が0.1μm
未満であると耐熱性向上効果が充分でなく、一方5μm
を越えると密着性が低下し、塗膜に亀裂が入りやすい。
【0015】以上のような組成を持つ本発明の耐熱性皮
膜を有する鉄材料、めっきした鉄材料、アルミニウム、
ステンレス鋼などの各種金属材料は、特に使用温度が2
50℃以上になる場合でも高い耐熱性を発揮して保護膜
として機能するから、金属材料がその後腐食性環境にさ
らされても錆びや腐食などを防止することができる。
【0016】
【作用】本発明の耐熱性皮膜を有する金属材料が高い耐
熱性を持つ理由は、多量に複合したシリカ粒子の効果に
より高温度においても有機樹脂ポリマーの結合が切れて
保持される作用によると考えられる。このため、有機樹
脂ポリマー単独の場合に比較して高温環境に耐えること
ができる。しかし、コロイド状シリカと有機ポリマーが
高い濃度で混在すると、エマルジョンが不安定となり、
かつ乾燥、造膜の際ゲル化を生じ、各種材料に対して欠
陥がなく均一でかつ光沢のある皮膜を得るのは非常に困
難である。よって、コーティング剤中にリン酸イオンを
存在せしめることにより、シリカと有機樹脂ポリマーの
相溶性を高めるとともに、被塗物から溶出する微量の金
属イオンを封鎖することにより、欠陥が無く、光沢が均
一であり、密着性にすぐれた皮膜を形成する。さらに欠
陥を防止することにより、欠陥を通って高温のガスや熱
が皮膜を劣化させることを阻止して皮膜の耐熱性も高め
る。以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0017】
【実施例】コーティングを施す素材として鋼板、亜鉛め
っき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、複合亜鉛め
っき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板を使用し、
この上に本発明の耐熱コーティング層(表1にコーティ
ング材と皮膜の組成を示す)及び比較例の耐熱コーティ
ング層(表2にコーティング材と皮膜の組成を示す)で
被覆した。コーティングは、これら金属板上に乾燥膜厚
換算で約1μmになるようバーコーターで均一に塗布し
て行い、その後100℃で10分間乾燥を行った。作製
した試験板は以下の耐熱性評価試験に供した。
【0018】使用素材: A.鋼板(SPCC) B.亜鉛めっき鋼板(電気めっき8μm) C.亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(電気めっき5μ
m:Ni 1%) D.複合亜鉛めっき鋼板(電気めっき5μm:Cr 2
%,Ni 1%) E.アルミニウム板(純アルミ) F.ステンレス鋼板(SUS304)
【0019】シリカ:コロイダルシリカ スノーテック
スN(日産化学(株)製) 樹脂 : a.アクリル系樹脂 モビニール8000(ヘキスト合成
(株)製) b.エポキシ系樹脂 エポキシEM−2860(三洋化成
(株)製) c.ウレタン樹脂 エラストロンE −37(第一工業製
薬(株)製) d.シリコン樹脂 Polon MF(信越化学(株)
製) リン酸化合物:第1リン酸アンモニウム
【0020】耐熱性: 評価 オーブン中で300℃で50時間加熱処理。 さらに塩水噴霧試験を500時間(ステンレスは200
時間)実施した後、錆発生面積を測定した。 評 点 錆 面 積 5 ..... 5%未満 4 ..... 5%以上 20%未満 3 ..... 20%以上 50%未満 2 ..... 50%以上 80%未満 1 ..... 80%以上
【0021】 表1 素 樹 コーティング剤 皮膜 耐 No. 材 脂 SiO2 樹脂 PO4 SiO2 樹脂 PO4 (%) (%) (%) (%) (%) (%) 1 A a 4 10 0.05 28 71 0.4 4 2 B a 4 10 0.3 28 69 2.1 4 3 C a 4 10 1.0 27 66 6.7 5 4 D a 8 10 0.05 44 55 0.3 5 実 5 E a 14 10 0.3 58 40 1.2 4 6 B a 4 2 0.1 65 33 1.6 4 施 7 C a 8 5 0.5 59 37 3.7 5 8 D a 14 13 1.8 49 44 6.3 5 例 9 B b 4 2 0.1 66 32 1.6 4 10 C b 8 5 0.5 59 37 3.7 5 11 D b 14 13 1.8 49 44 6.3 5 12 B c 4 2 0.1 65 33 1.6 4 13 C c 8 5 0.5 59 37 3.7 5 14 D c 14 13 1.8 49 44 6.3 5 15 B d 4 2 0.1 66 32 1.6 5 16 C d 8 5 0.5 59 37 3.7 5 17 D d 14 13 1.8 48 45 6.3 5 18 A d 14 1.8 0.2 88 10 1.3 5
【0022】 表2 ──────────────────────────────────── コーティング剤 コーティング剤 No. 素材種 樹脂種 SiO2 樹脂 PO4 SiO2 樹脂 PO4 耐熱性 比較例 1 A a 1 10 0 9 91 0 1 比較例 2 A a 0 10 0.5 0 90 10 1 比較例 3 B a 1 10 0 9 91 0 2 比較例 4 C a 1 10 0 9 91 0 3 比較例 5 D a 1 10 0 9 91 0 3 比較例 6 E a 1 10 0 9 91 0 3 比較例 7 F a 1 10 0 9 91 0 3 比較例 8 B b 1 10 0 9 91 0 2 比較例 9 B c 1 10 0 9 91 0 2 比較例 10 B d 1 10 0 9 91 0 3 ────────────────────────────────────
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る耐熱
性皮膜を有する金属材料は従来の無機系または有機系皮
膜を施した材料よりも耐熱性が優れている。また本発明
の成分組成からなる耐熱皮膜は、光沢性と耐キズ付性に
も優れ、コストも安価にできるなどの特長を持つ。した
がって本発明の材料は、自動車、機械部品、プラント材
料、建材等の各種用途に使用して効果をあげることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/20 B32B 27/20 Z C08K 3/36 C08K 3/36 C09D 201/00 C09D 201/00 // B32B 27/18 B32B 27/18 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系、エポキシ系、ウレタン系及
    びエステル系から選ばれる少なくとも1種の有機高分子
    樹脂中にコロイド状又はパウダー状シリカを25〜90
    wt%分散してなり、さらにPO40.2〜8wt%を
    含有し、残部が実質的に樹脂から成る樹脂被覆層を金属
    材料表面に厚さ0.1〜5μmで形成したことを特徴と
    する耐熱性皮膜を有する金属材料。
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