JPH0693464A - 塗装鋼板用下地塗布クロメート組成物および処理方法 - Google Patents

塗装鋼板用下地塗布クロメート組成物および処理方法

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JPH0693464A
JPH0693464A JP26685192A JP26685192A JPH0693464A JP H0693464 A JPH0693464 A JP H0693464A JP 26685192 A JP26685192 A JP 26685192A JP 26685192 A JP26685192 A JP 26685192A JP H0693464 A JPH0693464 A JP H0693464A
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JP
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coating
chromium
silica sol
chromate
steel sheet
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JP26685192A
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English (en)
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Motoo Kabeya
元生 壁屋
Hiroshi Kanai
洋 金井
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、2C2B塗装のように、特定組成
でなるクロム組成物を用いてなるクロメート処理技術を
提供する。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、 総クロム濃度: 5〜30(g/l), クロム還元率: 5〜30(%)未満, 粒状シリカゾル:クロム還元率のCr3+量×0.5〜
2.0(g/l), 線状シリカゾル:粒状シリカゾル×0.1〜1.0(g
/l), 線状シリカゾルの粒径比:長さ/直径で2〜100 のクロメート組成物を、金属クロム換算で10〜150
mg/m2 塗布して固形皮膜を形成し、直ちに乾燥炉に
装入して出側で最高板温60〜150℃になるように乾
燥する塗装鋼板用下地塗布クロメート処理方法である。 【効果】 塗布クロメート処理技術において、耐食性,
塗料密着性および皮膜の均一塗布性を高品位に維持し、
特に塗装耐食性を飛躍的に向上せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛系めっき鋼板を下
地とした塗装鋼板の下地塗布クロメート組成物および処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や家電用塗装鋼板に対する
高防錆性や塗料密着性をはじめとする高機能化並びに低
コスト化に対する市場ニーズは益々高まり、これに呼応
した新製品の開発研究も最近盛んに行なわれている。
【0003】特に亜鉛系めっき鋼板を下地とした塗装鋼
板の耐食性,就中鋼板切断時に生じるバリ部の端面高防
錆化(耐エッジクリープ性)は、長年にわたる市場要求
であり、塗料密着性など他の諸性能を低下させることな
く、これをクリアーするための技術開発の動きもやっと
表面化しつつある。
【0004】この端面高防錆化ニーズに答えた従来技術
としては、バリ発生を抑制する鋼板の切断方法や、電着
塗装での厚膜塗装技術といった面での先行技術はあるも
のの、表面処理鋼板の鋼板側から提案した具体的なシー
ズ及び技術の事例はまだ見られていない。
【0005】塗装を施して使用することを前提とした下
地表面処理鋼板の耐食性向上をはじめとする品質の高機
能化を、下地処理の観点からクロメート処理の改良によ
って達成しようとする動きは従来からなされている。
【0006】従来技術にあって、クロメート皮膜の難溶
化を試みた事例としては、特開昭50−158535号
公報に開示された技術がある。これは無水クロム酸−り
ん酸−水性高分子化合物のクロメート液を開示し、その
処理液中の6価クロムイオンは、エチレングリコール等
の還元剤で70%以上還元されたものである。
【0007】しかしながらこの実施例によって形成され
るクロメート皮膜は、高分子を含有するので、難溶性,
耐食性,塗装性において優れているが、処理液としての
寿命が短く、生産性の高いラインでは安定した性能が得
られ難いという安定製造上の欠点がある。
【0008】また特願平2−111009号,特公平4
−20991号公報に開示のクロメートは、クロム酸−
シリカゾル系の無機クロメートであり、クロムの高還元
率化と粒径の異なる粒状シリカゾルを混合配合したこと
を特徴とした高耐食性クロメート処理方法である。
【0009】しかしながらこの方法はクロム還元率が高
過ぎるため、その後の高温焼付塗装において脱水重合が
進み、素地密着性に乏しいクロメート皮膜に形態変化す
るため、耐食性や塗料密着性などを両立した塗装鋼板と
しての下地クロメート処理としては余り好ましくない。
【0010】次にリン酸添加を特徴としたクロメート処
理液系において提案されている技術に、特願平2−11
1008号,或は特定フッ化物とシリカゾルを添加した
酸系クロメート処理液を開示した特公平4−19313
号公報がある。
【0011】しかしこの方法で形成されるクロメート皮
膜は、2コート塗装など多層塗装系でなる鋼板にあって
は塗料密着性の低下が大きく、塗装鋼板の端面防錆性に
おいても高い性能を期待することは難しい。
【0012】以上のように、上記した従来技術でなるク
ロメート処理方法を、2コート以上の多層塗装系の下地
処理として適用するには、更なる改善検討を要する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
けるクロメート処理方法の特徴は、めっき鋼板の無塗装
裸用途、あるいは安価で比較的低温焼付の1コート塗装
用途に適合する下地処理とした点にあり、以下のような
液組成物設計上の特徴でなる。
【0014】クロム固定率を上げ、難溶性のクロメー
ト皮膜が得られる。 このクロメート皮膜は、裸用途,簡易な1コート低温
焼付け塗装用途として、耐食性,塗料密着性などの性能
があるレベルにまでは向上させ得ることが可能である。
【0015】ところが、本発明が主旨とする2コート以
上の塗装系において、200℃以上の高温焼付を前提に
した塗装鋼板にあっては、上述した従来技術のクロメー
ト処理ではクロメート皮膜の高温酸化重合が総じて過剰
に進み、加工によって凝集破壊若しくは層間剥離を起こ
し易い欠点が基本的に存在する。
【0016】本発明者らは上記の問題点を知見として持
ちつつ、この点の改善を詳細に検討した結果、焼付け板
温が200℃以上の塗装であっても耐食性、就中,端面
防錆性の向上と高い塗料密着性を両立させ得るクロメー
ト処理技術を見い出し、本発明を提案するに至ったもの
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明において前記課題
解決に当っては、次に掲げるようなクロメート処理液の
適性組成について詳細な検討を行なった。すなわち、 クロメート皮膜の、クロム固定率に対する処理液の適
性クロム還元率の見極め。 塗料密着性および塗装耐食性、就中端面防錆性を両立
して向上させるに必要なシリカゾルの粒形状、及びその
適性添加量の見極め。
【0018】その結果、クロム還元率は従来技術のもの
よりは寧ろ低目で設計する必要があること、及びシリカ
ゾルでもその形状によって塗料密着性あるいは耐食性が
異なる知見を見い出し、本発明に至ったものである。
【0019】すなわち本発明の塗装鋼板用下地塗布クロ
メート組成物は、 総クロム濃度: 5〜30(g/l), クロム還元率: 5〜30(%)未満, 粒状シリカゾル:クロム還元率のCr3+量×0.5〜
2.0(g/l), 線状シリカゾル:粒状シリカゾル×0.1〜1.0(g
/l), 線状シリカゾルの粒径比:長さ/直径で2〜100 の組成よりなることを特徴とする。
【0020】また本発明の塗装鋼板用下地塗布クロメー
ト処理方法は、亜鉛系めっき鋼板の表面に、 総クロム濃度: 5〜30(g/l), クロム還元率: 5〜30(%)未満, 粒状シリカゾル:クロム還元率のCr3+量×0.5〜
2.0(g/l), 線状シリカゾル:粒状シリカゾル×0.1〜1.0(g
/l), 線状シリカゾルの粒径比:長さ/直径で2〜100 のクロメート組成物を、金属クロム換算で10〜150
mg/m2 塗布して固形皮膜を形成し、直ちに乾燥炉に
装入して出側で最高板温60〜150℃になるように乾
燥することを特徴とする。
【0021】すなわち本発明の骨子は、 クロメート皮膜の難溶化機能が実際の塗装焼付け完了
した際に発揮されるようにする必要から、クロメート組
成物のクロム還元率を低目側にした点。 塗料密着性確保の上から、塗料樹脂の反応基と十分な
架橋反応が出来るようクロメート皮膜の表面にOH基の
生成密度を上げる必要があり、そのためにシラノール基
(Si−OH)を表面に有するシリカゾルの形状が効く
とした点。 さらには、塗装後の耐食性を高品位に維持するために
はクロメート皮膜の脱水反応を抑制し、皮膜へのクラッ
ク発生などの欠陥を防ぐ必要があり、そのために、クロ
メート処理後の乾燥板温を適性範囲に設けた点、にあ
る。
【0022】なお本発明に適用される亜鉛系めっき鋼板
は、公知のめっき方法によって得られるものの何れであ
ってもよく、例えばそのめっき系としては、電気めっき
系では、Znめっき,合金元素がNi,Cr,Feの何
れか1種以上からなるZn系合金めっき鋼板が用いられ
てよい。
【0023】また電気分散めっき系においては、Zn−
Ni,Zn−FeをベースにSiO2 ,TiO2 ,Zr
2 ,BaCrO4 等の金属酸化物を均一分散析出させ
てなるZn系分散合金めっき鋼板が用いられてよい。さ
らに溶融めっき系においては、溶融亜鉛めっき鋼板,Z
n−Al系合金めっき鋼板,及びそれらの合金化処理し
た亜鉛めっき鋼板が適用されてよい。
【0024】
【作用】以下に本発明の構成因子に対する作用限界につ
いて述べる。
【0025】本発明の塗布クロメート皮膜は、めっき鋼
板の表面にあって下地めっきとの密着性及び耐クロム溶
出性が高く、かつ上塗塗膜との密着性を向上させること
により、亜鉛系めっき鋼板の高耐食性をもたらす上で重
要な皮膜である。
【0026】特に端面の高防錆化、あるいは耐水,耐
酸,耐アルカリ性といった塗装鋼板の耐薬品性の飛躍的
な向上にあたっては、クロメート皮膜の高いレベルでの
難溶化が必要で、かつ高耐食性機能を低下させることな
くこれを達成するためには、以下のような浴組成に管理
することが必要となる。
【0027】(1)総クロム濃度及びその還元率につい
て:本クロメート組成物は水を溶媒とし、亜鉛系めっき
鋼板の耐食性等と諸性能を安定して維持するために、総
クロム濃度(以下T.Crという)が5〜30g/l,
クロム還元率は5〜30%未満が必要である。
【0028】T.Crが5g/l未満及び/又はCr還
元率が5%未満では、可溶性Cr6+が支配的なクロメー
ト皮膜となるため、クロメート皮膜自体が水に溶出して
流出し易くなり、これが塗装鋼板として安定した塗料密
着性あるいは塗装後の耐食性の寿命低下を招くため、余
り好ましくない。
【0029】また液膜中に水分を多量に含むため、皮膜
としての乾燥過程で処理外観ムラを生じ易く、これが塗
装外観品質を大きく損なうなど、品質及び生産性向上の
点であまり得策でない。
【0030】一方T.Cr30g/l超及び又はCr還
元率が30%を超えては、処理液としての粘性が上が
り、クロメート付着量の制御や浴寿命の点で安定性を欠
き、高生産性ラインの下では品質及びコストの面で必ず
しも有利でない。
【0031】したがって総クロム濃度が5〜30g/l
にあって、好ましくは10〜20g/lがよい。またク
ロム還元率は5〜30%未満にあり、好ましくは5〜2
0%がよい。
【0032】なおクロムの還元剤については、アルコー
ルや有機物等による公知の方法のいずれであってもよい
が、処理浴の安定性から還元剤の未分解物がないように
した方がよい。
【0033】(2)シリカゾルとその添加配合範囲につ
いて:本発明のシリカゾルには、粒形か粒状と線状の2
種類が用いられ、それぞれ2C2B型の塗装鋼板の性能
に対して長所短所を有するため、本発明がいう混合使用
にあたっては、その配合比率と特に線状シリカの粒径の
適性化が重要なポイントとなる。
【0034】本発明に用いられる粒状シリカとは、粒径
が5〜20mμでなり、線状シリカは、粒径5〜20m
μの粒状シリカが線状に連なった長さ/直径の比率が2
〜100のシリカをいう。なおこの線状シリカの比率測
定は、透過型電子顕微鏡で測定したものである。
【0035】粒状シリカの適性配合範囲:本発明にお
けるシリカの配合量は、クロメート浴中のCr3+濃度の
0.5〜2.0でなる。Cr3+濃度の0.5以下の添加
では、塗装鋼板としての塗料密着性や耐食性、就中,端
面防食性(耐エッジクリープ性)を高位に安定して得る
ことが難しい。一方Cr3+濃度が2.0を超えては、耐
食性には特に支障ないが、厳しい加工に対して塗料密着
性の低下が目立ち、余り好ましくない。
【0036】また処理浴の粘性が上がって、クロメート
皮膜としての均一塗布性に欠けるなど、高生産性のライ
ン下にあっては利点が少ない。従って粒状シリカの配合
範囲としては、Cr3+濃度の0.5〜2.0にあって、
好ましくは0.5〜1.0がよい。
【0037】線状シリカの粒径及び配合の適性範囲:
本発明に用いられる線状シリカの粒径範囲は、線状シリ
カの長さ/直径の比率が2〜100であることが必要で
ある。この比が2未満では高い品位での塗料密着性を得
ることが難しく、また100を超えてはクロメート処理
浴の粘性が上がり、また浴中でのシリカの分散性が低下
して沈澱し易くなり、好ましくない。
【0038】従って線状シリカの長さ/直径の比率とし
ては2〜100にあって、好ましくは2〜50がよい。
また本発明における線状シリカの配合量は、上記した粒
状シリカに対する比率でなり、その比率は0.1〜1.
0がよい。
【0039】この比率が0.1未満においては、厳しい
加工下での高品位で安定した塗料密着性の向上は難し
く、また1.0を超えては、端面のエッジクリープをは
じめとする塗装耐食性の向上が難しくなる。従って、こ
の線状シリカの配合範囲としては、粒状シリカとの比率
が0.1〜2.0であって、好ましくは0.3〜1.0
がよい。
【0040】(3)クロム付着量について:本発明にあ
って、クロメート皮膜のクロム付着量は金属Cr換算で
10〜150mg/m2 でなる。
【0041】クロム付着量が10mg/m2 未満では、
厳しい加工及び腐食環境での塗料密着性、及び耐食性の
高レベルでの両立が難しい。また150mg/m2 を超
えては、高生産性のライン下でのクロメート皮膜の均一
塗布性,乾燥性、或は皮膜自身の脆さもあって、耐食性
及び塗料密着性を損なうため、生産性及び性能面で余り
利点がない。
【0042】従って、本発明における適性クロム付着量
としては10〜150mg/m2 であって、好ましくは
20〜80mg/m2 がよい。
【0043】(4)クロメート皮膜の乾燥板温につい
て:本発明におけるクロメート処理時の乾燥板温は、乾
燥炉の出側最高板温を指し、60〜150℃でなる。
【0044】この板温が60℃未満にあっては、酸化重
合によるクロメート皮膜の網目構造化が難しく、耐水性
に乏しい皮膜となるため、高品位での耐食性及び塗料密
着性の維持が難しくなる。一方150℃を超えては、ク
ロメート皮膜自身の結晶水の消失から皮膜が脆くなり、
高レベルでの塗料密着性及び耐食性の維持両立が難しく
なる。
【0045】従って、高生産性のライン下で塗装性能を
安定して高品位に維持するためのクロメート皮膜の乾燥
条件としては、炉出側での最高板温が60〜150℃で
あって、好ましくは60〜130℃がよい。
【0046】
【実施例】以下実施例によって、本発明の効果を更に詳
述する。
【0047】公知のめっき方法で所定のめっき付着量に
制御された板厚0.7mm,板巾914mmの亜鉛系め
っき鋼板の表面に対し、塗装ラインにてライン速度70
m/分でアルカリ脱脂−水洗−乾燥を経たのち、以下に
示す表1〜表6に特定する本発明のクロメート組成物
を、ロール塗布法によって特定クロム付着量になるよう
制御する。その後、直ちに熱風乾燥炉にて特定する炉出
側での最高板温に制御して乾燥−空冷されたのち、直ち
に2C2Bのロール塗装工程に入る。
【0048】プライマー塗料は、防錆顔料を含む高分子
ポリエステル系樹脂塗料(日本ペイント製)を固形皮膜
として5μmに制御され、炉出側の最高板温が220℃
になるよう焼付けされ、水冷乾燥されたのち高分子ポリ
エステル系樹脂塗料(日本ペイント製)をトップコート
として固形皮膜で17μm塗装され、続いて炉出側の最
高板温が230℃になるよう焼付けされ水冷乾燥され
る。
【0049】こうして製造された本発明法のクロメート
処理を下地に施すことによって、2C2Bの塗装鋼板の
性能は、表1〜表6の実施例に示すように飛躍的に向上
し、厳しい加工条件,あるいは厳しい腐食環境において
も、特に耐エッジクリープ性を含む塗装耐食性及び塗装
密着性を、高いレベルで両立させることが可能になっ
た。
【0050】こうしてなる本発明の塗布クロメート処理
亜鉛系めっき鋼板の性能について、比較例とともに表1
〜表6にまとめて示す。なお表1〜表6において※1〜
※5に注記するそれぞれの記号,処理,試験方法等は次
の通りである。
【0051】※1.めっき系 EZ :電気亜鉛めっき ZN :電気Zn−Ni合金めっき(Ni;11.5
%) EC :電気Zn−Cr−Ni合金めっき(Cr;10
%,Ni;2%) EF :電気Zn−Fe合金めっき(Fe;15%) ZNS:電気Zn−Ni−SiO2 (Ni;12%,S
iO2 ;3%) ZNT:電気Zn−Ni−TiO2 (Ni;12%,T
iO2 ;3%) ZNZ:電気Zn−Ni−ZrO2 (Ni;12%,Z
rO2 ;3%) ZNB:電気Zn−Ni−BaSO4 (Ni;12%,
BaSO4 ;3%) ZFS:電気Zn−Fe−SiO2 (Fe;10%,S
iO2 ;3%) GZ :溶融Znめっき GA :溶融Zn−Alめっき(Al;5%) GF :合金化溶融Znめっき(Fe;8〜11%)
【0052】※2.塗布クロメート処理 クロム酸 :日本電工製、メタノール還元して
使用。 粒状シリカゾル :日産化学製、15wt%を使用。 線状シリカゾル :日産化学製、20wt%を使用。 粒状シリカの添加量:(総Cr濃度)*(Cr還元率)
*(0.5〜2.0)で添加 線状シリカの添加量:(粒状シリカの添加量)*(0.
1〜2.0) T.Cr付着量測定:蛍光X線分析法による。
【0053】※3.塗装耐食性 塩水噴霧試験(JIS Z−2371)960時間,鋼
板切断部の端面からの塗膜フクレ状況 ◎:極く僅か,○:小さいフクレの点在,△:やや連続
化した小さいフクレ,×:連続したフクレ
【0054】※4.塗料密着性 1次密着性;1T密着曲げした同一加工部を繰り返し3
回セロテープ剥離 2次密着性;純水浸漬,煮沸2時間後24時間放置した
のち、1次と同一の評価を行なった。 ◎:塗膜剥離無,○:剥離5%以下,△:剥離10%以
下,×:剥離10%超
【0055】※5.クロメート皮膜の均一塗布性(仕上
がり外観) ◎:均一,○:僅かにムラあり,△:部分的ムラ,×:
全面的にムラ
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】先ず本発明のクロメート組成物のうち、総
クロム濃度とクロム還元率の適正範囲について、実施例
をNo1〜No6及びNo9〜No12に示し、又、そ
の比較例をNo7〜No8及びNo13〜No14に示
す。
【0063】これより明らかなように、本発明クロメー
ト組成物の基本組成である総クロム濃度及びクロム還元
率を外れると、クロメート処理外観の均一性,塗装耐食
性及び塗料密着性の諸性能でいずれかの性能低下が認め
られ、高位の性能を安定してバランスよく得ることは難
しくなる。
【0064】次に塗装耐食性と塗料密着性を高品位に安
定させるのには、本発明のクロメート組成物にあって形
状の異なるシリカゾルの配合を適比に制御する必要があ
るが、この点について本発明の実施例をNo2,No1
5〜No20及びNo23〜No25に示し、またその
比較例をNo21〜No22及びNo26〜No27に
示す。
【0065】これより明らかなように、塗装耐食性の向
上に取って不可欠の粒状シリカと塗料密着性の向上に取
って、不可欠な線状シリカの双方の長所をうまく配合さ
せることによって、鋼板の塗装性能が格段に向上するこ
とが判る。
【0066】更には、粒状シリカの塗装耐食性を損なう
ことなく塗料密着性を向上させる上で本発明が用いる線
状シリカには、適性な粒径,すなわち形状比(長さ/直
径)がある。この点の本発明の実施例について、No2
及びNo28〜No31に示し、その比較例をNo32
〜No33に示す。
【0067】これより明らかなように、本発明が特定す
るシリカの形状においてのみ、塗装耐食性を犠牲にする
ことなく高い塗料密着性をも得ることができることが判
る。
【0068】また塗装後の性能を最大限発揮させるに
は、上述した本発明のクロメート組成物を固形皮膜とし
て適性範囲に制御することが必要である。この点につい
て、本発明の実施例をNo2及びNo34〜No40に
示し、その比較例をNo41〜No42に示す。
【0069】これより明らかなように、クロメート皮膜
を本発明がいう適性クロム付着量の範囲に制御すること
によって、塗装性能の飛躍的な維持向上が達成できるこ
とが判る。
【0070】次に、このような塗装後の性能を高生産性
のライン下で安定して製造するためには、クロメート処
理後のクロメート皮膜の乾燥条件として、炉出側での最
高板温の制御が必要である。この適性板温について、本
発明の実施例をNo2及びNo43〜No47に示し、
その比較例についてNo48〜No49に示す。
【0071】これより明らかなように、クロメート皮膜
の仕上がり外観ほか塗装後の耐食性及び塗料密着性を安
定して高品位に維持するには、本発明がいう最高板温範
囲に制御する必要のあることが判る。
【0072】なお本発明の実施例で、No2及びNo5
0〜No60に示すように、本発明に適用できる亜鉛系
めっき鋼板のめっき系がいずれであっても塗装性能に対
する効果は全く変わらないことが判る。
【0073】以上のようにして得られる本発明のクロメ
ート皮膜が、塗装性能を安定して向上させる理由につい
ては、まだ十分に解明されてはいないが、透過型電子顕
微鏡,GDS及びESCA等の表面解析から以下のよう
に考えられる。
【0074】クロメートの皮膜形態は、基本的に水酸化
クロムの3価クロムと6価クロムとで構成される。また
さらには、これらのクロムとシリカ粒子表面のシラノー
ル基(Si−OH)とが、複雑に化学結合してクロメー
ト皮膜は網目構造化する。
【0075】この中で形状の異なるシリカは、線状シリ
カの隙間を穴埋めするように粒状シリカが分散する。こ
うしたシリカのクロメート皮膜における分散状態が、塗
装耐食性及び塗料密着性などの塗装性能を飛躍的に向上
せしめた原因であろうと考えられる。
【0076】またクロメート皮膜の乾燥板温によって更
に形態変化が予想されるが、皮膜がもつ結晶水の脱水限
界以内の板温で乾燥することが肝要である。
【0077】クロメート皮膜構造は、一般に乾燥する際
の空気中の酸素によって、オール結合(Cr−OH)か
らオキソ結合((Cr−O)を強めた網目構造の皮膜へ
と形態変化して難溶化する。
【0078】この場合、特に2C2Bのような塗装にあ
って比較的高温焼付けされる際のクロメートの皮膜形態
は、上述した皮膜形態が更に進んだ形となり、セルフヒ
ーリング作用をもつCr6+が減少して良好な塗装耐食性
が得られなくなる。このCr6+を塗装性能のバランス上
どこまでクロメート皮膜中に取り込ませられるかが重要
で、本発明のクロメート組成物はこれに答えたものと考
えられる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるクロメ
ート組成物および処理方法によれば、亜鉛系めっき鋼板
に塗装した塗装鋼板の厳しい加工条件,あるいは厳しい
腐食環境の下でも、耐食性,塗料密着性および皮膜の均
一塗布性を高品位に維持両立せしめることを可能にした
従来にない画期的な塗布クロメート処理技術を市場に提
供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】総クロム濃度: 5〜30(g/l), クロム還元率: 5〜30(%)未満, 粒状シリカゾル:クロム還元率のCr3+量×0.5〜
    2.0(g/l), 線状シリカゾル:粒状シリカゾル×0.1〜1.0(g
    /l), 線状シリカゾルの粒径比:長さ/直径で2〜100 の組成よりなることを特徴とする塗装鋼板用下地塗布ク
    ロメート組成物。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、 総クロム濃度: 5〜30(g/l), クロム還元率: 5〜30(%)未満, 粒状シリカゾル:クロム還元率のCr3+量×0.5〜
    2.0(g/l), 線状シリカゾル:粒状シリカゾル×0.1〜1.0(g
    /l), 線状シリカゾルの粒径比:長さ/直径で2〜100 のクロメート組成物を、金属クロム換算で10〜150
    mg/m2 塗布して固形皮膜を形成し、直ちに乾燥炉に
    装入して出側で最高板温60〜150℃になるように乾
    燥することを特徴とする塗装鋼板用下地塗布クロメート
    処理方法。
JP26685192A 1992-09-10 1992-09-10 塗装鋼板用下地塗布クロメート組成物および処理方法 Pending JPH0693464A (ja)

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