JP3286959B2 - クロメート処理亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

クロメート処理亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、外観均一性、耐黒点
錆性、皮膜経時安定性、塗布性、耐食性に優れた難溶性
のクロメート処理亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、クロメート処理鋼板の耐食性が向
上したことにより、電気メーカーなどにおいては、最終
製品にクロメート処理鋼板を無塗装で使用することが多
くなっている。その結果、鋼板の表面に外観、耐食性、
耐指紋性、塗装性等を付与させることが必要になり、こ
れらの性能を満足させるクロメート処理方法として、鋼
板表面にクロメート処理液を塗布し、水洗することなく
乾燥させることによりクロメート皮膜を形成する方法が
ある。
【0003】上述した性能を付与する具体例として、特
公昭42−14050、特公昭61−58552、特開昭61−284581、
特開昭63−218279、特開昭63−307281、特開昭64−6527
2、特開平1−283382、特公平3−66391、特公平3−681
15、特公平4−20992、特公平4−27297等の各特許公報
に開示された方法がある。これらはクロム酸化合物とシ
リカあるいはリン酸で構成されたクロメート皮膜を形成
するものであり、この皮膜は耐食性、塗装性、耐指紋
性、外観、処理液安定性等に優れている。
【0004】上記各方法のうち、特公昭42−14050号公
報の方法はクロム酸1〜20g/l、けい酸ゾル1〜50g
/l及び3価クロムイオンを含む浴を用いるものであ
り、これによって耐食性を向上させることができたが、
塗装性、皮膜の非溶解性等が劣っていた。それらの欠点
は特公昭61−58552、特開昭61−284581、特開昭63−218
279、特開平1−283382、特公平3−66391、特公平3−
68115、特公平4−20992、特公平4−27297においてはク
ロム酸還元生成物の比率を高くすることにより既に解決
している。但し、これらは全て、処理液の改良により対
応を行ったものであり、改良した結果として低下する特
性はあるが処理液安定性及び耐黒点錆性が劣るという問
題は残る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電気亜鉛め
っき鋼板を素地に用いた場合に白錆発生には至らないも
のの黒点状の錆が発生し外観が損なわれることがあり、
長期の使用において外観品質を維持できないという問題
がある。また、クロメート処理を行った後、長期間保管
していると耐食性が低下するという問題がある。これら
の問題を解決できる手段としては、特公平3−68115に示
された如く処理液中にリン酸を相当量添加する方法、あ
るいは特開平1−283382の如くクロメート皮膜の乾燥板
温を200℃以上にする方法に効果を認められた。
【0006】しかし、リン酸を相当量添加する方法によ
ればクロメート皮膜の黄色度が低下し、黄色系の皮膜を
好むユーザーニーズを満足できない。また、リン酸の添
加量を増やすと共に高温高湿環境に鋼板が保管されると
表面が黒変化しやすくなり外観品質を維持できなくな
る。リン酸を少なくした場合には、逆に黄色度が強くな
り過ぎてわずかな塗布ムラも非常に目立ちやすいものし
か製造できない状態であった。したがって、リン酸量の
調整だけでは、全てを満足する皮膜を容易に製造するこ
とが困難であった。一方、乾燥板温を200℃以上にする
方法においては、黄色系の皮膜を形成できるが乾燥板温
が高いために焼き付け炉、冷却帯が必要であり生産性を
高める目的でライン速度を速くするにしたがってそれら
設備を大型化せざる得なくなり、結果的にコスト高とな
る。
【0007】本発明は上記の問題点を解決するべくなさ
れたものであり、外観均一性、難溶性、耐黒点錆性、皮
膜経時安定性、塗布性、耐食性、全てにおいて従来技術
より優れたクロメート処理亜鉛めっき鋼板をより安定的
かつ容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、電
気亜鉛めっき鋼板の表面に、クロム酸、クロム酸還元生
成物、平均粒子径10mμ以下のコロイダルシリカ、及
びZn化合物を主成分とし、クロム酸とクロム酸還元生
成物との混合比が各々CrO3換算での重量比で1:
0.3〜0.55、クロム酸とクロム酸還元生成物との
CrO3換算での合計量とSiO2換算でのシリカとの混
合比が重量比で1:1.5〜2.5、Cr6+とZnとの
混合比が重量比で1:0.06〜0.3であり、かつク
ロム酸濃度がCr6+として4g/l以上、シリカ濃度が
SiO2換算で20g/l以上の範囲内にあるクロメー
ト処理液を塗布し、水洗することなく濡れた状態で誘導
加熱により板温を上昇させることにより乾燥することに
特徴を有するものである。
【0009】
【0010】この発明のクロメート処理液には、少なく
ともクロム酸及びクロム酸還元生成物を含むものを用い
る。
【0011】クロム酸は無水クロム酸(CrO3)を水に
溶解したものであり、亜鉛めっき皮膜の表面に付着して
自己補修作用を発揮し、亜鉛の白錆発生を防止する性質
を有している。クロム酸はこの性質によって亜鉛めっき
鋼板の防錆性を著しく向上させるために不可欠なもので
ある。ただし、クロム酸は可溶性であり塩水噴霧試験中
に容易に溶出するためにクロム酸の防錆性には限界があ
り、更に、保管中に大気の水分を吸収し溶解が生じ外観
が損なわれる場合もあるためにCr6+を含んだ難溶性の
皮膜を形成する必要がある。
【0012】難溶性の皮膜を形成するためには、従来の
知見から難溶性のクロム還元生成物を含んだクロメート
皮膜を形成することが有効である。
【0013】その一つの方法として、クロム酸還元生成
物を添加する方法がある。クロム酸還元生成物はクロム
酸中に還元剤を添加し、クロム酸の一部を還元すること
により生成させることができる。還元した後のクロメー
ト処理液組成は、還元されていないクロム酸と還元によ
り生成する3価クロムとが主成分であり、その混合比は
還元剤の添加量によって調整する。耐食性の観点から
は、Cr6+とCr3+の混合比が各々CrO3換算での重量比
で1:0.3〜1.0の範囲が優れている。ただし、クロム酸
還元生成物の混合比が高くなると液の安定性が低下し、
ゲル化してしまうばかりでなく耐黒点錆性も悪くなる。
これらの点から適当なCr6+とCr3+の混合比は各々Cr
3換算での重量比で1:0.3〜0.55であり、1:0.35〜
0.50が好ましく、1:0.40〜0.45が特に好ましい。
【0014】ところで、ゲル化を防止して処理液の安定
性を向上させるために鉱酸を添加することは有効であ
る。ただし、検討を行った結果、硝酸、硫酸等の酸を添
加すると耐食性が低下することが明らかになった。した
がって、処理液中に硝酸、硫酸等を添加し、処理液のp
Hを下げることによりクロム酸還元生成物を安定化させ
る方法は好ましくない。また、鉱酸のなかでリン酸は耐
食性を維持し、かつ一定範囲内であれば処理液の安定性
を向上させるので添加物として有効である。リン酸の添
加方法は、無水クロム酸中に一定量添加してから還元す
る方法、あるいは還元してからリン酸を添加する方法の
いずれも可能である。ただし、リン酸を過剰に添加する
と以下のような問題が生じる。まず、リン酸の添加量と
ともにクロメート皮膜の黄色味が低下し、更に添加する
と耐食性、処理液安定性が低下する。皮膜の黄色味が低
下するまでリン酸を添加すると、黄色系の皮膜を好むユ
ーザーに対応できなくなるため、黄色系の皮膜を形成し
たい場合には適用できない。黄色系の皮膜となるリン酸
添加量は、特公平4−20992に示されているように0.1〜
1.0g/l(クロム酸濃度5〜50g/l)である。しか
し、この範囲においてリン酸を添加すると以下のような
問題が生じる。まず、リン酸添加量が少ないと、クロム
酸還元生成物の比率が高い液において容易にゲル化す
る。また、リン酸量を増加したクロメート皮膜はアルカ
リで脱脂されたときに溶出するCr量が多くなり、高温
高湿環境下で長期間保管されていると黒変化しやすくな
り、かつ塩水噴霧試験を行った場合に黒点等の発生が著
しくなる。したがって、リン酸を添加しないことが好ま
しいが、これらの特性を考慮する場合には、クロム酸と
クロム酸還元生成物との合計量とリン酸との混合比がク
ロム酸とクロム酸還元生成物との合計量はCrO3換算で
の重量比で1:0.06未満の比率であることが好ましい。
このリン酸の範囲においても、先述したクロム酸還元生
成物の混合比の範囲であれば処理液を安定的に用いるこ
とができる。
【0015】クロム酸還元生成物を皮膜中に混入させる
もう一つの方法として、クロメート処理液を塗布した後
にクロム酸還元生成物を新たに生成させる方法が考えら
れる。そこで、主にクロム酸還元生成物生成反応が進行
すると考えられる乾燥過程に着目し、特に乾燥方法の影
響について検討を行った。
【0016】乾燥方法には種々の方法があるが、基本的
に例えば熱風炉のように板の外部より加熱し乾燥する方
法と誘導加熱のように板の内部から加熱する方法があ
る。検討した結果、板の内部から加熱する誘導加熱を行
うことにより乾燥時にクロム酸還元生成物が安定して皮
膜中に生成できることが判明した。このメカニズムに関
しては明らかではないが、以下のように推定される。ク
ロメート処理液中のクロム酸とめっき表面Znの酸化還
元反応によりクロム酸還元生成物が生成する。その反応
速度は、塗布液の液温、塗布された板の板温、及び塗布
液自体の反応性によって決まり、その反応時間は主に塗
布液の水分が蒸発するまでの間であると考えられる。
【0017】従来の熱風を吹き付ける方法においては、
水分の蒸発と共に板温が上昇するために、鋼板の反応性
が不十分な状態で、かつ反応時間も短いためにクロメー
ト処理液と鋼板表面との反応が不安定となり、その結果
としてクロム酸還元生成物生成量が不十分かつ不安定に
なる。しかし、誘導加熱の場合には、板温が上昇するこ
とにより水分が蒸発するために板の反応性が高まった状
態でかつ反応時間も熱風方式より長くなる。従って、安
定的かつ均一な反応が可能であり、その結果、従来法と
比べて乾燥時に生成するクロム酸還元生成物が安定的に
多く生成できる。したがって、亜鉛めっき鋼板表面にク
ロム酸及びクロム酸還元生成物を含む処理液を塗布した
後濡れた状態で誘導加熱方式を用いて、この塗布液を乾
燥することにより従来のクロメート処理液での対応と全
く異なる方法にて難溶性の皮膜を形成することが可能に
なる。その他の乾燥方法として、赤外線、遠赤外線、直
火バーナー等があるが、効果の度合いに程度差があるも
のの、板の外部からの加熱が最も少ない誘導加熱と比べ
ると劣っており、かつ板温の制御も誘導加熱と比べると
難しいため、さらに有効な手段とは言えない。
【0018】この結果から推定すると、クロメート塗布
前に板温を上昇させても効果を期待できるが本方法と比
べエネルギーロスが多くなり好ましくない。
【0019】また、従来、クロメート処理液を加温して
液の反応性を高めて使用する場合もあるが、誘導加熱を
用いて乾燥することにより液温を常温にしても従来通り
皮膜性能を得ることができる。その結果、通常数m3
あるクロメート処理液タンク内の温度を高める必要がな
くなり、エネルギーコストを低減させることが可能にな
る。
【0020】誘導加熱を用いて乾燥を行う場合、板幅方
向及び長さ方向で共に均一に加熱されるように誘導加熱
炉の設計することは当然必要である。その他の留意点と
して、蒸発する水分が炉内で結露して鋼板表面に落ちる
と表面欠陥となるため、結露を防止するために炉内の雰
囲気温度を室温より高く設定することも可能である。ま
た、その場合塗布液の蒸発に大きく影響しない程度であ
れば空気を送り込むことも可能である。更に、この反応
は水分が蒸発するまでの間で生じるためその後更に加熱
乾燥を行う必要がある場合には特にその加熱方法を選択
しない。本発明の特徴は、塗布されたクロメート処理液
が鋼板表面が濡れた状態のまま誘導加熱炉に入ることで
ある。
【0021】さらに、耐食性、難溶性等の他に耐指紋
性、塗装性等が要求されるが、これらに対してはコロイ
ダルシリカ(湿式シリカ)の添加が有効である。コロイ
ダルシリカは、そのシリカ粒子径と添加量により特性が
大きく影響される。耐食性、耐指紋性の観点からは、シ
リカ粒子径が数10mμ以下で、かつその添加量がクロム
酸とクロム酸還元生成物との合計量とシリカとの混合比
がクロム酸とクロム酸還元生成物との合計量はCrO3
算での重量比で、そしてシリカはSiO2換算での重量比
で1:1.5〜4.0の比率であることが必要である。塗装性
に関しては、シリカが一定量以上付着すると逆に低下す
る。したがって、シリカの添加量は、クロム酸とクロム
酸還元生成物との合計量とシリカとの混合比がクロム酸
とクロム酸還元生成物との合計量はCrO3換算での重量
比で、シリカはSiO2換算での重量比で1:1.5〜2.5の
比率であることが必要である。
【0022】また、耐黒点錆性の観点からリン酸を添加
しない、あるいは添加しても極微量であるために、シリ
カの平均粒子径が15mμ以上のコロイダルシリカを用い
ると耐食性がリン酸を添加した処理液で得られる皮膜よ
り低下する。これに対して、シリカの平均粒子径を10m
μ以下にするとリン酸添加による影響が小さく、添加し
なくとも良好な耐食性が得られることを見いだした。こ
のメカニズムについては明らかではないが、推定するに
リン酸を添加することによりリン酸クロム等が生成さ
れ、これがかなり細かな粒子となり皮膜のバリヤー性を
高める変わりに、シリカの粒子径を細かくすることによ
り同様の緻密な皮膜が形成されるためにリン酸添加の必
要がなくなるためと考えられる。ただし、シリカの粒子
径を必要以上に小さくすると処理液の安定性が低下する
ことが懸念される。安定性と耐食性の観点から、シリカ
の平均粒子径は4〜10mμにすることが好ましい。
【0023】本発明の中で用いられるシリカの特徴は、
平均粒子径10mμ以下のコロイダルシリカを用い、添加
量をクロム酸化合物の1.5〜2.5倍としたことであり、こ
れによりはじめて耐食性、耐黒点錆性、耐指紋性、塗装
性、処理液安定性の全てにおいて優れた処理液を提供で
きることにある。
【0024】更に、高温高湿環境においてもめっき表面
が黒変化しない様にするための手段としては、処理液中
にZn化合物を添加し、Cr6+とZnとの混合比が重量
比で1:0.06〜0.3にする、あるいは処理液のpHを2.3
以上にすることが有効である。耐黒変性に対してはめっ
き中に混入するPb量の影響が大きいが、Pbを皆無に
することは現状の技術では困難である。その結果、めっ
き中にNi等を添加する方法、あるいはめっき表面にN
i等を付着させる方法等により対策がとられている。但
し、これらの方法は、いずれもNi等の高価な元素を必
要とするためにコスト高となり、更に安易な対策が望ま
れている。添加するZn化合物としては、ZnO等の安
価なもので効果があり、したがって従来の方法と比べる
とコスト的に有利である。耐黒変性についてはめっき表
面のZn酸化物の状態が大きく影響し、pHが低い場合
にはこの酸化物が溶解してしまうために耐黒変性が低下
すると推定される。クロメート処理液中にZn化合物を
添加することにより耐黒変性が向上するメカニズムは、
めっき表面のZn酸化物の溶解がZn化合物添加により
抑制され、その結果として耐黒変性が向上すると考えら
れる。Zn化合物は、添加と共に処理液のpHが上昇す
るもので効果が認められ、ZnOのほかZnの水酸化
物、炭酸塩等に効果が認められた。また、Zn化合物以
外の添加物について限定していない理由はコスト的に見
て大きなメリットがあるものがないことによる。但し、
Cr6+に対して重量比でZnを0.3より多く添加すると、
全て溶解することが難しく沈殿物が生じる、あるいは処
理時に処理液のpHが3を越える場合がある。このよう
な場合には処理液が不安定となるために好ましくない。
したがって、添加するZn化合物量は、Zn量として処
理液中のCr6+量にたいして0.3以下にすべきである。次
に、処理液の塗布方法について述べる。
【0025】塗布方法については付着量の均一化あるい
は調整を行うために、浸漬またはスプレーにより鋼板表
面に塗布した後、気体絞りあるいはロール絞りを行う方
法、あるいはロールコーティング方法等が上げられる。
しかし、これらの方法によれば、はじきと見られる塗布
欠陥が生じる場合がある。従来、塗布性を向上させる手
段としてリン酸を添加していたが、本発明においては基
本的にリン酸を添加しない。そのため、リン酸に代わる
塗布性向上方法の検討が必要になった。クロメート処理
液の塗布性について検討した結果、Cr6+濃度が4g/l
未満の場合、あるいはシリカ濃度が20g/l未満で処理
した場合に塗布欠陥が生じやすいことが明らかになっ
た。したがって、塗布性の観点からは、Cr6+濃度が4g
/l以上でかつシリカ濃度は20g/l以上の処理液を塗
布することが必要不可欠である。但し、誘導加熱により
乾燥を行った場合には、先述のように皮膜の着色度が緩
和されるために塗布欠陥を目立ちにくくすることはでき
る。また、好ましいCr付着量範囲は各種特性のバラン
スから30〜80mg/m2で有り、したがって、塗布方法と
してはCr6+濃度が4g/l以上でかつシリカ濃度は20g
/l以上の処理液をその適性範囲内に調整できる方法で
あれば良い。乾燥の際に誘導加熱を用いることによる効
果を充分に発揮させるためには、塗布した後乾燥炉で塗
布液の水分を蒸発させるにあたり、濡れた状態のまま乾
燥炉に挿入することが必要である。気体絞りの場合、絞
った時点でかなり乾燥されるためあまり好ましくない
が、方法等を工夫し、乾燥が進まないようにすれば利用
することが可能である。特に、いずれの方法においても
乾燥しないように処理液の濃度、塗布液のWet量等を
調整することは有力な手段である。
【0026】次に、塗布された液の乾燥方法について述
べる。乾燥炉の方式は特に規定するものではないが、先
述したように誘導加熱により乾燥を行うことにより難溶
性で外観均一性にも優れたクロメート処理鋼板を製造で
きる。乾燥板温はクロメート皮膜特性に大きく影響す
る。乾燥板温が50℃以下ではクロメート処理液が乾燥し
きらず明らかに不適切である。乾燥板温が60〜100℃の
範囲に於いては、外観から判断するかぎり乾燥した皮膜
が得られるが、耐食性が処理した後の経時とともに低下
しやすい問題がある。この理由として、乾燥板温が60〜
100℃の範囲での乾燥では、外観的には乾燥しているよ
うに見えるが、まだ、吸着水、あるいはクロム酸化合物
からの脱水反応により生じる水分はかなり残存している
ために皮膜中の6価クロムとZnとの反応が保管時にも
容易に進行し、耐食性の観点から必要な6価クロムが著
しく減少するためと推定される。皮膜の経時安定性を確
保するためには、到達板温で105℃以上の乾燥が必要で
あることが判明した。更に、耐黒点錆性について乾燥板
温の影響を検討した結果、リン酸を添加しない系におい
ても、100℃以下の乾燥では発生しやすい。乾燥板温の
上限については250℃まで性能的に優れているが、必要
な設備が膨大になることもあり、製造ラインの状況によ
って決めればよい。実用的観点から105〜180℃程度が適
当であり、110〜140℃程度が好ましい。
【0027】本発明に使用可能な被処理材は電気めっき
プロセス、溶融めっきプロセス、蒸着めっきプロセス等
により製造される亜鉛系めっき鋼板であり、純亜鉛めっ
き鋼板のほか、Fe−Zn系合金めっき、Al−Zn系
合金めっき、Zn−Al系合金めっき、Zn−Ni系合
金めっき鋼板に用いることが可能である。
【0028】
【実施例】参考例1 公知の方法でめっきされた電気亜鉛めっき鋼板(めっき
量片面当り20g/m)表面にロールコーターを用い
て、表1に示した組成のクロメート処理液を塗布した。
塗布後、直ちに熱風乾燥炉にて10秒間で板温が110
℃になるように乾燥した。表1中のCrOはクロム酸
(Cr6+)とクロム酸還元生成物(Cr3+)の合計
量(g/l)を示す。クロム酸還元生成物(Cr3+
は、公知の方法により生成させ、Cr3+/Cr6+
クロム酸溶液中へのサッカロース添加量にて調整した。
SiOは、市販のコロイダルシリカで平均粒子径8m
μのもの、リン酸は市販の正リン酸(HPO)を用
いた。
【0029】クロメート処理液の安定性は、50℃で1ヵ
月間放置した後の液の状態を観察した。
【0030】クロメート処理材のCr付着量は、蛍光X
線による定量分析により求めた。
【0031】クロメー処理材の耐食姓は、塩水噴霧試
験(JIS Z 2371)を行い、白錆発生面積が10
%未満に抑制されている試験時間(h)により評価し
た。同時に塩水噴霧試験100h経過した時点で表面の
黒点錆発生程度を観察し、下記に示す基準により耐黒点
錆性を評価した。
【0032】耐黒点錆性評価基準; 1…全面に多数発生し、斜めから観察すると白錆に見え
る 2…全面に多数発生するが、斜めから観察しても黒く見
える 3…2よりかなり発生密度が低い 4…わずかに発生 5…発生なし
【0033】
【表1】
【0034】No.1〜7は、リン酸を含まないクロメー
ト処理液で、耐食性はCr3+/Cr6+=0.3〜1.0の範囲で
優れた特性を有している。しかし、耐黒点性、および処
理液安定性は、Cr3+/Cr6+=0〜0.55の範囲で優れて
おり、耐食性、耐黒点錆性、処理液安定性全て満足する
ためには、Cr3+/Cr6+=0.3〜0.55にすることが必要
であることがわかる。No.8〜10はリン酸を添加したク
ロメート処理液で、Cr3+/Cr6+=0.3〜0.55の範囲で
あってもリン酸添加量が請求範囲外になると耐黒点錆性
が著しく低下する。
【0035】参考例2参考 例1と同様に表2に示した組成のクロメート処理液
により電気亜鉛めっき鋼板を処理した。これらの液のC
rO濃度は13g/l、Cr3+/Cr6+は0.4
3に調整した。塗布後、直ちに熱風乾燥炉にて10秒間
で板温が110℃になるように乾燥した。また、参考
1と同様の方法により、Cr付着量を求め、耐食性、耐
黒点錆性、処理液安定性を評価した。また、特性に及ぼ
す処理液安定性の影響を調べる目的で、処理液安定性を
試験した後の液により処理したサンプルの耐食性を評価
した。塗布密着性は市販のメラミン系塗料で塗装(30
μm)した後、1mm間隔の基盤目を100個カッター
で切り、その部分をエリクセン試験機にて5mm押し出
し、粘着テープにて剥離試験を行い、下記に示す評価基
準に基づき密着性を評価した。
【0036】塗料密着性評価基準; 1…全て剥離 2…50%以上剥離 3…25〜49%剥離 4…10〜24%剥離 5…剥離面積10%未満
【0037】
【表2】
【0038】No.11〜14は、コロイダルシリカの平均粒
子径を変えたクロメート処理液での特性を示している。
No.15は、公知の比較材でリン酸を含んだものである。
平均粒子径を小さくするほど耐食性は向上しており、平
均粒子径を10mμ以下にすることによりリン酸を含まな
くとも公知の比較材と同等以上の耐食性を有している。
処理液安定性は、いずれの処理液においても外観的には
異常を認められない。処理液安定性を評価した後の液で
処理したサンプルの耐食性は、上述した傾向と大差無い
が、5mμのシリカを添加した処理液での耐食性は8m
μのシリカを添加したものと同じレベルにまで低下して
いるが、その他と比べると優れている。No.17はシリカ
添加量が請求範囲より少ない場合で有り、耐食性に劣っ
ている。No.18はシリカ添加量が請求範囲より多い場合
で有り、塗料密着性に劣っている。
【0039】参考例3参考 例1と同様に表3に示す組成のクロメート処理液に
より電気亜鉛めっき鋼板を処理した。添加したシリカは
粒子径8mμのものを用いた。ただし、クロム酸濃度の
異なる処理液については、ロールコータの塗布条件を調
整することにより一定のCr付着量を得た。また、クロ
メート処理液を塗布した後の乾燥温度を変えてクロメー
ト皮膜を形成した処理材について参考例1と同様の方法
により、Cr付着量を求め、耐食性、耐黒点錆性を評価
した。また、耐食性の経時安定性を評価する目的で80
℃、95%RH環境下で24h保管した後、塩水噴霧試
験を行った。塗布外観については、その均一性を目視観
察し下記に示す評価基準に基づいて評価した。
【0040】塗布外観均一性評価基準; A…斜めから観察してもムラが無い B…斜めから観察すると解かる程度のムラ有り C…明らかにムラ有り
【0041】
【表3】 No.19,20は、クロメート処理液組成は請求範囲内であ
るが、乾燥板温が請求範囲外である。そのためにNo.2
1,22,23と比べ耐黒点錆性、経時後の耐食性に劣る。
No.25,26は、Cr6+濃度、SiO2濃度が請求範囲外で
あるために塗布外観の均一性に劣っている。
【0042】実施例 電気亜鉛めっき鋼板に表4に示す組成のクロメート処理
液をロールコーターにより塗布し、直ちに乾燥を行っ
た。クロメート処理液のpHは、ZnOの添加量を変え
ることにより調整した。
【0043】耐黒変性評価方法; 黒変促進試験条件:80℃,95%pHの環境に24h放置 評価方法:色差計によりサンプル明度(L値)を測定
し、促進試験前後でのΔL{=(試験後のL値)−(試
験前のL値)}により評価した。ΔL≧−2の場合に
は、目視にて黒変化を確認できないレベルであり実際的
には問題にならないレベルである。
【0044】
【表4】
【0045】本発明例の中でも、乾燥方式によらず、処
理液のpHが2.2以下の場合(No.27,28,29)には、
耐黒変性は不十分である。処理液のpHが更に高くなる
と、耐黒変性も明らかに向上している(No.33,31,3
2,33)。
【0046】実施例 参考 例1と同様に表5に示した組成のクロメート処理液
により電気亜鉛めっき鋼板を処理した。クロメート処理
液の乾燥手段として、熱風炉による方法と誘導加熱によ
る方法を用いた。形成された皮膜の難溶性を評価する手
段として、処理材をアルカリ脱脂し、そのCr残存率に
より評価した。
【0047】脱脂後Cr残存率測定方法;脱脂前後にお
いてCr付着量を測定し、(脱脂後Cr付着量)/(脱
脂前Cr付着量)を脱脂後Cr残存率とした。脱脂液に
は、市販の脱脂剤(FCN−364S,日本パーカライジン
グ社製)を用い20g/lで建浴したものを用いた。脱脂
液の液温60℃にて、120秒間スプレー脱脂を行った。
【0048】
【表5】
【0049】熱風炉にて乾燥した皮膜(No.35,No.3
6)は、到達板温110℃にて優れた耐食性が得られるが、
脱脂を行った場合には、到達板温を140℃にしてもクロ
メート皮膜中のCr残存率は65%である。また、処理液
中のCr6+に対するCr3+比率を高めても70%程度である
(No.34)。これに対して、誘導加熱(I.H.)を用い
て乾燥した皮膜(No.37〜44)は、いずれの条件におい
ても85%以上のCrが残存しており、飛躍的により好ま
しい皮膜が形成されている。この中でNo.37は、耐食性
が劣るが、乾燥時の昇温パターン(No.38)、到達板温
(No.39)、炉内雰囲気温度(No.40,41)を調整する
ことにより耐食性に優れる皮膜をI.H.により短時間で
形成することができる。
【0050】また、No.42〜46は、クロメート処理液中
にZnOを添加した場合であるが、皮膜性能に対しては
悪影響を及ぼさず目的の特性を有している。
【0051】実施例1、2で得られたクロメート処理液
中に添加したZnOと、ロールコーターで塗布した場合
の処理液に混入するZn量の関係を図4に示す。これか
ら、Zn化合物を添加することによりめっきからのZn
化合物の混入が抑制されていることが解かる。この効果
により耐黒変性を向上させていると考えられる。
【0052】実施例 公知の方法でめっきされた電気亜鉛めっき鋼板(めっき
量片面あたり20g/m)、あるいは溶融亜鉛めっき
鋼板(めっき量片面あたり60g/m,ミニマイズド
処理)表面にロールコーターを用いて、表6に示した組
成のクロメート処理液を塗布した。塗布後直ちに誘導加
熱炉あるいは熱風吹き付け炉にて乾燥を行った。
【0053】各サンプルの色調を色差計により測定し、
黄色味の指標となるb値により評価した。また、外観均
一性を目視評価した。
【0054】めっき皮膜;EG…電気亜鉛めっき鋼板 CG…溶融亜鉛めっき鋼板 Cr濃度;塗布液中に含まれるCrを金属Cr換算した
値 Cr還元率;塗布液中に含まれるCr6+とCr3+の重量比
を(Cr3+)/(Cr3++Cr6+)にて換算した値 リン酸;塗布液中に含まれるリン酸量をH3PO4にて換
算した値 シリカ;市販のシリカコロイドを添加 有機高分子;アクリル系エマルジョン樹脂を添加し、塗
布液中に含まれる樹脂固形分濃度を示す 乾燥方式;熱風…熱風循環炉 I.H.…誘導加熱炉 外観均一性評価基準; 5…均一 4…塗布時には若干ムラがあるが、乾燥すると若干ムラ
が確認できる程度 3…塗布時には均一であるが、乾燥すると若干ムラが確
認できる程度 2…塗布時には均一であるが、乾燥するとムラが目立つ 1…ムラがかなり目立つ
【0055】
【表6】
【0056】No.47、48は、クロム酸、クロム酸還元生
成物、リン酸からなるクロメート処理液の例であり、均
一な塗布がかなり困難な液である。熱風方式の場合、
I.H.で乾燥したものに比べて黄色味が強くなり、乾燥
後の処理ムラが目立つ。I.H.で乾燥を行うことにより
黄色味が薄くなるため外観がかなり均一になるが、塗布
ムラが原因と考えられる明度のバラツキがあり、ムラが
若干残っている。
【0057】No.49、50は、クロム酸に対するクロム酸
還元生成物の比率を高めた例であるが、処理液のクロム
酸還元性生物を増やしてもNo.47、48の結果と同じであ
り、熱風乾燥で乾燥するかぎり大きな効果は得られてい
ない。
【0058】No.51、52は、乾燥条件を変えた例であ
る。いずれにおいても、熱風乾燥においては、乾燥到達
板温を高くしても黄色味を薄くする効果が得られず、し
たがって外観も向上していない。また、熱風乾燥を行っ
た後にI.H.により加熱しても外観は向上しない(No.5
5)。一方、I.H.の場合には、110℃でもすでに黄色味
が薄くなり、それ以上板温を高くしても色調が安定して
いる(No.53)。また、I.H.の炉内雰囲気温度を200
℃としても色調には影響せず(No.54)、I.H.による
乾燥後に熱風乾燥を行っても色調は変化していない(N
o.56)。炉内雰囲気温度を200℃としてもI.H.で加熱
を行わないと明らかに濡れた状態のままであり、この条
件では乾燥はI.H.による加熱によって主に生じている
ことが黄色味が薄くなる原因と考えられる。
【0059】No.57、58は、有機高分子を含んだクロメ
ート処理液の例であるが、有機高分子の添加により塗布
は均一に行えるが、乾燥後の外観はこれまでの結果同様
にI.H.の方が優れている。
【0060】No.59、60は溶融亜鉛めっき鋼板に処理し
た場合の例であるが、これまでの結果同様にI.H.の方
が黄色味が薄くなり、外観の均一性に優れている。
【0061】上記実施例で得られた結果を図1〜4に示
す。図1〜3中、○は耐食性を示し、●は耐黒点錆性を
示している。
【0062】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、亜鉛め
っき鋼板の表面にクロム酸(Cr6+)、クロム酸還元生成
物、及び平均粒子径10mμ以下のコロイダルシリカを主
成分とし、クロム酸とクロム酸還元生成物との混合比が
各々CrO3換算での重量比で1:0.3〜0.55、クロム酸
とクロム酸還元生成物との合計量とシリカとの混合比が
クロム酸とクロム酸還元生成物との合計量はCrO3換算
での重量比で、シリカはSiO2換算での重量比で1:1.5
〜2.5の比率で、かつクロム酸濃度がCr6+として4g/
l以上、シリカ濃度がSiO2換算で20g/l以上の範囲
内にあるクロメート処理液を塗布し、水洗することなく
最高到達板温105℃以上で乾燥することにより、亜鉛め
っき鋼板表面に、クロム酸及びクロム酸還元生成物を含
む処理液を塗布した後、水洗することなく濡れた状態で
誘導加熱により板温を上昇させることにより乾燥するこ
とにより、外観均一性、難溶性、耐黒点錆性、皮膜経時
安定性、塗布性、耐食性等に優れたクロメート処理亜鉛
めっき鋼板を安定して製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Cr還元率と耐食性、耐黒点錆性の関係の例
を示すグラフである。
【図2】 シリカ粒子径と耐食性、耐黒点錆性の関係の
例を示すグラフである。
【図3】 乾燥板温と経時後耐食性、耐黒点錆性の関係
の例を示すグラフである。
【図4】 クロメート処理液中に添加したZn化合物
(ZnO)をZn換算した値とロールコーターで塗布し
た場合の単位面積当りから処理液中に混入するZn量の
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−54776(JP,A) 特開 昭63−137180(JP,A) 特開 昭56−35778(JP,A) 特開 昭56−9376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気亜鉛めっき鋼板の表面に、クロム
    酸、クロム酸還元生成物、平均粒子径10mμ以下のコ
    ロイダルシリカ、及びZn化合物を主成分とし、クロム
    酸とクロム酸還元生成物との混合比が各々CrO3換算
    での重量比で1:0.3〜0.55、クロム酸とクロム
    酸還元生成物とのCrO3換算での合計量とSiO2換算
    でのシリカとの混合比が重量比で1:1.5〜2.5、
    Cr6+とZnとの混合比が重量比で1:0.06〜0.
    3であり、かつクロム酸濃度がCr6+として4g/l以
    上、シリカ濃度がSiO2換算で20g/l以上の範囲
    内にあるクロメート処理液を塗布し、水洗することなく
    濡れた状態で誘導加熱により板温を上昇させることによ
    り乾燥することを特徴とする、クロメート処理亜鉛めっ
    き鋼板の製造方法
  2. 【請求項2】 クロメート処理液のリン酸含有量がクロ
    ム酸とクロム酸還元生成物とCrO3換算での合計量に
    対する重量比で0.06未満であることを特徴とするク
    ロメート処理亜鉛めっき鋼板の製造方法
  3. 【請求項3】 乾燥時の最高到達板温が105℃以上で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載のクロメート
    処理亜鉛めっき鋼板の製造方法
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