JP3329241B2 - 耐黒点性、耐黒変性および耐食性に優れたクロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐黒点性、耐黒変性および耐食性に優れたクロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高温湿潤環境下
に保管した場合に生ずる黒点および経時変色の発生を防
止することができ、且つ、耐食性に優れているクロメー
ト処理電気亜鉛めっき鋼板を製造するための方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】白錆の発生防止、塗料密着性の向上など
を目的として、電気亜鉛めっき層の上にクロメート被膜
が形成された、クロメート処理電気亜鉛めっき鋼板は、
各方面で使用されており、特に、ユーザーの低コスト化
ニーズに応えるために開発された、耐食性・耐指紋性に
優れ、無塗装使用が可能なクロメート処理電気亜鉛めっ
き鋼板は、家庭電器製品ねどに広く使用されている。
【0003】しかしながら、クロメート処理電気亜鉛め
っき鋼板を、高温湿潤環境下で長期間保管した場合に、
しばしば、鋼板表面の一部または全部がダークグレーや
茶褐色に変色する、いわゆる黒変現象が生じたり、また
は、鋼板表面に微小な黒点が発生することがある。この
ような黒変および黒点の発生は、同時に生ずることがあ
り、無塗装使用を前提とした場合に、鋼板の品質および
外観を著しく低下させる。
【0004】黒変現象は、従来から知られているよう
に、高温湿潤環境下において、亜鉛めっき層の表面とク
ロメート皮膜の界面付近に、亜鉛酸化物(酸化物として
のZn,Oの化学量論的組成については必ずしも明らか
ではない)が生成することに起因する現象である。
【0005】この現象は、めっき浴中に不純物として存
在するPb2+の濃度の上昇によって顕著になる傾向があ
り、めっき皮膜中に存在するPbが、めっき皮膜の主成
分であるZnと電気化学的ミクロセルを形成することに
よって、亜鉛めっき表面とクロメート皮膜の界面付近に
腐食生成物としてのZn酸化物を形成することが原因で
あると推定されている。
【0006】上述した問題を解決する手段について、従
来から種々研究がなされており、例えば、次のような発
明が提案されている。 特公平4−20990号:Pb,Ni量およびその
比を制御した電気亜鉛めっき浴中で鋼板を電気亜鉛めっ
きした後、Cr濃度、Cr3+/Cr6+比、コロイダルシリカ
添加量およびリン酸添加量を制御したクロメート処理液
を塗布し、且つ、乾燥時における鋼板の板温を制御する
ことによって、鋼板に耐食性および耐黒変性を付与する
(以下、先行技術1という)。
【0007】 特開平6−212445号:クロメー
ト処理液中のCr濃度およびCr3+/Cr6+比、シリカゾル
添加量およびSiO2の平均粒子径を制御したクロメート処
理液を塗布し、鋼板の乾燥方法および乾燥時における板
温を制御することによって、鋼板に耐黒点性、耐黒変
性、耐食性および耐指紋性を付与する(以下、先行技術
2という)。
【0008】また、クロメート処理液中のCr濃度およ
びCr3+/Cr6+比、りん酸、酢酸、フッ酸のクロムに対す
る比をそれぞれ制御したクロメート処理液を塗布し、更
に、鋼板の乾燥条件を制御することによって、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板に対しては耐黒錆性を付与し、Zn−Al
合金めっき鋼板に対しては耐黒変性を付与する(以下、
先行技術3という)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術1、
2によれば、黒変現象単独の抑制に関しては、実用上問
題のないレベルにまで達していると考えられる。
【0010】一方、このような耐食性、耐指紋性に優れ
た鋼板に発生する黒点については、「鉄と鋼 第77年(1
991)第1号 p116 」に、黒点は塩水噴霧試験時に発生す
ることがあり、塩水噴霧環境下で発生する黒点は、塩基
性塩化亜鉛を主成分とするものであることが述べられて
いる。
【0011】先行技術3には、黒点の発生はクロメート
皮膜中に存在するCr6+が鋼板表面をエッチングすること
が原因であること、および、処理液中にCr6+よりも更に
エッチング作用の強いフッ素を添加することが記載され
ているが、このような方法は、必ずしも妥当であるとは
考えられない。仮に上記仮定が正しいとしても、対象と
する鋼板は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、製造プ
ロセスとして高温焼付けが必要になる。
【0012】また、先行技術2には、耐食性および耐指
紋性に優れた鋼板に発生する黒変現象や黒点発生を抑制
する技術が開示されているが、必ずしも十分な効果が得
られるものではなかった。
【0013】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、高温湿潤環境下に保管した場合でも、黒点お
よび黒変の発生することがなく且つ耐食性に優れた、耐
黒点性、耐黒変性および耐食性に優れたクロメート処理
電気亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記先行
技術を念頭において、クロメート処理電気亜鉛めっき鋼
板に発生する黒点および黒変現象について、詳細に検討
を行った結果、黒点および黒変現象の発生は、鋼板を高
温湿潤環境下で保管したときに単独で発生する場合と、
黒点と黒変現象とが同時に発生する場合があること、お
よび、高温湿潤環境下で発生した黒点は、Zn2(OH)2・Cr
O4を主成分とするCr6+と Zn の複合酸化物であることを
知見した。
【0015】上記知見から、高温湿潤環境下では、鋼板
の表面に結露などによって水膜が形成されるため、水膜
中の溶存酸素などにより鋼板表面に存在する欠陥部で亜
鉛が溶解され、クロメート皮膜中に存在するCr6+が供給
されることによって、腐食生成物である黒点が発生する
と推定するに至った。
【0016】上記推定メカニズムに基づいて、種々のク
ロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の耐黒点性について検
討したところ、めっき皮膜中にNiが含有されている耐
食性、耐指紋性に優れたクロメート処理電気亜鉛めっき
鋼板においては、耐黒変性に優れている反面、耐黒点性
が著しく劣ることがわかった。このように、Ni含有亜
鉛めっき鋼板において耐黒点性が著しく劣化するのは、
腐食環境下においては、NiによってZnが優先的に溶
解する作用が生じやすくなるためであろうと推定される
が、必ずしも明らかではない。
【0017】更に、耐食性および耐指紋性に優れたクロ
メート処理電気亜鉛めっき鋼板においては、塩水噴霧試
験の如き環境下でも黒点が発生すること、そして、その
腐食生成物は、 Zn5(OH)8Cl2・H20 のような塩基性塩化
亜鉛であることがわかった。
【0018】その結果、高温湿潤環境下における黒点の
推定発生メカニズムを併せて検討したところ、水膜中に
Cr6+よりも移動度が高いCl- イオンが存在していると、
Cl、Znを主成分とする塩基性塩化亜鉛のような腐食
生成物が生成する可能性が非常に高いと考えられ、推定
メカニズムの妥当性を示唆するものであると考えられ
る。
【0019】この発明は、上記知見に基づきなされたも
のであって、電気亜鉛めっき浴中に不純物として含まれ
るPb2+の含有量が0.5ppm 以下であり、Ni2+の含有量
が80〜250ppm の範囲内であり、そして、めっき浴
中のNi2+/Pb2+比が250〜500の範囲内である亜鉛
めっき浴中において鋼板を電気亜鉛めっきし、前記鋼板
の少なくとも1つの表面上に亜鉛めっき層を形成した
後、Cr3+/(Cr3++Cr6+)比が0.35〜0.6のクロ
ム酸、SiO2/Cr比が1〜6のコロイダルシリカ、およ
び、PO4 /Cr比が1〜4の PO4 3-を主成分とするクロメ
ート処理液を、前記鋼板の亜鉛めっき層の表面上に塗布
し、そして、100〜250℃の板温で乾燥することに
よって、前記亜鉛めっき層の上にクロメート皮膜を形成
することに特徴を有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明においては、亜鉛めっき浴
中に不純物として含有されているZn以外の金属イオン
のうち、Pb2+の含有量を0.5ppm 以下に、そして、Ni
2+の含有量を80〜250ppm の範囲内に制御する。Pb
2+の含有量が0.5ppm を超えると、クロメート処理を
施した場合、高温湿潤環境下において十分に耐黒変性を
得ることが困難になる。また、Pb2+の含有量のみを0.
5ppm 以下に制御しただけでは黒変現象が生ずるため、
不純物であるNi2+の含有量を80〜250ppm の範囲内
とし、そして、Ni2+/Pb2+比を250〜500の範囲内
に制御することが必要であり、これによって優れた耐黒
変性が得られる。なお、Ni2+の含有量が80ppm未満で
は、同時に共析するPb2+によって生ずる黒変現象を十分
に抑制することができない。一方、Ni2+の含有量が25
0ppm を超えると、亜鉛めっき鋼板自体の色調が黒ずむ
傾向が生ずると共に、耐黒点性が低下する。
【0021】クロメート処理に当たっては、Cr3+/(Cr
3++Cr6+)比が0.35〜0.6のクロム酸、SiO2/Cr
比が1〜6のコロイダルシリカ、および、PO4 /Cr比が
1〜4のPO4 3- を主成分とするクロメート処理液を使用
し、この処理液を鋼板の亜鉛めっき層の表面上に塗布
し、そして、100〜250℃の板温で乾燥することが
必要である。このような条件で、亜鉛めっき層の上にク
ロメート皮膜を形成することによって、本発明の目的で
ある、耐黒点性、耐黒変性、耐食性および耐指紋性の全
てに優れたクロメート処理電気亜鉛めっき鋼板が得られ
る。
【0022】クロメート処理液中のCr3+/(Cr3++C
r6+)比は、0.35〜0.6の範囲内であることが必
要で、上記比が0.35未満では、形成されたクロメー
ト皮膜中に残存するCr6+が多くなり過ぎて耐黒点性が劣
化する。一方上記比が0.6を超えると、Cr6+による防
食性が十分に発揮されず、耐食性が低下するおそれが生
じ、且つ、処理液の安定性が著しく低下するために、連
続操業に支障を招くおそれがある。
【0023】クロメート処理液中の PO4 3-/Cr比は、1
〜4の範囲内であることが必要である。上記比が1未満
では所望の耐黒点性が得られない。その理由はかならず
しも明らかではないが、処理液中に含まれる PO4 3-は、
液中に存在するまたは皮膜形成時に生成されるCr3+と難
溶性のリン酸クロムの皮膜を鋼板の表面上に形成するこ
とでバリアー性を向上させ、黒点発生の起点と考えられ
る亜鉛めっき表面欠陥を減少させることができると考え
られる。一方、上記比が4を超えるとPO4 3- が高い吸湿
性を有するために、皮膜が難溶化し難くなると同時に耐
黒変性を劣化させる。
【0024】クロメート処理液中のコロイダルシリカ含
有量は、SiO2/Cr比で1〜6の範囲内であることが必要
である。上記比が1未満では、所望の耐食性が得られな
い。一方、上記比が6を超えるとクロメート皮膜がもろ
くなり、加工後の耐食性が低下する。
【0025】上記クロメート処理液中の各成分の濃度
は、操業などに支障を来さない範囲で適宜選択すること
が可能であるが、Cr3+濃度、PO4 3- 濃度およびCr濃度が
高いほど沈澱が生じやすい傾向があるので、沈澱が生じ
ない範囲で処理液の濃度を調整することが必要である。
【0026】上述した成分組成のクロメート処理液を、
鋼板の亜鉛めっき層の上に塗布した後乾燥する際の板温
は、100〜250℃の範囲内とすることが必要であ
る。乾燥時の板温が100℃未満では、クロメート皮膜
の難溶化が不十分で、黒点発生を抑制することができず
耐黒変性も低下する。一方、乾燥時の板温が250℃を
超えると、皮膜性能が低下する問題が生ずる。なお、板
温を150℃以上にするためには、その製造設備が大規
模になるため、連続ラインによる操業を考慮した場合に
は、板温を100〜150℃の範囲内とすることが好ま
しい。
【0027】クロメート皮膜の付着量は、耐食性の観点
から金属Cr換算で30mg/m2 以上とすることが必要で
ある。各種性能のバランスから、クロメート皮膜の好ま
しい付着量は、30〜100mg/m2 の範囲内である。
【0028】
【実施例】次に、この発明を、実施例に基づいて説明す
る。冷延鋼板に対し通常の方法で脱脂、酸洗を施した
後、この発明の範囲内のPb2+およびNi2+を含有する亜鉛
めっき浴中で電気亜鉛めっきを施し、鋼板の表面上に電
気亜鉛めっき層を形成した。次いで、電気亜鉛めっき層
の上に、この発明の範囲内のCr6+、Cr3+、SiO2、PO4 3-
を含有するクロメート処理液を塗布した後、この発明の
範囲内の板温で乾燥して、表1に示す本発明のクロメー
ト処理電気亜鉛めっき鋼板の供試体(以下、本発明供試
体という)No.〜27を調製した。
【0029】比較のために亜鉛めっき浴の組成、クロメ
ート処理液の組成および乾燥時の板温のうちの何れか1
つが本発明の範囲を外れた条件によって、表1に示すク
ロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の比較用供試体(以
下、比較用供試体という)No.28〜41を調製した。
【0030】
【表1】
【0031】上記本発明供試体および比較用供試体の各
々について、以下に述べる性能試験によって、耐黒変
性、耐黒点性および耐食性を調べ、その調査結果を表1
に示した。 (1) 耐黒変性試験:本発明供試体および比較用供試体の
各々を、80℃×相対湿度95%の高温恒湿槽の中に2
4時間放置した前後における各供試体の色調を測定し、
明度指数L値の変化量(試験前L値−試験後L値=Δ
L)を求め、得られた変化量(ΔL)によって、下記に
より評価した。
【0032】 ○:ΔL≧−3 (ほとんど色調変化がない場合) △:−3>ΔL≧−5(明らかな黒変発生は見られない
が色調変化が生じている場合) ×:−5>ΔL (明らかな黒変発生がある場合) (2) 耐黒点性試験:複数枚の供試体を、その対象面を互
いに接触させた状態で積み重ねた後、防錆紙で梱包し更
に治具を使用して30Kg・cmに加圧し、このような状態
の供試体を50℃×相対湿度95%の高温恒湿槽中に1
0日間放置した後における、黒点の発生状況を目視で調
べ、下記により評価した。
【0033】 ○:殆ど黒点の発生が無かった場合 △:軽度の黒点が少ない面積に発生していた場合 ×:広範囲に黒点が発生していた場合 (3) 耐食性:JIS 2371に規定する塩水噴霧試験を施し、
白錆発生面積が5%に達した時間で評価した。
【0034】表1から明らかなように、亜鉛めっき浴中
のPb含有量が、本発明の範囲を超えて多い比較用供試
体No. 28、29は、耐黒変性が劣っていた。亜鉛めっ
き浴中のNi含有量が、本発明の範囲を外れて少ない比
較用供試体No. 30、31は、耐黒変性が劣っていた。
亜鉛めっき浴中のNi/Pb比が本発明の範囲を外れて
小さい比較用供試体No. 32、33は、耐黒変性が劣っ
ていた。
【0035】クロメート処理液中のCr3+/(Cr3++C
r6+)比が本発明の範囲を外れて少ない比較用供試体No.
34、35は、耐黒点性が劣っていた。クロメート処
理液中のPO4 /Cr比が本発明の範囲を外れて小さい比較
用供試体No. 36、37は、耐黒点性が劣っていた。ク
ロメート処理液中のSiO2/Cr比が本発明の範囲を外れて
少ない比較用供試体No. 38、39は、耐食性が劣って
いた。そして、乾燥時の板温が本発明の範囲を外れて低
い比較用供試体No. 40、41は、耐黒点性が劣ってい
た。
【0036】これに対して、亜鉛めっき浴中のPb2+およ
びNi2+の含有量、Ni2+/Pb2+比、クロメート処理液中の
クロム酸、コロイダルシリカおよび PO4 3-の組成、なら
びに、クロメート処理液を塗布した後の鋼板乾燥温度
が、何れも本発明の範囲内である本発明供試体No.
27は、耐黒点性、耐黒変性および耐食性のすべてに優
れていた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、高温湿潤環境下に保管した場合でも、黒点および黒
変の発生することがなく、耐黒点性および耐黒変性に優
れ、且つ耐食性に優れたクロメート処理電気亜鉛めっき
鋼板を製造することができる、工業上有用な効果がもた
らされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−8374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 28/00 C23C 22/30 C25D 5/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気亜鉛めっき浴中に不純物として含ま
    れるPb2+の含有量が0.5ppm 以下であり、Ni2+の含有
    量が80〜250ppm の範囲内であり、そして、めっき
    浴中のNi2+/Pb2+比が250〜500の範囲内である亜
    鉛めっき浴中において鋼板を電気亜鉛めっきし、前記鋼
    板の少なくとも1つの表面上に亜鉛めっき層を形成した
    後、Cr3+/(Cr3++Cr6+)比が0.35〜0.6のクロ
    ム酸、SiO2/Cr比が1〜6のコロイダルシリカ、およ
    び、PO4 /Cr比が1〜4の PO4 3-を主成分とするクロメ
    ート処理液を、前記鋼板の亜鉛めっき層の表面上に塗布
    し、そして、100〜250℃の板温で乾燥することに
    よって、前記亜鉛めっき層の上にクロメート皮膜を形成
    することを特徴とする、耐黒点性、耐黒変性および耐食
    性に優れたクロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の製造方
    法。
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