JPH06108265A - 塗装鋼板用下地塗布クロメート処理方法 - Google Patents

塗装鋼板用下地塗布クロメート処理方法

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JPH06108265A
JPH06108265A JP28230192A JP28230192A JPH06108265A JP H06108265 A JPH06108265 A JP H06108265A JP 28230192 A JP28230192 A JP 28230192A JP 28230192 A JP28230192 A JP 28230192A JP H06108265 A JPH06108265 A JP H06108265A
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JP
Japan
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chromate
coating
chromium
steel sheet
reduction rate
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JP28230192A
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Motoo Kabeya
元生 壁屋
Hiroshi Kanai
洋 金井
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/24Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds
    • C23C22/30Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds containing also trivalent chromium

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、2C2B塗装のように、特定組成
でなるクロム組成物を用いてなるクロメート処理方法を
提供する。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の表面を、金属亜鉛として
0.5〜5g/m2 研削したのち、直ちに 総クロム濃度(g/l) : 5〜30, クロム還元率(%) : 5〜30未満, 線状シリカゾル(g/l):クロム還元率のCr3+量×
0.1〜3.0, 線状シリカゾルの粒径比 :長さ/直径で2〜100 でなるクロメート組成物でクロメート処理する塗装鋼板
用下地塗布クロメート処理方法である。 【効果】 本発明の塗布クロメート処理により、2C2
B塗装した亜鉛系めっき鋼板の塗装耐食性を飛躍的に向
上せしめ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛系めっき鋼板を下
地とした塗装鋼板の下地塗布クロメート組成物および処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や家電用塗装鋼板に対する
高防錆性や塗料密着性をはじめとする高機能化並びに低
コスト化に対する市場ニーズは益々高まり、これに呼応
した新製品の開発研究も最近盛んに行なわれている。
【0003】特に亜鉛系めっき鋼板を下地とした塗装鋼
板の耐食性,就中鋼板切断時に生じるバリ部の端面高防
錆化(耐エッジクリープ性)は、長年にわたる市場要求
であり、塗料密着性など他の諸性能を低下させることな
く、これをクリアーするための技術開発の動きもやっと
表面化しつつある。
【0004】この端面高防錆化ニーズに答えた従来技術
としては、バリ発生を抑制する鋼板の切断方法や、電着
塗装での厚膜塗装技術といった面での先行技術はあるも
のの、表面処理鋼板の鋼板側から提案した具体的なシー
ズ及び技術の事例はまだ見られていない。
【0005】塗装して使用することを前提とした下地表
面処理鋼板の耐食性向上をはじめとする品質の高機能化
を、下地処理の観点からクロメート処理の改良によって
達成しようとする動きは従来からなされている。
【0006】従来技術にあって、クロメート皮膜の難溶
化を試みた事例としては、特開昭50−158535号
公報に開示された技術がある。これは無水クロム酸−り
ん酸−水性高分子化合物のクロメート液を開示し、その
処理液中の6価クロムイオンは、エチレングリコール等
の還元剤で70%以上還元されたものである。
【0007】しかしながらこの実施例によって形成され
るクロメート皮膜は、高分子を含有するので、難溶性,
耐食性,塗装性において優れているが、処理液としての
寿命が短く、生産性の高いラインでは安定した性能が得
られ難いという安定製造上の欠点がある。
【0008】また特願平2−111009号,特公平4
−20991号公報に開示のクロメートは、クロム酸−
シリカゾル系の無機クロメートであり、クロムの高還元
率化と粒径の異なる粒状シリカゾルを混合配合したこと
を特徴とした高耐食性クロメート処理方法である。
【0009】しかしながらこの方法はクロム還元率が高
過ぎるため、その後の高温焼付塗装において脱水重合が
進み、素地密着性に乏しいクロメート皮膜に形態変化す
るため、耐食性や塗料密着性などを両立した塗装鋼板と
しての下地クロメート処理としては余り好ましくない。
【0010】次にリン酸添加を特徴としたクロメート処
理液系において提案されている技術に、特願平2−11
1008号,或は特定フッ化物とシリカゾルを添加した
酸系クロメート処理液を開示した特公平4−19313
号公報がある。
【0011】しかしこの方法で形成されるクロメート皮
膜は、2C2B塗装など多層塗装系でなる鋼板にあって
は塗料密着性の低下が大きく、塗装鋼板の端面防錆性に
おいても高い性能を期待することは難しい。
【0012】以上のように、上記した従来技術でなるク
ロメート処理方法を、2C2Bなどの多層塗装系の下地
処理として適用するには、若干の無理がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
けるクロメート処理方法の特徴は、めっき鋼板の無塗装
裸用途、あるいは安価で比較的低温焼付の1コート塗装
用途に適合する下地処理とした点にあり、以下のような
液組成物設計上の特徴でなる。
【0014】クロム固定率を上げ、難溶性のクロメー
ト皮膜が得られる。 このクロメート皮膜は、裸用途,簡易な1コート低温
焼付け塗装用途として、耐食性,塗料密着性などの性能
があるレベルにまでは向上させ得ることが可能である。
【0015】ところが、本発明が主旨とする2C2B等
の塗装系において、200℃以上の高温焼付を前提にし
た塗装鋼板にあっては、上述した従来技術のクロメート
処理ではクロメート皮膜の高温酸化重合が総じて過剰に
進み、加工によって凝集破壊若しくは層間剥離を起こし
易い欠点が基本的に存在する。
【0016】本発明者らは上記の問題点を知見として持
ちつつ、この点の改善を詳細に検討した結果、焼付け板
温が200℃以上の塗装であっても耐食性、就中,端面
防錆性の向上と高い塗料密着性を両立させ得るクロメー
ト処理技術を見い出し、本発明を提案するに至ったもの
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明において上記の課
題解決に当っては、次ぎに掲げるようなクロメート処理
液の適性組成について詳細な検討を行なった。
【0018】すなわち、 クロメート組成物の塗布にあって、液はじきを防ぎ界
面反応性を上げてクロメート皮膜の均一被覆性と密着性
を向上させるに必要な下地めっき表面酸化膜の除去を、
工業的規模で行なうにあたっての、めっき表面研削量の
適正範囲の見極め。 クロメート皮膜のクロム固定率に対する処理液の面で
の、適性クロム還元率の見極め。 高温焼付け塗装にあって、塗装性能の向上を狙いとし
た下地クロメート皮膜の乾燥板温の見極め。 塗装耐食性と塗料密着性を両立して向上させるに必要
なシリカゾルの適性粒形状の見極め。
【0019】その結果、2C2Bのような高温焼付け塗
装の場合、密着性のよいクロメート皮膜を均一被覆させ
るためのクロメート前処理として、めっき表面研削量は
高々5g/m2 程度で十分であること、またその後直ち
に行なうクロメート処理では、クロメート組成物のクロ
ム還元率が、従来技術のものよりは寧ろ低目で設計する
必要があること、及びシリカゾルの中でもその形状が線
状のものが塗料密着性及び塗装耐食性がバランスして優
れていることの知見を見い出し、本発明に至ったもので
ある。
【0020】本発明におけるクロメート処理方法の構成
について先ず説明する。
【0021】本発明は、亜鉛系めっき鋼板の表面を、金
属亜鉛として0.5〜5g/m2 研削したのち、直ちに 総クロム濃度(g/l) : 5〜30, クロム還元率(%) : 5〜30未満, 線状シリカゾル(g/l):クロム還元率のCr3+量×
0.1〜3.0, 線状シリカゾルの粒径比 :長さ/直径で2〜100 でなるクロメート組成物でクロメート処理することを特
徴とする塗装鋼板用下地塗布クロメート処理方法であ
る。
【0022】また上記塗装鋼板用下地塗布クロメート処
理方法において、亜鉛系めっき鋼板の表面に、 総クロム濃度(g/l) : 5〜30, クロム還元率(%) : 5〜30未満, 線状シリカゾル(g/l):クロム還元率のCr3+量×
0.1〜3.0, 線状シリカゾルの粒径比 :長さ/直径で2〜100 のクロメート組成物で、金属クロムとして10〜150
mg/m2 の固形皮膜を形成し、直ちに乾燥炉出側で最
高板温60〜150℃になるように乾燥するものであ
る。
【0023】すなわち本発明の骨子は、 下地めっきの表面研削量を特定することによって、高
生産性ライン下でもめっき表面に対する密着性に富んだ
クロメート皮膜の均一被覆性を上げ、これが2C2Bの
ような高温焼付け塗装下でも、安定した塗装耐食性及び
塗料密着性を両立できるようにした点。
【0024】クロメート皮膜の難溶化が実際の高温焼
付け塗装した際に発揮されるようにするためには、クロ
メート組成物のクロム還元率を低目側に制御することが
必要とした点。
【0025】塗料密着性確保の上から、塗料樹脂の反
応基と十分な架橋反応が出来るようクロメート皮膜の表
面にOH基の生成密度を上げる必要があり、そのために
は、シラノール基(Si−OH)を表面に有するシリカ
ゾルの形状の中で線状が有効とした点。
【0026】さらには、塗装後の耐食性を高品位に維
持するためには、クロメート皮膜の脱水反応を抑制し、
皮膜へのクラック発生などの欠陥を防ぐ必要があり、そ
のためには、クロメート処理後の乾燥板温を適性範囲に
設ける必要があるとした点、にある。
【0027】なお本発明に適用される亜鉛系めっき鋼板
は、公知のめっき方法によって得られるものの何れであ
ってもよく、例えばそのめっき系としては、電気めっき
系では、Znめっき,合金元素がNi,Cr,Feの何
れか1種以上からなるZn系合金めっき鋼板が用いられ
てよい。
【0028】また電気分散めっき系においては、Zn−
Ni,Zn−FeをベースにSiO2 ,TiO2 ,Zr
2 ,BaCrO4 等の金属酸化物を均一分散析出させ
てなるZn系分散合金めっき鋼板が用いられてよい。さ
らに溶融めっき系においては、溶融亜鉛めっき鋼板,Z
n−Al系合金めっき鋼板,及びそれらの合金化処理し
た亜鉛めっき鋼板が適用されてよい。
【0029】
【作用】以下に本発明の構成因子に対する作用限界につ
いて述べる。
【0030】本発明の塗布クロメート皮膜は、めっき鋼
板の表面にあって下地めっきとの密着性及び耐クロム溶
出性が高く、かつ上塗塗膜との塗料密着性と塗装耐食性
を高位に両立させる上で重要な皮膜である。
【0031】特に塗装鋼板における端面の高防錆化、あ
るいは耐水,耐酸,耐アルカリ性といった塗装性能の飛
躍的な向上にあたっては、クロメート皮膜の高いレベル
での難溶化が必要で、かつ高耐食性機能を低下させるこ
となくこれを両立させるためには、以下のように特定し
た前処理とクロメート浴の組成物を併用して、適性範囲
に管理することが必要である。
【0032】(1)めっき表面の研削量について:本発
明におけるクロメート処理の前に行なう下地めっき鋼板
のめっき表面研削の主旨とするところは、めっき表面に
生成する金属酸化物皮膜が弊害となって、クロメート皮
膜の密着性及び均一被覆性を阻害するため、この事前除
去を目的とする。
【0033】特に本発明が狙いとするところは、高生産
性ライン下で安定して均一な研削を行なう点にあり、そ
のための指標としてめっき表面研削量を掲げ、これを適
性範囲に制御することが必要である。
【0034】この研削量が0.5g/m2 未満にあって
はめっき表面の酸化皮膜が残存し、クロメート皮膜の均
一被覆性並びにクロメート皮膜に起因する塗料密着性及
び塗装耐食性の両立が難しくなる。
【0035】またこの研削量が5g/m2 を超えては十
分な塗装後の耐食寿命が得られず、また研削されためっ
き金属粉末の処理設備への蓄積があって、その除去コス
ト上昇を招くため、生産性の面から余り好ましくない。
【0036】従って本発明にあって、めっき表面の適性
研削量が0.5〜5g/m2 がよく、好ましくは1.0
〜3.0g/m2 がよい。
【0037】なお本発明のめっき表面研削にあって、そ
の研削方法は特に問うものではなく、吐粒を含浸させた
ブラシロール等による機械研削,あるいは酸液,アルカ
リ液を用いた化学的,電気化学的手法,あるいはこれら
の併合による手法など、公知の方法の何れであってもよ
い。
【0038】(2)総クロム濃度及びその還元率につい
て:本クロメート組成物は水を溶媒とし、亜鉛系めっき
鋼板の耐食性等と諸性能を安定して維持するために、総
クロム濃度(以下T.Crという)が5〜30g/l,
クロム還元率は5〜30%未満が必要である。
【0039】T.Crが5g/l未満及び/又はCr還
元率が5%未満では、可溶性Cr6+が支配的なクロメー
ト皮膜となるため、クロメート皮膜自体が水に溶出して
流出し易くなり、これが塗装鋼板として安定した塗料密
着性あるいは塗装後の耐食性の寿命低下を招くため、余
り好ましくない。
【0040】また液膜中に水分を多量に含むため、皮膜
としての乾燥過程で処理外観ムラを生じ易く、これが塗
装外観品質を大きく損なうなど、品質及び生産性向上の
点であまり得策でない。
【0041】一方T.Cr30g/l超及び又はCr還
元率が30%を超えては、処理液としての粘性が上が
り、クロメート付着量の制御や浴寿命の点で安定性を欠
き、高生産性ラインの下では品質及びコストの面で必ず
しも有利でない。
【0042】したがって総クロム濃度が5〜30g/l
にあって、好ましくは10〜20g/lがよい。またク
ロム還元率は5〜30%未満にあり、好ましくは5〜2
0%がよい。
【0043】なおクロムの還元剤については、アルコー
ルや有機物等による公知の方法のいずれであってもよい
が、処理浴の安定性から還元剤の未分解物がないように
した方がよい。
【0044】(3)線状シリカゾルとその添加配合範囲
について:本発明のクロメート組成物に用いるシリカゾ
ルとしては、シリカ粒形として線状が塗料密着性及び塗
装耐食性をバランスさせる上で有利として、この場合、
その粒形状(長さ/直径の比)と添加量の適性化が重要
なポイントとなる。
【0045】先ず本発明が定義する線状シリカゾルのシ
リカ粒径は、粒径が5〜20mμの粒状シリカが、線状
に連なった長さ/直径の比が2〜100のシリカをい
う。シリカのこの比が2未満では、高品位での塗料密着
性を安定して得ることが難しく、また100を超えては
クロメート浴としての粘性が増し、また浴中でのシリカ
の分散性が低下して沈澱を起こし易くなり好ましくな
い。
【0046】従って、線状シリカの粒径はシリカの長さ
/直径の比で2〜100がよく、好ましくは2〜50が
好ましい。また本発明におけるシリカの添加量は、クロ
メート浴中のCr3+濃度に対する比でなり、その比が
0.1〜3.0がよい。
【0047】このシリカの添加比が0.1未満では、塗
装鋼板としての塗料密着性や耐食性、就中,端面防食性
(耐エッジクリープ性)を高位に安定して得ることが困
難である。一方このシリカの添加比が3.0を超えて
は、耐食性には特に支障ないが厳しい加工に対して塗料
密着性の低下が目立ち、余り好ましくない。また処理浴
の粘性が上がって、クロメート皮膜としての均一塗布性
に欠けるなど、高生産性のライン下にあっては利点が少
ない。
【0048】従って線状シリカの添加量範囲としては、
Cr3+濃度の0.1〜3.0にあって、好ましくは0.
5〜2.0がよい。
【0049】(4)クロム付着量について:本発明にあ
って、クロメート皮膜のクロム付着量は金属Cr換算で
10〜150mg/m2 でなる。
【0050】クロム付着量が10mg/m2 未満では、
厳しい加工及び腐食環境での塗料密着性、及び耐食性の
高レベルでの両立が難しい。また150mg/m2 を超
えては、高生産性のライン下でのクロメート皮膜の均一
塗布性,乾燥性、或は皮膜自身の脆さもあって、耐食性
及び塗料密着性を損なうため、生産性及び性能面で余り
利点がない。
【0051】従って、本発明における適性クロム付着量
としては10〜150mg/m2 であって、好ましくは
20〜80mg/m2 がよい。
【0052】(5)クロメート皮膜の乾燥板温につい
て:本発明におけるクロメート処理時の乾燥板温は、乾
燥炉の出側最高板温を指し、60〜150℃でなる。
【0053】この板温が60℃未満にあっては、酸化重
合によるクロメート皮膜の網目構造化が難しく、耐水性
に乏しい皮膜となるため、高品位での耐食性及び塗料密
着性の維持が難しくなる。一方150℃を超えては、ク
ロメート皮膜自身の結晶水の消失から皮膜が脆くなり、
高レベルでの塗料密着性及び耐食性の維持両立が難しく
なる。
【0054】従って、高生産性のライン下で塗装性能を
安定して高品位に維持するためのクロメート皮膜の乾燥
条件としては、炉出側での最高板温が60〜150℃で
あって、好ましくは60〜130℃がよい。
【0055】
【実施例】以下実施例によって、本発明の効果を更に詳
述する。
【0056】公知のめっき方法で所定のめっき付着量に
制御された板厚0.7mm、板巾914mmの亜鉛系め
っき鋼板の表面に対し、塗装ラインにてライン速度70
m/分でアルカリ脱脂−水洗工程において、吐粒を含浸
させたスコッチブライトロールで特定量の表面研削を行
ない、直ちに実施例の表1〜表7に特定する本発明のク
ロメート組成物を、ロール塗布法によって特定クロム付
着量になるよう制御する。その後、直ちに熱風乾燥炉に
て、特定する炉出側での最高板温に制御して乾燥−空冷
されたのち、直ちに2C2Bのロール塗装工程に入る。
【0057】プライマー塗料は、防錆顔料を含む高分子
ポリエステル系樹脂塗料(日本ペイント製)を固形皮膜
として5μmに制御され、炉出側の最高板温が220℃
になるよう焼付けされ、水冷乾燥されたのち高分子ポリ
エステル系樹脂塗料(日本ペイント製)をトップコート
として固形皮膜で17μm塗装され、続いて炉出側の最
高板温が230℃になるよう焼付けされ水冷乾燥され
る。
【0058】こうして製造された本発明法のクロメート
処理による2C2Bの塗装鋼板の性能は、表1〜表7の
実施例に示すように飛躍的に向上し、厳しい加工条件,
あるいは厳しい腐食環境においても、特に耐エッジクリ
ープ性を含む塗装耐食性及び塗装密着性を、高いレベル
で両立させることが可能になった。
【0059】こうしてなる本発明の塗布クロメート処理
亜鉛系めっき鋼板の性能について、比較例とともに表1
〜表7にまとめて示す。なお表1〜表7において※1〜
※6に注記するそれぞれの記号,処理,試験方法等は次
の通りである。
【0060】※1.めっき系 EZ :電気亜鉛めっき ZN :電気Zn−Ni合金めっき(Ni;11.5
%) EC :電気Zn−Cr−Ni合金めっき(Cr;10
%,Ni;2%) EF :電気Zn−Fe合金めっき(Fe;15%) ZNS:電気Zn−Ni−SiO2 (Ni;12%,S
iO2 ;3%) ZNT:電気Zn−Ni−TiO2 (Ni;12%,T
iO2 ;3%) ZNZ:電気Zn−Ni−ZrO2 (Ni;12%,Z
rO2 ;3%) ZNB:電気Zn−Ni−BaSO4 (Ni;12%,
BaSO4 ;3%) ZFS:電気Zn−Fe−SiO2 (Fe;10%,S
iO2 ;3%) GZ :溶融Znめっき GA :溶融Zn−Alめっき(Al;5%) GF :合金化溶融Znめっき(Fe;8〜11%)
【0061】※2.塗布クロメート処理 クロム酸 :日本電工製、メタノール還元して
使用。 粒状シリカゾル :日産化学製、15wt%を使用。 粒状シリカの添加量:(総Cr濃度)*(Cr還元率)
*(0.5〜2.0)で添加 T.Cr付着量測定:蛍光X線分析法による。
【0062】※3.塗装耐食性 塩水噴霧試験(JIS Z−2371)960時間, 鋼板切断部の端面からの塗膜フクレ状況 ◎:極く僅か, ○:小さいフクレの
点在, △:やや連続化した小さいフクレ,×:連続したフクレ
【0063】※4.塗料密着性 1次密着性;1T密着曲げした同一加工部を繰り返し3
回セロテープ剥離 2次密着性;純水浸漬,煮沸2時間後24時間放置した
のち、1次と同一の評価を行なった。 ◎:塗膜剥離無, ○:剥離5%以下, △:剥離10%以下, ×:剥離10%超
【0064】※5.クロメート皮膜の均一塗布性(仕上
がり外観) ◎:均一, ○:僅かにムラあり, △:部分的ムラ, ×:全面的にムラ
【0065】※6.生産性ライン下でのクロメート処理
作業性 ◎:煩雑性なく経済的で良好, ○:僅かに浴管理に煩
雑性あり, △:不経済, ×:実用的でない
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】先ず本発明におけるめっき表面研削の効果
について、実施例をNo1〜No6に、またその際の比
較例をNo7〜No8に示す。
【0074】これより明らかなように、めっき表面の酸
化物皮膜の除去効果は、2C2Bの塗装性能を飛躍的に
向上させ得ることが明瞭に示されている。これは、本発
明が特定するめっき表面の研削によってめっき表面がよ
り活性化し、これが本発明が特定するクロメート組成物
の界面反応性を上げ、密着性に優れたクロメート皮膜の
均一生成をもたらしたためと考えられる。
【0075】つぎにクロメート組成物のうち、総クロム
濃度とクロム還元率の適正範囲について、実施例をNo
4とNo9〜No14及びNo17〜No20に示し、
又、その比較例をそれぞれNo15〜No16及びNo
21〜No22に示す。
【0076】これより明らかなように、本発明のクロメ
ート組成物の基本組成である総クロム濃度及びクロム還
元率を特定範囲に制御することにより、クロメート処理
の外観及びその作業性のほか、塗装耐食性及び塗料密着
性といった塗装性能を高位に安定してバランスよく得る
ことが可能となる。
【0077】つぎに塗料密着性に加えて、塗装耐食性,
就中塗装端面防錆性を高品位に安定させるには、本発明
のクロメート組成物にあって、線状シリカゾルの添加量
及びシリカ形状を適正比に制御して添加する必要があ
る。
【0078】この点について、本発明の効果を実施例と
してNo4,No23〜No31及びNo34〜No4
0に示し、またその比較例をNo32〜No33及びN
o41〜No42に示す。
【0079】これより明らかなように、塗装性能の就
中,塗料密着性の向上に取って不可欠の線状シリカを本
発明の範囲に適正配合させることによって、鋼板の塗装
耐食性、就中,塗装端面の耐食性をも格段に向上させ得
ることが判る。
【0080】また塗装後の耐食性を最大限発揮させるに
は、上述した本発明のクロメート組成物を固形皮膜とし
て適性範囲に制御することが必要である。この点につい
て、本発明の実施例をNo4及びNo43〜No49に
示し、その比較例をNo50〜No51に示す。
【0081】これより明らかなように、該クロメート組
成物を本発明がいう適性クロム付着量の範囲に制御する
ことによって、塗装性能の飛躍的な維持向上が達成でき
ることが判る。
【0082】次に、このような塗装後の性能を高生産性
のライン下で安定して製造するためには、クロメート処
理後のクロメート皮膜の乾燥条件として、炉出側での最
高板温の制御が必要である。この適性板温について、本
発明の実施例をNo4及びNo52〜No56に示し、
その比較例についてNo57〜No58に示す。
【0083】これより明らかなように、クロメート皮膜
の仕上がり外観ほか、塗装後の耐食性及び塗料密着性を
安定して高品位に維持するには、本発明がいう最高板温
範囲に制御する必要のあることが判る。
【0084】なお本発明の実施例で、No4及びNo5
9〜No69に示すように、本発明に適用できる亜鉛系
めっき鋼板のめっき系がいずれであっても、塗装性能に
対する効果は全く変わらないことが判る。
【0085】以上のようにして得られる本発明のクロメ
ート皮膜が、2C2Bのような塗料密着性及び塗装耐食
性を安定して両立し向上させ得る理由については、まだ
十分に解明されてはいないが、透過型電子顕微鏡,GD
S及びESCA等の表面解析から以下のように考えられ
る。
【0086】クロメートの皮膜形態は、基本的に難溶性
の水酸化クロム(3価クロム)と水溶性の6価クロムと
で構成される。さらには、これらのクロムとシリカ粒子
表面のシラノール基(Si−OH)とが複雑に化学結合
して、クロメート皮膜は網目構造化する。
【0087】この皮膜において、特に線状シリカは皮膜
の表面に濃化して分散するため、クロメート皮膜が持つ
OH基の他に、シラノール基が付加させた形で塗料樹脂
との架橋密度が更に上がったことが塗料密着性が向上し
た主な原因と考えられる。従って、こうした線状シリカ
による塗料密着性の向上が付随的に塗装耐食性をも飛躍
的に向上せしめた原因であろうと考えられる。
【0088】またクロメート皮膜の乾燥板温によって更
に形態変化が予想されるが、皮膜がもつ結晶水の脱水限
界以内の板温で乾燥することが肝要である。
【0089】クロメート皮膜構造は、一般に乾燥する際
の空気中の酸素によって、オール結合(Cr−OH)か
らオキソ結合((Cr−O)を強めた網目構造の皮膜へ
と形態変化して難溶化する。
【0090】この場合、特に2C2Bのような塗装にあ
って比較的高温焼付けされる際のクロメートの皮膜形態
は、上述した皮膜形態が更に進んだ形となり、セルフヒ
ーリング作用をもつCr6+が減少して良好な塗装耐食性
が得られなくなる。このCr6+を塗装性能のバランス上
どこまでクロメート皮膜中に取り込ませられるかが重要
で、本発明のクロメート組成物はこれに答えたものと考
えられる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるクロメ
ート処理方法によれば、下地めっきの表面を特定量研削
したのち、直ちに特定する塗布クロメート処理を施すこ
とにより、亜鉛系めっき鋼板に塗装した塗装鋼板の厳し
い加工条件,あるいは厳しい腐食環境の下でも、耐食
性,塗料密着性および皮膜の均一塗布性を高品位に維持
両立せしめることが可能となり、従来に増して優れた塗
布クロメート処理技術を市場に提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面を、金属亜鉛と
    して0.5〜5g/m2 研削したのち、直ちに 総クロム濃度(g/l) : 5〜30, クロム還元率(%) : 5〜30未満, 線状シリカゾル(g/l):クロム還元率のCr3+量×
    0.1〜3.0, 線状シリカゾルの粒径比 :長さ/直径で2〜100 でなるクロメート組成物でクロメート処理することを特
    徴とする塗装鋼板用下地塗布クロメート処理方法。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、 総クロム濃度(g/l) : 5〜30, クロム還元率(%) : 5〜30未満, 線状シリカゾル(g/l):クロム還元率のCr3+量×
    0.1〜3.0, 線状シリカゾルの粒径比 :長さ/直径で2〜100 のクロメート組成物で、金属クロムとして10〜150
    mg/m2 の固形皮膜を形成し、直ちに乾燥炉出側で最
    高板温60〜150℃になるように乾燥する請求項1記
    載の塗装鋼板用下地塗布クロメート処理方法。
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WO2024018723A1 (ja) * 2022-07-19 2024-01-25 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板およびその製造方法

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