JP7211545B1 - チェーン - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な耐食性を有するチェーンを提供する【解決手段】鉄系材料からなり、一対の外プレートと一対の内プレートとを交互に連結してあるチェーンは、表面に形成された、亜鉛を含む下地被膜(6)と、下地被膜(6)上に形成された、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む塗膜(7)と、を有する。珪酸リチウムの有効成分の質量の、珪酸ナトリウムの有効成分の質量に対する質量比率は、0.07以上2.5以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄系材料からなり、一対の外プレートと一対の内プレートとを交互に連結してあるチェーンに関する。
自動車部品、建材等の金属表面の耐食性を向上させる防錆水性塗料組成物として、特許文献1の防錆水性塗料組成物が挙げられる。この防錆水性塗料組成物は、アクリル樹脂と、水ガラス及びアルキルシリケートを混合して作製した無機反応材と、溶媒としての水とを含有し、金属基材の表面に塗布される。この防錆水性塗料組成物は、無機反応材における水ガラスのシリカ固形分が、無機反応材の前記水ガラスのシリカ固形分及びアルキルシリケートの固形分の総量に対し75重量%以上、90重量%以下の範囲内である。
特開2016-3259号公報
しかしながら、上述したような従来の防錆水性塗料組成物をチェーンの表面に塗布した場合、チェーンの耐食性は不十分であった。
本発明の一態様は、従来よりも良好な耐食性を有するチェーンを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るチェーンは、鉄系材料からなり、一対の外プレートと一対の内プレートとを交互に連結してあるチェーンであって、前記チェーンの表面に形成された、亜鉛を含む下地被膜と、前記下地被膜上に形成された、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む塗膜と、を有し、前記珪酸リチウムの有効成分の質量の、前記珪酸ナトリウムの有効成分の質量に対する質量比率は、0.07以上2.5以下である。
本発明の一態様のチェーンによれば、従来よりも良好な耐食性を有する。
本発明の実施例に係るチェーンを示す断面図である。 図1に示すチェーンの外プレートの表面を、該表面に垂直な平面で切断した場合の拡大断面図である。
〔本発明の技術的思想〕
上述したように、特許文献1等の従来の防錆水性塗料組成物をチェーンの表面に塗布した場合、耐食性は不十分であった。そして、従来の防錆水性塗料組成物を用いた場合、膜厚が厚くなるという問題があった。防錆塗料の性能は、一般的には膜厚に比例する。所謂、重防食分野では100μm以上の膜厚にすることもある。汎用の塗料でも50μm程度の膜厚が標準である。膜厚を厚くするために、何層かに塗り重ねることが常識となっている。塗り重ねた各層同士が密着することは必須であるが、上側の膜が下側の膜の防錆性能を向上させることはない。塗り重ねた場合、工数費と材料費とが上昇する。膜厚が厚くなると、チェーンの部品の嵌合の仕方、及びチェーンの屈曲性が悪くなる。特許文献1の防錆水性塗料組成物も厚く塗装する必要があり、この防錆水性塗料組成物はチェーンに塗装することは考慮されていなかった。
鉄系材料からなる部品の表面に、亜鉛を含む塗膜を形成した場合、亜鉛の犠牲防食作用により、部品の表面に赤錆(酸化鉄)が生じるのが低減することが知られている。本発明者がチェーンの部品の表面に亜鉛を含む下地被膜を形成し、さらに珪酸ナトリウムを含む塗料を用いて塗膜を形成した場合、下地被膜のみ形成されている場合と比較して、チェーンの耐食性が飛躍的に向上した。ここで、チェーンは、鉄系材料からなり、2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、ブシュにピンを遊嵌した状態で交互に連結してなるものである。鉄系材料とは、鋼材等を含む。鉄系材料は、合金又は金属間混合物等の形態であってもよい。
しかし、珪酸ナトリウムを含む塗料を用いた場合、本発明者は、塗膜の耐水性が悪く、チェーンの表面に滑りが生じることを見出した。本発明者は鋭意検討の結果、亜鉛を含む下地被膜上に、珪酸リチウムと珪酸ナトリウムとを所定の質量比率で含む塗膜を形成することにより、塗膜が良好な耐水性を有し、表面が滑らかな状態で、チェーンが長期に亘って良好な耐食性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の一態様に係るチェーンは、チェーンの表面に形成された、亜鉛を含む下地被膜と、下地被膜上に形成された、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む塗膜と、を有する。珪酸リチウムの有効成分の質量の、珪酸ナトリウムの有効成分質量に対する質量比率は、0.07以上2.5以下である。
本発明の一態様に係るチェーンによれば、最外層が亜鉛を含まない塗膜であっても、下地被膜に含まれる亜鉛の犠牲防食作用が持続することにより、長期に亘って良好な耐食性を有する。塗膜が珪酸ナトリウムに加えて珪酸リチウムを含むことで、塗膜は、良好な防錆性を保持しつつ、耐水性が向上した。塗膜の成膜性も良好であり、塗膜の表面は滑らかである。塗膜は剥がれず、良好な防錆性が持続することから膜厚も薄くてすむ。これにより、工数費と材料費とが低減するとともに、チェーン特有の嵌合及び屈曲が悪くなることも低減される。
〔実施形態〕
<チェーン>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るチェーンは、鉄系材料からなる。チェーンとしては、例えばブシュチェーン、ローラチェーン等が挙げられる。ブシュチェーンは、内プレートと、ブシュと、外プレートと、ピンと、を備える。内プレートは長手方向の両端部にブシュ圧入孔を有する。一対の内プレートは内面同士が対向する状態で、ブシュ圧入孔にブシュが圧入されて連結される。外プレートは長手方向の両端部にピン圧入孔を有する。一対の外プレートは、長手方向に並ぶ二対の内プレートの間に、かつ内プレートの外側に、内面同士が対向する状態で配置される。一対の外プレートの端部において、2個のピンが、2個のブシュの内周面にそれぞれ遊嵌された状態で、ピン圧入孔に圧入嵌合され、一対の外プレートと二対の内プレートとが連結される。このようにして、一対の外プレートと一対の内プレートとが交互に連結されることにより、チェーンが構成される。ローラチェーンの場合、ブシュの外周面にローラをさらに遊嵌させる。
本発明のチェーンに用いられる内プレート及び外プレートの具体的な形状として、小判型プレート、ヒョウタン型プレート等が挙げられる。
<下地被膜>
本発明の実施形態に係るチェーンの表面には、亜鉛を含む下地被膜が形成されている。下地被膜は、例えばジンクリッチペイントを用いて形成してもよい。ジンクリッチペイントは、亜鉛を多く含む塗料であり、例えば70%以上含むものが挙げられる。ジンクリッチペイントが亜鉛粉末を含む場合、亜鉛粉末はフレーク状であることが好ましい。フレーク状にすることにより、比表面積が大きくなり、粉末同士の接触が密になり、金属自体の能動的な防食性に加えて、フレーク形状に基づく保護バリア効果(受動的防食性)も得られる。下地被膜は、例えば衝撃亜鉛めっきにより形成してもよい。衝撃亜鉛めっきとは、例えば、中心部が鉄核で、その外殻部が亜鉛合金からなる粒子を、ブラスト装置で処理物の表面に投射することにより、処理物の表面に均一な亜鉛合金被膜を形成するコーティングをいう。
<塗膜>
本発明の実施形態に係るチェーンは、下地被膜上に形成された、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む塗膜を有する。塗膜は、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む水系塗料を用いて形成してもよい。珪酸ナトリウムとしては、例えばJIS K 1408-1966に規定された1号、および2号を用いることができる。珪酸リチウムとしては、例えばSiO/LiOのモル比が3.5、4.5であるものを用いることができる。珪酸リチウムの有効成分の質量の珪酸ナトリウムの有効成分質量に対する質量比率は、0.07以上2.5以下である。この場合、塗膜は良好な耐水性(耐湿性)を有し、成膜性は良好であり、チェーンは長期に亘って良好な耐食性を有する。前記質量比率の下限は、0.077、0.14、0.15、0.16、0.23、0.29、0.44、0.58、0.62、0.65と大きくなるにつれて、より好ましい。前記質量比率の上限は、2.49、2、1.9、1.86と小さくなるにつれて、より好ましい。前記質量比率の範囲としては、0.14以上2以下がより好ましく、0.6以上2以下がさらに好ましい。
前記珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む塗料(以下、上塗り塗料と称する)は、通常の製造方法に従って、各成分を混合、撹拌することによって得られる。その際、上述の成分以外に、湿潤分散剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、pH調整剤、表面調整剤、摩擦係数調整剤等の塗料用添加剤を配合し得る。
増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びメチルエチルセルロースのエーテル類、これら物質の混合物が挙げられる。
そして、前記上塗り塗料は、塗装の方法、塗膜の膜厚、及び焼き付けの条件等に応じて適宜の量の水を含有することができるが、塗料中に20質量%以上99質量%以下含有することが好ましい。
<塗装>
前記上塗り塗料は、はけ塗り、噴霧、浸漬ドレン(ディップドレン)及び浸漬回転(ディップスピン)等の浸漬処理等によって下地被膜上に塗装することができる。
前記上塗り塗料を下地被膜に塗布した後、塗料を加熱硬化させることが好ましい。塗料の揮発性の成分は、硬化前の乾燥により、予め蒸発させてもよい。上塗り塗料の加熱硬化は、略100℃~200℃で、10~60分間、行うことが好ましい。上塗り塗料は、下地被膜に複数回塗装することにしてもよい。
良好な耐食性の発現及びコストの観点から、上塗り塗料の塗着量は0.5g/m~10g/mであることが好ましく、1g/m~10g/mであることがより好ましく、3g/m~7g/mであることがさらに好ましい。下地被膜と塗膜との合計厚みが1μm~30μmとなるように塗装することが好ましく、5μm~25μmとなることがより好ましい。良好な防錆性を有することから膜厚は薄くてすむ。工数費と材料費とが低減し、チェーンの部品の嵌合、及びチェーンの屈曲性が良好になる。
以上のように構成された塗膜は、珪酸ナトリウムに加えて珪酸リチウムを含むので、防錆性と耐水性とをバランス良く有することができる。そして、チェーンに形成されている、亜鉛を含む下地被膜上に塗装した場合に、亜鉛の腐食を低減させる犠牲防食作用が得られ、詳細な理由は明らかではないが、珪酸ナトリウムと亜鉛と間で反応が生じ、亜鉛を含む下地被膜の防錆性が長期に亘って維持されると考えられる。塗膜の成膜性も良好であり、剥がれることが低減されているので、チェーンの耐食性が長期に亘って維持される。塗膜の表面は滑らかであり、チェーンはスムーズに動くことができる。本発明の実施形態のチェーンによれば、潤滑剤を塗布した場合においても、良好な耐食性が維持されることが確認されている。
以下、本発明の実施例及び比較例につき具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限
定されるものではない。
<上塗り塗料>
[配合例1]
下記表1の配合(質量部で示す)に従って、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、水、増粘剤、表面調整剤、及び摩擦係数調整剤を室温で1時間、撹拌混合して、配合例1の組成物を得た。珪酸リチウム、珪酸ナトリウムの有効成分はそれぞれ、23.4%、40.3%である。表1には、珪酸リチウムと珪酸ナトリウムとの固形分(有効成分)の質量、及び珪酸リチウムの有効成分の質量と珪酸ナトリウムの有効成分の質量との質量比率も合わせて示す。
Figure 0007211545000002
[配合例2~13]
上記表1の配合に従い、配合例1と同様にして、配合例2~13の上塗り塗料を得た。配合例12の上塗り塗料は、珪酸リチウムを含まない。
<耐湿性試験>
ドクターブレードで配合例1~12の上塗り塗料を縦150mm、横100mmのガラス板上に20g/m塗着した。120℃で15分間焼き付け、さらに180℃で25分間焼付けた。塗膜が形成されたガラス板を、温度50℃、相対湿度90%以上の試験槽に15時間入れた。耐湿性試験の前後のガラス板の質量の差分から、塗膜としての残分(%)を算出する。評価した結果を下記表2に示す。
耐湿性の評価の基準は、以下の通りである。
○:75%以上
△:15%以上
×:10%以下
Figure 0007211545000003
<成膜性試験>
鋼鈑上に衝撃亜鉛めっきにより厚み0.5~20μmの下地被膜を形成し、配合例1~13の上塗り塗料を、それぞれ、鋼板の下地被膜上にディップスピン塗装した。100~200℃で40分間焼付けた後、指で触って判断する。判断した結果を上記表2に示す。
判断の基準は、以下の通りである。
○:表面を触ると滑らかである。
△:表面を触ると若干ざらざらした感じはするが、滑らかな状態である。
×:表面を触るとざらざらして塗膜が剥がれる。
表2より、珪酸リチウムを含む配合例1~11の上塗り塗料の場合、耐湿性が良好であることが分かる。即ち、前記質量比率(珪酸リチウムの有効成分の質量/珪酸ナトリウムの有効成分の質量)が0.07~2.5である場合、耐湿性が良好である。表2の耐湿性の評価より、前記質量比率の下限は、0.077、0.14、0.15、0.16と大きくなるにつれて、より好ましいことが分かる。前記質量比率が0.16を超える場合、耐湿性は75%を超える。前記質量比率の下限は、0.23、0.29、0.44、0.58、0.62、0.65と大きくなるにつれて、さらに好ましい。前記質量比率が0.65を超える場合、耐湿性は90%になる。成膜性の観点から、前記質量比率の上限は、2.49、2、1.9、1.86と小さくなるにつれて、より好ましい。
<チェーンの作製>
[実施例1]
図1は本発明の実施例1に係るチェーン10を示す断面図である。図2は図1のチェーン10の外プレート3の表面を、該表面に垂直な平面で切断した場合の拡大断面図である。チェーン10は、内プレート1と、外プレート3と、ブシュ2と、ピン4と、ローラ5と、を備える。内プレート1は長手方向の両端部にブシュ圧入孔1aを有する。一対の内プレート1は内面同士が対向するように配置され、それぞれの両端部のブシュ圧入孔1aにブシュ2が圧入された状態で連結されている。図1は、内プレート1の一端部において、内プレート1の平面に直交する面で切断した場合の断面図を示す。ブシュ2の外周面には、ローラ5が遊嵌されている。外プレート3は長手方向の両端部にピン圧入孔3aを有する。一対の外プレート3は、長手方向に並ぶ二対の内プレート1の間に、かつ内プレート1の外側に、内面同士が対向する状態で配置される。一対の外プレート3の両端部において、2個のピン4が、2個のブシュ2の内周面にそれぞれ遊嵌された状態で、ピン圧入孔3aに圧入嵌合される。これにより、一対の外プレート3と二対の内プレート1とが連結される。以上のようにして、一対の外プレート3と一対の内プレート1とが交互に連結されることにより、チェーン10が構成される。
内プレート1、ブシュ2、外プレート3、ピン4、及びローラ5には、それぞれ表面上に、下地被膜6、及び下地被膜6上に前記上塗り塗料を用いて形成された塗膜7を有する。図2においては、外プレート3の表面上に、下地被膜6及び塗膜7が形成されている状態を示す。
下地被膜6は、チェーン10の各部品の表面上に、衝撃亜鉛めっきを行うことにより形成した。塗膜7は、下地被膜6上に、配合例1の上塗り塗料をディップスピン処理により塗装し、温度100~200℃で40分間焼き付けることにより行った。以上のようにして、実施例1に係るチェーン10を作製した。下地被膜6及び塗膜7の構成を下記表1に示す。
Figure 0007211545000004
[実施例2~11]
塗膜7の形成に用いる上塗り塗料として、上記配合例2~11の上塗り塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~11のチェーン10を作製した。
[比較例1]
下地被膜6上に塗膜7を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のチェーンを作製した。
<塩水噴霧試験(耐食性評価試験)>
実施例1~11のチェーン10、並びに比較例1のチェーンを塩水の霧が発生する塩水噴霧試験(SST)装置内に入れた。JIS-Z2371に準じ、塩水噴霧条件(試験室内の温度35±1℃、試験室内の相対湿度95~98%、加湿器の温度47±1℃、塩水の濃度5w/v%等)下においた。ピン4の外プレート3への嵌合部分、及び外プレート3の表面に、赤錆が目視により見出されるまでの時間を測定した。その結果を上記表3に示す。
表3より、下地被膜6及び塗膜7を有する実施例1~11のチェーン10は、塗膜7を有しない比較例1のチェーンと比較して、耐食性が大きく向上していることが分かる。
以上の耐湿性試験、成膜性試験、及び耐食性評価試験の結果から、前記質量比率が0.07以上2.5以下である場合、耐食性が良好であり、耐湿性及び成膜性も良好であることが分かる。前記質量比率が0.14以上2以下である場合、耐湿性及び成膜性がより良好になる。前記質量比率が0.6以上2以下である場合、耐湿性がさらに良好になる。
以上のように、亜鉛を含む下地被膜上に、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを、前記質量比率が0.07以上2.5以下であるように含む本発明の実施形態に係るチェーンは、塗膜の耐水性及び成膜性と、チェーンの耐食性とのバランスが良くなり、従来よりも耐食性が高まることが確認された。下地被膜は衝撃亜鉛めっきにより形成する場合に限定されず、例えばジンクリッチペイントを用いて亜鉛を含む下地被膜を形成した場合も同様の効果が奏されることが推察される。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 内プレート
2 ブシュ
3 外プレート
4 ピン
5 ローラ
6 下地被膜
7 塗膜
10 チェーン

Claims (4)

  1. 鉄系材料からなり、一対の外プレートと一対の内プレートとを交互に連結してあるチェーンであって、
    前記チェーンの表面に形成された、亜鉛を含む下地被膜と、
    前記下地被膜上に形成された、珪酸リチウム及び珪酸ナトリウムを含む塗膜(但し、アルミニウムを含まない)と、
    を有し、
    前記珪酸リチウムの有効成分の質量の、前記珪酸ナトリウムの有効成分の質量に対する質量比率は、0.07以上2.5以下である、チェーン。
  2. 前記下地被膜は、衝撃亜鉛めっきにより形成されている、請求項1に記載のチェーン。
  3. 前記質量比率は、0.14以上2以下である、請求項1又は2に記載のチェーン。
  4. 前記下地被膜と前記塗膜との合計厚みは1μm以上30μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載のチェーン。
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