JPH07316709A - チクソキャスティング用共晶系合金材料 - Google Patents

チクソキャスティング用共晶系合金材料

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JPH07316709A
JPH07316709A JP12829094A JP12829094A JPH07316709A JP H07316709 A JPH07316709 A JP H07316709A JP 12829094 A JP12829094 A JP 12829094A JP 12829094 A JP12829094 A JP 12829094A JP H07316709 A JPH07316709 A JP H07316709A
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Japan
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eutectic
casting
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alloy material
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JP12829094A
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Haruo Shiina
治男 椎名
Nobuhiro Saito
信広 斉藤
Takeyoshi Nakamura
武義 中村
Takemi Sugawara
毅巳 菅原
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チクソキャスティング法の適用下で健全な鋳
物を得ることのできる共晶系Al合金材料を提供する。 【構成】 共晶系Al合金材料は、その示差熱分析曲線
dにおいて、共晶溶解による第1山形吸熱部eのピーク
値をE1 とし、また共晶点よりも高融点の成分の溶解に
よる第2山形吸熱部fのピーク値をE2 としたとき、E
1 >E2 に設定される。このように構成すると、半溶融
共晶系Al合金材料においては、第1山形吸熱部eのピ
ーク値E1 が第2山形吸熱部fのピーク値E2 よりも大
であることに起因して、共晶溶解により生じた液相は大
きな潜熱を持つ。その結果、チクソキャスティング法の
凝固過程では固相の凝固収縮に応じてその固相周りに液
相が十分に供給され、その後液相が凝固するので、ミク
ロンオーダの空孔部等の欠陥の無い鋳物を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チクソキャスティング
法の実施に用いられる共晶系合金材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チクソキャスティング用合金材
料、例えばAl合金材料としては、鋳物の耐熱性向上を
狙った場合に用いられるAA規格2000系合金や、鋳
物の高強度、高靱性化を狙った場合に用いられるAA規
格6000系合金が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】チクソキャスティング
法の実施に当っては、Al合金材料に加熱処理を施して
固相(略固体となっている相、以下同じ)と液相とが共
存する半溶融Al合金材料を調製し、次いでその半溶融
Al合金材料を加圧下で鋳型のキャビティに充填し、そ
の後前記加圧下で半溶融Al合金材料を凝固させる、と
いった方法が採用される。
【0004】しかしながら前記チクソキャスティング法
の実施において、従来のAl合金材料を用いた場合に
は、鋳物の粒状固相の境界にミクロンオーダの空孔部が
発生し易い、という問題があった。
【0005】本発明者等は、前記問題を解決すべく研鑽
を積んだ結果、その問題は、半溶融Al合金材料におけ
る液相の潜熱が小さいため、固相の凝固収縮に応じてそ
の固相周りに液相が十分に供給されないことに起因す
る、ということを究明した。
【0006】本発明は前記研鑽結果を踏まえて開発され
たものであり、チクソキャスティング法の実施におい
て、欠陥の無い鋳物を得ることができる前記共晶系合金
材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るチクソキャ
スティング用共晶系合金材料は、示差熱分析曲線におい
て、共晶溶解による第1山形吸熱部のピーク値をE1
し、また共晶点よりも高融点の成分の溶解による第2山
形吸熱部のピーク値をE2 としたとき、E1 >E2 であ
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】前記共晶系合金材料に加熱処理を施すことによ
って、固相と液相とが共存する半溶融共晶系合金材料が
調製される。この半溶融共晶系合金材料においては、第
1山形吸熱部のピーク値E1 が第2山形吸熱部のピーク
値E2 よりも大であることに起因して、共晶溶解により
生じた液相は大きな潜熱を持つ。その結果、チクソキャ
スティング法の凝固過程では共晶点よりも高融点の成
分、したがって固相の凝固収縮に応じてその固相周りに
液相が十分に供給され、その後液相が凝固するので、ミ
クロンオーダの空孔部等の欠陥の無い鋳物を得ることが
できる。
【0009】
【実施例】図1は、チクソキャスティング法により共晶
系Al合金鋳物を鋳造するために用いられる加圧鋳造装
置1を示す。その加圧鋳造装置1は、鉛直な合せ面2
a,3aを有する固定金型2および可動金型3を備え、
両合せ面2a,3a間に鋳物成形用キャビティ4が形成
される。固定金型2に半溶融共晶系Al合金材料5を設
置するチャンバ6が形成され、そのチャンバ6はゲート
7を介してキャビティ4下部に連通する。また固定金型
2に、チャンバ6に連通するスリーブ8が水平に付設さ
れ、そのスリーブ8にチャンバ6に挿脱される加圧プラ
ンジャ9が摺動自在に嵌合される。スリーブ8は、その
周壁上部に材料用挿入口10を有する。
【0010】〔実施例1〕この実施例においては、主と
して亜共晶系のAl−Cu系合金材料について述べる。
【0011】(A) 図2はAl−Cu系合金の状態図
を示し、また表1は、実施例Aおよび比較例a1 ,a2
の組成を示す。図2において、A,a1 ,a2 は実施例
Aおよび比較例a1 ,a2 にそれぞれ対応する。これら
実施例A等は、連続鋳造法の適用下で鋳造された高品質
な長尺連続鋳造材より切出されたものであって、その鋳
造に当っては初晶α−Alの球状化処理が行われてい
る。実施例A等の寸法は直径76mm、長さ85mmであ
る。
【0012】
【表1】 実施例Aについて、示差走査熱量測定(DSC)を行っ
たところ、図3の結果を得た。図3の示差熱分析曲線d
において、共晶溶解による第1山形吸熱部eのピーク値
1 はE1 =2.7mcal/s、また共晶点よりも高
融点の成分、したがって固相の溶解による第2山形吸熱
部fのピーク値E2 はE2 =2.6mcal/sであ
り、これらのことからE1 >E2 であることが確認され
た。また比較例a1 ,a2 について、同様のDSCを行
った。これらの結果については後述する。
【0013】次に、実施例Aを誘導加熱装置の加熱コイ
ル内に設置し、次いで周波数 1kHz、出力 37k
Wの条件で加熱して、固相と液相とが共存する半溶融状
態の実施例Aを調製した。この場合、固相率は50%以
上、60%以下に設定される。
【0014】その後、図1に示すように、半溶融状態の
実施例A(符号5)をチャンバ6に設置し、加圧プラン
ジャ9の移動速度 0.07m/sec 、金型温度 25
0℃の条件で実施例Aを加圧しつつゲート7を通過させ
てキャビティ4内に充填した。そして、加圧プランジャ
9をストローク終端に保持することによってキャビティ
4内に充填された実施例Aに加圧力を付与し、その加圧
下で実施例Aを凝固させてAl合金鋳物Aを得た。また
比較例a1 ,a2 を用い、前記同様の鋳造作業を行って
Al合金鋳物a1 ,a2 を得た。 図4〜6は、実施例
Aおよび比較例a1 ,a2 に関する示差熱分析曲線dの
要部とAl合金鋳物A,a1 ,a2 における金属組織の
顕微鏡写真を示す。
【0015】図4において、実施例Aの場合、(a)に
示すように両ピーク値E1 ,E2 の間に前記の如くE1
>E2 の関係が成立していることから、(b)に示すよ
うにAl合金鋳物Aにおいてミクロンオーダの空孔部等
の欠陥は生じていない。
【0016】図5において、比較例a1 の場合、(a)
に示すように第1山形吸熱部eのピーク値E1 はE1
0.6mcal/s、第2山形吸熱部fのピーク値E2
はE2 =5.6mcal/sであり、したがってE1
2 である。これに起因して、液相の潜熱が実施例Aに
比べて低く、その結果、(b)に示すようにAl合金鋳
物a1 における粒状固相の境界には多数のミクロンオー
ダの空孔部が発生する。
【0017】図6において、比較例a2 の場合、(a)
に示すように共晶溶解を生じないので(図2参照)、山
形吸熱部は1つのみ生ずる。これに起因して液相の潜熱
が比較例a1 に比べて低く、その結果、(b)に示すよ
うにAl合金鋳物a2 における粒状固相の境界には比較
的大きな空孔部が発生する。
【0018】(B) 図3に示す示差熱分析曲線dにお
いて、第1山形吸熱部eの上昇開始点gと第2山形吸熱
部fの下降終了点hとを結ぶ基線kよりも高吸熱量領域
Edで、第1山形吸熱部eの下降線分mと第2山形吸熱
部fの上昇線分nとが繋がっている。
【0019】このような示差熱分析曲線dを描く実施例
Aの場合、その半溶融状態にて、図7に示すように固相
11の外周部12がゲル化していて、そのゲル化外周部
12と液相13との相溶性が良好となる。その結果、A
l合金鋳物Aにおいて、固相11の凝固体である粒状固
相と液相13の凝固体であるマトリックスとの結合強度
が高くなるので、その高強度化が達成される。
【0020】比較例a1 においては、図5(a)に示す
ように、第1山形吸熱部eの下降線分mと第2山形吸熱
部fの上昇線分nとが基線k上で繋っている。この場合
には、固相の外周部がゲル化することは殆どない。
【0021】次に実施例Aおよび比較例a1 を用い、前
記同様の鋳造作業を行って各5個のAl合金鋳物A,a
1 を製造し、それらについて引張り試験を行ったところ
表2の結果を得た。
【0022】
【表2】 表2から、実施例Aを用いたAl合金鋳物Aは、比較例
1 を用いたAl合金鋳物a1 に比べて高強度であるこ
とが明らかである。なお、固相11の外周部12をゲル
化させる代わりに、前記状況下で固相11に付着すると
共にゲル化するような成分を材料中に含ませることも可
能である。
【0023】(C) 図3に示すように示差熱分析曲線
dにおいて、第2山形吸熱部fの上昇線分nの勾配は第
1山形吸熱部eの下降線分mの勾配よりも緩やかであ
る。
【0024】このような示差熱分析曲線dを描く実施例
Aの場合、鋳造開始温度が第1山形吸熱部eの下降終了
点pから第2山形吸熱部fのピークqまでの間に設定さ
れる関係上、その鋳造開始温度の設定許容範囲が拡張さ
れる。これによりAl合金鋳物の鋳造品質を安定化させ
ることができる。
【0025】〔実施例2〕この実施例においては、主と
して亜共晶系のAl−Si系合金材料について述べる。
【0026】図8はAl−Si系合金の状態図を示し、
また表3は、実施例B1 ,B2 および比較例bの組成を
示す。図8において、B1 ,B2 ,bは実施例B1 ,B
2 および比較例bにそれぞれ対応する。これら実施例B
1 等は、連続鋳造法の適用下で鋳造さされた高品質な長
尺連続鋳造材より切出されたものであって、その鋳造に
当っては初晶α−Alの球状化処理が行われている。実
施例B1 等の寸法は直径76mm、長さ85mmである。
【0027】
【表3】 実施例B1 について、示差走査熱量測定(DSC)を行
ったところ、図9、(a)の示差熱分析曲線dにおい
て、共晶溶解による第1山形吸熱部eのピーク値E1
1 =3.2mcal/s、また共晶点よりも高融点の
成分、したがって固相の溶解による第2山形吸熱部fの
ピーク値E2 はE2 =2.9mcal/sであり、これ
らのことからE1 >E2 であることが確認された。また
実施例B2および比較例bについて、同様のDSCを行
った。これらの結果については後述する。
【0028】次に、実施例B1 を誘導加熱装置の加熱コ
イル内に設置し、次いで周波数 1kHz、出力 37
kWの条件で加熱して、固相と液相とが共存する半溶融
状態の実施例B1 を調製した。この場合固相率は50%
以上、60%以下に設定される。
【0029】その後、図1に示すように、半溶融状態の
実施例B1 (符号5)をチャンバ6に設置し、加圧プラ
ンジャ9の移動速度 0.07m/sec 、金型温度 2
50℃の条件で実施例B1 を加圧しつつゲート7を通過
させてキャビティ4内に充填した。そして、加圧プラン
ジャ9をストローク終端に保持することによってキャビ
ティ4内に充填された実施例B1 に加圧力を付与し、そ
の加圧下で実施例Bを凝固させてAl合金鋳物B1 を得
た。また実施例B2 および比較例bを用い、前記同様の
鋳造作業を行ってAl合金鋳物B2 ,bを得た。
【0030】図9〜11は、実施例B1 ,B2 および比
較例bに関する示差熱分析曲線dの要部とAl合金鋳物
1 ,B2 ,bにおける金属組織の顕微鏡写真を示す。
【0031】図9において、実施例B1 の場合、(a)
に示すように両ピーク値E1 ,E2の間に前記の如くE
1 >E2 の関係が成立していることから、(b)に示す
ようにAl合金鋳物B1 においてミクロンオーダの空孔
部等の欠陥は生じない。
【0032】図10において、実施例B2 の場合、
(a)に示すように第1山形吸熱部eのピーク値E1
1 =9.1mcal/s、第2山形吸熱部fのピーク
値E2 はE2 =4.5mcal/sであり、したがって
1 >E2 である。これにより(b)に示すようにAl
合金鋳物B2 は健全である。
【0033】図11において、比較例bの場合、(a)
に示すように共晶溶解を生じないので(図8参照)、山
形吸熱部は1つのみ生ずる。これに起因して液相の潜熱
が極めて低く、その結果、(b)に示すようにAl合金
鋳物bにおける粒状固相の境界には比較的大きな空孔部
が発生する。
【0034】Al−Si系合金についても、実施例1、
(B),(C)項で述べたと同様のことが言える。また
本発明はAl系合金には限定されない。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、前記のような熱的特性
を具備させることにより、チクソキャスティング法の適
用下で健全な鋳物を得ることが可能な共晶系合金材料を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧鋳造装置の縦断面図である。
【図2】Al−Cu系合金の状態図である。
【図3】Al−Cu系合金の示差熱分析曲線である。
【図4】(a)は実施例における示差熱分析曲線の要部
を示し、(b)はAl合金鋳物の金属組織を示す顕微鏡
写真である。
【図5】(a)は比較例における示差熱分析曲線の要部
を示し、(b)はAl合金鋳物の金属組織を示す顕微鏡
写真である。
【図6】(a)は他の比較例における示差熱分析曲線の
要部を示し、(b)はAl合金鋳物の金属組織を示す顕
微鏡写真である。
【図7】実施例の半溶融状態を示す説明図である。
【図8】Al−Si系合金の状態図である。
【図9】(a)は他の実施例における示差熱分析曲線の
要部を示し、(b)はAl合金鋳物の金属組織を示す顕
微鏡写真である。
【図10】(a)はさらに他の実施例における示差熱分
析曲線の要部を示し、(b)はAl合金鋳物の金属組織
を示す顕微鏡写真である。
【図11】(a)はさらに他の比較例における示差熱分
析曲線の要部を示し、(b)はAl合金鋳物の金属組織
を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
d 示差熱分析曲線 e 第1山形吸熱部 f 第2山形吸熱部 g 上昇開始点 h 下降終了点 k 基線 Ed 高吸熱量領域 m 下降線分 n 上昇線分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【作用】前記共晶系合金材料に加熱処理を施すことによ
って、固相と液相とが共存する半溶融共晶系合金材料が
調製される。この半溶融共晶系合金材料においては、第
1山形吸熱部のピーク値E1 が第2山形吸熱部のピーク
値E2 よりも大であることに起因して、共晶溶解により
生じた液相は大きな潜熱を持つ。その結果、チクソキャ
スティング法の凝固過程では固相の凝固収縮に応じてそ
の固相周りに液相が十分に供給され、その後液相が凝固
するので、ミクロンオーダの空孔部等の欠陥の無い鋳物
を得ることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【表1】 実施例Aについて、示差走査熱量測定(DSC)を行っ
たところ、図3の結果を得た。図3の示差熱分析曲線d
において、共晶溶解による第1山形吸熱部eのピーク値
1 はE1 =2.7mcal/s、また共晶点よりも高
融点の成分の溶解による第2山形吸熱部fのピーク値E
2 はE2 =2.6mcal/sであり、これらのことか
らE1 >E2 であることが確認された。また比較例
1 ,a2 について、同様のDSCを行った。これらの
結果については後述する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】次に、実施例Aを誘導加熱装置の加熱コイ
ル内に設置し、次いで周波数 1kHz、最大出力 3
7kWの条件で加熱して、固相と液相とが共存する半溶
融状態の実施例Aを調製した。この場合、固相率は50
%以上、60%以下に設定される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】図8はAl−Si系合金の状態図を示し、
また表3は、実施例B1 ,B2 および比較例bの組成を
示す。図8において、B1 ,B2 ,bは実施例B1 ,B
2 および比較例bにそれぞれ対応する。これら実施例B
1 等は、連続鋳造法の適用下で鋳造された高品質な長尺
連続鋳造材より切出されたものであって、その鋳造に当
っては初晶α−Alの球状化処理が行われている。実施
例B1 等の寸法は直径76mm、長さ85mmである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【表3】 実施例B1 について、示差走査熱量測定(DSC)を行
ったところ、図9(a)の結果を得た。図9(a)の
差熱分析曲線dにおいて、共晶溶解による第1山形吸熱
部eのピーク値E1 はE1 =3.2mcal/s、また
共晶点よりも高融点の成分の溶解による第2山形吸熱部
fのピーク値E2 はE2 =2.9mcal/sであり、
これらのことからE1 >E2 であることが確認された。
また実施例B2 および比較例bについて、同様のDSC
を行った。これらの結果については後述する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】その後、図1に示すように、半溶融状態の
実施例B1 (符号5)をチャンバ6に設置し、加圧プラ
ンジャ9の移動速度 0.07m/sec 、金型温度 2
50℃の条件で実施例B1 を加圧しつつゲート7を通過
させてキャビティ4内に充填した。そして、加圧プラン
ジャ9をストローク終端に保持することによってキャビ
ティ4内に充填された実施例B1 に加圧力を付与し、そ
の加圧下で実施例B 1 を凝固させてAl合金鋳物B1
得た。また実施例B2 および比較例bを用い、前記同様
の鋳造作業を行ってAl合金鋳物B2 ,bを得た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】図10(a),11(a)は、実施例B 2
および比較例bに関する示差熱分析曲線dの要部を示
し、また図9(b)〜図11(b)はAl合金鋳物
1 ,B2,bにおける金属組織の顕微鏡写真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 毅巳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 示差熱分析曲線(d)において、共晶溶
    解による第1山形吸熱部(e)のピーク値をE1 とし、
    また共晶点よりも高融点の成分の溶解による第2山形吸
    熱部(f)のピーク値をE2 としたとき、E1 >E2
    あることを特徴とするチクソキャスティング用共晶系合
    金材料。
  2. 【請求項2】 前記示差熱分析曲線(d)において、第
    1山形吸熱部(e)の上昇開始点(g)と第2山形吸熱
    部(f)の下降終了点(h)とを結ぶ基線(k)よりも
    高吸熱量領域(Ed)で、第1山形吸熱部(e)の下降
    線分(m)と第2山形吸熱部(f)の上昇線分(n)と
    が繋っている、請求項1記載のチクソキャスティング用
    共晶系合金材料。
  3. 【請求項3】 前記示差熱分析曲線(d)において、第
    2山形吸熱部(f)の上昇線分(n)の勾配が第1山形
    吸熱部(e)の下降線分(m)の勾配よりも緩やかであ
    る、請求項1または2記載のチクソキャスティング用共
    晶系合金材料。
JP12829094A 1994-05-17 1994-05-17 チクソキャスティング用共晶系合金材料 Pending JPH07316709A (ja)

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FR9505835A FR2720016B1 (fr) 1994-05-17 1995-05-17 Matériau allié destiné au thixomoulage, procédé pour préparer un matériau allié semi-fondu destiné au thixomoulage, et procédé de thixomoulage.
DE19518127A DE19518127C2 (de) 1994-05-17 1995-05-17 Verfahren zur Herstellung eines semi-geschmolzenen Legierungsmaterials zum Thixo-Gießen
US08/861,265 US5849115A (en) 1994-05-17 1997-05-21 Alloy material for thixocasting, process for preparing semi-molten alloy material for thixocasting and thixocasting process

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Cited By (9)

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