JP2794542B2 - チクソキャスティング用半溶融鋳造材料 - Google Patents
チクソキャスティング用半溶融鋳造材料Info
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Description
半溶融鋳造材料に関する。
は、鋳造材料に加熱処理を施して固相(略固体となって
いる相、以下同じ)と液相とが共存する半溶融鋳造材料
を調製し、次いでその半溶融鋳造材料を加圧下で鋳型の
キャビティに充填し、その後前記加圧下で半溶融鋳造材
料を凝固させる、といった方法が採用される。
ィング法の実施がスムーズに行われるように半溶融鋳造
材料の固相率が設定される。この固相率下においては、
固相が球状化していて液相の流動抵抗が減少しているこ
とから、半溶融鋳造材料の表面領域において液相が流出
したり、また半溶融鋳造材料が変形する、といった不具
合を生じ易い。
料とリングとを嵌合し、そのリングにより液相の流出お
よび変形を防止する、といった手段が採用されている
(例えば、米国特許第4712413号明細書参照)。
段によると、鋳造材料とリングとの嵌合、半溶融鋳造材
料からのリングの取外しおよびリングに付着した凝固金
属物の除去といった諸作業を必要とするため鋳造作業が
煩雑化するという問題がある。
域の構造を特定することによって、液相の流出および変
形を抑制し得る保形性の良い前記半溶融鋳造材料を提供
することを目的とする。
が共存するチクソキャスティング用半溶融鋳造材料にお
いて、表面領域に、前記固相としての、液相域およびそ
の液相域を包む固相域を有する複数の複合型固相と、前
記液相域を持たない複数の単一固相とが混在し、1個の
前記複合型固相について、その固相域の断面積をAと
し、またその液相域の断面積をBとして、前記複合型固
相の液相内包率PをP={B/(A+B)}×100
(%)と定義すると共に前記単一固相の液相内包率Pを
P=0(%)と定義し、また前記表面領域における一群
の前記固相から、それら固相の複数を含むようにN個の
グループを選択したとき、各第1〜第Nグループにおけ
るn個の固相の液相内包率P1 ,P2 ,…Pn-1 ,Pn
の平均値M1 〜MN がM1 =(P1 +P2 …+Pn-1 +
Pn )/n〜MN =(P1 +P2 …+Pn-1 +Pn )/
nであって、それらの平均値MM =(M1 +M2 …+M
N-1 +MN )/NがMM≧20%に設定されることを特
徴とする。
キャスティング用半溶融鋳造材料において、表面領域に
存在する前記固相は、液相域およびその液相域を包む固
相域を有する複数の複合型固相であり、1個の前記複合
型固相について、その固相域の断面積をAとし、またそ
の液相域の断面積をBとして、前記複合型固相の液相内
包率PをP={B/(A+B)}×100(%)と定義
し、また前記表面領域における一群の前記複合型固相か
ら、それら複合型固相の複数を含むようにN個のグルー
プを選択したとき、各第1〜第Nグループにおけるn個
の複合型固相の液相内包率P1 ,P2 ,…Pn-1 ,Pn
の平均値M1 〜MN がM1 =(P1 +P2 …+Pn-1 +
Pn )/n〜MN =(P1 +P2 …+Pn-1 +Pn )/
nであって、それらの平均値MM =(M1 +M2 …+M
N-1 +MN )/NがMM ≧20%に設定されることを特
徴とする。
せるか、または複合型固相のみを存在させると、固相周
りの液相量は複合型固相に内包された分量に応じて減少
する。
関する平均値MM をMM ≧20%に設定すると、その平
均値MM に応じて表面領域の見掛上の固相率が実際の固
相率よりも高められ、これにより半溶融鋳造材料の保形
性を向上させて、液相の流出および変形を抑制すること
ができる。
液相の流出が発生するためウエイトロスが急増する。
を鋳造するために用いられる加圧鋳造装置1を示す。そ
の加圧鋳造装置1は、鉛直な合せ面2a,3aを有する
固定金型2および可動金型3を備え、両合せ面2a,3
a間に鋳物成形用キャビティ4が形成される。固定金型
2に半溶融鋳造材料5を設置するチャンバ6が形成さ
れ、そのチャンバ6はゲート7を介してキャビティ4下
部に連通する。また固定金型2に、チャンバ6に連通す
るスリーブ8が水平に付設され、そのスリーブ8にチャ
ンバ6に挿脱される加圧プランジャ9が摺動自在に嵌合
される。スリーブ8は、その周壁上部に材料用挿入口1
0を有する。
用下で鋳造された高品質な長尺連続鋳造材より鋳造材料
5を切出し、次いで鋳造材料5を誘導加熱装置の加熱コ
イル内に設置して加熱し、固相と液相とが共存する半溶
融状態の鋳造材料5を調製する。この場合、固相率は5
0%以上、60%以下に設定される。
設置し、加圧プランジャ9を作動させて半溶融鋳造材料
5を加圧しつつゲート7を通過させてキャビティ4内に
充填する。そして、加圧プランジャ9をストローク終端
に保持することによってキャビティ4内に充填された半
溶融鋳造材料5に加圧力を付与し、その加圧下で半溶融
鋳造材料5を凝固させて鋳物を得る。
成を示す。
l合金材料I 〜III を用意した。
における金属組織を示す顕微鏡写真である。図2より、
表面領域は粗大に成長したデンドライトより構成されて
いることが判る。各デンドライトはα−Alよりなり、
それらの間を埋めている部分は共晶Al−Siよりな
る。
における金属組織を示す顕微鏡写真である。図3より、
表面領域はデンドライトより構成されているがそのデン
ドライトアームスペーシングはAl合金材料I のそれよ
りも大きいことが判る。前記同様に各デンドライトはα
−Alよりなり、それらの間を埋めている部分は共晶A
l−Siよりなる。
における金属組織を示す顕微鏡写真である。図4より、
表面領域は球状組織を有することが判る。各球状部はα
−Alよりなり、それらの間を埋めている部分は、前記
同様に共晶Al−Siよりなる。
熱コイル内に設置し、次いで周波数1kHz、7分間
(最初の3分間は出力90%、次の1分間は出力52
%、最後の3分間は出力37%)の条件で固相率が60
%となるまで加熱して半溶融Al合金材料I を調製し、
その後、急冷法により半溶融Al合金材料I の金属組織
を固定した。
領域における金属組織を示す顕微鏡写真であり、同図
(b)は(a)の要部写図である。
が固相Sであり、またそれら固相S間を埋める部分が液
相Lに相当する。それら固相Sは、液相域Laおよびそ
の液相域Laを包む固相域Saを有する複数の複合型固
相Scと、液相域Laを持たない複数の単一固相Ssと
が混在したものである。
相Ssはα−Alよりなり、また複合型固相Scの液相
域Laおよび液相Lは共晶Al−Siよりなる。
その固相域Saの断面積をAとし、またその液相域La
の断面積をB(固相域Saにより包まれる全液相域La
の断面積の和)として、複合型固相Scの液相内包率P
をP={B/(A+B)}×100(%)と定義すると
共に単一固相の液相内包率PをP=0(%)と定義し、
また表面領域における一群の固相S(複合型固相Scお
よび単一固相Ssを含む)から、それら固相Sの複数を
含むようにN個のグループを選択したとき、各第1〜第
Nグループにおけるn個の固相Sの液相内包率P1 ,P
2 ,…Pn-1 ,Pn の平均値M1 〜MN がM1 =(P1
+P2 …+Pn-1 +Pn )/n〜MN =(P1 +P2 …
+Pn-1 +Pn )/nであって、それらの平均値MM =
(M1 +M2 …+MN-1 +MN )/NはMM ≧20%に
設定される。
て、液相内包率Pに関する平均値MMは次のような方法
で求められた。即ち、(i) 図5(b)に示すように、顕
微鏡写真において、2本以上、図示例では2本の第1,
第2直線C,Dを引いて一群の固相Sから、それら固相
Sの複数を含むように2個(N個)のグループを選択し
た。(ii)第1直線Cがかかる第1グループの6個(n
個)の複合型固相Scの液相内包率P1 〜P6 をそれぞ
れ求め、第1平均値M1 =(P1 +P2 …+P5 +
P6 )/6を算出した。この場合、M1 =19%であっ
た。(iii) 第2直線Dがかかる第2グループの6個(n
個)の複合型固相Scの液相内包率P4 ,P7 〜P11を
それぞれ求め、第2平均値M2 =(P4 +P7 …+P10
+P11)/6を算出した。この場合、M2 =21%であ
った。(iv)前記平均値MM として第1,第2平均値
M1 ,M2 の平均値、即ち、MM =(M1 +M2 )/2
を算出した。
領域において、液相内包率Pに関する平均値MM はMM
=(19%+21%)/2=20%であることが判明し
た。
半溶融Al合金材料IIの表面領域における金属組織を示
す顕微鏡写真であり、同図(b)は(a)の要部写図で
ある。
…P9 +P10)/10(但し、P1,P5 =0)はM1
=1.7%であり、また第2平均値M2 =(P11+P12
…+P15+P16)/6はM2 =1.8%であった。した
がって、半溶融Al合金材料IIの表面領域において、液
相内包率Pに関する平均値MM はMM =(1.7%+
1.8%)/2=1.8%であることが判明した。
半溶融Al合金材料III の表面領域における金属組織を
示す顕微鏡写真であり、同図(b)は(a)の要部写図
である。
…+P8 +P9 )/9(但し、P5,P6 =0)はM1
=0.62%であり、また第2平均値M2 =(P4 +P
10…+P15+P16)/8(但し、P13=0)はM2 =
0.4%であった。したがって、半溶融Al合金材料II
I の表面領域において、液相内包率Pに関する平均値M
M はMM =(0.62%+0.4%)/2=0.5%で
あることが判明した。
びその他の半溶融Al合金材料IV〜VIの表面領域におい
て、液相内包率Pに関する平均値MM とウエイトロスと
の関係を示す。なお、半溶融Al合金材料IVにおける表
面領域には単一固相Ssのみが存在し、複合型固相Sc
は存在しない。
M とウエイトロスとの関係をグラフ化したものである。
図8より、前記平均値MM をMM ≧20%に設定するこ
とにより、ウエイトロスを10重量%以下に減少させる
ことができる。
Sが、液相域Laおよびその液相域Laを包む固相域S
aを有する複数の複合型固相Scであるチクソキャステ
ィング用半溶融鋳造材料も含まれる。この場合には、1
個の複合型固相Scについて、その固相域Saの断面積
をAとし、またその液相域Laの断面積をBとして、複
合型固相Scの液相内包率PをP={B/(A+B)}
×100(%)と定義し、また表面領域における一群の
複合型固相Scから、それら複合型固相Scの複数を含
むようにN個のグループを選択したとき、各第1〜第N
グループにおけるn個の複合型固相Scの液相内包率P
1 ,P2 ,…Pn-1 ,Pn の平均値M1〜MN がM1 =
(P1 +P2 …+Pn-1 +Pn )/n〜MN =(P1 +
P2 …+Pn-1 +Pn )/nであって、それらの平均値
MM =(M1 +M2 …+MN-1 +MN )/NはMM ≧2
0%に設定される。
内包率Pに関する平均値MM を前記のように特定するこ
とによって、液相の流出および変形を抑制し得る半溶融
鋳造材料を提供することができる。
組織を示す顕微鏡写真である。
組織を示す顕微鏡写真である。
組織を示す顕微鏡写真である。
表面領域の金属組織を示す顕微鏡写真であり、(b)は
(a)の要部写図である。
表面領域の金属組織を示す顕微鏡写真であり、(b)は
(a)の要部写図である。
表面領域の金属組織を示す顕微鏡写真であり、(b)は
(a)の要部写図である。
スとの関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 固相(S)と液相(L)とが共存するチ
クソキャスティング用半溶融鋳造材料において、表面領
域に、前記固相(S)としての、液相域(La)および
その液相域(La)を包む固相域(Sa)を有する複数
の複合型固相(Sc)と、前記液相域(La)を持たな
い複数の単一固相(Ss)とが混在し、1個の前記複合
型固相(Sc)について、その固相域(Sa)の断面積
をAとし、またその液相域(La)の断面積をBとし
て、前記複合型固相(Sc)の液相内包率PをP={B
/(A+B)}×100(%)と定義すると共に前記単
一固相(Ss)の液相内包率PをP=0(%)と定義
し、また前記表面領域における一群の前記固相(S)か
ら、それら固相(S)の複数を含むようにN個のグルー
プを選択したとき、各第1〜第Nグループにおけるn個
の固相(S)の液相内包率P1 ,P2 ,…Pn-1 ,Pn
の平均値M1 〜MN がM1 =(P1 +P2 …+Pn-1 +
Pn )/n〜MN =(P1 +P2 …+Pn-1 +Pn )/
nであって、それらの平均値MM =(M1 +M2 …+M
N-1 +MN )/NがMM ≧20%に設定されることを特
徴とするチクソキャスティング用半溶融鋳造材料。 - 【請求項2】 固相(S)と液相(L)とが共存するチ
クソキャスティング用半溶融鋳造材料において、表面領
域に存在する前記固相(S)は、液相域(La)および
その液相域(La)を包む固相域(Sa)を有する複数
の複合型固相(Sc)であり、1個の前記複合型固相
(Sc)について、その固相域(Sa)の断面積をAと
し、またその液相域(La)の断面積をBとして、前記
複合型固相(Sc)の液相内包率PをP={B/(A+
B)}×100(%)と定義し、また前記表面領域にお
ける一群の前記複合型固相(Sc)から、それら複合型
固相(Sc)の複数を含むようにN個のグループを選択
したとき、各第1〜第Nグループにおけるn個の複合型
固相(Sc)の液相内包率P1 ,P2 ,…Pn-1 ,Pn
の平均値M1 〜MN がM1 =(P1 +P2 …+Pn-1 +
Pn )/n〜MN =(P1 +P2 …+Pn-1 +Pn )/
nであって、それらの平均値MM =(M1 +M2 …+M
N-1 +MN )/NがMM ≧20%に設定されることを特
徴とするチクソキャスティング用半溶融鋳造材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6285909A JP2794542B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | チクソキャスティング用半溶融鋳造材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6285909A JP2794542B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | チクソキャスティング用半溶融鋳造材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157994A JPH08157994A (ja) | 1996-06-18 |
JP2794542B2 true JP2794542B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=17697595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6285909A Expired - Lifetime JP2794542B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | チクソキャスティング用半溶融鋳造材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2794542B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08209276A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-13 | Honda Motor Co Ltd | チクソキャスティング用合金材料 |
JPH08144001A (ja) * | 1994-11-22 | 1996-06-04 | Honda Motor Co Ltd | チクソキャスティング用合金材料 |
JP2841029B2 (ja) * | 1994-12-16 | 1998-12-24 | 本田技研工業株式会社 | チクソキャスティング法 |
JP2772765B2 (ja) * | 1994-10-14 | 1998-07-09 | 本田技研工業株式会社 | チクソキャスティング用鋳造材料の加熱方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07316709A (ja) * | 1994-05-17 | 1995-12-05 | Honda Motor Co Ltd | チクソキャスティング用共晶系合金材料 |
-
1994
- 1994-10-26 JP JP6285909A patent/JP2794542B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08157994A (ja) | 1996-06-18 |
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