JPH07315931A - イオン注入部材用の炭素材料およびその製造方法 - Google Patents
イオン注入部材用の炭素材料およびその製造方法Info
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Abstract
重量部に対して、溶融硬化性の熱硬化性樹脂5〜50重
量部、ピッチ5〜50重量部を混合し、150〜250
℃で成型し、不活性ガス又は遷元性ガス雰囲気中800
℃以上で焼成し、更に2000℃以上で黒鉛化してなる
炭素材料及びその製造方法。 【効果】 ガラス状炭素とグラファイトからなる新規な
炭素材料が得られ、得られた製品は、耐熱温度が高く、
低発塵性で、耐薬品性、熱伝導性、電気伝導性に優れて
いる。このため、耐熱性、低発塵性、熱応力によるクラ
ックが発生しないことを要求される大型で厚肉のイオン
注入装置用部材の素材として特に有効である。
Description
ァイトからなる新規な多孔質の炭素材料、さらに詳しく
は、導電性や耐薬品性・耐熱性に優れ、低発塵性で熱応
力によるクラックが発生しないことを要求され、しかも
大型や厚物のイオン注入装置用部材の素材に好適な炭素
材料及びその製造方法に関する。
れており、その材料としてグラファイトが利用されてい
るが、結晶化性の高いグラファイトは、高発塵性で耐摩
耗性が低い欠点がある。
ンが着目されているが、ガラス状カーボンは、熱伝導性
が悪く、電気抵抗も高く、かつ、難加工性という欠点が
ある。
合材料として、メソカーボン小球体の黒鉛物質とガラス
状炭素質からなるリン酸型燃料電池セパレーター用炭素
材が開示されている(特開昭63−64963号公
報)。これは、従来のりん酸型燃料電池セパレーター
が、ガス不透過性が低く、機械的強度が劣り、かつ、電
気電導性が劣る欠点があったものを改善したもので、粒
度が50μm以下のメソカーボン小球体の黒鉛化物と熱
硬化性樹脂粉末と熱硬化性樹脂とを、得られる炭素材料
中の黒鉛炭素が5〜60重合%になるように配合し、混
練、加圧、加熱下で成型し、150〜200℃の温度に
加熱して硬化したのち炭化処理することを特徴とするも
のである。
状カーボンは、緻密質であるためガス不透過性は向上す
るが、熱伝導性に劣り、熱衝撃や熱応力によりクラック
が発生しやすく、また5mm以上の肉厚の製品が得難
く、更に難加工性であるという欠点があった。このた
め、耐熱性、低発塵性、熱応力によるクラックが発生し
ないことが要求されるイオン注入装置用部材の素材とし
ては利用することができなかった。
れ、低発塵性で熱応力によるクラックが発生せず、5m
m以上の肉厚のイオン注入装置用部材の素材としても適
した多孔質の炭素材料を提供することを目的とする。
るため鋭意研究を重ねた結果、硬化処理済で不溶・不融
の熱硬化樹脂をフィラーとし、溶融硬化性の熱硬化性樹
脂及びメソフェーズピッチ又はピッチをバインダーとし
て、黒鉛化処理すれば、メソフェーズピッチ又はピッチ
がグラファイトに転化し前記課題が解決できるとの知見
を得て本発明を完成した。
溶・不融の熱硬化樹脂100重量部に対して、溶融硬化
性の熱硬化性樹脂を5〜50重量部、メソフェーズピッ
チ又はピッチを5〜50重量部混合してなる炭素材料で
あり、その製造方法は、硬化処理済で不溶・不融の熱硬
化樹脂100重量部に対して、溶融硬化性の熱硬化性樹
脂5〜50重量部、メソフェーズピッチ又はピッチ5〜
50重量部を混合し、150〜250℃で成型し、不活
性ガス又は遷元性ガス雰囲気中800℃以上で焼成し、
更に2000℃以上で黒鉛化することを特徴とするもの
である。
理済で不溶・不融の熱硬化性樹脂は、フィラーとして用
いるもので、例えば、フェノール樹脂、フルフラール樹
脂、フラン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂等を用いること
ができる。また、硬化処理済で不溶・不融の熱硬化性樹
脂は粒状にすることが好ましく、粒度は100μm以下
が好ましい。
として使用するもので、例えば、フェノール樹脂、フル
フラール樹脂、フラン樹脂等を用いることができる。こ
のとき溶融硬化性の熱硬化性樹脂は、フィラー100重
量部に、5〜50重量部添加する。5重量部未満では、
複合材料の強度が低下し、また、50重量部を越える
と、最終製品にクラックが発生して好ましくない。
で、石炭系の軟ピッチ、中ピッチ、硬ピッチ、石油ピッ
チあるいはこれらを熱改質して得られる光学的に異方性
のメソフェーズを含むピッチ等を使用する。ピッチの軟
化点は、前記ピッチにおいても、必要に応じて減圧蒸留
等で改質して150℃以上としたものが好ましく、15
0℃未満では焼成時にピッチが成型体から流出し、熱伝
導率の向上等の効果が低下する。また、これらのピッチ
を使用することにより、炭素材にグラファイトの連続相
が形成され、熱伝導率が大幅に向上する。
部添加する。5重量部未満では本発明の目的、即ち熱伝
導の向上等を得ることができず、また、50重量部を超
えると、熱圧プレス等で得られる成型体にクラックが発
生する。
る。硬化処理済で不溶・不融の熱硬化性樹脂、溶融硬化
性の熱硬化性樹脂、ピッチを前記の量配合して混合して
もよいが、好ましくは、あらかじめ不溶・不融の熱硬化
性樹脂の表面に溶融硬化タイプの熱硬化性樹脂を、例え
ば、らいかい機を用いるメカノケミカル法でコーティン
グした後、ピッチを添加し、混合する。これにより最終
的に得られる炭素材料の強度が向上する。
る。このとき、成形温度は、150〜250℃とする。
150℃未満になると最終製品の強度が低下し、250
℃を超えると成型物にクラックが発生するため好ましく
ない。
ス雰囲気中800℃以上で焼成し、2000℃以上で黒
鉛化することによって、グラファイト質も混ぜられた炭
素材料が得られる。焼成温度が800℃未満では、炭素
化が不十分で炭素複合材料の性能が出なくなる。なお、
昇温温度は、300〜500℃の範囲について100℃
/時以下にすることが好ましい。100℃/時を超える
と成型体からグラファイト成分となるピッチが流出し、
熱伝導率等の向上が望めない。
イト質からなる新規な多孔質の炭素材料が得られ、得ら
れた製品は、耐熱温度が高く、低発塵性で、耐薬品性、
熱伝導性、電気伝導性に優れている。このため、耐熱
性、低発塵性、熱応力によるクラックが発生しないこと
を要求される大型や厚肉のイオン注入装置用部材の素材
として特に有効である。
(商品名:ユニベックスC−50、ユニチカ(株)製)
5kg、溶融硬化性の熱硬化性樹脂として溶融硬化性の
粒状フェノール樹脂(商品名:ベルパールS−890、
鐘紡(株)製)1kg、ピッチとしてメソフェーズピッ
チ(商品名:SP−C、軟化点307℃、丸善石油化学
(株)製)1kgをV型ミキサーで混合した後、成型温
度200℃で成型した。ついで、成型品を窒素ガス雰囲
気中1000℃で焼成した。このとき、昇温温度は、3
00〜500℃の範囲を10℃/時とし、その後、更に
2000℃で黒鉛化し、炭素材料を得た。得られた製品
の諸特性を求め表1に示す。
1に準じて炭素複合材料を得た。その特性を表1に示
す。実施例1および比較例1から、本発明はピッチの添
加により強度を低下させることなく固有抵抗および熱伝
導率を改善でき、しかも、低発塵性であることが確認さ
れた。
0gに変更する以外は、実施例1に準じて炭素材料を得
た。その特性を表1に示す。この結果、本比較例品は実
施例1に比べ低強度、高発塵性であることが確認され
た。
る以外は、実施例1に準じて炭素材料を得た。その特性
を表1に示す。この結果、本比較例品は、実施例1に比
べ固有抵抗が高く、しかも、熱伝導率も低く、本発明の
効果が発揮されていないことが確認された。
以外は、実施例1に準じて炭素材料を得た。しかしなが
ら、本比較例品は、成型時にクラックが発生し、良好な
炭素材料を得ることができなかった。
0℃/時とする以外は、実施例1に準じて炭素材料を得
た。その特性を表1に示す。この結果、本比較例品で
は、焼成時に多量のピッチが系外に流出し、固有抵抗お
よび熱伝導率の大幅な改善はできなかった。
性樹脂およびメソフェーズピッチの混合をらいかい機で
1時間行なう以外は、すべて実施例1と同様にして炭素
材料を得た。得られた製品の諸特性を求め表1に示す。
中ピッチ(軟化点100℃)を250℃で減圧蒸留し、
軟化点を210℃にしたピッチを用いる以外は、すべて
実施例1と同様にして炭素材料を得た。得られた製品の
諸特性を求め表1に示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 硬化処理済で不溶・不融の熱硬化性樹
脂、溶融硬化性の熱硬化性樹脂及びメソフェーズピッチ
又はピッチからなる炭素材料。 - 【請求項2】 硬化処理済で不溶・不融の熱硬化樹脂1
00重量部に対して、溶融硬化性の熱硬化性樹脂を5〜
50重量部、メソフェーズピッチ又はピッチを5〜50
重量部混合してなる炭素材料。 - 【請求項3】 硬化処理済で不溶・不融の熱硬化樹脂1
00重量部に対して、溶融硬化性の熱硬化性樹脂5〜5
0重量部、メソフェーズピッチ又はピッチ5〜50重量
部を混合し、150〜250℃で成型し、不活性ガス又
は遷元性ガス雰囲気中800℃以上で焼成し、2000
℃以上で黒鉛化することを特徴とする炭素材料の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項3の焼成温度において、昇温温度
が300〜500℃の範囲で100℃/時以下であるこ
とを特徴とする炭素材料の製造方法。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000056811A1 (en) * | 1999-03-23 | 2000-09-28 | The University Of Melbourne | Improved carbon-containing materials |
US6274744B1 (en) | 1999-11-12 | 2001-08-14 | Basf Aktiengesellschaft | Preparation of alkali metal salts of L-ascorbic acid |
KR100345297B1 (ko) * | 1998-12-12 | 2002-09-18 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 입자상 탄소체의 제조방법 |
KR100489678B1 (ko) * | 2000-09-07 | 2005-05-17 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 탄소질 구상 전극재의 제조방법 |
JP2014058407A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Covalent Materials Corp | 炭素材料及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP06128017A patent/JP3135187B2/ja not_active Expired - Fee Related
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