JPH07310256A - 薄起毛調織物 - Google Patents

薄起毛調織物

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JPH07310256A
JPH07310256A JP6124365A JP12436594A JPH07310256A JP H07310256 A JPH07310256 A JP H07310256A JP 6124365 A JP6124365 A JP 6124365A JP 12436594 A JP12436594 A JP 12436594A JP H07310256 A JPH07310256 A JP H07310256A
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JP
Japan
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denier
woven fabric
yarn
fabric
single fiber
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Pending
Application number
JP6124365A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Uno
義信 宇野
Akihiko Osaki
昭彦 大崎
Mitsuaki Kitada
充秋 北田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAKASEI ORIMONO KK
Toray Industries Inc
Original Assignee
SAKASEI ORIMONO KK
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by SAKASEI ORIMONO KK, Toray Industries Inc filed Critical SAKASEI ORIMONO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも経糸を構成する糸条が単繊維繊度
0.2デニール以下のポリエステルマルチフィラメント
糸と無機粒子0.8重量%以上を含む単繊維繊度2デニ
ール以上のポリエステルマルチフィラメント糸とからな
る複合糸からなる織物であって、前記単繊維繊度0.2
デニール以下のポリエステルマルチフィラメント糸が織
物表面に主としてループ状の微細毛羽を有することを特
徴とする薄起毛調織物。 【効果】織物表面に羽毛調の微細毛羽を有し、ソフトで
ドライ感があり、さらに適度な反発感をもち、シルクス
トーンウォッシュ調の視覚効果も有する薄起毛調織物を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超極細繊維を含む複合
糸を用いて、機械的な起毛加工を施すこと無く、織物表
面に羽毛調の微細毛羽を有し、ソフトでドライ感があ
り、さらに適度な反発感をもち、シルクストーンウォッ
シュ調の視覚効果も有する薄起毛調織物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フィラメント合成繊維織物に
は機械的(物理的)な起毛加工(針布加工、サンディン
グなど)を施し、スエード調タッチ・外観の特徴を付与
した付加価値商品が数多く商品化されている。これら
は、起毛成分の使用原糸(素材)、織物組織・設計等に
易起毛の工夫をして起毛加工されているのが通例であ
る。
【0003】機械的な起毛加工は、通常、染色加工工程
の中で3〜5回起毛回数を施し均一な毛羽感を発現して
いる。反面、起毛回数が増加すればコストが高くなり、
織物物性面への影響、特に引裂強力の低下などの問題を
誘発する。
【0004】これまで、織物中〜厚地の起毛生地は、原
布の引裂強力が高レベルにあるので起毛加工前より引裂
強力の低下はあるが、合格レベルを維持し実用上ほとん
ど問題にされなかった。
【0005】しかし、シルクストーンウォッシュ調を狙
いにした羽二重、ブロード、デシンなどの平組織を対象
にした薄地生地は、これまで機械的な起毛加工を施すこ
とにより、生地の引裂強力の低下が著しく、起毛加工後
の引裂強力が合格レベル達しないものがほとんどで、高
質感の商品が得られても生地の物性面で大きな障害にな
っていた。
【0006】また、単繊維繊度を極細にした糸条を使用
した布ワクは非常にソフトな触感を与えるが単繊維繊度
の太いものにくらべ表面積が増大することによる嫌なヌ
メリ感が増大し敬遠される傾向にあった。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するため、合成繊維フィラメント薄地織物で
ありながら、機械的な起毛加工を施すことなく、織物表
面に微細毛羽を有し、且つ引裂強力も保持し、ソフトで
ドライ感があり、さらに反発感のある質感とシルクスト
ーンウォッショ調の表面感を兼備した織物を提供するこ
とにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため次の構成からなる。
【0009】すなわち、少なくとも経糸を構成する糸条
が単繊維繊度0.2デニール以下のポリエステルマルチ
フィラメント糸と無機粒子0.8重量%以上を含む単繊
維繊度2デニール以上のポリエステルマルチフィラメン
ト糸とからなる複合糸からなる織物であって、前記単繊
維繊度0.2デニール以下のポリエステルマルチフィラ
メント糸が織物表面に主としてループ状の微細毛羽を有
することを特徴とする薄起毛調織物である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明の経糸は、織物の染色仕上工程で新
しい質感と表面感を創出する重要な役割をし、それを構
成する超極細マルチフィラメント糸の単繊維繊度が0.
2デニール以下であることが本発明の効果を得る上で重
要な条件である。これは、本発明の織物の特徴である微
細毛羽を得る手段として、従来の起毛加工と称するサン
ディング加工や針布加工、あるいは染色加工中での特殊
な擦過法などの糸を切断して毛羽立てる強制的な物理的
方法によるものでなく、通常の合繊織物の染色加工工程
を通過させることで自然発生的に形成させるためであ
る。
【0012】本発明において微細毛羽は、少なくとも経
糸を形成する単繊維繊度0.2デニール以下の超極細マ
ルチフィラメント糸の一部分が主としてループ状に織物
表面に露出してなるものである。また、染色中に受ける
揉み作用で超極細マルチフィラメント糸の単繊維が部分
的に切断されているものも混在する。染色加工の前工程
で施すアルカリ処理加工を行なう場合等には、超極細マ
ルチフィラメント糸の単繊維が脆化されて繊維強度が低
下するので、切断した毛羽が混在する傾向がある。
【0013】本発明は、このような微細毛羽を付与する
観点から、超極細マルチフィラメント糸の単繊維繊度が
0.2デニール以下であることが重要である。好ましく
は、0.001デニール〜0.1デニールである。一
方、超極細マルチフィラメント糸の単繊維デニールが
0.2デニールを越えると物理的な起毛加工なしに通常
の合繊織物の染色加工工程を通過させるだけで微細毛羽
を数多く均一に発現させることは極めて困難である。
【0014】毛羽成分を形成する超極細マルチフィラメ
ント糸の種類は、通常の口金から紡糸した未延伸糸、あ
るいは半延伸糸を延伸工程で延伸して得られる延伸糸、
高速紡糸1工程による高速紡糸糸などの一発紡糸(直接
紡糸)型、基本的に難溶性ポリマーと易溶性ポリマーを
組合わした海/島型、割繊型、剥離型などを採用するこ
とができる。現時点において、一発紡糸型、割繊型、剥
離型は単繊維繊度が0.1デニール以下の範囲では製糸
性、高次通過性等において未だ技術的問題を含んでい
る。その意味において既に技術確立され、実績のある海
/島型が本発明においては好適である。
【0015】一方、超極細マルチフィラメント糸の複合
相手となる糸は、布帛の質感と生地物性を形成する上で
重要である。超極細マルチフィラメント糸は単体で経糸
として使用するのは、極度に単繊維繊度が細いため衣料
用途として布帛の張り・腰、反発性等が著しく不足し、
狙いとするシルクストンウォッシュ調の布帛特性から離
れる方向にいく。また、引裂強力を維持する上でアルカ
リ減量速度の遅い、すなわち、表面積の少ない特性を持
つ必要がある。その意味で、単繊維繊度が2デニール以
上の太いマルチフィラメント糸と複合することが布帛の
質感と生地物性面で好ましい。より好ましくは、単繊維
繊度が3デニール以上である。単繊維繊度が2デニール
未満になると布帛の腰・ハリ、反発感や製品生地の引裂
強力等の面で満足するものが得られない。
【0016】さらに、触感面で超極細糸特有の嫌なヌメ
リ感の軽減するため、ドライ感を創出する太単繊度糸と
混繊され、両者が混在して織物表面に表出することが重
要であることから、太単繊度糸が無機粒子を0.8重量
%以上を含むことが重要である。ポリエステルへの添加
量が0.8重量%以上であれば織物におけるアルカリ減
量処理で無機粒子溶出による繊維粗面化によってドライ
タッチを得ることができ、かつ、反発性の向上にも寄与
する。また、ドライ感は、添加量の増加によって大きく
なるが、製糸性の面や発色の面へのマイナスの影響があ
り6.5重量%が限界である。無機粒子としては、代表
的には酸化チタン、炭化カルシウムのごとくポリエステ
ルの重合の際に添加できる通常のものでよく、その他、
酸化ケイ素、酸化ジルコニア、カオリオン、炭酸カルシ
ウムなどを用いることができる。なかでも酸化チタンが
好ましい。
【0017】少なくとも経糸を構成する超極細マルチフ
ィラメント糸と単繊維繊度の太いマルチフィラメント糸
の複合は、合糸、仮撚、交絡、乱流等の加工によつて得
られる。これらの選択は特に規制されるものでなく、狙
いとする商品の用途、コスト、工程通過性、質感等に応
じて適宜選択される。また、経糸に付与する撚数も同様
で、例えば、表面にシボ感のいるデシン調織物を作る場
合は、一般的に無撚のままがシボ立ちの面からよい。ま
た、商品により高いドライ感、ドレープ性などを要求さ
れる場合は、200〜3500T/Mの実撚を付与する
ことが好ましい。その場合、より好ましくは500〜2
500T/Mである。
【0018】また、超極細マルチフィラメント糸の占め
る比率は、過多の毛羽が発生し表面品位の低下を防止し
てガーメントの仕立て映えを良くする観点から90%以
下であることが好ましく、一方、布帛の質感、毛羽感を
得る観点から比率が20%以上であることが好ましい。
超極細マルチフィラメント糸は少なくとも経糸に含まれ
ていることが重要であるが、経糸のみならず緯糸に含ま
れていてもよい。所望とする布帛の風合、強度等に応じ
て適宜その複合比率を決めればよい。
【0019】経糸の総デニールは、狙いとする質感の薄
地織物を得る観点から30デニール〜300デニールが
好ましい。より好ましくは50デニール〜200デニー
ルである。
【0020】次に、本発明の織物の製造方法の一例を説
明する。
【0021】経糸及び緯糸として、単繊維繊度0.2デ
ニール以下の超極細マルチフィラメント糸成分と無機粒
子を0.8重量%以上を含む単繊維繊度2デニール以上
のマルチフィラメント糸成分を引き揃え混繊複合する。
この時、インターレース処理によって交絡を与えること
が好ましく採用される。この場合、0.2デニール以下
の超極細マルチフィラメント糸は生糸、先熱処理糸、捲
縮糸等いずれでもかまわない。
【0022】また、両者の沸水収縮率は、デシン調織物
で満足するシボ感を得ること、また総じて本発明の主た
る狙いとする平組織の薄地織物の製品生地に残留歪み
(生地の笑い現象)が潜在化して可縫製・仕立映え等が
低下するのを防止するという観点から、沸水収縮率0〜
15%が適している。
【0023】さらに、両者の沸水収縮率の関係は、ソフ
ト感、均一な毛羽感等を得る上から単繊維繊度0.2デ
ニール以下の超極細マルチフィラメント糸が、単繊維繊
度2デニール以上の太単繊度糸より同じか小さいもの
(太単繊度糸より大きくならないもの)が好ましい。
【0024】次いで、経糸として無撚のまま使用する場
合は、糊付けを施し、通常の粗巻整経機あるいは部分整
経機により整経し、ビーミング、ドローイングし織機に
仕掛ける。一方、撚糸を付与する場合は、一般の製織工
程で使用される撚糸機(例えば、ダブルツイスターな
ど)で所定の撚数を施す。得られた撚糸後の糸は、撚数
が多い場合、工程通過性を良くするため撚止セットを行
う。
【0025】織機は、一般に使用される普通織機、レピ
ア、ウッタージェットルーム、エアージェットルーム等
の機種として特に限定される事なく採用できる。なかで
も一般にフィラメント織物用に広く使用されているウッ
タージェットルームがコスト、生産性の観点から好まし
い。
【0026】製織における織物組織は、要求される織物
の質感、表面感等よって適宜選定される。
【0027】得られた生機は、染色加工工程に投入され
る。所望する特徴を得るため上記の如く設計された布帛
に微細毛羽の発現、ドレープ性、ソフト感、反発感等を
発揮させるのが以下述べる染色加工工程である。
【0028】本発明の織物に採用する染色加工工程は、
通常のポリエステル合成繊維織物、とりわけ「新合繊」
織物と称される織物の染色加工工程を基本に条件を設定
すればよい。
【0029】生機は、製織工程での油剤・糊剤が付着し
ており、これを除去すると同時に経糸および緯糸混繊糸
の糸収縮を十分に発揮させるため、精練・リラックス処
理を実施する。処理条件は、張力と温度を制御して、揉
み効果を与え、布帛にふくらみ感を発現させる条件が好
ましく、具体的には例えば温度100℃から120℃の
範囲で、拡布状、ロープ状の連続式、バッチ式等の処理
のいずれでも採用できる。
【0030】精練・リラックス工程の後、乾燥し、プレ
セットで幅出しセットを行う。
【0031】次いで、アルカリ減量工程で、脱海処理
(海/島型極細糸の場合)と布帛を構成する経糸・緯糸
の交錯点の摩擦を少なくしてドレープ性を与えるためア
ルカリ減量処理をする。処理条件は通常の織物の条件か
ら応用できる範囲でよい。
【0032】このアルカリ減量により、複合糸を構成す
る超極細マルチフィラメント糸が表出する織物表面の一
部分に脆化による微細毛羽発現の兆候が現れる。
【0033】一般に製造されている中〜厚地のスエード
調織物などは、この後サンディング加工あるいは針布加
工などの起毛加工を施すのが通例である。しかしなが
ら、本発明の薄起毛調織物は、高い毛羽密度や毛羽長は
必要でなく、ソフトな質感を付与する程度の自然発生的
な毛羽感を有することに特徴があり、これは、本発明の
経糸の素材の規定と起毛加工を行わない製造工程によっ
て初めて得られるものである。
【0034】また、これまでの薄地織物の起毛加工、特
に平組織は製品生地の引裂強度を低下させるという問題
があった。それに対して、本発明の微細毛羽を有する薄
地織物では、起毛加工を施していないので、引裂強度低
下の問題は回避できる。さらに、加工コスト面でも安価
で、起毛調織物が製造できるので工業的に有利である。
【0035】次に、通常120℃〜135℃の条件で低
張力の染色機を選択して実施する。この染色加工中の十
分な揉み作用で微細毛羽の発現が促進され、また織物表
面全体に均一な毛羽感を与え、ソフト感、ナチュラル感
が付加される。
【0036】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0037】なお、実施例、比較例における生地の引裂
強力はJIS(L1096)に準じて測定したものであ
り、ピリングはJIS(L1076)に準じて測定した
ものである。 [実施例1]ポリエステル100%からなる海/島型超
極細50デニール−9フィラメントの生糸(脱海後の単
繊維デニールが0.06d、沸水収縮率8.5%)と酸
化チタンを2.5重量%含有するポリエステルマルチフ
ィラメント30デニール−6フィラメント(単繊維デニ
ールが5d、沸水収縮率13.0%)を一般的に使用さ
れる愛機製作所製混繊加工機AT−501型を使用して
通常一般的な条件により複合インターレース加工を実施
した。
【0038】この混繊複合糸を経糸としてパーンワイン
ダーで分割後、村田機械(株)製ダブルツイスター#3
07を使用して中撚(1000T/M)を施し、津田駒
(株)製整経機に仕掛け、ワーパーサイザーで乾燥温度
としてシリンダー100℃、チャンバー110℃の条件
でサイジングを実施後、ビーミング、経通し後、日産
(株)製ウォータージェットルームLW−52に仕掛け
た。
【0039】緯糸には経糸と同条件の混繊複合糸を使用
し平織物を製織した。生機密度は100本/インチ×7
8本/インチであった。次に、生機を100℃熱水によ
る精練・リックスを実施した。経・緯方向とも加工時の
張力が小さいソフサー型を使用した。続いて、有幅に近
い条件で乾燥、プリセットを実施した。
【0040】次に、液流方式による海/島型糸条の脱海
処理を海成分の溶解を容易にするため、先に酸処理を行
い、続いて80℃でアルカリ処理を施し単繊維繊度0.
06デニールのものを得た。アルカリ処理では同時に生
地の減量加工も行い、ドレープ性、反発感などの風合い
出しも行った。実質の減量率は39%であった。
【0041】次に、液流染色機を用い、通常のポリエス
テル織物の染色条件で加工し、続いて仕上セット温度を
180℃、しわを延ばす程度の幅出し率で仕上げた。仕
上品の密度は114本/インチ×94本/インチの性量
を有していた。
【0042】仕上品は表面に均一な微細毛羽を有したソ
フトな質感とハリ・腰がありドレープ性、反発感に優
れ、ヌメリ感のないドライタッチのシルクストーンウォ
ッシュ調の風合いで、エレガントカジュアルに最適のも
のが得られた。さらに、プリント下地としても好適であ
った。また、生地の引裂強力も経650g、緯550
g、ピリング4−5級であった。
【0043】得られた織物の表面を図1および図2に示
した。主としてループ状の微細毛羽が存在していること
がわかる。 [実施例2]実施例1で得られた混繊複合糸を無撚のま
ま経糸および緯糸として使用し、織物設計、工程条件も
実施例1と同一条件で実施した。得られた仕上品は、実
施例1と同様に表面に均一な微細毛羽をもち、ソフトな
質感に富んだものが得られた。また、生地の引裂強力も
経710g、緯680g、ピリング4−5級であった。
【0044】得られた織物の表面を図3および図4に示
した。主としてループ状の微細毛羽が存在していること
がわかる。 [実施例3]実施例1で得られた混繊複合糸に中撚(1
000T/M)を付与したものを経糸に、緯糸として7
5デニール−72フィラメントのセミダルタイプのポリ
エステルマルチフィラメント糸(沸水収縮率7.8%)
に強撚(3000T/M)を付与したS撚とZ撚を交互
に使用し平織物を製織した。生機密度は157本/イン
チ×74本/インチであった。
【0045】次に、生機を100℃熱水によるシボ立て
と精練・リックスを実施した。
【0046】以下、実施例1と同様に、乾燥、プレセッ
ト、酸処理、アルカリ加工、染色、仕上セットを施し仕
上げた。仕上密度は190本/インチ×90本/インチ
の性量を有していた。
【0047】仕上品はきれいなシボ感と微細毛羽を有し
たデシン織物表面になり、風合いも実施例1同様の高質
感のものが得られた。また、生地の引裂強力も経800
g、緯1000g、ピリング4−5級であった。 [比較例1]ポリエステル100%からなる海/島型超
極細50デニール−9フィラメントの生糸(脱海後の単
繊維デニールが0.06d、沸水収縮率8.5%)と酸
化チタンを含有しないスーパーブライトタイプの30デ
ニール−6フィラメントの高収縮ポリエステルマルチフ
ィラメント糸(沸水収縮率20.0%)を一般的に使用
される愛機製作所製混繊加工機AT−501型を使用し
て通常一般的な条件により複合インターレース加工を実
施した。
【0048】この混繊複合糸に中撚(1000T/M)
を施し、経糸および緯糸として使用し平織物を製織し
た。生機密度は実施例と同一に設定した。
【0049】次に、生機を実施例1と同一の加工条件で
染色加工を実施し、仕上密度が経119本/インチ、緯
98本/インチの仕上品を得た仕上品は織物表面に微細
毛羽を有しソフトな質感をもつが、実施例1に比較する
とヌメリ感がありドライタッチに欠け、ドレープ性、反
発感の不足するものであった。また、仕上生地の引裂強
力も経440g、緯360gと実施例1より劣るもので
あった。その上、製品生地のヨコ方向に実施例1より大
きい残留歪みがあった。 [比較例2]一発紡糸型の単繊維繊度が0.4デニール
のセミダルタイプの60デニール−144フィラメント
のポリエステルマルチフィラメント糸(沸水収縮率7.
8%)と酸化チタンを2.5重量%含有するポリエステ
ルマルチフィラメント30デニール−6フィラメント
(沸水収縮率20.0%)を一般的に使用される愛機製
作所製混繊加工機AT−501型を使用して通常一般的
な条件により複合インターレース加工を実施した。
【0050】この混繊複合糸に中撚(1000T/M)
を施し、経糸および緯糸として使用し平織物を製織し
た。得られた生機は実施例1と同一の加工条件で染色仕
上加工を施し、仕上密度が経136本/インチ、緯10
2本/インチの仕上品を得た。
【0051】仕上品は風合いソフトなピーチ調のである
が、表面に微細毛羽の発現が見られないものであった。
また、微細毛羽を得るため、染色加工中にサンディング
加工を施したものは、生地の引裂強力が極度に低下した
ものになった。
【0052】得られた織物の表面を図5および図6に示
した。主としてループ状の微細毛羽が存在していないこ
とがわかる。 [比較例3]ポリエステル100%からなる海/島型超
極細50デニール−9フィラメントの生糸(脱海後の単
繊維デニールが0.06デニール、沸水収縮率8.5
%)と酸化チタンを2.5重量%含有する30デニール
−24フィラメント糸(単繊維デニールが1.25デニ
ール、沸水収縮率13.0%)を一般的に使用される愛
機製作所製混繊加工機AT−501型を使用して通常一
般的な条件により複合インターレース加工を実施した。
【0053】この混繊複合糸に中撚(1000T/M)
を施し、経糸および緯糸として使用し平織物を製織し
た。得られた生機は実施例1と同一の加工条件で染色仕
上加工を施した。実質の減量率は41%であった。仕上
密度は経114本/インチ、緯94本/インチの仕上品
を得た。
【0054】仕上品の引裂強力は経410g、緯290
gで実施例1よりかなり劣るレベルになった。また、風
合い的にソフト感・ドレープ性過多の方向に走り、ドラ
イ感、反発感に欠ける生地になった。
【0055】
【発明の効果】本発明は、合成繊維フィラメントの薄地
織物でありながら織物表面に羽毛調の微細毛羽をもち、
かつ、生地の引裂強力を満足させるとともに、ソフトで
ドライ感があり、ドレープ性・反発感に富み、シルクス
トーンウォッシュ調の視覚効果も兼備した高質感の薄地
織物が提供できる。
【0056】また、本発明の織物は、機械的な起毛加工
を施さないので染色加工の省力化、コストダウン等にも
有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄起毛調織物の表面の一例(実施
例1)を示すを拡大写真(100倍)である。
【図2】本発明に係る薄起毛調織物の表面の一例(実施
例1)を示すを拡大写真(40倍)である。
【図3】本発明に係る薄起毛調織物の表面の他の一例
(実施例2)を示すを拡大写真(100倍)である。
【図4】本発明に係る薄起毛調織物の表面の他の一例
(実施例2)を示すを拡大写真(40倍)である。
【図5】比較例2による織物の表面を示すを拡大写真
(100倍)である。
【図6】比較例2による織物の表面を示すを拡大写真
(40倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北田 充秋 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも経糸を構成する糸条が単繊維繊
    度0.2デニール以下のポリエステルマルチフィラメン
    ト糸と無機粒子0.8重量%以上を含む単繊維繊度2デ
    ニール以上のポリエステルマルチフィラメント糸とから
    なる複合糸からなる織物であって、前記単繊維繊度0.
    2デニール以下のポリエステルマルチフィラメント糸が
    織物表面に主としてループ状の微細毛羽を有することを
    特徴とする薄起毛調織物。
  2. 【請求項2】単繊維繊度0.2デニール以下のポリエス
    テルマルチフィラメント糸と無機粒子0.8重量%以上
    を含む単繊維繊度2デニール以上のポリエステルマルチ
    フィラメント糸とからなる複合糸が無撚であることを特
    徴とする請求項1に記載の薄起毛調織物。
  3. 【請求項3】単繊維繊度0.2デニール以下のポリエス
    テルマルチフィラメント糸と無機粒子0.8重量%以上
    を含む単繊維繊度2デニール以上のポリエステルマルチ
    フィラメント糸とからなる複合糸が200〜3500T
    /Mの実撚を有することを特徴とする請求項1に記載の
    薄起毛調織物。
  4. 【請求項4】単繊維繊度0.2デニール以下のポリエス
    テルマルチフィラメント糸が海/島型ポリエステルマル
    チフィラメント糸から形成されるものであることを特徴
    とする請求項1,2または3に記載の薄起毛調織物。
  5. 【請求項5】無機粒子が酸化チタンであることを特徴と
    する請求項1,2または3に記載の薄起毛調織物。
  6. 【請求項6】単繊維繊度0.2デニール以下のポリエス
    テルマルチフィラメント糸の複合比率が20〜90%で
    あることを特徴とする請求項1,2または3に記載の薄
    起毛調織物。
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