JPH07306315A - 偏光板の製造法 - Google Patents

偏光板の製造法

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JPH07306315A
JPH07306315A JP12199594A JP12199594A JPH07306315A JP H07306315 A JPH07306315 A JP H07306315A JP 12199594 A JP12199594 A JP 12199594A JP 12199594 A JP12199594 A JP 12199594A JP H07306315 A JPH07306315 A JP H07306315A
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film
pva
polarizing plate
polarizing
protective film
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JP12199594A
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Shuichi Kitamura
村 秀 一 北
Keita Suzuki
木 恵 太 鈴
Keiji Ishizaki
崎 恵 治 石
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接着剤層の厚み分布が均一で、外観特性に優れ
湿熱下に長時間放置しても良好な接着性を保持した偏光
板の製造法を提供すること。 【構成】ポリビニルアルコール系偏光膜(A)の少なく
とも一方の面に酢酸セルロース系保護膜(B)を接着し
てなる偏光板を製造するに当たり、酢酸セルロース系保
護膜(B)の表面にポリビニルアルコール系樹脂(C)
を予め積層しておき、接着時に加湿によりポリビニルア
ルコール系樹脂(C)表面の水に対する接触角を40度
以下に調整した後、ポリビニルアルコール系偏光膜
(A)と接着させることを特徴とする偏光板の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏光板の外観特性に優
れ、且つ湿熱時に於ける接着性及び偏光度の変化が極め
て少なく耐湿熱性の良好な偏光板の製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これに伴い高偏光性能を有する偏光板の需要も増
大している。特に、計器類においては過酷な条件で使用
される場合が多いので耐湿熱性を保持した偏光板が要請
されている。
【0003】偏光板は、一般的に偏光能を有する偏光膜
の両面に接着剤層を介して保護膜を形成させたものであ
る。偏光膜としては、従来よりポリビニルアルコール
(以下PVAと略す)フィルムにヨウ素又は二色性染料
を吸着させたPVA系偏光フィルムが用いられ、保護膜
としては、光学的特性、無配向性等に優れる酢酸セルロ
ース系フィルムが汎用されているが、一般に耐湿熱性が
悪く、特に高温多湿の環境下では寸法安定性や耐湿性に
問題が生じ、その結果偏光性能が低下し、信頼性が欠け
るものであった。
【0004】かかる問題を解決する為、例えば、特開昭
61−245107号公報では、偏光フィルムの表面を
PVA、カルボキシメチルセルロース、ウレタン系、ア
クリル系、エポキシ系等の親水性高分子の水溶液又は接
着剤で一度処理した後、再度接着剤を介して保護フィル
ムを接着することによって、接着強度が改善された偏光
板を提供することが開示されている。
【0005】又、本出願人に係わる特開平2−1354
02号公報では、耐湿熱性及び寸法安定性を向上させる
為、PVA系偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィ
ルムの接着剤にホウ素化合物の水溶液を使用することが
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61−245107号公報開示技術では、偏光フィルム
と接着剤層、及び接着剤層と保護フィルムの接着性の改
善を目指しているもので、いくらか実用性の高い製品が
得られるものの、耐湿熱性等については未だ充分とはい
えず、更に偏光フィルムを接着剤で処理した後、再度接
着剤を使用する必要があり、作業工程が繁雑となり、又
ポリイソシアネートと多価アルコール等の活性水素を有
する化合物を併用することが必要不可欠とされ、これら
を混合攪拌した二液硬化型のウレタン系接着剤を塗布す
るため、該接着剤の可使時間の影響を免れる事が出来ず
接着剤層の厚み分布が不均一となったり、工程が繁雑と
なったりする場合があり、又、ウレタン系接着剤(エマ
ルジョンタイプ)を用いるに際して、親水基あるいは界
面活性剤を用いる為耐湿熱性能、耐水接着性が悪く、そ
の結果偏光板の外観特性、湿熱時の接着性に弊害が生じ
たりすることがある。
【0007】又、特開平2−135402号公報開示技
術では、耐熱性、耐湿性及び寸法安定性等の改善効果は
認められるものの、湿熱下の接着性においては未だ不充
分であり、接着層の厚みが均一で外観特性に優れ、湿熱
時に長時間放置しても接着性及び偏光度を保持し得る偏
光板の製造法の出現が望まれていた。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、かかる欠点
を改良すべく鋭意検討を行った結果、PVA系偏光膜
(A)の少なくとも一方の面に酢酸セルロース系保護膜
(B)を接着してなる偏光板を製造するに当たり、酢酸
セルロース系保護膜(B)の接着面にPVA系樹脂
(C)を予め積層しておき、接着時に加湿によりPVA
系樹脂(C)表面の水に対する接触角を40度以下に調
整した後、PVA系偏光膜(A)と接着させてなる偏光
板が外観特性に優れ、且つ湿熱時に於ける接着性及び偏
光度の変化が極めて少ないことを見いだし本発明の完成
に至った。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
PVA系偏光膜(A)はPVA系フィルムの一軸延伸フ
ィルムである。PVAは通常、酢酸ビニルを重合したポ
リ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では必
ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カ
ルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含
む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホ
ン酸塩等の酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有してい
ても良い。
【0010】PVA系偏光膜(A)に用いられるPVA
のケン化度は85〜100モル%、好ましくは98〜1
00モル%が実用的である。又、本発明におけるPVA
の平均重合度としては、本発明の効果を得るためには5
00以上、好ましくは1100〜5000、特に好まし
くは1500〜4000が有利である。
【0011】平均重合度が500未満では初期偏光性能
(偏光度、透過率)が低い、高温多湿の条件下において
光学性能の低下が大きい等の為、本発明の効果が得難
い。
【0012】PVA系フィルムの製造法としては、PV
Aを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して、延
伸してヨウ素染色又はアゾ系、アントラキノン系、テト
ラジン系等の二色性染料で染色するか、延伸と染色を同
時に行うか、染色して延伸した後、ホウ素化合物で処理
する方法が挙げられる。原液調製に際し使用される溶媒
としては、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロ
リドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物が用い
られる。
【0013】上記溶媒中には、少量例えば5〜30重量
%の水を含有させても差し支えない。原液中のPVAの
濃度は5〜20重量%程度が実用的である。該溶剤を用
いて得られたPVA製膜原液は、キャスト法、押出法等
任意の方法で製膜される。製膜方式としては乾・湿式製
膜法にて、即ち、該溶液を口金スリットから一旦空気
中、又は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気中
に吐出し次いで凝固浴中に導いて未延伸フィルムを形成
せしめる。又は、口金から吐出された製膜溶液は一旦ロ
ーラー、或いはベルトコンベアー等の上で溶剤を一部乾
燥した後凝固浴中に導入しても差し支えない。
【0014】また、凝固浴に用いる溶媒には前記PVA
の溶剤と混和性を有するもので、例えばメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類
やアセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。PV
Aフィルムを得る方法としては、上記以外に所謂ゲル延
伸法と呼ばれている方法も採用可能である。
【0015】即ち、PVAを重合体濃度が30%以下に
なるよう溶剤に溶解してPVA製膜原液を調製する。該
溶液をスリット状口金を通して空気又は不活性雰囲気中
に吐出させ、次いで表面が冷却されたローラーやベルト
コンベアの上にあるいは凝固液中に導入してゲル化フイ
ルムを形成させる。該ゲル化フィルムは脱溶媒後延伸さ
せられる。該製膜法は前記乾・湿式製膜法と殆ど同じで
あるが重合体濃度が原液と変化しないようにゲル化フィ
ルムを形成させる点で差がある。
【0016】この場合のPVA製膜原液の溶媒として
は、水、グリセリン、エチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アル
コール、ベンゼンスルホンアミド、カプロラクタム等が
例示できる。
【0017】前記の如くして得られるPVA未延伸フィ
ルムは、次いで延伸及び染色が施される。延伸と染色は
別々に行っても同時に行っても良い。別々に行う場合、
延伸と染色の順序も任意である。延伸は一軸方向に3.
0倍以上、好ましくは3.5倍以上延伸することが望ま
しい。この際、前記と直角方向にも若干の延伸(幅方向
の収縮を防止する程度或いはそれ以上の延伸)を行って
も差し支えない。延伸時の温度条件は、50〜130℃
の範囲から選ぶのが適当である。
【0018】フィルムへの染色、つまり偏光素子の吸着
はフィルムに偏光素子を含有する液体を接触させること
によって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの
水溶液、又はアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系
等の二色性染料の水溶液が用いられる。ヨウ素の濃度は
0.1〜2.0g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜
50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリウムの重量比は20〜
100が適当であり、二色性染料の濃度は、0.1〜
3.0g/lが適当である。染色時間は30〜500秒
程度が実用的である。水溶媒以外に水と相溶性のある有
機溶媒を少量含有させても差し支えない。
【0019】接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任
意の手段が適用出来る。延伸及び染色の終了したフィル
ムは次いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化
合物としてはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化
合物は水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5
〜2.0モル/l程度で用いられる。
【0020】処理法は浸漬が望ましいが勿論、塗布法、
噴霧法も実用可能である。処理時の温度は50〜70
℃、処理時間5〜20分程度が好ましく、必要に応じて
処理中に、或いは処理後に延伸操作を行っても良い。最
後に30〜90℃で60秒〜5時間乾燥することにより
水に対する接触角50〜70度程度のPVA系偏光膜
(A)を得る。
【0021】本発明においては、上記により偏光性能が
付与されたPVA系偏光膜(A)の少なくとも一方の面
に酢酸セルロース系保護膜(B)を設けて偏光板を製造
するにあたり、該保護膜(B)の表面にPVA系樹脂
(C)を予め積層してなるものであり、該保護膜(B)
としては二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のフィ
ルムが用いられる。更に、該保護膜表面の親水化処理法
としてはアルカリによるケン化処理、プラズマ処理、グ
ロー放電処理、コロナ放電処理、高周波処理、電子線処
理等の手段が挙げられるが、処理方法として接着性、作
業性、経済性等の面よりアルカリによるケン化処理が最
も好ましく、水に対する接触角が40度以下、好ましく
は30度以下になるまで処理される。処理水溶液に用い
られるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチュウム、水酸化カルシュウム等が挙
げられる。ケン化処理は20重量%の水酸化ナトリウム
又は水酸化カリウム等のアルカリ水溶液中に5分間浸漬
し、その後水洗、風乾により行われる。
【0022】尚、ここで言う接触角は静止接触角を意味
し、該接触角の測定法は接触角計(協和界面科学(株)
製、自動接触計CA−Z)を用いて20℃、65%RH
の条件で体積4μlの水滴を針先に作り、これをフィル
ムに接触させ、フィルム表面に液滴を作成し、このとき
生じる液滴とフィルム界面との角度を静止接触角として
測定する方法を採用した。
【0023】本発明で用いられるPVA系樹脂(C)と
しては、ケン化度が90モル%以上、好ましくは95モ
ル%以上、特に好ましくは98モル%以上であり、90
モル%未満では、湿熱時の耐水性、耐熱性等に劣り本発
明の効果が得られない。又、平均重合度は500以上、
好ましくは1100以上、特に好ましくは1500以上
であり、平均重合度が500未満では耐湿熱性や接着性
等が劣り、本発明の効果が得難い。PVA系樹脂(C)
には、不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニト
リル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不
飽和スルホン酸塩等の酢酸ビニルと共重合可能な成分を
含有していても良い。
【0024】本発明の酢酸セルロース系保護膜(B)の
表面に上記のPVA系樹脂(C)を予め積層する方法と
しては、PVA系樹脂(C)を水又は有機溶媒に溶解し
た原液を用いて酢酸セルロース系保護膜(B)表面上に
流延製膜、押出コーティング等を行う方法、又は酢酸セ
ルロース系保護膜(B)を該原液に浸漬する方法等の任
意の方法で酢酸セルロース系保護膜(B)の表面上に製
膜又は塗布される。PVA系樹脂(C)層の厚みとして
は、0.01〜10μ、好ましくは0.05〜5μであ
る。
【0025】原液調製に際し使用される溶媒としては、
水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、グ
リセリン、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等
の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン等のアミン類及びこれらの混合物が用いられる。
上記溶媒中には、少量例えば5〜30重量%の水を含有
させても差し支えなく、原液中のPVAの濃度は1〜1
0重量%程度が実用的であり、10重量%より大きいと
PVA系樹脂(C)層の厚み分布が不均一になり易く、
外観特性及び湿熱時の接着性も低下し適当でない。
【0026】酢酸セルロース系保護膜(B)の表面にP
VA系樹脂(C)を積層後の乾燥条件としては、乾燥温
度30〜120℃、好ましくは50〜90℃、乾燥時間
30〜1800秒、好ましくは30〜900秒であるこ
とが適当であり、PVA系樹脂(C)表面の水に対する
接触角が40〜70度、好ましくは50〜70度の範囲
に至るまで乾燥を行ことが好ましい。
【0027】尚、乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶液を
口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウム、ア
ルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴中に導
いて未延伸フィルムを形成せしめた後、酢酸セルロース
系保護膜(B)との積層を行ってもよい。
【0028】又、加湿処理によりPVA系樹脂(C)表
面の水に対する接触角は40度以下、好ましくは30度
以下に調整することが望ましく、水に対する接触角が4
0度より大きいと接着強度の不足、耐湿熱性の低下等の
問題が生じ本発明の効果が得難い。
【0029】本発明における加湿方法としては、水の噴
霧、水蒸気の噴霧、水の塗布、水中への浸漬、恒温恒湿
器に放置等の任意の方法を採用できるが、加湿効率、品
質の安定性等より、5〜30℃の水中に10〜180秒
浸漬する方法が最も好ましい。加湿時に使用される水
に、ケン化度90〜100モル%、平均重合度500〜
4000のPVAが1〜7重量%含まれると接着性及び
湿熱時の接着性の保持、耐湿熱性等の点において更に効
果的である。
【0030】上記PVA系樹脂(C)には、所望により
界面活性剤が含まれていてもよい。該界面活性剤として
は、例えば、陰イオン界面活性剤としてラウリル硫酸エ
ステルソーダ塩、ラウリルアルコール硫酸エステルアン
モニウム塩等の高級アルコール硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルサルフェートソーダ塩、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルサルフェートソーダ塩等
のポリオキシエチレンサルフェート塩類等、非イオン性
界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェノールエーテル等のポリオキシエチ
レンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルキル
フェノールエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類等、陽イオン性界面活性剤としてラウリルアミンアセ
テート等のアルキルアミン塩類、ラウリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類等、フロラードFC−43
0(住友スリーエム株式会社製)やEF−105、EF
−700、EF−112((株)トーケムプロダイン
製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられるが、これらに
限定されることはない。
【0031】上記の方法により接着時に水に対する接触
角が40度以下に調整されたPVA系樹脂(C)層を設
けた酢酸セルロース系保護膜(B)をPVA系偏光膜
(A)の少なくとも一方の面と貼合わせ、30〜120
℃、好ましくは50〜90℃で30〜1800秒、特に
好ましくは30〜900秒乾燥することにより偏光板が
得られる。尚、本発明においては酢酸セルロース系保護
膜(B)の接着面だけなく、同時にPVA偏光膜(A)
の接着面にも同じ要領でPVA系樹脂(C)を積層して
おいてもよい。
【0032】かくして得られた偏光板は、更に粘着剤層
及び剥離フィルムを付加することが出来る。
【0033】
【作用】本発明の偏光板の製造法よれば、接着剤層の厚
み分布が均一で、外観特性に優れ湿熱下に長時間放置し
ても良好な接着性を保持し得る偏光板が得られ、車両用
途、各種工業計器類の表示等の過酷な条件で使用された
場合でも、大変有用である。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、本発明でいう偏光度とは数1で示され
る。
【0035】
【数1】 ここでH11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向になる
様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透
過率(%)、H1 は2枚のサンプルの重ね合わせ時にお
いて、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する方向に
なる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)であ
る。
【0036】実施例1 平均重合度3800、ケン化度99.5モル%のPVA
100部を水に溶解し、5.0重量%濃度の溶液を得
た。このフィルムをチャックに装着しヨウ素0.2g/
l、ヨウ化カリウム60g/lよりなる水溶液中に30
℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨウ
化カリウム30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共
に、同時に4.5倍に一軸延伸しつつ5分間に渡ってホ
ウ酸処理を行った。最後に室温で2時間乾燥することに
よりPVA系偏光膜(A)を得た。一方、処理水溶液と
して水酸化ナトリウム水溶液を用いて表面処理した三酢
酸セルロース保護膜(B)の表面にケン化度98モル
%、平均重合度1700のPVA5重量%水溶液をキャ
ストし、60℃、120秒で乾燥することにより、厚み
0.5μ、水に対する接触角70度のPVA系樹脂
(C)層を設けた。PVA系樹脂(C)層を設けた三酢
酸セルロース保護膜(B)を20℃の水中に10秒間浸
漬処理することにより、該PVA系樹脂(C)層の表面
の水に対する接触角を20度に調整した後、上記偏光膜
(A)の両面に貼合わせ、70℃で120秒乾燥するこ
とにより偏光板を得た。以下に示す方法に従って光学特
性、接着性及び偏光板の外観特性について評価を行っ
た。
【0037】これにより得られた偏光板を70℃、90
%RHの条件下に500時間放置した後の該偏光板の初
期光学性能に対する光学特性変化を分光光度計(TL−
1800VT 東京電色(株)製)により評価した。 評価基準 偏光度変化かつ透過率の変化 ○:5%未満 3%未満 △:5〜10% 3〜6% ×:10%以上 7%以上 又、偏光フィルムと三酢酸セルロースの接着性について
は、水中剥離試験、即ち、偏光フィルムと保護フィルム
の積層サンプルを幅25mm、長さ90mmに切断し、
一端を剥離させて、片方のフィルム端部に荷重(100
g)を吊り下げ、フィルムの他方の端部をもって、70
℃の温水に浸漬した時点から、接着面が完全に剥離する
までの時間(秒)を測定することにより、接着力を評価
した。当然のことながら剥離時間が長い程良好である。 ○:剥離時間 900秒以上 △:剥離時間 700〜900秒 ×:剥離時間 700秒以下 又、外観評価は偏光板15cm×20cm当たりの水泡
状異物(径 0.5mm以上)の数で評価を行った。 ○:0〜1ケ △:1〜3ケ ×:3ケ以上 評価結果は、表1に示した。
【0038】実施例2 PVA系樹脂(C)としてケン化度98モル%、平均重
合度2500のPVAを用いた以外は実施例1と同様に
偏光板を作製し、評価を行った。 実施例3 水をスプレーすることにより加湿処理を行い、PVA系
樹脂(C)層表面の水に対する接触角を30度以下に調
整した以外は実施例1に準じて偏光板の調整及び評価を
行った。
【0039】実施例4 加湿処理時に使用する水に代えてケン化度98、平均重
合度1700のPVA5重量%水溶液を用いて、PVA
系樹脂(C)層表面の水に対する接触角を30度以下に
調整を行った以外は実施例1に準じて偏光板の調整及び
評価を行った。 実施例5 PVA系樹脂(C)としてケン化度89モル%、平均重
合度1100のPVAを用いた以外は実施例1に準じて
偏光板の調整及び評価を行った。 実施例6 PVA系樹脂(C)としてケン化度95モル%、平均重
合度480のPVAを用いた以外は実施例1に準じて偏
光板の調整及び評価を行った。
【0040】比較例1 PVA系樹脂(C)層表面の加湿処理を省略し該表面の
水に対する接触角が70度のまま接着した以外は実施例
1に準じて偏光板の調整及び評価を行った。 比較例2 PVA系樹脂(C)層を予め積層することなく、接着剤
としてケン化度98モル%、平均重合度1700のPV
A5重量%水溶液を三酢酸セルロース保護膜(B)と偏
光膜(A)を貼り合わせる時に用いた以外は実施例1に
準じて偏光板の調整及び評価を行った。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明の偏光板の製造法よれば、接着剤
層の厚み分布が均一で、外観特性に優れ湿熱下に長時間
放置しても良好な接着性を保持した偏光板が得られ、車
両用途、各種工業計器類の表示等の過酷な条件で使用さ
れた場合でも、大変有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系偏光膜(A)の
    少なくとも一方の面に酢酸セルロース系保護膜(B)を
    接着してなる偏光板を製造するに当たり、酢酸セルロー
    ス系保護膜(B)の接着面にポリビニルアルコール系樹
    脂(C)を予め積層しておき、接着時に加湿によりポリ
    ビニルアルコール系樹脂(C)表面の水に対する接触角
    を40度以下に調整した後、ポリビニルアルコール系偏
    光膜(A)と接着させることを特徴とする偏光板の製造
    法。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系樹脂(C)が、
    ケン化度90モル%以上、平均重合度500以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光板の製造法。
  3. 【請求項3】 酢酸セルロース系保護膜(B)として表
    面がケン化処理された親水化処理酢酸セルロース系保護
    膜を使用することを特徴とする請求項1又は2記載の偏
    光板の製造法。
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