JPH07305517A - 打放し調仕上げ方法 - Google Patents

打放し調仕上げ方法

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JPH07305517A
JPH07305517A JP12461094A JP12461094A JPH07305517A JP H07305517 A JPH07305517 A JP H07305517A JP 12461094 A JP12461094 A JP 12461094A JP 12461094 A JP12461094 A JP 12461094A JP H07305517 A JPH07305517 A JP H07305517A
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泉 高田
Hiroyuki Kurahashi
宏幸 倉橋
Hidehito Ariga
秀仁 有賀
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Kikusui Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメント系基材に、コンクリートの打放し調
を保持しながら、耐候性の良い仕上げ面を得る。 【構成】 セメント系基材の補修については、欠陥部分
に対して、硬化後に非欠陥部分と同じ色になるセメント
ノロ,セメントモルタル,ポリマーセメントモルタルを
充填あるいは塗布し、硬化後補修部分を中心に非補修部
分に拡がるようにグラデーションを示す色付けを点付け
により行う。耐候性の付与は、浸透型防水剤を補修前に
全面塗布し、浸透型防水剤を含め全面の濡れ肌防止処理
を行った後、上塗りの保護塗料を塗布する。 【効果】 欠陥部分のない打放し面が長期の耐候性を有
するものが得られ、降雨時のムラの発生もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリートの打放
し調仕上げを得るための方法に関する発明である。従っ
て、その利用は土木・建築業界、特にその仕上げ業界で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物あるいは構築物が鉄筋コン
クリート構造である時、その表面をコンクリートの打放
し面のまま仕上げ面とすることがあった。コンクリート
を打設した後のコンクリート表面には、ピンホール,巣
穴,ジャンカ,豆板と称する欠損部分、あるいはコール
ドジョイントと呼ばれる打継ぎによる不連続面が発生し
て、これらの欠陥部分を補修する必要があった。
【0003】打放し面の欠陥を補修し、長期間保存する
ための方法として、特公平5−52393号公報には
「打放しコンクリートの補修部分の変色防止方法」につ
いての発明がある。従来における技術では、接着剤を含
むモルタルに躯体表面と同色の顔料を混ぜて躯体表面に
色合わせした補修モルタルを欠損部分に穴埋めして、モ
ルタルが乾燥後、コンクリート用防水剤を塗布するもの
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明では、欠陥部
分の補修方法について、より持続性のある、かつきめ細
かい仕上げ方法を提供しようとするものである。
【0005】従来における発明では、接着剤を含むモル
タルかつ顔料により着色されたモルタルにより、欠陥部
の補修および欠陥部以外の部分との色調上の一体化を行
おうとしていた。しかし、同色の顔料を混ぜても、得ら
れる補修用モルタルは単一色であり、こまかな色の変化
のあるコンクリート表面に単一色の材料を塗布すること
は、部分的に均一色部分をつくることになり不適当であ
った。また、色合わせ補修後、経年変化によりコンクリ
ートが白くなるのに対して、初期に色合わせ補修した部
分は黒く補修跡が目立つ様になる。そして、従来におけ
る発明ではコンクリート用防水剤を欠陥補修のあと塗布
しているが、補修に用いたモルタルが接着剤即ち樹脂入
りであり、補修部分には浸透せず、後日、補修部分にヒ
ビ割れが生じた時には、ヒビ割れ部分だけが雨の日の濡
れ色を呈することになった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明では、主として
色の問題および耐久性を課題とするものである。一方の
課題である色の問題については、ピンホール,巣穴,ジ
ャンカ,豆板,コールドジョイント等の欠陥部分に対し
て、当該現場のコンクリート色に近似させた色を有する
セメントノロ,セメントモルタルあるいはポリマーセメ
ントモルタルを充填ないし塗布し、更にこの補修モルタ
ルの色と非補修部分となる補修モルタルの周囲部分の色
がグラデーションを示す色調となる色付けを数色の塗料
により行うようにしている。もう一方の耐久性の問題に
ついては、浸透型防水剤を全面に対して先に塗布,含浸
させた後、補修モルタルを欠陥部分に塗布あるいは充填
するようにし、かつ、コンクリート表面の色付け後に、
保護塗料を塗布するようにしている。この時、通常の浸
透型防水剤では、直接上から保護塗料を塗布すると、ポ
リマーセメントモルタル等により、補修した部分が濡れ
色となるので、浸透型防水剤に濡れ肌防止効果を持たせ
るようにしたり、補修モルタルを使用する前あるいは保
護塗料の塗布前にシーラーを挟むようにした。
【0007】以下、この発明に利用される材料あるいは
方法等について、個別に説明する。
【0008】この発明に言うセメント系基材とは、コン
クリートは勿論のこと、コンクリート二次製品のことも
言う。
【0009】浸透型防水剤には、シリコーン・けい素化
合物または樹脂を主成分とするもの(他の表現として加
水分解性シリル基を有する重合体,オルガノアルコキシ
シランまたはオルガノアセトキシシラン)が用いられ、
例えば、メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキ
シシラン,メチルトリイソブトキシシラン,メチルトリ
ブトキシシラン,メチルsec−トリオクチルオキシシ
ラン,メチルトリフェノキシシラン,フェニルトリメト
キシシラン,フェニルトリエトキシシラン,メチルトリ
(アクリロイルオキシエトキシ)シラン,メチルトリ
(グリシジルオキシ)シラン,オクチルトリエトキシシ
ラン,ラウリルトリエトキシシラン,ステアリルトリメ
トキシシラン,ステアリルトリエトキシシラン等、ある
いはこれらの縮合物が挙げられる。更に、これらのシリ
コーン・けい素化合物または樹脂をエマルション化した
組成物も利用される。
【0010】また、これらを成分とする市販品、吸水防
止剤,アロンウォーターシャット(東亜合成化学工業
(株)),エクセラ(関西ペイント(株)),アクアシ
ール(住友精化(株)),ディックガード(東亜貿易
(株)),水性のアクアプルーフ(東亜合成化学工業
(株)),タイトシラン(東洋インキ製造(株))等も
使用できる。
【0011】また、浸透型防水剤に濡れ肌防止効果を持
つようにするには、前記成分に加えて、合成樹脂成分を
合わせて使用する。この時、二つの成分が溶解していた
時、それぞれの効果、白華防止および中性化防止と濡れ
肌防止の効果がより良く発揮できる。浸透型防水剤で
は、溶剤に極性溶媒が用いられることが多くあり、合成
樹脂成分も、非水エマルションとなった樹脂分散液ある
いはターペン可溶樹脂が利用し易い。
【0012】前記の合成樹脂成分の樹脂組成の例には、
アクリル酸エステル,メタアクリル酸エステル,エチレ
ン,プロピレン,酢酸ビニル,バーサチック酸ビニル,
スチレン,塩化ビニル,塩化ビニリデン等が単独、もし
くは2種類以上の共重合体物またはブレンド物として挙
げられる。
【0013】欠陥部分に塗布ないし充填されるセメント
ノロ,セメントモルタルあるいはポリマーセメントモル
タルから選択される補修材料は、セメント,細骨材,水
分散型ポリマー成分,顔料,水を主成分とする混練物で
ある。このポリマーセメントモルタルのセメント対ポリ
マー成分の比P/Cは0.1〜25%において使用さ
れ、またセメント対細骨材の比S/Cは0〜300%に
おいて使用される。セメント成分には、ポルトランドセ
メント,高炉セメント,アルミナセメント,ジェットセ
メントまたは白色セメントから任意に選択されるものが
ある。水硬成分には他に石膏をセメント100重量部当
たり20重量部以内の範囲で添加することもできる。細
骨材には珪砂,山砂,川砂,海砂,寒水砂あるいはその
他の無機質骨材,フライアッシュ,高炉スラグ,シラス
バルーン等の軽量骨材を含むものが使用される。
【0014】水分散型ポリマー成分には、アクリル系あ
るいはエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂エマルショ
ン,ゴムラテックスが使用される。エマルションに共重
合される樹脂組成の例としては、エチレン,スチレン,
アクリル酸メチルエステル,メタアクリル酸エステル,
酢酸ビニル等があり、ゴムラテックスの例では、スチレ
ンブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR),天然ゴム,クロロプレンゴム
(CR),メチルメタクリレート−ブタジエンゴム(M
BR)等がある。
【0015】その他の成分として添加される顔料成分に
は、補修材料を適用するコンクリート表面色に合わせる
ために用いられ、耐候性の良い酸化チタン(白色),カ
ーボン黒(黒色),酸化鉄(黒色),ベンガラ(赤
色),黄土(黄色),黄色酸化鉄(黄色),酸化鉄(褐
色),群青(青色)が例として挙げられる。また、淡色
とするために、体質顔料と呼ばれる炭酸カルシウム,ク
レー,カオリン,タルク,陶土,けい藻土,シリカ白,
ベントナイト,ホワイトカーボン等を添加することがで
きる。
【0016】このポリマーセメントモルタルの固形分に
おける配合割合は、セメント成分100重量部に対し
て、細骨材0〜300重量部、ポリマー成分0.1〜2
5重量部、顔料0〜4重量部を骨格とする。この時、セ
メント成分には灰色を呈するセメント,例えばポルトラ
ンドセメントと白色を呈するセメント,例えば白色セメ
ントの混合物も含まれる。他に、これら成分100重量
部に対して一般的なセメントモルタルに添加される有機
繊維,無機繊維,カーボン繊維等の繊維、メチルセルロ
ーズ,ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、クエン
酸ソーダ,塩化カルシウム等の凝結調整剤、アルキルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ,ポリオキシエチレンノニルフ
ェノールエーテル等の界面活性剤を20重量部以内にて
配合される。
【0017】色付けを行う塗料(以下、描画塗料とも言
う。)は、セメント系基材の持つ色、質感を表現するた
めにポリマーセメントモルタルの塗料が広く用いられ
る。しかし、ポリマーセメントモルタル以外であって
も、通常の合成樹脂塗料あるいは合成樹脂エマルション
塗料を用いても、艶が無く、セメント系基材の色に合わ
せてあれば利用することができる。ポリマーセメントモ
ルタルを用いる時の補修材料との違いは、材料粘度が補
修材料はコテ塗作業が可能なフロ値200±30mmで
あるのに対して、色付けを行う塗料はフロ値では測定不
可であり、簡易粘度計による粘度が200〜1000c
psである。
【0018】ポリマーセメントモルタルの場合の主たる
成分としては、先の補修材料の成分と同じものが利用さ
れ、ポルトランドセメント,ホワイトセメント,ポリマ
ー成分,粘性調整剤(メチルセルロース,ポリビニルア
ルコール等),体質顔料(炭酸カルシウム,クレー,タ
ルク,ベントナイト等),細骨材(珪砂,珪石粉,フラ
イアッシュ等)がある。また、細骨材の粒径は補修材料
に用いたものより一般に細かいものが利用され、描画塗
料を塗装した時に、非塗装部分と段差が生じないように
している。
【0019】描画塗料は、これら樹脂成分以外にポリマ
ーセメントモルタルに用いた顔料成分、あるいは一般的
な塗料原料を配合して製造される。この塗料は、補修部
分であるポリマーセメントの色とそれ以外の部分である
セメント系基材の表面色がグラデーションを示すように
配合される。これを数値化すると、補修用ポリマーセメ
ントの色とセメント系基材の色を(X,Y,Z),
(Y,x,y),
【数1】 等によりそれぞれ表した時に、描画塗料は二つの値の三
分ないし四分値等をとることになる。但し、セメント系
基材の色は部分部分によって多少異なるものとなるの
で、色調の傾向としてのx,y値、
【数2】 値が順に並んでいればあまり不自然さはない。
【0020】そして、補修成分を中心に2色あるいは3
色の塗料を使用して、補修部分が違和感なくセメント系
基材中に存在するよう色付けされる。この時、測ったよ
うに同心円を描くようにグラデーションを示す色付けを
行うのでなく、補修部分からの距離を違えてグラデーシ
ョンを示す色付けを行った方が、自然のセメント系基材
色に似たものとなる。
【0021】色付け、即ち塗料は、たんぽあるいは一般
的には塗装具としては用いられない軍手,タオル等の布
地に塗料を含ませて、径数mmの点をいくつも落とすよ
うにして行われる。この時、黒っぽい色を先に塗り、後
で白っぽい色を塗ることが大切である。これは、セメン
ト系基材表面の含水率あるいはPHの低い部分が白っぽ
い色を呈し、斑点状に存在することを似せたものとして
いる。先に記したグラデーションは、補修部分では、黒
っぽい部分の面積を大きく、白っぽい部分の面積を小さ
くし、補修部分から離れた部分では逆に黒っぽい部分が
少なくし、白っぽい塗料の点付けを多くすることにな
る。
【0022】もう一点、この描画塗料は色付けを行う
際、完全な隠蔽を与えると平板で単純な色彩感しか得ら
れないので、隠蔽率の低いものあるいは隠蔽率を低くす
るために希釈して利用される。隠蔽率により示すと、塗
膜厚75μmで10〜30%にあるものを使用すると良
い。この隠蔽率が10%未満であると着色が小さく利用
できず、30%より大きいと描画塗料の色だけが表面に
残ることになる。
【0023】保護塗料は、仕上げの系全体の耐久性を向
上させるもので、一般には透明あるいはほぼ透明な塗料
が利用される。保護塗料の樹脂組成からみた種別では、
アクリル樹脂,ウレタン樹脂,シリコンアクリル樹脂,
フッ素樹脂等を主成分とするものが利用される。着色の
場合は、前述のポリマーセメントモルタルの着色に使用
した顔料あるいはパール顔料,メタリック顔料を樹脂成
分固形分に対して10重量部以内の割合により添加され
る。また、この保護塗料中に紫外線吸収剤が添加される
と耐候性はより向上する。紫外線吸収剤の例としては、
ヒンダートアミン系,ベンゾフェノン系,ベンゾトリア
ゾール系等のものがある。
【0024】
【作用】この発明の仕上げ方法における浸透型防水剤
は、浸透が期待できる状態において塗布されるので、そ
の防水効果は、後日躯体にヒビ割れが発生した時におい
ても、機能することになり、当該ヒビ割れ部分に水が廻
っても濡れ肌色になることがない。ポリマーセメントモ
ルタルと描画塗料は、セメント基材表面の欠陥部分を補
修し、補修を要しない他のセメント基材表面との外観的
非自然さを解消することになる。そして、保護塗料はセ
メント系基材およびポリマーセメントモルタル,描画塗
料を外部からの劣化要素である水,太陽光,酸,アルカ
リ,酸性雨等より保護する機能を有する。
【0025】
【実施例】セメント系基材としての下地を、鉄筋を配し
たコンクリート壁(H=0.9m,W=1.8m)を用
意した。3週間の養生後、表面の埃,土等を清掃後、シ
ラン系防水剤,商品名シランコートS,菊水化学工業
(株)製に対してターペン可溶型アクリル樹脂を外比3
割重量比にて添加したものをm当たり0.4lの所要
量によりローラー塗装した。次に、巣穴部分に黒顔料を
添加したポリマーセメントモルタルを充填した。ポリマ
ーセメントモルタルの配合は、セメント100重量部に
対して珪砂#100、100重量部,エチレン−酢酸ビ
ニル樹脂エマルション(固形分50%)を10重量部,
カーボン黒0.3重量部,メチルセルロース0.2重量
部,水を適当量とした。ポリマーセメントモルタルを塗
り込め、24時間養生後、描画塗料を2色用い、モルタ
ルの充填部分を含めその周りに色付けを行った。この描
画塗料の組成は、下記の通りである。
【0026】 組成1 ホワイトセメント 53.5重量部 ポルトランドセメント 23.5重量部 ベントナイト 7.4重量部 炭酸カルシウム 14.7重量部 メチルセルロース 0.1重量部 ポリビニルアルコール 0.3重量部 黄色酸化鉄 0.5重量部 計 100.0重量部 と 合成樹脂エマルション(固形分27%) 12.0重量部
【0027】 組成2 ホワイトセメント 7.7重量部 ポルトランドセメント 68.1重量部 ベントナイト 7.6重量部 炭酸カルシウム 15.3重量部 メチルセルロース 0.2重量部 ポリビニルアルコール 0.4重量部 黒色酸化鉄 0.3重量部 黄色酸化鉄 0.4重量部 計 100.0重量部 と 合成樹脂エマルション(固形分27%) 12.0重量部
【0028】描画塗料による色付けは、黒色の強い組成
2のものを先に軍手を使用して塗り、次に組成1のもの
をたんぽにより基材表面を叩くようにして、これら塗料
が径2〜5mmの斑点の集合として存在するように、そ
して全体ではポリマーセメントモルタルにより補修した
部分が白っぽい点が多く、その周囲の補修部分からの距
離が広がるにつれて黒っぽい点を多くして色付けを行っ
た。
【0029】保護塗料には、アクリルシリコン樹脂塗料
である商品名セラミカルコート,菊水化学工業(株)製
のクリアー塗料を250g/mの所要量によりスプレ
ー塗装した。
【0030】仕上がりの外観において、セメント基材が
欠損部がない状態で、補修部分が違和感なく存在する艶
有のコンクリートの打放し面となった。
【0031】比較例1では、舗装用コンクリート普通平
板,30×30×6cmを下地とし、下塗りに水濡れ肌
防止効果が完全でない浸透性防水剤、ここでは前記シラ
ンコートSだけを0.4l/mの所要量により使用
し、他は前記実施例1と同じにして施工した。ポリマー
セメントモルタルによる補修は、下地が小さいこともあ
り、部分的な補修に留めた。この時、仕上がり面は保護
塗料を塗装した時、描画塗料が塗られていない部分が濡
れ色となり、ムラのある仕上がり面となってしまった。
【0032】比較例2では、比較例1と同じ平板を下地
とし、下塗りにシリコン樹脂系の撥水防水剤を400g
/mの所要量により使用し、他は前記実施例1と同じ
にして施工した。この時、仕上がり面は外観上実施例1
と同じものが得られた。
【0033】比較例3では、比較例1と同じ平板を下地
とし、下塗りを省いて、他は前記実施例1と同じにして
施工した。この時、仕上がり面は比較例1の時と同じよ
うに描画塗料が塗られていない部分が濡れ色となり、ム
ラのある仕上がり面となってしまった。
【0034】比較例4では、比較例1と同じ平板を下地
とし、最初にポリマーセメントモルタルにより部分補修
を行い、描画塗料により色付けをした後、シラン系の浸
透型防水剤を塗布した。仕上がり面は艶のないコンクリ
ートの打放し面と同じものが得られたが、降雨時には部
分的に濡れ色が生じるものとなった。
【0035】実施例2では、比較例1の方法により浸透
性防水剤を塗布した後、アクリル樹脂(固形分30%)
によるシーラーを全面塗布し、その後は実施例2の方法
により、補修,色付け,保護塗料の塗装を行った。この
方法によっても、実施例1の外観と同じものが得られ
た。
【0036】実施例3では、比較例1の仕様により下塗
り,補修,色付けまで行った後、保護塗料の塗装前にア
クリル樹脂エマルションを吸い込み止めのシーラーとし
て300g/m程塗布し、保護塗料を塗装した。この
方法によっても、実施例1と外観上同じものが得られ
た。
【0037】比較試験 実施例および比較例における外観あるいは雨に濡れた時
の外観以外について、下記に記す試験を行った。実施例
1についても、他の例と同じように舗装用コンクリート
普通平板を下地とするものを作成し試験体とした。
【0038】白華防止試験 舗装用コンクリート普通平板30×30×6cmを下地
とし、この基板表面へ実施例および比較例の方法による
塗装を行った後、JIS A6910温冷繰り返し試験
に準拠し、水中に塗装面の基板半分を水没させて凍結融
解のサイクルに10回供し、結果を目視により観察し
た。評価記号○は、白華が認められない。△は部分的に
白華が認められ、×は水との界面に帯状の白華が認めら
れた。
【0039】中性化防止試験 100×100×100mmのモルタルを作製し、試験
用基板とし、基板表面の試験時における上面,下面の2
面を除いた4面に実施例および比較例の方法により塗装
し、中性化促進試験機(30℃,60%RH,CO
度5%)に入れ、28日後の中性化深さを測定した。測
定結果をmmにより表した。
【0040】付着性試験 付着性試験では、保護塗料がその下に塗布されている浸
透型防水剤あるいは描画塗料,シーラーとうまく付着し
ているかどうかをセロハンテープを使用した碁盤目試験
により行った。枡目の大きさは2mmとし5×5とし
た。評価はJISK5400にある10点満点の評価点
数により表した。
【0041】耐候性試験 耐候性試験では、紫外線ランプの照射を2000時間行
った時、防水性が残っているかどうかを評価した。防水
性は、JIS A6910にある透水試験により、ポリ
マーセメントモルタルによる補修部分あるいは描画塗料
による色付け部分をなるべく避けて測定した。
【0042】上記した試験による結果および前記した仕
上がりの外観,降雨時の外観についてまとめたものを下
記表1に記す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】この発明の仕上げ方法を用いた時、補修
部分が非補修部分と違和感なく仕上がり、かつその外観
は降雨によって変化することもない。また、セメント系
基材が白華防止機能あるいは中性化防止機能を持つこと
により、セメント系基材の耐久性を長期に亘って維持す
ることが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント系基材の欠陥部分である欠損部
    分あるいは打継ぎ部分に対して、基材の非欠陥部分と硬
    化後に同じ色になるよう配合したセメントノロ,セメン
    トモルタルあるいはポリマーセメントモルタルを充填な
    いし塗布した後、補修に用いた材料が硬化後、補修部分
    を中心に非補修部分へ拡がるようにグラデーションを示
    す色付けを点付けにより行うことを特徴とする打放し調
    仕上げのための補修方法。
  2. 【請求項2】 セメント系基材に対して下塗りとして濡
    れ肌防止効果を持つ浸透型防水剤を全面塗布し、基材の
    欠陥部分には基材の非欠陥部分の表面色と硬化後に同じ
    色になるよう配合したセメントノロ,セメントモルタル
    あるいはポリマーセメントモルタルを充填ないし塗布
    し、補修に用いた材料が硬化後、補修部分を中心に非補
    修部分へグラデーションを示す色付けを点付けにより行
    い、更に全面を上塗りである保護塗料により塗布するこ
    とを特徴とする打放し調仕上げ方法。
  3. 【請求項3】 セメント系基材に対して下塗りとして浸
    透型防水剤を全面塗布し、続いて濡れ肌防止効果のある
    シーラーを全面塗布した後、基材の欠陥部分には基材の
    非欠陥部分の表面色と硬化後に同じ色になるよう配合し
    たセメントノロ,セメントモルタルあるいはポリマーセ
    メントモルタルを充填ないし塗布し、補修に用いた材料
    が硬化後、補修部分を中心に非補修部分へグラデーショ
    ンを示す色付けを点付けにより行い、更に全面を上塗り
    である保護塗料により塗布することを特徴とする打放し
    調仕上げ方法。
  4. 【請求項4】 セメント系基材に対して下塗りとして浸
    透型防水剤を全面塗布し、基材の欠陥部分には、基材の
    非欠陥部分の表面色と硬化後に同じ色になるよう配合し
    たセメントノロ,セメントモルタルあるいはポリマーセ
    メントモルタルを充填ないし塗布し、補修に用いた材料
    が硬化後、補修部分を中心に非補修部分へグラデーショ
    ンを示す色付けを点付けにより行い、シーラーを全面塗
    布し、次いで上塗りである保護塗料を全面塗布すること
    を特徴とする打放し調仕上げ方法。
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