JPH0730499B2 - 弾性に富む不織シ−ト - Google Patents

弾性に富む不織シ−ト

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JPH0730499B2
JPH0730499B2 JP60203420A JP20342085A JPH0730499B2 JP H0730499 B2 JPH0730499 B2 JP H0730499B2 JP 60203420 A JP60203420 A JP 60203420A JP 20342085 A JP20342085 A JP 20342085A JP H0730499 B2 JPH0730499 B2 JP H0730499B2
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岩崎  博文
昭 二木
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、繊維形成を有する熱可塑性高分子から成る長
繊維不織シートに関する。より詳しくは、緻密な繊維密
度を有し、弾性に富み、外力に対して、伸びの異方性が
改善された不織シートに関する。
〔従来の技術〕
一般に、スパンボンドのような長繊維不織シートにおい
て、三次元交絡させるのに、ニードルパンチ加工するこ
とが知られているが長繊維ウエブの場合は、短繊維と異
なって、種々の問題を有する。例えば、長繊維のために
局所的な動きが拘束されて上、下、且つランダムに交絡
しにくい。繊維密度(単位面積当りの繊維量)を上げ
て、交絡を強化するために、ニードルパンチ回数を増加
すると、繊維が切断されて強力が低下するという問題が
発生する。短繊維のウエブ形成の場合、各方向に繊維を
ランダム配列形成することが容易であるのに対して、ス
パンボンド法のような長繊維ウエブの場合は、製法上こ
れが比較的困難である。従ってスパンボンド法による不
織シートは、強力ならびに伸度が方向によって大きな差
を有するのが通常である。一般にタテ方向(機械流れ方
向)の強力が、ヨコ方向より大であり、その繊維配列の
異方性に起因するタテ/ヨコの破断強力比は通常2〜3
である。一方破断伸度は強力の弱いヨコ方向が高い値を
示す傾向にある。かかる現状の不織シートにニードルパ
ンチ加工を行なっても、交絡度が充分あがらず、交絡を
強化するためにパンチ回数を増加すると前記繊維破断に
よる強力低下が発生する。特にヨコ方向の繊維の破断が
大きくなり異方性の一層拡大したものとなる。又、局部
的に大きな空隙を有し不織シート構造として粗な構造の
ものとなり弾性に劣ったものとなる。
不織シートでは、一般にタテ,ヨコ方向共に伸び易いも
の、逆にタテ,ヨコ方向共に伸びにくいもののいずれか
が種々の用途に対応出来て好ましい。一方タテ,ヨコ方
向のどちらかが伸びて、他方が伸びにくいものは特定用
途を除いて好ましくない。最近、緻密な構造で、且つ、
弾性に富んだもので、タテ,ヨコ方向のどちらも同様に
伸び易い不織シートが熱望されている。然も使用時にお
ける比較的外力が小なる場合は、タテ,ヨコ方向共に同
程度に伸びにくく(モジュラスが大)、成形加工等の熱
下においてタテ,ヨコ方向共に同程度に伸び易いものが
望まれている。従来の長繊維不織シートでかかる物性を
持たせることは上述のごとき理由から極めて困難であっ
た。
一方、従来、長繊維不織シートをニードルパンチ加工に
より、その構成繊維の一部を切断、短繊維化して、自由
度を高め、成型性を賦与することが提案(特開昭51−40
475号公報)されているが、成型品の寸法安定性、強度
など短繊維不織シートと同様な問題点がある。それか
ら、特公昭45−28917号公報に示されているように、不
織ウエブの構成繊維の単繊維伸度を大きくすることによ
って、変形応力を構成繊維が伸びることにより吸収し、
均一に成型加工できることが知られている。しかし、単
繊維の伸度が大きいことは機械的特性も悪く、経時変化
を起こし、耐候性も悪くなり、脆化するなどの問題が予
想される。
本発明者等は、長繊維不織シートの特徴を活用し、上記
問題点を解決しようとして鋭意研究した結果、繊維形成
性を有する熱可塑性高分子から成る長繊維で、且つ、潜
在収縮率が15%以上の繊維を三次元交絡してから、面状
で熱収縮させることで、上記問題を解決して、本発明の
目的を達成出来ることを見出し、本発明に到達した。
〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は緻密な繊維密度を有し、弾性に富み、外力に対
して伸びの異方性が改善された、長繊維不織シートを提
供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は繊維形成性を有する熱可塑性ポリマーか
ら成る未延伸糸長繊維不織シートであって、不織シート
を構成する単繊維が実質的に不織シート中で、湾曲した
状態で三次元交絡して、湾曲した単繊維の含有率が20%
以上、該不織シートの平均見掛け密度が0.20〜0.50g/cm
3の範囲で、150℃に於ける収縮率が5%以下、150℃に
於ける20%引張モジュラスが20kg/cm2以下、該不織シー
トの破断伸度の大なる方向をD1とし、それと直角の方向
をD2とし、該D1又はD2の方向での同一伸度でのそれぞれ
の応力をδD1D2として応力比δD1D2を不織シート
のその伸度に於ける異方性とした場合に、該異方性が10
%伸長で0.8〜1.9、20%伸長で0.8〜2.0、30%伸長で0.
8〜2.2であることを特徴とする長繊維不織シートによっ
て達成される。
本発明における不織シートは繊維形成性を有する熱可塑
性ポリマーからなる繊維が製造される際に用いられるポ
リマーとしては、潜在収縮率15%以上のポリエステル系
ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフ
ィン等の共重合ポリマーを適用することが出来る。更
に、二次転移温度が(以下Tgで表わす)室温以上で実質
的に非晶状態の未延伸糸から成る繊維であり、加熱処理
により結晶化する結晶性ポリマーであることが好まし
い。
上記ポリエステル系ポリマーとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、及びイ
ソフタル酸、メチルテレフタル酸、スルホイソフタル
酸、セバチン酸等の2塩基酸、又はオキシ酸、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ポリエチレングリコールなどの2価アルコール
を共重合成分とした共重合ポリエステルを使用すること
が出来る。但し、耐熱性、物性等からポリエチレンテレ
フタレートが本発明の目的に特に好ましい。又、前記ポ
リエステルに少量の(20重量%以下)ポリアミド、ポリ
オレフィン、ポリカーボネートなどの異種ポリマーを添
加混合することも可能であり、通常使用される添加剤、
例えば艶消し剤、制電剤、難燃剤、顔料等が含まれてい
ても良い。
不織シートの構造は、単繊維がループ状に湾曲した形状
で三次元に緻密に交絡して固定されている。後に定義す
る湾曲した単繊維の含有率が20%以上であることが本発
明の不織シートの重要な構造上の特徴であり、緻密な繊
維密度、高い弾性率、等方的な性質につながっている。
本発明の不織シートは、長繊維ウエブをニードルパンチ
加工した後、熱収縮によって、繊維の交絡度を増大させ
て得たものである。熱収縮前の繊維の交絡度の態様は、
紡出してウエブを形成させる時に既に得られている繊維
の二次元的な分散状態を更にニードルパンチ加工で、上
下左右の交絡を強化したものであるが、それだけでは充
分な繊維密度を有する構造を与えることができない。本
発明の不織シートは、ニードルパンチ加工後の熱処理に
より本発明の不織シートを熱収縮によって構造内の空隙
を消失又は減少させて得たものであり、したがって繊維
密度が向上して緻密な構造の不織シートとなっている。
本発明の不織シートの重要な特徴として伸びの異方性が
改善されていることがあげられる。本願では不織シート
の異方性を不織シートの破断伸度の大なる方向をD1
し、それと直角の方向をD2とし、D1又はD2の方向での同
一伸度でのそれぞれの応力をδD1D2とした場合の応
力比δD1D2で表わすものとする。本発明の不織シー
トの異方性は10%伸長で0.8〜1.9、20%伸長で0.8〜2.
0、30%伸長で0.8〜2.2である。このように本発明の不
織シートで伸びの異方性が改善されるのは、不織シート
の構成繊維として低配向性、低結晶性、低軟化性、高収
縮性、高伸長性等の特性を有する長繊維の未延伸糸を用
い、この未延伸糸から成るウエブにニードルパンチ加工
と熱収縮処理を施すことによって達成される。すなわち
ウエブを構成する未延伸の単繊維はニードルパンチ加工
時の針の押込み作用によって引伸ばされ易いために切断
がほとんど生ずること無く大きく湾曲されると共に、単
繊維自体に引伸ばしによる歪が与えられる。この歪は次
工程の熱収縮処理に際して緩和して単繊維に湾曲を発生
させる。したがってニードルパンチ加工によって二次元
的に分散した上で上下左右に交絡が与えられ且つ湾曲し
た繊維を含む不織シート構成繊維の熱収縮と前記歪の緩
和によって生ずる新たな単繊維の湾曲との相乗効果によ
って、緻密な構造を有し、且つ伸びに対して改善された
異方性を有する不織シートが得られることになる。
このように異方性が改善された不織シートであれば成型
加工等の用途に用いる時に、外力に対して、タテ、ヨコ
方向共に伸びる等方性が得られる。もし異方性を残した
不織シートであれば特定方向で伸び易くなり、使用用途
が限定されることになる。
したがって、本発明の不織シートの構成繊維として熱収
縮性を有することが必須の要件であり、その観点で本願
では長繊維の未延伸糸を用いており、潜在収縮率として
は15%以上を有することが緻密な構造と異方性の改善を
達成するのに必要となる。
以下の発明の詳細な説明については、ポリエチレンテレ
フタレートを中心に具体的に説明する。通常、公知なス
パンボンド法のプロセスを用いて、エア・サッカーによ
り高速延伸をし、本発明に必要なウエブを取り出す。こ
のウエブ中の繊維は適宜延伸程度を変えて製造した。
このウエブにニードルパンチ加工を行なう。ニードルパ
ンチ加工を行う際にウエブの乱れを防ぐために、表面に
凸部を設けたエンボスロールによって二次転移点以上、
二次転移点+30℃以下の温度で熱圧着すると良い。ただ
し、この熱圧着は省略しても良い。ニードルパンチ加工
の効果は、針番手、針深さ、針のバーブ数、形状などの
影響を受けるが最も影響するのは突き回数である。本発
明におけるニードルパンチ条件は通常の針(例えばオル
ガン(株)社製フェルト針FPD−1、40)で針深さ10m
m以上、突き回数50回/cm2以上、好ましくは100回/cm2
上、500回/cm2以下である。50回/cm2以下では、交絡が
不十分なために機械的特性が低くなる。又、500回/cm2
以上になると、連続長繊維が多く切断されて同様に機械
的特性が低くなり、本発明の条件を満足するものでなか
った。
次いで、このニードルパンチ加工された不織シートを熱
収縮させる。この場合温度は、二次転移点+30℃以上、
融点−60℃以下の温度範囲において、熱処理を行なう。
この熱処理条件は、面状で均一に熱収縮させることで、
少なくとも5%以上、好ましくは10%から50%、タテ及
びヨコ方向に収縮させることである。例えば、熱処理は
テンター又はシリンダー、染色機等で行なう。更に必要
に応じて、例えばフェルトカレンダー等により表面の平
坦化加工を行なう。又、150℃以上の温度で熱エンボス
加工を行って表面に模様付けを行ってもよい。
本発明に於ける構成繊維は、繊維形成性を有する熱可塑
性ポリマーからなる繊維、特に二次転移点が室温以上で
実質的に非晶質の未延伸糸から成る繊維である。尚ポリ
エステル繊維に於いては、Δnが0.02〜0.07であり、潜
在収縮率が15%以上である特性を用いて熱成型性、耐熱
性、強度等物性バランスに優れた本発明に於ける不織シ
ートが得られる。この条件を満たすことが重要である。
Δnが0.02以下の場合、上記熱処理によって硬直化して
脆くなり、強度低下して、実用に耐えない。一方、Δn
が0.07以上の場合は、上記熱処理を行なっても熱収縮が
15%以下となり、緻密な繊維密度が得られない。
次に、本発明不織シートを添付図面を参照して具体的に
説明する。第1図は、本発明による不織シートの表面顕
微鏡写真である。不織シート中の各単繊維が上記熱処理
により、単繊維1本1本が相互にかかわり合って、収縮
力が働く結果、第1図に示すように、不織シートを構成
する単繊維のほとんどが色々な形に変形して湾曲した状
態になって交絡している。第2図は、第1図に示した不
織シートの熱処理前の不織シートの表面顕微鏡写真であ
る。この場合では、不織シートを構成する単繊維のほと
んどは、まっすぐな直線状態を保ったまま交絡してお
り、一部ニードルパンチ加工による湾曲部分が散在する
程度である。この熱処理により単繊維の湾曲率が高くな
るほど繊維密度が増大し、交絡も一層強化され、機械的
特性も向上し、より弾性に富むフェルト様不織シートと
なる。
湾曲繊維含有率が20%以上がよい。本発明不織シートの
平均見掛け密度が0.20〜0.50g/cm3の範囲にある場合に
密な構造で、ニードルパンチ穴がほとんど目立たず、平
坦化され、毛羽立ちも起こらず、長繊維不織シートとし
ては従来にない、弾性に富む、フェルト様外観の不織シ
ートが得られる。
平均見掛け密度が0.20以下では、粗な構造となりニード
ルパンチ穴が目立ち、毛羽立ち、ピリング発生が多く起
こり、弾性に乏しく本発明の目的を達成できない。平均
見掛け密度が0.50g/cm3以上の場合は、構造繊維の移動
がかなり拘束され高密度構造となり、フェルト様外観と
はほど遠い、樹脂様、又はフィルム様な構造になり、本
発明の目的とする不織シートは得られない。上記熱処理
に於いて、収縮性のある繊維がそれ以上の高い温度で加
熱しても収縮しなくなる。又、その時、実質的に非晶性
の部分が残っている為に熱成型性がある。
本発明の不織シートは、150℃熱下に於いて、20%引張
モジュラスが20kg/cm2以下である。この特徴は、例えば
熱成型加工に重要な特性である。熱成型温度を150℃で
行なう場合、20%引張モジュラスが20kg/cm2以下である
為、容易に変形し、かなり深絞りの成型、複雑な形状の
成型が好ましく行なわれる。20%引張モジュラスが20kg
/cm2以上になると、上記成型加工する場合大きな変型応
力を必要とする。しかも、深絞り成型、複雑な形状の成
型加工がかなり困難となる。
尚、本発明に於いては、不織シートを構成する繊維の繊
度は、50デニール以下、好ましくは0.5〜30デニールで
ある。繊維は同一又は異繊度の繊維を混用しても良い。
又、不織布の目付は、50〜500g/cm2のものが好ましく用
いられるが限定するものではない。又、必要に応じて、
少量の加工剤、例えば接着剤、制電剤、難燃剤、離型剤
等を公知の方法で処理しても良い。
以上、かくして得たポリエステル系長繊維不織シート
は、熱処理を行なっても、硬直化及び熱劣化が生じにく
い。本発明の不織シートは、熱処理により収縮させたた
めに繊維密度の大なる構造となった。その結果、空隙の
大きさ、及びその量が小となり、弾性が向上した。且
つ、外力に対して、伸びの等方性の良いものが得られ
た。
本発明の不織シートは、上記のように構成されているの
で、フェルト分野、合皮用基布、レザー用基布、家具用
基布、インテリヤ用、資材用芯地、等に広く用いること
が出来る。
〔実施例〕
以下本発明を実施例をあげて具体的に説明する。尚、実
施例に記載した特定の定義及び測定方法を以下に示す。
・目付: 試料を20cm×20cmに取り、その重量から目付に換算して
表わす。
・平均見掛密度: 荷重100g/cm2のダイヤルゲージを用いて少なくとも10点
以上測り、その平均値で目付を除して求める。
・引張強伸度: 試料3cm×20cmを、タテ,ヨコ各々とり、定速伸長形引
張試験機(島津製作所オートグラフDSS−2000型万能引
張試験機)により把握長10cm、引張速度20m/分で測定し
た。
・20%引張モジュラス: 雰囲気温度を150℃熱下の恒温槽内で引張強伸度と同様
に測定し、その値を断面積当り換算する。
・熱収縮率: 試料25cm×25cmを取り、その20cmの位置にタテ,ヨコ各
々マーキングして、温度150℃で5分間熱風乾燥機中に
入れ寸法の変化から収縮率を求めて、その平均値で表わ
す。
・圧縮率及び圧縮弾性率: JIS−L−1096 試料5cm×5cm・3枚重ねて、初荷重50g/cm2のもとで厚
さ(T0)を測り、次に1000g/cm2のもとで1分間放置し
て厚さ(T1)を測り、次に荷重を除き1分間放置した
後、再び初荷重のもとで厚さ(T0′)を測り、次の式よ
り、圧縮率(%)及び圧縮弾性率(%)を算出する。
・湾曲繊維の含有率: 第3図に示すように適当な倍率例えば20倍拡大写真をと
り、囲まれた、任意の個所を設定し、その範囲内の繊維
1本1本につき10%以上の湾曲単糸(直線に対して)の
糸数を全部の単糸数で割った値(率)として求められ
る。原則としては、曲線に沿って糸長を写真上で測定す
る。第3図のように湾曲が円弧の場合、波状の場合、ル
ープ状の場合があるが、あらかじめ計算された10%長い
糸長の円弧のそれとの対比で判定すればよい。即ち、第
3図で囲まれた不織シートの拡大平面写真において、▲
の任意の線を引きそれにほぼ直交する繊維を、
無作為にy1y2………ynと約20本以上選んで印をつける。
次に各単糸繊維の軌跡を、半透明紙上に1本1本別々に
なぞって写しとり、設定枠に出入する の直線に対して、近似円弧のふくらみの高さで10%以上
の湾曲系かどうか判定する。
の場合全長についてどうかを近似計算で判定すればよ
い。
・複屈折率(Δn): 白色光下で偏向顕微鏡ペレックス式コンペンセーターを
用いて測定した。
実施例1〜3,比較例4〜5 孔径0.25mm、孔数1000個の矩形紡糸口金を用いて、吐出
量850g/min、固有粘度0.75のポリエチレンテレフタレー
トを溶融温度295℃で紡出し、紡出速度を変えて、金網
上に捕集して目付160g/cm2のウエブを得た。それを熱圧
着率12%の一対のエンボスロールを用いて、温度80℃、
線圧20kg/cmで熱圧着をしてから、ニードルパンチ加工
を行なった。この条件は、針40番、つき深さ12mm、パン
チ回数160回/cm2で行ない、中間製品とした。
次いで、中間製品を熱処理した。加工条件は、タテ,ヨ
コ方向それぞれ20%熱収縮させるよう巾、長さを規制し
て、ピステンターの温度100℃熱収縮させるよう巾、長
さを規制して、ピンテンターの温度100℃で30秒間熱処
理をした。ただし比較例5は熱収縮を生ぜず単に100℃3
0秒、熱覆歴を受けたものである。その結果を第1表に
示す。第1表に示すように、本発明の不織シートの実施
例1,2,3は、緻密な繊維構造となった。単繊維1本1本
は、曲線状の湾曲糸が多く分布し、繊維交絡が、かなり
強化され、且つ、平均見掛け密度が増大した。上記構造
から、圧縮率が小さくなり、圧縮弾性率が非常に大きい
ことで、弾性の富んだ不織シートとなった。又、機械的
特性にすぐれ、外力に対しての伸びの異方性が2.0以下
となり、等方的になっている。それから150℃熱下の20
%引張モジュラスが20kg/cm2以下となり、この特性は、
熱時の成型加工に対して、非常に好ましいことである。
この値が小さいことは、熱をかけた時に伸び易いことを
表わし、深絞り成型、複雑な成型加工が出来ることであ
る。
以上、本実施例の不織シートは、緻密な繊維密度を有
し、弾性に富む特性から、本発明の目的を満足するもの
が得られた。一方、比較例−4は湾曲繊維の含有率35%
と高いが他の特性が本発明の目的を満足しない。例え
ば、耐熱性がなく150℃熱下の20%モジュラスは融解し
て測定不能となった。比較例5は、収縮しないため、繊
維密度が向上せず粗な構造で本発明の主要要件である湾
曲繊維構造がなく、外力に対して伸びの異方性が3.0以
上で改善されず、外力を与えると、伸び易いヨコ方向に
のみ伸びる変形になってしまう。又、150℃熱下での20
%引張モジュラスが20kg/cm2以上となり、これを用いて
成型加工をするには、困難である。比較例4,5いずれも
本発明の目的を満足するものは得られなかった。
実施例6〜8,比較例9 実施例1〜3と同様の方法でウエブを得た。(目付160g
/cm2、紡糸速度3,400m/分)、それを熱圧着率12%の一
対のエンボスロールを用いて、温度80度、線圧20kg/cm
で熱圧着してからニードルパンチ加工を行なった。この
条件は、針40番、つき深さ11mm、パンチ回数200回/cm2
で行ない中間製品とした。
次いで中間製品を熱処理した。この時、巾、長さ方向の
規制条件を変えて、得られる不織シートの特性を比較し
た。実施例6〜8は、タテ,ヨコ方向を10%,25%,35%
と巾,長さをそれぞれ規制しながら熱処理を行なった。
一方、比較例9はタテ,ヨコ方向それぞれ収縮させない
で熱処理を行なった。熱処理条件は温度120℃で20秒間
熱処理をした。それを更に表面の平坦化するためにフェ
ルトカレンダー加工を行なった。(温度130℃,30秒間)
その結果を第2表に示す。
第2表に示すように、実施例6,7,8と収縮を大きくする
程、単繊維の湾曲繊維の含有率が増大して、交絡がより
密で強化された繊維構造を得る。又、外力に対する伸び
の異方性、及び圧縮弾性率等の性質については、収縮さ
せる程、本発明の目的とする好ましい不織シートが得ら
れる。一方、比較例9に示すように収縮をさせないと粗
な繊維構造、及び弾性率等、本発明の目的を満足する不
織シートは得られなかった。
〔発明の効果〕 本発明の不織シートは、緻密な繊維密度を有し、弾性に
富み、外力に対して伸びの異方性が改善された繊維形成
性を有する熱可塑性ポリマーから成る熱成型性に優れた
長繊維不織シートである。これらの特性は、従来の長繊
維不織シートでは、得られにくかった。この結果本発明
による不織シートは、フェルト代替用途等広い分野に利
用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による不織シートの繊維の形状を示す
顕微鏡写真であり、第2図は第1図に示した不織シート
の熱処理前の不織シートの表面の繊維形状を示す顕微鏡
写真であり、第3図は、本発明による不織シート中の湾
曲繊維の含有率を測定する方法を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−68072(JP,A) 特開 昭49−31967(JP,A) 特開 昭52−46181(JP,A) 特開 昭56−112547(JP,A) 特開 昭57−56564(JP,A) 特開 昭58−41904(JP,A) 特開 昭60−199958(JP,A) 特公 昭62−46663(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維形成性を有する熱可塑性ポリマーから
    成る未延伸糸長繊維不織シートであって、不織シートを
    構成する単繊維が実質的に不織シート中で、湾曲した状
    態で三次元交絡して、湾曲した単繊維の含有率が20%以
    上、該不織シートの平均見掛け密度が0.20〜0.50g/cm3
    の範囲で、150℃に於ける収縮率が5%以下、150℃に於
    ける20%引張モジュラスが20kg/cm2以下、該不織シート
    の破断伸度の大なる方向をD1とし、それと直角の方向を
    D2とし、該D1又はD2の方向での同一伸度でのそれぞれの
    応力をδD1D2として応力比δD1D2を不織シートの
    その伸度に於ける異方性とした場合に、該異方性が10%
    伸長で0.8〜1.9、20%伸長で0.8〜2.0、30%伸長で0.8
    〜2.2であることを特徴とする長繊維不織シート。
  2. 【請求項2】複屈折率Δnが0.02〜0.07のポリエステル
    系長繊維から成る特許請求の範囲第1項記載の長繊維不
    織シート。
JP60203420A 1985-09-17 1985-09-17 弾性に富む不織シ−ト Expired - Fee Related JPH0730499B2 (ja)

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