JPH07304904A - シール部材成形用ゴム組成物およびその用途 - Google Patents

シール部材成形用ゴム組成物およびその用途

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JPH07304904A
JPH07304904A JP9529494A JP9529494A JPH07304904A JP H07304904 A JPH07304904 A JP H07304904A JP 9529494 A JP9529494 A JP 9529494A JP 9529494 A JP9529494 A JP 9529494A JP H07304904 A JPH07304904 A JP H07304904A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)結合アクリロニトリル量が30〜50
重量%、ヨウ素価が30以下およびムーニー粘度〔ML
1+4(100℃)〕が50〜150の水素添加ニトリ
ルゴム100重量部、(b)比表面積が100〜170
2 /gおよび吸油量が180〜220ml/100g
の二酸化ケイ素20〜40重量部、および(c)比表面
積が10m2 /g以下の二酸化ケイ素10〜60重量部
を含有するシール部材成形用ゴム組成物。 【効果】 上記ゴム組成物は、シール部材として要求さ
れる硬さ、伸び、圧縮永久歪み等にバランスがとれてい
るばかりでなく、耐フルオロ炭化水素性、特に高温度下
における耐フルオロ炭化水素性に優れる成形品を与えう
る。したがって、冷媒としてフルオロ炭化水素が使用さ
れている冷却装置、空調装置のコンプレッサに使用され
るシール部材成形用材料として、特に高温下でも優れた
耐フルオロ炭化水素性を保ちうるので、カーエアコン用
コンプレッサのシール部材として、好適に用いることが
でき、さらに成形時のバリ発生が少ないという利点もあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシール部材成形用ゴム組
成物に関する。さらに詳しくは、シール部材として要求
される硬さ、伸び、圧縮永久歪み等にバランスがとれて
いるばかりでなく、耐フルオロ炭化水素性、特に高温下
における耐フルオロ炭化水素性に優れ、かつ成形時にバ
リの発生の少ないシール部材成形用ゴム組成物、および
これを使用したシール部材に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合ゴムのようなニトリル基含
有重合体ゴム中の炭素−炭素二重結合の一部あるいは全
部を水素添加した、あるいは他のエチレン系単量体単位
で置き換えた水素添加ニトリルゴム(以下、「H−NB
R」ともいう)は、耐熱性、耐オゾン性、耐油性に優れ
るため、これを含むゴム組成物は、Oリング、パッキン
等のシール部材成形用組成物として種々の分野で幅広く
用いられている。
【0003】ところで冷蔵庫、冷凍機、エアコン等の冷
却装置、空調装置のコンプレッサ等に使用されるシール
部材は、硬さ、伸び、圧縮永久歪み、耐熱性等に優れる
ことが要求されることは言うまでもないが、該装置中で
冷媒として使用されているフルオロ炭化水素と接触する
ため、該フルオロ炭化水素に対しても耐性をもつことが
要求される。このような耐フルオロ炭化水素性の改良を
目的としたゴム組成物として、例えば、H−NBR10
0重量部当たり10〜150重量部のカーボンブラック
を添加した組成物(特公平5−17930号公報)、ム
ーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が100以上の
H−NBRと有機過酸化物を含有する組成物(特開平5
−65369号公報)等が提案されている。
【0004】しかし、たとえば、カーエアコン用コンプ
レッサは、コンパクト化され自動車のエンジンルーム内
で使用されるため、その作動は高温下になされ、したが
ってこのようなコンプレッサに用いられるシール部材
は、耐熱性、特に高温下における耐フルオロ炭化水素性
に優れていることが要求される。上記公報に記載のゴム
組成物から成形されるシール部材はどちらも、このよう
な過酷な条件下で使用されると、部材にブリスタやクラ
ックの発生が認められ、高温下での耐フルオロ炭化水素
性は不十分であった。
【0005】また、特開昭62−240338号公報に
は、H−NBRにpH8.5以上のシリカ系無機配合剤
およびビニル系シランカップリング剤を加えた、耐熱性
に優れたシール部材を提供しうるゴム組成物が開示され
ている。しかし該組成物であっても、上記した過酷な条
件下での耐フルオロ炭化水素性は不十分であった。
【0006】本発明の目的は、硬さ、伸び、圧縮永久歪
み等のバランスがとれているばかりでなく、耐フルオロ
炭化水素性、特に高温下においても優れた耐フルオロ炭
化水素性を保ちうるシール部材を提供しうるゴム組成物
を提供することである。また本発明の他の目的は、上記
ゴム組成物を用いたシール部材、特にカーエアコン用コ
ンプレッサのシール部材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究を行なった結果、特定のH−
NBRに比表面積等の異なる2種類の二酸化ケイ素を特
定量添加したゴム組成物が該目的を達成しうることを見
出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、(a)結合アクリロニ
トリル量が30〜50重量%、ヨウ素価が30以下およ
びムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が50〜1
50の水素添加ニトリルゴム100重量部、(b)比表
面積が100〜170m2 /gで吸油量が180〜22
0ml/100gの二酸化ケイ素20〜40重量部、お
よび(c)比表面積が10m2 /g以下の二酸化ケイ素
10〜60重量部を含有するシール部材成形用ゴム組成
物、および該組成物を用いたシール部材に関する。
【0009】本発明で使用するH−NBR(a)は、耐
油性の観点から、該重合体中の結合アクリロニトリル
(ニトリル基含有単量体単位)の含有量が30〜50重
量%であり、好ましくは30〜45重量%である。該結
合アクリロニトリルの含有量が30重量%未満であれ
ば、冷凍機油に対して膨潤が大きくなり、一方50重量
%を越えると、機械的特性が劣る。
【0010】また、良好な耐熱性を得るためには、分子
主鎖中の炭素−炭素二重結合量を表すヨウ素価(g/1
00g)が30以下である必要がある。ヨウ素価が30
を越えると、高温下での圧縮永久歪みが大きくなる。好
ましいヨウ素価の範囲は10〜30である。
【0011】さらに、H−NBRのムーニー粘度〔ML
1+4(100℃)〕は、50〜150である。ムーニ
ー粘度〔ML1+4(100℃)〕が50未満であれ
ば、耐ブリスター性が劣る。また150を越えると加工
性が悪くなる。該ムーニー粘度の好ましい範囲は70〜
130である。
【0012】本発明のH−NBR(a)としては、不飽
和ニトリル−共役ジエン共重合ゴムの共役ジエン単位部
分を水素添加したもの、不飽和ニトリル−共役ジエン−
エチレン性不飽和モノマー三元共重合ゴムおよびこのゴ
ムの共役ジエン単位部分を水素添加したもの、不飽和ニ
トリル−エチレン性不飽和モノマー系共重合ゴム等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。またこ
れらのH−NBRは通常の重合手段、水素添加方法によ
って得られるが、その手段も特別の限定はない。
【0013】上記H−NBR(a)の具体例として、ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−
ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン
−アクリロニトリル共重合ゴム等を水素添加したもの、
ブタジエン−メチルアクリレート−アクリロニトリル共
重合ゴム、ブタジエン−アクリル酸−アクリロニトリル
共重合ゴム等、およびこれらを水素添加したもの、ブタ
ジエン−エチレン−アクリロニトリル共重合ゴム、ブチ
ルアクリレート−エトキシエチルアクリレート−ビニル
クロロアセテート−アクリロニトリル共重合ゴム、ブチ
ルアクリレート−エトキシエチルアクリレート−ビニル
ノルボルネン−アクリロニトリル共重合ゴム等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。
【0014】本発明のゴム組成物には、比表面積が10
0〜170m2 /gでかつ吸油量が180〜220ml
/100gの二酸化ケイ素(b)と、比表面積が10m
2 /g以下の二酸化ケイ素(c)の2種類の二酸化ケイ
素が特定量含まれる。
【0015】上記比表面積は、ガス吸着法〔BET法、
S. Brunauer: The Adsorption ofGases and Vapours, P
rinceton (1945) 参照〕によって測定される値である。
また吸油量は、JIS−K−5101によって測定され
る値である。
【0016】上記二酸化ケイ素(b)の比表面積が10
0m2 /g未満の場合および170m2 /gを越える場
合は、機械的特性の点で好ましくない。また、比表面積
が100m2 /g未満の場合、高温下における耐フルオ
ロ炭化水素性が劣る傾向にある。該比表面積の好ましい
範囲は105〜160m2 /gである。吸油量が180
ml/100g未満の場合および220ml/100g
を越える場合も、機械的特性の点で好ましくない。ま
た、吸油量が180ml/100g未満の場合、高温下
における耐フルオロ炭化水素性が劣る傾向にある。該吸
油量の好ましい範囲は190〜220ml/100gで
ある。
【0017】二酸化ケイ素(c)の比表面積が10m2
/gを越える場合、圧縮永久歪み等の物性が低下する傾
向にあるので、多量添加できなくなる。該比表面積の好
ましい範囲は1〜9m2 /gである。
【0018】さらに二酸化ケイ素(b)は、電子顕微鏡
で測定した単粒子の平均粒子径が1〜50nmのものが
好ましく、さらに好ましくは10〜40nmである。ま
たpHは8〜11が好ましく、9〜11がさらに好まし
い。
【0019】二酸化ケイ素(c)は、吸油量が10〜1
00ml/100gのものが好ましく、さらに好ましく
は20〜80ml/100gである。また、電子顕微鏡
で測定した単粒子の平均粒子径が0.1〜50μmのも
のが好ましく、さらに好ましくは1〜50μmである。
【0020】本発明のシール部材成形用ゴム組成物は、
H−NBR(a)100重量部に対して二酸化ケイ素
(b)が20〜40重量部、二酸化ケイ素(c)が10
〜60重量部含有されている。二酸化ケイ素(b)がH
−NBR(a)100重量部に対し20重量部未満の場
合は、耐ブリスター性が劣る。一方40重量部を越える
と、圧縮永久歪み等の物性が劣る。好ましい二酸化ケイ
素(b)の配合量は、H−NBR(a)100重量部に
対し30〜40重量部である。また、二酸化ケイ素
(c)がH−NBR(a)100重量部に対し10重量
部未満の場合は、成形品にバリが残りやすい。一方60
重量部を越えると、圧縮永久歪み等の物性が劣る。好ま
しい二酸化ケイ素(c)の配合量は、H−NBR(a)
100重量部に対し20〜50重量部である。
【0021】本発明のシール部材成形用ゴム組成物に
は、さらにゴムの配合剤として、有機過酸化物等の加硫
剤、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、トリアリルトリメリテー
ト、ジエチレングリコール等の多官能性化合物、タル
ク、クレー、グラファイト、けい酸カルシウムなどの充
填剤、酸化マグネシウム、無機顔料等の着色剤、老化防
止剤、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング
剤、可塑剤等のゴム工業で一般的に使用される配合剤を
必要に応じて適宜添加することができる。
【0022】本発明のゴム組成物の調製は、インタミッ
クス、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機あるい
はオープンロール等を用いて混練することによって行わ
れ、加硫は射出成形機、圧縮成形機、加硫プレス等を用
い、一般に約150〜200℃で約2〜60分間程度加
熱することによって行われる。必要に応じて約120〜
180℃で約1〜24時間加熱する二次加硫を行っても
よい。
【0023】本発明のシール部材成形用ゴム組成物は、
比表面積が100〜170m2 /gかつ吸油量が180
〜220ml/100gの二酸化ケイ素(b)と比表面
積が10m2 /g以下の二酸化ケイ素(c)の2種類の
二酸化ケイ素を併用することによって、H−NBR
(a)に多量の二酸化ケイ素を添加することができるよ
うになる。したがって、得ようとするシール部材の望ま
しい物性にしたがって最適な二酸化ケイ素(b)、
(c)を選択し、その要求特性を得るのに充分な量添加
できるので、硬さ、伸び、圧縮永久歪み等のバランスが
とれているばかりでなく、高温下においても耐フルオロ
炭化水素性に優れる成形品を与えることが可能となる。
【0024】また、通常、ゴムの補強剤として使用され
るカーボンブラックの使用を必要としないので、成形時
のバリ残りが抑制され、また、例えばカーボンブラック
を少量添加して黒色とする等、着色も可能となる。さら
にカーボンブラックを配合する場合に比べて低価格であ
るという利点もある。
【0025】上記したように本発明のシール部材成形用
ゴム組成物は、特に耐フルオロ炭化水素性に優れる成形
物を与えうるので、冷媒としてフルオロ炭化水素が使用
されている冷却装置、空調装置のコンプレッサに使用さ
れるOリング、パッキンなどのシール部材成形用材料と
して好適に用いることができる。特に高温下でも優れた
耐フルオロ炭化水素性を保ちうるので、高温下で使用さ
れるカーエアコン用コンプレッサのシール部材に好適に
用いることができる。これらのシール部材は、自体既知
の方法によって製造される。さらに本発明のシール部材
成形用ゴム組成物は、成形時のバリ残りが抑制されるの
で、その製造時のバリ取り工程を不要にすることがで
き、生産性も上がる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 H−NBR(a)としてゼットポール2010H(日本
ゼオン株式会社製)、二酸化ケイ素(b)としてカープ
レックス#1120(シオノギ製薬株式会社)および二
酸化ケイ素(c)としてMIN−U−SIL5(PENNSY
LVANIA GLASS SAND CORP. 製)および表1に示す配合剤
を表1に示す配合量で、オープンロールにて約30分混
練してシール部材成形用ゴム組成物を調製した。
【0027】
【表1】
【0028】得られた組成物を175℃、20分間加熱
してプレス成形し、さらに150℃で4時間オーブン加
熱し、2×150×150mmのシートおよびJIS−
K−6301に規定する硬さと圧縮永久歪みの試験用試
料を得た。伸び測定用試料は、上記したシートをJIS
−K−6301に規定する3号形ダンベルを用いて打ち
抜いて得た。得られた試料について、硬さ、伸び、圧縮
永久歪み、耐フルオロ炭化水素性(耐発泡性)および成
形時のバリ残り性(製造性)の試験を行なった。硬さ、
伸びおよび圧縮永久歪みは、JIS−K−6301に規
定する加硫ゴムの試験方法にしたがって測定した。耐発
泡性は、得られた組成物から量産ラインにて製造したJ
IS−B−2401G25のOリングを25℃のハイド
ロフルオロカーボンン134a(CH2 FCF3 )に7
0時間浸漬した後、速やかに150℃のオーブンで1時
間加熱し、外観状態を観察しクラックの有無によって判
定した。製造性は、得られた組成物から量産ラインにて
製造したJIS−B−2401G25のOリング100
個を目視によって観察した。結果を表2に示す。表中の
耐発泡性の評価は以下の通りである。 ○:クラック無し ×:クラック有り また製造性の評価は以下の通りである。 ○:バリ残り無し △:バリ残り有り ×:バリ残りが非常に多い
【0029】実施例2 表2に示す物性をもったH−NBR(a)を使用し、二
酸化ケイ素(b)の配合量を表2に示す値に変更した以
外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、試料を
作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0030】比較例1〜4 二酸化ケイ素(b)として表2に示す物性をもつものを
使用し、各成分の配合量を表2に示す値に変更したこと
以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、試料
を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0031】比較例5〜6 二酸化ケイ素(b)あるいは二酸化ケイ素(c)を配合
せず、かつ使用した(b)、(c)成分の配合量を表2
に示す値に変更した以外は実施例1と同様にしてゴム組
成物を調製し、試料を作製し、物性を測定した。結果を
表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2の結果から明らかなように、本発明の
シール部材成形用ゴム組成物によれば、150℃の温度
下における耐フルオロ炭化水素試験において発泡の発生
が見られず、さらにJIS−K−6301に規定する硬
さが80以下、伸びが150以上および圧縮永久歪みが
20%以下の優れたシール部材が得られた。これに対
し、どちらか一方の二酸化ケイ素を使用しなかった場
合、二酸化ケイ素(b)、(c)の配合量あるいは二酸
化ケイ素の非表面積、吸油量が請求項1の範囲外のもの
を使用した場合、硬さ、圧縮永久歪み等にバランスのと
れたシール部材が得られなかった。
【0034】実施例3〜5 ゼットポール2010H〔H−NMR(a)〕、カープ
レックス#1120〔二酸化ケイ素(b)〕およびMI
N−U−SIL5〔二酸化ケイ素(c)〕の配合量を表
3に示す値に変更した以外は実施例1と同様にしてゴム
組成物を得た。
【0035】実施例6〜8 表3および表4に示す物性をもつH−NBR(a)を使
用し、(a)、(b)、(c)成分の配合量を表3およ
び表4に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にし
てゴム組成物を得た。
【0036】実施例9〜12 表4に示す物性をもつ二酸化ケイ素(b)、二酸化ケイ
素(c)を使用し、(a)、(b)、(c)成分の配合
量を表4に示す値に変更した以外は実施例1と同様にし
てゴム組成物を得た。実施例3〜12で得られた組成物
から実施例1と同様にして各物性測定用の試料を作製
し、物性を測定した。結果を表3および表4に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明のシール部材成形用ゴム組成物
は、シール部材として要求される硬さ、伸び、圧縮永久
歪み等にバランスがとれているばかりでなく、耐フルオ
ロ炭化水素性、特に高温度下における耐フルオロ炭化水
素性に優れ、かつ成形時にバリの発生の少ない成形品を
与えうる。したがって、冷媒としてフルオロ炭化水素が
使用されている冷却装置、空調装置等のコンプレッサに
使用されるシール部材成形用材料として好適に用いるこ
とができる。特に高温下でも優れた耐フルオロ炭化水素
性を保ちうるので、高温下で使用されることのあるカー
エアコン用コンプレッサのシール部材に好適に用いるこ
とができる。また、高価なカーボンブラックを必須成分
としないので、シール部材の材料コストを低減でき、シ
ール部材の着色自由度もあり、成形時のバリ残りが大幅
に抑制されバリ取り工程を不要にできるので、生産性も
向上できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)結合アクリロニトリル量が30〜
    50重量%、ヨウ素価が30以下およびムーニー粘度
    〔ML1+4(100℃)〕が50〜150の水素添加
    ニトリルゴム100重量部、(b)比表面積が100〜
    170m2 /gおよび吸油量が180〜220ml/1
    00gの二酸化ケイ素20〜40重量部、および(c)
    比表面積が10m2 /g以下の二酸化ケイ素10〜60
    重量部を含有するシール部材成形用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 カーエアコン用コンプレッサのシール部
    材に用いられるものである請求項1記載のシール部材成
    形用ゴム組成物。
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