JPH072978A - 光重合性組成物及び熱硬化性接着シート - Google Patents

光重合性組成物及び熱硬化性接着シート

Info

Publication number
JPH072978A
JPH072978A JP5149099A JP14909993A JPH072978A JP H072978 A JPH072978 A JP H072978A JP 5149099 A JP5149099 A JP 5149099A JP 14909993 A JP14909993 A JP 14909993A JP H072978 A JPH072978 A JP H072978A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
acrylate
parts
adhesive sheet
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5149099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3352500B2 (ja
Inventor
Akira Nakasuga
章 中壽賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP14909993A priority Critical patent/JP3352500B2/ja
Publication of JPH072978A publication Critical patent/JPH072978A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3352500B2 publication Critical patent/JP3352500B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な光重合性組成物を提供し、および該組
成物から、高い接着性を有し、かつ充分な耐熱性をも有
する熱硬化性接着シートを提供する。 【構成】 (a) アルキル基の炭素数が1〜12である
(メタ)アクリル酸アルキルエステルより選択されるア
クリレート系モノマー30〜95重量部と、(b) アクリ
レート系モノマー(a) と共重合可能なビニル化合物系モ
ノマー2〜40重量部と、(c) エポキシ基含有アルコー
ルと(メタ)アクリル酸とのエステルより選択されるア
クリレート系モノマー0.5〜50重量部と、(d) 光重
合性基を有しないエポキシ樹脂5〜100重量部と、
(e) 光重合開始剤0.01〜5重量部と、(f) エポキシ
樹脂用熱硬化剤0.1〜10重量部とを含む光重合性組
成物。および該光重合性組成物から得られる、エポキシ
基を未反応の状態で含有する粘着剤層を有する、熱硬化
性接着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリレート系の光重
合性組成物および該組成物を用いて得られる熱硬化性接
着シートに関し、さらに詳しくは、常態では粘着性であ
り、被着体に貼付けた後の加熱操作により硬化する、熱
硬化性接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着シートは、その接合作業の簡便性を
生かして、種々の部材固定用に多分野で利用されてい
る。しかしながら、従来より粘着シートは、被着体に対
する初期接着性を粘着剤の流動性を高めることにより実
現しているため、必然的に接着剤同等の高い接着性を発
現することができないという欠点を有するものであっ
た。
【0003】すなわち、被着体との接合初期には粘着シ
ートとしての接着性を有し、かつ接合後には接着剤同等
の高接着性を有する接着シートが求められている。
【0004】このようなニーズに対して、粘着剤と接着
剤を複合したいわゆる粘接着剤が提案されている。例え
ば、特公昭50−28970号公報には、アクリルゴム
ポリマーにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を複合し、粘
着性と硬化後の高度の接着性を得ようとする技術が開示
されている。
【0005】また、特開平2−272076号公報に
は、アクリル酸エステルモノマーとエポキシ樹脂とから
なる光重合性組成物を原料とする感圧熱硬化性接着剤が
開示されている。同公報には、この感圧熱硬化性接着剤
によると、クイック粘着性と高接着性が実現されると記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の感圧熱硬化性接着剤では、アクリルポリマーとエポ
キシ化合物が、硬化後も架橋していないため、耐熱性が
不十分であった。そのため、感圧熱硬化性接着剤を利用
できる範囲はかなり限定されたものであった。
【0007】上記問題点を背景とした本発明の目的は、
新規な光重合性組成物を提供すること、および該組成物
を用いて、高い接着性を有するとともに、充分な耐熱性
をも有し、耐熱性が必要とされる金属部材等の接合にも
使用し得る熱硬化性接着シートを提供することにある。
【0008】本発明者らは、アクリレート系モノマー
に、エポキシ基含有アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステルより選択されるアクリレート系モノマーが配
合せられた光重合性組成物を光重合成形することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(a) アルキル基の炭素数が1〜12である(メタ)
アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択される
少なくとも1種のアクリレート系モノマー30〜95重
量部と、(b) アクリレート系モノマー(a) と共重合可能
な不飽和二重結合を有するビニル化合物系モノマー2〜
40重量部と、(c) エポキシ基含有アルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステルよりなる群から選択される
少なくとも1種のアクリレート系モノマー0.5〜50
重量部と、(d) 光重合性基を有しないエポキシ樹脂5
〜100重量部と、(e) 光重合開始剤0.01〜5重
量部と、(f) エポキシ樹脂用熱硬化剤0.1〜10重
量部とを含む光重合性組成物が提供される。
【0010】また、本発明によれば、前記の光重合性組
成物から得られる、エポキシ基を未反応の状態で含有す
る粘着剤層を有する、熱硬化性接着シートが提供され
る。
【0011】さらに、本発明によれば、前記の光重合性
組成物とガラス繊維とを配合してなる配合物から得られ
る、エポキシ基を未反応の状態で含有する複合粘着剤層
を有する、熱硬化性接着シートが提供される。
【0012】以下、本発明による光重合性組成物を構成
する各成分および同組成物の光重合方法について説明す
る。
【0013】(アクリレート系モノマー(a) )アクリレ
ート系モノマー(a) は、本発明組成物のモノマー主成分
であり、公知の光重合アクリル粘弾性製品の製造に用い
られるものである。
【0014】アクリレート系モノマーとしては、アルキ
ル基の炭素数が1〜12、好ましくは4〜12のアクリ
ル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエス
テルが用いられる。これらのアクリレート系モノマーの
具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルなどを
挙げることができる。
【0015】これらモノマーは、それぞれ単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いられる。粘着性と凝集性の
バランスなどから、通常、ホモポリマーのガラス転移温
度が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルを主成
分とし、コモノマーとして、低級アルキル基の(メタ)
アクリル酸エステルや下記のビニル系モノマー(b) を用
いることが好ましい。
【0016】(ビニル系モノマー(b) )アクリレート系
モノマーと共重合可能な他のビニル系モノマー(b) は、
エポキシ基とは非反応性であるものが熱硬化性接着シー
トの保存安定性の点から好ましい。例えば、アクリル
酸、メタクリル酸等のビニル系モノマーは、重合成形
後、経時的に硬化が進行して、接着シートの粘着性が低
下する可能性がある。従って、本発明においては、例え
ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N−ビニ
ルピロリドン、アクリルアミド、イソボルニル(メタ)
アクリレート、アクリロイルモルフォリン、アルコキシ
アルキルアクリレートなどを挙げることができる。これ
らのビニル系モノマーの中で特に好ましいものは、N−
ビニルピロリドンである。
【0017】これらビニル系モノマーは、それぞれ単独
でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0018】(エポキシ基含有アクリレート系モノマー
(c) )エポキシ基含有アクリレート系モノマー(c) とし
ては、グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキ
シ(メタ)アクリレート(サイクロマー、ダイセル化学
社製、商品名)等が挙げられる。脂環式エポキシ基を含
有するアクリレート系モノマーは、高比率に配合した場
合でも、得られるコポリマーのガラス転移温度が低く、
高粘着性の粘着剤が得られる。
【0019】エポキシ基含有アクリレート系モノマー
(c) は、前記のアクリレート系モノマー(a) 100重量
部に対して、0.5〜50重量部用いられる。モノマー
(c) の配合割合が0.5重量部未満の場合は、アクリル
ポリマーとエポキシ樹脂との架橋反応が十分には行われ
ず、耐熱性が不十分となる。一方、モノマー(c) の配合
割合が50重量部を越えると、硬化物が過剰に架橋する
ため、高温で界面の剥離現象が起こりやすくなる。
【0020】(エポキシ樹脂(d) )エポキシ樹脂(d)
は、光重合性基を有しないものであり、ビスフェノール
エポキシ樹脂、フェノリックエポキシ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノールエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0021】このようなエポキシ樹脂の中で、軟化点の
高いモノマーを原料とするものが好ましく、この例とし
ては、高軟化点樹脂化合物に1分子あたり1個のエポキ
シ基を有するものが好ましい。
【0022】(光重合開始剤(e) )単官能光重合開始剤
としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン[ダロ
キュア2959:チバガイギー社製];1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン[イルガキュア184:
チバガイギー社製]、α−ヒドロキシ−α,α−ジメチ
ルアセトフェノン[ダロキュア1173:チバガイギー
社製];メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン系
開始剤;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系開始剤;ベ
ンジルジメチルケタールなどのケタール系開始剤;その
他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシ
ルホスフォナートなどを挙げることができる。
【0023】(エポキシ樹脂用熱硬化剤(f) )本発明に
おいては、エポキシ樹脂を加熱硬化するために、硬化剤
(f) を配合する。
【0024】硬化剤(f) は、エポキシ樹脂を加熱硬化し
得るものであればよく、イミダゾール型、ジシアンジア
ミド、ポリアミン塩等の硬化剤が挙げられ、例えば、A
CRハードナー3636(エーシーアール社製、商品
名)等である。
【0025】これらの成分の配合割合は、アクリレート
系モノマー(a) 30〜95重量部、ビニル化合物系モノ
マー(b) 2〜40重量部、エポキシ基含有アクリレート
系モノマー(c) 0.5〜50重量部、エポキシ樹脂(d)
5〜100重量部、光重合開始剤(e) 0.01〜5重量
部、エポキシ樹脂用熱硬化剤(f) 0.1〜10重量部で
あり、好ましくは、アクリレート系モノマー(a) 40〜
60重量部、ビニル化合物系モノマー(b) 20〜30重
量部、エポキシ基含有アクリレート系モノマー(c) 1〜
10重量部、エポキシ樹脂(d) 20〜80重量部、光重
合開始剤(e) 0.1〜1重量部、エポキシ樹脂用熱硬化
剤(f) 0.5〜5重量部である。
【0026】(架橋剤)本発明の光重合性組成物におい
ては、耐熱性や高温での凝集力を増加させるために、上
記の光重合開始剤とともに、多官能ビニル化合物を架橋
剤として含有させることができる。
【0027】このような架橋剤としては、例えば、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなど
を挙げることができる。
【0028】かかる架橋剤は、一般に、前記モノマー成
分(a) 〜(c) の総和100重量部に対して、5重量部以
下配合させる。架橋剤の配合により、光重合反応におい
てポリマー分子間に架橋結合が生じ、粘着剤の耐熱性が
向上せられる。また、硬化前の粘着状態において、高温
での凝集力が増加し、硬化過程での保持力が向上する。
【0029】(タッキファイアー)本発明による光重合
性組成物には、タッキファイアーを配合することが好ま
しい。
【0030】本発明で用いられるタッキファイアーとし
ては、ロジン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン樹
脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変成テルペン樹
脂、C5およびC9 系石油樹脂、クマロン樹脂などがあ
る。
【0031】本発明においては、エポキシ基との反応性
がないものが好ましく、しかも初期粘着性向上に効果が
あるものが好ましい。この例としては、脂環式炭化水素
系樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、水添テルペンフェ
ノール等が挙げられる。
【0032】(その他の添加剤)本発明による光重合性
組成物には、増粘剤やチキソトロープ剤、増量剤や充填
剤などの通常用いられる添加剤を配合してもよい。
【0033】増粘剤としては、アクリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴムなどが用
いられる。
【0034】光重合性組成物に光を照射して部分的に重
合し、増粘することも可能である。
【0035】本発明においては、エポキシ基が部分重合
物にもグラフトされるため、部分重合物とモノマーは、
加熱により共架橋され、更に耐熱性を高めることができ
るという特性もある。
【0036】チキソトロープ剤としては、コロイドシリ
カ、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。
【0037】増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、クレーなどが用いられる。
【0038】充填剤としては、ガラスバルン、アルミナ
バルン、セラミックバルンなどの無機中空体;ナイロン
ビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズなどの有機球
状体;塩化ビニリデンバルン、アクリルバルンなどの有
機中空体;ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ガラス
などの単繊維などが用いられる。
【0039】本発明において、光重合性組成物にガラス
繊維を配合すると、エポキシ基がガラス繊維表面と化学
的結合を形成するので、強い補強効果を発現させること
ができる。
【0040】(光重合プロセス条件)光照射に用いられ
るランプとしては、波長400nm以下に発光分布を有す
るものが用いられ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラック
ライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハ
ライドランプなどが用いられる。これらの中でもケミカ
ルランプは開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光す
るとともに、開始剤以外の組成物成分の光吸収が少ない
ため、内部まで光が透過し、高厚膜の製品を製造するの
に好ましい。
【0041】上記ランプによる光重合性組成物への光照
射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子で
あり、目的製品の性能毎に適宜制御される。通常のアセ
トフェノン基を有する開裂型の開始剤を配合した場合、
その開始剤の光分解に有効な波長領域(開始剤によって
異なるが通常365〜420nmの光が用いられる)の光
強度は0.1〜100mW/cm2 が好ましい。
【0042】本発明における光重合は、空気中の酸素ま
たは光重合性組成物中に溶存する酸素により阻害され
る。そのため、光照射は酸素の反応阻害を消去し得る手
法を用いて実施されねばならない。その手法の1つとし
て、光重合性組成物をポリエチレンテレフタレートやテ
フロン製のフィルムによって覆い酸素との接触を断ち、
光はこのフィルムを通して該組成物へ照射する方法があ
る。また、窒素ガスや炭酸ガスのような不活性なガスに
より酸素を置換したイナート雰囲気において、光透過性
の窓を通して組成物に光を照射してもよい。後者の方法
において光重合性組成物の重合を転化率が99.7%以
上になる程度まで充分に完結するためには、この照射雰
囲気の酸素濃度は5000ppm 以下である必要がある。
該組成物の光照射によって得られた高分子生成物の分子
量は、雰囲気酸素濃度の増加とともに低下する。完全に
イナートな雰囲気での重合による生成物の分子量と同程
度の分子量にするためには雰囲気酸素濃度は1000pp
m 以下である必要がある。さらに該光重合性組成物の極
薄い表層部分は重合体内部よりも酸素による反応阻害を
受け易く凝集力が低下する。この表層部分が内部と同程
度に凝集性を有するためには、雰囲気酸素濃度は300
ppm 以下であることが望ましい。
【0043】光照射をイナートゾーンにおいて行う場
合、その雰囲気酸素濃度を低レベルに保つために、この
ゾーンに常に一定量の不活性ガスが導入される。この導
入ガスにより、光重合性組成物表面には気流が発生しモ
ノマー蒸発が起こる。この蒸発レベルを低く抑制するの
に必要な気流速度は、このゾーン内を支持体と共に移動
される該組成物との相対速度が1m/sec 以下であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.1m/sec 以下で
ある。気流速度を0.1m/sec 程度にするならば気流
による蒸発は実質的に抑えられる。
【0044】光重合反応は、エポキシ基同士の反応を回
避するために、低温で、例えば−5〜30℃で、好まし
くは−5〜10℃で行う。温度上昇の要因となるのは、
ランプからの輻射熱と、モノマーの重合熱である。従っ
て、ランプ輻射熱を抑制するために光カットフィルター
を使用し、重合物を光照射中に冷却背板等に接触せしめ
て重合熱を積極的に除去するという方法により、低温で
光重合反応を行うことができる。
【0045】以上の方法により、エポキシ基を未反応の
状態で含有する粘着剤層を有する、本発明の熱硬化性接
着シートを得ることができる。
【0046】さらに、本発明によれば、前記の熱硬化性
接着シートを鋼板に貼付け、加熱することによって、鋼
板複合材を得ることができる。この鋼板複合材は、プレ
ス成形しやすいものである。また、前記の熱硬化性接着
シートが鋼板に貼付けられた鋼板複合シートを成形加工
した後、加熱することによっても鋼板複合材を得ること
ができる。
【0047】これらの加熱は、一般に100〜150℃
で、0.1〜1時間にて行うことができる。
【0048】本発明において、前記の鋼板が、車両用の
制振鋼板である場合には、車両用鋼板複合材を得ること
ができるが、その他、電気製品用、振動性機械製品用制
振材等を得ることもできる。
【0049】
【作用】本発明による熱硬化性接着シートは、アクリル
ポリマーにエポキシ基がグラフトしており、加熱硬化操
作により、エポキシ樹脂が前記エポキシ基を介して共に
架橋するため、硬化後に接着剤層の耐熱性が向上すると
考えられる。
【0050】また、アクリルポリマー自体にも、金属等
の被着体と強固な化学結合を形成し得るエポキシ基がシ
ート界面に存在しているため、接着性が向上すると考え
られる。
【0051】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に説明するために、
本発明の一例を示す実施例を挙げる。
【0052】[実施例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート70gと、N−ビニルピロリドン30gと、エポキ
シアクリレート(サイクロマー、ダイセル化学社製、商
品名)20gと、エピコート828(油化シェルエポキ
シ社製、商品名)50gと、エポキシ硬化剤(ACRハ
ードナー3636、エーシーアール社製、商品名)5g
と、ヘキサンジオールジアクリレート0.05gと、光
重合開始剤イルガキュア184(チバガイギー社製、商
品名)0.1gとを、セパラブルフラスコ中で均一にな
るまで攪拌混合し、光重合性組成物を得た。
【0053】この組成物を、10℃に維持されている、
冷却ステンレス板に密着させた厚み38μmの表面離型
性を有するPET基材上に400μmの厚みとなるよう
に塗工した。次に、この組成物に、酸素濃度200ppm
のイナートゾーンで、ケミカルランプを紫外線の線源と
して、その照射面のランプ強度が2mW/cm2 (36
5nmに最大感度を有する光強度測定器UVR−1(東
京光学機械社製)にて測定した強度値として)となるよ
うにランプ高さを設定し、5分間紫外線を照射して、熱
硬化性接着シートを作成した。
【0054】このようにして得られた接着シートの各性
能を、以下のように測定した。
【0055】1)常温T剥離力 幅10mm、長さ10mmの接着シートサンプルを、厚
み300μm、長さ100mm、幅20mmの2枚のア
ルミ箔で挟着し、2kgのローラで1往復加圧接着し
た。得られたサンプルを、23℃、湿度65RH%の雰
囲気条件で24日放置した後、23℃の雰囲気条件で、
引張速度50mm/minで180度の方向に剥離さ
せ、その最大強度を常温T剥離力とした。
【0056】2)常温剪断力 幅10mm、長さ10mmの接着シートサンプルを、厚
み500μmの2枚のステンレス板で挟着し、5kgの
ローラで1往復加圧接着した。得られたサンプルを、2
3℃、湿度65RH%の雰囲気条件で24日放置した
後、23℃の雰囲気条件で、引張速度50mm/min
で剪断方向に引っ張り、その最大強度を常温剪断力とし
た。
【0057】3)140℃剪断力 剪断破壊試験の雰囲気温度が140℃である他は、2)
と同じ条件で、最大剪断応力を測定し、140℃剪断力
とした。
【0058】4)ゲル分率 接着シートサンプル100mgを採り、50ccのテト
ラヒドロフランに浸漬し、23℃で24時間放置した。
得られた膨潤ゲル溶液を、200メッシュのステンレス
製網で濾過し、残渣を乾燥し、残存物の乾燥重量を測定
した。この重量の採取サンプル重量に対する比率をゲル
分率とした。
【0059】接着シートの各性能は、常温T剥離力は
0.3kg/cmであり、常温剪断力は3.7kg/c
2 であった。該サンプルを貼付けた後、120℃で3
0分間加熱硬化処理したところ、常温T剥離力は2.3
kg/cmであり、常温剪断力は60kg/cm2 であ
った。
【0060】硬化後サンプルの140℃剪断力は3.5
kg/cm2 であり、ゲル分率は80%であった。
【0061】[比較例1]エポキシアクリレートを配合
しなかった他は、実施例1と同じ光重合性組成物から、
実施例1と同様の方法で熱硬化性接着シートを作成し
た。
【0062】この接着シートの各性能を、実施例1と同
様に測定した。常温T剥離力は0.3kg/cmであ
り、常温剪断力は4.5kg/cm2 であった。該サン
プルを貼付けた後、120℃で30分間加熱硬化処理し
たところ、常温T剥離力は0.9kg/cmであり、常
温剪断力は30kg/cm2 であった。硬化後サンプル
の140℃剪断力は0.5kg/cm2 であり、ゲル分
率は50%であった。
【0063】このように、比較例1のサンプルは、硬化
後サンプルの140℃剪断力が、実施例1のサンプルに
比べ、著しく劣っていた。
【0064】[実施例2]2−エチルヘキシルアクリレ
ート50gと、N−ビニルピロリドン10gと、エポキ
シアクリレート(サイクロマー、ダイセル化学社製、商
品名)50gと、エピコート828(油化シェルエポキ
シ社製、商品名)10gと、エポキシ硬化剤(ACRハ
ードナー3636、エーシーアール社製、商品名)5g
と、光重合開始剤イルガキュア184(チバガイギー社
製、商品名)0.1gとを、セパラブルフラスコ中で均
一になるまで攪拌混合し、光重合性組成物を得た。
【0065】この光重合性組成物から、実施例1と同様
の方法で熱硬化性接着シートを作成した。
【0066】この接着シートの各性能を、実施例1と同
様に測定した。常温T剥離力は1.0kg/cmであ
り、常温剪断力は10.0kg/cm2 であった。該サ
ンプルを貼付けた後、120℃で30分間加熱硬化処理
したところ、常温T剥離力は3.5kg/cmであり、
常温剪断力は40kg/cm2 であった。硬化後サンプ
ルの140℃剪断力は4.0kg/cm2 であり、ゲル
分率は85%であった。
【0067】[実施例3]実施例1の各配合成分の他
に、更にグラスファイバーチップ30gを配合した他
は、実施例1と同じ光重合性組成物から、実施例1と同
様の方法で熱硬化性接着シートを作成した。
【0068】この接着シートの各性能を、実施例1と同
様に測定した。常温T剥離力は0.3kg/cmであ
り、常温剪断力は5.0kg/cm2 であった。該サン
プルを貼付けた後、120℃で30分間加熱硬化処理し
たところ、常温T剥離力は2.5kg/cmであり、常
温剪断力は100kg/cm2 であった。硬化後サンプ
ルの140℃剪断力は6.0kg/cm2 であった。
【0069】このように、実施例3のサンプルは、実施
例1のサンプルに比べ、さらに良好な性能を示した。
【0070】
【発明の効果】本発明の熱硬化性接着シートによれば、
加熱硬化後の耐熱性に非常に優れており、耐熱性の要求
される接合において、高い接合信頼性を得ることができ
る。
【0071】また、本発明の熱硬化性接着シートによれ
ば、加熱初期工程においても、被着体から脱離しない程
度の十分な凝集力を有する。従って、硬化処理工程にお
いて、被着体荷重が少々大きくても固定治具等を必要と
しない。
【0072】さらに、本発明の熱硬化性接着シートと複
合化された複合鋼板は、成形加工時に剥離を起こした
り、鋼板にへこみ等を生じさせることなく、プレス成形
性に優れている。そして、この複合鋼板を加熱硬化した
本発明の鋼板複合材は、高い制振性と強度を有する。従
って、鋼板複合材は、車両用、電気製品用、振動性機械
製品用制振材として、非常に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) アルキル基の炭素数が1〜12で
    ある(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群か
    ら選択される少なくとも1種のアクリレート系モノマー
    30〜95重量部と、 (b) アクリレート系モノマー(a) と共重合可能な不飽
    和二重結合を有するビニル化合物系モノマー2〜40重
    量部と、 (c) エポキシ基含有アルコールと(メタ)アクリル酸
    とのエステルよりなる群から選択される少なくとも1種
    のアクリレート系モノマー0.5〜50重量部と、 (d) 光重合性基を有しないエポキシ樹脂5〜100重
    量部と、 (e) 光重合開始剤0.01〜5重量部と、 (f) エポキシ樹脂用熱硬化剤0.1〜10重量部とを
    含む光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光重合性組成物から得ら
    れる、エポキシ基を未反応の状態で含有する粘着剤層を
    有する、熱硬化性接着シート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光重合性組成物とガラス
    繊維とを配合してなる配合物から得られる、エポキシ基
    を未反応の状態で含有する複合粘着剤層を有する、熱硬
    化性接着シート。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱硬化性接着シートを鋼
    板に貼付け、加熱することにより得られる、鋼板複合
    材。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の鋼板が、車両用の制振鋼
    板であることを特徴とする、車両用鋼板複合材。
JP14909993A 1993-06-21 1993-06-21 光重合性組成物及び熱硬化性接着シート Expired - Fee Related JP3352500B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14909993A JP3352500B2 (ja) 1993-06-21 1993-06-21 光重合性組成物及び熱硬化性接着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14909993A JP3352500B2 (ja) 1993-06-21 1993-06-21 光重合性組成物及び熱硬化性接着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH072978A true JPH072978A (ja) 1995-01-06
JP3352500B2 JP3352500B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=15467681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14909993A Expired - Fee Related JP3352500B2 (ja) 1993-06-21 1993-06-21 光重合性組成物及び熱硬化性接着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3352500B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012841A (ja) * 2000-06-30 2002-01-15 Nitto Denko Corp アクリル系熱硬化型接着剤組成物および接着シート類
US6700515B2 (en) 2000-08-30 2004-03-02 Advantest Corporation Digitizer apparatus and semiconductor testing apparatus
WO2007074519A1 (ja) * 2005-12-27 2007-07-05 Nichiban Company Limited 油面鋼板用シーリング剤組成物
US7719451B2 (en) 2006-11-08 2010-05-18 Yokogawa Electric Corporation Signal measuring apparatus and semiconductor testing apparatus
JP2012092321A (ja) * 2010-09-28 2012-05-17 Sekisui Chem Co Ltd 異方性導電材料、bステージ状硬化物及び接続構造体
WO2016063802A1 (ja) * 2014-10-20 2016-04-28 積水化成品工業株式会社 接着用途を有する粘着性ゲルシート、その製造方法、一対の被着体の固定方法及び複合材
WO2017043283A1 (ja) * 2015-09-10 2017-03-16 積水化成品工業株式会社 金属パネル補強材及び金属パネルの補強方法
WO2020241728A1 (ja) * 2019-05-31 2020-12-03 積水化学工業株式会社 接着剤組成物、光学部品、電子部品、及び、電子モジュール

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012841A (ja) * 2000-06-30 2002-01-15 Nitto Denko Corp アクリル系熱硬化型接着剤組成物および接着シート類
US6700515B2 (en) 2000-08-30 2004-03-02 Advantest Corporation Digitizer apparatus and semiconductor testing apparatus
WO2007074519A1 (ja) * 2005-12-27 2007-07-05 Nichiban Company Limited 油面鋼板用シーリング剤組成物
JPWO2007074519A1 (ja) * 2005-12-27 2009-06-04 ニチバン株式会社 油面鋼板用シーリング剤組成物
US7719451B2 (en) 2006-11-08 2010-05-18 Yokogawa Electric Corporation Signal measuring apparatus and semiconductor testing apparatus
JP2012092321A (ja) * 2010-09-28 2012-05-17 Sekisui Chem Co Ltd 異方性導電材料、bステージ状硬化物及び接続構造体
US20180230337A1 (en) * 2014-10-20 2018-08-16 Sekisui Plastics Co., Ltd. Tacky gel sheet having adhesive applications, method for producing same, method for fixing a pair of objects, and composite material
JPWO2016063802A1 (ja) * 2014-10-20 2017-07-27 積水化成品工業株式会社 接着用途を有する粘着性ゲルシート、その製造方法、一対の被着体の固定方法及び複合材
WO2016063802A1 (ja) * 2014-10-20 2016-04-28 積水化成品工業株式会社 接着用途を有する粘着性ゲルシート、その製造方法、一対の被着体の固定方法及び複合材
WO2017043283A1 (ja) * 2015-09-10 2017-03-16 積水化成品工業株式会社 金属パネル補強材及び金属パネルの補強方法
JP2017052881A (ja) * 2015-09-10 2017-03-16 積水化成品工業株式会社 金属パネル補強材及び金属パネルの補強方法
TWI617615B (zh) * 2015-09-10 2018-03-11 積水化成品工業股份有限公司 金屬面板補強材及金屬面板的補強方法
CN107849276A (zh) * 2015-09-10 2018-03-27 积水化成品工业株式会社 金属板增强材料以及金属板的增强方法
WO2020241728A1 (ja) * 2019-05-31 2020-12-03 積水化学工業株式会社 接着剤組成物、光学部品、電子部品、及び、電子モジュール
CN113853413A (zh) * 2019-05-31 2021-12-28 积水化学工业株式会社 粘接剂组合物、光学部件、电子部件及电子模块
CN113853413B (zh) * 2019-05-31 2024-02-13 积水化学工业株式会社 粘接剂组合物、光学部件、电子部件及电子模块

Also Published As

Publication number Publication date
JP3352500B2 (ja) 2002-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4213792B2 (ja) 熱硬化型感圧性接着剤とその接着シ―ト類
US20030026979A1 (en) Sheet-form, curable pressure-sensitive adhesive
JP2000017246A (ja) 粘接着剤組成物および粘接着シート
JP4636513B2 (ja) 熱硬化型感圧性接着剤とその接着シ―ト類
JPH0649415A (ja) 粘着剤及び両面粘着テープ
JP3352500B2 (ja) 光重合性組成物及び熱硬化性接着シート
JP3022775B2 (ja) 硬化型粘接着シート、部材の接合方法、及び光重合性組成物
JP3797628B2 (ja) 感圧接着剤及びその接着シート
JPH11152457A (ja) アクリル系粘着テープもしくはシート
JP2002012842A (ja) アクリル系熱硬化型接着剤および接着シート類
JP3022796B2 (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JPH07216336A (ja) フレキシブル印刷配線板用接着剤組成物
JP4213793B2 (ja) 熱硬化型接着剤とその接着シ―ト類
JPH10120995A (ja) 硬化型粘接着シート、部材の接合方法及び粘接着部材
JP3043292B2 (ja) エネルギー重合性組成物及び硬化型粘接着シート
JP2862453B2 (ja) 両面粘着テープ及びその製造方法
KR100476798B1 (ko) 열경화형감압성접착제와이의접착시트류
JP2002012841A (ja) アクリル系熱硬化型接着剤組成物および接着シート類
JPH073212A (ja) 光重合性組成物及び接着テープもしくはシート
JPH10120993A (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JPH10195393A (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JPH10120988A (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JPH10120994A (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JP2000096018A (ja) 熱接着性組成物とその接着シ―ト類
JPH10120996A (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070920

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080920

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080920

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090920

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees