JPH0729539A - 集束イオンビーム装置 - Google Patents
集束イオンビーム装置Info
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Abstract
ラストの良好なSIM像を得られるようにして、分解能
の良好なグレイン観察を低コストで提供できるようにす
る。 【構成】 観察対象領域を仮想的に複数の小領域に分割
(ステップS10)し、小領域に対して時系列的に表面
加工用ビーム(ステップS13)およびデータ収集用ビ
ーム(ステップS14)を順次照射する。さらに、前記
時系列的照射(ステップS13,S14)を各小領域に
対して実行(ステップS16〜S19)し、データ収集
用ビームの照射に応答して試料から発生する二次信号を
検出して観察対象領域の走査像を形成する。
Description
料上で走査して高分解能の走査像を得る集束イオンビー
ム装置に係り、特に、アルミのように酸化しやすい試料
のグレイン観察に好適な集束イオンビーム装置に関す
る。
つれ、配線材等のグレイン観察やサブミクロンオーダで
の加工手段として集束イオンビーム装置が注目されてい
る。グレイン観察を行う場合は、サブミクロンオーダに
絞られた集束イオンビーム(以下、FIBと表現する場
合もある)を試料表面で走査し、試料表面から放出され
る二次電子を検出して、試料断面や材質の拡大像をディ
スプレイ上にSIM(Scanning Ion Microscope )像と
してとらえる。SIM像は電子ビームによるSEM(Sc
anning Electron Microscope)像に比べて一般的に高い
コントラストが得られる。
は、例えばアルミニウムのグレインを観察する方法が、
プロシーディングス オブ インターナショナル リラ
イアビリティー フィジィックス シンポジウム、(1
989年)第43頁から第52頁(Proceedings of Inte
rnational Reliability Physics Symposium,(1989)pp.4
3-52) で論じられている。
うに酸化しやすい物質の場合、真空度の悪い状態で観察
を行うと試料表面に酸化膜が形成されてしまいグレイン
観察に支障をきたすことが知られている。試料表面に形
成された酸化膜はFIBを照射するにより除去すること
ができるため、グレイン観察の可否はFIB照射による
酸化膜の除去速度と試料室雰囲気での試料表面の自然酸
化速度との兼ね合いで決まる。
繰り返し走査して観察する場合には、今回の走査によっ
て酸化膜(以下では、酸素吸着層も含めて酸化膜と呼
ぶ)が除去され後、新たに酸化膜が形成される前に次回
の走査が行われるために比較的良好なグレイン観察が可
能になる。ところが、低倍率観察のように広い範囲を繰
り返し走査して観察する場合には、単位面積あたりのビ
ーム滞在時間が高倍率の場合に比べて短くなり、酸化膜
除去効果が減少するので良好なグレイン観察が難しいと
いう問題があった。
を利用して分解能の高いSIM像を広範囲にわたって得
られるようにすることが望ましい。このためには(1) F
IB電流密度の増大させる、あるいは(2) 試料室の高真
空度化を図る、ことが望ましいが、(1) については微細
ビーム化と高電流密度化とが必ずしも両立しない点に難
しさがある。また、(2) については試料ステージの材質
や真空排気ポンプ等を超高真空用にする必要があり高価
なものとなってしまうばかりか、真空排気に時間がかか
って装置の稼働率が低下してしまう問題があった。
点を解決し、電流密度や真空度を高くすること無くコン
トラストの良好なSIM像を得られるようにして、分解
能の良好なグレイン観察を低コストで提供できるように
した集束イオンビーム装置を提供することにある。
ために、本発明では、観察対象領域を仮想的に複数の小
領域に分割する手段と、小領域に対して時系列的に第1
ビームおよび第2ビームを順次照射する手段と、前記時
系列的照射を各小領域に対して実行する手段と、前記第
2ビームの照射に応答して試料から発生する二次信号を
検出する手段と、各小領域に関する二次信号から観察対
象領域の走査像を形成する手段とを具備した点に特徴が
ある。
に複数の小領域に分割され、各小領域に対して時系列的
に第1ビームおよび第2ビームが照射されるので、小領
域内では第1ビームの照射が終了した直後に第2ビーム
が照射されることになる。すなわち、小領域内の各部で
は、第1ビームによって酸化膜が除去された後、新たな
酸化膜が形成される前に第2ビームが照射されるので、
第2ビームは酸化膜ではなく試料自身に直接照射される
ことになる。そして、走査像を形成するための二次信号
は第2ビームの照射タイミングで検出されるので、当該
走査像には酸化膜に関する二次信号が含まれない。
る。図5は、本発明を適用した集束イオンビーム装置の
光学系の主要部の構成を示した図である。
オンはコンデンサーレンズ101および対物レンズ10
7によって試料112上に集束される。ビーム加速電圧
は30kVである。前記レンズ101、107間には可
変アパーチャ102、アライナ・スティグマ103、ブ
ランカ104、ブランキング・アパーチャ105、およ
びデフレクタ106が配置されている。試料112は、
X方向、Y方向、Z方向、チルト、および回転の5軸方
向に制御可能な試料ステージ108上に載置される。F
IBの照射により試料112から発生した二次電子は二
次電子検出器109により検出される。
系の主要部の構成を示したブロック図である。
御バス17を介して制御コンピュータ15により行われ
る。高圧電源2は光学系に高電圧を供給してビームの加
速及び集束を行う。イオン源制御電源3は、イオン源1
00の加熱及び引出し電流制御を行う。絞り制御電源4
は、絞りの中心位置及び大きさを制御する。ブランキン
グ制御電源5は、試料112への不要なビーム照射を禁
止する。アライナ/スティグマ制御電源6は、アライメ
ント及び非点補正を行う。偏向アンプ7は、デジタル・
スキャナ10及びアナログ・スキャナ11の信号を増幅
・演算してデフレクタ106を駆動する。
出力信号を増幅及び電流/電圧変換する。画像メモリ1
2は、A/D変換されたプリアンプ出力を記憶する。本
実施例では、画像メモリ12が512×512画素で構
成され、各画素は8ビットの階調を有するものとして説
明する。画像メモリ12に記憶された情報は制御バス1
7を介して制御コンピュータ15に転送され、CRT1
6上にSIM画像として表示される。また、プリアンプ
8の出力はCRTブランキング制御回路13を介して残
光性CRT14に輝度信号として送られ、アナログ・ス
キャナ11の走査と同期させることにより残光性CRT
14上にSIM像を表示する。このSIM像は走査線数
を数千本に設定できるため写真撮影に利用する。ステー
ジ制御電源9は、試料112上の所望の観察場所をFI
B偏向領域に移動させるために利用する。
よる観察方法の一例を説明する。図1は、デジタル・ス
キャナ10を用いて観察する場合の動作を示したフロー
チャートである。
的に縦横512×512の間隔で複数の小領域に分割
し、別途指定された拡大倍率に基づいて画像メモリ12
の各アドレスと各小領域とを対応付ける。本実施例で
は、図7に示したように画像メモリ12は512×51
2画素に相当する記憶領域を有し、偏向領域は16μm
×16μmに設定した。この結果、画像メモリ12の各
アドレスに対応したビーム偏向点のピッチは16μm/
512=約0.03μmとなる。ステップS12では、
画像メモリ12のアドレスを指定する変数x、yを初期
化して“0”にセットする。
ドレスに対応した小領域のビーム偏向点に予めFIB
(表面加工用)を照射して酸化膜を除去する。この場
合、試料上に投射されたFIBはビーム径方向に強度分
布(ほぼガウス分布)を有しており、ビーム径は一定の
強度以上の幅で定義されている。従って、定義されたビ
ーム径の外側にも弱く分布しているビームが試料に照射
される。したがって、本実施例では、図2(a) に示した
ように、画像メモリ12のアドレスに対応したビーム偏
向点(位置5)を中心にビームスポットが半分づつ重な
るように位置1(1st)〜9(9th)の9点の偏向点を
定義して順に照射する。このようにすると加工範囲内で
酸化膜が島状に残らない。本実施例で用いたFIBのビ
ーム径は0.025μmである。これにより、アドレス
に対応したビーム偏向点近傍の表面酸化膜を除去するこ
とができる。なお、表面加工用FIBを照射する順序は
前記1st〜9thに限らず、どのような順序であっても良
い。
照射を完了すると、ステップS14では、図2(b) に示
したように、アドレスに対応した偏向点{前記表面加工
工程の位置5(5th)の偏向点}にFIB(データ収集
用)を照射(10th)し、これに伴って試料から発生し
た二次電子を2次電子検出器109で検出し、A/D変
換して画像メモリ12に書き込む。このようにすれば、
ビーム径外側に弱く分布しているビームが試料上の酸化
膜を照射して二次電子を放出することがないためSIM
像の質を低下させることが無い。なお、本実施例では、
ステップS13で用いたFIBとステップS14で用い
たFIBとは照射条件を同一にした。
分のデータ収集が完了すると、ステップS15では変数
xを1だけインクリメントする。ステップS16では、
変数xが512に達したか否か、すなわち1ライン分の
データ収集が完了したか否かが判断され、1ライン分の
データ収集が完了するまで前記ステップS13〜S16
の処理が繰り返えされる。
テップS17ではxに再び“0”をセットする。ステッ
プS18では変数yを1だけインクリメントする。ステ
ップS19では、変数yが512に達したか否か、すな
わち1画像メモリ分のデータ収集が完了したか否かが判
断され、1画像メモリ分のデータ収集が完了するまで前
記ステップS13〜S18の処理が繰り返えされ、最終
的に16μm角のSIM像が完成する。
程とデータ収集工程とが時系列的に繰り返されるので、
表面加工工程を経て酸化膜を除去された試料表面に対し
て直ちにデータ収集を行うことができる。したがって、
酸化膜がない状態の試料表面に対する観察が可能となっ
て良好なグレイン観察が可能になる。
観察する場合の動作を示したフローチャートである。こ
こでは、二次電子信号が残光性CRT14の輝度信号と
して入力され、残光性CRT14上にSIM像を表示す
るものである。
向に略等間隔で複数の小領域に分割し、別途指定された
拡大倍率に基づいて走査線の走査幅および走査ピッチを
決定する。アナログ・スキャナ11は、前記走査幅およ
び走査ピッチに基づいて前記X軸方向の三角波とY軸方
向の階段波を発生させる。ステップS22では、y方向
の走査位置(走査ライン)を与える変数yに“0”をセ
ットする。
走査ラインに予めFIBを照射して酸化膜を除去する。
本実施例でも、FIBがビーム径方向に強度分布を有し
ていることに基づく酸化膜の未除去部分を残さない様に
するため、図3(a) に示したように、変数yに対応した
走査ライン(位置2)を中心にビームスポットが半分づ
つ重なるように位置1(1st)〜3(3rd)の3ライン
を順に走査する。このようにすると、前記同様加工範囲
内で酸化膜が線状に残らない。なお、当該処理での各位
置1〜3の走査時にはCRTブランキング回路13を制
御してCRTの輝度を黒レベルに固定する。
照射を完了すると、ステップS24では、図3(b) に示
したように、変数yに対応した偏向点(前記表面加工工
程の位置2の偏向点)にFIBを照射(4th)し、これ
に伴って試料から発生した二次電子を2次電子検出器1
09で検出する。このとき、CRTブランキング回路1
3を通過状態にし、検出された二次電子信号を輝度信号
として残光性CRT14に与えて走査線を表示する。
リメントする。ステップS26では、変数yが“200
0”に到達したか否か、すなわちCRT上の走査線が2
000本になるまで繰り返されたか否かが判断され、2
000本に達すると当該処理を終了する。このときのS
IM像を写真撮影すると高分解能写真が得られる。
加工工程とデータ収集工程とが時系列的に繰り返される
ので、表面加工工程を経て酸化膜を除去された試料表面
に対して直ちにデータ収集を行うことができる。したが
って、酸化膜がない状態の試料表面に対する観察が可能
となって良好なグレイン観察が可能になる。
およびデータ収集時のビーム条件を同一にするものと
し、目標位置の周囲を広い範囲に渡って予めFIBを照
射するものとして説明したが、本発明はこれのみに限定
されず、ビームをぼかすことにとり実質的なスポット径
を大きくして照射部分を拡大するようにしても良いし、
あるいは、画質が多少低下しても良いのであれば、表面
加工時およびデータ収集時のビーム照射位置を同一にし
ても良い。
室の真空度に依存する。従って、試料室の真空度を計測
し、その情報をもとに該表面加工工程でのビームの照射
時間やエネルギ等の照射条件を適宜に設定することによ
り、試料損傷を最小にして清浄表面を出し、良好なグレ
イン観察SIM像を得ることも可能である。
象領域が仮想的に複数の小領域に分割され、各小領域に
対して時系列的に表面加工用ビームおよび観察用ビーム
が照射されるので、小領域内の各部では、表面加工用ビ
ームによって酸化膜が除去された後、新たな酸化膜が形
成される前に観察用ビームが照射されるので、観察用ビ
ームの照射タイミングで二次信号を検出すれば、FIB
の電流密度や試料室の真空度が必ずしも良好でなくて
も、コントラストの良いグレインが観察できるSIM像
が得られる。
る。
用ビームおよび観察用ビームの相対的な照射位置を示し
た図である。
用ビームおよび観察用ビームの相対的な照射位置を示し
た図である。
る。
学系の構成を示した図である。
御系の構成を示した図である。
関係を示した図である。
源、4…絞り制御電源、5…ブランキング制御電源、6
…アライナ/スティグマ制御電源、7…偏向アンプ、8
…プリアンプ、9…ステージ制御電源、10…ディジタ
ル・スキャナ、11…アナログ・スキャナ、12…画像
メモリ、13…CRTブランキング制御回路、14…残
光性CRT、15…制御コンピュータ、16…CRT、
100…液体金属イオン源、101…コンデンサ・レン
ズ、102…可変アパーチャー、103…アライナー・
スティグマー、104…ブランカー、105…ブランキ
ング・アパーチャー、106…デフレクター、107…
対物レンズ、108…ステージ、109…二次電子検出
器、112…試料
Claims (9)
- 【請求項1】 集束イオンビームを試料上で走査した際
に二次的に発生する信号を検出して走査像を得る集束イ
オンビーム装置において、 観察対象領域を仮想的に複数の小領域に分割する手段
と、 前記小領域に対して時系列的に第1ビームおよび第2ビ
ームを順次照射する手段と、 前記時系列的照射を各小領域に対して実行する手段と、 前記第1ビームの照射に続く第2ビームの照射に応答し
て試料から発生する二次信号を検出する手段と、 各小領域に関する二次信号に基づいて観察対象領域の走
査像を形成する手段とを具備したことを特徴とする集束
イオンビーム装置。 - 【請求項2】 前記第1ビームおよび第2ビームは同一
領域に照射されることを特徴とする請求項1記載の集束
イオンビーム装置 - 【請求項3】 前記第1ビームは、予め定められた第2
ビームの照射領域を中心にビームスポットの一部が重な
るように多重照射されることを特徴とする請求項1記載
の集束イオンビーム装置。 - 【請求項4】 前記第1ビームの試料面でのスポット径
は第2ビームのスポット径よりも大きいことを特徴とす
る請求項1ないし3のいずれかに記載の集束イオンビー
ム装置。 - 【請求項5】 前記第1ビームの焦点を、正規に調整さ
れた第2ビームの焦点からずらしたことを特徴とする請
求項4記載の集束イオンビーム装置。 - 【請求項6】 前記分割手段は、観察対象領域を縦方向
および横方向に略等間隔で分割するようにしたことを特
徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の集束イオ
ンビーム装置。 - 【請求項7】 前記分割手段は、観察対象領域を縦方向
に略等間隔で分割するようにしたことを特徴とする請求
項1ないし5のいずれかに記載の集束イオンビーム装
置。 - 【請求項8】 試料が支持されている領域の真空度を計
測する手段を具備し、計測された真空度に応じて第1ビ
ームの照射条件を制御するようにしたことを特徴とする
請求項1ないし7のいずれかに記載の集束イオンビーム
装置。 - 【請求項9】 前記第1および第2ビームは同一のビー
ム源から放出されることを特徴とする請求項1ないし8
のいずれかに記載の集束イオンビーム装置。
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DE (1) | DE4423407C2 (ja) |
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