JPH0729280B2 - 板状物分断方法およびその分断装置 - Google Patents

板状物分断方法およびその分断装置

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JPH0729280B2
JPH0729280B2 JP3511686A JP3511686A JPH0729280B2 JP H0729280 B2 JPH0729280 B2 JP H0729280B2 JP 3511686 A JP3511686 A JP 3511686A JP 3511686 A JP3511686 A JP 3511686A JP H0729280 B2 JPH0729280 B2 JP H0729280B2
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blade
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は板状物の分断技術、たとえば、半導体薄板(ウ
エハ)を劈開させて半導体レーザ素子(レーザチップ)
を製造する技術、あるいはセラミック板等をその一面に
設けられた応力集中用溝に沿って分断して混成集積回路
用の配線基板を製造する技術等の板状物分断技術に関す
る。
〔従来の技術〕
光通信用光源あるいはディジタルオーディオディスク,
ビデオディスク等の情報処理装置用光源となる半導体レ
ーザ素子の製造技術については日経マグロウヒル社発行
「日経エレクトロニクス」1981年9月14日号、P138〜P1
52に記載されている。この文献には、半導体レーザ素子
(以下、単にレーザチップとも称する。)は、電極を形
成したウエハを縦横に分断(劈開)することによって製
造され、レーザ光はこの劈開面から発行されることが記
載されている。
また、ウエハを縦横に分断してチップ化する技術として
は、工業調査会発行「電子材料」1975年7月号、昭和50
年7月1日発行、P44〜P48に記載されている。この文献
には、半導体集積回路の製造においてウエハをチップに
する技術として、ダイヤモンドスクライビング,ダイシ
ング,レーザスクライビング等の技術があることが記載
されている。
本発明者は、前記ダイヤモンドスクライビング技術を利
用したレーザチップ化について検討した。以下は、公知
とされた技術ではないが、本発明者によって検討された
技術であり、その概要は次のとおりである。
ウエハをチップ化するに先立って、最初に、ウエハ下面
をワックスで金属板に貼り付けられる。その後、ダイヤ
モンドスクライバーでウエハの所望位置にブレイキング
用の傷が入れられる。次いで、ローラ等によって前記ウ
エハの貼り付いた金属板は繰り返し曲げられ、ウエハの
ブレイキングが行われ、細長い短冊体が製造される。こ
の短冊体は、その後、さらに一定間隔に分断され、矩形
のレーザチップとなる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
Si,GaAs等を用いた半導体集積回路装置の製造における
チップ化は、前記文献にも記載されているような、ダイ
ヤモンドスクライビング,ダイシング,レーザスクライ
ビングによって行われている。しかし、半導体レーザ素
子のようにチップの端面をレーザ光の出射面(ミラー
面)として利用する構造の場合は、前記ダイシング,レ
ーザスクライビングのような分断手法は分断面がミラー
面とならないことから採用できない。
一方、前述のようにダイヤモンドスクライビングとウエ
ハの繰り返し曲げによるブレイキングとによる方法は、
繰り返される曲げによって分断端相互が激しく接触し、
分断端に割れ欠けを生じたりあるいはシヤープな劈開が
できない等の問題が生じることが本発明者によってあき
らかにされた。また、この方法にあっては、分断後レー
ザチップを金属板から取り外す際、有機溶剤によってワ
ックスは洗浄されて溶かされる。この場合、チップ状と
なったものがバラバラとなり、洗浄時、チップとチップ
とがぶつかりチップの端に傷が生じたり、チップの端が
他のチップの劈開面にぶつかり劈開面に傷が生じたり、
あるいは有機溶剤がチップ端に残留し汚染されたりする
こともわかった。
本発明の目的は板状物の分断における分断によって得ら
れる分断片の割れ,欠けが生じ難い板状物分断技術を提
供することにある。
本発明の他の目的は板状物の分断においてきれいな分断
面が得られる板状物分断技術を提供することにある。
本発明の他の目的は板状物を再現性良く自動的に分断で
きる板状物分断技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、
本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであ
ろう。
〔問題点を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要
を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明のウエハの劈開による分断は、最初に
ウエハの一側にダイヤモンドスクライビング装置で結晶
の劈開面に沿うような傷を設けた後、このウエハを支持
テープと保持テープとの間に保持し、その後、前記ウエ
ハ上面の傷直下に対応するウエハ下面の一端縁をカッタ
ーの傾斜刃で突き、前記傷部からウエハの結晶の劈開面
に沿うように劈開を行ってウエハの分断を行うものであ
る。
〔作用〕
上記した手段によれば、ウエハ上面にあらかじめ設けら
れた傷の直下に対応するウエハ下面の一端縁に機械的に
刃を突き当てるように当てることから、その応力はウエ
ハにおける結晶の劈開線に沿って作用するため、再現性
良くウエハの劈開が行え、きれいな劈開面が得られる。
また、前記劈開に際して、弾力性のある支持テープと保
持テープとの間にウエハは強く挟まれているため、分断
されたもの同志がぶつかることもなく、かつ有機溶剤等
による洗浄も行われないことから、分断面に傷が付いた
り、あるいは汚染されることはなく、歩留りの向上が達
成される。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の一実施例について説明す
る。
第1図は本発明の一実施例によるウエハの劈開状態を示
す模式図、第2図は同じく本発明の板状物分断装置を示
す模式図、第3図は同じくウエハとカッターとの関係を
示す斜視図、第4図は同じくマスキングテープに貼り付
けられたウエハを示す斜視図、第5図は同じくカッター
の姿勢調整機構等を示す断面図、第6図は同じくカッタ
ーの保持状態を示す断面図、第7図は同じくウエハの分
断によって製造されたレーザチップを示す斜視図であ
る。
本発明による分断技術は、原理的には第1図に示される
ようになっている。すなわち半導体薄板(ウエハ)1を
劈開する場合、ウエハ1の一端の主面(上面)の劈開方
向と直交する縁(エッジ)部分には、あらかじめ劈開位
置決定用の傷2が設けられる。この傷2は図に示される
ように鋭角となっているのが望ましい。また、傷2の部
分に結晶性のみだれが存在する方が好ましい。このウエ
ハ1に対して、ウエハ1上面の前記傷2直下に対応する
ウエハ下面位置に、下方からカッター3が上昇し、その
刃4を突き当てる。前記刃4は上面(下面)により作ら
れる平面に対して傾いた傾斜刃となっていて、その傾斜
した刃の途中部分がウエハ1の下面(裏面)の縁に当て
られる。この結果、刃4による突き当て部分は、ウエハ
1の主面に設けられた傷2に対面する裏面の縁(エッ
ジ)であることから、この傷2の底に応力集中が作用
し、傷2の底から劈開が開始される。また、ウエハ1の
突き当て部分には、前記刃4の傾斜刃の傾斜面に直交す
る方向に突き当て力が作用することから、劈開力は、第
1図の二点鎖線矢印に示されるように、ウエハ1の劈開
方向に沿って進み、同図でクロスハッチングが施された
劈開面5(同図では説明の便宜上ウエハ主面に垂直な面
となっている。)で劈開が行われる。
このようなウエハの分断方法は、ウエハ1は傷2部分で
劈開されるため、常に劈開位置は高精度となり、再現性
の高い分断が行えることになる。したがって、前記傷2
の形成精度、すなわち、傷2のピッチを高精度にすれ
ば、分断された分断片の幅寸法も高精度となる。また、
この方法によれば、ウエハ1に突き当たるカッター3の
刃4の突き当たり領域、すなわち、直接の突き当たりに
より破損領域は、ウエハ1の一端部分のみであり、その
他の部分の分断は劈開によるものであることから破断面
の損傷が少なく、ウエハ1の分断のための破損は最小限
となり、歩留りの高い分断が行えることになる。また、
この方法は、ウエハ1をカッター3で突き上げる一動作
で分断が行えるため、分断されたウエハ部分は相互に離
れるようにして上方に動くだけであり、繰り返し曲げが
行われる場合のように、対面する分断面がその後激しく
衝突するようなこともない。このため、分断面部分に傷
が入ったり、あるいは縁の割れ欠けが生じたりするよう
なことは少なくなり、信頼度が高くなるとともに、歩留
りも向上する。
つぎに、このようなウエハ分断を行う板状物分断装置に
ついて説明する。
板状物分断装置は、第2図に示されるように、機台6上
にカバー状の支持体7を有している。この支持体7の上
部中央は矩形状に開口し被分断物の保持部を構成してお
り、この縁上に治具8を載置するようになっている。治
具8は前記支持体7の開口部周縁に設けられたガイド9
で位置決めされる。また、前記治具8は、第3図に示さ
れるように、枠状の金属板、たとえば、アルミニユウム
板からなっていて、その下面に支持テープ10の下面が強
固に貼り付けられている。この支持テープ10下面はウエ
ハ1上面が押し付けられるテープであることから、後述
するウエハ1の分断時に支持テープ10に作用する応力に
充分耐えるだけの強度と弾力性とを有している。したが
って、この支持テープ10は強い接着力で治具8に貼り付
けられている。また、前記支持テープ10は透明体となっ
ていて、押し付けられたウエハ1をその上方から目視で
きるようになっている。
一方、前記支持テープ10に押し付けられるウエハ1は、
第4図に示されるように、矩形の透明な保持テープとし
てのマスキングテープ11に貼り付けられる。このマスキ
ングテープ11とウエハ1との接着力は、前記支持テープ
10と治具8との接着力程強力ではない。これは、ウエハ
1を分断した後、分断片をマスキングテープ11から簡単
に取り外すことができるようにするためである。ウエハ
1を治具8に取り付ける場合、最初にウエハ1は前記マ
スキングテープ11に貼り付けられる。その後、ウエハ1
はダイヤモンドスクライビング装置によってその一端に
傷2が付けられる。この傷2は、ウエハ1の結晶におけ
る劈開面に沿うように設けられる。また、傷2は、特願
昭59−19351,特開昭59−19352の様なダイヤモンドスク
ライビング装置によって、劈開面に直交するウエハ1の
一辺の端から端に亘って一定の間隔(ピッチ:a)に付け
られる。ウエハ1に傷2が付けられた後、ウエハ1を支
持するマスキングテープ11は、前記支持テープ10にマス
キングテープ11の接着力によって貼り付けられる。ウエ
ハ1はマスキングテープ11と支持テープ10との間に強固
に挟まれる。その結果、後述する如くカッター3をウエ
ハ1の1部に突き当てる動作を一定ピッチa毎に繰り返
しても分断されたウエハ1の分断片は支持テープに強固
に押さえつけられているため移動することはない。よっ
て分断面同志のこすれや分断片の端の割れ欠けは発生し
がたい。
他方、前記支持体7の内部の機台6上には、第2図に示
されるように、機台6上にステージ12が配設されてい
る。このステージ12は、ピッチ送り機構Aに接続されて
いる。ピッチ送り機構Aはパルスモータ等のサーボモー
タ13と、これによって正逆回転するネジ軸14を有する。
このネジ軸14はステージ12に螺合されており、このネジ
軸14の回転でステージ12は移動する。その結果、ウエハ
1に対してカッター3を一定の間隔(ピッチ:a)だけ移
動させることができる。このサーボモータ13の正回転に
よって図中右方向に移動し、逆回転によって左方向に移
動するようになっている。また、前記ステージ12はY方
向にも移動制御可能となっているとともに、回転方向の
調整も可能となってウエハ1上の傷2に対する刃4の位
置を正確に制御できるようになっている。前記ステージ
12の上部は上下動機構Bとしてのサーボモータあるいは
空圧のシリンダー等によって上昇下降するようになって
いてステージ12上に取り付けられている刃4の上下動を
可能とする。また、第5図に示されるように、ステージ
12の主面には、高さ調整ネジ15によって高さ調整体16が
取り付けられており、高さ調整ネジ15の回転によって高
さ調整体16が上下するようになっている。したがって、
高さ調整体16の高さHを調整する必要が生じた場合は、
前記高さ調整ネジ15を回転操作すればよい。この結果、
ウエハ1に対する刃4の初期高さが調整可能となる。こ
の高さ調整体16はステージ12に対して回転自在となって
おり、ウエハ1の劈開方向に対する刃4の角度が調整可
能となっている。
さらに、前記高さ調整体16の主面(上面)中央部分に
は、ウエハ1の主面に対する刃4の傾きを調整するため
の角度調整体17が配設されている。この角度調整体17の
一端は、前記高さ調整体16に固定された支持片18に取り
付けられたピン19に回転自在に取り付けられている。ま
た、前記角度調整体17の他端部は角度調整ネジ20によっ
て支持されるとともに、角度調整ネジ20を介して前記高
さ調整体16に取り付けられている。したがって、前記角
度調整ネジ20の回転によって前記角度調整体17はその傾
斜角度を変えるようになっている。また、前記高さ調整
体16と角度調整体17との間には、ロック用ボルト21とロ
ック用ナット22とが配設され、角度調整体17の傾斜角度
を変更した後、ロック用ボルト21に対してロック用ナッ
ト22を締め付けることによって角度調整体17を高さ調整
体16に対してロックできるようになっている。
前記角度調整体17の主面中央にはカッター支持ブロック
23が固定されている。このカッター支持ブロック23は、
第6図にも示されるように、断面がU字状となるととも
に、その一側には固定ネジ24が取り付けられている。し
たがって、このカッター支持ブロック23にカッター3を
取り付ける際は、前記カッター支持ブロック23の窪み部
分に上方からカッター3を入れ、かつ固定ネジ24の先端
面とカッター3との間にバッファ25を介在させ、その
後、固定ネジ24を締め付けることによってカッター3を
カッター支持ブロック23に固定する。前記バッファ25は
前記固定ネジ24の締め付けによってカッター3に局所的
に力が加わってカッター3が破損しないようにするため
である。
また、第5図に示すように、前記カッター支持ブロック
23に固定されたカッター3の先端の刃4は、カッター3
の延在する垂直方向に対してある一定の角度θ0を有す
る傾斜刃となっている。したがって、カッター3をカッ
ター支持ブロック23に垂直状態に取り付ければ、カッタ
ー3自身の傾斜刃の傾斜角θ0を有するようになるが、
前記カッター3を支持する角度調整体17の角度を調整す
れば、第3図および第5図に示されるように、所望の傾
斜角度θ0を得ることができるようになる。この傾斜角
度は約1°〜10°の範囲が望ましい。
なお、第2図に示される26は、ウエハ1の傷2等を観察
するための顕微鏡の接眼レンズ部である。
次に、第7図を用いて分断工程を説明する。
このような板状物分断装置を用いてウエハ1を分断する
場合は、前記支持体7の開口部の板状物取付部にウエハ
1の取り付けられた治具8を位置決め固定した後、前記
顕微鏡26を利用してウエハ1の傷2aの位置を確認しかつ
ウエハ1の傷2aに対するカッター3の位置を修正する。
カッターの位置修正は、第7図(a)に示すように、劈
開方向5aに対するカッター3′の角度ずれα,傷2aに対
するカッター3″の位置ずれβ,ウエハ1に対するカッ
ター3の位置ずれγ,などが修正される。この修正は
ステージ12の位置修正により行うことができる。次に、
第7図に示すように、ウエハ1に対するカッター3の
高さhを修正し所望のカッター位置(3b)を設定する。
その後、前記ステージ12の上部を上昇させ、ステージ12
の中央上部に取り付けられたカッター3bの先端の刃4bを
最初のブレイク点である傷2a直下に位置するウエハ下面
の縁BPに突き当てる。ウエハ1に対するカッター3bの突
き当て量は、たとえば、ウエハ1の厚さの2〜3倍程度
であって、0.3mm〜0.4mm程度である。また、前記ウエハ
1に突き当たるカッター3bの傾斜刃を有する刃4bの傾斜
角度θは数度程度となる。この結果、カッター3bの刃4b
の傾斜した途中部分がウエハ1上面に形成した傷2aに対
してその直下に位置するウエハ下面の縁BPに突き当たる
ため、傷2bの底で応力集中によって破断が生じるととも
に、ウエハ1に対する突き当て力はウエハ1の延在方向
Yにも加わるため、ウエハ1の劈開面に沿って劈開が走
り、ウエハ1は分断され細長い短冊体となる。
カッター3はウエハ1に突き当った後は、自動的に降下
する。その後、ステージ12はX方向に1ピッチa移動
し、第7図(a),(b)にカッター3bで示す位置にカ
ッターが移動する。そして、カッター3bは再び上昇して
ウエハ1の隣の傷2bの直下に位置する縁BPに突き当た
る。このようにして、ウエハ1は順次分断される。な
お、前記短冊体は、その後所定間隔で分断され、第8図
に示されるような半導体レーザ素子(レーザチップ)27
となる。
ここで、レーザチップ27について、簡単に説明する。こ
のレーザチップ27は、たとえば、光通信用のレーザチッ
プ27であって、InP系の化合物半導体によって形成され
ている。また、このレーザチップ27は埋め込みヘテロ構
造(bu−ried−hetero structure:BH)となっている。
レーザチップ27はn形のInPの基板28の主面〔上面:(1
00)結晶面〕にn形InPからなるバッファ層29;InGaAsP
からなる活性層30,p形InPからなるクラッド層31,p形InG
aAsPからなるキャップ層32を順次形成した多層成長層33
がストライプ状に形成されている。この多層成長層33は
断面形状が逆三角形となり、いわゆる逆メサ構造となっ
ている。また、この逆メサ面部分の下端から下方の部分
は緩やかに広がる順メサ構造となっている。そして、こ
の多層成長層33の両側にはp形のInPからなるブロッキ
ング層34,n形のInPからなる埋め込み層35,InGaAsPから
なるキャップ層36が積層状態で埋め込まれている。ま
た、多層成長層33の電極コンタクト領域を除く基板28の
主面側は絶縁膜37で被われている。そして、基板28の主
面側にはCr/Auからなるアノード電極38が設けられると
ともに、裏面には、AuGe/Ni/Auからなるカソード電極39
が設けられている。また、前記キャップ層32およびクラ
ッド層31の表層部分には亜鉛が拡散されてP+形の亜鉛拡
散領域からなるオーミック,コンタクト層40(点点が施
されている領域)が設けられている。
このようなレーザチップ27は前記活性層30の端が露出す
る面が劈開面、すなわち、ミラー面41となり、前記板状
物分断装置による劈開によって形成される。したがっ
て、前記アノード電極38とカソード電極39に所定の電圧
が印加されると、前記ミラー面41からレーザ光42が出射
されることになる。
上記実施例においては、カッター3を上下動させるとと
もに、ピッチ送りさせてウエハ1の分断を行う板状物分
断装置について示した。この場合の利点は、ウエハ1を
確実に固定できる点と、小型,軽量のカッター3の上下
動機構Aと、カッター3のピッチ送り機構Bを簡素化,
小型化できる点と、にある。
しかし、上述した機構に限らず種々変形可能である。す
なわち、この板状物分断装置は、ウエハ1とカッター3
の刃4との相対的な距離を変化できる上下動機構Aと、
ウエハ1面内におけるカッター3の相対的な位置を変化
できるピッチ送り機構Bと、を有していれば良い。
よって、カッター3とウエハ1との相対的な関係は、第
8図(a),(b),(c)に示す3つの方法が装置的
に考えられる。すなわち、カッター3を上下動させウエ
ハ1をピッチ送りする方法〔第9図(a)〕、カッター
3をピッチ送りしウエハ1を上下動させる方法〔第9図
(b)〕、およびカッター3を固定しウエハ1を上下動
ならびにピッチ送りする方法〔第9図(c)〕がある。
上下動機構Aとピッチ送り機構Bとは、上記3つの方法
を実現できるように板状物分断装置に設けられる。尚、
同図はウエハ1,カッター3,上下動機構A,ピッチ送り機構
Bを模式的に表したものである。
さらに、上記ではウエハ1に対してカッター3を突きあ
げる例について示してあるが、第10図に模式的に表され
るようにウエハ1に対して、カッター3を突き下げるよ
うにしても何等本発明の主旨を逸脱するものではない。
第11図は、本発明に用いられるカッター3aの他の例を示
している。カッター3aは矩形状であっても良い。カッタ
ー3aの刃4aはウエハ1の主面(又は裏面)によって作ら
れる平面と角度θ1を持つように、バッファ25を介して
固定ネジ24、24でカッター支持ブロック23に固定され
る。この矩形状カッター3′は鋭角状の先端を有しない
ため、マスキングテープに傷をつけるような事は少な
く、マスキングテープの耐用時間を長くできる。
尚、上記においては、ウエハ1主面の所望部分に設けた
傷2に対して、その傷2直下に対応するウエハ裏面の縁
(エッジ)にカッター3を刃4を突き当てる実施例を説
明したが、カッター3の刃4を傷2に突き当てるように
カッター3を上下動させても良い。さらに、傷2はダイ
ヤモンドスクライビング装置によって作られるものが臨
ましいが、それに限らない。この傷2は劈開の発生する
位置の決定と、応力集中部分の決定との意味を有してい
る。そのため、エッチング法を用いてウエハ1上の所望
位置に傷を形成しても良い。
このような実施例によれば、つぎのような効果が得られ
る。
(1)本発明によれば、ウエハ1の一端に付けた傷2に
対面しかつウエハ1の一面の縁にカッター3の刃4を突
き当てることから、傷2の部分から劈開が生じるため、
分断位置が正確となるという効果が得られる。
(2)上記(1)により、本発明によれば、ウエハ1は
その一端にカッター3の刃4が当たることによって劈開
が行われるため、分断後は分断縁や分断面同志が激しく
ぶつかり合うようなこともないことから、劈開面が傷付
いたり、あるいは劈開縁が割れたり欠けたりし難くな
り、高い品質の製品が得られるという効果が得られる。
(3)上記(2)により、本発明によればチップ化の歩
留り向上が達成できるという効果が得られる。
(4)本発明によれば、ウエハ1の分断のためにウエハ
1に突き当たるカッター3の刃4は、ウエハ1の一端部
分のみであることから、ウエハ1の刃4の突き当たりに
よる破損は限られるため、分断歩留りが高いという効果
が得られる。
(5)本発明によれば、ウエハ1は傷2の部分で再現性
良く分断されるため、分断片の分断幅が一定となり、歩
留りの高い分断が行えるという効果が得られる。
(6)本発明によれば、ウエハ1はマスキングテープ11
に貼り付けられていることから、チップ状になってもバ
ラバラとなることなく整列状態を維持するため、チップ
を取り出す場合、たとえば、割れ欠けがあるようなもの
を判別し、良品のみを取り出すことも容易であるという
効果が得られる。
(7)上記(1)〜(6)により、本発明によれば、ウ
エハを高精度にかつ高歩留りで分断できるため、分断コ
ストの低減が達成できるという相乗効果が得られる。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具
体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
であることはいうまでもない、たとえば、繰り返しウエ
ハの分断を行うと、治具8の支持テープ10が汚れ、この
結果、ウエハ1が汚れる場合がある。そこで、このよう
な場合は、マスキングテープ11に支持されたウエハ1を
治具8に取り付ける際、ウエハ1と治具8の支持テープ
10との間に汚れ防止用の保護テープを介在させると良
い。また、カッター3の幅はウエハ1の全長に亘るもの
であっても突き当て量等適当に選べば前記実施例同様な
効果が得られる。なお、前記板状物分断装置の各部の機
構は一般に使用されている他の機構であってもよいこと
は勿論である。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明
をその背景となった利用分野である半導体レーザ素子の
製造技術に適用した場合について説明したが、それに限
定されるものではない。
本発明は少なくとも被分断板状物自身が有する破断傾向
や被分断板状物に人為的に付けられた被断傾向を有する
板状物等の分断に方向性がある分断技術には適用でき
る。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち代表的なものによっ
て得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりであ
る。
本発明によれば、ウエハ1はマスキングテープ11に貼り
付けられた状態で支持テープ10に取り付けられて強固に
挟まれ、かつウエハ1上面の一端にあらかじめ付けられ
た傷2直下に対応するウエハ下面部分にカッター3の刃
4が突き当てられて劈開されていくため、各分断片はそ
の位置を変えることなく再現性良く分断が行える。ま
た、この方法によれば、ウエハ1は強固に挟まれている
ため、劈開後分断縁部分が相互に激しく衝突することは
ないことから分断時の損傷も少なく歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるウエハの劈開状態を示
す模式図、 第2図は同じく本発明の板状物分断装置を示す模式図、 第3図は同じくウエハとカッターとの関係を示す斜視
図、 第4図は同じくマスキングテープに貼り付けられたウエ
ハを示す斜視図、 第5図は同じくカッターの姿勢調整機構等を示す断面
図、 第6図は同じくカッターの保持状態を示す断面図、 第7図(a),(b)は同じく本発明の分断方法を示す
模式図、 第8図は同じくウエハの分断によって製造されたレーザ
チップを示す斜視図、 第9図(a),(b),(c)は同じく本発明の板状物
分断装置を示す模式図、 第10図は同じく本発明の板状物分断装置を示す模式図、 第11図は同じく本発明のカッターの他の実施例を側面図
である。 1……半導体薄板(ウエハ)、2……傷、3……カッタ
ー、4……刃、5……劈開面、6……機台、7……支持
体、8……治具、9……ガイド、10……支持テープ、11
……マスキングテープ、12……ステージ、13……サーボ
モータ、14……ネジ軸、15……高さ調整ネジ、16……高
さ調整体、17……角度調整体、18……支持片、19……ピ
ン、20……角度調整ネジ、21……ロック用ボルト、22…
…ロック用ナット、23……カッター支持ブロック、24…
…固定ネジ、25……バッファ、26……接眼レンズ部、27
……半導体レーザ素子(レーザチップ)、28……基板、
29……バッファ層、30……活性層、31……クラッド層、
32……キャップ層、33……多層成長層、34……ブロッキ
ング層、35……埋め込み層、36……キャップ層、37……
絶縁膜、38……アノード電極、39……カソード電極、40
……オーミック・コンタクト層、41……ミラー面、42…
…レーザ光、43……配線基板素材、44……応力集中用
溝。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶構造を有する板状物を分断する方法
    であって、 前記板状物の一方の面に保持テープを貼付る工程と、 前記板状物の他方の面の一部表面に前記単結晶構造の劈
    開方向に沿った溝を設ける工程と、 板状物を固定する工程と、 前記一方の面の前記溝と対向する位置にカッターの刃を
    押し当てて前記板状物の一部を破断し、この破断によっ
    て生じる劈開によって板状物を分断する工程とを備えた
    板状物分断方法。
  2. 【請求項2】前記溝が板状物の端部に一定間隔で複数設
    けられることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    板状物分断方法。
  3. 【請求項3】前記カッターの刃が劈開方向に向かって傾
    斜した傾斜刃であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の板状物分断方法。
  4. 【請求項4】前記保持テープが板状物よりも平面形状が
    大きく、板状物からはみ出した部分の保持テープによっ
    て板状物を固定することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項乃至第3項の何れか一項記載の板状物分断方法。
  5. 【請求項5】前記板状物が、複数の半導体レーザ素子を
    形成した半導体基板であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項乃至第4項の何れか一項記載の板状物分断方
    法。
  6. 【請求項6】単結晶構造を有する板状物を分断する装置
    であって、 板状物の一方の面には保持テープが貼付され、他方の面
    の一部表面に単結晶構造の劈開方向に沿った溝を設けら
    れており、 板状物を固定する保持部と、保持部に固定された板状物
    の前記一方の面に対して垂直に移動し、前記一方の面の
    前記溝と対向する位置に刃が当接するカッターとを有
    し、カッターの刃を押し当てて前記板状物の一部を破断
    し、この破断によって生じる劈開によって板状物を分断
    することを特徴とする板状物分断装置。
  7. 【請求項7】前記カッターの刃が劈開方向に向かって傾
    斜した傾斜刃であることを特徴とする特許請求の範囲第
    6項記載の板状物分断装置。
  8. 【請求項8】前記保持テープが板状物よりも平面形状が
    大きく、板状物からはみ出した部分の保持テープによっ
    て板状物を固定することを特徴とする特許請求の範囲第
    6項又は第7項記載の板状物分断装置。
  9. 【請求項9】前記板状物が、複数の半導体レーザ素子を
    形成した半導体基板であることを特徴とする特許請求の
    範囲第6項乃至第8項の何れか一項記載の板状物分断装
    置。
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