JP2548542B2 - 板状物分断装置 - Google Patents

板状物分断装置

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JP2548542B2 JP17561486A JP17561486A JP2548542B2 JP 2548542 B2 JP2548542 B2 JP 2548542B2 JP 17561486 A JP17561486 A JP 17561486A JP 17561486 A JP17561486 A JP 17561486A JP 2548542 B2 JP2548542 B2 JP 2548542B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は板状物の分断技術、たとえば、半導体薄板
(ウエハ)を劈開させて半導体レーザ素子(レーザチッ
プ)を製造する技術、あるいはセラミック板等をその一
面に設けられた応力集中用溝に沿って分断して混成集積
回路用の配線基板を製造する技術等の板状物分断技術に
関する。
〔従来の技術〕
光通信用光源あるいはディジタルオーディオディス
ク,ビデオディスク等の情報処理装置用光源となる半導
体レーザ素子の製造技術については日経マグロウヒル社
発行「日経エレクトロニクス」1981年9月14日号、P138
〜P152に記載されている。この文献には、半導体レーザ
素子(以下、単にレーザチップとも称する。)は、電極
を形成したウエハを縦横に分断(劈開)することによっ
て製造され、レーザ光はこの劈開面から発光されること
が記載されている。
また、ウエハを縦横に分断してチップ化する技術とし
ては、工業調査会発行「電子材料」1975年7月号、昭和
50年7月1日発行、P44〜P48に記載されている。この文
献には、半導体集積回路の製造においてウエハをチップ
にする技術として、ダイヤモンドスクライビング,ダイ
シング,レーザスクライビング等の技術があることが記
載されている。
本発明者は、前記ダイヤモンドスクライビング技術を
利用したレーザチップ化について検討した。以下は、公
知とされた技術ではないが、本発明者によって検討され
た技術であり、その概要は次のとおりである。
ウエハをチップ化するに先立って、最初に、ウエハが
ワックスで金属板に貼り付けられる。その後、ダイヤモ
ンドスクラバーでウエハにブレイキング用の傷が入れら
れる。次いで、ローラ等によって前記ウエハの貼り付い
た金属板は繰り返し曲げ、あるいは扱かれ、ウエハのブ
レイキングが行われ、細長い短冊体が製造される。この
短冊体は、その後、さらに一定間隔に分断され、矩形の
レーザチップとなる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
Si,GaAs等を用いた半導体集積回路装置の製造におけ
るチップ化は、前記文献にも記載されているような、ダ
イヤモンドスクライビング,ダイシング,レーザスクラ
イビングによって行われている。しかし、半導体レーザ
素子のようにチップの端面をレーザ光の出射面(ミラー
面)として利用する構造の場合は、前記ダイシング,レ
ーザスクライビングのような分断手法は分断面がミラー
面とならないことから採用できない。
一方、前述のようにダイヤモンドスクライビングとウ
エハの繰り返し曲げ,扱きによるブレイキングとによる
方法は、繰り返される曲げや扱きによって分断端相互が
激しく接触し、分断端に割れ欠けを生じたりあるいはシ
ヤープな劈開ができない等の問題が生じることが本発明
者によってあきらかにされた。また、この方法にあって
は、分断後レーザチップを金属板から取り外す際、有機
溶剤によってワックスは洗浄されて溶かされる。この場
合、チップ状となったものがバラバラとなり、洗浄時、
チップとチップがぶつかりチップの端に傷が生じたり、
チップ端が他のチップの劈開面にぶつかり劈開面に傷が
生じたり、あるいは有機溶剤がチップ端に残留し汚染さ
れたりすることもわかった。
本発明の目的は板状物の分断における分断によって得
られる分断片の割れ,欠けが生じ難い板状物分断技術を
提供することにある。
本発明の他の目的は板状物を再現性良く自動的に分断
できる数値制御による板状物分断技術を提供することに
ある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴
は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになる
であろう。
〔問題点を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち代表的なものの概
要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、一方の主面に支持テープが貼付され他方の
主面に傷が付けられた板状物を治具を介してワークセッ
ト台によって保持し、刃を傷に対向させた状態でカッタ
ーを板状物の主面に対して直交する方向に移動させて板
状物を分断する板状物分断装置であって、前記板状物の
主面に対して直交する方向の移動を上下コントロールモ
ータによって制御される昇降盤と、この昇降盤に支持さ
れて角度コントロールモータによって傾斜角度を制御さ
れる支持ブロックと、この支持ブロックの傾斜角度を示
すメータと、前記ワークセット台を板状物の主面に対し
て直交する方向に移動させる高さコントロールモータと
を備えており、前記支持ブロックに前記カッターが着脱
自在に取り付けられることを特徴とする。
〔作用〕
板状物がカッターによって分断されるに際して、板状
物が治具を介してワークセット台に保持され、カッター
が支持ブロックに取り付けられる。上下コントロールモ
ータによって昇降盤が板状物に向かって移動されると、
カッターの刃は板状物の傷に対向して突き当たり板状物
を突き上げる。カッターの刃で傷を突き上げられると、
傷での応力集中によって板状物は傷に沿って分断され
る。このカッターによる分断の作用を効果的に実施する
ため、カッターの刃の突き当て角、突き当て速度および
突き当て量が調整される。
まず、カッターの刃の突き当て角は角度コントロール
モータによって支持ブロックの傾斜角を制御することに
よって調整することができる。角度コントロールモータ
によって制御された支持ブロックの実際の傾斜角はメー
タによって示されるため、補正することができる。ま
た、カッターの突き上げ速度は上下コントロールモータ
によって昇降盤の移動速度を制御することによって調整
することができる。上下コントロールモータによって制
御された昇降盤の実際の移動速度は、上下コントロール
モータの制御信号が演算されて数値化されるため、補正
することができる。カッターの刃の突き当て量はカッタ
ーの刃と板状物との位置関係をワークセット台を高さコ
ントロールモータによって移動させて制御することによ
り、調整することができる。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の一実施例について説明す
る。
第1図は本発明の一実施例によるウエハの劈開状態を
示す模式図、第2図は同じく本発明の板状物分断装置の
外観を示す斜視図、第3図は同じく板状物分断装置の概
要を示す正面図、第4図は同じくウエハとカッターとの
関係を示す斜視図、第5図は同じくマスキングテープに
貼り付けられたウエハを示す斜視図、第6図は同じくウ
エハの分断によって製造されたレーザチップを示す斜視
図、第7図は同じくカッターの板状物に対する突き上げ
角における劈開不良率を示すグラフ、第8図は同じくカ
ッターの板状物に対する突き上げ量における劈開不良率
を示すグラフ、第9図は劈開不良の一形態を示す平面
図、第10図は劈開不良の一形態を示す平面図である。
本発明による分断技術は、原理的には第1図に示され
るようになっている。すなわち、半導体薄板(ウエハ)
1を劈開する場合、ウエハ1主面(上面)部分の劈開方
向と直交する方向の縁には、あらかじめ劈開位置決定用
および応力集中決定用の傷2が設けられる。ダイヤモン
ドスクライビング装置により設けられたその傷2表面は
結晶性がみだれている。このウエハ1に対して、ウエハ
1の前記傷2直下に対応するウエハ下面の縁位置に、下
方からカッター3が上昇し、その刃4を突き当てる。前
記刃4はたとえば傾斜刃となっていて、その傾斜した刃
の途中部分がウエハ1の下面(裏面)の縁に当てられ
る。この結果、刃4による突き当て(突き上げ)部分
は、ウエハ1の主面の縁に設けられた傷2直下に対面す
る裏面の縁であることから、この傷2の底には応力集中
が作用し、傷2の底から劈開が開始される。また、ウエ
ハ1の突き当て部分には、前記刃4の傾斜刃の傾斜面に
直交する方向に突き当て力が作用することから、劈開力
は、第1図の二点鎖線矢印に示されるように、ウエハ1
の劈開方向に沿って進み、同図でクロスハッチングが施
された劈開面5(同図では説明の便宜上ウエハ主面に垂
直な面となっている。)で劈開が行われる。
このようなウエハの分断方法は、ウエハ1は傷2部分
で劈開されるため、常に劈開位置は高精度となり、再現
性の高い分断が行えることになる。したがって、前記傷
2の形成精度、すなわち、傷2のピッチを高精度にすれ
ば、分断された分断片の幅寸法も高精度となる。また、
この方法によれば、ウエハ1に突き当たるカッター3の
刃4の突き当たり領域、すなわち、直接の突き当たりに
よる破損領域は、ウエハ1の一端部分のみであり、その
他の部分の分断は劈開によるものであることから破断面
の損傷が少なく、ウエハ1の分断のための破損は最小限
となり、歩留りの高い分断が行えることになる。また、
この方法は、ウエハ1をカッター3で突き上げる一動作
で分断が行えるため、分断されたウエハ部分は相互に離
れるようにして上方に動くだけであり、繰り返し曲げが
行われる場合のように、対面する分断面がその後激しく
衝突するようなこともない。このため、分断面部分に傷
が入ったり、あるいは縁の割れ欠けが生じたりするよう
なことは少なくなり、信頼度が高くなるとともに、歩留
りも向上する。
つぎに、このようなウエハ分断を行う板状物分断装置
について説明する。
板状物分断装置は、第2図に示されるように、デスク
6上に本体7を有している。この本体7上には、前記ウ
エハ1の傷2及び傷2とカッター3の刃4との位置等を
観察するための顕微鏡8が配設されている。この顕微鏡
8の鏡筒9は上下調整ネジ10の調整によって昇降し、X
軸調整ネジ11の調整によってX軸方向に移動し、Y軸調
整ネジ12の調整によってY軸方向に移動するようになっ
ている。また、前記鏡筒9の真下の本体7部分には、後
述する前記ウエハ1を取り付ける治具13が取り付けられ
るようになっていて、被分断物の保持部を構成する。前
記治具13は、第4図に示されるように、枠状の金属板、
たとえば、アルミニュウム板からなっていて、その下面
に支持テープ14上面が強固に貼り付けられている。この
支持テープ14の下面はウエハ1上面が押し付けられるテ
ープであることから、後述するウエハ1の分断時に支持
テープに作用する応力に充分耐えるだけの強度と弾力性
とを有している。したがって、この支持テープ14は強い
接着力で治具13に貼り付けられている。また、前記支持
テープ14は透明体となっていて、押し付けられたウエハ
1をその上方から目視できるようになっている。
一方、前記支持テープ14に取り付けられるウエハ1
は、第5図に示されるように、矩形の透明な保持テープ
としてのマスキングテープ15に貼り付けられる。このマ
スキングテープ15とウエハ1との接着力は前記支持テー
プ14と治具との接着力よりも弱く、比較的容易にウエハ
1をマスキングテープ15から剥がすことができるように
なっている。これは、ウエハ1を分断した後、分断片を
マスキングテープ15から簡単に取り外すことができるよ
うにするためである。ウエハ1を治具13に取り付ける場
合、最初にウエハ1は前記マスキングテープ15に貼り付
けられる。その後、ウエハ1はダイヤモンドスクライビ
ング装置によってその一端に傷2が付けられる。この傷
2は、ウエハ1の結晶における劈開面に沿うように設け
られる。また、傷2は、ダイヤモンドスクライビング装
置によって、ウエハ1上面の劈開方向に直交する縁の一
辺の端から端に亘って一定の間隔(ピッチ:a)に付けら
れる。ウエハ1に傷2が付けられた後、ウエハ1を支持
するマスキングテープ15は、前記支持テープ14にマスキ
ングテープ15の接着力によって貼り付けられる。この結
果、ウエハ1はマスキングテープ15と支持テープ14との
間に挟まれるようにして治具13に取り付けられる。
他方、前記デスク6の右袖部分にはこの装置全体を制
御する制御系16が内蔵されている。また、前記本体7の
右側のデスク6上には、キーボード(操作キーボード)
17およびディスプレイ(以下CRTと称する。)18が配設
されている。前記CRT18には、キーボード17の操作によ
ってキーボード17による入力情報は勿論のこととして各
種の情報、すなわち、カッター3の突き上げ速度,突き
上げ量,突き上げ角度等が映し出される。
つぎに、第3図を参照しながら板状物分断装置の構造
について説明する。
前記本体7内の機台19上には、支柱20に支持された基
板21が配設されている。この基板21上には昇降盤22が配
設されている。この昇降盤22は前記機台19に支持板23を
介して固定された上下コントロールモータ24によって上
下動するようになっている。前記昇降盤22は昇降軸25に
支持されるとともに、この昇降軸25の下部には前記上下
コントロールモータ24の回転によって回転するカム26に
接触する図示しないカムフォロワが取り付けられてい
る。したがって、前記上下コントロールモータ24の回転
によって前記昇降盤22は上下動する。なお、前記昇降盤
22には2本のガイド軸27が設けられていて、このガイド
軸27は前記基板21に取り付けられたガイド28に摺動自在
に嵌合されている。このガイド軸27によって、前記昇降
盤22は回転することなく正確に昇降する。なお、前記昇
降盤22の一端には2本の速度検出用針29が設けられてい
る。また、この速度検出用針29が昇降する移動域には、
上下にそれぞれセンサ30が配設されている。このセンサ
30は、前記基板21に固定された支持片31に固定されてい
る。したがって、これら一対のセンサ30の間を前記速度
検出用針29が通過することから、前記昇降盤22の上昇速
度が高精度に検出される。
一方、前記昇降盤22の上面には、角度制御装置32が配
設されている。この角度制御装置32は、角度調整機構33
と、この角度調整機構33の上面の支持ブロック34と、前
記支持ブロック34の角度(姿勢)を図示しないギヤ群に
よって制御する角度コントロールモータ35と、からなっ
ている。また、前記角度調整機構33の正面部分には、前
記支持ブロック34の角度を示すメータ36が設けられてい
る。また、前記カッター3は前記支持ブロック34に図示
しないネジ等によって着脱自在に取り付けられている。
この結果、カッター3はその傾斜した傾斜刃(刃)4を
上方に突出させる。前記カッター3のウエハ1の主面
(下面)に対する突き当て角(突き上げ角)θは、前記
角度コントロールモータ35によって自由に設定できるよ
うになっている。このθは、後述するが、レーザチップ
製造用のInP系単結晶化合物半導体基板においては3゜
〜8゜程度とするのが望ましい。(第4図参照) 他方、前記基板21には、この基板21に対してXY方向に
移動可能なXYテーブルTが取り付けられており、このXY
テーブルに一対のガイド37が固定されている。このガイ
ド37には垂直に外周に雄ネジを切ったネジ軸38が螺合し
ている。この一対のネジ軸38は、枠状の保持部となるワ
ークセット台39を貫通している。また、これらネジ軸38
は前記ワークセット台39に固定された高さコントロール
モータ40の回転軸に連結されている。この結果、それぞ
れの高さコントロールモータ40の正逆回転によって前記
ネジ軸38が前記ガイド37に対して回転するため、前記ワ
ークセット台39は図に矢印Z1に示すように上下に移動す
る。また、このワークセット台39には、前記治具13が取
り付けられる。したがって、前記高さコントロールモー
タ40,ワークセット台39,ネジ軸38,ガイド37,XYテーブル
Tは、前記カッター3のウエハ1に対する突き当て量
(突き上げ量)hを制御する突き当て量制御装置とカッ
ター3の位置制御装置とを構成することになる。この突
き上げ量hは、後述するが、ウエハ1の厚さ、100μm
に対して、その2倍の200μmから8倍の800μm程度に
設定する。
このような板状物分断装置を用いてウエハ1を分断す
る場合は、前記ワークセット台39に治具13を位置決め固
定した後、前記顕微鏡8を利用してウエハ1の傷2の位
置を確認しかつウエハ1に対するカッター3の位置を正
確に微調修正する。その後、前記昇降盤22を上昇させ、
カッター3先端の刃4を最初のブレイク点である傷2直
下のウエハ下面縁に突き当てる。ウエハ1に対するカッ
ター3の突き当て(突き上げ)量は、ウエハ1の厚さ、
100μmの1乃至8倍程度であって、たとえば、720μm
とする。また、前記ウエハ1に突き当たるカッター3の
突き上げ角は、3゜〜8゜とする。この結果、カッター
3の刃4の傾斜した途中部分がウエハ1の一端の傷2に
対応する下縁に突き当たるため、傷2の底で応力集中に
よって破断が生じるとともに、ウエハ1に対する突き当
て力はウエハ1の延在方向にも加わるため、ウエハ1の
劈開面に沿って劈開が走り、ウエハ1は分断され細長い
短冊体となる。
カッター3はウエハ1に突き当った後は、自動的に降
下する。その後、XYテーブルTがX方向に1ピッチ移動
してウエハ1がカッター3に対して移動する。そして、
再びカッター3が上昇してウエハ1の隣の傷2直下に対
応するウエハ下面の縁に突き当たる。このようにして、
ウエハ1は順次分断される。なお、前記短冊体は、その
後所定間隔で分断され、第6図に示されるような半導体
レーザ素子(レーザチップ)41となる。
ここで、レーサチップ41について、簡単に説明する。
このレーザチップ41は、たとえば光通信用のレーザチッ
プ41であって、InP系の化合物半導体によって形成され
ている。また、このレーザチップ41は埋め込みヘテロ構
造(bu−ried−hetero structure)となっている。
レーザチップ41はn形のInPの基板42の主面〔上面:
(100)結晶面〕にn形InPからなるバッファ層43,InGaA
sPからなる活性層40,p形InPからなるクラッド層45,p形I
nGaAsPからなるキャップ層46を順次形成した多層成長層
47がストライプ状に形成されている。この多層成長層47
は断面形状が逆三角形となり、いわゆる逆メサ構造とな
っている。また、この逆メサ面部分の下端から下方の部
分は緩やかに広がる順メサ構造となっている。そして、
この多層成長層47の両側にはp形のInPからなるブロッ
キング層48,n形のInPからなる埋め込み層49,InGaAsPか
らなるキャップ層50が積層状態で埋め込まれている。ま
た、多層成長層47の電極コンタクト領域を除く基板42の
主面側は絶縁膜51で被われている。そして、基板42の主
面側にはCr/Auからなるアノード電極52が設けられると
ともに、裏面には、AuGe/Ni/Auからなるカソード電極53
が設けられている。また、前記キャップ層46およびクラ
ッド層45の表層部分には亜鉛が拡散されてp+形の亜鉛拡
散領域からなるオーミック・コンタクト層54(点点が施
されている領域)が設けられている。
このようなレーザチップ41は前記活性層44の端が露出
する面が劈開面、すなわち、ミラー面55となり、前記板
状物分断装置による劈開によって形成される。したがっ
て、前記アノード電極52とカソード電極53に所定の電圧
が印加されると、前記ミラー面55からレーザ光56が出射
されることになる。
ここで、ウエハ1を劈開するに当たって、ウエハ1に
対するカッター3の刃4の突き当て角(突き上げ角)θ
および突き当て量(突き上げ量)hの設定について説明
する。半導体レーザ素子を作るウエハ1は、GaAs系化合
物半導体あるいはInP系化合物半導体等の化合物半導体
であり、脆弱な材質である。前記突き当て角および突き
当て量における劈開の不良率の例を、前述のように、埋
め込みヘテロ構造をInPのウエハに製造したものについ
て説明する。
第7図は突き上げ角が1.0゜から6.0゜の状態における
劈開の不良率を示したものである。このグラフからも分
かるように、不良率は、突き上げ角が3.0゜前後よりも
大きい場合に低い。この場合の劈開の不良とは、第9図
および第10図に示されるような形態がある。第9図に示
される不良形態は、我々がエグレ不良と称している不良
形態であって、レーザチップ41の活性層40に対応する部
分が平坦なミラー面55でなく曲面57となって破断する状
態である。また、第10図に示される不良形態は、我々が
ステップ不良と称している不良形態であって、ウエハの
劈開時、劈開面が飛んでしまい、階段状(ジグザグ)破
面58となってしまう不良形態である。これらエグレ不良
およびステップ不良はいずれも活性層40に対面するレー
ザチップ41の端面がミラー面55とならないことから、レ
ーザ光56が発光されない。前記第7図のグラフにおける
不良は、前記ステップ不良,エグレ不良が単独で現れる
不良形態あるいは両者が同時に現れる不良形態である。
これらの不良形態は、ウエハ1を構成する半導体に必ず
しもよるわけではなく、ウエハ1に形成された電極構造
を含む半導体レーザの構造に依存する。したがって、設
定選択する前記突き上げ角を3゜〜8゜としたことは、
ウエハ1を形成する化合物半導体の種類や各構造の半導
体レーザについて検討した結果による。
第8図は突き上げ量が700μmから800μm程度の状態
における劈開の不良率を示したものである。このグラフ
では、カッター3の突き上げ速度を、60mm/sec,130mm/s
ec,200mm/secとした場合における各不良率を示すもので
ある。このグラフからも分かるように、不良率は、130m
m/sec,200mm/secの突き上げ速度の場合による劈開が、
突き上げ量が700〜800μmの間で低い。他の実験によっ
ても、突き上げ速度が遅いと不良率は高い。このグラフ
における不良形態も、前述のように前記ステップ不良,
エグレ不良が単独で現れる不良形態あるいは両者が同時
に現れる不良形態である。また、本発明で突き上げ量を
ウエハ1の厚さ100μmに対して、その1乃至8倍の数
値を選択したのは、前記突き上げ角の選択の場合と同様
に、ウエハ1を形成する化合物半導体の種類や各構造の
半導体レーザについて検討した結果による。
このような実施例によれば、つぎのような効果が得ら
れる。
(1)本発明によれば、同一生産ロットのウエハ1の劈
開に際して、突き上げ量および突き上げ角等の処理条件
情報を、キーボード17を操作して装置の制御系16のマイ
クロコンピュータに入力し、数値制御でウエハの劈開を
行うため、再現性よくウエハの劈開が行えるという効果
が得られる。
(2)本発明によれば、ウエハ1の一端に付けた傷2に
対面しかつウエハ1の一面の縁にカッター3の刃4を突
き当てることから、傷2の部分から劈開が生じるため、
分断位置が正確となるという効果が得られる。
(3)上記(2)により、本発明によれば、ウエハ1は
その一端にカッター3の刃4が当たることによって劈開
が行われるため、分断後は分断縁や分断面同志が激しく
ぶつかり合うようなこともないことから、劈開面が傷付
いたり、あるいは劈開縁が割れたり欠けたりし難くな
り、高い品質の製品が得られるという効果が得られる。
(4)上記(3)により、本発明によればチップ化の歩
留り向上が達成できるという効果が得られる。
(5)本発明によれば、ウエハ1の分断のためにウエハ
1に突き当たるカッター3の刃4は、ウエハ1の一端部
分のみであることから、ウエハ1の刃4の突き当たりに
よる破損は限られるため、分断歩留りが高いという効果
が得られる。
(6)本発明によれば、ウエハ1は傷2の部分で再現性
良く分断されるため、分断片の分断幅が一定となり、歩
留りの高い分断が行えるという効果が得られる。
(7)本発明によれば、ウエハ1はマスキングテープ15
に貼り付けられていることから、チップ状になってもバ
ラバラとなることなく整列状態を維持するため、チップ
を取り出す場合、たとえば、割れ欠けがあるようなもの
を判別し、良品のみを取り出すことも容易であるという
効果が得られる。
(8)上記(1)〜(7)により、本発明によれば、数
値制御による最適劈開条件でかつ高精度劈開によって劈
開を行うため、再現性良くかつ高歩留りな分断が可能と
なり、分断コストの低減が達成できるという相乗効果が
得られる。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない、たとえば、繰り返しウ
エハの分断を行うと、治具8の支持テープ14が汚れ、こ
の結果、ウエハ1が汚れる場合がある。そこで、このよ
うな場合は、マスキングテープ15に支持されたウエハ1
を治具13に取り付ける際、ウエハ1と支持テープ14との
間に汚れ防止用の保護テープを介在させると良い。ま
た、カッター3の幅はウエハ1の全長に亘るものであっ
ても突き当て量等適当に選べば前記実施例同様な効果が
得られる。なお、前記板状物分断装置の各部の機構は一
般に使用されている他の機構であってもよいことは勿論
である。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発
明をその背景となった利用分野である半導体レーザ素子
の製造技術に適用した場合について説明したが、それに
限定されるものではなく、たとえば、第11図に示される
ように、セラミックからなる配線基板素材59を分断して
混成集積回路用の基板を製造する場合にも適用できる。
この場合は、前記配線基板素材59の一面に分断時に応力
集中が生じるような断面がV字状となる応力集中用溝60
が設けられている。したがって、前記配線基板素材59を
分断する際は、配線配線基板素材59端側の応力集中用溝
60に対応した部分に、前述の板状物分断装置のカッター
3の刃4を突き当てることによって配線基板素材59の分
断を行う。
本発明は少なくとも被分断板状物自身が有する破断傾
向や被分断板状物に人為的に付けられた破断傾向を有す
る板状物等の分断に方向性がある分断技術には適用でき
る。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち代表的なものによ
って得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。
すなわち、上下コントロールモータおよび角度コント
ロールモータはカッターの突き上げ速度および突き上げ
角度を制御して調整することができ、かつまた、高さコ
ントロールモータにより治具およびワークに最適な高さ
原点位置を設定することができるため、板状物を再現性
良く、かつ、高精度に分断することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例によるウエハの劈開状態を示
す模式図、 第2図は同じく本発明の板状物分断装置の外観を示す斜
視図、 第3図は同じく板状物分断装置の概要を示す正面図、 第4図は同じくウエハとカッターとの関係を示す斜視
図、 第5図は同じくマスキングテープに貼り付けられたウエ
ハを示す斜視図、 第6図は同じくウエハの分断によって製造されたレーザ
チップを示す斜視図、 第7図は同じくカッターの板状物に対する突き上げ角に
おける劈開不良率を示すグラフ、 第8図は同じくカッターの板状物に対する突き上げ量に
おける劈開不良率を示すグラフ、 第9図は劈開不良の一形態を示す平面図、 第10図は劈開不良の一形態を示す平面図、 第11図は本発明の他の実施例によるセラミック板を示す
斜視図である。 1……半導体薄板(ウエハ)、2……傷、3……カッタ
ー、4……刃、5……劈開面、6……デスク、7……本
体、8……顕微鏡、9……鏡筒、10……上下調整ネジ、
11……X軸調整ネジ、12……Y軸調整ネジ、13……治
具、14……支持テープ、15……マスキングテープ、16…
…制御系、17……キーボード、18……CRT、19……機
台、20……支柱、21……基板、22……昇降盤、23……支
持板、24……上下コントロールモータ、25……昇降軸、
26……カム、27……ガイド軸、28……ガイド、29……速
度検出用針、30……センサ、31……支持片、32……角度
制御装置、33……角度調整機構、34……支持ブロック、
35……角度コントロールモータ、36……メータ、37……
ガイド、38……ネジ軸、39……ワークセット台、40……
高さコントロールモータ、41……半導体レーザ素子(レ
ーザチップ)、42……基板、43……バッファ層、44……
活性層、45……クラッド層、46……キャップ層、47……
多層成長層、48……ブロッキング層、49……埋め込み
層、50……キャップ層、51……絶縁膜、52……アノード
電極、53……カソード電極、54……オーミック・コンタ
クト層、55……ミラー層、56……レーザ光、57……曲
面、58……階段状(ジグザグ)破面、59……配線基板素
材、60……応力集中用溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 昇 大阪市東区島町1丁目3番地 大都精機 工業株式会社内 (72)発明者 八江 正信 大阪府大阪市東区島町1丁目3番地 大 都精機工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−193800(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の主面に支持テープが貼付され他方の
    主面に傷が付けられた板状物を治具を介してワークセッ
    ト台によって保持し、刃を傷に対向させた状態でカッタ
    ーを板状物の主面に対して直交する方向に移動させて板
    状物を分断する板状物分断装置であって、 前記板状物の主面に対して直交する方向の移動を上下コ
    ントロールモータによって制御される昇降盤と、この昇
    降盤に支持されて角度コントロールモータによって傾斜
    角度を制御される支持ブロックと、この支持ブロックの
    傾斜角度を示すメータと、前記ワークセット台を板状物
    の主面に対して直交する方向に移動させる高さコントロ
    ールモータとを備えており、前記支持ブロックに前記カ
    ッターが着脱自在に取り付けられることを特徴とする板
    状物分断装置。
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