JPH07292573A - 布帛とその仕上法 - Google Patents

布帛とその仕上法

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JPH07292573A
JPH07292573A JP6104545A JP10454594A JPH07292573A JP H07292573 A JPH07292573 A JP H07292573A JP 6104545 A JP6104545 A JP 6104545A JP 10454594 A JP10454594 A JP 10454594A JP H07292573 A JPH07292573 A JP H07292573A
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cloth
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含水組成物を布帛の表裏両面に付与すること
なく内部にだけ付与する。 【構成】 布帛内部の繊維41に付与することなく表面
を構成する繊維21と裏面を構成する繊維31に撥水剤
12を付与した布帛17に含水組成物15を付与し、そ
の湿潤状態において絞りローラ18に通して布帛17の
表裏を押圧した後含水組成物15を乾燥させる。含水組
成物15は、撥水処理の施された布帛表裏には付着せ
ず、撥水処理の施されていない布帛内部にだけ付与され
ることになるので、表裏の肌触りのよい布帛26が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両内装材や車両シー
ト地その他の椅子張地、壁張地、カーテン地、カーペッ
ト、インソール(靴の中敷き)等に使用される布帛の仕
上法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】織物、編物、不織布等の布帛には、その
用途に応じて水分と接着剤、防炎剤、消臭剤、防虫剤、
吸湿剤、防黴剤その他の仕上剤の少なくとも何れか一種
とを組成分とする含水組成物(以下、単に含水組成物と
も言う。)を付与する種々の樹脂加工が施されるものが
ある。そのように樹脂加工を施して仕上げられた布帛
は、その繊維の表面が仕上剤の皮膜に被覆されており、
多くの場合その仕上剤の皮膜を介して繊維間が接合され
るので、未加工布帛に比して触感風合いを欠くものとな
る。このため表面の触感風合の重視される車両内装材や
椅子張地、壁張地、カーテン地等に使用される布帛で
は、含水組成物を布帛の裏面にだけ付与する方法が採ら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】含水組成物を布帛の裏
面に付与するのは、含水組成物が布帛の表面に付着しな
いようにするためであるが、そのためには表面に滲み出
ない程度に含水組成物を高粘度に調製しなければならな
い。しかしそのようにすると、含水組成物が布帛内部の
繊維間に深く入り込み難くなり、布帛が含水組成物の塗
膜を貼り合わせたかの如く2層構造になって硬く仕上が
ってしまう。また、目付けの軽いポーラスな布帛では、
含水組成物を高粘度に調製しても表面に滲み出し易く、
その滲み出た含水組成物が表面に粒状の塊を形成して布
帛を使用し得ないものにしてしまう。
【0004】そして従来法では、含水組成物を表裏両面
に付着させずに布帛の内部にだけ付与し、表裏両面に生
地のままの風合を保つと言う樹脂加工は出来ない。勿
論、特開昭63−182476(特公平6−1574
6)に開示されているように、含水組成物を布帛の裏面
に付与して布帛内部へと浸透させた後、布帛裏面に残存
している含水組成物を水洗除去する方法もあるが、含水
組成物が布帛表面まで滲み出し易く、含水組成物の布帛
内部への浸透の度合いを正確にコントロールすることが
難しく不良品が出来易い。
【0005】又、カーペットに使用されるニードルパン
チフエルトやタフテッドパイル布帛等の嵩高に開毛した
厚手の布帛を捺染(プリント)する場合は、染料や顔料
が印捺形際の周縁に滲み出て捺染模様が不鮮明にならな
いようにするため、捺染糊(インク)を高粘度に調製し
て印捺しているが、そのように高粘度に調製された捺染
糊は布帛内部に浸透し難く、濃く捺染し難い。特に、カ
ーペットに使用されるタフテッドパイル布帛では、捺染
糊をパイルの根元まで深く浸透させることが出来ないの
で、捺染されたタフテッドカーペットを階段の踏み板の
ように角張った箇所に施工する場合は、捺染されない生
地のまま残された白いパイルの根元が折曲箇所のパイル
列とパイル列の間から表面に現れてパイル層表面の美観
を損なうことにもなる。
【0006】
【発明の目的】そこで本発明は、目付けの軽いポーラス
な布帛であっても、その表面の風合を損なうことなく樹
脂加工を施すことをの第1の目的とする。本発明の第2
の目的は、含水組成物を布帛の表裏両面に付与すること
なく内部にだけ付与して樹脂加工を行うことである。本
発明の第3の目的は、厚手の布帛に含水組成物を付与し
て表面の捺染模様の色彩に深みを付与することである。
本発明のその他の目的は、含水組成物の有する機能性を
表面の風合を損なうことなく効果的に布帛に付与するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る布帛の仕上
法は、撥水剤12を布帛の表面に付与して布帛17の表
面13を構成する繊維11に撥水性を付与した後、接着
剤(繊維に対し接着性を有する樹脂を意味する。)、防
炎剤、消臭剤、防虫剤、吸湿剤、防黴剤、染料、顔料そ
の他の仕上剤の少なくとも何れか一種と水を組成分とす
る含水組成物15を布帛全体17に付与することを特徴
とする。緻密な布帛全体17に含水組成物15を付与す
るには、付与した含水組成物15が乾燥しない湿潤状態
において絞りローラ18に通して布帛17の表裏を押圧
するとよい。含水組成物15は5000cps以下に、
特に緻密な布帛や厚手の布帛17に付与する場合は10
0cps以下に粘度を調製する。
【0008】そのようにすることによって、繊維11の
表面が撥水剤12に被覆された表面層13と、繊維14
の表面が接着剤15に被覆された裏面層16との2層構
造を成し、表面層13を構成する少なくとも一部の繊維
11′が裏面層16を構成する一部の繊維14′へと続
いており、その表面層13から裏面層16に続く繊維1
1′(14′)が表面層13と裏面層14の境目におい
て接着剤に被覆されることなく撥水剤12に被覆された
表面層側の部分(13)と接着剤15に被覆された裏面
層側の部分(16)とに区切られており、裏面層内部1
6の繊維間に隙間19を有し、裏面層16を構成する繊
維14と繊維14′の一部が接着剤15によって接合さ
れた新規な布帛26が得られる。
【0009】特に、含水組成物15が染料や顔料を組成
分とする場合において、撥水剤12に染料や顔料を配合
しておくと、繊維表面が撥水剤12に被覆され且つ着色
された繊維11によって構成された表面層13と、その
表面層13の繊維とは異色に着色された繊維14によっ
て構成された裏面層16との色分けされた2層構造を成
し、色彩に深みを帯びた布帛が得られる。
【0010】又、布帛内部の繊維41に付与することな
く、布帛17の表面を構成する繊維21と裏面を構成す
る繊維31に撥水性を付与した後、接着剤、防炎剤、消
臭剤、防虫剤、吸湿剤、防黴剤、染料、顔料その他の仕
上剤の少なくとも何れか一種と水を組成分とする含水組
成物15を布帛17に付与し、その含水組成物15が乾
燥しない湿潤状態において絞りローラ18に通して布帛
17の表裏を押圧した後、その付与した含水組成物15
を乾燥させる場合には、繊維21・31の表面が撥水剤
12に被覆された表面層22と裏面層32と、それら表
面層22と裏面層32の間に介在して表面が撥水剤に被
覆されることなく接着剤15に被覆された繊維41によ
って構成された中間層42とによる3層構造を成し、そ
の中間層42の少なくとも一部の繊維41′が表面層2
2か裏面層32の少なくとも何れか一方の層(22・3
2)へと続いていて表面層22または裏面層32の一部
を構成しており、その中間層42から表面層22または
裏面層32に続く繊維41′が、表面層または裏面層
(22または32)と中間層42との境目において接着
剤15に被覆されずに撥水剤12に被覆された表面層側
または裏面層側の部分(22または32)と接着剤15
に被覆された中間層側の部分(42)に区切られてお
り、中間層42を構成する繊維41と繊維41′の間が
接着剤15によって接合されている新規な布帛が得られ
る。
【0011】仕上剤として接着剤、防炎剤、消臭剤、防
虫剤、吸湿剤、防黴剤、染料、顔料等の何れを含水組成
物15に配合するかは布帛17の用途に応じて設定さ
れ、例えば、防炎性と消臭性を有すると共に、重ね切り
施工した切り口から繊維や糸条が解れ出ない耐摩耗性を
有する壁張地用の樹脂加工布帛26を得たい場合には、
水と接着剤と防炎剤と消臭剤とによって含水組成物15
を組成することになる。その他の仕上剤としては、光安
定剤(耐光劣化防止剤)、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
付香剤(香料)、害虫忌避剤、防鼠剤など、従来布帛に
機能性を付与するために使用される種々の化合物を使用
することが出来る。仕上剤に消臭性ゼオライトや活性
炭、導電性カーボンブラック、水酸化アルミニウム、顔
料等の非水溶性の粉末を使用する場合には、それらのバ
インダーとなる接着剤を含水組成物に配合する。接着剤
としては、ラテックスや樹脂エマルジョンのように接着
性樹脂微粒子の水分散液、デンプンやCMC等の水溶性
糊剤の水溶液が使用され、車両内装材の如く成形加工用
の樹脂加工布帛26を得たい場合にはエチレン酢酸ビニ
ル系や塩化ビニル系その他の熱可塑性樹脂を接着剤に使
用する。
【0012】撥水剤12は、スプレー、捺染スクリー
ン、グラビアロールコーター20等によって布帛17に
付与し、その後加熱装置23に通して撥水処理される。
【0013】
【作用】本発明において布帛17は含水組成物15を付
与して仕上げられるが、その含水組成物15が水を必須
成分とするものであり、その付与する布帛17の表裏の
中の少なくとも何れか片面(13・22・32)が撥水
処理されていると共に、布帛17の表裏の中の何れか片
面(16)または中間層42の何れかが撥水未処理のま
ま残されていて水分が吸着し易くなっている。この布帛
17は、弾性回復力を有する繊維11・14(21・3
1・41)によって構成される一種の多孔質弾性構造体
であるから、布帛17がカーペットに使用されるニード
ルパンチフエルトやタフテッドパイル布帛等の嵩高に開
毛した厚手の布帛であっても、絞りローラ18によって
表裏より押圧すると多くの含水組成物15が絞り出され
ても一部の含水組成物15は布帛内部の繊維間の隙間1
9・19′に残り、その際それまで繊維間の隙間19・
19′に含まれていた空気は気泡となって追い出される
ことになる。
【0014】そして絞りローラ18を通過して押圧から
解除された状態では、繊維11・14(21・31・4
1)の有する弾性回復力によって布帛17は少なからず
脹らんで元の厚みを回復するものであり、その際、撥水
処理の施された層13(22・32)の繊維11(21
・31)には含水組成物15が水を一組成分とするので
付着し難いので、脹らんで含水組成物の付着し得る繊維
間の隙間19の拡大した撥水未処理の他の層16(4
2)へと撥水処理の施された層13(22・32)に残
存していた含水組成物15が吸収されるように移動する
ことになる。そしてその際、絞りローラ18を通過した
布帛17の含有する含水組成物15は、絞りローラ18
に押し潰された繊維間の狭い隙間19・19′に残存す
る程度の僅かなものであるから、撥水処理の施された層
13(22・32)には含水組成物15が残存しないこ
とになる。
【0015】その結果、撥水剤12を布帛の表面に付与
して布帛17の表面13を構成する繊維11に撥水性を
付与してから含水組成物15を付与して絞りローラ18
に通し樹脂加工を行うと、繊維11の表面が撥水剤12
に被覆された表面層13と、繊維14の表面が接着剤1
5に被覆された裏面層16との2層に分かれ、その含水
組成物15が接着剤を含有する場合は裏面層16を構成
する繊維14と繊維14′の一部が接合された樹脂加工
布帛26が得られることになり、又、布帛内部に撥水剤
12を含浸させることなく表面を構成する繊維21と裏
面を構成する繊維31に撥水性を付与してから含水組成
物15を付与して絞りローラ18に通し樹脂加工を行う
と、繊維21・31の表面が撥水剤12に被覆された表
面層22と裏面層32と、それらの層間に介在して接着
剤15に被覆された繊維41によって構成された中間層
42とによる3層に分かれ、その含水組成物15が接着
剤を含有する場合は中間層41を構成する繊維41と繊
維41′の一部が接合された樹脂加工布帛26が得られ
ることになる。
【0016】しかし含水組成物15が高粘度に調製され
ている場合には、その有する粘着力によって絞りローラ
18を通過してからも布帛の繊維間は粘着された状態に
おかれて布帛17は元の嵩を回復し得ず、撥水処理の施
された層13(22・32)の繊維間の隙間19′に閉
じ込められた含水組成物15は、そのまま乾燥し固化し
てしまうので本発明の目的は達成されないことになる。
従って含水組成物15は、布帛の繊維間を粘着してしま
わない程度に低粘度に調製されなければならない。その
ように含水組成物15が繊維間を粘着してしまうか否か
は、織組織や編目の構造等の布帛17を構成する繊維の
交絡の仕方や、布帛17を構成する繊維固有の弾性回復
力や接着性(極性)にも左右されることであり、ある種
の繊維が粘着しないとしても他の繊維は粘着してしまう
こともあって、含水組成物の粘度を一律に設定すること
は出来ないが、概して5000cpsよりも低く設定す
ると多くの場合満足し得る結果が得られる。
【0017】本発明によると、上記の通り絞りロール1
8を通過する時点において含水組成物15は繊維間の隙
間19・19′に閉じ込められることになり、それまで
繊維間の隙間19・19′に介在した空気は気泡となっ
て追い出されるので、撥水処理の施されていない全ての
繊維14・41の表面に含水組成物15が皮膜を形成す
ることになる。従って、その撥水処理の施されていない
全ての繊維14・41は、含水組成物15が接着剤の配
合されたものであれば繊維間が接着されて細かい立体的
網目構造を形成することになる。
【0018】そして、含水組成物15が防炎剤の配合さ
れたものであれば撥水処理の施されていない全ての繊維
14・41は均等に難燃化され、含水組成物15が消臭
剤の配合されたものであれば撥水処理の施されていない
全ての繊維14・41は均等に消臭性を帯び、含水組成
物15が光安定剤の配合されたものであれば撥水処理の
施されていない全ての繊維14・41は均等に耐光劣化
性を帯び、含水組成物15が顔料の配合されたものであ
れば撥水処理の施されていない全ての繊維14・41は
一様に着色化され、このように撥水処理の施されていな
い全ての繊維14・41には、含水組成物の含有する防
炎剤、消臭剤、防虫剤、吸湿剤、防黴剤、光安定剤(耐
光劣化防止剤)、紫外線吸収剤、帯電防止剤、付香剤
(香料)、害虫忌避剤、防鼠剤などの仕上剤の有する機
能性が一様に斑なく付与されることになり、かくして、
それらの機能性にバラツキのない高品質の樹脂加工布帛
が得られる。
【0019】絞りローラ18を通過した布帛17の含有
する含水組成物15は絞りローラ18に押し潰された繊
維間の狭い隙間19に残存する程度の僅かなものであ
り、絞りローラ18を通過して押圧から解除されると押
し潰されていた繊維間の隙間19が広がるので、樹脂加
工布帛26は元の通気性や可撓性を回復することにな
る。そのように布帛17に付与した含水組成物15は絞
りローラ18を通過する時点で全ての繊維間の隙間19
・19′に押し込まれることになり、余剰の含水組成物
15は絞りローラ18によって絞り出されることになる
ので、布帛17に含水組成物15を付与する際には、ロ
ールコーター24やスプレー等によって布帛17の片面
から付与してもよいし、溶液槽に浸漬して布帛17の表
裏両面から付与してもよい。
【0020】含水組成物を付与する層16(42)の厚
みは撥水剤を付与する層12(22・32)の厚みによ
って設定することが出来、撥水剤を布帛の極く限られた
表面部分にだけ付与する場合は、含水組成物を布帛の表
面に限りなく接近した部分にまで付与することが出来、
布帛の色彩が含水組成物によって左右されないようにす
るには、撥水剤を浸透させて表面から深く隠れた布帛内
部に含水組成物が付着するようにする。
【0021】染料と顔料は、布帛の色彩、特に捺染され
た布帛表面の捺染模様の色彩に深みを付与したい場合に
含水組成物に配合するとよく、その場合は、撥水剤12
に染料や顔料を配合して捺染しておくとよい。例えば布
帛17がカーペットに使用されるニードルパンチフエル
トやタフテッドパイル布帛等の嵩高に開毛した厚手のも
のである場合には、例えば淡緑色gと黄色yと言うよう
に異色の染料や顔料を配合した撥水剤12gと12yに
よる模様を間をおいてパイル層27の表面に印捺し、そ
れらの色彩よりも濃い色、例えば濃青色bの染料や顔料
を組成分とする粘度100cps以下の含水組成物15
bを付与することによって、撥水剤12gと12yの印
捺されないパイル表面の地部分(15b)と、撥水剤1
2gと12yの浸透しないパイルの根元(15b)、及
び、バックステッチ33とが含水組成物15bの濃い色
bに着色される。
【0022】そのようにして仕上られたカーペット34
では、印捺形際が離れているので淡緑色gと黄色yが混
じり合うことなく、それらの印捺形際は含水組成物15
bの濃い色bに縁取られて先鋭になり、淡緑色gと黄色
yに着色されたパイルの根元部分が生地(白色)のまま
ではなく濃い色bに着色されているので淡緑色gと黄色
yの印捺模様が濃く深みを帯びたものなり、又、全ての
パイルの根元部分が生地(白色)のままではなく濃い色
bに着色されているので印捺形際が離れているので階段
の踏み板のように角張った箇所に施工しても生地のまま
の白いパイルの根元がパイル列とパイル列の間から現れ
てパイル表面の美観を損なうようなこともなくなる。
【0023】
【実施例】目付が250g/m2 で見掛け厚み3mmの
不織布17の表面に模様を切り抜いた形枠を載せ、その
上から弗素系撥水剤(旭硝子株式会社製品名AG−71
0;固形分18重量%)56重量部とアクリル樹脂エマ
ルジョン(日本カーバイト工業株式会社製品名FX−5
39;固形分40重量%)700重量部と顔料(東洋イ
ンキ株式会社製品名Skyblue)100重量部と水
144重量部とによって組成した撥水剤12をスプレー
によって50g/m2 (wet)塗布し、加熱装置23
に通して130℃にて2分間乾燥処理した後、170℃
にて1分間加熱して撥水処理した。次に、アクリル樹脂
エマルジョン(日本カーバイト工業株式会社製品名FX
−752;固形分50重量%)800重量部と水200
重量部とによって組成され、粘度100cpsに調製さ
れた接着剤15に布帛17を浸漬し、絞りロール18に
通して380g/m2 付与し、そのまま加熱装置25に
通して130℃にて10分間加熱乾燥させた。このよう
にして樹脂加工した不織布26の表面13には撥水剤1
2によって色分けされた捺染模様が描出され、その撥水
剤12によって青色に着色された模様部分の繊維11に
は接着剤15が固着しておらず、青色に着色されない地
部分と裏面16の繊維14だけが接着剤15に被覆され
ており、その表側の地部分と裏面側の繊維間には樹脂加
工前の不織布17と同等の隙間19が認められた。
【0024】
【発明の効果】上記の通り本発明によると、含水組成物
を表面に現われない布帛内部に付与して樹脂加工するこ
とが出来、肌触りのよい樹脂加工布帛が得られ、特に、
含水組成物を表面側から付与しても、その付与した含水
組成物が表面に付着することがないので、裏面側から付
与しても含水組成物が表面に滲み出やすい目付の軽いポ
ーラスな布帛の樹脂加工に好都合である。
【0025】その含水組成物を、布帛の外面に現われる
繊維にだけ偏らず、外面から隠れた布帛内部の繊維に均
一に分散させて付与することが出来、含水組成物の有す
る機能を斑なく樹脂加工布帛に付与することが出来る。
樹脂加工布帛は、含水組成物によって繊維間の隙間が閉
がれず、通気性のある柔軟な風合に仕上げられる。
【0026】含水組成物が接着剤の配合されたもので
は、樹脂加工布帛が耐摩耗性に優れ車両その他の内装材
に通し、特に、裁断口から繊維や糸条の解れ出しがなく
なるので、重ね切り施工される壁張地に適した樹脂加工
布帛が得られる。更に本発明によると、表裏両面に含水
組成物を付着させずに布帛内部の中間層にだけ付与する
ことが出来、表裏両面の触感風合の重視されるカーテン
地用布帛の樹脂加工に好都合である。
【0027】撥水剤に染料や顔料を配合して印捺し、含
水組成物に濃い染料や顔料を配合して付与した布帛26
では、撥水剤による印捺模様の形際が先鋭で色彩に深み
を帯び、特に、本発明をタフテッドパイル布帛に適用す
る場合はパイルの根元部分が生地(白色)のままではな
く濃い色に着色され、パイル列とパイル列の間からパイ
ルの根元部分の白い生地色が透けて見えることがなくな
る。従って本発明は、表面が嵩高に開毛していて低粘度
の捺染糊では印捺形際の周辺に染料が滲み出し易く、高
粘度の捺染糊では深く浸透させることが出来ず、形際が
先鋭で濃く鮮明な捺染模様を描出することが出来ないニ
ードルパンチフエルトやタフテッドパイル布帛等の嵩高
に開毛した厚手の布帛の捺染(プリント)、特に、階段
の踏み板のように角張った箇所に折り曲げて施工されパ
イル列とパイル列の間からパイルの根元部分が表面にむ
き出しになって現れ易いタフテッドカーペットの捺染に
頗る好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る布帛の仕上法の工程図である。
【図2】本発明に係る布帛の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る布帛の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る布帛の拡大断面図である。
【符号の説明】
11 繊維 12 撥水剤 13 表面層 14 繊維 15 含水組成物(接着剤) 16 裏面層 17 布帛 18 絞りローラ 19 隙間 20 ロールコーター 21 繊維 22 表面層 23 加熱装置 24 ロールコーター 25 加熱装置 26 樹脂加工布帛 27 パイル層 31 繊維 32 裏面層 33 バックステッチ 34 カーペット 41 繊維 42 中間層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水剤12を布帛の表面に付与して布帛
    17の表面13を構成する繊維11に撥水性を付与した
    後、接着剤、防炎剤、消臭剤、防虫剤、吸湿剤、防黴
    剤、染料、顔料その他の仕上剤の少なくとも何れか一種
    と水を組成分とする含水組成物15を布帛全体17に付
    与することを特徴とする布帛の仕上法。
  2. 【請求項2】 撥水剤12を布帛の表面に付与して布帛
    17の表面13を構成する繊維11に撥水性を付与した
    後、接着剤、防炎剤、消臭剤、防虫剤、吸湿剤、防黴
    剤、染料、顔料その他の仕上剤の少なくとも何れか一種
    と水を組成分とする含水組成物15を布帛17に付与
    し、その含水組成物15が乾燥しない湿潤状態において
    絞りローラ18に通して布帛17の表裏を押圧すること
    を特徴とする布帛の仕上法。
  3. 【請求項3】 布帛17に付与する含水組成物15の粘
    度が5000cps以下であることを特徴とする前掲請
    求項1に記載の布帛の仕上法。
  4. 【請求項4】 布帛内部の繊維41に付与することなく
    布帛17の表面を構成する繊維21と裏面を構成する繊
    維31に撥水性を付与した後、接着剤、防炎剤、消臭
    剤、防虫剤、吸湿剤、防黴剤、染料、顔料その他の仕上
    剤の少なくとも何れか一種と水を組成分とする含水組成
    物15を布帛17に付与し、その含水組成物15が乾燥
    しない湿潤状態において絞りローラ18に通して布帛1
    7の表裏を押圧した後、その付与した含水組成物15を
    乾燥させることを特徴とする布帛の仕上法。
  5. 【請求項5】 布帛17に付与する含水組成物15の粘
    度が5000cps以下であることを特徴とする前掲請
    求項4に記載の布帛の仕上法。
  6. 【請求項6】 繊維11の表面が撥水剤12に被覆され
    た表面層13と、繊維14の表面が接着剤15に被覆さ
    れた裏面層16との2層構造を成し、表面層13を構成
    する少なくとも一部の繊維11′が裏面層16を構成す
    る一部の繊維14′へと続いており、その表面層13か
    ら裏面層16に続く繊維11′(14′)が表面層13
    と裏面層14の境目において接着剤に被覆されることな
    く撥水剤12に被覆された表面層側の部分(13)と接
    着剤15に被覆された裏面層側の部分(16)とに区切
    られており、裏面層内部16の繊維間に隙間19を有
    し、裏面層16を構成する繊維14と繊維14′の一部
    が接着剤15によって接合されていることを特徴とする
    布帛。
  7. 【請求項7】 繊維表面が撥水剤12に被覆され且つ着
    色された繊維11によって構成された表面層13と、そ
    の表面層13の繊維とは異色に着色された繊維14によ
    って構成された裏面層16との色分けされた2層構造を
    構成していることを特徴とする布帛。
  8. 【請求項8】 繊維21・31の表面が撥水剤12に被
    覆された表面層22と裏面層32と、それら表面層22
    と裏面層32の間に介在して表面が撥水剤に被覆される
    ことなく接着剤15に被覆された繊維41によって構成
    された中間層42とによる3層構造を成し、その中間層
    42の少なくとも一部の繊維41′が表面層22か裏面
    層32の少なくとも何れか一方の層(22・32)へと
    続いていて表面層22または裏面層32の一部を構成し
    ており、その中間層42から表面層22または裏面層3
    2に続く繊維41′が、表面層または裏面層(22また
    は32)と中間層42との境目において接着剤15に被
    覆されずに撥水剤12に被覆された表面層側または裏面
    層側の部分(22または32)と接着剤15に被覆され
    た中間層側の部分(42)に区切られており、中間層4
    2を構成する繊維41と繊維41′の間が接着剤15に
    よって接合されていることを特徴とする布帛。
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