JPH0428830B2 - - Google Patents
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- JPH0428830B2 JPH0428830B2 JP58199613A JP19961383A JPH0428830B2 JP H0428830 B2 JPH0428830 B2 JP H0428830B2 JP 58199613 A JP58199613 A JP 58199613A JP 19961383 A JP19961383 A JP 19961383A JP H0428830 B2 JPH0428830 B2 JP H0428830B2
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Landscapes
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Description
本発明は吸汗・発散効果を有する布帛およびそ
の製造方法に関するものである。 従来、布帛に吸汗性と発散性を同時に兼ね備え
させる方法としては、主として後加工による方法
と編組織による方法が実施されている。 前者は、一般的にはロータリー式スクリーン捺
染機あるいは泡加工機等により布帛の片面に撥水
加工、他面に吸水加工を行う方法であり、後者は
疎水性繊維からなる糸(あるいは撥水加工を施し
た糸)と親水性繊維からなる糸(あるいは親水化
加工を施した糸)を使用して片面に疎水性(撥水
性)の糸、他の片面に親水性の糸がでるような特
殊なリバーシブル組織に編組する方法である。 前者の後加工による方法で製造された布帛は、
通常は撥水面が肌側に接するように使用される。
この場合、発汗量が一定量を越えて汗が撥水層を
通過して表面の親水層へ達するようになつて初め
て機能を発揮するものであり、確かに発汗量が多
い場合には肌に接する面が撥水性であるため汗を
含まず、しかも吸水面へ汗が移行することから若
干べたつき感は軽減されるが、発汗量が比較的少
ない状態においては、もちろん発汗量が多い場合
よりは快適ではあるが、通常の吸水性布帛と比較
すると肌と布帛(撥水面)の衣服内に汗がたまり
易く、かつ湿度も高くなり、肌へのべたつきが大
きくなつて、却つて不快感を生じる場合が出てく
る。また、逆に親水面を肌に接するように使用し
た場合には、発汗量が少ないうちは問題ないが、
発汗量がある一定量を越えると表面が撥水性であ
るため汗が表面へ拡散し難く外気への蒸散量が減
り、その結果布帛に存在する汗量が多くなりまた
衣服内の湿度も高まり、不快感が生じる。 後者の編組織による方法についても発汗時の着
用感は、原理的には後加工による方法と類似した
状態であり、必ずしも吸汗・発散性は十分ではな
く、しかも編組織が特殊であるためコスト高とな
る。 本発明者等は、このような実状に鑑み鋭意研究
の結果、特定の後加工法により良好な吸汗・発散
効果を有する布帛を極めて容易に得ることができ
ることを見い出し、本発明に到達した。すなわち
本発明は「布帛の片側の表面層に撥水処理を行う
に際して表面層の3〜30%を微細な点および/ま
たは線状で未撥水部分として残して撥水処理を行
い、しかる後に布帛の未撥水部分全体に親水化処
理を施すことを特徴とする吸汗・発散布帛の製造
方法」及び「布帛において、該布帛の片側の表面
層のうちその表面積の3〜30%の点状部分およ
び/または線状部分以外の全部分が撥水性を有す
る部分からなり、かつ上記撥水性を有する部分以
外の布帛の全部分が親水性を有する部分からなる
構造を特徴とする布帛」を要旨とするものであ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の布帛は、布帛の片側の表面層のうちそ
の表面積の3〜30%が点状および/または線状の
親水性を有する部分からなり、残りの70〜97%が
撥水性を有する部分からなるとともに、布帛の他
面においてはその表面積の100%が上記点状およ
び/または線状の親水性を有する部分と同様に親
水性を有する部分から成り立つている。なお、本
明細書で用いる“および/または”の語句は双方
のいずれか一方または両方を意味するものとす
る。本発明の布帛は上述の構成を有するものであ
るが布帛に用いられる繊維素材は天然繊維でも合
成繊維でもよく、あるいはこれらの両者を混用し
たものであつてもよい。布帛の片面の表面層にお
ける親水性を有する点状および/または線状部分
は表面積の3〜30%であることが必要である。こ
の点状部分や線状部分は発生した汗を吸収し、布
帛の他面へ移行せしめるための導水管の役割を果
たす部分であるから、この面積が3%未満では親
水性の部分が少なすぎて汗を吸収する効果がとぼ
しくなり、また逆に30%を越えると親水性の部分
が多すぎて吸収した汗による濡れがそのままその
場に残り、望ましくない。 親水性の点状部分の形状は、円形、楕円形、正
方形、長方形等いかなる形状でもよく、無定形で
あつてもいつこうにさしつかえない。親水性の線
状部分の形状は直線、曲線のいずれでもよく、ま
た直線と曲線の組合された線状によつて構成され
ていてもよい。 前述のごとく、本発明の布帛は片面の表面層に
3〜30%の点状や線状の親水性部分を全面に有し
ており、これをスポーツ衣料や肌着等に用いる場
合には、部分的に3〜30%親水化された撥水面を
肌側に接する面として使用するものであり、この
面に部分的に付与した親水化部分は皮膚から生じ
た汗をすばやく毛管現象により反対面、すなわち
生地表面の親水層へ導く導水層の役割を果たすも
のである。この導水層により生地表面の親水層へ
移行した汗は、続いて外気中へ蒸散する。また布
帛の肌に接する面は大部分(70〜97%)が撥水性
であるため、親水層へ移行した汗は肌側へ逆流す
ることは少なく、常に低水分状態が保たれるた
め、肌へのべたつき感は単に親水化加工のみを付
与したものに比較して非常に少なくなり、快適性
が得られる。 本発明の布帛は次のようにして製造することが
できる。 まず、布帛の片側の表面層に撥水処理を行うに
際して表面積の3〜30%を微細な点および/また
は線状で未撥水部分として残して撥水処理を行
う。 使用する撥水剤としては、フッ素系撥水剤、シ
リコン系撥水剤、パラフイン系撥水剤、エチレン
尿素系撥水剤等のほとんどの撥水剤が使用できる
が、製品の用途としてスポーツ用あるいは肌着用
が主体となるため、洗濯耐久性の面でフッ素系撥
水剤あるいはシリコン系撥水剤が好ましい。 撥水加工の方法としては、ロ−タリー式スクリ
ーン捺染機、フラツト式スクリーン捺染機、ロー
ラ式捺染機、泡加工機等を使用して加工を行うこ
とが可能であるが、作業性の点でロータリー式ス
クリーン捺染機が最も好ましい。 布帛の片面の表面層にのみ撥水処理を行うため
には、被加工布帛の厚さや密度に応じて捺染糊の
糊度を適宜の粘度に調節するようにすればよい。 撥水処理後、本発明方法では布帛の未撥水部分
全体に親水化処理を施す。親水化処理に用いる親
水化剤あるいは吸水剤としては合成繊維の場合、
ポリエチレングリコールとポリエチレンテレフタ
レートのブロツク共重合物等の耐久性を有する高
分子化合物が使用できる。素材として綿、レーヨ
ン等の親水性繊維を使用する場合には、必ずしも
撥水加工後に親水化加工(吸水加工)を行う必要
はなく、むしろ前処理段階で強精錬を行つて吸水
性を十分に高めておくことが重要となる。また、
羊毛の場合は、低発汗状態では撥水性を呈する性
質があるため、あらかじめクロリネーシヨンを行
つてスケールに適度の損傷を与えて汗に対する濡
れを大きくしておく等の注意が必要である。加工
の順序としては、撥水加工を行つた後に親水化加
工を行う方法が容易であるが、逆に親水化加工を
行つてから撥水加工を行つてもよい。 本発明の布帛は、撥水処理と親水処理の組合せ
のみによつて吸汗・発散効果を付与するものであ
るから、その製造が簡単であり、産業上の利用価
値は極めて大きいものである。 次に、本発明の布帛の製造方法及び性能を実施
例によつて述べるが、本発明方法はこれに限定さ
れるものではない。 実施例 1 ポリエステル100%織物(目付190g/m2のツイ
ル)を使用し、撥水剤を含んだ下記処方1の捺染
糊をロ−タリー式スクリーン捺染機により、裏通
りせずに布の厚さの半分まで浸透するようにスケ
ージ圧及びメツシユを調整して印捺を行つた。捺
染の柄としては、25%が未撥水部分として残るよ
うに巾4mmで1mmずつ間隔をあけた縦縞状のもの
を使用した。 処方 1 アサヒガードAG310(フッ素系撥水剤、明成化
学K.K.製品) 20部 アルギン酸ソーダ元糊(5%含有) 50部 水 30部 合計 100部 印捺後乾燥し、続いて160℃で2分間熱処理を
行い、次いでソーピングにより糊を落とした。こ
の布帛に対してパーマローズTM(親水化薬剤、
ICI社製品)の5%水溶液を使用してパデイング
を行い、引き続いて乾燥した。 このようにして得られた本発明の布帛について
該布帛の肌への密着性(べたつき)を数値化する
目的で、次に示す方法ですべり抵抗を測定した。 まず資料を3cm×3cmに切り、水分率が各10
%,30%,50%,70%,100%,120%,150%に
なるようにピペツトで水を付与し、25℃,65%
RHの雰囲気に10分間放置した後、試料の上から
18gの荷重をかけ、試料と試料の下のポリプロピ
レンフイルム(ppフイルム)面との界面のすべ
り抵抗値(g/cm2)を測定した。この場合ppフ
イルム面は肌に相当することになるので、試料の
撥水加工面を下側に向けppフイルムと接するよ
うにして測定した。なお、未加工品及び上記のパ
ーマローズTMで同じ方法で全面に親水化処理を
行つたものを比較試料とした。このすべり抵抗値
による測定法は衣服の着用時の発汗による不快感
の主原因である衣服の肌へのべたつき感に非常に
良く相関するものであり、べたつき感に比例して
すべり抵抗は増大する。 測定結果を第1表に示す。
の製造方法に関するものである。 従来、布帛に吸汗性と発散性を同時に兼ね備え
させる方法としては、主として後加工による方法
と編組織による方法が実施されている。 前者は、一般的にはロータリー式スクリーン捺
染機あるいは泡加工機等により布帛の片面に撥水
加工、他面に吸水加工を行う方法であり、後者は
疎水性繊維からなる糸(あるいは撥水加工を施し
た糸)と親水性繊維からなる糸(あるいは親水化
加工を施した糸)を使用して片面に疎水性(撥水
性)の糸、他の片面に親水性の糸がでるような特
殊なリバーシブル組織に編組する方法である。 前者の後加工による方法で製造された布帛は、
通常は撥水面が肌側に接するように使用される。
この場合、発汗量が一定量を越えて汗が撥水層を
通過して表面の親水層へ達するようになつて初め
て機能を発揮するものであり、確かに発汗量が多
い場合には肌に接する面が撥水性であるため汗を
含まず、しかも吸水面へ汗が移行することから若
干べたつき感は軽減されるが、発汗量が比較的少
ない状態においては、もちろん発汗量が多い場合
よりは快適ではあるが、通常の吸水性布帛と比較
すると肌と布帛(撥水面)の衣服内に汗がたまり
易く、かつ湿度も高くなり、肌へのべたつきが大
きくなつて、却つて不快感を生じる場合が出てく
る。また、逆に親水面を肌に接するように使用し
た場合には、発汗量が少ないうちは問題ないが、
発汗量がある一定量を越えると表面が撥水性であ
るため汗が表面へ拡散し難く外気への蒸散量が減
り、その結果布帛に存在する汗量が多くなりまた
衣服内の湿度も高まり、不快感が生じる。 後者の編組織による方法についても発汗時の着
用感は、原理的には後加工による方法と類似した
状態であり、必ずしも吸汗・発散性は十分ではな
く、しかも編組織が特殊であるためコスト高とな
る。 本発明者等は、このような実状に鑑み鋭意研究
の結果、特定の後加工法により良好な吸汗・発散
効果を有する布帛を極めて容易に得ることができ
ることを見い出し、本発明に到達した。すなわち
本発明は「布帛の片側の表面層に撥水処理を行う
に際して表面層の3〜30%を微細な点および/ま
たは線状で未撥水部分として残して撥水処理を行
い、しかる後に布帛の未撥水部分全体に親水化処
理を施すことを特徴とする吸汗・発散布帛の製造
方法」及び「布帛において、該布帛の片側の表面
層のうちその表面積の3〜30%の点状部分およ
び/または線状部分以外の全部分が撥水性を有す
る部分からなり、かつ上記撥水性を有する部分以
外の布帛の全部分が親水性を有する部分からなる
構造を特徴とする布帛」を要旨とするものであ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の布帛は、布帛の片側の表面層のうちそ
の表面積の3〜30%が点状および/または線状の
親水性を有する部分からなり、残りの70〜97%が
撥水性を有する部分からなるとともに、布帛の他
面においてはその表面積の100%が上記点状およ
び/または線状の親水性を有する部分と同様に親
水性を有する部分から成り立つている。なお、本
明細書で用いる“および/または”の語句は双方
のいずれか一方または両方を意味するものとす
る。本発明の布帛は上述の構成を有するものであ
るが布帛に用いられる繊維素材は天然繊維でも合
成繊維でもよく、あるいはこれらの両者を混用し
たものであつてもよい。布帛の片面の表面層にお
ける親水性を有する点状および/または線状部分
は表面積の3〜30%であることが必要である。こ
の点状部分や線状部分は発生した汗を吸収し、布
帛の他面へ移行せしめるための導水管の役割を果
たす部分であるから、この面積が3%未満では親
水性の部分が少なすぎて汗を吸収する効果がとぼ
しくなり、また逆に30%を越えると親水性の部分
が多すぎて吸収した汗による濡れがそのままその
場に残り、望ましくない。 親水性の点状部分の形状は、円形、楕円形、正
方形、長方形等いかなる形状でもよく、無定形で
あつてもいつこうにさしつかえない。親水性の線
状部分の形状は直線、曲線のいずれでもよく、ま
た直線と曲線の組合された線状によつて構成され
ていてもよい。 前述のごとく、本発明の布帛は片面の表面層に
3〜30%の点状や線状の親水性部分を全面に有し
ており、これをスポーツ衣料や肌着等に用いる場
合には、部分的に3〜30%親水化された撥水面を
肌側に接する面として使用するものであり、この
面に部分的に付与した親水化部分は皮膚から生じ
た汗をすばやく毛管現象により反対面、すなわち
生地表面の親水層へ導く導水層の役割を果たすも
のである。この導水層により生地表面の親水層へ
移行した汗は、続いて外気中へ蒸散する。また布
帛の肌に接する面は大部分(70〜97%)が撥水性
であるため、親水層へ移行した汗は肌側へ逆流す
ることは少なく、常に低水分状態が保たれるた
め、肌へのべたつき感は単に親水化加工のみを付
与したものに比較して非常に少なくなり、快適性
が得られる。 本発明の布帛は次のようにして製造することが
できる。 まず、布帛の片側の表面層に撥水処理を行うに
際して表面積の3〜30%を微細な点および/また
は線状で未撥水部分として残して撥水処理を行
う。 使用する撥水剤としては、フッ素系撥水剤、シ
リコン系撥水剤、パラフイン系撥水剤、エチレン
尿素系撥水剤等のほとんどの撥水剤が使用できる
が、製品の用途としてスポーツ用あるいは肌着用
が主体となるため、洗濯耐久性の面でフッ素系撥
水剤あるいはシリコン系撥水剤が好ましい。 撥水加工の方法としては、ロ−タリー式スクリ
ーン捺染機、フラツト式スクリーン捺染機、ロー
ラ式捺染機、泡加工機等を使用して加工を行うこ
とが可能であるが、作業性の点でロータリー式ス
クリーン捺染機が最も好ましい。 布帛の片面の表面層にのみ撥水処理を行うため
には、被加工布帛の厚さや密度に応じて捺染糊の
糊度を適宜の粘度に調節するようにすればよい。 撥水処理後、本発明方法では布帛の未撥水部分
全体に親水化処理を施す。親水化処理に用いる親
水化剤あるいは吸水剤としては合成繊維の場合、
ポリエチレングリコールとポリエチレンテレフタ
レートのブロツク共重合物等の耐久性を有する高
分子化合物が使用できる。素材として綿、レーヨ
ン等の親水性繊維を使用する場合には、必ずしも
撥水加工後に親水化加工(吸水加工)を行う必要
はなく、むしろ前処理段階で強精錬を行つて吸水
性を十分に高めておくことが重要となる。また、
羊毛の場合は、低発汗状態では撥水性を呈する性
質があるため、あらかじめクロリネーシヨンを行
つてスケールに適度の損傷を与えて汗に対する濡
れを大きくしておく等の注意が必要である。加工
の順序としては、撥水加工を行つた後に親水化加
工を行う方法が容易であるが、逆に親水化加工を
行つてから撥水加工を行つてもよい。 本発明の布帛は、撥水処理と親水処理の組合せ
のみによつて吸汗・発散効果を付与するものであ
るから、その製造が簡単であり、産業上の利用価
値は極めて大きいものである。 次に、本発明の布帛の製造方法及び性能を実施
例によつて述べるが、本発明方法はこれに限定さ
れるものではない。 実施例 1 ポリエステル100%織物(目付190g/m2のツイ
ル)を使用し、撥水剤を含んだ下記処方1の捺染
糊をロ−タリー式スクリーン捺染機により、裏通
りせずに布の厚さの半分まで浸透するようにスケ
ージ圧及びメツシユを調整して印捺を行つた。捺
染の柄としては、25%が未撥水部分として残るよ
うに巾4mmで1mmずつ間隔をあけた縦縞状のもの
を使用した。 処方 1 アサヒガードAG310(フッ素系撥水剤、明成化
学K.K.製品) 20部 アルギン酸ソーダ元糊(5%含有) 50部 水 30部 合計 100部 印捺後乾燥し、続いて160℃で2分間熱処理を
行い、次いでソーピングにより糊を落とした。こ
の布帛に対してパーマローズTM(親水化薬剤、
ICI社製品)の5%水溶液を使用してパデイング
を行い、引き続いて乾燥した。 このようにして得られた本発明の布帛について
該布帛の肌への密着性(べたつき)を数値化する
目的で、次に示す方法ですべり抵抗を測定した。 まず資料を3cm×3cmに切り、水分率が各10
%,30%,50%,70%,100%,120%,150%に
なるようにピペツトで水を付与し、25℃,65%
RHの雰囲気に10分間放置した後、試料の上から
18gの荷重をかけ、試料と試料の下のポリプロピ
レンフイルム(ppフイルム)面との界面のすべ
り抵抗値(g/cm2)を測定した。この場合ppフ
イルム面は肌に相当することになるので、試料の
撥水加工面を下側に向けppフイルムと接するよ
うにして測定した。なお、未加工品及び上記のパ
ーマローズTMで同じ方法で全面に親水化処理を
行つたものを比較試料とした。このすべり抵抗値
による測定法は衣服の着用時の発汗による不快感
の主原因である衣服の肌へのべたつき感に非常に
良く相関するものであり、べたつき感に比例して
すべり抵抗は増大する。 測定結果を第1表に示す。
【表】
第1表より明らかなように、実施例1による方
法で加工を行つたものは、水分率が増えても他の
比較試料のように急激に抵抗値が増大することは
なく、緩慢な増加がみられるだけである。したが
つて、本発明品は、発汗量が多くなり高水分領域
になつても肌へのべたつき感はわずかに増加する
だけであることがわかる。特に未加工品は水の抱
水能力が非常に小さいため低水分領域(30%)で
急激な増加が見られ、わずかの発汗で不快感が生
じることが明らかである。高水分領域で抵抗値が
低下していくのは、水分が試料の吸収能力を越え
たためである。 実施例 2 綿100%メリヤス(目付160g/m2、フライス
編)の十分に精錬を行つたものを使用し、実施例
1と同様に浸透性を調整し、ロ−タリー式スクリ
ーン捺染機により下記処方2の捺染糊を使用して
印捺を行つた。捺染柄としては、未撥水部分が直
径2mmの円形の点で撥水部分の20%になるように
設定した。 処方 2 デイツクシリコンconc.S(シリコン系撥水剤日
本ライヒK.K製品) 15部 カタリストSC−100(触媒、日本ライヒK.K製
品) 15部 アルギン酸ソーダ元糊(5%含有) 50部 水 20部 合計 100部 印捺後乾燥し、続いて150℃で2分間の熱処理
を行い、ソーピングにより糊を落とした。この試
料について実施例1と同様の条件で界面のすべり
抵抗値を測定した。なお、比較として未加工品に
ついても測定を行つた。その結果を第2表に示
す。
法で加工を行つたものは、水分率が増えても他の
比較試料のように急激に抵抗値が増大することは
なく、緩慢な増加がみられるだけである。したが
つて、本発明品は、発汗量が多くなり高水分領域
になつても肌へのべたつき感はわずかに増加する
だけであることがわかる。特に未加工品は水の抱
水能力が非常に小さいため低水分領域(30%)で
急激な増加が見られ、わずかの発汗で不快感が生
じることが明らかである。高水分領域で抵抗値が
低下していくのは、水分が試料の吸収能力を越え
たためである。 実施例 2 綿100%メリヤス(目付160g/m2、フライス
編)の十分に精錬を行つたものを使用し、実施例
1と同様に浸透性を調整し、ロ−タリー式スクリ
ーン捺染機により下記処方2の捺染糊を使用して
印捺を行つた。捺染柄としては、未撥水部分が直
径2mmの円形の点で撥水部分の20%になるように
設定した。 処方 2 デイツクシリコンconc.S(シリコン系撥水剤日
本ライヒK.K製品) 15部 カタリストSC−100(触媒、日本ライヒK.K製
品) 15部 アルギン酸ソーダ元糊(5%含有) 50部 水 20部 合計 100部 印捺後乾燥し、続いて150℃で2分間の熱処理
を行い、ソーピングにより糊を落とした。この試
料について実施例1と同様の条件で界面のすべり
抵抗値を測定した。なお、比較として未加工品に
ついても測定を行つた。その結果を第2表に示
す。
【表】
第2表より明らかなように、実施例2による方
法で加工を行つたものは、未加工品に比較して低
水分領域ではほとんど近似したすべり抵抗値を示
すが、高水分領域(100%以上)になるとその差
を生じ、本発明の加工を行つたものは発汗量が多
くなつても肌へのべたつき感が少ないことがわか
る。 なお、実施例2に使用した綿100%メリヤスは
吸水能力が大きいため、未加工品でも実施例1の
未加工品又は親水化加工品のように、すべり抵抗
の最大ピークは現れず、かつすべり抵抗値も低い
値となつた。
法で加工を行つたものは、未加工品に比較して低
水分領域ではほとんど近似したすべり抵抗値を示
すが、高水分領域(100%以上)になるとその差
を生じ、本発明の加工を行つたものは発汗量が多
くなつても肌へのべたつき感が少ないことがわか
る。 なお、実施例2に使用した綿100%メリヤスは
吸水能力が大きいため、未加工品でも実施例1の
未加工品又は親水化加工品のように、すべり抵抗
の最大ピークは現れず、かつすべり抵抗値も低い
値となつた。
Claims (1)
- 1 布帛の片側の表面層に撥水処理を行うに際し
て表面積の3〜30%を微細な点および/または線
状で未撥水部分として残して撥水処理を行い、し
かる後に布帛の未撥水部分全体に親水化処理を施
すことを特徴とする吸汗・発散布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19961383A JPS6094682A (ja) | 1983-10-25 | 1983-10-25 | 布帛の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19961383A JPS6094682A (ja) | 1983-10-25 | 1983-10-25 | 布帛の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6094682A JPS6094682A (ja) | 1985-05-27 |
JPH0428830B2 true JPH0428830B2 (ja) | 1992-05-15 |
Family
ID=16410766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19961383A Granted JPS6094682A (ja) | 1983-10-25 | 1983-10-25 | 布帛の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6094682A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07292573A (ja) * | 1994-04-19 | 1995-11-07 | Higashi Kagaku:Kk | 布帛とその仕上法 |
JP2015523476A (ja) * | 2013-05-15 | 2015-08-13 | ベンテックス カンパニー,リミテッド | 高水分転移繊維シート |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60119276A (ja) * | 1983-12-01 | 1985-06-26 | 株式会社クラレ | 吸水速乾性生地 |
JPS6257983A (ja) * | 1985-09-09 | 1987-03-13 | 富士紡績株式会社 | 発汗着用時ベタつきを感じさせない布帛およびその布帛の加工処理方法 |
GB9712249D0 (en) * | 1997-06-13 | 1997-08-13 | British United Shoe Machinery | Absorbent layer |
WO2002027088A2 (en) | 2000-09-29 | 2002-04-04 | Cotton Incorporated | Cellulosic substrates with reduced absorbent capacity having the capability to wick liquids |
DE10105234A1 (de) * | 2001-02-02 | 2002-08-29 | Schoeller Textil Ag Sevelen | Textile Fläche |
US11098444B2 (en) | 2016-01-07 | 2021-08-24 | Tommie Copper Ip, Inc. | Cotton performance products and methods of their manufacture |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5244959A (en) * | 1975-10-07 | 1977-04-08 | Fuji Kikai Seisakusho Kk | Distributing apparatus |
JPS57171736A (en) * | 1981-04-16 | 1982-10-22 | Teijin Ltd | Fabric for garment |
JPS609974A (ja) * | 1983-06-21 | 1985-01-19 | カネボウ株式会社 | 吸湿性布帛 |
-
1983
- 1983-10-25 JP JP19961383A patent/JPS6094682A/ja active Granted
Patent Citations (3)
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JP2015523476A (ja) * | 2013-05-15 | 2015-08-13 | ベンテックス カンパニー,リミテッド | 高水分転移繊維シート |
US20160069017A1 (en) * | 2013-05-15 | 2016-03-10 | Kung Chan Ko | High moisture transferable textile sheet |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6094682A (ja) | 1985-05-27 |
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