JP3078233B2 - 装飾シートおよびその製造方法 - Google Patents

装飾シートおよびその製造方法

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JP3078233B2
JP3078233B2 JP08273070A JP27307096A JP3078233B2 JP 3078233 B2 JP3078233 B2 JP 3078233B2 JP 08273070 A JP08273070 A JP 08273070A JP 27307096 A JP27307096 A JP 27307096A JP 3078233 B2 JP3078233 B2 JP 3078233B2
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deodorant
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vinyl chloride
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賢朗 服部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁材、天井材およ
び床材等の建築物内装材、車輌用の内装材や座席表装
材、家具用表装材などとして好適に使用される優れた消
臭効果を奏する装飾シートおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、壁材、天井材および床材等の
建築物内装材、車輌用の内装材や座席表装材、家具用表
装材などとして、合成樹脂や布帛など各種の素材からな
る装飾シートが使用されている。
【0003】一方近年では、快適な居住空間の実現に対
する要求が高まっており、臭覚上の不快感(不快臭)の
除去もその一つである。特に、鉄筋コンクリートやアル
ミサッシ等を使用した建築物が近年増加しているが、こ
のような建築物は高い気密性を有しているため、不快臭
が籠もりやすい。また、車輌においても同様である。そ
こで、上記のような装飾シートについても、消臭効果を
付与することが検討されている。
【0004】装飾シートに消臭効果を付与する方法とし
ては、装飾シートを構成する合成樹脂層中に消臭剤を練
り込む方法が知られている。この方法は、消臭剤を添加
した合成樹脂組成物を適宜の手段にて成形して装飾シー
トとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の合成樹脂層中に
消臭剤を練り込んだ装飾シートは、ある程度の消臭効果
を奏するものであるが、消臭剤が合成樹脂層中に略均一
に分散しているため、練り込んだ消臭剤中、不快臭の成
分と接触する消臭剤は極僅かであり、消臭効果が十分な
ものとは言えなかった。また、合成樹脂中に練り込む消
臭剤の量を多くすれば、ある程度の消臭効果の向上は見
られるが十分とは言えず、むしろ製品のコストが大幅に
高くなるといった問題が生じる。
【0006】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、消臭剤の使用量が少量であっても、優
れた消臭効果を奏し得る装飾シートおよびその製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の装飾シートは、シート状基材の表面に、接着剤を
介して粒状物を固着した装飾シートであって、前記粒状
物の少なくとも一部が、表面に消臭剤を付着せしめた粒
径0.1〜5.0mmの粒状物であり、接着剤は任意の
模様状に塗布され、粒状物がそれに沿って固着されてな
り、接着剤の塗布面積がシート状基材表面積の10%以
上であることを特徴とするものである。すなわち本発明
の装飾シートは、消臭剤を練り込まずに、粒状物表面に
付着せしめ、かつ表面に消臭剤を付着せしめた粒状物を
接着剤を介してシート状基材表面に固着せしめたことに
より、該粒状物同志が間隙を有した状態で固着せしめら
れ、その結果として、空気中の不快臭成分との接触面積
が大きくなり、極めて効率的に不快臭を除去することが
できるのである。
【0008】また、本発明の装飾シートの製造方法は、
シート状基材の表面積の10%以上に模様状に接着剤を
塗布した後、塗布した接着剤が硬化する前に、表面に消
臭剤を付着せしめた粒径0.1〜5.0mmの粒状物を
含む粒状物を散布して前記粒状物を付着させ、余剰の粒
状物を除去してから接着剤を硬化させるとともに、粒状
物を固着一体化せしめることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の装
飾シートについて説明する。図1は、本発明の装飾シー
トの一実施例を示す部分拡大断面図であり、図中の符号
1は本発明の装飾シート、符号11はシート状基材、符
号2は粒状物、符号3は接着剤を示している。
【0010】本発明の装飾シート1に使用できるシート
状基材11としては、従来より装飾シートあるいは装飾
シートの基材として使用されているものであれば、いず
れのものであっても使用できる。勿論、これらの製造に
あたっては、従来と同様の方法が採用できる。
【0011】例えば、壁材や天井材の場合であれば、通
常使用されている難燃紙や不燃紙などの紙類や、天然の
動物性または植物性繊維、ガラス繊維、ロックウール、
パルプ、合成繊維等の無機または有機繊維の一種または
二種以上に必要に応じて炭酸カルシウム、クレー、水酸
化アルミニウム等の充填剤や樹脂バインダー等を混合し
てなる織布、編布、不織布などの布帛類、あるいはこれ
らの表面に発泡または非発泡の合成樹脂層を一層あるい
は複数層形成したものなどが使用できる。尚、前記の合
成樹脂層は全面に形成したものに限らず、ロータリース
クリーンプリンター等を用いて模様状に形成したもので
あってもよい。また、エンボスロール等を用いてのエン
ボス加工や、発泡抑制剤および/または発泡促進剤を含
むインキを使用したいわゆるケミカルエンボス法にて表
面に凹凸を形成したものであってもよいし、通常のイン
キを用いて印刷模様を形成したものであってもよい。
【0012】床材の場合では、発泡あるいは非発泡の合
成樹脂シート、発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を複数
層積層した合成樹脂積層シート、天然の動物性または植
物性繊維、ガラス繊維、ロックウール、パルプ、合成繊
維等の無機または有機繊維の一種または二種以上に必要
に応じて炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム
等の充填剤や樹脂バインダー等を混合してなる織布、編
布、不織布、紙等の基材表面および/または裏面に、発
泡または非発泡の合成樹脂層を一層あるいは複数層積層
したものなどが使用できる。上記の合成樹脂シートある
いは合成樹脂層は、熱可塑性樹脂製チップを加熱圧着し
て得られるものであってもよい。また、エンボスロール
等を用いてのエンボス加工や、発泡抑制剤および/また
は発泡促進剤を含むインキを使用したいわゆるケミカル
エンボス法にて表面に凹凸を形成したものであってもよ
いし、通常のインキを用いて印刷模様を形成したもので
あってもよく、これらの表面に、必要に応じて透明およ
び/または不透明の着色チップ、無機粉体などを含有せ
しめた透明または不透明の耐摩耗層を形成したものや紫
外線硬化型塗料等による塗膜を形成したものであっても
よい。
【0013】車輌用の内装材や座席表装材あるいは家具
用表装材の場合では、発泡あるいは非発泡の合成樹脂シ
ート、発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を複数層積層し
た合成樹脂積層シート、天然の動物性または植物性繊
維、ガラス繊維、ロックウール、パルプ、合成繊維等の
無機または有機繊維の一種または二種以上に必要に応じ
て炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム等の充
填剤や樹脂バインダー等を混合してなる織布、編布、不
織布等に発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を一層あるい
は複数層積層したもの、上記の布帛類に合成樹脂を含浸
させたものなどが使用できる。また、エンボスロール等
を用いてのエンボス加工や、発泡抑制剤および/または
発泡促進剤を含むインキを使用したいわゆるケミカルエ
ンボス法、絞付離型紙などを使用したいわゆる転写法な
どの手段にて表面に凹凸を形成したものであってもよい
し、通常のインキを用いて印刷模様を形成したものであ
ってもよく、また、艶調整などを目的とした表面処理を
施したものであってもよい。
【0014】上記の合成樹脂としては、従来より装飾シ
ートに使用されているものであればいずれのものであっ
ても使用できる。具体的には、塩化ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチ
レン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂な
どの熱可塑性樹脂やこれらの混合物、フェノール系樹
脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂が
使用できる。
【0015】上記の塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩
化ビニル樹脂、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルエ
ーテル共重合樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステル共
重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸共重合樹脂、塩化ビ
ニル−メタクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル
酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸エス
テル共重合樹脂、塩化ビニル−ウレタン共重合樹脂など
から選ばれる一種以上の樹脂が使用でき、上記のオレフ
ィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート
共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹
脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−ア
クリル酸共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂
などが使用できる。
【0016】また、上記の合成樹脂に代えて、例えば、
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン
ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−酢ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリン
ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムな
どの天然もしくは合成ゴムや熱可塑性エラストマー(T
PE)なども使用することができる。
【0017】上記の合成樹脂、ゴムあるいは熱可塑性エ
ラストマー(以下、「合成樹脂」と記す)には、必要に
応じて可塑剤、安定剤、滑剤、発泡剤、膨張剤、帯電防
止剤、導電性粉末、導電性短繊維、抗菌剤、防黴剤、各
種充填剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、老化防止剤、軟化
剤、増粘剤、粘度降下剤、希釈剤、二次可塑剤、各種界
面活性剤、撥水剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、着色剤な
どの通常使用される添加剤を添加することができる。勿
論、上記の合成樹脂に消臭剤を添加してもよい。
【0018】上記の合成樹脂および必要に応じて添加さ
れる各種添加剤とからなる合成樹脂組成物は、従来と同
様の方法、例えば、カレンダー法、押出法などの公知の
手段にてシート状に成形し、必要に応じて基材等と積層
する方法や、合成樹脂組成物がペーストやエマルジョン
等の場合には、ドクターナイフコーター、ロールコータ
ー、グラビアプリンター、ロータリースクリーンプリン
ター、カーテンフローコーター等の手段にて塗布した
後、加熱ゲル化もしくは乾燥固化して合成樹脂層を形成
する方法などによって、合成樹脂層あるいは合成樹脂シ
ートとされる。
【0019】シート状基材11の厚さは、特に限定され
るものではなく、その用途によって適宜選定される。例
えば、壁材や天井材の場合では0.1〜3.0mm程
度、床材の場合では0.5〜10mm程度、車輌用の内
装材や座席表装材あるいは家具用表装材の場合では0.
3〜5.0mm程度である。
【0020】シート状基材11の上に塗布される接着剤
3としては、加熱、紫外線照射、電子線照射などによっ
て硬化する性質の、公知の液状接着剤が使用でき、使用
するシート状基材および粒状物の種類等に応じて適宜選
定される。具体的には、塩化ビニルペースト;塩化ビニ
ル−エチレン共重合樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリ
ル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョ
ン、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂エマルジョン、ア
クリル−スチレン共重合樹脂エマルジョン、エチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エ
マルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン等の合成樹脂エ
マルジョン;SBRラテックス、NBRラテックス、C
Rラテックス、IIRラテックス等のラテックスなどの
接着剤が挙げられる。これらは、単独で使用してもよい
し、二種以上を併用して使用することもできる。
【0021】上記の接着剤は透明であっても不透明であ
ってもよく、任意の色相に着色することもできる。ま
た、上記の接着剤には、必要に応じて可塑剤、安定剤、
各種充填剤、帯電防止剤、導電性粉末、導電性短繊維、
抗菌剤、防黴剤、増粘剤、粘度降下剤、希釈剤、各種界
面活性剤、撥水剤、撥油剤、発泡剤、膨張剤、架橋剤、
硬化剤、着色剤などの添加剤を添加することもできる。
勿論、消臭剤を添加してもよい。
【0022】上記の接着剤3は、シート状基材11の表
面に任意の模様状に塗布される。任意の模様状に塗布し
た場合は、後で固着する粒状物がそれに沿って固着され
ることになり、意匠性にも優れた装飾シートを得ること
ができる。接着剤3を塗布する手段としては、任意の模
様状に塗布する場合であれば、グラビアプリンター、ロ
ータリースクリーンプリンター、フレキソ印刷機などが
使用できる。
【0023】接着剤3を模様状に塗布する場合にあって
は、塗布面積が小さすぎると、消臭剤を表面に付着せし
めた粒状物の固着量が少なくなりすぎるため、充分な消
臭効果を得ることができない。塗布面積の最低限度は、
固着せしめる粒状物中に含まれる消臭剤を表面に付着せ
しめた粒状物の量などによって異なり、一概には決めら
れないが、目安としては、固着せしめる粒状物中の全て
が消臭剤を表面に付着せしめた粒状物の場合で、シート
状基材表面積の約10%程度とするのが好ましい。すな
わち、固着せしめる粒状物中の全てが消臭剤を表面に付
着せしめた粒状物の場合では、接着剤3の塗布面積がシ
ート状基材表面積の約10%以上とするのが好ましく、
固着せしめる粒状物中の約50%が消臭剤を表面に付着
せしめた粒状物である場合には、接着剤3の塗布面積が
シート状基材表面積の約20%以上とするのが好まし
い。
【0024】接着剤3の塗布厚については、薄すぎると
粒状物2の固着力が劣るため、使用中に粒状物2が脱離
するなどの問題が生じ、厚すぎて粒状物2が接着剤3中
に埋没した場合では、不快臭成分との接触面積が小さく
なり、充分な消臭効果を得ることができない。なお、塗
布厚が厚くても粒状物2が接着剤3中に埋没せずに、接
着剤3の表面部分に止まっている場合であれば、塗布厚
が厚すぎても消臭効果を損なうことはない。
【0025】本発明に使用される上記の接着剤3を介し
てシート状基材に固着される粒状物2は、図2に示すよ
うな核となる粒状物21の表面に消臭剤22を付着せし
めたものを含むものである。
【0026】核となる粒状物21としては、合成樹脂や
ゴムなどからなる有機質粒状物であってもよいし、天然
鉱物などの無機質粒状物であってもよく、これらの混合
物であってもよい。核となる粒状物21の形状は、図
1、図2に示すような球状に限られるものではなく、任
意の形状のものが使用できるが、車輌用の座席表装材、
家具用表装材などのように、人が直接触れるような箇所
に使用する場合には、角張ったものは避けるのが望まし
い。また、人が直接触れるような箇所に使用する場合に
は、粒状物21の素材として著しく硬いものは避けるの
が望ましい。
【0027】核となる粒状物21の粒径は、小さすぎる
と表面に消臭剤22を付着させづらいとともに、接着剤
3より露出する部分の面積が小さすぎて充分な消臭効果
を得ることができず、大きすぎると、装飾シート表面に
大きな突起が形成されるために、触感が悪くなるばかり
か、使用中に種々のものを引っ掛けたりして、粒状物2
が脱離するなどの問題が生じやすい。従って、粒状物2
1の粒径は、0.1〜5.0mm程度とするのが望まし
い。
【0028】核となる粒状物21として好ましくは、ポ
リ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニ
ルエーテル共重合樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステ
ル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸共重合樹脂、塩
化ビニル−メタクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−アク
リル酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸
エステル共重合樹脂、塩化ビニル−ウレタン共重合樹脂
等の塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共
重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂、
エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン
−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重
合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂等のオレフィ
ン系樹脂などの熱可塑性樹脂;フェノール系樹脂、尿素
系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂;天然ゴ
ム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、
ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢
ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、
アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの天
然もしくは合成ゴム;熱可塑性エラストマーなどから選
ばれる一種以上の材料からなる顆粒状物、ペレット、チ
ップ、塊状物等やこれらの顆粒状物等の混合物である。
勿論、上記の顆粒状物等に上記以外の材料からなる有機
質粒状物や無機質粒状物を混合してもよい。
【0029】上記の核となる粒状物21は、透明であっ
ても不透明であってもよく、任意の色相に着色されたも
のであってもよい。また、必要に応じて、可塑剤、安定
剤、滑剤、発泡剤、膨張剤、帯電防止剤、導電性粉末、
導電性短繊維、抗菌剤、防黴剤、各種充填剤、紫外線吸
収剤、抗酸化剤、老化防止剤、軟化剤、増粘剤、粘度降
下剤、希釈剤、二次可塑剤、各種界面活性剤、撥水剤、
撥油剤、架橋剤、硬化剤、着色剤などの通常使用される
添加剤を添加したものであってもよい。勿論、消臭剤を
添加したものであってもよい。
【0030】本発明に使用される消臭剤としては、従来
より使用されているものであれば、いずれのものであっ
ても使用できる。具体的には、活性炭、活性炭素繊維、
ゼオライト、ベントナイトなどの吸着剤、ラウリルメタ
アクリレート、グリオキザール、ジヒドロキシアセト
ン、ゲラニルクロトネート、3,3,5−トリメチルヘ
キサトール、β−エトキシプロピオンアルデヒド、グル
タロアルデヒド、ジアナミド、トリエチレングリコール
等のグリコール類、各種脂肪酸、フマル酸、スルファミ
ン酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、ヒドロキシカルボ
ン酸、ポリカルボン酸、アビエチン酸(マツ科植物の樹
脂中に含まれる)、木酸液(木材の熱分解によって得ら
れる酸性成分でフェノール成分を含む)、各種脂肪酸ア
ルデヒド、硫酸第一鉄等の各種硫酸塩、各種硝酸塩、無
機または有機の塩基性物質、鉄(II)−アスコルビン
酸系物質、マンガン(II)−アスコルビン酸系物質、
鉄(III)−オクタカルボキシフタロシアニン、緑茶
フラボノイド(緑茶抽出成分で、消臭成分であるフラボ
ノイドを主体とし、アミノ酸、タンニン、有機酸、糖
類、プリン塩基等を含む)、緑茶乾留エキス、天然鉱物
の粉末、氣鳴岩の粉末などが挙げられる。上記の消臭剤
は、単独または二種以上を併用して使用できる。また、
必要に応じて、活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト、ベ
ントナイト、シリカ(天然シリカ、合成シリカ等)など
の多孔性物質に吸着させたものであってもよいし、マイ
クロカプセルに封入したものであってもよい。
【0031】上記の消臭剤は、核となる粒状物21の表
面に付着させる。このとき、予め粒状物21の表面に、
シート状基材11表面に塗布する接着剤と同様の接着剤
を塗布しておいてもよい。また、核となる粒状物21の
表面に着色剤を付着させた後、消臭剤を付着させてもよ
い。更に、消臭効果を損なわない程度であれば、消臭剤
を付着させた後に着色剤を付着させたり、消臭剤を付着
させた後あるいは着色剤を付着させた後に、粒状物21
と消臭剤との接着力をより強固にすること等を目的とし
た表面処理を施すこともできる。なお、消臭剤の種類に
よっては、合成樹脂中に消臭剤を含有させ、それを核と
なる粒状物21の表面に付着させ、消臭剤を含有する合
成樹脂層を形成することによって、消臭剤を付着せしめ
ることも可能である。
【0032】上記の接着剤や消臭剤を含有させる合成樹
脂層は、透明であっても不透明であってもよく、任意の
色相に着色されたものであってもよい。
【0033】上記のように、核となる粒状物21の表面
に消臭剤22(接着剤、着色剤、表面処理、消臭剤を含
有する合成樹脂層等を含む、以下同じ)を付着せしめた
粒状物2は、核となる粒状物21、粒状物21に表面に
塗布する接着剤、消臭剤を含有させた合成樹脂層等を任
意の色相に着色したり、核となる粒状物21の表面に任
意の色相の着色剤を付着させたりすることによって、任
意の色相に着色することができる。この任意の色相に着
色された粒状物2をシート状基材に固着させる場合に
は、同一の色相に着色された粒状物2のみを固着させる
ようにしてもよいし、異なる色相に着色された粒状物を
適宜混合して固着させるようにしてもよい。このよう
に、任意の色相に着色された粒状物2、特に異なる色相
に着色された粒状物を適宜混合してシート状基材11表
面に固着させることによって、意匠性にも優れる装飾シ
ートを得ることができる。
【0034】核となる粒状物21の表面に消臭剤22を
付着せしめる具体的手段としては、例えば、核となる粒
状物21を高速回転翼型ミキサー(ヘンシェルミキサ
ー、スーパーミキサー等)、リボンブレンダー等の混合
攪拌機に投入して加熱攪拌を行い、核となる粒状物21
が加熱され、表面が粘着性を帯びた状態となった時に消
臭剤を表面に付着させる方法が挙げられる。また、核と
なる粒状物21と消臭剤との接着をより強固にするため
に、表面処理として、着色剤、撥水剤、その他の各種添
加剤を添加した合成樹脂組成物などを、消臭剤による消
臭効果を損なわない程度の厚さに塗布してもよい。
【0035】上記の着色剤、撥水剤、その他の各種添加
剤を添加した合成樹脂組成物としては、液状であっても
粉末等の固体状であってもよいが、固体状である場合に
は、核となる粒状物21が軟化しない温度で溶融し、消
臭剤を付着せしめた粒状物の表面に合成樹脂層を形成し
得るものであることが必要である。
【0036】上記の液状の合成樹脂組成物としては、塩
化ビニルペースト;塩化ビニル−エチレン共重合樹脂エ
マルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂エマル
ジョン、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂エマルジョ
ン、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル
共重合樹脂エマルジョン、アクリル−スチレン共重合樹
脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマ
ルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂
エマルジョン等の合成樹脂エマルジョンなどが挙げられ
る。また、SBRラテックス、NBRラテックス、CR
ラテックス、IIRラテックス等のラテックスなどを使
用することもできる。
【0037】これらの合成樹脂組成物あるいはラテック
スは、透明であっても不透明であってもよく、任意の色
相に着色することもできる。また、これらの合成樹脂組
成物あるいはラテックスには、必要に応じて可塑剤、安
定剤、各種充填剤、帯電防止剤、導電性粉末、導電性短
繊維、抗菌剤、防黴剤、増粘剤、粘度降下剤、希釈剤、
各種界面活性剤、撥水剤、撥油剤、発泡剤、膨張剤、架
橋剤、硬化剤、着色剤などの添加剤を添加することもで
きる。勿論、消臭剤を添加してもよい。
【0038】一方、上記の固体状の合成樹脂組成物とし
ては、比較的低分子量のポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
ル−エチレン共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合樹脂、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合樹脂、塩化
ビニル−マレイン酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−
アクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸共重
合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂、
塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合樹脂、塩化ビ
ニル−ウレタン共重合樹脂等の塩化ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチ
レン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチル
アクリレート共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、
エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−プロピレ
ン共重合樹脂等のオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂
の他、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ス
チレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−酢ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒ
ドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーン
ゴムなどの天然もしくは合成ゴムや熱可塑性エラストマ
ーから選ばれる一種以上の合成樹脂等に、必要に応じて
可塑剤、安定剤、滑剤、発泡剤、膨張剤、帯電防止剤、
導電性粉末、導電性短繊維、抗菌剤、防黴剤、各種充填
剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、老化防止剤、軟化剤、増
粘剤、粘度降下剤、希釈剤、二次可塑剤、各種界面活性
剤、撥水剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、着色剤、消臭剤
などの通常使用される添加剤を添加してなる粉末状、顆
粒状物、ペレット、チップ、塊状物等が使用できる。こ
れらの合成樹脂組成物は、透明であっても不透明であっ
てもよく、任意の色相に着色されたものであってもよ
い。
【0039】別の方法としては、核となる粒状物21を
高速回転翼型ミキサー、リボンブレンダー等の混合攪拌
機に投入して加熱攪拌を行いつつ、所定量の消臭剤、お
よび着色剤、撥水剤、その他の添加剤を必要に応じて添
加した合成樹脂組成物を徐々に投入し、核となる粒状物
21の表面に消臭剤を含む合成樹脂層を形成する方法が
挙げられる。上記の所定量の消臭剤、および着色剤、撥
水剤、その他の添加剤を必要に応じて添加した合成樹脂
組成物としては、上記の表面処理として使用する合成樹
脂組成物と同様のものが使用できる。
【0040】更に別の方法としては、核となる粒状物2
1を高速回転翼型ミキサー、リボンブレンダー等の混合
攪拌機に投入して加熱攪拌を行いつつ、可塑剤に顔料等
の着色剤を分散させた液状組成物を徐々に投入し、核と
なる粒状物21に可塑剤を吸収させるとともに、その表
面に着色剤を付着せしめた後、更に消臭剤を表面に付着
せしめる方法が挙げられる。また、核となる粒状物21
と消臭剤との接着をより強固にするために、上記と同様
の表面処理を施すこともできる。
【0041】以上、攪拌方式による方法の例を説明した
が、粒状物21の表面に消臭剤22を付着せしめる方法
はこれらに限定されるものではなく、上記以外の攪拌方
式による方法や、ディッピング、スプレー塗装などの方
法を適用することも可能である。
【0042】本発明の装飾シート1を、床材、車輌用の
内装材や座席表装材、家具用表装材などの水拭きによる
メンテナンスを頻繁に実施するような用途に使用する場
合には、水溶性の消臭剤を使用すると、メンテナンスに
よって消臭剤が溶出して消臭効果が低下してしまうた
め、粒状物2に撥水剤や撥油剤を含む表面処理を行うな
どして、消臭剤を水から保護しておくのが望ましい。上
記の撥水剤、撥油剤としては、通常使用されているもの
であれば、いずれのものでも使用できるが、特にその効
果の面で、フッ素系、シリコン系のものが好適である。
【0043】本発明の装飾シートに使用される粒状物2
としては、その全てが表面に消臭剤を付着させたもので
ある必要はなく、表面に消臭剤を付着せしめていない粒
状物を混合して用いることもできる。消臭剤22を付着
せしめていない粒状物としては、上記の核となる粒状物
21をそのまま使用してもよいし、それに着色剤を付着
させたものや表面処理を施したものなどを使用してもよ
い。
【0044】全粒状物中に含まれる表面に消臭剤を付着
させた粒状物が占める割合の最低限度は、使用する消臭
剤の種類や核となる粒状物21表面に対する付着量、シ
ート状基材11表面に塗布する接着剤3の塗布面積など
によって異なり一概には決められないが、目安として
は、シート状基材11の表面全面に接着剤3を塗布する
場合で約10%とするのが好ましい。すなわち、シート
状基材11の表面全面に接着剤3を塗布する場合では、
全粒状物中に含まれる表面に消臭剤を付着させた粒状物
が占める割合を10%以上とするのが好ましく、シート
状基材11の表面積の約50%に接着剤3を塗布する場
合では、全粒状物中に含まれる表面に消臭剤を付着させ
た粒状物が占める割合を20%以上とするのが好まし
い。
【0045】上記の消臭剤を付着させた粒状物を含む粒
状物2(以下「粒状物2」と記す)は、シート状基材1
1の表面に接着剤3を塗布した後、塗布した接着剤3が
硬化する前にシート状基材11の表面に散布され、余剰
の粒状物2を除去してから接着剤3を硬化させてシート
状基材11表面に固着せしめられる。
【0046】粒状物2を散布する手段としては、通常使
用される方法であればいずれの方法であっても適用し得
る。具体的には、振動フィーダー、スキャッタリングマ
シーン、パウダースレー等の散布機で散布する方法が挙
げられる。また、余剰の粒状物2を除去する手段につい
ても、通常使用される方法であればいずれの方法であっ
ても適用し得る。具体的には、接着剤に付着していない
粒状物2をそのまま吸引除去する方法、シート状基材1
1の裏面側(すなわち、接着剤3を塗布していない側)
から振動ローラー、バッティングローラー、その他適宜
の振動機などでシート状基材11に対し略垂直方向の振
動を与えつつ接着剤に付着していない粒状物2を吸引除
去する方法、シート状基材11を裏返してから裏面側よ
り振動を与え、接着剤に付着していない粒状物2を振り
落とす方法などが挙げられる。
【0047】上記のようにして、塗布した接着剤3が硬
化する前にシート状基材11の表面に散布し、余剰の粒
状物2を除去した後に、接着剤3を硬化させる。接着剤
3を硬化させる手段としては、使用する接着剤の種類に
よって適宜の手段が採用される。具体的には、加熱、紫
外線照射、電子線照射あるいはこれらの手段の併用など
である。
【0048】本発明の装飾シート1は必要に応じて、シ
ート状基材11表面に接着剤3を介して粒状物2を固着
した後、加熱したエンボスロールあるいは加熱したフラ
ットロール等により挟圧してもよい。但し、粒状物2が
圧潰されて粒状物2同志の間隙がなくなってしまうと、
結果として空気中の不快臭成分との接触面積が小さくな
ってしまい、従来の合成樹脂層中に消臭剤を練り込んだ
ものと同様に消臭効果が充分に発揮されない。従って、
挟圧する場合にあっても、粒状物2同志の間隙を維持さ
せることが肝要である。
【0049】また、本発明の装飾シート1は必要に応じ
て、シート状基材11表面に接着剤3を介して粒状物2
を固着した後、あるいは更に加熱したエンボスロールあ
るいは加熱したフラットロール等により挟圧した後、従
来の装飾シートに施されているのと同様の表面処理を施
すこともできる。この表面処理は、例えば、塩化ビニル
ペースト;塩化ビニル−エチレン共重合樹脂エマルジョ
ン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、
塩化ビニル−アクリル共重合樹脂エマルジョン、アクリ
ル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂
エマルジョン、アクリル−スチレン共重合樹脂エマルジ
ョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、
酢酸ビニル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョ
ン等の合成樹脂エマルジョン;SBRラテックス、NB
Rラテックス、CRラテックス、IIRラテックス等の
ラテックスなどに、着色剤、撥水剤、その他の各種添加
剤を添加した合成樹脂組成物などをロールコーター、グ
ラビアプリンター、ロータリースクリーンプリンター、
エアナイフコーター、ドクターナイフコーター、カーテ
ンフローコーターなどを用いて、塗布することによって
行われる。但し、この表面処理によって形成される被膜
が、連続する厚い被膜であると、消臭効果が著しく阻害
されることになる。従って、この表面処理によって形成
される被膜は、できる限り薄くするか、不連続な被膜と
するのが望ましい。
【0050】
【実施例】以下に、床材を例にとり、本発明の装飾シー
トの実施例を挙げるが、本発明の装飾シートは、以下に
示す実施例に限定されるものではない。
【0051】<粒状物の調製> ・粒状物(1) 顆粒状塩化ビニル樹脂(粒径約0.2〜0.7mm)5
00gを、10リットルのヘンシェルミキサーに投入
し、攪拌しつつ表1に示す配合1からなる消臭剤含有液
状物280gを徐々に添加した。消臭剤含有液状物を添
加し終わってからヘンシェルミキサーの加熱を開始し、
約120℃で5分間加熱攪拌を行い、消臭剤含有液状物
を顆粒状塩化ビニル樹脂に吸収させるとともに、消臭剤
をその表面に付着せしめた後、ヘンシェルミキサーより
排出し、室温にて冷却して粒状物(1)を得た。 ・粒状物(2) 消臭剤含有液状物として、表1に示す配合2のものを使
用する以外は、粒状物(1)と同様にして粒状物(2)
を得た。 ・粒状物(3) 消臭剤含有液状物として、表1に示す配合3のものを使
用する以外は、粒状物(1)と同様にして粒状物(3)
を得た。 ・粒状物(4) 消臭剤含有液状物として、表1に示す配合4のものを使
用し、消臭剤含有液状物のヘンシェルミキサー中への添
加量を250gとする以外は、粒状物(1)と同様にし
て粒状物(3)を得た。 ・粒状物(5) 上記のようにして得た粒状物(1)500gを、10リ
ットルのヘンシェルミキサーに投入し、攪拌しつつ表1
に示す配合5からなる塩化ビニルペースト65gを徐々
に添加した。塩化ビニルペーストを添加し終わってから
ヘンシェルミキサーの加熱を開始し、約120℃で5分
間加熱攪拌を行い、粒状物(1)の表面に塩化ビニルの
薄膜を形成した後、ヘンシェルミキサーより排出し、室
温にて冷却して粒状物(5)を得た。 ・粒状物(6) 上記のようにして得た粒状物(1)500gを、10リ
ットルのヘンシェルミキサーに投入し、攪拌しつつ表2
に示す配合6からなるアクリルエマルジョン33gを徐
々に添加した。アクリルエマルジョンを添加し終わって
からヘンシェルミキサーの加熱を開始し、約120℃で
20分間加熱攪拌を行い、粒状物(1)の表面にアクリ
ル系樹脂の薄膜を形成した後、ヘンシェルミキサーより
排出して、室温にて冷却して粒状物(6)を得た。 ・粒状物(7) 上記のようにして得た粒状物(3)500gを、10リ
ットルのヘンシェルミキサーに投入し、攪拌しつつ表2
に示す配合7からなるアクリルエマルジョン33gを徐
々に添加した。アクリルエマルジョンを添加し終わって
からヘンシェルミキサーの加熱を開始し、約120℃で
20分間加熱攪拌を行い、粒状物(3)の表面にアクリ
ル系樹脂の薄膜を形成した後、ヘンシェルミキサーより
排出して、室温にて冷却して粒状物(7)を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】〔実施例1〕ガラス繊維、パルプ、有機繊
維および合成樹脂バインダーを含む繊維組織の緻密な厚
さ0.22mmのガラス混抄紙の表面に、表3に示す配
合Aの発泡性塩化ビニルペーストを、ドクターナイフコ
ーターにて厚さが0.40mmとなるように塗布し、加
熱オーブン中にて180℃で40秒間加熱してゲル化さ
せ、その表面にグラビア印刷機にて複数のプリントイン
ク(内1つは、発泡抑制剤を含むプリントインクを使
用)による模様を印刷した後、表3に示す配合Bの透明
塩化ビニルペーストを、ドクターナイフコーターにて厚
さが0.20mmとなるように塗布し、加熱オーブン中
にて180℃で60秒間加熱してゲル化させ、シート状
基材を得た。得られたシート状基材の表面にロータリー
スクリーンプリンターを用いて、接着剤として表3に示
す配合Cの塩化ビニルペーストを所定の模様に塗布(塗
布面積/シート状基材表面積=約0.5)し、接着剤が
硬化する前に、粒状物(1)を所定量散布した後、シー
ト状基材の裏面より垂直方向の振動を与えつつ接着剤に
付着していない粒状物(1)を吸引除去してから加熱オ
ーブン中にて210℃で110秒間加熱して、接着剤を
硬化させるとともに、発泡性塩化ビニルペーストを発泡
させ、次いで1.3mmのクリアランスをとった加熱フ
ラットロールにて挟圧して、厚さ1.8mmの床材を得
た。得られた床材について、下記の方法にて消臭試験を
行なった。結果を表4に示す。
【0055】〔消臭試験方法〕得られた床材を5cm×
5cmの大きさに裁断した試料(粒状物固着面積/試料
の表面積=約0.5)および所定量の表4に示す不快臭
成分を容積が2リットルのガラス容器中に入れて密閉
し、室温にて3時間放置後および24時間放置後の不快
臭成分の残留ガス濃度をガス検知管を用いて測定した。
【0056】〔実施例2〕粒状物(1)に代えて、粒状
物(2)を使用する以外は実施例1と同様にして床材を
得た。得られた床材について、実施例1と同様の方法に
て消臭試験を行なった。結果を表4に示す。
【0057】〔実施例3〕粒状物(1)に代えて、粒状
物(3)を使用する以外は実施例1と同様にして床材を
得た。得られた床材について、実施例1と同様の方法に
て消臭試験を行なった。結果を表4に示す。
【0058】〔実施例4〕粒状物(1)に代えて、粒状
物(4)を使用する以外は実施例1と同様にして床材を
得た。得られた床材について、実施例1と同様の方法に
て消臭試験を行なった。結果を表4に示す。
【0059】〔実施例5〕粒状物(1)に代えて、粒状
物(5)を使用する以外は実施例1と同様にして床材を
得た。得られた床材について、実施例1と同様の方法に
て消臭試験を行なった。結果を表4に示す。
【0060】〔実施例6〕粒状物(1)に代えて、粒状
物(6)を使用する以外は実施例1と同様にして床材を
得た。得られた床材について、実施例1と同様の方法に
て消臭試験を行なった。結果を表4に示す。
【0061】〔実施例7〕粒状物(1)に代えて、粒状
物(7)を使用する以外は実施例1と同様にして床材を
得た。得られた床材について、実施例1と同様の方法に
て消臭試験を行なった。結果を表4に示す。
【0062】〔比較例〕ガラス繊維、パルプ、有機繊維
および合成樹脂バインダーを含む繊維組織の緻密な厚さ
0.22mmのガラス混抄紙の表面に、表3に示す配合
Aの発泡性塩化ビニルペーストを、ドクターナイフコー
ターにて厚さが0.40mmとなるように塗布し、加熱
オーブン中にて180℃で40秒間加熱してゲル化さ
せ、その表面にグラビア印刷機にて複数のプリントイン
ク(内1つは、発泡抑制剤を含むプリントインクを使
用)による模様を印刷した後、表3に示す配合Dの透明
塩化ビニルペーストを、ドクターナイフコーターにて厚
さが0.20mmとなるように塗布し、加熱オーブン中
にて180℃で60秒間加熱してゲル化させ、シート状
基材を得た。得られたシート状基材の表面にロータリー
スクリーンプリンターを用いて、表3に示す配合Eの塩
化ビニルペーストを所定の模様に塗布(塗布面積/シー
ト状基材表面積=約0.5)し、加熱オーブン中にて2
10℃で90秒間加熱して、接着剤を硬化させるととも
に、発泡性塩化ビニルペーストを発泡させ、次いで1.
3mmのクリアランスをとった加熱フラットロールにて
挟圧して、厚さ1.8mmの床材を得た。得られた床材
について、実施例1と同様の方法(但し、塗布面積/試
料の表面積=約0.5)にて消臭試験を行なった。結果
を表4に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の装飾シート
は、消臭剤を表面に付着せしめた粒状物を、シート状基
材の表面に接着剤を介して固着させたものであり、消臭
剤を表面に付着せしめた粒状物が、間隙をもった状態で
固着されているため、不快臭成分を含む空気との接触面
積が大きく、極めて効率的に不快臭を除去することがで
きる。また、シート状基材、粒状物、接着剤等を任意の
色相に着色したり、シート状基材の表面に模様状に接着
剤を塗布するなど意匠性にも優れた装飾シート得ること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装飾シートの一実施例を示す部分拡大断
面図である。
【図2】表面に消臭剤を付着せしめた粒状物の断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・装飾シート 11・・・シート状基材 2・・・粒状物 21・・・核となる粒状物 22・・・消臭剤 3・・・接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 7/26 E04F 13/00 - 13/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材の表面に、接着剤を介して
    粒状物を固着した装飾シートであって、前記粒状物の少
    なくとも一部が、表面に消臭剤を付着せしめた粒径0.
    1〜5.0mmの粒状物であり、接着剤は任意の模様状
    塗布され、粒状物がそれに沿って固着されてなり、接
    着剤の塗布面積がシート状基材表面積の10%以上であ
    ることを特徴とする装飾シート。
  2. 【請求項2】 粒状物が任意に着色されてなる請求項1
    記載の装飾シート。
  3. 【請求項3】 シート状基材の表面積の10%以上に模
    様状に接着剤を塗布した後、塗布した接着剤が硬化する
    前に、表面に消臭剤を付着せしめた粒径0.1〜5.0
    mmの粒状物を含む粒状物を散布して前記粒状物を付着
    させ、余剰の粒状物を除去してから接着剤を硬化させる
    とともに、粒状物を固着一体化せしめることを特徴とす
    る装飾シートの製造方法。
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