JPH072918B2 - メタリック模様塗膜の形成方法及びメタリック模様塗膜の形成された化粧用シート - Google Patents

メタリック模様塗膜の形成方法及びメタリック模様塗膜の形成された化粧用シート

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JPH072918B2
JPH072918B2 JP2295436A JP29543690A JPH072918B2 JP H072918 B2 JPH072918 B2 JP H072918B2 JP 2295436 A JP2295436 A JP 2295436A JP 29543690 A JP29543690 A JP 29543690A JP H072918 B2 JPH072918 B2 JP H072918B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸い込みの大きな部分と、吸い込みが小さい
かもしくは全く無い部分とによって模様形成されてなる
基材表面に、メタリック模様塗膜を形成する方法、及
び、該方法によってメタリック模様塗膜の形成された化
粧用シートに関し、さらに詳しくは、1回の塗装工程
で、吸い込みの大きな部分はメタリック色で、吸い込み
が小さいかもしくは全く無い部分はエナメル色仕上げと
なるメタリック模様塗膜の形成方法、及び、該メタリッ
ク模様塗膜の形成された化粧シートに関する。
〔従来の技術〕
吸い込みの大きな部分と、吸い込みが小さいかもしくは
全く無い部分とによって模様形成されてなる基材の代表
例としては、木目模様の形成された木質材を挙げること
ができる。該木質材はその木目模様の持つ意匠性を生か
し、従来より家具、建材、合板、電気製品、事務用品等
多くの分野に木材加工製品として用いられており、ま
た、該木材加工製品においては、さらに高付加価値化を
図るために、木目を生かした塗装仕上げをすることが行
われており、その塗装仕上げに合成樹脂液中に着色顔料
を分散させたいわゆるエナメル塗料を用いる場合が多
い。
ところで、上記木材加工製品における木目は、木材の年
輪に相当する部分で一般に密度が大きく、例えば塗装仕
上げした場合の塗料の吸い込みの小さいかもしくは全く
無い部分であるのに対し、木目以外のその他の部分は密
度が小さく塗料の吸い込みの大きな部分となっている。
したがって、該木材加工製品にエナメル塗料を塗布する
と、木目部分にはエナメル塗料塗膜が形成されるのに対
し、木目以外の部分ではエナメル塗料の一部もしくは大
部分が木材内部に吸い込まれ、表面に残る塗料の顔料分
が少量となるかあるいは顔料濃度の変化した塗膜が形成
されることになる。その結果、木目部分とそれ以外の部
分との間に色調の濃淡差ないし光沢差が生じ、木目模様
の強調された外観の塗膜が形成される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来の塗装仕上げ法によって得られる木目模様は、
エナメル塗料の色調の濃淡差ないしは光沢差のみによっ
て形成されるものであるため、比較的単調で変化に乏し
い外観しか得られず、特に近年のより高度な意匠性や差
別化等の要求に対して、充分に満足し得ないという問題
点がある。
したがって、本発明は、上記従来法によって形成される
塗膜外観が意匠性に劣るという問題点の解決を目的とす
るもので、例えば、木材加工製品における木目のよう
な、吸い込みに差異のある部分によって模様形成されて
いる基材に適用した場合、該模様に対応して一方がメタ
リック色となり、他方がエナメル色となる意匠性に優れ
た模様塗膜を、一回の塗装によって形成することのでき
る塗装仕上げ法、及び、該方法によってメタリック模様
塗膜の形成された化粧シートを提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によって提供されるメタリック模様塗膜の形成方
法は、少なくともその表面積が、n−ブタノールを適下
したときの液滴が1分以内で吸収されるような吸い込み
の大きな部分と前記液滴の吸収時間が前記吸い込みの大
きな部分の吸収時間より相対的に大であるような吸い込
みの小さいかもしくは全く無い部分とによって模様形成
されてなる基材表面に、隠ぺい率0.85以上の有機溶剤型
エナメル塗料であって、該エナメル塗料の塗膜形成成分
100重量部当り10〜150重量部の範囲のリン片状顔料を含
有してなる塗料(以下、メタリック模様形成塗料とい
う)を塗布することを特徴とするものであり(以下、本
発明方法という)、また、本発明によって提供される化
粧用シートは、吸収性部分と非吸収部分とによって模様
形成されてなるシート状基材表面に、上記本発明方法で
用いられるメタリック模様形成塗料の塗布によってメタ
リック模様塗膜を形成してなるものである(以下、化粧
用シートという)。
以下、本発明を詳細に説明するに当たり、基材として木
目模様の形成された木質板を用いた場合を例にして説明
するが、これは本発明の理解を容易にするための一例に
過ぎないもので、本発明を限定するものではない。
なお、本発明でいう吸収性部分と非吸収性部分とは、相
対的なものであって、両者を区別する明確な基準がない
が、一つの目安としては、基材上にn−ブタノールを滴
下し、その液滴が基材中に完全に吸い込まれるのに要す
る時間が1分以内であれば吸収性部分ということがで
き、また、前記n−ブタノールの液滴の吸収時間が前記
吸収性部分の吸収時間より相対的に大であるかもしくは
全く吸収しない部分を非吸収性部分ということができ
る。
上記本発明方法によって、基材表面にメタリック色とエ
ナメル色の組合せからなる木目模様の形成される理由
は、塗装仕上げに際して用いるメタリック模様形成塗料
が、隠ぺい率0.85以上のエナメル塗料中に前記特定量の
リン片状顔料を含有してなることによるもので、該メタ
リック模様形成塗料を木目模様を有する木質板の表面に
塗布すると、上記従来法におけると同様、木目に相当す
る非吸収性部分ではメタリツク模様形成塗料の大部分が
吸収されずに基材表面に残り、木目以外の吸収性部分で
はメタリック模様形成塗料の一部ないし大部分が基材内
部に吸い込まれ、粒子径の大きなリン片状顔料が表面に
多く残った塗膜が形成される。その際、木目部に形成さ
れる塗膜中ではリン片状顔料が下層に沈んで塗膜表面は
完全なエナメル色を呈するのに対し、木目以外の部分に
形成される塗膜はこれとは逆に表面層がリン片状顔料層
となって、メタリック感を呈するようになるので、全体
として吸い込みの差による木目模様に対応したメタリッ
ク色とエナメル色の組合された模様塗膜が形成される。
本発明方法において用いることのできる上記有機溶剤型
エナメル塗料は、基本的には塗料業界で慣用されている
種々の有機溶剤型エナメル塗料がいずれも使用可能であ
るが、木目部分に形成される塗膜中のリン片状顔料を完
全に隠ぺいし得る程度の高い隠ぺい率を有することが重
要であり、該エナメル塗料の隠ぺい率が低い場合、すな
わち、当業界において一般にメタリック塗料と称されて
いるような比較的小量の着色顔料ないし染料で着色され
たカラークリヤー程度の隠ぺい率では、木目部分に形成
される塗膜下層のリン片状顔料が着色顔料によって完全
に隠ぺいされず、エナメル色を通してメタリック色が現
れ、全面単調なメタリック仕上げとなるに過ぎないため
意匠性の向上は期待できない。したがって、本発明方法
における上記エナメル塗料の隠ぺい率は、0.85以上であ
ることが必要で、0.90以上であるのが好ましい。
なお、本発明方法でいう隠ぺい率とは、「JIS−K−540
0、6.3隠ぺい率」試験法によって測定した値である。
上記エナメル塗料は、塗料用樹脂の有機溶剤溶液中に高
隠ぺい率の得られる量で着色顔料を分散せしめて製造さ
れるが、その際に用いられる塗料用樹脂、有機溶剤及び
着色顔料等は、何等特殊なものではなく塗料業界で慣用
されている材料を用いることができる。使用し得る塗料
用樹脂の具体例としては、ニトロセルロース、エチルセ
ルロース、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、バーサチック
酸ビニル樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、シリコーン樹脂、ふっそ樹脂等の合成樹脂、また
は、天然もしくは合成ゴム等である。
また、上記エナメル塗料における有機溶剤としては、エ
ステル系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケ
トン系溶剤等を適宜用いることができるが、炭化水素系
溶剤は、模様形成塗料中のリン片状顔料を塗膜表面に浮
き上がらせるように作用し、木目部分に形成される塗膜
のエナメル色にメタリック感が生じるようになるので、
該炭化水素系溶剤の多量の使用は本発明にとって好まし
くない。この点エステル系、アルコール系、ケトン系溶
剤にはこのような欠点がなく、むしろリン片状顔料を下
層に沈まるせるように作用するので、模様形成塗料を塗
布する際の該塗料中の有機溶剤組成が、エステル系溶
剤、アルコール系溶剤、および、ケトン系溶剤の少なく
とも1種を75重量%以上含有した溶剤組成となるように
するのが好ましい。
さらにまた、上記エナメル塗料に用いられ得る着色顔料
としては、有機系顔料(例えば、アゾ系顔料、フタロシ
アニン系顔料等)、無機系顔料(例えば、カーボンブラ
ック、酸化鉄、酸化チタン等)、および、市販の各種顔
料ペースト等であり、これら顔料は、基材に形成される
塗膜に充分な隠ぺい性が得られるような量とする必要が
あり、一般的には有機系顔料の場合には塗料用樹脂100
重量部当り5〜50重量部、好ましくは20〜40重量部の範
囲で、また、無機系顔料では50〜250重量部、好ましく
は70〜200重量部の範囲で上記塗料用樹脂溶液中に加え
られる。
また、上記エナメル塗料中には、上記した塗料用樹脂、
有機溶剤、及び着色顔料以外に、必要に応じて種々の塗
料用添加剤、例えば、分散剤、消泡剤、レベリング剤、
沈降防止剤、体質顔料、染料等を慣用量で用いることが
できる。
上記エナメル塗料中に配合して用いることのできるリン
片状顔料としては、塗料用として市販されている種々の
リン片顔料が何れも使用可能であり、その具体例として
はリン片状アルミニウム粉、リン片状ブロンズ粉、リン
片状ステンレス粉、リン片状ニッケル粉等のリン片状金
属粉顔料、および、リン片状雲母粉等のリン片状非金属
粉顔料であり、これらリン片状顔料は、上記エナメル塗
料中の塗膜形成成分(塗料用樹脂と着色顔料の合計量)
100重量部当り10〜150重量部、好ましくは25〜75重量部
の範囲で添加される。該リン片状顔料の添加量が10重量
部より少ないと木目以外の吸収部に形成される塗膜がメ
タリック感に乏しいものとなり、150重量部を超えると
塗料粘度が上昇し、塗装時に多量の希釈剤が必要となる
ため塗膜の厚塗りが難しくなり、木目模様部の塗膜にも
メタリック感が現れて目的とする意匠性に優れたメタリ
ック模様が得られなくなる。
なお、上記リン片状顔料の中でも、表面に着色処理を施
した有彩色のリン片状顔料を用いるのが好ましく、リン
片状雲母粉の表面に塩基性炭酸鉛、二酸化チタン等をコ
ートしたいわゆるパール顔料を用いるのが特に好まし
い。有彩色のリン片状顔料は、得られる塗膜により豊富
な色彩のメタリック模様を与える効果があり、また、パ
ール顔料は、良好なメタリック感を与えると同時に、吸
収性部分に吸い込まれた着色顔料の色調がパール顔料を
通して偏光されて全く別異の色彩となり、これら両者が
複合されてきわめて意匠性に優れたメタリック模様を形
成することができる。
本発明方法において用いられる上記リン片状顔料の粒子
径に特別な制限はないが、一般的には5〜100μmの範
囲であるのが好ましく、10〜60μmの範囲であるのが特
に好ましい。該リン片状顔料の粒子の大きさが5μmよ
り小さいとリン片状顔料に求められているメタリック感
に乏しくなること、および、場合によっては着色顔料と
共に基材内部に吸い込まれて模様の輪郭部が不鮮明とな
り、目的とするメタリック感が得られない等の欠点が生
じるようになり、これとは反対に100μmより大きくな
ると、得られる模様塗膜が平滑性に劣るようになると同
時に、エナメル色塗膜の表面にリン片状顔料が突出して
メタリック感を呈するようになり、目的とする完全なエ
ナメル色が得られなくなることがある。
本発明方法に用いられるメタリック模様形成塗料は、高
速ディゾルバー、プラネタリーミキサー、ゲートミキサ
ー等の公知の分散機を用い、上記エナメル塗料中にリン
片状顔料の所定量を混合分散させることによって製造し
得るが、この分散工程に強い分散力が加わるような分散
機、例えば、ガラスビーズ等の中でディスクを回転させ
るような分散機、ボールミルまたはロールミル等のよう
な分散機を用いるとリン片状顔料がさらに微粉砕され、
吸収性部分において着色顔料と共に基材に吸い込まれ、
目的とするメタリック感が得られず、従来のものと何ら
変わりの無い塗膜外観となる恐れがあるので、このよう
な分散機の使用は好ましくない。
以上のようにして得られた模様形成塗料を基材に塗布す
るのに特別な制限はなく、塗料業界で公知の殆どの塗布
方法、例えば、エアスプレーガン、エアレススプレーガ
ン等を用いる吹き付け塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、
フローコーター塗り、浸漬塗り等の塗布方法でおこなう
ことができ、特に、JIS-K-5402に規定されている「塗料
用フォードカップ」で10〜20秒、特に12〜20秒の範囲の
塗料粘度でスプレー塗装するのが好ましい。スプレー塗
装時の粘度が10秒より低い場合、着色顔料およびリン片
状顔料が沈降し易くなって塗布作業性を著しく低下させ
るようになり、これとは逆に20秒より高くなると、吸収
性部分におけるメタリック模様形成塗料の吸い込みが阻
害されて鮮明なメタリック感が得られないようになる。
本発明方法においては、上記した木目模様を有する木質
板を初めとする種々の木材加工製品を基材とすることが
できるが、特に、吸収性部分と非吸収性部分における模
様形成塗料の吸い込みの差が大きい程鮮明なメタリック
模様塗膜が得られるので、より吸い込み差の大きい木
材、例えば、せん、桧、ぶな、しな、米栂、米松、桧、
杉、桐、チーク、ローズウッド、かば、栗等の木材加工
製品を基材とするのが好ましい。また、これら木材加工
製品以外にも、例えば、パルブ、木粉、木材破砕片、繊
維、パーライト、砂骨材等の有機系または無機系骨材と
合成樹脂接着剤または水硬性セメント等の結合剤とを混
合し、成形してなる各種ボード類ないしはサイディング
材〔より具体的には、炭酸マグネシウム板、硬質木片セ
メント板、パーライト・パルプ混入硬質セメント板、石
綿ケイ酸カルシウム板、中密度繊維板(MDF)、パーテ
ィクルボード等〕およびパルプと古紙を混合抄造して得
られる和紙等も、混合される骨材等が不規則模様を形成
しかつ基材との間で吸い込み差を生じ、また、前記骨材
等を混入しないボード類でも凹凸模様、タイル目地模様
形成の際の部分的な加圧によって、加圧部分と非加圧部
分との間に吸い込み差を生じるので、このような基材に
対しても本発明方法によってメタリック模様塗膜を形成
することがでる。さらに、これら基材以外にも吸い込み
の大きい基材、例えば、繊維質板、硅カル板、多孔質セ
ラミック板、コンクリート、窯業系素材、紙、布等の表
面に、予め木目模様を始めとするその他の模様、記号、
文字等が形成されるように吸い込み止め処理を施した
後、前記同様の塗装をおこなえば、吸い込み止め処理に
応じたメタリック模様が得られるので、これらも本発明
方法における基材とすることができる。
本発明におけるもう一方の発明である化粧用シートは、
吸収性部分と非吸収性部分とによって模様形成されてな
るシート状基材表面に、上記本発明方法に用いられるメ
タリック模様形成塗料を同様に塗布することによって、
メタリック模様塗膜を形成してなるものであり、該シー
ト状基材としては、木目模様の形成された木質材をシー
ト状に加工したもの、あるいは、紙、布等の吸収性シー
トの表面に、吸い込み防止剤によって非吸収性部分を模
様状に形成したもの等が用いられる。
上記非吸収性部分の形成に用いることのできる吸い込み
防止剤としては、合成樹脂を必須成分とし、充填剤を任
意成分として含有する粘度0.2ポイズ以上の液状組成物
であり、該吸い込み防止剤に用いることのできる合成樹
脂としては、特に限定するものではなく、塗料業界で慣
用されている種々の合成樹脂、例えば、ニトロセルロー
ス、エチルセルロース、アルキッド樹脂、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂、バーサチック酸ビニル樹脂、スチレン系樹脂、アク
リロニトリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ふっそ樹脂等
の合成樹脂、または、天然もしくは合成ゴム等を挙げる
ことができ、これら樹脂は有機溶剤溶液、水溶液、エマ
ルジョン、オルガノゾル等として用いることができる。
また、上記吸い込み防止剤に任意成分として含有させる
ことのできる充填剤としては、塗料、印刷インキ等の分
野で普通に用いられる顔料類、例えば、酸化チタン、炭
酸カルシウム、タルク、クレイ、硫酸バリウム、カーボ
ンブラック、シアニンブルー等であり、特にこれら顔料
類を含有する吸い込み防止剤は、合成樹脂バインダーの
みで構成されているものに較べて優れた吸い込み防止作
用をするので、シャープなメタリック模様塗膜が得られ
るので好ましい。さらに該充填剤の全部または一部とし
て、粒子径1〜2mmの骨剤、あるいは、加熱により発泡
する充填剤、例えば、アゾジカルボンアミド等の熱分解
型発泡剤、液体イソブタンを内蔵したマイクロスフェア
ー等を用いることもでき、その様な充填剤を含有する吸
い込み防止剤を用いて非吸収性部分を形成した場合、基
材表面に凸状の非吸収性部分が形成され、メタリック模
様塗膜に立体感を付加することができ、さらに意匠性に
優れたメタリック模様塗膜が得られるので特に好まし
い。
上記吸い込み防止剤によって非吸収性部分を形成する方
法としては、通常の印刷法、例えば、シルクスクリーン
印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等、及び、通常の
塗装法、例えば、カーテンフローコーター、ロールコー
ター、吹き付け塗り、筆または刷毛塗り等によっておこ
なうことができる。
なお、非吸収性部分の形成の際の吸い込み防止剤の粘度
は、非吸収性部分の形成方法及び用いる込み防止剤の組
成等によって相違するので、その粘度を限定するのが難
しいが、一例としては、吸い込み防止剤が合成樹脂液の
みによって構成されている場合には0.7ポイズ以上、吸
い込み防止剤に充填剤(顔料類)が含有されている場合
には0.2ポイズ以上、また、非吸収性部分をシルクスク
リーン印刷法によって形成する場合には10ポイズ以上と
するのが好ましく、該各々の粘度がこれより低いと、形
成される非吸収性部分の周辺部ににじみが生じてシャー
プなメタリック模様が形成されなくなり、あるいは、形
成時の作業性が悪くなるなどの問題点が生じるようにな
る。
また、良好な非吸収性部分を形成するための吸い込み防
止剤の使用量も、本発明においては少なからず重要であ
り、吸い込み防止剤の使用量が固形分量として10g/m2
上であるのが好ましく、特に15g/m2以上となるよにする
のが好ましい。使用量10g/m2より少ないと、充分な吸い
込み防止効果が得られず、エナメル色塗膜にメタリック
感が表れるようになる。
以上のようにして非吸収性部分の形成されたシート状基
材表面には、次いで上記本発明方法において用いられる
メタリック模様形成塗料が上記同様に塗布され、適宜な
条件で乾燥することによって、吸収性部分はメタリック
色で、非吸収性部分はエナメル色のメタリック模様塗膜
の形成された化粧用シートが得られる。
かくして得られた化粧用シートは、建築物、家具、建
材、合板、電気製品、自動車内装材、事務用機器等の表
面に、適宜な接着剤等で貼着して用いられ、これら製品
等の付加価値を高めるのに利用でき、特に建築物室内の
壁紙として用いるのに適している。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、これら実施例は一例に過ぎないもので本発明を限定
するものではない。なお、以下の実施例中の塗料配合組
成は重量基準で示した。
実施例1〜12、および、比較例1〜3 下記表−1に示す処方に従い、塗料用樹脂と有機溶剤の
溶液中に着色顔料を加え、サンドミルを用いて混合分散
してエナメル塗料を製造し(表中の塗料用樹脂の配合量
は樹脂固形分量で示す)、次いで得られたエナメル塗料
にリン片状顔料を加え、高速ディゾルバーを用いて均一
に混合分散してメタリック模様形成塗料を調製した。
以上のようにして得られた各々のメタリック模様形成塗
料を木質板にスプレーガン(岩田塗装機工業社製、ワイ
ダー60、口金孔径1.5mm、吹き付け空気圧4kg/cm2)で塗
布(塗布量100〜150g/m2)し、乾燥後形成された塗膜の
外観を評価し、評価結果を併せて表−1に示した。
実施例−13 シート状基材として上質紙(55kg品)を用い、この基材
表面にウレタン樹脂塗料クリヤー(樹脂分25%、粘度20
ポイズ)で、部分的な吸い込み防止処理(厚さ3ミルの
ドクターブレードで塗布)をおこない、80℃で2分間乾
燥した。
次いで、このシート状基材に、上記実施例−6のメタリ
ック模様形成塗料を用いて同様に塗布したところ、吸い
込み防止処理を施した部分は均一でかつ境界部分の鮮明
な黒色、その他の部分はゴールド色のメタリック模様塗
膜の形成された化粧用シートが得られた。
実施例−14 上記実施例−13と同様のシート表面に、下記組成の吸い
込み防止剤を用いて、部分的に吸い込み防止処理(250
メッシュのシルクスクリーン印刷で木目模様を形成)を
おこない、乾燥した。
アクリル樹脂 18部 酸化チタン 12部 ブチルカルビトールアセテート:ブチルセロソルブ:キ
シロール=1:1:1 70部 次いで上記実施例−10と同様にしてメタリック模様形成
塗料を塗布したところ、吸い込み防止処理を施した部分
は鮮明な青色で、その他の部分は薄い青味を帯びたシル
バー色の、意匠性に優れたメタリック模様塗膜の形成さ
れた化粧用シートが得られた。
実施例−15 上記実施例−13と同様のシート表面に、下記組成(重量
比)の吸い込み防止剤を用いて、部分的に吸い込み防止
処理をおこない(150メッシュのシルクスクリーン印刷
で文字を印刷)、次いで160℃で2分間乾燥した。
塩化ビニル樹脂 55部 酸化チタン 5部 発泡材(液体イソブタンを内蔵したマイクロスフェア
ー) 10部 溶剤(ジオクチルフタレート:ブチルベンジルフタレー
ト=4:1) 30部 次いで、上記実施例−10と同様にしてメタリック模様形
成塗料を塗布したところ、吸い込み防止処理を施した部
分は立体的でかつ鮮明な青色文字となり、その他の部分
は薄い青味を帯びたシルバー色のメタリック塗膜の形成
された化粧用シートが得られた。特に本実施例において
は、用いた吸い込み防止材中に発泡材が含まれていたた
め、上質紙の表面には凸状に盛り上がった非吸収性部分
(文字)が形成され、得られた化粧用シートは立体感に
富み、きわめて意匠性に優れたものであった。
〔発明の効果〕
本発明のメタリック模様塗膜の形成方法は、塗料の吸い
込みの差によって模様形成された基材の表面に、リン片
状顔料を含む高隠ぺい性エナメル塗料を塗布するだけの
簡単な方法であるにもかかわらず、形成される塗膜はエ
ナメル色とメタリック色の複合された、きわめて色彩豊
かな意匠性に優れたメタリック模様を形成することがで
き、また、この方法を利用して得られた化粧用シートも
意匠性に優れたものであり、各種の製品に貼着して用い
ることによって、これら製品の付加価値を高めるのにき
わめて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/29 PRA D21H 27/20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともその表面層が、n−ブタノール
    を適下したときの液滴が1分以内で吸収されるような吸
    い込みの大きな部分と前記液滴の吸収時間が前記吸い込
    みの大きな部分の吸収時間より相対的に大であるような
    吸い込みの小さいかもしくは全く無い部分とによって模
    様形成されてなる基材表面に、隠ぺい率0.85以上の有機
    溶剤型エナメル塗料であって、該エナメル塗料の塗膜形
    成成分100重量部当り10〜150重量部の範囲のリン片状顔
    料を含有してなる塗料を塗布することを特徴とするメタ
    リック模様塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記エナメル塗料の有機溶剤組成が、エス
    テル系、アルコール系、およびケトン系溶剤から選ばれ
    た少なくとも1種を75重量%以上含有してなるものであ
    る請求項1に記載のメタリック模様塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記リン片状顔料が、リン片状アルミニウ
    ム粉顔料、リン片状ブロンズ粉顔料及びリン片状雲母粉
    顔料から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載
    のメタリック模様塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記塗料の塗布が、フォードカップ粘度10
    〜20秒でスプレーによっておこなうことからなる請求項
    1に記載のメタリック模様塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】前記基材、木目模様を有する木質材である
    請求項1に記載のメタリック模様塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】少なくともその表面層が、n−ブタノール
    を滴下したときの液滴が1分以内で吸収されるような吸
    い込みの大きな部分と前記液滴の吸収時間が前記吸い込
    みの大きな部分の吸収時間より相対的に大であるような
    吸い込みが小さいかもしくは全く無い部分と模様形成さ
    れてなるシート状基材表面に、隠ぺい率0.85以上の有機
    溶剤型エナメル塗料であって、該エナメル塗料の塗膜形
    成成分100重量部当り10〜150重量部の範囲のリン片状顔
    料を含有してる塗料を塗布によって、前記吸い込みが小
    さいかもしくは全く無い部分はエナメル色で吸い込みの
    大きな部分はメタリック色仕上げとなるメタリック模様
    塗膜の形成された化粧用シート。
  7. 【請求項7】前記シート状基材が、n−ブタノールを滴
    下したときの液滴が1分以内で吸収されるような吸い込
    みの大きなシート表面に、合成樹脂バインダーを必須成
    分とし充填材を任意成分として含有する粘度0.2ポイズ
    以上の液状組成物からなる吸い込み防止剤によって、模
    様状に吸い込み防止処理されてなるものである請求項6
    に記載のメタリック模様塗膜の形成された化粧用シー
    ト。
  8. 【請求項8】前記充填材の一部もしくは全部が、熱発泡
    性充填材である請求項7に記載のメタリック模様塗膜の
    形成された化粧用シート。
  9. 【請求項9】前記エナメル塗料の有機溶剤組成が、エス
    テル系、アルコール系、およびケトン系溶剤から選ばれ
    た少なくとも1種を75重量%以上含有してなるものであ
    る請求項6に記載のメタリック模様塗膜の形成方法。
  10. 【請求項10】前記リン片状顔料が、リン片状アルミニ
    ウム粉顔料、リン片状ブロンズ粉顔料及びリン片状雲母
    粉顔料から選ばれた少なくとも1種である請求項6に記
    載のメタリック模様塗膜の形成された化粧用シート。
  11. 【請求項11】前記シート状基材が、壁紙である請求項
    6に記載のメタリック模様塗膜の形成された化粧用シー
    ト。
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