JPH0728951U - 高炉炉頂ホッパー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は炉内へ装入するため一時貯留する高
炉炉頂ホッパーにおいて、原料投入時におけるホッパー
内の原料粒度分布を均一化させ、かつ原料排出時におけ
る時系列粒度分布の変動を抑制することを目的とする。 【構成】 本考案は高炉炉頂ホッパーにおいて、原料受
入れ部に原料を分散させるため格子状の整流金物を設
け、ホッパー下部に逆円錐台形の整流金物を設けたホッ
パーである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高炉の装入原料を一旦貯留する炉頂ホッパーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ベルレス式高炉装入装置において、炉頂ホッパーから旋回シュートを介して炉 内へ原料を投入する際、炉頂ホッパーからの時系列排出粒度の変動が炉内通気性 および通気分布に大きく影響する。そのため従来炉頂ホッパー内に貯留する際、 図４、図５に示すようにホッパー内に整流金物を設置して、ホッパー内へ貯留時 の粒度偏析防止および排出時の時系列粒度変動の抑制対策がなされてきた。すな わち、図４はホッパー１の下部に逆円錐台形金物５を設けた例、図５は上部にセ ンタリング金物６、下部に逆円錐台形金物５を設けた例の概略図である。なお図 中７はシュートである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上記の従来技術では、ホッパー内に堆積時山の形成が避けられないため 、山裾と山頂の間で原料粒度の再配列が起こり、程度は少なくなるものの結果的 に粒度の偏析が残る。それがホッパーからの時系列排出粒度に変動をきたす要因 となっている。この考案の目的は、ホッパーからの時系列排出粒度の変動を抑え るために、ホッパーへの貯留時に粒度分布が均一になるよう、原料を分散して落 下させることができる炉頂ホッパーを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記課題を解決するものであって、高炉炉内へ原料を装入するための 高炉炉頂ホッパーにおいて、一時貯留する炉頂ホッパー内の上部に原料を分散さ せるための格子状の整流金物を設けるとともに、炉頂ホッパー内の下部に逆円錐 台形の整流金物を設けることを特徴とする高炉炉頂ホッパーである。

【０００５】

【作用】

ホッパー内の上部に設置する格子状金物はシュートより投入された原料の流れ を分断して分散させるものであって、その広さは投入された原料が金物に衝突後 ホッパー内面に十分に広がりうる大きさをもつものである。また、格子の一つの 開口は原料が通過するのに十分な大きさで、かつ原料の拡散を効果的にさせるた め、ある程度大きさを制限したものである。

【０００６】 下部に設置する逆円錐台形金物は一旦貯留した原料を排出する際、ホッパー内 流れをマスフロー化するものである。

【０００７】

【実施例】

図１は炉頂ホッパーの断面図であって、本考案の整流金物の概要を示している 。炉頂ホッパー１の上部に格子状金物４を、下部には逆円錐台形の金物５を各々 ビーム２、３にて固定した例である。格子状金物は炉頂ホッパーの断面積に対し およそ１５〜２０％の広さを有し、ホッパーに投入される原料の幅とほぼ同じに なっている。またその目開きはおよそ３００×３００ｍｍで、コークスや焼結鉱 が詰まりを生じない様な広さとなっている。またこの格子状金物は、原料の投入 により容易に摩耗しない様にセラミック等の耐摩耗コーティングを施すかあるい は部材によりストンボックスを構成する。そして格子自体の幅は投入原料の落下 幅を分断させるため、格子の目開きの１／３程度すなわち１００ｍｍ程度である 。

【０００８】 一方、ホッパー下部に設置の逆円錐台形金物５は中空で、上下共開孔している が、上部の開孔広さはホッパー断面積の３０〜５０％程度、下部の開孔広さはお よそ９００〜１０００ｍｍ径の円で原料排出時に原料が棚吊りを起さない様な十 分の広さをもっている。また円錐部の傾斜角は３０°〜３５°で原料の降下に対 する抵抗となると共に、原料が付着しにくい様に円滑な傾斜面を形成している。

【０００９】 上記のように構成することにより、投入された原料は格子状金物４に衝突後、 格子状金物４によって分断されかつ分散して、図２、図３に示すように各格子目 から広範囲に落下する。したがって、投入原料はホッパー内に着床する段階で、 ホッパー水平断面内での原料の局部平均粒子径の差がほとんどない、いわゆる均 一装入となる。なお図２、図３は本考案の上部格子金物を使用した場合の原料の 流れを示す概略図で、図２は側面から、図３は正面から見た状態を示す。

【００１０】 一方一旦貯留された原料は、ホッパーからの排出時に下部に設置した逆円錐台 形金物によりホッパー内の原料流れがマスフロー化され、原料の時系列排出粒度 の変動が少ない、いわゆる均一排出となる。

【００１１】 以下に本考案の整流金物の効果を１／１０モデルテスト結果にて説明する。図 ６は本考案と同じ上部に格子状金物、下部に逆円錐台形金物を設置した場合の時 系列排出粒度である。また図７は従来技術である上部にセンタリング金物、下部 に逆円錐台形金物を設置した場合の時系列排出粒度である。これらの図の比較か ら判るように、図６の本考案の炉頂ホッパーを開いたときの時系列排出粒度は、 従来に比して明らかに変動幅が小さい。

【００１２】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の整流金物の設置により炉頂ホッパーからの時 系列排出粒度は変動幅の小さい、粒度フラット排出が可能となる。したがってベ ルレス式高炉に採用した場合、高炉内の原料粒度分布が安定し、適正な炉内通気 分布の確保により操業の安定化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の整流金物を示す炉頂ホッパーの断面図

【図２】本考案の上部格子金物を使用したときの原料の
流れを示す側面図

【図３】本考案の上部格子金物を使用したときの原料の
流れを示す正面図

【図４】従来技術を示す炉頂ホッパーの断面図

【図５】従来技術を示す炉頂ホッパーの断面図

【図６】本考案の整流金物を使用したホッパー排出時系
列粒度を示すグラフ

【図７】従来技術の整流金物を使用したホッパー排出時
系列粒度を示すグラフ

【符号の説明】

１ 炉頂ホッパー ２ ビーム ３ ビーム ４ 格子状金物 ５ 逆円錐台形金物 ７ シュート

フロントページの続き (72)考案者 古庄 俊二 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 日 鐵プラント設計株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高炉炉内へ原料を装入するための高炉炉
   頂ホッパーにおいて、一時貯留する炉頂ホッパー内の上
   部に原料を分散させるための格子状の整流金物を設ける
   とともに、炉頂ホッパー内の下部に逆円錐台形の整流金
   物を設けることを特徴とする高炉炉頂ホッパー。