JP2817419B2 - ベルレス高炉の原料装入方法 - Google Patents

ベルレス高炉の原料装入方法

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JP2817419B2
JP2817419B2 JP4785291A JP4785291A JP2817419B2 JP 2817419 B2 JP2817419 B2 JP 2817419B2 JP 4785291 A JP4785291 A JP 4785291A JP 4785291 A JP4785291 A JP 4785291A JP 2817419 B2 JP2817419 B2 JP 2817419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉炉頂部に直列式
に複数個設けた原料貯槽(以下「炉頂バンカー」または
単に「バンカー」と記す) と分配シュートとを使用する
いわゆるベルレス高炉における原料装入方法であって、
炉内に装入された原料の径方向の粒径分布を的確に制御
することができる原料装入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉操業においては、炉内径方向のガス
流分布を制御し、炉内鉱石の還元・溶解を安定に行うこ
とが、操業上の基本課題である。
【0003】高炉操業における炉内ガス流分布の主たる
制御手段は、炉頂のバンカーからの装入物分布制御であ
り、より詳しくは炉内の径方向の鉱石とコークスの堆積
重量比分布( 以下「O/C 分布」と称す)と、鉱石、コー
クスそれぞれの粒径分布の制御である。
【0004】ベルレス高炉における原料装入装置は、炉
内に直接原料を供給する炉頂バンカーが1ケのもの(直
列式)と複数個のもの(並列式)とに大きく分類でき
る。
【0005】図1は、直列2段の炉頂バンカーを有する
ベルレス装入装置の1例を示している。原料(鉱石、焼
結鉱、コークス)1は、ベルトコンベアー2でまず炉頂
上段バンカー3に蓄えられ、ここから排圧した下段バン
カー4に供給される。そして、炉内の装入物が荷下がり
して補給すべき所定のストックライン5に達すると装入
物流量調整用のゲート弁6およびシール弁7を開操作し
て、下段バンカー内の原料8を分配シュート9上に供給
し、この分配シュートの傾動角度、旋回数を調整して原
料を炉内10に装入する。
【0006】ベルレス高炉における O/Cの分布制御は、
主に分配シュートの運転スケジュール(具体的にはシュ
ートの傾動角設定と、その傾動角での旋回数割り付け)
の制御によってなされ、粒径分布の制御は炉内に装入さ
れる原料の粒径の経時変化を利用してなされる。即ち、
通常のベルレス装入では、分配シュートを10旋回以上さ
せて原料を炉内に装入し、かつその間に分配シュートの
傾動角度を1回以上変更して原料の炉内落下位置を変化
させる装入形態をとっている。このとき分配シュートに
供給される原料の粒径が1回のダンプの中で経時的に変
化すると、その影響は炉の内径方向の粒径分布に現れ
る。
【0007】炉頂バンカーから排出される原料粒径に経
時的変化が現れることについては、既に幾多の報告があ
るがその主たる要因は、炉頂バンカー内原料が径方向に
粒径分布を持つこと、およびバンカー底部から原料を排
出した際、バンカー中心部が先に排出される、いわゆる
バンカー内に生じるファンネルフロー型の物流にある
(鉄と鋼74(1988)P.978)。
【0008】ところで、先に述べたとおりベルレス装入
装置には、図1に示したような直列式の外に、図2に示
すような並列に複数個のバンカーを有するタイプ(並列
式)がある。
【0009】図2は、2つのバンカーを有する並列式の
装入装置である。このタイプは、ベルトコンベアー2か
ら供給される原料を2つ(或いはそれ以上)の炉頂バン
カー3に交互に貯蔵し、その後に炉内に装入するという
方法をとっている。
【0010】直列式と並列式の2つのタイプの装入系で
は、炉内装入物分布制御に関し、いくつかの点でその特
性に差があるが、その中の大きな差異の1つとして分配
シュートに直結している炉頂バンカー(図1に示すよう
な直列2段型バンカーでは、下段バンカーがこれに当た
り、図2のような並列型では、並列にならんだ各バンカ
ーがこれに当たる)への原料装入時間の違いがある。
【0011】即ち、並列式では一方のバンカーが炉内装
入を行っている間、他方のバンカーはベルトコンベアー
から原料を受け入れることができ、受け入れが完了した
時点でバンカー内均圧をすれば、すぐに次の装入が実施
できる。
【0012】一方、直列式では、下段バンカーが炉内装
入を行っている間、上段バンカーへのベルトコンベアー
からの原料受け入れは、平行してできるものの、次の装
入準備を完了させるためには、この後下段バンカーを排
圧して上段バンカーからの原料をこれに装入し、さらに
下段バンカー内を炉内圧力と均圧にしなければならず、
この分、装入シーケンスの余裕代が小さくなる。このこ
とは、原料装入ピッチが速くなる高出銑比操業下では重
要な問題となる。即ち、直列型バンカー形式では上段バ
ンカーから下段バンカーへの原料装入は、できるだけ短
時間に行うことが必要となるため、通常このタイプの高
炉では、上段バンカーから下段バンカー(即ち、分配シ
ュートに直結している炉頂バンカー)への実質原料装入
時間は、概ね10〜30秒程度となっている。一方、前述の
ようにベルトコンベアーからの原料装入時間は、約2分
程度であることから並列型バンカー形式での原料装入時
間は、直列型のそれより約5倍、あるいはそれ以上とな
っているのである。
【0013】上記のような、分配シュートに直結してい
る炉頂バンカーへの原料装入時間の差異は、原料を炉内
に装入する時の粒径経時変化パターンに影響を与える。
即ち、バンカーへの原料装入時間、換言すれば原料装入
速度は、そのバンカー内での径方向の原料粒径分布に変
化を与え、ひいてはこのバンカーからの原料の排出時
(高炉への原料装入時)の粒径経時変化パターン、即
ち、炉内装入原料の粒径経時変化パターンに影響する。
【0014】一般に、高炉で使用する原料のような粒度
構成を有する粒状物を堆積させたとき、堆積層の径方向
に現れる粒径分布、即ち、粒度偏析現象は、その粒状物
の供給条件によって変化することが定性的に知られてい
る(鉄と鋼74(1988)P.978)。
【0015】一方、高炉の操業では、径方向のガス流分
布の制御が炉の安定操業に欠かせないものとされてお
り、通常は、操業の安定性確保のために炉中心部のガス
流を強めておくのが望ましいことが、経験的に知られて
いる。以下、これらの事実を基にして、直列バンカー形
式での従来の炉内原料の粒度分布の制御方法とその問題
点を説明する。
【0016】前述のとおり、ベルレス装入では1回の原
料の炉内装入にあたって、分配シュートの傾動角度を逐
次変えていき、原料の炉内位置を変化させる装入形態が
とられている。このとき、分配シュートによる原料の装
入を炉中心部から炉壁に向かって行う外振り分配法と、
逆に炉壁側に先に装入し、順次の中心部に向かって装入
していく内振り分配法とがある。一般には、分配シュー
ト駆動装置の負荷軽減の観点から、内振り分配装入法が
主流となっている。この内振り分配装入法では、装入初
期の原料は炉壁部に末期の原料は炉中心部寄りに堆積す
ることになる。
【0017】上記の内振り分配装入法によって、炉の安
定操業に必要な炉内原料の粒径分布、即ち、炉壁部に細
粒原料が、炉中心部に粗粒原料が堆積した状態、を得よ
うとすれば、原料装入の初期に細粒の原料を装入し、終
期に粗粒の原料を装入しなければならない。そのために
は、最下段のバンカーから排出される原料の粒度も、初
期に細粒、末期に粗粒となっていなければならない。こ
のような条件を満たすには、最下段のバンカー内の原料
の堆積状態が、それに相応しいものであることが必須で
ある。ところが、これまでに述べたように、バンカー内
に堆積した原料の粒径分布は、様々な要因の影響を受け
るため、望ましい形態に制御するのは困難である。
【0018】ベルレス高炉のバンカーの改良についての
提案は、既にいくつか知られている。例えば、実公昭56
−18597 号公報にはバンカー内に棒状材を設ける考案が
示されているが、これはバンカー内壁の保護のため、落
下原料を一旦失速させるためになされたものであり、こ
れを適用した場合、バンカー内の原料落下点が複数個、
あるいは円心円状になり、これによってバンカーからの
排出原料の粒径経時変化は平坦化される。しかし、この
方法では粒径経時変化を平坦化することはできでも初期
に細粒、末期に粗粒がバンカーより排出されるパターン
には到らない。
【0019】従って、バンカーから炉内に装入される原
料の粒径分布を、前記のような望ましい形態に制御する
ことには使えない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ベルレス高炉において
炉中心部のガス流を強めるためには、例えば前述の内振
り分布装入法では、装入初期に粒度の細かい原料を、そ
して装入末期には粒度の粗い原料を分配シュートに供給
せねばならない。
【0021】図3は、バンカーへの原料装入をその速度
を変えて行い、バンカー内に堆積した原料を排出したと
きの粒径の経時変化を調べた一例である。図示のとおり
バンカーから排出される原料の粒径経時変化のパターン
は、バンカーへの原料装入速度によっても著しく異な
る。同図中に示した3つの装入条件(イ)(ロ) (ハ) は、そ
れぞれ直列型バンカーの装入条件、並列型バンカーと直
列型バンカーとの中間の条件、そして並列型バンカーの
装入条件に対応する。
【0022】図3の(ハ) に示すように、並列型バンカー
の場合には、初期に細粒原料が、終期に粗粒原料が排出
される傾向にある。しかし、直列型バンカーでは(イ) の
曲線のように、(ハ) とは逆のパターンになる。つまり、
初期に粗粒の原料が排出されるから、これを分配シュー
トで内振り装入を行うと、炉内に堆積する原料の径方向
粒度分布は、上記の望ましいパターンとは逆になってし
まう。従って、炉内径方向のガス流分布は、安定操業に
必要な形態にはならない。
【0023】本発明は、直列型バンカーを有するベルレ
ス高炉の原料装入において、炉の安定操業に最も相応し
い原料堆積形態を常に確保することを課題とし、炉況に
応じて高炉に装入する原料粒径の経時変化パターンを変
えることができる原料装入方法を提供することを目的と
する。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の(1)お
よび(2)の原料装入方法を要旨とする。
【0025】(1)直列型の原料貯槽の中の最下段の貯
槽から排出される原料を分配シュートを介して炉内に装
入するベルレス高炉の原料装入方法において、最下段の
貯槽への原料装入条件を、下記式から計算される無次
元数πを基準として制御し、この最下段貯槽から排出さ
れ炉内に挿入される原料の炉内の径方向粒度分布を調整
することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。
【0026】
【数2】
【0027】ここで、v: 原料装入速度(kg/sec)、g:
重力加速度(m/sec2) ρ: 原料嵩密度(kg/m3) 、 D: バンカー径(m) H: 装入落差(m) (2) 最下段貯槽内に、その上段の貯槽から供給され
る原料の落下軌跡の軸上に位置する反発板を有する垂直
シュートを設け、最下段貯槽への原料の落下衝撃を調整
することによって無次元数πを制御する請求項1の原料
装入方法。
【0028】上記式は、本発明者が多数の試験結果か
ら得た実験式である。この無次元数πを調整することに
よって、最下段のバンカーに装入される原料の堆積形
態、即ち、堆積した原料の粒径分布が変化し、その原料
を最下段のバンカーから排出して高炉に装入したときに
炉内の原料の径方向粒径分布が変化する。
【0029】πの制御は、式から予測できるとおり、
原料装入速度(V)、バンカー径(D)、原料装入落差
(H)および原料嵩密度(ρ)を変えることによって可
能である。しかし、バンカー径(D)は設備によって一
定であり、原料嵩密度(ρ)は原料に固有の値であるか
ら、これらの制御は難しい。そこで、装入速度(V)、
或いは装入落差(H)を小さくすれば、換言すると、原
料の落下衝撃を小さくすれば、無次元数πの値を小さく
することができる。
【0030】ここで言う装入落差(H)とは、バンカー
内に落下する原料の自由落下距離であるから、バンカー
内堆積面への衝突速度に対応している。従って、バンカ
ーに供給される原料が堆積面に衝突する前に、反発板の
ような邪魔物に衝突させて落下速度を減少させること
で、実質的にこの値を小さくすることができるのであ
る。
【0031】上記(2)の「最下段貯槽内に、その上段
の貯槽から供給される原料の落下軌跡の軸上に位置する
反発板を有する垂直シュートを設ける」という方法は、
上述の原理によって無次元数πを小さくする最も実際的
な方法である。この方法は実際の高炉操業において、最
も多用される内振り分配法で、しかも高炉の正常な操
業、即ち、炉の中心部に粗粒の原料を装入する操業、を
行うときに採用できる方法である。
【0032】
【作用】本発明者らは実炉で使用している焼結鉱を用い
てバンカー内の原料堆積形態を実験により調査した。実
験は、実物大模型および1/10縮尺模型を使用して行い、
従来の装入法に相当する条件も含めて、それよりも広い
範囲にわたって実施した。表1に実験条件を示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1中の原料装入条件(装入速度、装入落
差)を種々に組み合わせて、バンカー内の粒径偏析の度
合いを比較した結果を図4に示す。ここで、バンカー内
の粒径偏析の度合いの尺度として、バンカー内の径方向
の粒径分布を原料落下点を起点にして距離の一次関数で
近似したときの勾配 (dDP / dr)をとり、原料装入条件
の指標として前記式で示す無次元数 (π) をとった。
この無次元数πは、落下原料のバンカー内堆積量に与え
る力とバンカー内原料からの反発力との比である。この
ような指標をとることにより種々の条件での実験データ
を図4に示すように整理することができる。
【0035】ここで注目すべきことは、無次元数πが概
ね5×10-3となる点を境にして径方向粒径分布の変化勾
配が逆転するという事実である。この現象と、先に述べ
た原料排出時にバンカー内に生ずるファンネルフロー型
の物流とを合わせて利用すれば、バンカーからの排出原
料の粒径経時変化パターンを自在に調整することが可能
になる。
【0036】先に説明した図3の(イ) は式のVが 9.8
ton/sでπが 1.3×10-2の例、(ロ)はVが 5.7 ton/sで
πが 0.8×10-2の例であり、(ハ) はVが 0.6 ton/sでπ
が 7.5×10-4の例である。図4でみれば (a)の領域が並
列型バンカーの装入条件に相当し、(b) の領域が直列型
バンカーの装入条件に対応する。即ち、この2つの領域
で粒度偏析の様子には著しい差異があり、直列型バンカ
ーでは、通常の斜面上での再分級現象(細粒原料の篩落
とし)から想定される粒度分布(以下、これを"正偏析"
と称す)と全く逆の分布(以下、これを "逆偏析" と
称す)を呈するのである。
【0037】図4と図3を対比して見れば明らかなよう
に、πの値を変えることによって最下段バンカー内での
(dDP / dr)を変えることができ、ひいてはこのバンカ
ーからの原料排出時の粒度の経時変化パターン(即ち、
炉内の堆積原料の径方向粒度分布)を変えることができ
る。言い換えれば、内振り分配装入法をとる場合は、π
が5×10-3より小さい条件で最下段バンカーへの原料装
入を行っておけば、図3の(ハ) の条件、即ち、図4の
(a)の領域の並列バンカーを使用した場合と同じよう
に、高炉内では炉壁側に細粒の原料が装入され、遅れて
装入される炉中心部の原料は粗粒のものになる。πが5
×10-3以上の条件であれば、これとは逆に中心部に堆積
する原料が細粒になる。
【0038】高炉では、炉中心部に粗粒原料を装入する
のが正常な炉況を保つ常套手段であることは先に述べた
とおりでる。しかし、例えば、炉内壁に付着物が生成
し、これを除去するために炉壁近傍領域のガス流を強化
したいような場合には、逆に炉壁側に粗粒の原料を、炉
の中心側に細粒原料を装入しなければならないことがあ
る。このときは、内振り分配装入法であれば、バンカー
からは先に粗粒原料が排出されなければならない。図4
から明らかなように、その場合には無次元数πを5×10
-3より大きい値に制御して前記の "正偏析" の状態にす
ればよい。
【0039】さらに、内振り分配法に代えて外振り分配
法を採用する場合には、上記の制御と全く逆の制御を行
えばよいことになる。即ち、本発明の(1)の方法で
は、内振り分配法であれ外振り分配法であれ、無次元数
πを制御することによって、炉内の原料堆積形態(径方
向の粒径分布)をいかようにも調整できるのである。
【0040】図5は、本発明の(2)の方法、即ち、内
振り分配方式で炉の中心部に粗粒の原料を装入するため
に、無次元数πを5×10-3より小さい値に制御する手
段、即ち、内部に垂直シュートを設けた最下段バンカー
を示す図である。(a) は平面図、(b) は縦断面図であ
る。垂直シュート11はバンカー4と同心円に配置され、
その内部には反発板12が取り付けてある。この反発板12
は、原料の落下軌跡の軸上に置かれている。垂直シュー
ト11の上端開口部の径aは原料落下流断面積の3〜5倍
程度の断面積を与える径、下端開口部の径bは原料落下
流断面積の1〜3倍程度の断面積を与える径とするのが
よい。aの値は、反発板と垂直シュート内面とのクリア
ランスが、この反発板に衝突し飛散した原料が棚吊りを
おこさず円滑に流通するのに十分であるような値であ
る。bの値も、同様の考え方で決めるべきものである
が、原料が反発板に衝突して失速しているので、物質バ
ランスの関係からこの失速分だけ落下流の幅が広がるこ
とを考慮に入れ、棚吊り防止のために開口断面積が大き
めになるように選定する。
【0041】反発板12の外周の垂直シュート11は、反発
板12に衝突した原料が水平方向に飛散するのを防止する
機能をもつ。即ち、反発板12に衝突した原料が飛散すれ
ば原料の堆積面への落下位置がバンカー軸から離れてし
まい、この反発板による装入原料の落下速度減少効果に
より正偏析が得られても、バンカー軸付近に細粒原料が
堆積せず、バンカーからの排出初期、即ち炉内装入初期
の細粒装入が実現できなくなる。
【0042】
【実施例】図5に示した垂直シュートを内部に備えたバ
ンカーを使用し、実物大模型による実験を行った。バン
カー4の中心部には、図5に示すとおり、バンカーに原
料を装入したとき原料中に埋没しない高さyの位置に、
垂直シュート11を鋼材13に4点で溶接固定した。更に、
垂直シュート11内の中央部よりやや上部内側に鋼材14で
反発板12を溶接して固定した。反発板は落下原料の大部
分が衝突するに十分な大きさおよび形状を備え、また垂
直シュートは、原料反発板に衝突した原料が飛散するこ
とを防止する構造になっている。
【0043】バンカー各部のサイズおよび原料装入条件
は下記のとおりである。
【0044】(i) バンカーおよびその内部構造のサイ
ズ バンカー高さh: 8 m バンカー排出口径e:1m バンカー直径L: 7 m 反発板直径f:1.4 m 垂直シュート設置高さy:7m 垂直シュート上部直径a:2.8 m 垂直シュート下部直径b:1.5 m 垂直シュート絞り部長さd:0.7 m 垂直シュート直管部長さc:1.3 m (ii))バンカーへの原料装入条件 装入速度:9.8ton/sec 装入落差:5m (原料装入口から、装入完了時のバンカ
ー内原料表面までの距離) 原料粒度:50〜25mm…18wt% :25〜10mm…50wt% :10mm以下…32wt% 以上の条件でバンカー内に原料を装入し、150 トンを蓄
積した後に装入を停止し、バンカー内の半径方向の粒径
分布を調べた。図6に結果を示す。
【0045】図6に●で示すのが、上記の実施例の結果
である。○で示す従来例は、垂直シュートを持たない従
来のバンカーに通常の条件(原料装入速度:9.8 トン/
秒)で原料を装入した場合のバンカー内の半径方向の粒
径分布である。このときの無次元数πの値は 1.3×10-2
であった。
【0046】図6から明らかなように、垂直シュートを
炉頂バンカーに供給される原料の落下軌跡の軸上に設置
することにより、バンカー内の径方向粒径分布は "逆偏
析"から "正偏析" に転じる。
【0047】図7は、上記のようにバンカー内に蓄積し
た原料をバンカー底部から排出してその粒径の経時変化
パターンを調べた結果である。○の従来例では初期に粗
粒、末期に細粒が排出されるパターンであるが、本発明
の実施例(●)では、初期に細粒、末期に粗粒が排出さ
れるパターンに変化している。即ち、内振り分配法で炉
中心部に粗粒原料を供給するのに必要な排出形態になっ
ている。
【0048】なお、図6および図7の縦軸の無次元粒径
というのは、各時刻または各位置での粒径を装入物の平
均粒径で割った値である。
【0049】
【発明の効果】実施例では、内振り分配法で炉中心部に
粗粒原料を供給する場合を例にして説明したが、本発明
方法は、外振り分配法においても実施できることは先に
述べたとおりである。本発明方法では、無次元数πの値
を制御することによって、炉内への原料装入形態(原料
の炉内の径方向粒度分布)を炉況に応じて的確に変える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直列型バンカーのベルレス高炉における原料装
入形態の概略図である。
【図2】並列型バンカーのベルレス高炉における原料装
入形態の概略図である。
【図3】無次元排出時間と無次元粒径との関係図であ
る。
【図4】無次元数(π)とバンカー内の径方向の粒径変
化勾配との関係図である。
【図5】本発明方法を実施する一つの例を説明する最下
段バンカーの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)
は縦断面図である。
【図6】本発明の実施例と従来例におけるバンカー内堆
積原料の無次元位置と無次元粒径との関係図である。
【図7】本発明の実施例と従来例におけるバンカーから
の排出原料の無次元排出時間と無次元粒径との関係図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 厚則 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 梶原 義雅 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−205605(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 5/00 311 C21B 5/00 301 C21B 7/20 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列式の原料貯槽の中の最下段の貯槽から
    排出される原料を分配シュートを介して炉内に装入する
    ベルレス高炉の原料装入方法において、最下段の貯槽へ
    の原料装入条件を、下記式から計算される無次元数π
    を基準として制御し、この最下段貯槽から排出され炉内
    に挿入される原料の炉内の径方向粒度分布を調整するこ
    とを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。 【数1】 ここで、v: 原料装入速度(kg/sec)、g: 重力加速度(m
    /sec2) ρ: 原料嵩密度(kg/m3) 、 D: バンカー径(m) H: 装入落差(m)
  2. 【請求項2】最下段貯槽内に、その上段の貯槽から供給
    される原料の落下軌跡の軸上に位置する反発板を有する
    垂直シュートを設け、最下段貯槽への原料の落下衝撃を
    調整することによって無次元数πを制御する請求項1の
    原料装入方法。
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