JP2005248278A - 高炉操業方法 - Google Patents

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公平 砂原
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Abstract

【課題】装入物分布の制御性の高い装入方法を採ることによって、炉内半径方向におけるガス流分布の制御精度を著しく向上させ得る高炉操業方法を提供する。
【解決手段】高炉へ搬送中の原料を、2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割し、高炉炉頂ホッパーに貯留した後、高炉内へ装入するに際し、前記分級点の変更に応じて、分級後の各々の装入物を炉頂ホッパーに装入する順序を変更し、さらに、分級後の装入物を高炉内に装入する際、ベルレス分配シュート旋回数および傾動角、または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストロークを変更する操作を行って炉半径方向の特定領域に特定粒度の装入物を装入する。前記特定領域を炉中心から炉半径の30%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径30mm以上の焼結鉱とすれば、炉内通気抵抗の低減効果が大きい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高炉操業方法に関し、詳しくは、高炉へ搬送中の原料を予め3種類以上の粒度構成に分割した後、特定粒度の装入物を炉半径方向の特定領域に配置することにより高炉を安定に操業する高炉操業方法に関する。
高炉を安定にしかも効率よく操業するには、炉内を上昇するガスと、炉内を降下するコークスおよび原料(鉄鉱石、焼結鉱その他の原料で、以下、「鉱石」という)との熱交換および反応を効率よく行わせるために、炉内の通気性、通液性を良好に保つことが重要である。
一般に、高炉内部のような充填層の通気抵抗は、充填層を構成する粒子の径とその配置によって決まる空隙率により左右されるが、高炉内の装入物のような、粒径が数十mm程度に破砕された粒子の場合、ほぼその粒度構成に依存する。一般的には、充填層の構成粒子が粗粒であるほど通気抵抗は低く、細粒であるほど通気抵抗は高くなる。また、相異なる粒径の粒子が均一に混合された状態では、粗粒の粒子間に細粒の粒子が入り込む、いわゆる“目詰まり”により空隙率が低下し、通気抵抗が高くなる。構成粒子が、充填層内で、ガスの流れに対して各粒度別にいわば直列または並列に(すなわち、混じり合わずに)配置されている方が、“目詰まり”が起こらず、空隙率が確保されるので、通気抵抗が低い。
高炉に投入される装入物のうち、コークスの粒径は、平均的には45〜50mm程度で、粒度範囲は35mm程度から70mm程度までであり、鉱石の粒径は、平均的には20mm程度、粒度範囲は、概して5mmから60mmまでと、コークスよりも広い。
コークスおよび鉱石は、通常、別々に炉内に装入されるので層状構造を形成し、装入物表面は概ね炉周辺部から炉中心部にかけて一定の傾斜角をもったすり鉢状を呈している。そのため、各層内の炉半径方向には粒度偏析が生じており、装入時の落下点近傍では粒径が小さく、斜面の下流、すなわち炉中心部にかけて粒径が増大していく粒度分布をなしている。この状態を、「半径方向の粒度分布勾配を有している」ともいう。
高炉上部の通気性を良好に保つためには、このように、装入物が半径方向の粒度分布勾配を有し、炉内上昇ガス流に対して細粒と粗粒とが“並列”に配置されるようにすることが有効である。
この考え方は、例えば、特許文献1に示されている。すなわち、高炉へ装入する含鉄原料およびコークスを予め細粒と粗粒に分け、粗粒は炉中心部に、細粒は炉壁周辺部に装入する方法で、従来からいわゆる“粒度別装入”として普及している。
高さ方向には、細粒と粗粒が混合して存在する状態をできるだけ避け、細粒および粗粒をそれぞれ上昇ガス流に対して“直列”に配置させることが有効である。例えば、特許文献2では、鉱石とコークスの境界部において粗粒部の粒子が形成する空間を細粒部の粒子が埋めることによる層全体の空隙率の低下を回避するため、鉱石、コークスのいずれか一方もしくは双方を粒度別に2以上の部分に分割し、鉱石、コークスの各層内において下層から上層にかけて粒径が低下するような順序で装入する方法が開示されている。
このように、高炉の通気性を良好に保つには、粗粒、細粒、または劣質原料などを、高炉半径方向のうち特定領域に装入することが必要である。そのため、高炉では、鉱石、コークスの炉内への装入時に、例えば、装入形態がベルレス型であれば、ベルレス分配シュートの傾動角や旋回数の調整、ベル/アーマー型であれば、大ベルストロークやアーマープレート押し出し長さの変更などにより、炉内半径方向における装入物の堆積状態(すなわち、装入物分布)の制御を行っている。
また、その他の方法として、高炉装入のために準備されている多数の原料槽から切り出され、搬送される原料の搬送順序を変更し、所定原料を所定順序で高炉に搬送することにより、装入物分布を適正化することができる。
例えば、特許文献3では、高炉の巻き下ホッパー槽から切り出された特定原料をトラッキングし、大ベルホッパーの最下部に装入すると共に、アーマープレートの位置を調節して当該最下部に装入された前記特定原料を炉半径方向の目標領域に落下させ装入する方法が開示されている。また、特許文献4には、ファネルフローの排出特性を備える原料ホッパーを用い、高炉半径方向の堆積形状に応じて、所定時期に特定銘柄原料を高炉へ装入すべく、前記特定銘柄原料を原料ホッパー内の所定の位置に装入して高炉へ装入する方法が開示されている。
しかしながら、従来から実施されている前掲の特許文献1および特許文献2に記載されるような単純な粒度別装入だけでは、原料搬送過程の粒度分布の変動をそのまま高炉内に持ち込むことになり、これらに起因して炉半径方向や円周方向に粒度構成の変化が生じると、高炉内のガス流れ分布に変動が生じ、高炉全体の炉況異常を引き起こすおそれがある。
また、特許文献3に記載されるような特定原料の装入順序をトレースする方法や、特許文献4に示された、高炉半径方向の堆積形状に応じて、特定銘柄原料を原料ホッパー内の所定の位置に装入して高炉へ装入する方法においても、各原料ホッパー内の特定銘柄原料の粒度等の変動やバラツキについては制御することができないため、依然として炉内半径方向ガス流分布に影響を及ぼすことになる。
以上述べたように、従来の粒度別装入や、特定原料の装入順序をトレースする方法等では、理論的には通気抵抗を低減させるものであるが、実際には、焼結機、コークス炉など原料供給側における成品の粒度構成(粒度分布)の変動、また、高炉への原料搬送過程における粒度構成のバラツキによる高炉装入時の粒径の変動、さらに装入系統の各設備における偏損耗に起因する粒度構成の変動などが存在するため、高炉内に目標通りの粒度構成の装入物を目標領域に装入することは困難である。
さらに、昨今の高炉基数集約によって、個々の高炉に生産弾力性を持たせようという要求がますます強く、高炉のみならず、焼結機やコークス炉の生産速度の変更も余儀なくされてきており、その際は、特に成品粒度、ひいては高炉装入原料の粒度の変化を伴う場合がある。また、近年、コークス比の低減を目的として、羽口から熱風とともに微粉炭を吹き込む高PCI操業へ移行しており、炉頂から装入するコークスに対する鉱石量が大幅に増加してきている。
なお、先に述べたように、コークスよりも鉱石(特に、焼結鉱)の方が、高炉へ装入する際の粒度構成範囲が広く、かつ粒度偏析を生じやすいため、高炉装入原料の粒度は、特に焼結鉱の原料搬送過程での粒度の変動の影響を受けやすくなってきている。
このように、高炉装入原料の粒度にバラツキや変動が生じる要因が従来にも増して多岐にわたる状況にあり、一旦粒度のバラツキや変動が生じると、炉内のガス流れが変化し、炉況異常をきたすおそれがある。そのため、前記粒度のバラツキや変動に応じて炉内半径方向における装入物の堆積状態(装入物分布)の制御方法を変更する必要がある。
特開昭55−62106号公報
特開昭55−110708号公報 特開2002−302706号公報 特開2002−348604号公報
本発明は、前述のような単純な粒度別装入や、特定原料の装入順序をトレースする方法、特定銘柄の原料を原料ホッパーの所定の位置に装入する方法のみでは、高炉内に目標通りの粒度構成の装入物を目標領域に装入することは困難であるという従来技術における問題点を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、装入物分布の制御性の高い装入方法を採ることによって、特に、近年の微粉炭多量吹き込み操業下や増産下において、高炉への原料搬送過程における粒度構成のバラツキや、不規則な変化を含む変動の影響を抑制し、炉内半径方向におけるガス流分布の制御精度を著しく向上させ得る高炉操業方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討を重ねた結果、原料を粒度構成の異なる3以上の部分に分割(分級)し、その粒度構成に応じて、炉頂ホッパーに装入する順序や、ベルレス分配シュートの傾動角、ムーバブルアーマーノッチ等を調整することにより、装入物分布の制御性をより一層高めることが可能であることを確認した。
本発明の要旨は、下記の高炉操業方法にある。
『高炉へ搬送中の原料を、2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割し、その分割された各々の装入物を高炉炉頂ホッパーに貯留した後、高炉内へ装入するに際し、前記分級点の変更に応じて、下記の(a)および/または(b)の操作を行って炉半径方向の特定領域に特定粒度の装入物を装入する高炉操業方法。
(a)分級後の各々の装入物を炉頂ホッパーに装入する順序を変更する。
(b)分級後の装入物を高炉内に装入する際、ベルレス分配シュート旋回数および傾動 角、または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストロークを変更する。』
この高炉操業方法において、前記炉半径方向の特定領域を炉中心から炉半径の30%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径30mm以上の焼結鉱とすれば、炉内通気抵抗の低減効果が大きい。
また、前記炉半径方向の特定領域を炉壁から炉半径の20%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径10mm以下の焼結鉱とすれば、同じく炉内通気抵抗の低減効果が大きい。
さらに、これらを同時に行えば、前記通気抵抗の低減効果は一層大きく、望ましい。
前記の「原料」とは、コークスおよび鉱石である。鉱石とは、ここでは各種の鉄鉱石、焼結鉱、ペレットなどの原料、または副原料をいう。
本発明の高炉操業方法によれば、炉内へ装入する鉱石やコークスに粒度のバラツキ、変動が生じても、炉内通気抵抗を低位に維持することができる装入物分布状態を形成することが可能で、高炉の安定操業を維持することができる。
本発明の高炉操業方法は、前記のように、『高炉へ搬送中の原料を、2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割し、高炉炉頂ホッパーに貯留した後、高炉内へ装入する際に、分級点を変更し、それに応じて、(a)分級後の各々の装入物の炉頂ホッパーへの装入順序の変更、ならびに、(b)分級後の装入物を高炉内に装入する際、ベルレス分配シュート旋回数および傾動角(または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストローク)の変更、のうちの何れか一方または両方の操作を行って炉半径方向の特定領域に特定粒度の装入物を装入する高炉操業方法』である。
すなわち、従来の、高炉装入原料を細粒と粗粒に分けてそれぞれ炉内の特定領域に装入する方法や、特定原料(例えば、特定の粒度構成の原料)を炉内の特定領域に装入する方法に対し、本発明においては、原料を粒度によって3分割し、または4以上に分割するとともに、それらの粒度構成を適宜変更し、その変更に応じて、炉頂ホッパーへの装入順序や、分配シュート旋回数および傾動角等を変更して炉内での装入位置を制御する。つまり、装入物の粒度構成の変更と、炉頂ホッパーへの装入順序や、分配シュート傾動角などの変更を連動させることによって、装入物分布の制御性を高め、炉内半径方向におけるガス流分布の制御精度の向上を図るのである。
この本発明の高炉操業方法の説明に先立ち、本発明者らが行った「装入物分布予測モデル」を用いた数値計算による検討の結果について述べる。
計算条件および手順は以下のとおりである。なお、ここでは、高炉装入原料を焼結鉱とし、分級点を2点とする。
(i) 高炉装入原料である焼結鉱を任意の粒径で3分割する。すなわち、「分級点1」を設定して篩分けにより“細粒”と“それ以外の粒径の焼結鉱”に分割する。次いで、「分級点2」を設定して、分級点1での篩分けの篩上である“それ以外の粒径の焼結鉱”をさらに篩分けにより、“中粒”と“粗粒”に分割する。
図1は、装入物の粒度構成と分級点1および2による分級(分割)のイメージを示す図である。図1に示すように、分級点1および2によって焼結鉱を細粒、中粒および粗粒の合計3種類の粒度階層、すなわち、3水準の粒度構成に分割する。なお、コークスについても同様に3種類の粒度階層に分割する。
(ii) 3階層に分割した各粒度構成の装入物の炉頂装入ホッパー(大ベルホッパーを含む)への装入順序を任意に設定する。
実際には、前記分割し各粒度別に貯蔵した装入物を、原料槽からの切り出し順序に応じて、装入ベルトコンベアを有する高炉では、ベルトコンベア上でのそれぞれの配置により、また、スキップカーによる巻上げタイプの場合は、スキップカーへの装入順序などにより制御することができる。
(iii) 以上のように、炉頂における装入条件(装入物の粒度、炉頂装入ホッパーへの装入順序)を決定した後、「装入物分布推定モデル」により、炉頂装入ホッパーからの排出挙動を介して装入物の高炉内への装入順序を計算する。この際、3階層に分割した各粒度構成の装入物ごとの排出挙動が経時的な変化として算出されるので、炉内装入時の排出粒径経時変化(すなわち、炉頂装入ホッパーから排出される装入物の粒径の経時変化)が求められる。
この結果を受けて、炉頂装入装置がベルレス式であれば、ベルレス分配シュートの傾動角、旋回数、装入速度に応じて、また、ベル/アーマー式あれば、ムーバブルアーマーノッチ、装入速度(大ベルストローク、大ベル開速度など)に応じて、炉内半径方向の任意の位置に所定粒度の装入物が装入される。
(iv) このようにして炉内半径方向の装入物分布が求められると、これにより得られた充填構造の通気抵抗を算出することができる。
以下に、ベル/アーマー式の高炉を対象として行った第1の事例検討結果を示す。
炉内への装入は、〔C↓C↓O↓O↓〕の形態とする。ここで、C↓は、コークス装入、O↓は、鉱石装入を意味し、〔C↓C↓O↓O↓〕は、コークス2回、鉱石2回を1単位とした装入を繰り返す装入形態を表す。コークス、鉱石それぞれ1回の装入を1バッチと定義し、この装入は、「コークス2バッチ、鉱石2バッチ」の合計4バッチ装入と呼ぶことにする。
装入の際、鉱石1バッチ目には、高炉への装入物搬送過程において分級点1で分離した細粒鉱石以外の篩上(つまり、中粒と粗粒の鉱石)を合わせて装入し、鉱石2バッチ目には、分級点1の篩下(すなわち、細粒)だけを分離して装入する。なお、前記鉱石1バッチ目においては、分級点2で分離した篩下(中粒)を大ベルホッパーの最下層に配置し、同篩上(粗粒)をその上部に配置した状態で、同時に炉内へ装入する。なお、分級点1の篩の篩目を8mm、分級点2の篩目を25mmとする。
また、各バッチ毎に、アーマーノッチを設定する。すなわち、鉱石1バッチ目は、装入開始時に40ノッチとし、徐々に押し出して、装入完了時には56ノッチに設定する。また、鉱石2バッチ目のアーマーノッチは25ノッチとする。ここで、100ノッチがアーマーノッチのプッシュロッドのフルストロークで、最も炉内側へ押し出した状態、すなわち、装入物の落下点を炉壁から最大限に離した状態である。
鉱石1バッチ目では、大ベルホッパー内の下層部に配置されている中粒サイズの鉱石が装入初期に排出され、上層部に配置されている粗粒鉱石が装入後期に排出される。その際、アーマーノッチは、40ノッチから56ノッチへ変わるので、装入物の落下点は炉壁側から中心部方向へと移動する。一方、鉱石2バッチ目はアーマーノッチが25ノッチなので、大ベルホッパー内の細粒鉱石は炉壁近傍に落下する。
このような装入方法を採るのは、鉱石1バッチ目で装入後期に排出される粗粒鉱石をできるだけ中心近傍に堆積させ、鉱石2バッチ目で細粒鉱石を炉壁近傍に装入することにより、半径方向に顕著な粒度分布勾配を設け、炉内全体の通気抵抗を低減するためである。
以上の条件において、鉱石1バッチ目に装入する中粒鉱石と粗粒鉱石の大ベルホッパーへの装入順序を変更するとともに、鉱石1バッチ目のムーバブルアーマーの装入開始時の位置(最初のアーマーノッチの設定値)と装入完了時の最終位置(最後のアーマーノッチの設定値)の差、つまり、アーマーノッチの駆動前後の差を変更した。なお、その際、当初の設定値の平均値、すなわち、(56+40)/2=48 を一定に保持した。
実際には、前記大ベルホッパーへ装入する順序の変更は、前述したように、分級により分割して各粒度別に貯蔵した装入物のベルトコンベア上でのそれぞれの配置により、または、スキップカーへの装入順序により制御することができる。
計算結果を図2に示す。図2は、ムーバブルアーマーの駆動前後のノッチ差と粗粒鉱石の大ベルホッパーへの装入順序が通気抵抗指数に及ぼす影響を示す図である。図中に等高線で示した通気抵抗指数は、得られる装入物分布から計算により求められる。なお、縦軸の装入順序は、先頭を0、末尾を1とした無次元時間で示している。ここで、「通気抵抗指数」は、充填層中のガス流れを想定した場合のガス流速項に対する圧力損失項の比、すなわち、(圧力損失項)/(ガス流速項)であり、値が大きいほど通気抵抗が高いことを意味する。
第2図に示すように、鉱石1バッチ目においては、粗粒鉱石をできるだけ後半に大ベルホッパーに装入し、アーマー駆動の際は、装入開始時と完了時とでノッチ差をつけて、炉内中心近傍に粗粒鉱石を装入し、炉壁近傍に粒径の小さい鉱石を装入することが、通気抵抗低下に最も望ましいことがわかる。
また、計算の結果、図2に示す通気抵抗指数で7.5以下にするには、炉中心を0、炉壁を1とした無次元半径で0.3以下の領域に装入される鉱石(ここでは、焼結鉱)の平均粒径を30mm以上とすること、および/または無次元半径0.8〜1.0の領域に装入される鉱石(焼結鉱)の平均粒径を10mm以下とすること、が必要であると判明した。
また、分級点2の篩目を25mmから27mmに変更し、前記の計算を行うと図2に示した通気抵抗指数は、ほぼ全域で約0.4低下することがわかった。さらに分級点2の篩目を32mmまで大きくすると、通気抵抗指数は逆に上昇する。これは、分級点2の篩下となる中粒サイズの鉱石の存在率が、篩上の粗粒鉱石に比較して大幅に増加したため、実質的に中粒と粗粒による粒度分割の効果が減殺されたことによるものである。
このように、鉱石の分級点の変更、粗粒鉱石の大ベルホッパーへの装入順序の変更、およびムーバブルアーマーノッチの調整を連動させ(つまり、関連させて調整し)、炉半径方向における所定領域の鉱石粒度を制御することによって、通気抵抗が低位となる最適な操業ポイントを見いだすことができる。
続いて、ベルレス高炉を対象として行った第2の事例検討結果について述べる。
ベル/アーマー式の高炉の場合と同様に、2点の分級点で鉱石を3階層の粒度に分離する。
炉内への装入形態は、〔C↓O↓O↓〕の3バッチ装入とし、コークスの装入により、炉壁から所定距離だけ炉内側に平坦部分(この平坦部分を「テラス」と定義する)を形成する。
鉱石1バッチ目は、分級点2の篩上である粗粒鉱石と篩下である中粒サイズの鉱石の一部とで構成され、コークスと同様に炉壁から所定のテラス長さを形成するようにベルレス分配シュートの傾動角を調整して装入する。
鉱石2バッチ目は、分級点1の篩下である細粒鉱石の全量および分級点2の篩下である中粒サイズの鉱石の残留分とで構成され、鉱石1バッチ目によって形成されたテラス上にのみ堆積させる。
この装入形態の特徴は、細粒部分を炉壁近傍に安定に配置するために、コークスと鉱石1バッチ目により形成されるテラス上に、鉱石2バッチ目として細粒部分を選択的に装入することにある。したがって、鉱石2バッチ目の装入量は、テラス上に安定配置できるようにテラス長さに応じて変更する。
実高炉では、安定操業、および設備維持のための条件として、炉壁近傍の鉱石とコークスの質量比率を一定とする条件を付加する。また、テラス長さが短いほど、斜面部分の粒度偏析距離が長いため、中心部の粒径をより一層粗粒とすることができ、中心ガス流を顕著化して全体の通気抵抗を低下させることができる。
以上の条件で、ベルレス分配シュートの傾動角と旋回数を調整してテラス長さを変更し、一方、分級点2の篩目を変更した。
計算結果を図3に示す。図3は、テラス長さと分級点2の篩目が通気抵抗指数に及ぼす影響を示す図で、横軸にテラス長さ、縦軸に分級点2の篩目をとり、通気抵抗指数を等高線で示した図である。
図3において、テラス長さ0.7mで、分級点2の篩目が27mmの場合、通気抵抗の極小値が存在する。テラス長さが短いほど粒度偏析が顕著になり、中心近傍の鉱石粒径が増大する(粗粒化する)が、テラスが短すぎると鉱石2バッチ目の細粒の装入量が減少して炉壁近傍の鉱石粒径が増大し、また、半径方向の鉱石/コークス割合の分布が大きく変化することにより、通気抵抗が上昇に転じる。
一方、粗粒と中粒を分割する分級点2の篩目が大きくなるに伴い、粗粒サイズの分級効果により通気抵抗が低下するが、篩目が27mmを越えると、篩上の粗粒鉱石量が減少し、分級効果が抑制されるため、通気抵抗は上昇する。
このように、ベルレス分配シュートの傾動角と旋回数の制御によるテラス長さの変更と、分級点2の篩目の変更とを連動させ、中心部近傍の鉱石粒径を制御することにより、通気抵抗が低位となる最適な操業ポイントを見いだすことができる。
以上述べたように、「装入物分布予測モデル」を用いた数値計算による検討結果によれば、鉱石の分級点の変更、粗粒鉱石の炉頂装入ホッパーへの装入順序の変更、ムーバブルアーマーノッチ等の調整、またはベルレス分配シュート旋回数および傾動角の制御などを連動させ、装入物分布を制御することにより、炉内の通気抵抗が低位となる最適な原料装入条件を見いだすことが可能である。
本発明の高炉操業方法は、この検討結果に基づくもので、『高炉へ搬送中の装入物を、2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割し、その分割された各々の装入物を高炉炉頂ホッパーに貯留後、高炉内へ装入するに際し、前記分級点の変更に応じて、
(a)分級後の各々の装入物を炉頂ホッパーに装入する順序を変更する操作
(b)分級後の装入物を高炉内に装入する際、ベルレス分配シュート旋回数および傾動 角、または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストロークを変更する操作
の何れか一方または両方の操作を行って炉半径方向の特定領域に特定粒度の装入物を装入することを特徴とする高炉操業方法』である。
この操業方法の特徴は、装入物分布の制御性の高い装入方法を採る点にある。そのために、まず、『高炉へ搬送中の原料を、2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割』する。
2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割するのは、従来行われているような細粒と粗粒の2水準に分割してそれぞれ炉内の所定領域に装入する場合に比べて、より適正な粒度分布が得られやすいからである。
2点以上の分級点をそれぞれどの粒径に設定して、3水準以上に分割した各装入物にどのような粒度構成を持たせるかは、任意である。前述の「装入物分布予測モデル」を用いた検討結果や、従来の操業実績等を勘案して適宜定めればよい。通常は、適切な3水準(例えば、細粒、中粒および粗粒)に分割すれば、後述する他のベルレス分配シュート傾動角等、または、ムーバブルアーマーノッチ等を調整することにより目的が達せられるが、4水準またはそれ以上の分割することも可能である。
また、高炉へ搬送中の原料を対象とするのは、所定の粒度に調整された原料を対象として、さらに搬送過程における粒度の変動やバラツキを最小限に抑え、目標とする装入物分布を得やすくするためである。
本発明の高炉操業方法では、『その分割された各々の装入物を高炉炉頂ホッパーに貯留した後、高炉内へ装入するに際し』、以下に述べる特定の操作を行う。高炉炉頂ホッパーは装入物を高炉内へ装入する直前の貯留槽で、装入物は、この炉頂ホッパーに装入する順序に対応してホッパー下部から順に排出され、炉内へ装入される。炉頂装入装置がベル/アーマー式の場合は、大ベルホッパーがその役割を担うことになる。
本発明の操業方法では、その分割された各々の装入物を高炉内へ装入するに際し、『前記分級点の変更に応じて』(a)および/または(b)の操作を行う。まず、分級点を変更するのであるが、これは、高炉装入原料のバラツキや変動に対応して装入物分布の適正化を図る上での主要な要件は装入物の粒度構成だからである。分級点をどのように変更するかは、先にも述べたように、「装入物分布予測モデル」による検討結果や、従来の操業実績等に基づいて行うことになる。
(a)の操作は、『分級後の各々の装入物を炉頂ホッパーに装入する順序を変更』する操作である。分級点の変更に応じて、新たな粒度構成の装入物を炉内に装入したときに、目標とする装入物分布が得られるように、炉頂ホッパーへの装入順序を変更する。これによって高炉内への装入物の装入順序が決まるので、前記分級点の変更と炉頂ホッパーへの装入順序の変更とを連動させて行うことにより、装入物分布を適正化し、通気抵抗が低位となる操業を行うことが可能となる。
(b)の操作は、『分級後の装入物を高炉内に装入する際、ベルレス分配シュート旋回数および傾動角、または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストロークを変更』する操作である。ベルレス分配シュート旋回数および傾動角、または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストロークを変更するのは、分級点の設定を変更して新たな3水準以上の相異なる粒度構成の装入物を炉内に装入したときに、それらを炉内の特定領域に装入するためである。前者は、装入形態がベルレス型の場合であり、後者はベル/アーマー型の場合である。このように、前記分級点の変更とベルレス分配シュートの傾動角やムーバブルアーマーノッチの変更とを連動させることにより、装入物分布を適正化し、通気抵抗が低位となる最適な操業ポイントを見いだすことができる。
(a)および(b)の操作はいずれか一方を行ってもよいが、両方を実施すれば、分級点の変更と炉頂ホッパーへの装入順序の変更に加え、ベルレス分配シュートの傾動角やムーバブルアーマーノッチの変更をも連動させて制御することになるので、装入物分布の制御性を一層高め、炉内半径方向におけるガス流分布の制御精度を著しく向上させることが可能となるので、望ましい。
本発明の高炉操業方法では、このような(a)および/または(b)の操作を行って、炉半径方向の特定領域に特定粒度の装入物を装入する。
前記の炉半径方向の特定領域、およびその領域に装入する装入物の特定粒度については、前述の「装入物分布予測モデル」を用いた検討結果や、後述する高炉炉頂平板実験装置を用いた実験の結果、あるいは従来の操業実績等を考慮して適宜定めればよい。
前記炉半径方向の特定領域を炉中心から炉半径の30%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径30mm以上の焼結鉱とすれば、半径方向の粒度分布勾配が大きくなり、中心ガス流が顕著になるので、炉内全体の通気抵抗が著しく低減する。
また、前記炉半径方向の特定領域を炉壁から炉半径の20%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径10mm以下の焼結鉱とすれば、同じく炉内通気抵抗の低減効果が大きい。
これらを同時に行えば、すなわち、炉中心から炉半径の30%以内の範囲を前記特定領域とし、そこに平均粒径30mm以上の特定粒度の焼結鉱を装入するとともに、炉壁から炉半径の20%以内の範囲を特定領域とし、そこに平均粒径10mm以下の特定粒度の焼結鉱を装入することとすれば、前記の効果はより一層大きく、望ましい。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
炉頂装入装置を備えた実機大の高炉炉頂平板実験装置により、装入条件を変更する実験を実施した。
図4は、用いた炉頂装入装置の要部の構成を模式的に示す図である。この装置は、炉頂ホッパー(または、大ベルホッパー)に相当するシュート上部ホッパー(図示せず)と装入シュート1を備え、装入シュート1は、原料装入ゲート2を有し、O点を支点として正逆方向に回転させることによりその傾斜角を変更するとともに、長さを変更し得るように構成されている。支点Oは図中に矢印a、bで示すように、水平方向、上下方向に移動可能である。なお、装入物は、図中矢印c、dを付して示した方向に落下軌跡を描いて装入される。また、装入タイプとして、ベルレス型とベル/アーマー型に切り替え可能である。
ベル/アーマータイプの場合は、ムーバブルアーマープレート3が取り付けられる。アーマープレート3は、後方からのプッシュロッド4の押し込み距離を変えることにより任意の角度に設定できる。装入シュート傾斜角を大ベル角度に設定し、かつ、シュート先端を大ベル下端に合わせ、所定量の装入物をシュート上部ホッパーに充填した後、大ベル降下ストロークに相当する原料装入ゲート2の開度を調整して装入する。
ベルレスタイプの場合は、装入シュート1の位置、長さを所定の位置、長さに設定し、傾斜角を分配シュートの傾動角に合わせて設定し、さらに、装入シュート1からの装入物の飛び出し速度が実炉における装入物の飛び出し速度と同じになるように原料装入ゲート2の位置を設定し、所定量の装入物をシュート上部ホッパーに充填した後、装入する。
装置下部には、複数の送風配管5が配置され、実炉相当の送風が可能となるように構成されている。また、装置壁面、および底板7上に堆積する装入物6の表層上に設置した静圧計と風速計(図示せず)により、装入物充填層内の圧力およびガス流速分布を測定することができる。なお、装置の下方前面は、内部の観察が可能なように透明なアクリル板8で構成されている。
前記平板実験装置により実験を行うに際し、装入物としては、実高炉に使用する焼結鉱(以下、「鉱石」と記す)およびコークスを用いた。
まず、ベル/アーマー型で〔C↓C↓O↓O↓〕の4バッチ装入を想定した実験を行い、充填層圧損、風速分布について評価した。
鉱石については、分級点1の篩目を8mmに設定し、分級点2の篩目を25mmに設定して、3階層の粒度構成に分割した。なお、分級点2の篩目は、前記25mmから35mmの間で変更した。
鉱石1バッチ目には、分級点1の篩上である、中粒(+8〜−25mm)と粗粒(+25mm)を装入順序を変更して装入した。ここで、例えば「+25mm」は、篩目25mmの篩で篩分けしたときの篩上を、「−25mm」は篩下を意味する。鉱石2バッチ目では、分級点1の篩下である細粒(−8mm)だけを装入した。
また、ムーバブルアーマーの押し出し駆動範囲を、駆動開始時(すなわち、装入開始時)から完了時までのアーマーノッチの平均値を48の一定値に保持しつつ、変更した。
一方、コークスに関しては、装入量、アーマーノッチとも一定条件とした。
実験結果を表1に示す。表1において、「大ベルホッパーへの粗粒装入順序」の欄の数値は、先頭を0、末尾を1とした無次元時間で表したものである。「O1アーマノッチ」の欄の「O1」は鉱石1バッチ目を表す。また、「中心流指数」とは、(中心ガス流速)/(平均ガス流速)の比で、この値が大きいほど中心ガス流が顕著であることを表す。「通気抵抗指数」は、前記のように、(圧力損失項)/(ガス流速項)の比である。さらに、「評価」の欄の○印は良好であることを、△印はやや不良、×印は不良であることを表す(後に示す表2、表3においても同様である)。
Figure 2005248278
鉱石1バッチ目について、粗粒鉱石のシュート上部ホッパー(大ベルホッパーに相当する)への装入順序が無次元時間で0.3の場合(すなわち、粗粒鉱石が装入の前半にホッパーの下層部に配置された場合)は、ムーバブルアーマーを稼働させない比較例1では、中心流指数が小さく、通気抵抗指数は大きい。ムーバブルアーマーを稼働させてノッチを駆動開始時の46から完了時の56へと変更しても(比較例2)、比較例1に比べて通気抵抗の低減幅は小さかった。また、粗粒をホッパー上部に配置しても(無次元時間で0.9)、ムーバブルアーマーの駆動を行わない場合(比較例3)、やはり通気抵抗の低減幅は小さかった。
これに対して、実施例1のように、粗粒をホッパー上部に配置し(無次元時間で0.9)、アーマーノッチの押し出し駆動を行うと(アーマーノッチ40→56)、中心ガス流の強化と通気抵抗の低減効果が認められた。これは、鉱石1バッチ目の装入中に、後半の粗粒割合の増加に応じてムーバブルアーマーを押し出すことにより、装入物の落下点を効果的に炉内方向へ移動させることができたためである。すなわち、粒径の大きい鉱石ほど炉内中心側に落下させることにより、従来の斜面形成過程で生じる粒度偏析効果を強調させる効果が生じて、結果的に半径方向中心近傍の鉱石粒径が粗粒化したため、半径方向粒度偏析が顕著となり、通気抵抗が大幅に低減したことを示している。
表2に、分級点2の篩目を25mm(前記実施例1)から30mmまたは35mmとし、その他は前記実施例1と同じ条件下で行った場合の実験結果を示す。前記の実施例1も併記した。表2において、「大ベルホッパーへの粗粒装入順序」の欄の数値は、表1におけると同様、先頭を0、末尾を1とした無次元時間で表したものである。なお、「評価」の欄の◎印は極めて良好であることを表す。
Figure 2005248278
分級点2を30mmに変更することにより、篩上の粗粒と篩下の中粒とを分離することによる効果が最大となり、中心流指数が上昇し、通気抵抗が低下した。しかし、分級点2を35mmとすると、粗粒の存在分率が低下し、中粒との粒度別による効果が低減し、分級点2が25mmの場合に比べて中心流がやや低下し通気抵抗がやや上昇した。したがって、分級点2には、粒度別装入効果が最適となる点が存在することがわかる。
次に、ベルレス型で〔C↓O↓O↓〕の3バッチ装入を想定し、コークス装入および鉱石1バッチ目の装入により、炉壁から所定距離に平坦部(テラス)を形成し、鉱石2バッチ目は、鉱石1バッチ目で形成されたテラス上に堆積させるという装入形態で実験を行い、通気抵抗およびガス流れ(風速分布)について調査した。
鉱石1バッチ目は、分級点1の篩上のうち、分級点2の篩上である粗粒と篩下である中粒の一部とで構成されている。また、鉱石2バッチ目は、分級点1の篩下である細粒の全量と分級点2の篩下である中粒の残留分とで構成される。
実験においては、分級点1の篩目を5mmとし、分級点2の篩目とテラス長さを変更した。
第3表に実験結果を示す。
Figure 2005248278
分級点1の篩下、すなわち−5mmの細粒鉱石は、全体の約16%となった。また、分級点2を15mmとすると篩上(粗粒)は48%となった。
テラス長さが1.8mの場合、鉱石装入のうち、1バッチ装入量は装入鉱石全体の80%なので、鉱石1バッチ目には、粗粒を全装入鉱石の40%(0.48×(1−0.16)=0.40)、中粒を40%として合計80%を、中粒、粗粒の順に炉内装入し、鉱石2バッチ目には細粒と残りの中粒を合わせて20%を装入した(比較例5)。この場合、通気抵抗指数が高く、評価は不良(×印)であった。
このとき、テラス長さを1.8mから1.0mに縮小すると(比較例6)、鉱石1バッチ目の装入量は増えるが、炉内に形成される斜面における粒度偏析現象が顕著に現れ、その結果、比較例5に比べて通気抵抗はやや低下した。しかし、評価はやや不良(△印)にとどまった。
また、分級点2の篩目を25mmとすると、粗粒の歩留まりは、27%となり、テラス長さが1.8mでは1バッチ装入量は装入鉱石全体の80%なので、鉱石1バッチ目には粗粒を全装入鉱石の23%(0.27×(1−0.16)=0.23)、中粒を57%の合計80%、鉱石2バッチ目には細粒と残りの中粒を合わせて20%を装入した。この場合、鉱石1バッチ目の装入後半に粗粒が集中装入されたことにより、半径方向のうち炉内中心側の鉱石粒径が粗粒化し、通気抵抗がやや低下したが(比較例7)、評価は△印であった。
そこで、分級点2の篩目を15mmから25mmへ変更し、テラス長さを1.8mから1.0mに短縮したところ、中心近傍の鉱石粒径が粗粒となり、中心ガス流が顕著となって、通気抵抗は大きく低下した(実施例3)。
本発明の高炉操業方法によれば、炉内通気抵抗を低位に維持することができる装入物分布状態を形成することが可能である。特に、近年における微粉炭多量吹き込み操業下や増産下においても、炉内半径方向におけるガス流分布の制御精度を著しく向上させ得るので、炉況を安定に維持できる操業方法として広く活用することが可能である。
装入物の粒度構成と分級点1および2による分級(分割)のイメージを示す図である。 ムーバブルアーマーの駆動前後のノッチ差と粗粒鉱石の大ベルホッパーへの装入順序が通気抵抗指数に及ぼす影響を示す図である。 テラス長さと分級点2の篩目が通気抵抗指数に及ぼす影響を示す図である。 実施例に用いた高炉炉頂平板実験装置の要部の構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1:装入シュート
2:原料装入ゲート
3:ムーバブルアーマープレート
4:プッシュロッド
5:送風配管
6:装入物
7:底板
8:アクリル板

Claims (3)

  1. 高炉へ搬送中の原料を、2点以上の分級点を設定して3水準以上の相異なる粒度構成に分割し、その分割された各々の装入物を高炉炉頂ホッパーに貯留した後、高炉内へ装入するに際し、前記分級点の変更に応じて、下記の(a)および/または(b)の操作を行って炉半径方向の特定領域に特定粒度の装入物を装入することを特徴とする高炉操業方法。
    (a)分級後の各々の装入物を炉頂ホッパーに装入する順序を変更する。
    (b)分級後の装入物を高炉内に装入する際、ベルレス分配シュート旋回数および傾動角、または、ムーバブルアーマーノッチおよび大ベルストロークを変更する。
  2. 前記炉半径方向の特定領域を炉中心から炉半径の30%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径30mm以上の焼結鉱とすることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記炉半径方向の特定領域を炉壁から炉半径の20%以内の範囲とし、特定粒度の装入物を平均粒径10mm以下の焼結鉱とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉操業方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008255438A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Nippon Steel Corp 二次元型シミュレーション装置、シミュレーション方法及び高炉の操業方法
JP2015199984A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 新日鐵住金株式会社 高炉の操業方法
CN115198042A (zh) * 2022-07-19 2022-10-18 德龙钢铁有限公司 一种高炉焦炭的布料方法

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