JPH07286775A - 減圧乾燥方法及び装置 - Google Patents

減圧乾燥方法及び装置

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JPH07286775A
JPH07286775A JP10475094A JP10475094A JPH07286775A JP H07286775 A JPH07286775 A JP H07286775A JP 10475094 A JP10475094 A JP 10475094A JP 10475094 A JP10475094 A JP 10475094A JP H07286775 A JPH07286775 A JP H07286775A
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JP
Japan
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drying chamber
drying
pressure
chamber
valve
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Application number
JP10475094A
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English (en)
Inventor
Koichi Nishina
耕一 仁科
Satoshi Suyama
聰 須山
Masaji Toba
正司 鳥羽
Akio Koike
明夫 小池
Susumu Arai
進 新井
Toshio Takei
寿雄 武井
Yuichi Murakami
雄一 村上
Hideyuki Iwanami
秀幸 岩波
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NAGANO PREF GOV
NAKAHARA KAKO KK
Nagano Prefecture
Original Assignee
NAGANO PREF GOV
NAKAHARA KAKO KK
Nagano Prefecture
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Publication date
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥室内を急激に減圧した後に外部気体を被
処理物に向け吹き付けることにより、大量に付着した水
を迅速かつ確実に乾燥させる。 【構成】 乾燥室1に部品4を収容して、電磁弁Bを開
くことにより乾燥室1内を急激に減圧し、所定の圧力に
至った時点で電磁弁Dを開く。電磁弁Dを開くと外部空
気が導入ノズル8を介して部品4に吹き付けられるた
め、部品4に付着した大量の水は周囲に吹き飛ばされ
る。このとき、回転テーブル5を回転させると外部空気
が部品4の全体に均一に吹き付けられる。ヒータ6は、
部品4を放射加熱により加熱するとともに外部空気によ
り周囲に吹き飛ばされた水をその表面上から気化させ
る。その後、電磁弁Dは閉鎖されて再び乾燥室1内は減
圧され、所定の真空度まで到達するようになっているの
で、部品4に付着した残りの水は、減圧過程において気
化され、排気される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は減圧乾燥装置に係り、特
に水分が多量に付着した被処理物を迅速に乾燥させるた
めの改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、工業用部品を水又は各種溶剤
等により洗浄した後には、真空乾燥装置による乾燥処理
が行われる場合がある。ここで、洗浄により大量に液体
が付着したまま乾燥室内に入れて乾燥させる場合或いは
複雑形状の部品を乾燥させる場合には、真空乾燥により
部品等を乾燥させようとすると、減圧により気化した水
又は溶剤が部品から気化熱を奪うために、部品及び付着
した液体が急速に冷却されて乾燥速度が低下し、乾燥に
時間がかかるという問題点がある。そこで、部品等を乾
燥室に導入する前に、エアーブロー等により付着した水
又は溶剤の量を低減させる水切り工程を設ける場合があ
る。また、乾燥室内に回転機構を設け、部品を回転させ
て液体を遠心分離しながら乾燥させる装置も使用されて
いる。さらに、乾燥室を加熱しながら減圧して液体の気
化を促進させる方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の真空乾燥方
法又は装置においては、部品等に付着した液体を効率良
く気化させるために種々の方法を講じている。しかし、
前工程において液体付着量を低減させる方法では、乾燥
作業に手間がかかる上に前工程と合わせれば乾燥工程と
してはかなりの時間が必要になるという欠点がある。ま
た、遠心分離を併用する方法では部品に振動等が加わっ
て損傷が発生したり、特に乾燥しにくい回転中心部にお
いて効果が少ないという問題点がある。さらに、ヒータ
等により加熱しながら減圧する方法では部品のみを集中
的に加熱することが困難であるために加熱効率が悪く、
乾燥時間を充分に短縮することはできず、しかも、部品
によっては部分的に高温になることを避けなければなら
ない物もあり、必ずしも効果的でないという問題があ
る。そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、
その課題は、付着した大量の液体を迅速かつ確実に乾燥
させることのできる減圧乾燥方法若しくは装置を実現す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に減圧系により乾燥室内を減圧して乾燥室内に収容され
た被処理物を乾燥させる減圧乾燥方法において、本発明
が講じた手段は、減圧系により乾燥室を急速に減圧する
工程と、その後乾燥室の導入弁を開放して気体を導入
し、この導入した気体を被処理物に直接吹きつける工程
と、さらに、導入弁を閉鎖して再び乾燥室内を減圧する
工程とを設けるものである。
【0005】この場合に、上記気体を圧縮乾燥気体とす
ることが好ましい。
【0006】また、減圧系により乾燥室内を減圧して乾
燥室内に収容された被処理物を乾燥させる減圧乾燥装置
としては、減圧系に接続される減圧管に設けられた減圧
弁と、乾燥室に外部気体を導入するための導入弁と、導
入弁に接続され、被処理物の収容位置に向けて延伸する
導入管と、減圧弁を開放させた後に乾燥室内が所定圧力
に至った時点で導入弁を開放し、その後、所定時点で導
入弁を閉鎖する制御手段とを設けるものである。
【0007】この場合において、上記減圧系には、真空
ポンプと、真空ポンプと乾燥室との間に接続された減圧
室とを設けることが好ましい。
【0008】また、上記導入弁には、圧縮乾燥空気、圧
縮窒素等の圧縮乾燥気体を収容する圧縮室を接続するこ
とが好ましい。
【0009】さらに、上記乾燥室には、被処理物を回転
させるための回転駆動手段を設けることが好ましい。
【0010】そして、上記乾燥室の内面を加熱する加熱
ヒータを設けることが好ましい。
【0011】
【作用】請求項1によれば、乾燥室が一旦減圧される
と、被処理物に付着した液体は沸点が降下して気化する
が、急速に減圧されるために気化熱により被処理物の保
持する熱量が余り奪われないうちに導入弁が開放され
る。導入弁が開放されると、乾燥室の内外圧力差に基づ
いて被処理物に外部気体が吹き付けられる。被処理物に
付着した液体は、外部気体を吹き付けられることにより
吹き飛ばされ若しくは吹き付けられた外部気体により気
化が促進される。したがって、被処理物に付着した液体
量が低減され、この後、乾燥室内は再び減圧されて残っ
た液体が除去される。
【0012】請求項2によれば、圧縮乾燥気体を外部気
体として導入することにより、気体の流入速度を高める
ことができ、被処理物に付着した液体の吹き飛ばし量若
しくは気化量を増大することができる。
【0013】請求項4によれば、減圧弁を開放すること
により乾燥室内の空気が予め減圧された減圧室へ急速に
排気されるから、減圧速度が向上し、外部気体を導入す
るまでの減圧期間を短縮できるため、外部気体の導入前
において被処理物から奪われる熱量を低減させることが
できる。
【0014】請求項6によれば、回転駆動手段で被処理
物を回転させることにより、外部気体の導入時に被処理
物の全体に外部気体を吹き付けることができるから、被
処理物に付着した液体の気化を均一に促進させることが
できる。
【0015】請求項7によれば、加熱ヒータを設けるこ
とにより、被処理物を放射加熱して付着液体の気化を促
進させることができるとともに、被処理物への外部気体
の吹き付け若しくは回転により吹き飛ばされた付着液体
を直接加熱して気化させることができる。
【0016】上記手段においては、特に、乾燥室と真空
ポンプとを直接結ぶ排気管を設けてここに遮断弁を取付
けることにより、最初の減圧工程においては減圧弁を開
放することにより急速に排気することができ、一方、減
圧弁を一旦閉じ、導入弁を開いて外部気体を導入した後
には、直ちに若しくは一旦減圧室を介して排気した後
に、遮断弁を開いて直接真空ポンプにて排気することが
できるから、乾燥室内の最終的な到達真空度を上げる上
で望ましく、しかも、この場合には、同時に次回の乾燥
工程のために減圧室を予め減圧しておくことが可能であ
る。
【0017】また、高速回転により被処理物を遠心脱水
する脱水槽を設ける場合があり、この場合には、脱水槽
の内部で回転する被処理物のほぼ回転中心部に導入管を
向けることによって、遠心脱水の効果の薄い被処理物の
中心部に集中的に外部気体を吹き付けられるため、乾燥
しにくい部分も確実に乾燥できる。
【0018】導入弁の開放は、例えば、目視により被処
理物の付着液体が沸騰した時点で行ってもよく、また、
予め時間又は圧力値を設定しておき、減圧開始後に所定
時間が経過した時点又は乾燥室内が所定の圧力に到達し
た時点で行ってもよい。さらに、減圧室の圧力を測定し
て、減圧弁の開放後における減圧室の圧力の極大値を示
した時点を基準にして、導入弁を開放させるようにして
もよい。このようにすれば、減圧室の容積に基づく急速
減圧期間が終了した直後に導入弁を開放させることがで
きるから、最初の減圧工程を短縮でき、被処理物の冷却
を防止することができるので、効率的に乾燥工程を進め
ることができ、乾燥時間をさらに短縮することができ
る。
【0019】導入弁の開放時の圧力としては、乾燥すべ
き被処理物の温度と付着した液体の沸点がほぼ等しくな
る値が好ましい。乾燥室の内外圧力差は導入気体の流入
速度を増加させる上では大きい程好ましいが、一方、あ
まり圧力が低下すると、被処理物に付着した液体の気化
量が増大して、被処理物の温度が低下し、乾燥が困難に
なる。したがって、減圧速度が充分に高い場合には、付
着液体の気化量が少なく、且つ、充分に乾燥室の内外圧
力差を確保できる圧力値を設定する必要がある。例えば
水の付着した被処理物の場合には、−550mmHg程
度であることが好ましい。この圧力は、内外圧力差によ
る外部気体の流入速度を充分に確保できるものであると
ともに、水の沸点を約55℃〜60℃程度にする値であ
り、予め湯せん等により被処理物を温めた後に乾燥室内
に収容して減圧した場合、付着水がほぼ瞬間的に突沸す
る圧力である。
【0020】なお、導入弁の閉鎖についても、所定時間
が経過した時点、乾燥室の圧力が所定圧力に至った時
点、導入管からの気体の流入が無くなった時点等に行う
ことができる。特に圧縮気体を導入する場合には、上記
所定圧力は、導入気体の流入速度を考慮して、最終的に
乾燥室内の圧力が大気圧前後になるように設定されるべ
きである。
【0021】
【実施例】次に、図面を参照して本発明に係る減圧乾燥
装置の実施例を説明する。 〔実施例1〕図1は本実施例の基本構成を示す概略構成
図である。容量50リットルの乾燥室1の上面には覗き
窓付きの蓋体1aと、内部圧力を測定するための真空ゲ
ージ2とが取付けられている。乾燥室1の内部中央に
は、被処理物である部品4を収容するための容器3が回
転テーブル5により回転可能に設けられている。乾燥室
1の内周面には、アルミナ外装皮膜付きの遠赤外線セラ
ミックスヒータ(容量2kW)からなるヒータ6が取付
けられ、また、蓋体1aの内面側にも同様のヒータ7が
取付けられる。
【0022】乾燥室1内には、導入ノズル8が部品4の
上面に向けて伸びるように取付けられているとともに、
乾燥室1の周壁を貫通して外部に設けられた電磁弁Dに
接続されている。電磁弁Dは、乾燥室1の内部に外部空
気を導入するためのものである。乾燥室1は電磁弁Bを
介して減圧室12に接続されている。減圧室12は、内
部圧力を測定するための真空ゲージ13を備え、真空ポ
ンプ14に接続されている。減圧室12は容量200リ
ットルであり、予め真空ポンプ14により−730mm
Hgまで減圧されている。
【0023】上記構成の装置を用いて部品の乾燥を行っ
た。部品4は、直径10mm、深さ10mmの切削穴を
上面に8か所穿設した真鍮製加工部品であり、脱脂洗浄
工程を経て、60℃の湯に1分間浸漬した直後に乾燥室
1内の容器3に収容した。このとき、切削穴には湯が満
たされている状態とした。次に、電磁弁Bを開放させ
て、乾燥室1内を減圧した。乾燥室1は瞬時に−550
mmHgまで減圧され、部品4に付着している水が突沸
し始めるのを蓋体1aの覗き窓から確認すると、直ちに
電磁弁Dを開放させた。
【0024】電磁弁Dが開放されると導入ノズル8から
外部の空気が流入し、部品4に付着した水及び切削穴に
溜まった水を吹き飛ばした。約5秒程経過して外部空気
の流入が殆どなくなった時点で電磁弁Dを閉鎖すると、
真空ポンプ14により、減圧室12を介して乾燥室1内
が次第に減圧され、残りの僅かな水分が気化された。乾
燥室1は、最終的に−730mmHg程度まで減圧され
た。本実施例では、ヒータ6,7は使用せず、回転テー
ブル5も停止した状態で乾燥工程を行ったにも拘わら
ず、約10分経過後に部品4を完全に乾燥させることが
できた。
【0025】〔実施例2〕次に、図2(a)には本発明
に係る実施例2の全体構成を示す。この実施例は図1に
示す実施例1と同様の乾燥室1、減圧室2、及び真空ポ
ンプ14を備えており、同一部分には同一符号を付し、
共通部分の説明は省略する。この実施例では、電磁弁D
は6〜7kg/cm2 程度の圧縮乾燥空気を供給する乾
燥機構付きのコンプレッサ10に接続されている。ま
た、上記実施例1と同様の電磁弁B,Dの他に、減圧室
12を真空ポンプ14に接続する配管に取付けられた電
磁弁Aと、乾燥室1を真空ポンプ14に直接接続する配
管に取付けられた電磁弁Cと、乾燥室1のリーク用の電
磁弁Eと、減圧室12のリーク用の電磁弁Fが取付けら
れている。これらの各電磁弁は、シーケンサ等からなる
制御装置15により全て制御されている。
【0026】次に、図2(b)に示すタイムチャートを
参照して、本実施例の動作を説明する。減圧室12は電
磁弁Aが開放されていることにより予め充分減圧されて
おり、時刻t0において乾燥室1内に部品4を収容して
蓋体1aを閉じると、時刻t1において、電磁弁Bが開
いて乾燥室1内の圧力が急激に低下する。所定時間が経
過して時刻t2になると、電磁弁Bは閉鎖して電磁弁D
が開放され、コンプレッサ10から圧縮乾燥空気が乾燥
室1内に導入される。このとき、導入ノズル8は内部に
収容された部品4に向けて取付けられているので、圧縮
乾燥空気は部品に吹き付けられ、部品4に付着した余分
な水又は溶剤を吹き飛ばすとともに急速に気化させる。
【0027】次に、乾燥室1内の圧力が常圧に近くなる
頃に電磁弁Dは閉鎖され、電磁弁Aが閉鎖されるととも
に電磁弁Cが開放される。電磁弁Cは、真空ポンプ14
に直結されているので、真空ポンプ14により乾燥室1
内の空気が排出され、乾燥室1内は次第に減圧される。
以上の過程において乾燥室1内の圧力変化を示すものが
図3(a)である。時刻t1で急激に減圧されて乾燥室
1内がほぼ−550mmHg程度の圧力になると、導入
ノズル8から圧縮乾燥空気が導入され、急激に内部圧力
が上昇する。内部圧力が常圧近くになると電磁弁Cが開
放されて真空ポンプ14により排気され、乾燥室1の内
部圧力は徐々に減圧される。
【0028】上記工程においては、電磁弁Bは気体導入
前の最初の減圧時にのみ開放され、気体導入後の排気工
程では電磁弁Cを介して真空ポンプ14により直接排気
するようにしているので、最終的な到達真空度を上げる
ことができるとともに、乾燥室1の排気と同時に電磁弁
Aを開放させて減圧室12の排気をも並行して行うこと
ができるので、次回の乾燥工程の準備を行うことができ
る。乾燥工程が終了すると、電磁弁Cが閉鎖されるとと
もに電磁弁Eが開放されるので、乾燥室1内から部品4
を取り出すことができる。
【0029】乾燥室1内の部品4に付着されている水又
は溶剤は、時刻t1からの減圧工程において沸点が降下
することにより突沸し、急速に気化する。しかし、この
まま減圧を続けてゆくと、部品4は気化熱を奪われるこ
とにより急冷され、気化速度が急速に低下して乾燥しに
くくなる。本実施例では部品4の温度が低下しないうち
に充分に減圧し、この減圧により外部から気体を導入し
て部品4に吹きつけることにより、部品4に付着した水
又は溶剤を吹き飛ばし、或いは急速に気化させて、減圧
により気化させるべき液体量を低減させるようにしてい
る。
【0030】この場合、上記のように圧縮乾燥空気を導
入することにより導入時の流速が高まり、液体の吹き飛
ばし効果若しくは液体の気化量を増大させることができ
る。通常のコンプレッサでも空気が圧縮される際に乾燥
するが、除湿フィルタ等を用いて乾燥させてもよい。ま
た、窒素ガス等を空気の代わりに導入することにより部
品等の被処理物の酸化を防止することができ、特に被処
理物を加熱する場合に効果的である。このようにして部
品4に付着していた液体量を低減させた後、再び減圧を
行うことにより、残りの液体が徐々に気化して部品4は
乾燥する。
【0031】以上説明した乾燥工程においては、さらに
乾燥効率を向上させるために、図1に示す回転テーブル
5により部品4を回転させてもよい。部品4の回転は、
回転速度が高ければ付着した液体を周囲に吹き飛ばすこ
とができるが、それほど高回転でなくても、導入された
圧縮乾燥空気を充分に部品全体に吹きつけることができ
るため、導入気体による効果をさらに向上させることが
できる。
【0032】また、乾燥室1に設けられたヒータ6は、
部品4を放射加熱して付着した液体の気化を促進させる
とともに、導入ノズル8から吹き付けられた気体により
吹き飛ばされた液体を気化させる。ヒータ7は、部品4
を加熱するとともに、蓋体1aの下面に凝結し易い液体
を気化させるものである。
【0033】以上説明した上記実施例により実際に部品
を乾燥させた結果を図3(b)に示す。実施例では、導
入ノズル8から常圧の空気を導入した場合、コンプレッ
サ10を動作させて圧縮空気を導入させた場合、圧縮空
気の導入、ヒータ6の加熱、及び回転テーブルを回転さ
せた場合の3状態について結果を調べ、同一部品を減圧
のみ、及び減圧しながらヒータで加熱した場合の2方法
で乾燥させた場合の結果と比較した。ここで、回転テー
ブル5の回転数は、30rpm、ヒータ6,7の表面温
度は約150℃である。
【0034】図3(b)に示すように、実施例ではいず
れの場合においても、減圧のみ若しくは減圧とヒータ加
熱とを行った場合と較べて明らかに乾燥状態及び乾燥速
度が向上し、特に圧縮空気を導入した場合にはさらに迅
速に乾燥することがわかる。そして、これらに加えてヒ
ータ加熱と回転テーブルの回転を行うことにより、従来
の方法では全く不可能な極めて短時間のうちに乾燥させ
ることができた。
【0035】本実施例では、減圧室12を設けることに
よりきわめて短時間のうちに乾燥室内を所定圧力まで減
圧することができるので、気化熱を奪われることによる
部品4の温度低下が抑制され、部品の温度が低下しない
うちに空気が導入される。急激な減圧は複雑な凹凸形状
をもつ部品4の凹部から液体の突沸により液体を部品の
外表面にまで押し出させる。この状態で導入空気は、乾
燥室1の内外圧力差に基づいて、さらにコンプレッサ1
0により付与された圧力により、高速で部品4に吹き付
けられ、押し出された液体を吹き飛ばし、或いは急速に
気化させる。
【0036】減圧室12は、真空ポンプ14の排気量の
如何に拘わらず極めて短時間のうちに乾燥室1の内部を
導入気体の導入時における内部圧力にするために、充分
な容積を確保する必要がある。水の付着した部品を乾燥
させる上記実施例の場合、減圧室の容積は乾燥室の容積
の四倍以上、好ましくは6倍以上である。例えば、乾燥
室1の容積が25リットルである場合、減圧室12の容
積は150リットル、乾燥室1の容積が35リットルで
ある場合、減圧室12の容積は200リットル程度とす
ることが望ましい。
【0037】本実施例では図2(b)に示す電磁弁B,
Dを時間制御により開閉させているが、真空ゲージ2又
は13により乾燥室1又は減圧室12の内部圧力を測定
し、予め設定した所定の圧力値に該当した時点で切り換
えるようにしてもよい。例えば、乾燥室1内の圧力は真
空ゲージ2により測定され、内部圧力が−500mmH
gを切ると電磁弁Dを開放させ、さらに、乾燥室1の内
部圧力が−10mmHgを越えると電磁弁Dを閉鎖して
電磁弁Cを開放する。また、電磁弁Bが開放されて乾燥
室1内からの空気流入が発生し、一時的に内部圧力が高
まるが、乾燥室1と減圧室12との圧力平衡がほぼ成立
すると減圧室12内の圧力は真空ポンプ14による排気
により再び低下し始める。したがって、減圧室12の真
空ゲージ13を用いる場合には、この低下時点を検出し
て電磁弁Dを開放することも可能である。
【0038】〔実施例3〕図4には、本発明に係る実施
例3の乾燥室の構造を示す。この実施例3では、上記実
施例2の回転テーブル5の代わりに、高速回転可能な遠
心脱水機構を備えた乾燥室1’を採用している。この乾
燥室1’は内部に回転軸3a’を中心に高速回転する脱
水籠3’を配置したものである。脱水籠3’はその上端
部を環状孔を有する支持板9に摺接させており、下端部
から下方へ伸びる回転軸3a’は自在継手16を介して
駆動モータ17の出力軸17aに接続されている。駆動
モータ17は、乾燥室1’の底板に取付けられた4本の
支持軸18に対してコイルスプリング19を介して弾性
支持されている。乾燥室1’の上部には蓋体1a’が設
けられ、固定機構11により固定されて乾燥室1’を密
閉状態に保つようになっている。蓋体1a’には、その
中央に導入ノズル8’が貫通状態に取付けられており、
ほぼ垂直方向に伸びる導入ノズル8’の先端は、脱水籠
3’の中央に向けられている。
【0039】この乾燥室1’では、駆動モータ17によ
り脱水籠3’が約1500rpmの回転数で高速回転
し、脱水籠3’の内部に収容された部品4に付着された
液体を周囲に吹き飛ばすようになっている。また、導入
ノズル8’は、脱水籠3’の中央に向けられているの
で、遠心脱水により脱水しにくい部品4の中央部に導入
気体が吹き付けられ、付着した液体を部品の周囲部分に
吹き飛ばしたり、気化を促進させたりする。したがっ
て、従来よりも均一に且つ効率的に乾燥させることがで
きる。導入気体又は遠心力により周囲に吹き飛ばされた
液体は、ヒータ6’により気化され、排気口20から排
気される。
【0040】なお、上記実施例において使用する真空ポ
ンプ14は、市販されている各種のポンプを用いること
ができるが、コストと性能の双方を考慮すると水封式の
真空ポンプが最も好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
旦乾燥室内を減圧した後に乾燥室内の内外圧力差を利用
して外部気体を導入することにより、被処理物に付着し
ている液体を吹き飛ばし若しくは気化させ、この後、再
び減圧することにより残留液体を気化させて排気するよ
うにしたので、従来よりも短時間で確実に被処理物を乾
燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減圧乾燥方法及び装置の実施例1
に使用する乾燥装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る減圧乾燥装置の実施例2の全体構
成図(a)、及び同実施例における制御装置により制御
される各電磁弁の開閉状態を示すタイムチャート(b)
である。
【図3】各実施例における内部圧力の経時変化を示すグ
ラフ(a)、及び実施例を比較例と比較して示す乾燥実
験の結果表(b)である。
【図4】本発明に係る減圧乾燥装置の実施例3における
乾燥室の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 乾燥室 2,13 真空ゲージ 3 容器 4 部品 5 回転テーブル 6,6’,7 ヒータ 8,8’ 導入ノズル 10 コンプレッサ 12 減圧室 14 真空ポンプ 15 制御装置 A,B,C,D,E,F 電磁弁 3’脱水籠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥羽 正司 長野県岡谷市9959番地 長野県精密工業試 験場内 (72)発明者 小池 明夫 長野県岡谷市9959番地 長野県精密工業試 験場内 (72)発明者 新井 進 長野県岡谷市9959番地 長野県精密工業試 験場内 (72)発明者 武井 寿雄 長野県諏訪郡下諏訪町社133−4番地 中 原化興株式会社内 (72)発明者 村上 雄一 長野県諏訪郡下諏訪町社133−4番地 中 原化興株式会社内 (72)発明者 岩波 秀幸 長野県諏訪郡下諏訪町社133−4番地 中 原化興株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧系により乾燥室内を減圧して乾燥室
    内に収容された被処理物を乾燥させる減圧乾燥方法にお
    いて、 前記減圧系により前記乾燥室を急速に減圧する工程と、
    その後前記乾燥室の導入弁を開放して気体を導入し、こ
    の導入した気体を前記被処理物に直接吹きつける工程
    と、さらに、前記導入弁を閉鎖して再び前記乾燥室内を
    減圧する工程とを有することを特徴とする減圧乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記気体は、圧縮乾
    燥気体であることを特徴とする減圧乾燥方法。
  3. 【請求項3】 減圧系により乾燥室内を減圧して乾燥室
    内に収容された被処理物を乾燥させる減圧乾燥装置にお
    いて、 前記減圧系に接続される減圧管に設けられた減圧弁と、
    前記乾燥室に外部気体を導入するための導入弁と、該導
    入弁に接続されて前記被処理物の収容位置に向けて延伸
    する導入管と、前記減圧弁を開放させた後に前記乾燥室
    の内部圧力が所定圧力に至った時点で前記導入弁を開放
    し、その後、所定時点で前記導入弁を閉鎖する制御手段
    とを有することを特徴とする減圧乾燥装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記減圧系は、真空
    ポンプと、真空ポンプと前記乾燥室との間に接続された
    減圧室とを有することを特徴とする減圧乾燥装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記導入弁には、圧
    縮乾燥気体を収容する圧縮室が接続されていることを特
    徴とする減圧乾燥装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記乾燥室には、前
    記被処理物を回転させるための回転駆動手段が設けられ
    ていることを特徴とする減圧乾燥装置。
  7. 【請求項7】 請求項3又は請求項4において、前記乾
    燥室の内面を加熱する加熱ヒータが設けられていること
    を特徴とする減圧乾燥装置。
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