JPH0975873A - 被洗浄物の洗浄及び乾燥方法 - Google Patents
被洗浄物の洗浄及び乾燥方法Info
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- JPH0975873A JPH0975873A JP23935995A JP23935995A JPH0975873A JP H0975873 A JPH0975873 A JP H0975873A JP 23935995 A JP23935995 A JP 23935995A JP 23935995 A JP23935995 A JP 23935995A JP H0975873 A JPH0975873 A JP H0975873A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被洗浄物に付着の洗浄液を迅速に乾燥する。
また、被洗浄物に蒸発潜熱を与えるための加熱は、被洗
浄物を加熱液中に浸漬する事により行う。そのため、被
洗浄物と洗浄液との熱交換は従来方法とは異なり、液と
固体との熱交換であるため、極めて迅速に行う事ができ
る。 【解決手段】 加熱した洗浄液中に被洗浄物を浸漬す
る。この浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量を、洗浄液と
の接触解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧
雰囲気に於いて全て蒸発できる以上の量とする。この蓄
熱後、被洗浄物の洗浄液への浸漬状態を解除する。そし
て、被洗浄物を減圧雰囲気内に配置して減圧乾燥を行
う。
また、被洗浄物に蒸発潜熱を与えるための加熱は、被洗
浄物を加熱液中に浸漬する事により行う。そのため、被
洗浄物と洗浄液との熱交換は従来方法とは異なり、液と
固体との熱交換であるため、極めて迅速に行う事ができ
る。 【解決手段】 加熱した洗浄液中に被洗浄物を浸漬す
る。この浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量を、洗浄液と
の接触解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧
雰囲気に於いて全て蒸発できる以上の量とする。この蓄
熱後、被洗浄物の洗浄液への浸漬状態を解除する。そし
て、被洗浄物を減圧雰囲気内に配置して減圧乾燥を行
う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械部品、電子部品、
医療機器等の被洗浄物の洗浄及び乾燥方法に係るもの
で、特に被洗浄物の洗浄後の乾燥を迅速に行おうとする
ものである。
医療機器等の被洗浄物の洗浄及び乾燥方法に係るもの
で、特に被洗浄物の洗浄後の乾燥を迅速に行おうとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、被洗浄物の洗浄方法には、被洗浄
物を洗浄液中に浸漬して行う浸漬洗浄方法、被洗浄物に
洗浄液をシャワー若しくは高圧噴射等により、吹き付け
て行うシャワー洗浄方法、蒸気を被洗浄物に付着凝縮さ
せて行う蒸気洗浄方法等が存在する。
物を洗浄液中に浸漬して行う浸漬洗浄方法、被洗浄物に
洗浄液をシャワー若しくは高圧噴射等により、吹き付け
て行うシャワー洗浄方法、蒸気を被洗浄物に付着凝縮さ
せて行う蒸気洗浄方法等が存在する。
【0003】そして、この洗浄の完了した被洗浄物を乾
燥させるには、蒸気洗浄方法に於ては、蒸気が被洗浄物
に付着凝縮し、被洗浄物を加熱して蒸気と略同一温度ま
で被洗浄物の温度が加熱された場合に、蒸気洗浄が完了
する。この加熱により蓄熱された被洗浄物を常温の状態
に放置する事により、被洗浄物に付着凝縮した洗浄液
は、被洗浄物に蓄熱されたカロリーにより蒸発される。
そして、この場合蒸気洗浄の完了した被洗浄物を、減圧
雰囲気に配置する事により、洗浄液の沸点を低下させ、
被洗浄物の乾燥を促進する事も従来より行われている。
燥させるには、蒸気洗浄方法に於ては、蒸気が被洗浄物
に付着凝縮し、被洗浄物を加熱して蒸気と略同一温度ま
で被洗浄物の温度が加熱された場合に、蒸気洗浄が完了
する。この加熱により蓄熱された被洗浄物を常温の状態
に放置する事により、被洗浄物に付着凝縮した洗浄液
は、被洗浄物に蓄熱されたカロリーにより蒸発される。
そして、この場合蒸気洗浄の完了した被洗浄物を、減圧
雰囲気に配置する事により、洗浄液の沸点を低下させ、
被洗浄物の乾燥を促進する事も従来より行われている。
【0004】また、被洗浄物が蒸気洗浄によらず、洗浄
液への浸漬洗浄、若しくはシャワー洗浄等が行われた場
合には、その被洗浄物を常温に放置して乾燥する方法も
ある。しかし、被洗浄物の表面に染みの発生を防止した
り、乾燥速度を高めるためには、被洗浄物に熱風を吹き
付けて熱風乾燥する事が行われている。
液への浸漬洗浄、若しくはシャワー洗浄等が行われた場
合には、その被洗浄物を常温に放置して乾燥する方法も
ある。しかし、被洗浄物の表面に染みの発生を防止した
り、乾燥速度を高めるためには、被洗浄物に熱風を吹き
付けて熱風乾燥する事が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この熱
風乾燥の場合は、被洗浄物と熱風との熱交換は気体と固
体との熱交換となるため、熱の交換比率が極めて悪く、
被洗浄物の全体、即ち外周部とか内部を同時に効率的に
加熱する事ができない。そのため、熱風の当たる部分の
乾燥は、比較的速く行う事ができるが、熱風の接触しな
い部分とか、被洗浄物に凹凸等が生じている場合は、そ
の凹凸の内部部分に於ては、熱風との接触が良好になさ
れず、乾燥速度を著しく遅いものとしている。
風乾燥の場合は、被洗浄物と熱風との熱交換は気体と固
体との熱交換となるため、熱の交換比率が極めて悪く、
被洗浄物の全体、即ち外周部とか内部を同時に効率的に
加熱する事ができない。そのため、熱風の当たる部分の
乾燥は、比較的速く行う事ができるが、熱風の接触しな
い部分とか、被洗浄物に凹凸等が生じている場合は、そ
の凹凸の内部部分に於ては、熱風との接触が良好になさ
れず、乾燥速度を著しく遅いものとしている。
【0006】また、蒸気洗浄若しくは減圧蒸気洗浄で
は、冷却した被洗浄物に洗浄蒸気を接触させ、この接触
蒸気と被洗浄物との間で熱交換を行い、被洗浄物の表面
に洗浄蒸気を凝縮液化させ、この凝縮液化させた洗浄液
により、被洗浄物の洗浄を行っている。そのため、被洗
浄物は洗浄蒸気と接触する側から順次凝縮が行われ、蒸
気の噴出部と最も遠い部分まで、確実に蒸気の凝縮が行
われる状態となった時に、被洗浄物の蒸気洗浄が完了す
る。
は、冷却した被洗浄物に洗浄蒸気を接触させ、この接触
蒸気と被洗浄物との間で熱交換を行い、被洗浄物の表面
に洗浄蒸気を凝縮液化させ、この凝縮液化させた洗浄液
により、被洗浄物の洗浄を行っている。そのため、被洗
浄物は洗浄蒸気と接触する側から順次凝縮が行われ、蒸
気の噴出部と最も遠い部分まで、確実に蒸気の凝縮が行
われる状態となった時に、被洗浄物の蒸気洗浄が完了す
る。
【0007】この凝縮液化現象は、被洗浄物である固体
と蒸気との熱交換であるため、この場合に於ても熱交換
率が極めて悪く、蒸気洗浄の完了するまでには多くの時
間を必要としている。そして、この蒸気洗浄により、蒸
気温度と略同程度まで、加熱された被洗浄物を、減圧雰
囲気に配置し凝縮液の沸点を下げ、乾燥を行う事ができ
るものである。
と蒸気との熱交換であるため、この場合に於ても熱交換
率が極めて悪く、蒸気洗浄の完了するまでには多くの時
間を必要としている。そして、この蒸気洗浄により、蒸
気温度と略同程度まで、加熱された被洗浄物を、減圧雰
囲気に配置し凝縮液の沸点を下げ、乾燥を行う事ができ
るものである。
【0008】しかし、従来広く使用されてきたフロン1
13や1.1.1トリクロロエタン等は、沸点も低く蒸発
潜熱も小さいため、乾燥については最適な洗剤として用
いられ、前記の蒸気洗浄、熱風乾燥等を行っても迅速な
乾燥を可能とし、実用上問題を生じないものであった。
13や1.1.1トリクロロエタン等は、沸点も低く蒸発
潜熱も小さいため、乾燥については最適な洗剤として用
いられ、前記の蒸気洗浄、熱風乾燥等を行っても迅速な
乾燥を可能とし、実用上問題を生じないものであった。
【0009】しかし、これらの洗浄液が環境問題から使
用する事ができなくなり、それに代替する洗浄方法とし
て、水系洗浄液、炭化水素系溶剤(石油系)、テルペン系
溶剤(dリモネン)、親水性溶剤(IPA、エタノール、
3ーメチルー3ーメトキシブタノール、Nーメチルー2
ーピロリドン)若しくは有機ケイ素系溶剤(シリコーン)
等の溶剤等の洗浄液が使用され始めている。しかし、洗
浄後の乾燥については、フロン113、1.1.1トリク
ロロエタン等を洗浄液として用いた場合のように、短時
間で被洗浄物を乾燥させる事はできず、洗浄工程上大き
な問題となっている。
用する事ができなくなり、それに代替する洗浄方法とし
て、水系洗浄液、炭化水素系溶剤(石油系)、テルペン系
溶剤(dリモネン)、親水性溶剤(IPA、エタノール、
3ーメチルー3ーメトキシブタノール、Nーメチルー2
ーピロリドン)若しくは有機ケイ素系溶剤(シリコーン)
等の溶剤等の洗浄液が使用され始めている。しかし、洗
浄後の乾燥については、フロン113、1.1.1トリク
ロロエタン等を洗浄液として用いた場合のように、短時
間で被洗浄物を乾燥させる事はできず、洗浄工程上大き
な問題となっている。
【0010】そして、被洗浄物に付着した洗浄液の乾燥
は、いずれの乾燥方法を用いる場合でも、付着した洗浄
液を蒸発乾燥させるためには、その洗浄液が気化するた
めの、蒸発潜熱分の熱量が必要になる。そのために、例
えば水等の蒸発潜熱が大きい洗浄液を用いる場合には、
多くの熱量が必要となり、この洗浄液を乾燥させるため
には、多くの時間と、多くの熱量と、大きなスペースが
必要となる。
は、いずれの乾燥方法を用いる場合でも、付着した洗浄
液を蒸発乾燥させるためには、その洗浄液が気化するた
めの、蒸発潜熱分の熱量が必要になる。そのために、例
えば水等の蒸発潜熱が大きい洗浄液を用いる場合には、
多くの熱量が必要となり、この洗浄液を乾燥させるため
には、多くの時間と、多くの熱量と、大きなスペースが
必要となる。
【0011】この蒸発潜熱の大きい洗浄液を用いて被洗
浄物の洗浄を行った場合に、被洗浄物の洗浄時間と、洗
浄液の付着した被洗浄物の乾燥時間とを比較すると、乾
燥時間が洗浄時間よりも遥かに多く必要となる。する
と、一つの装置内に於て、洗浄と乾燥とを一工程で行お
うとする場合には、洗浄時間と乾燥時間とのタイムラグ
を調整するために、乾燥スペースを大きく設け、この大
きな乾燥スペースを長時間掛けて移動する過程で1回の
乾燥を行うものとなる。
浄物の洗浄を行った場合に、被洗浄物の洗浄時間と、洗
浄液の付着した被洗浄物の乾燥時間とを比較すると、乾
燥時間が洗浄時間よりも遥かに多く必要となる。する
と、一つの装置内に於て、洗浄と乾燥とを一工程で行お
うとする場合には、洗浄時間と乾燥時間とのタイムラグ
を調整するために、乾燥スペースを大きく設け、この大
きな乾燥スペースを長時間掛けて移動する過程で1回の
乾燥を行うものとなる。
【0012】そのため、蒸発潜熱の大きい洗浄液を用い
た洗浄では、洗浄装置を極めて大きなものとしている。
特に被洗浄物の重量が重い場合とか、大きな被洗浄物と
小さな被洗浄物とを一つの洗浄籠の中に混合したり、組
みつけ状態に於て小さな部品と大きな重量の部品とが混
在するような場合、乾燥時間を極めて多く必要とし、装
置を大型化しなければならない等、多くの問題が従来生
じている。
た洗浄では、洗浄装置を極めて大きなものとしている。
特に被洗浄物の重量が重い場合とか、大きな被洗浄物と
小さな被洗浄物とを一つの洗浄籠の中に混合したり、組
みつけ状態に於て小さな部品と大きな重量の部品とが混
在するような場合、乾燥時間を極めて多く必要とし、装
置を大型化しなければならない等、多くの問題が従来生
じている。
【0013】そして、従来使用されていたフロン113
や1.1.1トリクロロエタン等の洗浄液と同様の蒸発潜
熱であって、迅速な乾燥を可能にしながら環境破壊を生
じない洗浄液は現在では存在しない。
や1.1.1トリクロロエタン等の洗浄液と同様の蒸発潜
熱であって、迅速な乾燥を可能にしながら環境破壊を生
じない洗浄液は現在では存在しない。
【0014】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、被洗浄物の洗浄後の乾燥に於て、従来
行われていたフロン113や1.1.1トリクロロエタン
等を洗浄液として用いた洗浄方法の場合と同様の短時間
で、被洗浄物の乾燥を可能にしながら、環境破壊を伴わ
ない乾燥工程を従来公知の洗浄液によって可能にしよう
とするものである。
るものであって、被洗浄物の洗浄後の乾燥に於て、従来
行われていたフロン113や1.1.1トリクロロエタン
等を洗浄液として用いた洗浄方法の場合と同様の短時間
で、被洗浄物の乾燥を可能にしながら、環境破壊を伴わ
ない乾燥工程を従来公知の洗浄液によって可能にしよう
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、加熱した洗浄液中に被洗浄物を浸漬
し、この浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量を、洗浄液と
の接触解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧
雰囲気に於いて全て蒸発できる以上の量とした後、被洗
浄物の洗浄液への浸漬状態を解除し、この被洗浄物を減
圧雰囲気内に配置して減圧乾燥を行う事を特徴とするも
のである。
題を解決するため、加熱した洗浄液中に被洗浄物を浸漬
し、この浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量を、洗浄液と
の接触解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧
雰囲気に於いて全て蒸発できる以上の量とした後、被洗
浄物の洗浄液への浸漬状態を解除し、この被洗浄物を減
圧雰囲気内に配置して減圧乾燥を行う事を特徴とするも
のである。
【0016】また、洗浄液中に於ける被洗浄物の加熱
と、減圧乾燥時の減圧度とを可変可能とすることによ
り、浸漬解除後の被洗浄物に付着残留している洗浄液
の、減圧雰囲気での蒸発潜熱量以上に被洗浄物を蓄熱可
能としたものであっても良い。
と、減圧乾燥時の減圧度とを可変可能とすることによ
り、浸漬解除後の被洗浄物に付着残留している洗浄液
の、減圧雰囲気での蒸発潜熱量以上に被洗浄物を蓄熱可
能としたものであっても良い。
【0017】また、洗浄液の蒸発潜熱は200cal/
g以下のものであっても良い。
g以下のものであっても良い。
【0018】また、洗浄液は、可燃性溶剤であっても良
い。
い。
【0019】また、加熱した洗浄液中への被洗浄物の浸
漬に於いては、被洗浄物又は洗浄液に回転、揺動、超音
波振動、または攪拌による物理力を加えて行うものであ
っても良い。
漬に於いては、被洗浄物又は洗浄液に回転、揺動、超音
波振動、または攪拌による物理力を加えて行うものであ
っても良い。
【0020】
【作用】本発明は上述の如く構成したものであるから、
被洗浄物の洗浄を行う場合、加熱した洗浄液中に被洗浄
物を浸漬する。この浸漬により、被洗浄物と洗浄液は、
液と固体の接触となるため、蒸気と固体の接触や、気体
と固体の接触の場合に比較し、極めて効率的に熱交換を
行う事が可能となる。
被洗浄物の洗浄を行う場合、加熱した洗浄液中に被洗浄
物を浸漬する。この浸漬により、被洗浄物と洗浄液は、
液と固体の接触となるため、蒸気と固体の接触や、気体
と固体の接触の場合に比較し、極めて効率的に熱交換を
行う事が可能となる。
【0021】そして、この熱交換は被洗浄物に凹凸等が
生じている場合も、洗浄液は容易にこの凹凸内に流入す
る事ができるし、浸漬により被洗浄物の全外周面を同時
に加熱できるから、被洗浄物の洗浄と熱交換を被洗浄物
の全体にわたって効率的に行う事が可能となる。そし
て、被洗浄物の外周面のみならず、内周面と洗浄液との
熱交換も迅速に行う事ができる。
生じている場合も、洗浄液は容易にこの凹凸内に流入す
る事ができるし、浸漬により被洗浄物の全外周面を同時
に加熱できるから、被洗浄物の洗浄と熱交換を被洗浄物
の全体にわたって効率的に行う事が可能となる。そし
て、被洗浄物の外周面のみならず、内周面と洗浄液との
熱交換も迅速に行う事ができる。
【0022】そして、この洗浄液によって加熱した被洗
浄物を洗浄液から引き上げるか、洗浄液を洗浄槽から抜
き取る等の方法により、被洗浄物の洗浄液への浸漬状態
を解除する。次に、この被洗浄物を減圧雰囲気内に配置
して減圧乾燥を行う。この減圧乾燥に於ては、被洗浄物
が上記の洗浄液によって、十分加熱されているため、外
周に付着した洗浄液に対応する蒸発潜熱分のエネルギー
を被洗浄物は備えている。そのため、減圧乾燥によって
洗浄液の沸点を低下させられると、表面に付着した洗浄
液の乾燥を迅速に可能とする事ができるものである。
浄物を洗浄液から引き上げるか、洗浄液を洗浄槽から抜
き取る等の方法により、被洗浄物の洗浄液への浸漬状態
を解除する。次に、この被洗浄物を減圧雰囲気内に配置
して減圧乾燥を行う。この減圧乾燥に於ては、被洗浄物
が上記の洗浄液によって、十分加熱されているため、外
周に付着した洗浄液に対応する蒸発潜熱分のエネルギー
を被洗浄物は備えている。そのため、減圧乾燥によって
洗浄液の沸点を低下させられると、表面に付着した洗浄
液の乾燥を迅速に可能とする事ができるものである。
【0023】また、加熱した洗浄液中に於ける被洗浄物
の加熱は、洗浄液への浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量
を、洗浄液との接触解除後の被洗浄物に残留する付着洗
浄液が、減圧雰囲気に於いて全て蒸発できる量以上とす
るものである。
の加熱は、洗浄液への浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量
を、洗浄液との接触解除後の被洗浄物に残留する付着洗
浄液が、減圧雰囲気に於いて全て蒸発できる量以上とす
るものである。
【0024】また、加熱した洗浄液中に於ける被洗浄物
の加熱量と、減圧乾燥時の減圧度とを可変可能とするこ
とにより、浸漬解除後の被洗浄物に付着残留している洗
浄液の、減圧雰囲気での蒸発潜熱量以上に被洗浄物を蓄
熱可能としたものであっても良い。
の加熱量と、減圧乾燥時の減圧度とを可変可能とするこ
とにより、浸漬解除後の被洗浄物に付着残留している洗
浄液の、減圧雰囲気での蒸発潜熱量以上に被洗浄物を蓄
熱可能としたものであっても良い。
【0025】上述の如く加熱した被洗浄物を、減圧雰囲
気に配置すると、被洗浄物の表面に付着した洗浄液の沸
点を急激に下げ、その洗浄液を蒸発気化させる事を、迅
速に行う事ができるものとなる。
気に配置すると、被洗浄物の表面に付着した洗浄液の沸
点を急激に下げ、その洗浄液を蒸発気化させる事を、迅
速に行う事ができるものとなる。
【0026】また、洗浄液中に於ける被洗浄物の加熱量
は、被洗浄物の表面に付着する洗浄液の減圧雰囲気内で
の蒸発潜熱量に相当する以上に蓄熱させるものであれば
良く、減圧雰囲気での蒸発潜熱量以上に、蓄熱させてあ
れば、被洗浄物に付着した洗浄液は、全てこれを蒸発気
化させる事によって、被洗浄物の乾燥が可能となる。従
って、被洗浄物の重量が大きく、蓄熱量が高いような場
合は、被洗浄物の加熱を洗浄液温よりも低い温度に加熱
したものであっても、乾燥に支障を生じる事がない場合
がある。
は、被洗浄物の表面に付着する洗浄液の減圧雰囲気内で
の蒸発潜熱量に相当する以上に蓄熱させるものであれば
良く、減圧雰囲気での蒸発潜熱量以上に、蓄熱させてあ
れば、被洗浄物に付着した洗浄液は、全てこれを蒸発気
化させる事によって、被洗浄物の乾燥が可能となる。従
って、被洗浄物の重量が大きく、蓄熱量が高いような場
合は、被洗浄物の加熱を洗浄液温よりも低い温度に加熱
したものであっても、乾燥に支障を生じる事がない場合
がある。
【0027】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1に於て説明すれ
ば、(1)は加熱槽で、内部に温度調節可能な加熱ヒータ
ー(2)を配置するとともに洗浄液(3)を充填している。
この洗浄液(3)は炭化水素系溶剤(石油系)、テルペン系
溶剤(dリモネン)、親水性溶剤(IPA、エタノール、
3ーメチルー3ーメトキシブタノール、Nーメチルー2
ーピロリドン)若しくは有機ケイ素系溶剤(シリコーン)
等の溶剤を用いる事ができる。そして、この洗浄液を加
熱ヒーター(2)により加熱する。この加熱量は、洗浄液
への浸漬中に於ける被洗浄物の加熱を、洗浄液との接触
解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧雰囲気
に於いて全て蒸発できる以上の蓄熱量にする必要があ
る。そして、この洗浄液(3)中に被洗浄物(4)を浸漬す
る。
ば、(1)は加熱槽で、内部に温度調節可能な加熱ヒータ
ー(2)を配置するとともに洗浄液(3)を充填している。
この洗浄液(3)は炭化水素系溶剤(石油系)、テルペン系
溶剤(dリモネン)、親水性溶剤(IPA、エタノール、
3ーメチルー3ーメトキシブタノール、Nーメチルー2
ーピロリドン)若しくは有機ケイ素系溶剤(シリコーン)
等の溶剤を用いる事ができる。そして、この洗浄液を加
熱ヒーター(2)により加熱する。この加熱量は、洗浄液
への浸漬中に於ける被洗浄物の加熱を、洗浄液との接触
解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧雰囲気
に於いて全て蒸発できる以上の蓄熱量にする必要があ
る。そして、この洗浄液(3)中に被洗浄物(4)を浸漬す
る。
【0028】この洗浄液(3)中に浸漬された被洗浄物
(4)は、加熱した洗浄液(3)と外周面の全体を瞬時に接
触する。この接触により、被洗浄物(4)である固体と洗
浄液(3)との間に於て熱交換が行われるから、熱風や蒸
気と固体との間に於て行われる熱交換よりも、はるかに
効率的な熱交換を、被洗浄物(4)は洗浄液との間で行う
事ができ、蒸気や熱風との熱交換に比較し、極めて迅速
に蓄熱する事ができるものとなる。
(4)は、加熱した洗浄液(3)と外周面の全体を瞬時に接
触する。この接触により、被洗浄物(4)である固体と洗
浄液(3)との間に於て熱交換が行われるから、熱風や蒸
気と固体との間に於て行われる熱交換よりも、はるかに
効率的な熱交換を、被洗浄物(4)は洗浄液との間で行う
事ができ、蒸気や熱風との熱交換に比較し、極めて迅速
に蓄熱する事ができるものとなる。
【0029】また、被洗浄物(4)の加熱は、加熱した洗
浄液(3)中に於ける被洗浄物(4)の加熱温度、加熱時間
と、減圧乾燥時の減圧度とを可変可能とすることによ
り、浸漬解除後の被洗浄物(4)に付着残留している洗浄
液(3)を、減圧雰囲気での全て蒸発し得る以上に被洗浄
物(4)を蓄熱したものであっても良い。
浄液(3)中に於ける被洗浄物(4)の加熱温度、加熱時間
と、減圧乾燥時の減圧度とを可変可能とすることによ
り、浸漬解除後の被洗浄物(4)に付着残留している洗浄
液(3)を、減圧雰囲気での全て蒸発し得る以上に被洗浄
物(4)を蓄熱したものであっても良い。
【0030】要するに、洗浄液(3)による被洗浄物(4)
の蓄熱は、上記のとおり洗浄液(3)への浸漬解除後の被
洗浄物(4)に付着している洗浄液(3)を、減圧雰囲気内
に配置した状態に於て、蒸発乾燥させる事ができるだけ
の熱量を保持する事が最低限必要となるものである。
の蓄熱は、上記のとおり洗浄液(3)への浸漬解除後の被
洗浄物(4)に付着している洗浄液(3)を、減圧雰囲気内
に配置した状態に於て、蒸発乾燥させる事ができるだけ
の熱量を保持する事が最低限必要となるものである。
【0031】そして、この被洗浄物(4)の減圧乾燥は、
加熱槽(1)とは別個に設けた減圧槽(5)内に於て行う。
この減圧槽(5)は上端にパッキン(6)を介して、蓋体
(7)を開閉自在に配置し、内部を真空状態とする事が可
能となるように形成している。そして、この減圧槽(5)
は凝縮パイプ(8)の一端を接続し、この凝縮パイプ(8)
を冷却水(9)を充填した凝縮槽(12)を介して、真空ポ
ンプ(11)を接続した回収槽(10)に連通させている。
また、この回収槽(10)には冷却剤を流通した冷却パイ
プ(19)を内周に配置して洗浄液(3)を冷却可能として
いる。また、回収槽(10)と真空ポンプ(11)との間に
は、減圧調整器(20)を配置し、減圧槽(5)等の減圧度
の調整を可能としている。
加熱槽(1)とは別個に設けた減圧槽(5)内に於て行う。
この減圧槽(5)は上端にパッキン(6)を介して、蓋体
(7)を開閉自在に配置し、内部を真空状態とする事が可
能となるように形成している。そして、この減圧槽(5)
は凝縮パイプ(8)の一端を接続し、この凝縮パイプ(8)
を冷却水(9)を充填した凝縮槽(12)を介して、真空ポ
ンプ(11)を接続した回収槽(10)に連通させている。
また、この回収槽(10)には冷却剤を流通した冷却パイ
プ(19)を内周に配置して洗浄液(3)を冷却可能として
いる。また、回収槽(10)と真空ポンプ(11)との間に
は、減圧調整器(20)を配置し、減圧槽(5)等の減圧度
の調整を可能としている。
【0032】このように形成する事により、真空ポンプ
(11)を作動すると、回収槽(10)内が減圧され、次い
で凝縮パイプ(8)を介して、減圧槽(5)内の空気が排除
され、減圧槽(5)内を減圧状態とする事ができる。ま
た、前記の加熱槽(1)に於て、加熱浸漬洗浄された被洗
浄物(4)は、減圧槽(5)の減圧開始前に、予め蓋体(7)
を開放して内部に収納しておく。
(11)を作動すると、回収槽(10)内が減圧され、次い
で凝縮パイプ(8)を介して、減圧槽(5)内の空気が排除
され、減圧槽(5)内を減圧状態とする事ができる。ま
た、前記の加熱槽(1)に於て、加熱浸漬洗浄された被洗
浄物(4)は、減圧槽(5)の減圧開始前に、予め蓋体(7)
を開放して内部に収納しておく。
【0033】この状態に於て、真空ポンプ(11)を作動
させれば、凝縮パイプ(8)を介して減圧槽(5)内の空気
は外部に排除され、減圧槽(5)内は減圧状態となる。こ
の減圧槽(5)内が減圧状態となる事により、被洗浄物
(4)の外周に付着している洗浄液(3)は沸点が低下し、
加熱洗浄段階で蓄熱されている被洗浄物(4)の熱エネル
ギーによって蒸発するものとなる。また、補助的に加熱
するため、減圧槽(5)内に加熱ヒーター(2)を設けるこ
とにより、被洗浄物(4)の乾燥速度を更に速めることが
可能となる。
させれば、凝縮パイプ(8)を介して減圧槽(5)内の空気
は外部に排除され、減圧槽(5)内は減圧状態となる。こ
の減圧槽(5)内が減圧状態となる事により、被洗浄物
(4)の外周に付着している洗浄液(3)は沸点が低下し、
加熱洗浄段階で蓄熱されている被洗浄物(4)の熱エネル
ギーによって蒸発するものとなる。また、補助的に加熱
するため、減圧槽(5)内に加熱ヒーター(2)を設けるこ
とにより、被洗浄物(4)の乾燥速度を更に速めることが
可能となる。
【0034】そして、この減圧槽(5)内に於て被洗浄物
(4)に付着している洗浄液(3)は、急速に蒸発気化し、
真空ポンプ(11)の吸引力によって、凝縮パイプ(8)を
介して凝縮槽(12)に導かれる。この凝縮槽(12)内に
於て、凝縮パイプ(8)内に導入された蒸気は、冷却水に
外周を接触する凝縮パイプ(8)内で凝縮され、回収槽
(10)内に導かれる。
(4)に付着している洗浄液(3)は、急速に蒸発気化し、
真空ポンプ(11)の吸引力によって、凝縮パイプ(8)を
介して凝縮槽(12)に導かれる。この凝縮槽(12)内に
於て、凝縮パイプ(8)内に導入された蒸気は、冷却水に
外周を接触する凝縮パイプ(8)内で凝縮され、回収槽
(10)内に導かれる。
【0035】このように減圧槽(5)内に於て、蒸発気化
が行われるが、この蒸発気化は前述の如く、加熱槽(1)
内に於て加熱された状態の被洗浄物(4)に於て行うもの
であるから、極めて迅速な洗浄液(3)の揮発が可能とな
る。また、この被洗浄物(4)の減圧乾燥を行うために
は、洗浄液(3)の蒸発潜熱が高いと、減圧槽(5)内に於
ける減圧によっても、全てを揮発させる事が困難なもの
となる。そのため、蒸発潜熱が200cal/g以下の
洗浄液(3)を用いる事が好ましいものとなる。
が行われるが、この蒸発気化は前述の如く、加熱槽(1)
内に於て加熱された状態の被洗浄物(4)に於て行うもの
であるから、極めて迅速な洗浄液(3)の揮発が可能とな
る。また、この被洗浄物(4)の減圧乾燥を行うために
は、洗浄液(3)の蒸発潜熱が高いと、減圧槽(5)内に於
ける減圧によっても、全てを揮発させる事が困難なもの
となる。そのため、蒸発潜熱が200cal/g以下の
洗浄液(3)を用いる事が好ましいものとなる。
【0036】また、前述の加熱槽(1)内に於ける被洗浄
物(4)の加熱に於ては、洗浄液(3)または被洗浄物(4)
若しくはその双方に、回転や揺動または超音波振動を加
えたり、洗浄液(3)を撹拌する等の方法により、洗浄液
(3)及び被洗浄物(4)に物理力を加えることも有効であ
る。この物理力を洗浄液(3)及び被洗浄物(4)に加える
ことにより、被洗浄物(4)の洗浄効果を高めるとともに
洗浄液(3)と被洗浄物(4)との熱交換を効率良く速める
事も可能となるものである。
物(4)の加熱に於ては、洗浄液(3)または被洗浄物(4)
若しくはその双方に、回転や揺動または超音波振動を加
えたり、洗浄液(3)を撹拌する等の方法により、洗浄液
(3)及び被洗浄物(4)に物理力を加えることも有効であ
る。この物理力を洗浄液(3)及び被洗浄物(4)に加える
ことにより、被洗浄物(4)の洗浄効果を高めるとともに
洗浄液(3)と被洗浄物(4)との熱交換を効率良く速める
事も可能となるものである。
【0037】また、図面中に於て、(13)は真空解除バ
ルブで、減圧槽(5)に接続し、被洗浄物(4)の取り出し
時に於ては、この真空解除バルブ(13)を開放する事に
より、蓋体(7)を開放して被洗浄物(4)を取り出すもの
である。また、回収槽(10)にも減圧解除バルブ(14)
を接続し、回収槽(10)内の減圧解除を可能にするもの
である。
ルブで、減圧槽(5)に接続し、被洗浄物(4)の取り出し
時に於ては、この真空解除バルブ(13)を開放する事に
より、蓋体(7)を開放して被洗浄物(4)を取り出すもの
である。また、回収槽(10)にも減圧解除バルブ(14)
を接続し、回収槽(10)内の減圧解除を可能にするもの
である。
【0038】また、上記の図1に示す実施例に於ては、
減圧槽(5)と加熱槽(1)とを別個に形成するものとした
が、図2、図3に示す他の異なる実施例に於ては、加熱
槽(1)と減圧槽(5)とを兼用する事により、被洗浄物
(4)の減圧乾燥を行う事も可能となる。
減圧槽(5)と加熱槽(1)とを別個に形成するものとした
が、図2、図3に示す他の異なる実施例に於ては、加熱
槽(1)と減圧槽(5)とを兼用する事により、被洗浄物
(4)の減圧乾燥を行う事も可能となる。
【0039】この方法は、被洗浄物(4)の浸漬洗浄及び
加熱を行う加熱槽(1)と、被洗浄物(4)の減圧乾燥を行
う減圧槽(5)とを兼用する洗浄槽(15)を形成する。そ
して、洗浄液(3)を充填した洗浄槽(15)の下端に、開
閉バルブ(16)を介して、加熱ヒーター(2)を備えた加
熱液貯槽(17)を接続配置する。そして、洗浄槽(15)
には第1実施例と同様の凝縮槽(12)及び回収槽(10)
を、凝縮パイプ(8)を介して接続し、また、回収槽(1
0)には真空ポンプ(11)を接続している。
加熱を行う加熱槽(1)と、被洗浄物(4)の減圧乾燥を行
う減圧槽(5)とを兼用する洗浄槽(15)を形成する。そ
して、洗浄液(3)を充填した洗浄槽(15)の下端に、開
閉バルブ(16)を介して、加熱ヒーター(2)を備えた加
熱液貯槽(17)を接続配置する。そして、洗浄槽(15)
には第1実施例と同様の凝縮槽(12)及び回収槽(10)
を、凝縮パイプ(8)を介して接続し、また、回収槽(1
0)には真空ポンプ(11)を接続している。
【0040】そして、被洗浄物(4)の加熱洗浄に於て
は、洗浄槽(15)内に加熱した洗浄液(3)を導入し、被
洗浄物(4)の加熱洗浄を行う。そして、この加熱洗浄が
完了した後は、真空解除バルブ(13)を開放し、外気を
導入するとともに、開閉バルブ(16)を開放し、洗浄槽
(15)内の加熱洗浄液(3)を加熱液貯槽(17)内に排出
する。
は、洗浄槽(15)内に加熱した洗浄液(3)を導入し、被
洗浄物(4)の加熱洗浄を行う。そして、この加熱洗浄が
完了した後は、真空解除バルブ(13)を開放し、外気を
導入するとともに、開閉バルブ(16)を開放し、洗浄槽
(15)内の加熱洗浄液(3)を加熱液貯槽(17)内に排出
する。
【0041】そして、次に真空解除バルブ(13)及び開
閉バルブ(16)を閉止した後、真空ポンプ(11)を作動
させる事により、洗浄槽(15)内を減圧状態とすれば、
洗浄槽(15)内の被洗浄物(4)は、外周面に付着した洗
浄液(3)を、自身が加熱洗浄液(3)と熱交換して蓄えた
熱エネルギーによって揮発蒸気化する事により、乾燥を
行う事が可能となる。
閉バルブ(16)を閉止した後、真空ポンプ(11)を作動
させる事により、洗浄槽(15)内を減圧状態とすれば、
洗浄槽(15)内の被洗浄物(4)は、外周面に付着した洗
浄液(3)を、自身が加熱洗浄液(3)と熱交換して蓄えた
熱エネルギーによって揮発蒸気化する事により、乾燥を
行う事が可能となる。
【0042】また、この揮発乾燥を行った後は、真空解
除バルブ(13)又は減圧解除バルブ(14)を開放し、洗
浄槽(15)内の被洗浄物(4)を外部に取り出す事が可能
となる。そして、次の被洗浄物(4)の洗浄を行おうとす
る場合は、蓋体(7)を開放し、洗浄槽(15)内に被洗浄
物(4)を収納する。そして、真空解除バルブ(13)を閉
止するとともに開閉バルブ(16)を閉止し、真空ポンプ
(11)を作動する。
除バルブ(13)又は減圧解除バルブ(14)を開放し、洗
浄槽(15)内の被洗浄物(4)を外部に取り出す事が可能
となる。そして、次の被洗浄物(4)の洗浄を行おうとす
る場合は、蓋体(7)を開放し、洗浄槽(15)内に被洗浄
物(4)を収納する。そして、真空解除バルブ(13)を閉
止するとともに開閉バルブ(16)を閉止し、真空ポンプ
(11)を作動する。
【0043】この真空ポンプ(11)を作動する事によ
り、凝縮パイプ(8)を介して、洗浄槽(15)内は減圧さ
れる。この減圧状態が一定減圧度以上になった状態で、
開閉バルブ(16)を開放すると、洗浄槽(15)内は減圧
状態となっているから、加熱した洗浄液(3)を加熱液貯
槽(17)から洗浄槽(15)内に吸い上げるものとなり、
洗浄槽(15)内に加熱した洗浄液(3)を導入する。
り、凝縮パイプ(8)を介して、洗浄槽(15)内は減圧さ
れる。この減圧状態が一定減圧度以上になった状態で、
開閉バルブ(16)を開放すると、洗浄槽(15)内は減圧
状態となっているから、加熱した洗浄液(3)を加熱液貯
槽(17)から洗浄槽(15)内に吸い上げるものとなり、
洗浄槽(15)内に加熱した洗浄液(3)を導入する。
【0044】この導入過程に於ては、必要に応じて真空
ポンプ(11)を作動し、洗浄槽(15)内の減圧度を保つ
ようにしてもよい。そして、洗浄槽(15)内に洗浄液
(3)が充填された後は、開閉バルブ(16)を閉止する。
また、洗浄槽(15)の外周又は内周に予熱ヒーター(1
8)を配置し、加熱液貯槽(17)で加熱した洗浄液(3)
を導入する前に洗浄槽(15)を予熱し、洗浄液(3)の温
度低下を防止すると共に保温効果も得ようとするもので
ある。
ポンプ(11)を作動し、洗浄槽(15)内の減圧度を保つ
ようにしてもよい。そして、洗浄槽(15)内に洗浄液
(3)が充填された後は、開閉バルブ(16)を閉止する。
また、洗浄槽(15)の外周又は内周に予熱ヒーター(1
8)を配置し、加熱液貯槽(17)で加熱した洗浄液(3)
を導入する前に洗浄槽(15)を予熱し、洗浄液(3)の温
度低下を防止すると共に保温効果も得ようとするもので
ある。
【0045】そして、この洗浄液(3)中に被洗浄物(4)
を浸漬し、浸漬洗浄作業を行うとともに、被洗浄物(4)
を加熱し、エネルギーを蓄積させる。そして、この浸漬
洗浄の完了後に、開閉バルブ(16)および減圧解除バル
ブ(14)を開放すれば、洗浄液(3)は加熱液貯槽(17)
内に自然落下により流入し、洗浄槽(15)内からは洗浄
液(3)が排除される。そして、開閉バルブ(16)及び減
圧解除バルブ(14)を閉止した後、真空ポンプ(11)を
作動すれば、洗浄槽(15)内は減圧真空状態となるか
ら、前述した要領により被洗浄物(4)は乾燥を行う事が
可能となる。
を浸漬し、浸漬洗浄作業を行うとともに、被洗浄物(4)
を加熱し、エネルギーを蓄積させる。そして、この浸漬
洗浄の完了後に、開閉バルブ(16)および減圧解除バル
ブ(14)を開放すれば、洗浄液(3)は加熱液貯槽(17)
内に自然落下により流入し、洗浄槽(15)内からは洗浄
液(3)が排除される。そして、開閉バルブ(16)及び減
圧解除バルブ(14)を閉止した後、真空ポンプ(11)を
作動すれば、洗浄槽(15)内は減圧真空状態となるか
ら、前述した要領により被洗浄物(4)は乾燥を行う事が
可能となる。
【0046】実験例 実験用ワーク 30mm×22mm×1.2mmの板状鉄部品 ワーク重量 4kg 洗浄槽 150mm×150mm×150mmH 洗浄液の性状 カーボン数10個のノルマルパラフィン系炭化水素 蒸発潜熱 66kcal/kg 加熱温度 80℃ 沸点 170℃ 上記ワークに対する洗浄液の付着量 0.08kg (80℃) 液切30秒
【0047】加温時間と乾燥するまでの時間
【表1】 上記の如く、本発明方法によれば洗浄開始から乾燥終了
までのトータル時間が、熱風方法に比較し3.6分の
1、減圧蒸気洗浄方法に比較し2.6分の1であって、
従来方法に比較し著しく迅速な被洗浄物の乾燥が可能と
なるものである。
までのトータル時間が、熱風方法に比較し3.6分の
1、減圧蒸気洗浄方法に比較し2.6分の1であって、
従来方法に比較し著しく迅速な被洗浄物の乾燥が可能と
なるものである。
【0048】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものである
から、浸漬洗浄を完了し被洗浄物に付着している洗浄液
を、迅速に乾燥する事が可能となる。また、被洗浄物に
蒸発潜熱を与えるための加熱は、被洗浄物を加熱液中に
浸漬する事により行うものであるから、被洗浄物と洗浄
液との熱交換は、蒸気と固体や固体と熱風の如き、従来
方法とは異なり、液と固体との熱交換であるため、極め
て迅速に行う事ができるとともに被洗浄物の外周全体に
瞬時に行うことが出来るものとなる。
から、浸漬洗浄を完了し被洗浄物に付着している洗浄液
を、迅速に乾燥する事が可能となる。また、被洗浄物に
蒸発潜熱を与えるための加熱は、被洗浄物を加熱液中に
浸漬する事により行うものであるから、被洗浄物と洗浄
液との熱交換は、蒸気と固体や固体と熱風の如き、従来
方法とは異なり、液と固体との熱交換であるため、極め
て迅速に行う事ができるとともに被洗浄物の外周全体に
瞬時に行うことが出来るものとなる。
【0049】また、迅速な乾燥を可能とすることから洗
浄時間と乾燥時間とのタイムラグが少なくなり装置を小
型化でき、廉価で取り扱いの容易な洗浄装置を提供出来
るものとなる。また、本発明は装置を複雑化したり、特
殊な洗浄液を用いる必要がなく、簡易で廉価なな乾燥作
業を可能にするものである。
浄時間と乾燥時間とのタイムラグが少なくなり装置を小
型化でき、廉価で取り扱いの容易な洗浄装置を提供出来
るものとなる。また、本発明は装置を複雑化したり、特
殊な洗浄液を用いる必要がなく、簡易で廉価なな乾燥作
業を可能にするものである。
【図1】本発明の第一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の他の異なる実施例を示すもので、洗浄
槽に於て被洗浄物の浸漬洗浄を行っている状態の概略図
である。
槽に於て被洗浄物の浸漬洗浄を行っている状態の概略図
である。
【図3】洗浄槽に於て減圧乾燥を行っている状態の概略
図である。
図である。
3 洗浄液 4 被洗浄物
Claims (5)
- 【請求項1】 加熱した洗浄液中に被洗浄物を浸漬し、
この浸漬中に於ける被洗浄物の蓄熱量を、洗浄液との接
触解除後の被洗浄物に残留する付着洗浄液が、減圧雰囲
気に於いて全て蒸発できる以上の量とした後、被洗浄物
の洗浄液への浸漬状態を解除し、この被洗浄物を減圧雰
囲気内に配置して減圧乾燥を行う事を特徴とする被洗浄
物の洗浄及び乾燥方法。 - 【請求項2】 洗浄液中に於ける被洗浄物の加熱と、減
圧乾燥時の減圧度とを可変可能とすることにより、浸漬
解除後の被洗浄物に付着残留している洗浄液の、減圧雰
囲気での蒸発潜熱量以上に被洗浄物を蓄熱可能としたも
のである事を特徴とする請求項1の被洗浄物の洗浄及び
乾燥方法。 - 【請求項3】 洗浄液の蒸発潜熱は200cal/g以
下である事を特徴とする請求項1の被洗浄物の洗浄及び
乾燥方法。 - 【請求項4】 洗浄液は、可燃性溶剤である事を特徴と
する請求項1の被洗浄物の洗浄及び乾燥方法。 - 【請求項5】 加熱した洗浄液中への被洗浄物の浸漬に
於いては、被洗浄物又は洗浄液に回転、揺動、超音波振
動、または攪拌による物理力を加えて行うことを特徴と
する請求項1の被洗浄物の洗浄及び乾燥方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23935995A JPH0975873A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 被洗浄物の洗浄及び乾燥方法 |
TW84109999A TW316857B (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-25 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23935995A JPH0975873A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 被洗浄物の洗浄及び乾燥方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0975873A true JPH0975873A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=17043591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23935995A Pending JPH0975873A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 被洗浄物の洗浄及び乾燥方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0975873A (ja) |
TW (1) | TW316857B (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012061392A (ja) * | 2010-09-14 | 2012-03-29 | Keiji Nakaya | アルミニウム屑の処理方法 |
CN108941036A (zh) * | 2018-09-21 | 2018-12-07 | 吕英清 | 一种医学护理用消毒清洗装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN202823972U (zh) * | 2011-11-25 | 2013-03-27 | 株式会社Ihi | 真空清洗装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5840481A (ja) * | 1981-09-03 | 1983-03-09 | 日信工業株式会社 | ワ−クの洗浄乾燥方法 |
JPH03269985A (ja) * | 1990-03-19 | 1991-12-02 | Japan Field Kk | 洗浄機用加熱ヒーター |
JPH0578876A (ja) * | 1991-09-25 | 1993-03-30 | Nippon Heizu:Kk | 真空洗浄方法と装置 |
JPH05190347A (ja) * | 1992-01-14 | 1993-07-30 | Toshiba Corp | モールドコイル |
JPH06459A (ja) * | 1992-06-19 | 1994-01-11 | T H I Syst Kk | 洗浄乾燥方法とその装置 |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP23935995A patent/JPH0975873A/ja active Pending
- 1995-09-25 TW TW84109999A patent/TW316857B/zh active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5840481A (ja) * | 1981-09-03 | 1983-03-09 | 日信工業株式会社 | ワ−クの洗浄乾燥方法 |
JPH03269985A (ja) * | 1990-03-19 | 1991-12-02 | Japan Field Kk | 洗浄機用加熱ヒーター |
JPH0578876A (ja) * | 1991-09-25 | 1993-03-30 | Nippon Heizu:Kk | 真空洗浄方法と装置 |
JPH05190347A (ja) * | 1992-01-14 | 1993-07-30 | Toshiba Corp | モールドコイル |
JPH06459A (ja) * | 1992-06-19 | 1994-01-11 | T H I Syst Kk | 洗浄乾燥方法とその装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012061392A (ja) * | 2010-09-14 | 2012-03-29 | Keiji Nakaya | アルミニウム屑の処理方法 |
CN108941036A (zh) * | 2018-09-21 | 2018-12-07 | 吕英清 | 一种医学护理用消毒清洗装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW316857B (ja) | 1997-10-01 |
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