JP5859888B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板(以下、単に「基板」と称する)に付着した液体を基板から取り除く基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、基板の表面に成膜やエッチングなどの処理を繰り返し施して微細パターンを形成していく工程が含まれる。ここで、微細加工を良好に行うためには基板表面を清浄な状態に保つ必要があり、必要に応じて基板表面に対して洗浄処理が行われる。例えばフォトリソグラフィにおける現像処理では、露光されてパターンが転写された基板に対して、現像液などの薬液の塗布が行われた後、当該薬液を基板から除去するためにリンス液による洗浄が行われる。
ところが、近年、基板表面に形成されるパターンは、より微細化する傾向にある。このため、基板に付着する液体を除去して乾燥させる際に、パターンの微細構造に入りこんだ液体と、液体に接する気体と、の境界面に働く表面張力(毛管力)が、パターン中で隣接する凸部同士を引き寄せて倒壊させるという問題があった。
そこで、このような毛管力に起因するパターンの倒壊を防ぐために、超臨界状態の二酸化炭素を基板表面に形成されたパターンに供給した後、これを気化させることにより、基板の表面を乾燥させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−72118号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、超臨界状態を比較的実現しやすい二酸化炭素であっても、超臨界状態を作り出すには73気圧以上という高圧環境を設けなければならず、それを実現し、しかも維持する装置が不可欠である。そして、この要求を満足する装置を設けるために多大なコストが必要となってくる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、超臨界状態を実現するために必要な圧力よりも低い圧力環境下で、基板に設けられたパターンを損傷させることなく基板に付着した液体を取り除くことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理方法は、上記目的を達成するため、液体が付着した基板を収容する処理室に昇華材を供給して基板上の液体を液状の昇華材に置換する置換工程と、処理室を昇華材の三重点よりも高い所定圧力に維持しながら基板上の液状の昇華材を凝固させる凝固工程と、凝固した昇華材を昇華させて基板上から除去する除去工程とを備え、凝固工程は、昇華材の三重点以上の分圧を有する加圧気体を処理室に供給して加圧しつつ、処理室内の気体を処理室外へ排出して所定圧力を維持しながら、基板上の液状の昇華材を冷却して凝固させる、ことを特徴としている。
この発明にかかる基板処理装置は、上記目的を達成するため、液体が付着した基板を収容する処理室と、処理室に昇華材を供給して基板上の液体を液状の昇華材に置換する置換手段と、基板上の液状の昇華材を凝固させる凝固手段と、凝固した昇華材を昇華させて基板上から除去する除去手段と、凝固手段による処理室内での昇華材の凝固時に、処理室を昇華材の三重点よりも高い圧力に加圧する加圧手段と、凝固手段による処理室内での昇華材の凝固時に、加圧手段と協働し、処理室内の気体を処理室に排気して処理室を昇華材の三重点よりも高い所定圧力に維持する圧力維持手段とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理方法および基板処理装置)では、基板に付着した液体と置換された液状の昇華材が凝固された後に昇華されて基板から除去される。このため、毛管力が基板に対して作用するのを防止しながら基板乾燥が実行除去される。ただし、液状の昇華材を凝固させる際に相変化が液相−気相−固相という経路を辿ってしまうと、液相から気相に変化するときに毛管力が作用してしまう。そこで、本発明では、凝固時において処理室を昇華材の三重点よりも高い圧力に加圧し、気相を経由することなく液状の昇華材を凝固させ、毛管力が基板に作用するのを確実に防止している。
ここで、処理室を昇華材の三重点よりも高い圧力に加圧する具体的な手段の一つとして、昇華材の三重点以上の分圧を有する気体を処理室に供給するのが望ましい。そして、このように処理室を加圧しつつ、基板上の液状の昇華材を冷却することで液状の昇華材は気相を経由することなく凝固される。
また、冷却温度については、例えば昇華材の三重点以下の温度に設定してもよい。そして、凝固された昇華材を昇華させるために、例えば処理室を昇華材の三重点よりも低い圧力に減圧し、その圧力のまま処理室を昇温して昇華材を昇華させてもよい。このときの減圧値については例えば大気圧に設定してもよく、大気圧に戻すことで後工程を円滑に行うことが可能となる。
さらに、冷却温度については、昇華材の三重点以下で、かつ大気圧における昇華材の昇華点以上の温度に設定してもよい。この場合、処理室を大気圧に減圧することのみで昇華材を昇華させることができる。つまり、除去工程を圧力制御のみで行うことができ、温度制御が不要となる。
以上のように、本発明によれば、基板に付着した液体と置換された液状の昇華材を凝固した後に昇華させて基板から除去される。このため、毛管力が基板に対して作用するのを防止しながら基板から液体を除去することができる。また、基板上の液状の昇華材を処理室内で凝固させる際に、処理室を昇華材の三重点よりも高い圧力に加圧しているため、液状の昇華材が気相を経由して凝固されることはなく、毛管力が基板に作用するのを確実に防止することができる。
本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を装備する基板処理システムのレイアウトを示す平面図である。 本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態である基板乾燥装置の断面構造を示す図である。 図2に示す基板乾燥装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態での乾燥処理チャンバ(処理室)内の温度および圧力の変化が表された二酸化炭素の相図である。 本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における置換工程を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における凝固工程を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における除去工程を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における除去工程を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における基板昇温工程を模式的に示す図である。 本発明にかかる基板処理方法の第2実施形態における昇華材の相変化経路を示す図である。
A.第1実施形態
図1は本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を装備する基板処理システムのレイアウトを示す平面図である。また、図2は本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態である基板乾燥装置の断面構造を示す図である。さらに、図3は、図2に示す基板乾燥装置の電気的構成を示すブロック図である。この基板処理システム1は、半導体デバイスの材料として使用される半導体基板Wの現像処理過程において使用されるシステムであり、基板ステーション5、基板搬送装置20、基板現像装置10および基板乾燥装置30を主に装備している。なお、以下において、基板処理システム1は、基板Wを枚葉式に処理する形態であるが、このような形態に限られるものではなく、バッチ式に処理が行われる形態であっても構わない。
基板ステーション5は、隔壁によって基板現像装置10および基板乾燥装置30と区画されている。この基板ステーション5では、複数個のカセット51(本実施形態においては、カセット51a,51b,51cの3個)が載置可能となっている。各カセット51は、既に露光処理が施された複数枚の基板Wを互いに積層した状態で収容している。そして、カセット51内の基板Wが基板搬送装置20によって取り出され、基板現像装置10および基板乾燥装置30に順次に搬送された後、最後にカセット51に戻される。
基板搬送装置20では、2本の伸縮アーム21a、21bの基端部が装置本体22に対して縦軸回りに回転自在に取り付けられている。また、伸縮アーム21a、21bの先端部には、それぞれハンド23a、23bが縦軸回りに回動可能に支持されている。そして、図示を省略する駆動機構部が、装置本体22に対して伸縮アーム21a、21bをそれぞれ独立して伸縮および旋回移動させ、またハンド23a、23bを伸縮アーム21a、21bに対して回転させる。このように、基板搬送装置20は2つの基板搬送手段をそれぞれ独立して駆動させて2枚の基板Wを効率的に搬送可能となっている。
基板現像装置10は、基板搬送装置20によりカセット51から取り出された基板W、つまり既に露光処理を受けている基板Wに対して現像処理、リンス処理および置換処理を順次に行う装置である。この基板現像装置10の基本構成は従来より周知であり、次のように構成されている。すなわち、基板現像装置10は、基板搬送装置20によりローディングされる基板Wを保持しながら縦軸回りに回転するスピンチャックを有している。また、このスピンチャックの上方位置に第1吐出ノズルが設けられ、この第1吐出ノズルからアルカリ性水溶液の現像液などがスピンチャックに保持された基板Wに供給されて現像処理が行われる。なお、基板Wの上面に塗布されているフォトレジストの種類によっては、酢酸ブチルなどの有機現像液を使用する形態であっても構わない。
また、基板現像装置10は、上記第1吐出ノズルの他に、リンス液およびIPA(イソプロピルアルコール:isopropyl alcohol)液をスピンチャックに保持された基板Wに向けて吐出する第2吐出ノズルを有している。本実施形態では、アルカリ性水溶液を現像液として用いて現像処理を行っていることから、純水やDIW(deionized water;脱イオン水)等をリンス液として用いている。ただし、次に説明するように基板乾燥装置30は、二酸化炭素を本発明の「昇華材」として用いて昇華乾燥を行う装置であるため、DIWが付着した基板Wをそのまま基板乾燥装置30に搬送して昇華乾燥させることはできないため、本実施形態では、基板現像装置10における最終処理として、リンス液よりも凝固温度が低い物性を有するIPA液を供給してリンス液を基板Wから除去し、基板WをIPA液で濡らした状態に保っている。
基板乾燥装置30は基板Wに付着するIPA液を除去して基板Wを乾燥させる装置である。基板乾燥装置30は、主に、乾燥処理チャンバ31、二酸化炭素供給機構32、第1窒素ガス供給機構33、液体窒素供給機構34、第2窒素ガス供給機構44および排出機構35を備えている。
乾燥処理チャンバ(処理室)31は、円筒状の上側部材313と、円盤形状の下側部材314とで構成されている。これらのうち上側部材313は、円形状の上壁311と上壁311の周囲に設けられた側壁312とを一体化した構造体であり、下方向(−Z)に開口した開口部を有している。一方、下側部材314は上側部材313の開口部の下方側に配置された下壁316を有しており、開口部を塞ぐことで乾燥処理チャンバ31の内部空間を構成する。また、下壁316の上面、すなわち乾燥処理チャンバ31の内部空間の底面を規定する面は傾斜している。このように構成された上側部材313と下側部材314とは、互いに接離して、上下方向Zに相対移動可能に構成されている。
そして、装置全体を制御する制御部50(図3)からのチャンバ開指令に応じてチャンバ開閉機構317(図3)が作動して乾燥処理チャンバ31を開成し、基板現像装置10から乾燥処理チャンバ31への未乾燥基板Wの搬入および乾燥処理チャンバ31からの乾燥済基板Wの搬出が可能となる。一方、制御部50からのチャンバ閉指令に応じてチャンバ開閉機構317が作動して乾燥処理チャンバ31を閉成することで、上側部材313と下側部材314とがシール材315を介して互いに密着し、乾燥処理チャンバ31を密閉する。こうして密閉された乾燥処理チャンバ31の内部で昇華乾燥が実行される。
乾燥処理チャンバ31の内部には、基板Wを載置する載置台39が設けられている。基板Wは載置台39の上面に載置されることによって、略水平状態に保持される。載置台39の上面には図示しない吸着口が設けられており、吸着口が載置された基板Wの下面を吸着することによって、基板Wは載置台39上に保持される。なお、基板Wの保持態様はこれに限定されるものではなく、例えばメカチャック方式により保持してもよい。
この載置台39の下面中央には、支持軸36が下方(−Z)に向けて突設されている。この支持軸36は、下側部材314に高圧シール回転導入機構37を介して挿通されている。さらに、高圧シール回転導入機構37の回転軸371は回転機構372に接続されている。このため、制御部50からの回転指令に応じて回転機構372が作動すると、基板Wが載置台39とともに支持軸36回りに任意の回転数で回転させられる。
乾燥処理チャンバ31には第1導入管40が取り付けられている。より詳しくは、図2に示すように、第1導入管40は上側部材313の上壁311に貫通して取り付けられており、その下方端部は乾燥処理チャンバ31の内部空間に繋がっている。一方、第1導入管40の上方端部はT字状に分かれており、それらの一方は二酸化炭素供給機構32に接続されるとともに他方は第1窒素ガス供給機構33に接続されている。これらのうち二酸化炭素供給機構32は、二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素供給部321と、二酸化炭素供給部321を第1導入管40の上方端部の一方と接続する配管322と、この配管322に介挿されたバルブ323とを有している。また、第1窒素ガス供給機構33は、窒素ガスを供給する第1窒素ガス供給部331と、第1窒素ガス供給機構33を第1導入管40の上方端部の他方と接続する配管332と、この配管332に介挿されたバルブ333とを有している。このように本実施形態では、第1導入管40が2つの共通導入管として機能する。つまり、第1導入管40は、二酸化炭素供給機構32から供給される二酸化炭素ガスを乾燥処理チャンバ31に導入する導入経路として機能するとともに、第1窒素ガス供給機構33から供給される常温窒素ガスを乾燥処理チャンバ31に導入する導入経路としても機能する。
そして、制御部50からのバルブ開閉指令に応じてバルブ323、333がそれぞれ「開成状態」および「閉成状態」になると、二酸化炭素供給部321からの二酸化炭素ガスが第1導入管40を介して乾燥処理チャンバ31に供給される。後述するように昇華乾燥を行う間、乾燥処理チャンバ31は密閉状態とされているため、二酸化炭素ガスの導入を開始して間もなく乾燥処理チャンバ31内は、導入された二酸化炭素ガスの蓄積によって二酸化炭素が凝縮する圧力以上の高圧となる。このため、乾燥処理チャンバ31内にはごく初期には二酸化炭素が気相で供給されるが、間もなく基板Wの上には液状の二酸化炭素が供給される状態となる。換言すれば、二酸化炭素の供給の初期段階は、気相の二酸化炭素による乾燥処理チャンバ31内の圧力上昇段階であり、それ以後は、液体二酸化炭素を供給する段階となる。なお、この実施形態では、二酸化炭素供給部321から供給される二酸化炭素は、後述する原理によって基板WからIPA残存液を除去するための物質として用いられるが、本明細書では一般に、基板上の液体を除去するために使用するこのような物質を「昇華材」とも呼ぶ。
一方、制御部50からのバルブ開閉指令に応じてバルブ323、333がそれぞれ「閉成状態」および「開成状態」になると、第1窒素ガス供給機構33からの常温窒素ガスが第1導入管40を介して乾燥処理チャンバ31に供給される。なお、配管332にヒータを設けることで加温された高温窒素ガスが供給される構成としてもよい。また、常温窒素ガスと高温窒素ガスを選択的に供給するように構成してもよい。
液体窒素供給機構34は、第2導入管341、液体窒素供給部342、配管345、バルブ343で構成されている。第2導入管341は、下側部材314の下壁316を貫通しており、その上端部は乾燥処理チャンバ31内部まで延設されている。第2導入管341の乾燥処理チャンバ31内部における一端は、載置台39の下面に対面している。また、第2導入管341の他方端は配管345により液体窒素供給部342と接続され、さらに当該配管345にバルブ343が介挿されている。このため、制御部50からのバルブ開指令に応じてバルブ343が開成すると、液体窒素が第2導入管341から乾燥処理チャンバ31内に供給される。
さらに乾燥処理チャンバ31を構成する下側部材314には、第3導入管441が第2導入管341と同様に、下側部材314を貫通するとともに、その上端部が乾燥処理チャンバ31内部まで延設されている。この第3導入管441は、第3導入管441、第2窒素ガス供給部442、ヒータ444、バルブ443および配管445とともに第2窒素ガス供給機構44を構成している。すなわち、第3導入管441の乾燥処理チャンバ31内部における一端は、載置台39の下面に対面している。また、第3導入管441の他方端は配管445により第2窒素ガス供給部442に接続されている。さらに当該配管445に対して第2窒素ガス供給部442側からヒータ444、バルブ443が介挿されている。このように構成された第2窒素ガス供給機構44では、第2窒素ガス供給部442から供給される窒素ガスがヒータ444によって昇温される。そして、制御部50からのバルブ開指令に応じてバルブ443が開成するのに伴って、ヒータ444で昇温された高温窒素ガスが乾燥処理チャンバ31内に供給される。なお、第2窒素ガス供給部442と、第1窒素ガス供給部331とは1つにまとめることも可能である。
乾燥処理チャンバ31の内部上方には、流体分散機構38が設けられている。流体分散機構38は、乾燥処理チャンバ31の内部に嵌め込まれた円板状の閉塞板381に対し、上下に貫通する流通孔382を複数個設けたものである。これにより、第1導入管40を介して乾燥処理チャンバ31に供給される二酸化炭素や窒素ガスを整流し、基板Wの上面に対して均一な流体供給が可能となっている。
また、乾燥処理チャンバ31を構成する下側部材314に対して排出機構35が接続されている。この排出機構35は、複数の排出管351、配管354、バルブ353で構成されている。本実施形態では、図2に示すように、下側部材314の上面には複数の傾斜面が形成されており、これらの傾斜面で形成される谷部、つまり上面のうち最も鉛直方向Zにおいて最も低い位置に対し、各排出管351の上端部が連通されている。このため、基板Wから流れ落ちた液体は、下側部材314の傾斜面に沿って谷部に集められ、排出管351を介して乾燥処理チャンバ31外に排出される。また、乾燥処理チャンバ31内の気体についても、排出管351を介して乾燥処理チャンバ31外に排出可能となっている。
乾燥処理チャンバ31から排出管351を通って排出された液体および気体は、バルブ353を通過することで減圧された後、分離槽355に送られ、分離槽355で液体と気体とに分離される。そして、分離された気体と液体とは、それぞれ再利用又は、再処理が行われるように所定の機器へと送られる。
乾燥処理チャンバ31内には、温度センサ61(図3)および圧力センサ62(図3)が設けられており、それらのセンサ61、62によって乾燥処理チャンバ31内の温度および圧力をそれぞれ測定可能となっている。これらのセンサ61、62で計測された温度データおよび圧力データは制御部50に入力される。そして、制御部50はこれらの計測結果に応じてバルブ323、333、343、443、353の開閉や開度を調節し、乾燥処理チャンバ31内の温度および圧力を調節可能となっている。なお、制御部50のハードウェアとしての構成は、一般的なコンピュータと同様の構成であり、メモリ(図示省略)に予め記憶されたプログラムにしたがって基板乾燥装置30の装置各部を制御することで以下の一連の動作を実行して基板Wを昇華乾燥させる。
次に、基板処理システム1の概要動作について説明した後、本発明の特徴部分である基板乾燥装置30による昇華乾燥方法について図4ないし図9を参照しつつ説明する。
基板処理システム1では、基板ステーション5において載置されたカセット51から未処理の基板Wが1枚、基板搬送装置20によって取り出され、基板現像装置10へと搬送される。そして、基板現像装置10では、現像液であるアルカリ性水溶液による現像処理が行われる。また、現像処理後の基板Wに対し、リンス液であるDIWによるリンス処理が行われる。さらに、DIWが残存しているリンス処理直後の基板Wに対し、置換液であるIPA液が供給され、基板Wに付着していたDIWを基板W上からすすぎ流し、IPA液に完全に置換する。
基板現像装置10における一連の処理(現像ーリンスーIPA置換)が完了すると、基板搬送装置20が基板現像装置10から現像処理済みの基板Wを取り出し、基板乾燥装置30に搬送する。このとき、基板Wは、基板W表面が置換液であるIPA液で完全に覆われた状態で搬送される。この搬送時点では、基板乾燥装置30の乾燥処理チャンバ31はチャンバ開閉機構317により開成されており、基板搬送装置20が基板Wを基板乾燥装置30の載置台39上に載置する。
そして、基板乾燥装置30は次に詳述するようにメモリ内のプログラムにしたがって一連の処理(置換工程−凝固工程−除去工程−基板昇温工程)を実行して基板WからIPA液を除去して基板Wを乾燥させる。最後に、乾燥された基板Wを基板搬送装置20が基板乾燥装置30から取り出し、カセット51に戻す。
図4は本発明の第1実施形態での乾燥処理チャンバ(処理室)内の温度および圧力の変化が表された二酸化炭素の相図である。また、図5は本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における置換工程を模式的に示す図であり、図6は本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における凝固工程を模式的に示す図であり、図7および図8は本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における除去工程を模式的に示す図であり、図9は本発明の第1実施形態にかかる基板処理方法における基板昇温工程を模式的に示す図である。なお、図5ないし図9では、実施の流れについての理解を容易にするため、基板乾燥装置30は概略構成で示されているが、実際は図2に示された基板乾燥装置30が用いられることによって処理が行われる。また、図4の縦軸は対数スケールである。
基板搬送装置20により基板Wが基板乾燥装置30の載置台39上に載置されると、制御部50がメモリ内のプログラムにしたがって基板乾燥装置30の装置各部を以下のように制御して一連の処理を実行する。乾燥処理チャンバ31への基板Wのローディング完了後、チャンバ開閉機構317により上側部材313と下側部材314とが嵌め込まれる。なお、この段階では、バルブ323、333、343、443、353はすべて閉成されており、上記嵌込動作の完了によって乾燥処理チャンバ31内は密閉状態となる。なお、この段階では、乾燥処理チャンバ31の内部雰囲気は常温常圧である。
乾燥処理チャンバ31内が密閉状態になると、バルブ323が開成される。このため、二酸化炭素供給部321から供給される二酸化炭素ガスが第1導入管40を介して乾燥処理チャンバ31内に供給される。また、この二酸化炭素ガスの供給に対応してバルブ353が開成される。これによって、乾燥処理チャンバ31内の空気がバルブ353から排出されて、乾燥処理チャンバ31内は、二酸化炭素ガスに置換される。
そして、所定時間が経過すると、バルブ353は閉成されて乾燥処理チャンバ31内は密閉状態に戻される。一方、バルブ323は開成されたままであるため、乾燥処理チャンバ31への二酸化炭素ガスの供給は継続される。このため、乾燥処理チャンバ31内の圧力は徐々に上昇し、やがて乾燥処理チャンバ31の内部は、二酸化炭素の三重点である温度−56.6[℃]、圧力5.1気圧(0.517[MPa])よりも高温高圧の状態になる。そして、所定の圧力を超えた段階で二酸化炭素ガスは、乾燥処理チャンバ31内において液化する。このときの所定の圧力は、乾燥処理チャンバ31内の温度における、液相と気相とが共存する圧力と温度との関係を表した蒸気圧曲線に基づいて決定される圧力である。
このように、二酸化炭素供給部321から乾燥処理チャンバ31内に供給される二酸化炭素は、供給開始の時点では気体で供給されるが、その後、乾燥処理チャンバ31内の圧力が5.1気圧を超えて所定の凝縮圧力に到達した時点で液体の状態となり、これ以降は二酸化炭素は液体の状態で基板Wに供給される。したがって、初期段階でいったん気体状態を経由する部分を除き、実質的には、図5に示すように、液体二酸化炭素LCが乾燥処理チャンバ31に与えられる。
このような、二酸化炭素が液体として存在する領域は、図4に示すように、
1)三重点の温度−56.6[℃]、圧力5.1気圧よりも高温高圧であり、
2)温度31.1[℃]未満で圧力72.8気圧(7.38[MPa])未満である
という範囲であり、これは超臨界領域には入っておらず、非超臨界状態に維持されている。そして、この非超臨界状態のままバルブ353が開成されるとともに、回転機構372が載置台39を回転駆動する。これによって、基板W表面に存在していたIPA液(図5では不図示)および液体二酸化炭素LCは、基板Wの回転の遠心力によって、基板Wの外周に向かって流れる。そして、IPA液および液体二酸化炭素LCは乾燥処理チャンバ31内の底面(下壁316の上面)に流れ落ちて、排出管351を介して乾燥処理チャンバ31外に排出される。このように、本実施形態では、基板Wを回転させることによって、効率的にIPA液から液体二酸化炭素LCへの置換が行われる。
また、第1導入管40から乾燥処理チャンバ31内に供給される液体二酸化炭素LCは、図5への図示は省略されているが流体分散機構38によって、基板Wの表面に対して均等に供給される。液体二酸化炭素LCの表面張力はIPA液の表面張力よりも小さいため、液体二酸化炭素LCは、基板W表面に形成されたパターンの隙間に容易に入り込む。このような液体二酸化炭素LCの供給は、基板Wの表面が完全に液体二酸化炭素LCで置換されるように、所定の時間が経過するまで行われる。こうして、図4中の(A)状態で、基板Wに付着していたIPA液が液体二酸化炭素LCに置換される(置換工程)。
この置換工程に続いて、バルブ323は閉成されて乾燥処理チャンバ31内への液体二酸化炭素LCの供給は停止される。また、バルブ353が閉成されて乾燥処理チャンバ31内は密閉状態に戻り、非超臨界状態は維持される。それに続いて、バルブ343が開成されて液体窒素LNが乾燥処理チャンバ31内に供給され、載置台39の下面に直接吹き付けられる。このため、載置台39の温度は、急速に低下し、載置台39上に保持された基板Wが冷却される。すなわち、載置台39はクールプレートのように基板Wに接する面全体で基板Wを冷却することとなる。このとき、バルブ333が開成されて昇華材である二酸化炭素の三重点の圧力以上の分圧を有する常温窒素ガスGNnが第1導入管40を介して乾燥処理チャンバ31内に供給される。これによって液体窒素LNによる基板Wの冷却中も、乾燥処理チャンバ31内の圧力は三重点の圧力以上に保たれる。また、この実施形態では、単に窒素ガスGNnの供給により圧力を三重点以上とするのみならず、バルブ353が開度を調整されつつ開成されて乾燥処理チャンバ31内の圧力を三重点以上の一定値に維持される。
こうして、圧力が5.1気圧以上で一定に保持されるとともに、温度が低下することによって、基板W表面の液体二酸化炭素LCは凝固する(図6:凝固工程)。具体的に、図4において、温度および圧力は、状態(A)と状態(B)とを繋ぐ実線に沿って変化し、乾燥処理チャンバ31内の温度が所定の温度よりも低下した段階で、液体二酸化炭素LCは固体二酸化炭素SCへと相転移する。このときの所定の温度は、乾燥処理チャンバ31内の圧力における、液相と固相とが共存する圧力と温度との関係を表した融解曲線に基づいて決定される温度である。このように、本実施形態では、液体二酸化炭素LCを凝固させるために、乾燥処理チャンバ31内に直接、冷媒である液体窒素を供給している。このため、基板Wが接している載置台39の面を介して除熱されることとなり、効率的に基板Wを冷却し、液体二酸化炭素LCを凝固させて固体二酸化炭素SCを得ることができる。
このように、本実施形態では、昇華材として二酸化炭素を用いており、リンス液(DIW)の凝固点よりもはるかに低い温度で二酸化炭素を凝固させている。したがって、基板現像装置10において、最終的にリンス液をIPA液に置換しておくことに大きな技術的意義がある。というのも、リンス液が表面に残存したままの基板Wに対して昇華乾燥させるとすれば、その残存したリンス液(DIW)が、二酸化炭素の凝固よりも先に凝固してしまい、昇華乾燥の技術的意義が失われる。これに対し、例えばIPA液のように置換液の凝固温度が、二酸化炭素の凝固温度である−56.6[℃]以下であれば、二酸化炭素の凝固よりも先に置換液が凝固することを防止できる。
このように、基板Wの表面が固体二酸化炭素SCで覆われた状態になってから、バルブ333、343が閉成されるとともに、バルブ353が完全に開成される。これによって、乾燥処理チャンバ31内の圧力は大気圧である1気圧まで降下する(図7)。このとき、乾燥処理チャンバ31内は、断熱膨張によってさらに温度が低下する(図4における状態(B)と状態(C)とを繋ぐ実線に沿って変化)。
そして、乾燥処理チャンバ31内の圧力が大気圧になった段階で、バルブ333が再度開成されて、図8に示すように、第1導入管40から常温の窒素ガスGNnが乾燥処理チャンバ31内に導入される。乾燥処理チャンバ31内は、常温窒素ガスGNnの温度よりも低温であり、かつバルブ353は開成された状態であるため、常温窒素ガスGNnが供給されることによって、乾燥処理チャンバ31内の圧力は大気圧を保持した状態で、乾燥処理チャンバ31内の雰囲気温度が上昇する。そして、乾燥処理チャンバ31内の温度が、−78.5[℃]以上になった段階で、固体二酸化炭素SCは昇華して、二酸化炭素ガスGCへと相転移する(図4において、状態(C)と状態(D)とを繋ぐ実線に沿って温度変化)。こうして、基板Wの表面から固体二酸化炭素SCが除去される(除去工程)。なお、昇華が始まる温度は、乾燥処理チャンバ31内の圧力における、固相と気相とが共存する圧力と温度との関係を表した昇華曲線に基づいて決定される温度である。なお、二酸化炭素ガスGCは、基板Wの表面から大気中に拡散するため、基板Wの表面は液体が付着していない状態となる。
このように、基板Wのパターン間に浸透した液体二酸化炭素LCは、冷却によって固体状態となり、それから気体状態へと相転移する。従って、二酸化炭素は、気体状態となる前に液体状態を経ることがないため、液体特有の毛管力が生じることはなく、基板W上に形成されたパターンの凸部の倒壊を防ぐことができる。また、同様に、気体状態の前に液体状態を経ることのない超臨界流体を利用した乾燥技術と比較して、低圧雰囲気(環境)下で処理を行うことができる。このため、高圧環境が必要な超臨界状態を実現するための設備と比較して装置コストを抑えることができる。また、高圧環境になるまで待機する必要がないため、処理時間は短くできる。
上記のようにして一連の処理(置換工程−凝固工程−除去工程)を行うと、基板Wの温度が低くなる傾向にある。この場合、基板Wと乾燥処理チャンバ31の外部における雰囲気との間に温度差があるため、後工程のために基板Wが乾燥処理チャンバ31外に搬出されると、結露が基板Wの表面に生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、図9に示すように、第1導入管40から常温窒素ガスGNnを供給するのと並行し、バルブ443を開成して、ヒータ444によって温められた高温窒素ガスGNhを第3導入管441から直接載置台39下面に吹き付ける。これにより高温窒素ガスGNhの熱が、載置台39を介して基板Wに伝わるため、基板Wは昇温されることとなり、基板W表面における結露を防止できる(基板昇温工程)。なお、この基板昇温工程は基板乾燥処理における必須工程でなく、必要に応じて適宜採用すればよい。
以上のように、第1実施形態では、基板Wの表面に付着したIPA液を液体二酸化炭素LCに置換した後、当該液体二酸化炭素LCを固体二酸化炭素SCへ相転移させ、さらに固体二酸化炭素SCを二酸化炭素ガスGCへ昇華させている。このため、パターン間に毛管力が作用することはなく、基板表面のパターンの倒壊を防止しながら基板Wを乾燥させることができる。
また、同様の効果を奏することができる超臨界流体を用いる乾燥技術と比較して、低圧環境下で実施可能であるため、高圧環境を実現するための設備は不要であり、装置コストを抑えることができる。また、超臨界状態に至る程の高圧状態になるまで待機する必要がないので、処理時間をより短くすることができる。
また、図6に示すように、凝固工程中において、二酸化炭素の三重点の圧力以上の分圧を有する常温窒素ガスGNnを乾燥処理チャンバ31内に供給して加圧しているため、次の作用効果も得られる。すなわち、凝固工程の開始時点で乾燥処理チャンバ31の圧力は三重点の圧力以上となっており、液体窒素LNの供給による冷却と並行してバルブ353の開度を調整することで乾燥処理チャンバ31内の圧力を三重点以上とすることは理論上可能である。しかしながら、実際には相変化を安定してコントロールすることは難しいのが実情である。これに対し、第1実施形態では、上記したように凝固工程中での窒素ガス供給による加圧によって、基板W上の液体二酸化炭素LCを凝固させる際の相変化を安定化させることができ、昇華乾燥の信頼性を高めることができる。
さらに、窒素ガス供給を行わずに凝固工程を行う場合には、図4中の状態(A)から状態(B)への移行を三重点から比較的離れて行わせることも考えられる。この場合、状態(A)を超臨界状態側に近づけることになるため、上記した技術的優位性(装置コストおよび処理時間の低減効果)が減ぜられてしまう。これに対し、第1実施形態は上記したように相変化を安定してコントロールすることができるため、図4中の状態(A)から状態(B)への移行を三重点から比較的近いところで行うことができ、窒素ガス供給を行わずに凝固工程を行う場合に比べて装置コストや処理時間の面で優位性を持っている。
このように第1実施形態では、乾燥処理チャンバ31が本発明の「処理室」に相当する。また、二酸化炭素供給機構32が本発明の「置換手段」に相当する。また、液体窒素供給機構34が本発明の「凝固手段」に相当する。また、排出機構35が本発明の「除去手段」として機能している。また、第1窒素ガス供給機構33が本発明の「加圧手段」として機能している。
B.第2実施形態
図10は本発明にかかる基板処理方法の第2実施形態における昇華材の相変化経路を示す図である。この第2実施形態は第1実施形態と同様に図2に示す基板乾燥装置30によりIPA液で濡れた基板Wを昇華乾燥させるものであり、第1実施形態と大きく異なる点は、凝固工程後の温度と、除去工程の内容とである。なお、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。以下、図10を参照しつつ、第2実施形態について説明する。
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、置換工程が実行され、基板Wの表面上ではIPA液から液体二酸化炭素LCへの置換が行われる。それに続いて、二酸化炭素の三重点の圧力以上の分圧を有する常温窒素ガスGNnを第1導入管40を介して乾燥処理チャンバ31内に供給しながら載置台39への液体窒素LNの供給により基板Wを冷却する。より具体的には、圧力を5.1気圧以上で一定に保持しながら温度を、二酸化炭素の大気圧での昇華点(−78.5[℃])より高く、かつ三重点の温度(−56.6[℃])以下に冷却する。つまり、図10において、温度および圧力は、状態(A)と状態(B′)とを繋ぐ実線に沿って変化し、乾燥処理チャンバ31内の温度が所定の温度よりも低下した段階で、液体二酸化炭素LCは固体二酸化炭素SCへと相転移する。
こうして液体二酸化炭素LCの凝固が完了すると、窒素ガスGNの供給を制御するバルブ333を閉成して常温窒素ガスの供給を停止する。また、バルブ343を閉成して液体窒素LNの供給を停止する。これにより、乾燥処理チャンバ31内の温度が上記昇華点を超えて低下するのを防止し、三重点の温度(−56.6[℃])より低く、かつ昇華点(−78.5[℃])よりも高い温度となる。その後で、排出機構35のバルブ353が完全に開成される。これによって、乾燥処理チャンバ31内の圧力は大気圧である1気圧まで降下する。このとき、乾燥処理チャンバ31内では、断熱膨張によって温度が若干低下するものの、二酸化炭素の大気圧での昇華点(−78.5[℃])まで低下することなく、圧力が固相と気相とが共存する圧力と温度との関係を表した昇華曲線CVよりも下回った段階で、固体二酸化炭素SCは昇華して、二酸化炭素ガスGCへと相転移する(図10に示すように、状態(B′)と状態(C′)とを繋ぐ実線が昇華曲線CVを横切った時点より昇華が開始される)。こうして、基板Wの表面から固体二酸化炭素SCが除去される(除去工程)。
なお、除去工程の完了に続いて、結露防止のため、第1実施形態と同様に、バルブ333を開成して第1導入管40から常温窒素ガスGNnを乾燥処理チャンバ31に供給するとともに、バルブ443を開成してヒータ444によって温められた高温窒素ガスGNhを第3導入管441から直接載置台39下面に吹き付ける。
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に作用効果が得られるのみならず、状態(B)から状態(B′)に変更することで凝固工程に要するコストの低減および時間の短縮が可能となっている。また、除去工程については処理内容を簡素化することができ、除去工程に要するコストの低減および時間の短縮も可能となっている。
C.その他
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、現像処理された基板を昇華乾燥させる基板処理技術に本発明を適用しているが、適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、湿式処理が行われた基板Wを乾燥させる基板処理技術全般に対して本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、基板W上の液体二酸化炭素LCを凝固させる「凝固手段」としては、冷媒が気体であって、載置台39を介することなく、直接基板Wの表面に当該冷媒気体を吹き付ける形態であっても構わない。また、液体であるか気体であるかを問わず、供給する冷媒の温度は、乾燥処理チャンバ31内の圧力での二酸化炭素の凝固温度未満の温度であればよい。
また、上記第1実施形態では、図4の状態(C)は1気圧のライン上にあるが、三重点よりも低い圧力でかつ固体相領域にあれば1気圧でなくてもかまわない。もっとも、状態(C)は1気圧のライン上にある方が、圧力制御が容易となるために好ましい。
また、上記実施形態では、昇華材として二酸化炭素が用いられているが、三重点(すなわち固相、液相そして気相が共存する状態の温度および圧力)が1気圧以上の物質であれば、他の物質が昇華材として用いられても構わない。また、乾燥処理チャンバ31に供給する窒素ガスの代わりに、他の不活性ガスを用いることも可能である。
さらに、上記実施形態では、第2窒素ガス供給機構44が設けられていたが、このような形態には限られない。第2窒素ガス供給機構44は必ずしも設けられていなくても構わない。第1窒素ガス供給機構33にヒータを設けて加温窒素の供給と常温窒素の供給とを切り替える兼用の構成とすれば、その役割を持たせることも可能である。
この発明は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板に付着した液体を基板から取り除いて乾燥させる基板処理技術全般に適用することができる。
30…基板乾燥装置(基板処理装置)
31…乾燥処理チャンバ(処理室)
32…二酸化炭素供給機構(置換手段)
33…第1窒素ガス供給機構(加圧手段)
34…液体窒素供給機構(凝固手段)
35…排出機構(除去手段)
GNn…窒素ガス
LC…液体二酸化炭素(液状の昇華材)
W…基板

Claims (8)

  1. 液体が付着した基板を収容する処理室に昇華材を供給して前記基板上の前記液体を液状の前記昇華材に置換する置換工程と、
    前記処理室を前記昇華材の三重点よりも高い所定圧力に維持しながら前記基板上の液状の前記昇華材を凝固させる凝固工程と、
    凝固した前記昇華材を昇華させて前記基板上から除去する除去工程とを備え
    前記凝固工程は、前記昇華材の三重点以上の分圧を有する加圧気体を前記処理室に供給して加圧しつつ、前記処理室内の気体を前記処理室外へ排出して前記所定圧力を維持しながら、前記基板上の液状の前記昇華材を冷却して凝固させる、
    ことを特徴とする基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法であって、
    前記置換工程は、前記基板上の前記液体を液状の前記昇華材に置換するにあたって、前記処理室に前記昇華材を供給する初期段階では密閉状態の前記処理室に気体の前記昇華材を供給することによって、前記処理室の内部における圧力及び温度が前記昇華材の三重点における圧力および温度よりも高い状態になり、それによって前記処理室に供給され続ける前記昇華材が液状となって前記基板に付着する、

    基板処理方法。
  3. 請求項2に記載の基板処理方法であって、
    前記凝固工程は、前記凝固した前記昇華材をさらに前記昇華材の三重点以下の温度に冷却する工程を含む基板処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板処理方法であって、
    前記除去工程は、前記処理室を前記昇華材の三重点よりも低い圧力に減圧した後で前記処理室を昇温して前記昇華材を昇華させる基板処理方法。
  5. 請求項4に記載の基板処理方法であって、
    前記除去工程での前記昇華材の三重点よりも低い圧力とは、大気圧である基板処理方法。
  6. 請求項3に記載の基板処理方法であって、
    前記凝固工程は大気圧における前記昇華材の昇華点以上の温度に冷却して前記昇華材を凝固させる基板処理方法。
  7. 請求項6に記載の基板処理方法であって、
    前記除去工程は前記処理室を大気圧に減圧して前記昇華材を昇華させる基板処理方法。
  8. 液体が付着した基板を収容する処理室と、
    前記処理室に昇華材を供給して前記基板上の前記液体を液状の前記昇華材に置換する置換手段と、
    前記基板上の液状の前記昇華材を凝固させる凝固手段と、
    凝固した前記昇華材を昇華させて前記基板上から除去する除去手段と、
    前記凝固手段による前記処理室内での前記昇華材の凝固時に、前記処理室を前記昇華材の三重点よりも高い圧力に加圧する加圧手段と、
    前記凝固手段による前記処理室内での前記昇華材の凝固時に、前記加圧手段と協働し、前記処理室内の気体を前記処理室に排気して前記処理室を前記昇華材の三重点よりも高い所定圧力に維持する圧力維持手段と
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
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