JP7126429B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象になる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等の基板が含まれる。
半導体装置の製造工程では、基板に付着した各種汚染物、前工程で使用した処理液やレジスト等の残渣、あるいは各種パーティクル等(以下「除去対象物」と総称する場合がある。)を除去するために、洗浄工程が実施される。その後、基板の上面を乾燥するために基板を高速回転させるスピンドライ工程が行われる。
洗浄工程では、脱イオン水(DIW:Deionized Water)等の洗浄液を基板に供給することにより、除去対象物を洗浄液の物理的作用によって除去したり、除去対象物と化学的に反応する薬液を基板に供給することにより、当該除去対象物を化学的に除去したりすることが一般的である。
しかし、基板上に形成されるパターンの微細化および複雑化が進んでいるため、除去対象物を洗浄液の物理的作用または薬液の化学的作用で除去することが容易でなくなりつつある。
そこで、基板の上面に成膜用処理液を供給して、当該成膜用処理液を固化または硬化させたトップコート膜を基板上に形成した後、除去液によって当該トップコート膜を溶解して除去する手法が提案されている(下記特許文献1)。
特開2014-197717号公報
ところが、特許文献1に記載の方法では、除去液を基板の上面に供給することによって、トップコート膜を基板の上で溶解させるため、溶解しつつあるトップコート膜から除去対象物が脱落して、その脱落した除去対象物が基板に再付着するおそれがある。したがって、基板の表面を良好に洗浄できないおそれがある。
しかも、除去対象物の除去のために用いた除去液を洗い流すためのリンス液は、パターン内部に入り込む。そして、基板上からリンス液を除去するために、スピンドライ工程が実行される。スピンドライ工程において、パターン内部に入り込んだ液体の表面張力がパターンに作用する。この表面張力により、パターンが倒壊するおそれがある。
詳しくは、図18に示すように、基板の表面を乾燥させる際には、パターン内部に入り込んだ液体の液面(空気と液体との界面)が、パターン内に形成される。そのため、液面とパターンとの接触位置に、液体の表面張力が働く。この表面張力が大きい場合には、パターンの倒壊が起こりやすい。典型的なリンス液であるDIWは、表面張力が大きいために、スピンドライ工程におけるパターンの倒壊が無視できない。
そこで、この発明の1つの目的は、パターン倒壊を抑制しつつ、基板の表面を良好に洗浄することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
この発明の一実施形態は、固体形成物質を含有する処理液を、基板の表面に供給することによって、前記処理液の第1液膜を前記基板の表面に形成する第1液膜形成工程と、固体状態の前記固体形成物質を含有する第1固体膜を前記第1液膜から形成する第1固体膜形成工程と、前記第1固体膜を剥離する剥離液を前記基板の表面に供給することによって、前記基板の表面から前記第1固体膜を剥離して除去する第1固体膜剥離除去工程と、前記第1固体膜を前記基板の表面から除去した後に、前記処理液を前記基板の表面に供給することによって、前記基板の表面に前記処理液の第2液膜を形成する第2液膜形成工程と、固体状態の前記固体形成物質を含有する第2固体膜を前記第2液膜から形成する第2固体膜形成工程と、液体状態を経ないように前記第2固体膜を気化させて、前記第2固体膜を前記基板の表面から除去する第2固体膜気化除去工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、基板の表面において処理液の第1液膜から第1固体膜が形成される。そして、第1固体膜は、基板の表面に供給された剥離液の作用によって基板の表面から剥離されて除去される。つまり、第1固体膜を固体状態に維持したまま基板の表面から除去することができる。そのため、第1固体膜からの除去対象物の脱落を抑制または防止できるので、除去対象物が基板の表面に再付着することを抑制または防止することができる。したがって、基板の表面を良好に洗浄することができる。
第1固体膜が基板の表面から除去された後、基板の表面に同種の処理液を再び供給することによって、処理液の第2液膜が形成される。そして、第2液膜から第2固体膜が形成される。第2固体膜は、液体状態を経ないように気化されて基板の表面から除去される。そのため、処理液から基板の表面に作用する表面張力を、低減することができる。したがって、基板の表面に形成されたパターンの倒壊を抑制または防止することができる。
以上により、基板の表面を良好に洗浄することができ、かつ、基板の表面を良好に乾燥することができる。
また、この基板処理によれば、剥離除去される第1固体膜と、気化除去される第2固体膜とが同種の処理液から形成される。そのため、第1固体膜と第2固体膜とが互いに異なる種類の処理液によって形成される基板処理と比較して、基板処理に用いられる装置を簡素化することができる。これにより、装置コストや装置のフットプリント(設置面積)を抑えることができる。
なお、「同種の処理液」とは、処理液中の固体形成物質の化学式が同じであることをいい、「種類が異なる処理液」とは、処理液中の固体形成物質の化学式が異なっていることをいう。そのため、第1固体膜の形成に用いられる処理液と、第2固体膜の形成に用いられる処理液とで、固体形成物質の濃度や処理液の温度が互いに異なっていても、両処理液中の固体形成物質の化学式が同じであれば、両処理液は、互いに同種の処理液である。
この発明の一実施形態では、前記第1固体膜形成工程が、前記基板の表面に存在する除去対象物を保持する前記第1固体膜を形成する工程を含む。そして、前記第1固体膜剥離除去工程が、前記除去対象物を保持した状態の前記第1固体膜を前記基板の表面から剥離する工程を含む。
この方法によれば、基板の表面に存在する除去対象物は、第1固体膜が形成される際に第1固体膜によって保持され、第1固体膜が基板の表面から剥離される際に基板の表面から引き離される。その後、除去対象物を保持した状態の第1固体膜が、剥離液によって基板の表面から除去される。そのため、基板の表面から引き離された除去対象物が基板の表面に再付着することを抑制または防止することができる。
この発明の一実施形態では、前記処理液が、前記固体形成物質の融液である。そして、前記基板処理方法が、前記第1固体膜形成工程において、前記第1液膜が凝固するように前記第1液膜を冷却する第1冷却工程と、前記第2固体膜形成工程において、前記第2液膜が凝固するように前記第2液膜を冷却する第2冷却工程とをさらに含む。
この方法によれば、第1液膜が凝固するように第1液膜を冷却することによって第1固体膜が形成され、第2液膜が凝固するように第2液膜を冷却することによって第2固体膜が形成される。つまり、融液の冷却という共通の手法によって、第1固体膜および第2固体膜を形成することができる。
ここで、第1固体膜および第2固体膜が互いに異なる手法によって形成される場合、それぞれの手法に必要なユニットを、基板処理に用いられる装置に設けなければならない。たとえば、第1固体膜および第2固体膜のいずれか一方が処理液の加熱によって形成され、かつ、もう一方が処理液の冷却によって形成される場合、基板上の処理液を加熱するためのユニット、および基板上の処理液を冷却するためのユニットの両方が必要となる。
そこで、融液の冷却という共通の手法によって第1固体膜および第2固体膜を形成することができれば、基板上の処理液を冷却するためのユニットのみを設ければ済む。そのため、第1固体膜および第2固体膜が互いに異なる手法によって形成される場合と比較して、基板処理に用いられる装置を簡素化することができる。
この発明の一実施形態では、前記第1冷却工程が、前記第1固体膜剥離除去工程においても継続される。これにより、第1固体膜剥離除去工程の実行中においても、基板上の固体形成物質を溶融させることなく固体状態に維持することができる。そのため、第1固体膜を固体状態に確実に維持したまま基板の表面から除去することができる。したがって、第1固体膜からの除去対象物の脱落を一層抑制または防止し、除去対象物の基板表面への再付着を一層抑制または防止することができる。
この発明の一実施形態では、前記第2冷却工程が、前記第2固体膜気化除去工程においても継続される。これにより、第2固体膜気化除去工程の実行中においても、基板上の固体形成物質を溶融させることなく固体状態に維持することができる。そのため、第2固体膜が液体に変化することを抑制または防止しながら第2固体膜を気化させることができる。したがって、基板の表面に作用する処理液の表面張力を、一層低減することができる。
この発明の一実施形態では、前記処理液が、溶質としての前記固体形成物質と、前記固体形成物質を溶解させる溶媒とを含む。そして、前記基板処理方法が、前記第1固体膜形成工程において、前記第1液膜から前記溶媒を蒸発させて前記固体形成物質を析出させる第1析出工程と、前記第2固体膜形成工程において、前記第2液膜から前記溶媒を蒸発させて前記固体形成物質を析出させる第2析出工程とをさらに含む。
この方法によれば、第1固体膜形成工程および第2固体膜形成工程において、処理液中の溶媒を蒸発させて固体形成物質を析出させることによって、第1固体膜および第2固体膜がそれぞれ形成される。つまり、溶媒の蒸発という共通の手法によって、第1固体膜および第2固体膜を形成することができる。そのため、第1固体膜および第2固体膜が互いに異なる手法によって形成される場合と比較して、基板処理に用いられる装置を簡素化することができる。
この発明の一実施形態では、前記固体形成物質が、固体から気体に昇華する昇華性物質である。前記基板処理方法が、前記第2析出工程において前記第2液膜からの前記溶媒の蒸発が促進されるように前記基板を加熱する基板加熱工程をさらに含む。さらに、前記基板加熱工程が、前記第2固体膜気化除去工程においても継続される。
この方法によれば、第2析出工程において行われる基板の加熱が、第2固体膜気化除去工程においても継続される。そのため、溶媒を蒸発させるために基板を加熱することによって基板に蓄積された熱量を、第2固体膜の加熱に利用することができる。そのため、第2固体膜気化除去工程において、第2固体膜中の固体形成物質を速やかに昇華させることができる。
この発明の一実施形態では、前記第1液膜形成工程および前記第2液膜形成工程では、共通の処理液タンクから吐出ノズルに前記処理液が供給され、前記吐出ノズルから前記基板の表面に向けて前記処理液が吐出される。
この方法によれば、第1液膜形成工程および第2液膜形成工程のいずれにおいても、共通の処理液タンクから吐出ノズルに供給された処理液が基板の表面に向けて吐出される。そのため、第1液膜形成工程において吐出ノズルから基板の表面に向けて吐出される処理液と、第2液膜形成工程において吐出ノズルから基板の表面に向けて吐出される処理液とが、別々の処理液タンクから吐出ノズルに供給される方法と比較して、処理液タンクの数を減らすことができる。したがって、基板処理に用いられる装置を簡素化することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記第1液膜形成工程の開始前に前記基板の表面に薬液を供給する薬液供給工程と、前記薬液供給工程の終了後で、かつ、前記第1液膜形成工程の開始前に、前記基板の表面に付着した前記薬液を洗い流すリンス液を前記基板の表面に供給するリンス液供給工程と、前記リンス液供給工程の終了後で、かつ、前記第1液膜形成工程の開始前に、前記リンス液および前記処理液の両方に対して相溶性を有する第1相溶性液体を前記基板の表面に供給する第1相溶性液体供給工程とをさらに含む。
この方法によれば、第1相溶性液体が、リンス液と処理液との両方に対して相溶性を有する。そのため、リンス液と処理液とが混和しにくい場合であっても、基板上のリンス液を第1相溶性液体で置換し、その後、基板上の第1相溶性液体を処理液で置換することで、基板上のリンス液を処理液に置換することができる。そのため、リンス液と処理液とが混和するか否かに関係なく、リンス液および処理液を選択することができる。したがって、基板の表面に処理液を供給する前に基板の表面を薬液で処理する場合において、リンス液および処理液の選択の自由度が向上される。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記第1固体膜剥離除去工程の終了後であって、かつ、前記第2液膜形成工程の開始前に、前記剥離液および前記処理液の両方に対して相溶性を有する第2相溶性液体を前記基板の表面に供給する第2相溶性液体供給工程をさらに含む。
この方法によれば、第2相溶性液体が、剥離液および処理液の両方に対して相溶性を有する。したがって、剥離液と処理液とが混和しにくい場合であっても、基板上の剥離液を第2相溶性液体で置換し、その後、基板上の第2相溶性液体を処理液で置換することによって、基板上の剥離液を処理液で置換することができる。そのため、剥離液と処理液とが混和するか否かに関係なく、剥離液および処理液を選択することができる。したがって、剥離液および処理液の選択の自由度が向上される。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記第1液膜形成工程の開始から前記第2固体膜形成工程の終了までの間、前記基板を第1チャンバ内に保持する第1基板保持工程と、前記第2固体膜が形成された状態の前記基板を、前記第1チャンバから第2チャンバに搬送する搬送工程と、前記第2固体膜気化除去工程が実行される間、前記第2チャンバ内に保持する第2基板保持工程とをさらに含む。
この方法によれば、基板は、第1液膜形成工程の開始から第2固体膜形成工程の終了までの間、第1チャンバ内に保持され、第2固体膜気化除去工程が実行される間、第2チャンバ内に保持される。そのため、第2チャンバの構成を第2固体膜の気化に特化したものとすることができる。したがって、第2チャンバ内で第2固体膜を気化させて基板の表面を良好に乾燥させることができる。
この発明の一実施形態は、固体形成物質を含有する処理液を、基板の表面に供給する処理液供給ユニットと、前記基板の表面上の前記処理液から固体状態の前記固体形成物質を形成する固体形成ユニットと、固体状態の前記固体形成物質を前記基板の表面から剥離する剥離液を前記基板の表面に供給する剥離液供給ユニットと、前記基板の表面上で固体状態の前記固体形成物質を、液体状態を経ないように気化させる気化ユニットと、前記処理液供給ユニット、前記固体形成ユニット、前記剥離液供給ユニットおよび前記気化ユニットを制御するコントローラとを含む、基板処理装置を提供する。
そして、前記コントローラが、前記処理液を前記処理液供給ユニットから前記基板の表面に供給し、前記処理液の第1液膜を前記基板の表面に形成する第1液膜形成工程と、前記固体形成ユニットによって、固体状態の前記固体形成物質を含有する第1固体膜を前記第1液膜から形成する第1固体膜形成工程と、前記剥離液供給ユニットから前記基板の上面に前記剥離液を供給することによって、前記基板の表面から前記第1固体膜を剥離して除去する第1固体膜剥離除去工程と、前記第1固体膜を前記基板の表面から除去した後に、前記処理液供給ユニットから前記基板の表面に前記処理液を供給することによって、前記処理液の第2液膜を前記基板の表面に形成する第2液膜形成工程と、前記固体形成ユニットによって、固体状態の前記固体形成物質を含有する第2固体膜を前記第2液膜から形成する第2固体膜形成工程と、前記第2固体膜を前記気化ユニットによって気化させて前記基板の表面から前記第2固体膜を除去する第2固体膜気化除去工程とを実行する。
この構成によれば、基板の表面において処理液の第1液膜から第1固体膜が形成される。そして、第1固体膜は、基板の表面に供給された剥離液の作用によって基板の表面から剥離されて除去される。つまり、第1固体膜を固体状態に維持したまま基板の表面から除去することができる。そのため、第1固体膜からの除去対象物の脱落を抑制または防止できるので、除去対象物の基板表面への再付着を抑制または防止することができる。したがって、基板の表面を良好に洗浄することができる。
第1固体膜が基板の表面から除去された後、基板の表面に同種の処理液を再び供給することによって、処理液の第2液膜が形成される。そして、第2液膜から第2固体膜が形成される。第2固体膜は、液体状態を経ないように気化されて基板の表面から除去される。そのため、基板の表面に作用する処理液の表面張力を、低減することができる。したがって、基板の表面に形成されたパターンの倒壊を抑制または防止しつつ基板の表面を乾燥させることができる。
以上により、基板の表面を良好に洗浄することができ、かつ、基板の表面を良好に乾燥することができる。
また、この構成によれば、剥離除去される第1固体膜と、気化除去される第2固体膜とが同種の処理液から形成される。そのため、第1固体膜と第2固体膜とが互いに異なる処理液によって形成される基板処理と比較して、基板処理に用いられる装置を簡素化することができる。これにより、基板処理装置のコストやフットプリントを抑えることができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記処理液が貯留された処理液タンクをさらに含む。そして、前記処理液供給ユニットが、前記処理液を前記基板の表面に吐出する吐出ノズルを含む。そして、前記コントローラが、前記第1液膜形成工程および前記第2液膜形成工程において、前記処理液タンクから前記吐出ノズルに供給された前記処理液を、前記吐出ノズルから前記基板の表面に向けて吐出させる。
この構成によれば、第1液膜形成工程および第2液膜形成工程のいずれにおいても、共通の処理液タンクから吐出ノズルに供給された処理液が基板の表面に向けて吐出される。そのため、第1液膜形成工程において吐出ノズルから基板の表面に向けて吐出される処理液と、第2液膜形成工程において吐出ノズルから基板の表面に向けて吐出される処理液とが、別々の処理液タンクから吐出ノズルに供給される構成と比較して、処理液タンクの数を減らすことができる。したがって、基板処理装置を簡素化することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記処理液供給ユニット、前記固体形成ユニットおよび前記剥離液供給ユニットを収容する第1チャンバと、前記気化ユニットを収容する第2チャンバと、前記第1チャンバから前記第2チャンバに前記基板を搬送する搬送ユニットとをさらに含む。
そして、前記コントローラが、前記第1液膜形成工程の開始から前記第2固体膜形成工程の終了までの間、前記基板を前記第1チャンバ内に保持する第1基板保持工程と、前記第2固体膜が形成された状態の前記基板を、前記搬送ユニットによって、前記第1チャンバから第2チャンバに搬送する搬送工程と、前記第2固体膜気化除去工程が実行される間、前記第2チャンバ内に保持する第2基板保持工程とを実行する。
この構成によれば、基板は、第1液膜形成工程の開始から第2固体膜形成工程の終了までの間、第1チャンバ内に保持され、第2固体膜気化除去工程が実行される間、第2チャンバ内に保持される。そのため、第2チャンバの構成を第2固体膜の気化に特化したものとすることができる。したがって、第2チャンバ内で第2固体膜を気化させて基板の表面を良好に乾燥させることができる。
図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置の内部のレイアウトを示す模式的な平面図である。 図2は、前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの模式図である。 図3は、前記処理ユニットに備えられた中央ノズルに処理液を供給する構成を示す模式図である。 図4は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を示すブロック図である。 図5は、前記基板処理装置で処理される基板のパターン面の構造の一例を説明するための模式的な断面図である。 図6は、前記基板処理装置による基板処理の一例を説明するための流れ図である。 図7Aは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Bは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Cは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Dは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Eは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Fは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Gは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Hは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Iは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Jは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Kは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図7Lは、前記基板処理を示す図解的な断面図である。 図8Aは、前記基板処理における第1固体膜の剥離の様子を示す図解的な断面図である。 図8Bは、前記基板処理における第1固体膜の剥離の様子を示す図解的な断面図である。 図9Aは、前記基板処理における第2固体膜の気化の様子を示す図解的な断面図である。 図9Bは、前記基板処理における第2固体膜の気化の様子を示す図解的な断面図である。 図10は、第1実施形態に係る処理ユニットに備えられた固体形成ユニットの変形例を示す模式図である。 図11は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置に備えられた処理ユニットの模式図である。 図12Aは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Bは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Cは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Dは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Eは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Fは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Gは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Hは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図12Iは、第2実施形態に係る基板処理装置による基板処理を示す図解的な断面図である。 図13は、第2実施形態に係る処理ユニットに備えられた固体形成ユニットの変形例を示す模式図である。 図14は、第2実施形態に係る処理ユニットに備えられた固体形成ユニットの別の変形例を示す模式図である。 図15は、この発明の第3実施形態に係る基板処理装置の模式図である。 図16は、第3実施形態に係る基板処理装置の変形例を示す模式図である。 図17は、第3実施形態に係る基板処理装置の別の変形例を示す模式図である。 図18は、表面張力によるパターン倒壊の原理を説明するための図解的な断面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の内部のレイアウトを示す模式的な平面図である。基板処理装置1は、シリコンウエハ等の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、常温(23℃またはその近傍の値)に維持されたクリーンルーム内に配置されている。図1を参照して、基板処理装置1は、処理流体で基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリヤCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御するコントローラ3とを含む。
搬送ロボットIRは、キャリヤCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。処理流体には、後述する、溶融処理液、混合処理液、リンス液、剥離液、相溶性液体、熱媒、冷媒等の液体や不活性ガス等の気体が含まれる。
図2は、処理ユニット2の構成例を説明するための模式図である。処理ユニット2は、内部空間を有するチャンバ4と、チャンバ4内で基板Wを水平に保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック5と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に対向する対向部材6と、基板Wから外方に飛散する液体を受け止める筒状の処理カップ7と、チャンバ4内の雰囲気を排気する排気ユニット8とを含む。
チャンバ4は、基板Wが通過する搬入搬出口24aが設けられた箱型の隔壁24と、搬入搬出口24aを開閉するシャッタ25と、隔壁24の上部から隔壁24内(チャンバ4内に相当)に清浄空気を送る送風ユニットとしてのFFU(ファン・フィルタ・ユニット)29とを含む。FFU29によってろ過された空気であるクリーンエアは、隔壁24の上部からチャンバ4内に供給される。
スピンチャック5は、基板Wを水平に保持する基板保持ユニットの一例である。基板保持ユニットは、基板ホルダともいう。スピンチャック5は、複数のチャックピン20と、スピンベース21と、回転軸22と、スピンモータ23とを含む。
回転軸22は、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びている。回転軸22の上端部は、スピンベース21の下面中央に結合されている。平面視におけるスピンベース21の中央領域には、スピンベース21を上下に貫通する貫通孔21aが形成されている。貫通孔21aは、回転軸22の内部空間22aと連通している。
スピンモータ23は、回転軸22に回転力を与える。スピンモータ23によって回転軸22が回転されることにより、スピンベース21が回転される。これにより、基板Wが回転軸線A1のまわりに回転される。スピンモータ23は、基板Wを回転軸線A1のまわりに回転させる基板回転ユニットに含まれる。
処理カップ7は、スピンチャック5に保持された基板Wから外方に飛散する液体を受け止める複数のガード71と、複数のガード71によって下方に案内された液体を受け止める複数のカップ72と、複数のガード71と複数のカップ72とを取り囲む円筒状の外壁部材73とを含む。この実施形態では、2つのガード71(第1ガード71Aおよび第2ガード71B)と、2つのカップ72(第1カップ72Aおよび第2カップ72B)とが設けられている例を示している。
第1カップ72Aおよび第2カップ72Bのそれぞれは、上向きに開放された溝状の形態を有している。第1ガード71Aは、スピンベース21を取り囲む。第2ガード71Bは、第1ガード71Aよりも径方向外方でスピンベース21を取り囲む。第1カップ72Aは、第1ガード71Aによって下方に案内された液体を受け止める。第2カップ72Bは、第1ガード71Aと一体に形成されており、第2ガード71Bによって下方に案内された液体を受け止める。
処理ユニット2は、第1ガード71Aおよび第2ガード71Bをそれぞれ別々に昇降させるガード昇降ユニット74を含む。第1ガード71Aは、下位置と上位置との間で昇降する。第2ガード71Bは、下位置と上位置との間で昇降する。
ガード昇降ユニット74は、たとえば、第1ガード71Aに取り付けられた第1ボールねじ機構(図示せず)と、第1ボールねじに駆動力を与える第1モータ(図示せず)と、第2ガード71Bに取り付けられた第2ボールねじ機構(図示せず)と、第2ボールねじ機構に駆動力を与える第2モータ(図示せず)とを含む。ガード昇降ユニット74は、ガードリフタともいう。
排気ユニット8は、処理カップ7の外壁部材73の底部に接続された排気ダクト26と、排気ダクト26を開閉する排気バルブ27とを含む。排気ダクト26は、たとえば、チャンバ4内を吸引する排気装置28に接続されている。排気装置28は、基板処理装置1の一部であってもよいし、基板処理装置1とは別に設けられていてもよい。排気装置28が基板処理装置1の一部である場合、排気装置28は、たとえば、真空ポンプ等である。
チャンバ4内の気体は、排気ダクト26を通じてチャンバ4から排出される。これにより、クリーンエアのダウンフローがチャンバ4内に常時形成される。排気バルブ27の開度を調整することによって、排気ダクト26を流れる気体の流量(排気流量)を調整することができる。
排気バルブ27を調整して排気流量を調整することによって、チャンバ4の内部の圧力が変更される。つまり、チャンバ4の内部の圧力が、コントローラ3によって変更される。たとえば、排気バルブ27を調整して排気流量を大きくすることによって、チャンバ4内を減圧することができる。
対向部材6は、スピンチャック5に保持された基板Wに上方から対向する。対向部材6は、基板Wとほぼ同じ径またはそれ以上の径を有する円板状に形成され、スピンチャック5の上方でほぼ水平に配置されている。対向部材6は、基板Wの上面(上側の表面)に対向する対向面6aを有する。
対向部材6において対向面6aとは反対側には、中空軸60が固定されている。対向部材6において平面視で回転軸線A1と重なる位置を含む部分には、対向部材6を上下に貫通し、中空軸60の内部空間と連通する連通孔が形成されている。
対向部材6は、対向部材6の対向面6aと基板Wの上面との間の空間S内の雰囲気を当該空間の外部の雰囲気から遮断する。そのため、対向部材6は、遮断板とも呼ばれる。
処理ユニット2は、対向部材6の昇降を駆動する対向部材昇降ユニット61をさらに含む。対向部材昇降ユニット61は、下位置から上位置までの任意の位置(高さ)に対向部材6を位置させることができる。下位置とは、対向部材6の可動範囲において、対向部材6の対向面6aが基板Wに最も近接する位置である。上位置とは、対向部材6の可動範囲において対向部材6の対向面6aが基板Wから最も離間する位置である。
対向部材昇降ユニット61は、たとえば、中空軸60を支持する支持部材(図示せず)に取り付けられたボールねじ機構(図示せず)と、当該ボールねじ機構に駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。対向部材昇降ユニット61は、対向部材リフタ(遮断板リフタ)ともいう。
処理ユニット2は、少なくとも水平方向に移動可能な第1移動ノズル10と、少なくとも水平方向に移動可能な第2移動ノズル11と、基板Wの上面の中央領域に対向する中央ノズル12と、基板Wの下面(下側の表面)の中央領域に対向する下面ノズル13とを含む。基板Wの上面の中央領域とは、基板Wの上面において基板Wの回転中心を含む領域のことである。基板Wの上面の回転中心とは、基板Wの上面と回転軸線A1との交差位置である。基板Wの下面の中央領域とは、基板Wの下面において基板Wの回転中心を含む領域のことである。基板Wの下面の回転中心とは、基板Wの下面と回転軸線A1との交差位置である。
第1移動ノズル10は、基板Wの上面に向けて薬液を供給(吐出)する薬液供給ユニットの一例である。
第1移動ノズル10は、第1ノズル移動ユニット36によって、水平方向および鉛直方向に移動される。第1移動ノズル10は、中心位置と、ホーム位置(退避位置)との間で移動することができる。第1移動ノズル10は、中心位置に位置するとき、基板Wの上面の回転中心に対向する。
第1移動ノズル10は、ホーム位置に位置するとき、基板Wの上面には対向せず、平面視において、処理カップ7の外方に位置する。第1移動ノズル10は、鉛直方向への移動によって、基板Wの上面に接近したり、基板Wの上面から上方に退避したりできる。
第1ノズル移動ユニット36は、たとえば、鉛直方向に沿う回動軸(図示せず)と、回動軸に結合されて水平に延びるアーム(図示せず)と、回動軸を昇降させたり回動させたりする回動軸駆動ユニット(図示せず)とを含む。
回動軸駆動ユニットは、回動軸を鉛直な回動軸線まわりに回動させることによってアームを揺動させる。さらに、回動軸駆動ユニットは、回動軸を鉛直方向に沿って昇降することにより、アームを上下動させる。第1移動ノズル10はアームに固定される。アームの揺動および昇降に応じて、第1移動ノズル10が水平方向および鉛直方向に移動する。
第1移動ノズル10は、薬液を案内する薬液配管40に接続されている。薬液配管40に介装された薬液バルブ50が開かれると、薬液が、第1移動ノズル10から下方に連続的に吐出される。
第1移動ノズル10から吐出される薬液は、たとえば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえば、クエン酸、蓚酸等)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液である。これらを混合した薬液の例としては、SPM液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)、SC1液(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)等が挙げられる。
中央ノズル12は、対向部材6の中空軸60の内部空間60aに収容されている。中央ノズル12の先端に設けられた吐出口12aは、基板Wの上面の中央領域に上方から対向する。
中央ノズル12は、処理流体を下方に吐出する複数のチューブ(第1チューブ31、第2チューブ32、第3チューブ33および第4チューブ34)と、複数のチューブを取り囲む筒状のケーシング30とを含む。複数のチューブおよびケーシング30は、回転軸線A1に沿って上下方向に延びている。中央ノズル12の吐出口12aは、複数のチューブの吐出口でもある。
第1チューブ31は、DIW等のリンス液を基板Wの上面に供給するリンス液供給ユニットの一例である。第2チューブ32は、処理液を基板Wの上面に供給する処理液供給ユニットの一例である。この実施形態では、処理液は、固体形成物質の融液である溶融処理液である。そのため、第2チューブ32は、溶融処理液供給ユニットでもある。
第3チューブ33は、リンス液および溶融処理液の両方に対して相溶性を有するIPA等の相溶性液体を基板Wの上面に供給する相溶性液体供給ユニットの一例である。第4チューブ34は、基板Wの上面と対向部材6の対向面6aとの間の空間Sに気体を供給する気体供給ユニットとしての一例である。
第1チューブ31は、リンス液を第1チューブ31に案内するリンス液配管44に接続されている。リンス液配管44に介装されたリンス液バルブ54が開かれると、リンス液が、第1チューブ31(中央ノズル12)から基板Wの上面の中央領域に向けて連続的に吐出される。
第1チューブ31から吐出されるリンス液は、DIWに限られない。第1チューブ31から吐出されるリンス液の例としては、DIWの他に、炭酸水、電解イオン水、希釈濃度(たとえば、1ppm~100ppm程度)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、1ppm~100ppm程度)のアンモニア水、還元水(水素水)等が挙げられる。
第2チューブ32は、溶融処理液を第2チューブ32に案内する処理液配管45の一端に接続されている。図3に示すように、処理液配管45の他端は、溶融処理液が貯留される処理液タンク90に接続されている。処理液タンク90は、チャンバ4に隣接して配置された流体ボックス9(図1も参照)内に配置されている。処理液タンク90には、新液バルブ92が介装された新液配管91が接続されている。新液バルブ92が開かれることで、新たな溶融処理液が、新液配管91を介して、処理液供給源93から処理液タンク90に供給される。
処理液配管45には、ポンプ94、フィルタ95および処理液バルブ55が介装されている。処理液バルブ55が開かれると、処理液タンク90内の溶融処理液がポンプ94によって処理液配管45に送られる。処理液配管45に送られた溶融処理液は、フィルタ95を通った後、第2チューブ32(中央ノズル12)に供給される。第2チューブ32に供給された溶融処理液は、中央ノズル12から基板Wの上面の中央領域に向けて連続的に吐出される。
前述したように、基板処理装置1が配置されたクリーンルーム内は、常温に維持されている。そのため、固体形成物質の凝固点が常温よりも低い温度であれば、固体形成物質は、加熱しなくても液体(融液)に維持される。そのため、この実施形態では、固体形成物質は、凝固点が常温よりも低いことが好ましい。固体形成物質が昇華可能な昇華性物質であれば、不活性ガスの吹き付け、周囲の雰囲気の減圧、加熱によって、固体状態の固体形成物質を容易に昇華させることができる。そのため、固体形成物質は、昇華性物質であることが好ましい。ここで、「昇華」とは、固体が、液体状態を経ずに気体に変化することをいい、気化の一態様である。
常温で融液となる昇華性物質としては、たとえば、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、酢酸、炭酸ジメチル等が挙げられる。1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンは、20℃での蒸気圧が約8266Pa、融点((凝固点)1気圧での凝固点。以下同様。)が20.5℃、沸点が82.5℃である。そのため、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンは、たとえば、20.5℃以下に冷却することによって、固体状態に状態変化する。
第3チューブ33は、IPA等の相溶性液体を第3チューブ33に案内する相溶性液体配管46に接続されている。相溶性液体配管46に介装された相溶性液体バルブ56が開かれると、相溶性液体が、第3チューブ33(中央ノズル12)から基板Wの上面の中央領域に向けて連続的に吐出される。相溶性液体は、リンス液および溶融処理液に加えて、後述する剥離液に対する相溶性も有している。
第3チューブ33から吐出される相溶性液体は、IPAに限られない。第3チューブ33から吐出される相溶性液体の例としては、IPA、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2-ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液等が挙げられる。
第4チューブ34は、気体を第4チューブ34に案内する第1気体配管47に接続されている。第1気体配管47に介装された第1気体バルブ57が開かれると、気体が、第4チューブ34(中央ノズル12)から下方に連続的に吐出される。
第4チューブ34から吐出される気体は、たとえば、窒素ガス(N)等の不活性ガスである。第4チューブ34から吐出される気体は、空気であってもよい。不活性ガスとは、窒素ガスに限られず、基板Wの上面や、基板Wの上面に形成されたパターンに対して不活性なガスのことである。不活性ガスの例としては、窒素ガスの他に、アルゴン等の希ガス類が挙げられる。
中央ノズル12のケーシング30の外周面と中空軸60の内周面との間には、第5チューブ35が配置されている。第5チューブ35は、基板Wの上面と対向部材6の対向面6aとの間の空間Sに気体を供給する気体供給ユニットとしての一例である。第5チューブ35には、第2気体バルブ58が介装された第2気体配管48が接続されている。第2気体バルブ58が開かれると、気体が、第2気体配管48から第5チューブ35に供給され、第5チューブ35の吐出口から下方に連続的に吐出される。
第5チューブ35から吐出される気体は、たとえば、窒素ガス(N)等の不活性ガスである。第5チューブ35から吐出される気体は、空気であってもよい。
第2移動ノズル11は、基板Wの上面に向けて剥離液を供給(吐出)する剥離液供給ユニットの一例である。
第2移動ノズル11は、第2ノズル移動ユニット37によって、水平方向および鉛直方向に移動される。第2移動ノズル11は、中心位置と、ホーム位置(退避位置)との間で移動することができる。第2移動ノズル11は、中心位置に位置するとき、基板Wの上面の回転中心に対向する。
第2移動ノズル11は、ホーム位置に位置するとき、基板Wの上面には対向せず、平面視において、処理カップ7の外方に位置する。第2移動ノズル11は、鉛直方向への移動によって、基板Wの上面に接近したり、基板Wの上面から上方に退避したりできる。
第2ノズル移動ユニット37は、第1ノズル移動ユニット36と同様の構成を有している。すなわち、第2ノズル移動ユニット37は、たとえば、鉛直方向に沿う回動軸(図示せず)と、回動軸および第2移動ノズル11に結合されて水平に延びるアーム(図示せず)と、回動軸を昇降させたり回動させたりする回動軸駆動ユニット(図示せず)とを含む。
第2移動ノズル11から吐出される剥離液は、基板Wの上面から剥離するための液体である。剥離液は、固体形成物質が固体状態を僅かに溶解させる程度の溶解性を有する。剥離液は、固体状態の固体形成物質を通過して基板Wの上面に到達できる程度に固体形成物質に対して親和性を有する。
第2移動ノズル11から吐出される剥離液の例としては、IPAとDIWとの混合液(以下では、「IPA/DIW混合液」という)等が挙げられる。
溶融処理液が1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンである場合、剥離液は、IPA/DIW混合液であることが好ましい。この実施形態では、剥離液が、IPA/DIW混合液である例について説明する。
第2移動ノズル11は、共通バルブ51が介装された共通配管41の一端に接続されている。共通配管41の他端には、IPAバルブ52が介装されたIPA配管42と、DIWバルブ53が介装されたDIW配管43とが接続されている。
共通バルブ51、IPAバルブ52およびDIWバルブ53が開かれると、IPAとDIWとが共通配管41内で混合されてIPA/DIW混合液が調製される。そして、IPA/DIW混合液が、剥離液として、第2移動ノズル11の吐出口から下方に連続的に吐出される。第2移動ノズル11から吐出されるIPA/DIW混合液中のIPAの割合は、数パーセント程度であることが好ましい。
前述したように、中央ノズル12から吐出される相溶性液体は、溶融処理液、リンス液、および剥離液に対して相溶性を有することが好ましい。溶融処理液が1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンであり、リンス液がDIWであり、剥離液がIPA/DIW混合液である場合、相溶性液体は、IPAであることが好ましい。
この実施形態とは異なり、第2移動ノズル11には、予め適切な濃度に調整されたIPA/DIW混合液が供給されてもよい。この場合、第2移動ノズル11は、IPAの濃度が安定したIPA/DIW混合液を吐出することができる。また、IPAとDIWとが、第2移動ノズル11から吐出された後に基板Wの上方で混合されてから基板Wの上面に着液してもよいし、IPAとDIWとが、第2移動ノズル11から吐出された後に、基板Wの上面で混合されてもよい。ノズルから吐出された後にIPAとDIWとが混合される場合、IPAとDIWとが別々のノズルから吐出されてもよい。
下面ノズル13は、スピンベース21の上面中央部で開口する貫通孔21aに挿入されている。下面ノズル13の吐出口13aは、スピンベース21の上面から露出されている。下面ノズル13の吐出口13aは、基板Wの下面の中央領域に下方から対向する。下面ノズル13は、冷媒を基板Wに供給する冷媒供給ユニットの一例である。
下面ノズル13は、冷媒を下面ノズル13に案内する冷媒配管49に接続されている。冷媒配管49に介装された冷媒バルブ59が開かれると、冷媒が、下面ノズル13から基板Wの下面の中央領域に向けて連続的に吐出される。冷媒が、基板Wの下面に供給されることによって、基板W上の液体や固体が基板Wを介して冷却される。
下面ノズル13から吐出される冷媒は、たとえば、固体形成物質の凝固点よりも低い温度のDIW(低温DIW)である。そのため、下面ノズル13から吐出される低温DIWによって、基板W上の溶融処理液を冷却して溶融処理液を凝固させることができる。
溶融処理液が1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンである場合には、低温DIWとして、20.5℃以下に冷却されたDIWが用いられる。下面ノズル13から吐出される冷媒は、低温DIWに限られず、DIW以外の液体、たとえば、リンス液として列挙された液体のいずれかを低温に冷却したものであってもよい。また、下面ノズル13から吐出される冷媒は、気体であってもよく、たとえば、固体形成物質の凝固点よりも低い温度の窒素ガス(不活性ガス)等であってもよい。
図4は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ3は、マイクロコンピュータを備えており、所定のプログラムに従って、基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。より具体的には、コントローラ3は、プロセッサ(CPU)3Aと、プログラムが格納されたメモリ3Bとを含み、プロセッサ3Aがプログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御を実行するように構成されている。
特に、コントローラ3は、搬送ロボットIR,CR、FFU29、スピンモータ23、ノズル移動ユニット36,37、対向部材昇降ユニット61、ガード昇降ユニット74、排気装置28、ポンプ94およびバルブ27,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,92の動作を制御する。バルブ27,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,92が制御されることによって、対応するノズルやチューブからの流体の吐出が制御される。
図5に示すように、基板処理が実行される基板Wの上面には、微細な凹凸パターン160が形成されている。凹凸パターン160は、基板Wの上面に形成された微細な凸状の構造体161と、隣接する構造体161の間に形成された凹部(溝)162とを含む。
凹凸パターン160の表面、すなわち、構造体161(凸部)および凹部162の表面は、凹凸のあるパターン面165を形成している。構造体161の表面161aは、先端面161b(頂部)および側面161cによって構成されており、凹部162の表面は、底面162a(底部)によって構成されている。構造体161が筒状である場合には、その内方に凹部が形成されることになる。
構造体161は、絶縁体膜を含んでいてもよいし、導体膜を含んでいてもよい。また、構造体161は、複数の膜を積層した積層膜であってもよい。
凹凸パターン160は、アスペクト比が3以上の微細パターンである。凹凸パターン160のアスペクト比は、たとえば、10~50である。構造体161の幅L1は5nm~45nm程度、構造体161同士の間隔L2は5nm~数μm程度であってもよい。構造体161の高さ(パターン高さT1)は、たとえば50nm~5μm程度であってもよい。パターン高さT1は、構造体161の先端面161bと凹部162の底面162a(底部)との間の距離である。
図6は、基板処理装置1による基板処理の一例を説明するための流れ図であり、主として、コントローラ3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図7A~図7Lは、基板処理装置1による基板処理を説明するための図解的な断面図である。以下では、主に図2および図6を参照しながら基板処理装置1による基板処理について説明する。図7A~図7Lについては適宜参照する。
基板処理装置1による基板処理では、たとえば、図6に示すように、基板搬入(ステップS1)、薬液処理工程(ステップS2)、リンス工程(ステップS3)、第1相溶性液体供給工程(ステップS4)、第1液膜形成工程(ステップS5)、第1固体膜形成工程(ステップS6)、第1固体膜剥離除去工程(ステップS7)、第2相溶性液体供給工程(ステップS8)、第2液膜形成工程(ステップS9)、第2固体膜形成工程(ステップS10)、第2固体膜気化除去工程(ステップS11)、乾燥工程(ステップS12)および基板搬出(ステップS13)がこの順番で実行される。
具体的には、まず、未処理の基板Wは、搬送ロボットIR,CR(図1参照)によってキャリヤCから処理ユニット2に搬入され、スピンチャック5に渡される(ステップS1)。これにより、基板Wは、スピンチャック5によって水平に保持される(基板水平保持工程)。スピンチャック5による基板Wの保持は、乾燥工程(ステップS12)が終了するまで継続される。基板Wの搬入時には、対向部材6は、上位置に退避しており、複数のガード71は、下位置に退避している。
搬送ロボットCRが処理ユニット2外に退避した後、薬液処理工程(ステップS2)が実行される。薬液処理工程では、基板Wの上面に薬液を供給することによって、基板Wの上面が薬液で処理される。
具体的には、まず、スピンモータ23がスピンベース21を回転させる。これにより、基板Wが回転される(基板回転工程)。薬液処理工程では、スピンベース21は、所定の薬液処理速度で回転される。薬液処理速度は、たとえば、800rpmである。
そして、対向部材6が上位置に位置する状態で、第1ノズル移動ユニット36が第1移動ノズル10を処理位置に移動させる。第1移動ノズル10の処理位置は、たとえば中央位置である。そして、少なくとも1つのガード71が上位置に位置する状態で、薬液バルブ50が開かれる。これにより、図7Aに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、第1移動ノズル10から薬液が供給(吐出)される(薬液供給工程、薬液吐出工程)。
第1移動ノズル10から吐出された薬液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、薬液が基板Wの上面全体に供給され、基板Wの上面全体を覆う薬液の液膜が形成される。
薬液処理工程が一定時間実行された後、リンス工程(ステップS3)が実行される。リンス工程では、DIW等のリンス液を基板Wの上面に供給することによって、基板Wの上面に付着した薬液がリンス液によって洗い流される。
具体的には、薬液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、薬液バルブ50が閉じられる。これにより、基板Wに対する薬液の供給が停止される。そして、第1ノズル移動ユニット36が第1移動ノズル10をホーム位置に移動させる。第1移動ノズル10がホーム位置に退避した状態で、対向部材昇降ユニット61が、対向部材6を処理位置に移動させる。対向部材6の処理位置は、上位置と下位置との間の位置である。
対向部材6が処理位置に位置する状態で、リンス液バルブ54が開かれる。これにより、図7Bに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12からリンス液が供給(吐出)される(リンス液供給工程、リンス液吐出工程)。リンス工程では、スピンベース21は、所定のリンス速度で回転される。リンス速度は、たとえば、800rpmである。
リンス液の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出されたリンス液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上の薬液がリンス液で置換され、基板Wの上面全体を覆うリンス液の液膜が形成される。
リンス工程が一定時間実行された後、第1相溶性液体供給工程(ステップS4)が実行される。第1相溶性液体供給工程では、リンス液および溶融処理液の両方に対して相溶性を有するIPA等の相溶性液体(第1相溶性液体)が基板Wの上面に供給されることによって、基板W上のリンス液が相溶性液体に置換される。
具体的には、相溶性液体の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、リンス液バルブ54が閉じられる。これにより、基板Wに対するリンス液の供給が停止される。そして、対向部材6が処理位置に位置する状態で、相溶性液体バルブ56が開かれる。これにより、図7Cに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12から相溶性液体が供給(吐出)される(第1相溶性液体供給工程、第1相溶性液体吐出工程)。第1相溶性液体供給工程では、スピンベース21は、所定の第1相溶性液体速度で回転される。第1相溶性液体速度は、たとえば、800rpmである。
相溶性液体の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出された相溶性液体は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上のリンス液が相溶性液体で置換され、基板Wの上面全体を覆う相溶性液体の液膜が形成される。
第1相溶性液体供給工程が一定時間実行された後、第1液膜形成工程(ステップS5)が実行される。第1液膜形成工程では、基板Wの上面に溶融処理液を供給することによって、基板Wの上面に溶融処理液の液膜(第1溶融処理液膜100)が形成される。
具体的には、相溶性液体の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、相溶性液体バルブ56が閉じられる。これにより、基板Wに対する相溶性液体の供給が停止される。そして、対向部材6が処理位置に位置する状態で、処理液バルブ55が開かれる。これにより、図7Dに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12から溶融処理液が供給(吐出)される(第1溶融処理液供給工程、第1溶融処理液吐出工程)。第1溶融処理液供給工程では、スピンベース21は、所定の第1溶融処理液速度で回転される。第1溶融処理液速度は、たとえば、300rpmである。
溶融処理液の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出された溶融処理液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上の相溶性液体が溶融処理液で置換され、基板Wの上面全体を覆う第1溶融処理液膜100が形成される(第1液膜形成工程)。
溶融処理液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、処理液バルブ55が閉じられる。これにより、基板Wに対する溶融処理液の供給が停止される。溶融処理液の供給が停止された後、対向部材昇降ユニット61は、対向部材6を処理位置よりも下方(たとえば下位置)に移動させる。溶融処理液の吐出が停止された後、スピンベース21の回転速度は、所定の第1薄膜化速度にされる。第1薄膜化速度は、たとえば、300rpmであり、第1溶融処理液速度と同じ回転速度である。そのため、基板Wは、溶融処理液の吐出の停止後も、溶融処理液の吐出中と同じ速度で回転する。基板Wの回転が継続される一方で、溶融処理液の吐出が停止される。そのため、基板Wの上面には新たに溶融処理液が供給されないにもかかわらず、遠心力によって溶融処理液が基板W外に飛散する。これにより、基板Wの上面の溶融処理液の量が減少する。そのため、図7Eに示すように、第1溶融処理液膜100の厚みが薄くなる(第1薄膜化工程)。
基板Wの上面の第1溶融処理液膜100が薄膜化された後、第1固体膜形成工程(ステップS6)が実行される。第1固体膜形成工程では、第1溶融処理液膜100を冷却して凝固させることによって第1固体膜110が形成される。
具体的には、溶融処理液の供給の停止と同時に、または溶融処理液の供給が停止されてから所定時間が経過した後に、対向部材6を処理位置よりも下方に維持した状態で冷媒バルブ59が開かれる。これにより、図7Fに示すように、回転状態の基板Wの下面に向けて、下面ノズル13から冷媒が供給(吐出)される(第1冷媒供給工程、第1冷媒吐出工程)。スピンベース21の回転速度は、所定の第1冷却速度にされる。第1冷却速度は、たとえば、300rpmである。
下面ノズル13から吐出された冷媒は、回転状態の基板Wの下面に着液した後、遠心力によって基板Wの下面に沿って外方に流れて基板Wの下面全体に広がる。基板Wの下面全体に広がる冷媒によって基板Wが冷却される(基板冷却工程)。基板Wの上面の第1溶融処理液膜100は、基板Wを介して冷媒によって冷却される(第1冷却工程)。下面ノズル13から吐出された冷媒の温度は、固体形成物質の凝固点よりも低いため、図7Fに示すように、基板Wの上面の固体形成物質(第1溶融処理液膜100)が凝固して基板Wの上面に第1固体膜110が形成される(第1凝固工程、第1固体膜形成工程)。第1固体膜110は、固体状態の固体形成物質を含有している。この実施形態では、下面ノズル13が、固体形成ユニットとして機能する。下面ノズル13は、固体形成物質の凝固点以下に基板W上の溶融処理液を、冷却する冷却ユニットでもある。
図8Aに示すように、第1固体膜110が形成される際に、基板Wのパターン面165に付着していたパーティクル等の除去対象物150が、当該基板Wから引き離されて、第1固体膜110中に保持される。
基板Wの上面に第1固体膜110が形成された後、第1固体膜剥離除去工程(ステップS7)が実行される。第1固体膜剥離除去工程では、基板Wの上面に剥離液を供給することによって、基板Wの上面から第1固体膜110が剥離されて除去される。
具体的には、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を上位置に移動させる。対向部材6が上位置に位置する状態で、第2ノズル移動ユニット37が、第2移動ノズル11を処理位置に移動させる。第2移動ノズル11の処理位置は、たとえば中央位置である。
そして、共通バルブ51、IPAバルブ52およびDIWバルブ53が開かれる。これにより、図7Gに示すように、回転状態の基板Wの上面(第1固体膜110の上面)に向けて、第2移動ノズル11からIPA/DIW混合液(剥離液)が供給(吐出)される(剥離液供給工程、剥離液吐出工程)。
共通バルブ51、IPAバルブ52およびDIWバルブ53が開かれる際、冷媒バルブ59は開かれた状態で維持されている。すなわち、第1冷却工程(基板冷却工程)が、第1固体膜剥離除去工程においても継続されている。これにより、第1固体膜110を固体状態に維持しながら、基板Wの上面から第1固体膜110を剥離することができる。
剥離液供給工程では、スピンベース21は、所定の剥離処理速度で回転される。剥離処理速度は、たとえば、10rpm~1000rpmである。
剥離液の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
第2移動ノズル11から吐出された剥離液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れて基板Wの上面全体に広がる。第1固体膜110の上面に付着した剥離液は、第1固体膜110を通過して、基板Wの上面(パターン面165)と第1固体膜110との界面に達する。剥離液は、第1固体膜110を部分的に溶解させて貫通孔を形成することによって第1固体膜110を通過してもよいし、第1固体膜110に浸透することによって第1固体膜110を通過してもよい。
剥離液の作用によって、図8Bに示すように、第1固体膜110が、分裂して膜片となり、除去対象物150を保持した状態で基板Wから剥離される(剥離工程)。そして、第1固体膜110が剥離液に流されて基板W外に排除されることによって、第1固体膜110とともに除去対象物150が基板Wの上面から除去される(第1除去工程、第1固体膜剥離除去工程)。
第1固体膜110が基板Wの上面から除去された後、つまり、剥離液供給工程の終了後に第2相溶性液体供給工程(ステップS8)が実行される。第2相溶性液体供給工程では、剥離液および溶融処理液の両方に対して相溶性を有するIPA等の相溶性液体(第2相溶性液体)を基板Wの上面に供給することによって、基板W上の剥離液が相溶性液体に置換される。
具体的には、剥離液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、共通バルブ51、IPAバルブ52およびDIWバルブ53が閉じられる。これにより、基板Wに対するIPA/DIW混合液(剥離液)の供給が停止される。また、冷媒バルブ59も閉じられる。これにより、基板Wに対する冷媒の供給が停止される。
そして、第2ノズル移動ユニット37が第2移動ノズル11をホーム位置に移動させる。第2移動ノズル11がホーム位置に退避した状態で、対向部材昇降ユニット61が、対向部材6を処理位置に移動させる。そして、相溶性液体バルブ56が開かれる。これにより、図7Hに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12からIPA等の相溶性液体が供給(吐出)される(第2相溶性液体供給工程、第2相溶性液体吐出工程)。第2相溶性液体供給工程では、スピンベース21は、所定の第2相溶性液体速度で回転される。第2相溶性液体速度は、たとえば、800rpmである。
相溶性液体の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出された相溶性液体は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上の剥離液が相溶性液体で置換され、基板Wの上面全体を覆う相溶性液体の液膜が形成される。
第2相溶性液体供給工程が一定時間実行された後、第2液膜形成工程(ステップS9)が実行される。第2液膜形成工程では、基板Wの上面に溶融処理液を供給することによって、基板Wの上面に溶融処理液の液膜(第2溶融処理液膜101)が形成される。
具体的には、相溶性液体の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、相溶性液体バルブ56が閉じられる。これにより、基板Wに対する相溶性液体の供給が停止される。そして、対向部材6が処理位置に位置する状態で、処理液バルブ55が開かれる。これにより、図7Iに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12から溶融処理液が供給(吐出)される(第2溶融処理液供給工程、第2溶融処理液吐出工程)。第2溶融処理液供給工程では、スピンベース21は、所定の第2溶融処理液速度で回転される。第2溶融処理液速度は、たとえば、300rpmである。
溶融処理液の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出された溶融処理液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、図7Iに示すように、基板W上の相溶性液体が溶融処理液で置換され、基板Wの上面全体を覆う第2溶融処理液膜101が形成される(第2液膜形成工程)。
第2液膜形成工程において基板Wの上面に供給される溶融処理液は、第1液膜形成工程と同じ吐出ノズル(中央ノズル12)から吐出される。中央ノズル12の第2チューブ32には、単一の処理液タンク90に貯留された溶融処理液が供給される。すなわち、第1液膜形成工程および第2液膜形成工程では、共通の処理液タンク90から中央ノズル12に溶融処理液が供給され、中央ノズル12から基板Wの上面に向けて溶融処理液が吐出される。
溶融処理液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、処理液バルブ55が閉じられる。これにより、基板Wに対する溶融処理液の供給が停止される。溶融処理液の供給が停止された後、対向部材昇降ユニット61は、対向部材6を処理位置よりも下方(たとえば、下位置)に移動させる。溶融処理液の吐出が停止された後、スピンベース21の回転速度は、所定の第2薄膜化速度にされる。第2薄膜化速度は、たとえば、300rpmであり、第2溶融処理液速度と同じ回転速度である。そのため、基板Wは、溶融処理液の吐出の停止後も、溶融処理液の吐出中と同じ速度で回転する。
基板Wの回転が継続される一方で、溶融処理液の吐出が停止される。そのため、基板Wの上面には新たに溶融処理液が供給されないにもかかわらず、遠心力によって溶融処理液が基板W外に飛散する。これにより、基板Wの上面の溶融処理液の量が減少する。そのため、図7Jに示すように、第2溶融処理液膜101の厚みが薄くなる(第2薄膜化工程)。
基板Wの上面の第2溶融処理液膜101が薄膜化された後、第2固体膜形成工程(ステップS10)が実行される。第2固体膜形成工程では、第2溶融処理液膜101を冷却して凝固させることによって第2固体膜111が形成される。
具体的には、溶融処理液の供給の停止と同時に、または溶融処理液の供給が停止されてから所定時間の経過した後に、対向部材6を処理位置よりも下方に維持した状態で冷媒バルブ59が開かれる。これにより、図7Kに示すように、回転状態の基板Wの下面に向けて、下面ノズル13から冷媒が供給(吐出)される(第2冷媒供給工程、第2冷媒吐出工程)。スピンベース21の回転速度は、所定の第2冷却速度にされる。第2冷却速度は、たとえば、300rpmである。
下面ノズル13から吐出された冷媒は、回転状態の基板Wの下面に着液した後、遠心力によって基板Wの下面に沿って外方に流れて基板Wの下面全体に広がる。基板Wの下面全体に広がる冷媒によって基板Wが冷却される(基板冷却工程)。基板Wの上面の第2溶融処理液膜101は、基板Wを介して冷媒によって冷却される(第2冷却工程)。下面ノズル13から吐出された冷媒の温度は、固体形成物質の凝固点よりも低いため、図7Kに示すように、基板Wの上面の固体形成物質(第2溶融処理液膜101)が凝固して、基板Wの上面に第2固体膜111が形成される(第2凝固工程、第2固体膜形成工程)。
第2固体膜111は、第1固体膜110(図7F参照)と同様に、固体状態の固体形成物質を含有している。図9Aに示すように、第2固体膜111の厚みT2は、パターン高さT1よりも厚く、かつ、可能な限り薄く設定されていることが好ましい。
基板Wの上面に第2固体膜111が形成された後、第2固体膜気化除去工程(ステップS11)が実行される。第2固体膜気化除去工程では、液体状態を経ないように第2固体膜111が昇華することによって、第2固体膜111が基板Wの上面から除去される。
具体的には、対向部材6が処理位置よりも下方に維持した状態で、第1気体バルブ57および第2気体バルブ58が開かれる。これにより、図7Lに示すように、対向部材6の対向面6aと基板Wの上面との間の空間Sに窒素ガス等の不活性ガスが供給される。第1気体バルブ57および第2気体バルブ58が開かれる際、冷媒バルブ59は開かれた状態で維持されている。すなわち、第2冷却工程(基板冷却工程)が第2固体膜気化除去工程においても継続されている。そのため、第2固体膜111が基板W上に形成された状態を維持しながら空間Sへの不活性ガスの供給が行われる。
第2固体膜111が維持された状態で空間Sに不活性ガスが供給されることによって、空間Sから気体状態の固体形成物質が押し出されて空間Sにおける固体形成物質の分圧が低下する。これにより、空間Sにおける固体形成物質の分圧が蒸気圧に近づくように固体形成物質が昇華する(昇華工程、気化工程)。なお、対向部材6が基板Wの上面に近接しているため、空間S内の雰囲気が不活性ガスで置換されやすい。そのため、空間Sにおける固体形成物質の分圧を効率良く低減できる。
スピンベース21の回転速度は、所定の昇華速度にされる。昇華速度は、たとえば、300rpmである。基板Wに回転によって、第2固体膜211の昇華が促進される(昇華工程、気化工程)。
最終的に、図9Bに示すように、凹凸パターン160の凹部162内に位置する固体状態の固体形成物質が昇華し尽くされて、第2固体膜111が除去される(第2除去工程、第2固体膜気化除去工程)。このように、第4チューブ34(中央ノズル12)、第5チューブ35およびスピンモータ23が、気化ユニット(昇華ユニット)として機能する。
また、FFU29および排気ユニット8がダウンフローの流速を高めて、チャンバ4内の換気を促進してもよい。これにより、第2固体膜111の昇華が促進される。すなわち、FFU29および排気ユニット8も、気化ユニットとして機能する。排気バルブ27を調整して排気流量を大きくすることによって、チャンバ4を減圧してもよい(減圧工程)。チャンバ4内の減圧、すなわち第2固体膜111の周囲の雰囲気の減圧によって、第2固体膜111の昇華が促進される。
第2溶融処理液膜101が厚いほど、第2固体膜111に残留する内部応力(歪み)が大きくなる。第2溶融処理液膜101を薄くすることで、第2固体膜111に残留する内部応力を、小さくすることができる。
また、第2固体膜111が薄いほど、第2固体膜気化除去工程後において基板Wの上面に残存する残渣が少ない。第2溶融処理液膜101を薄くすることで、第2固体膜111を薄く調整することができる。これにより、第2固体膜気化除去工程後における残渣の発生を抑制できる。
基板Wの上面から第2固体膜111が除去された後、基板Wの上面をさらに乾燥させるために、乾燥工程(ステップS12)が実行される。
具体的には、対向部材6が下位置に維持された状態で、スピンモータ23が、スピンベース21の回転速度を所定の乾燥速度に設定する。乾燥速度は、たとえば、1500rpmである。そして、第1気体バルブ57が閉じられる。これにより、中央ノズル12からの不活性ガスの供給が停止される。
乾燥工程の後は、スピンベース21の回転が停止され、第2気体バルブ58が閉じられて第5チューブ35からの不活性ガスの供給が停止される。そして、対向部材昇降ユニット61が、対向部材6を上位置に移動させ、ガード昇降ユニット74が複数のガード71を下位置に移動させる。その後、搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5から処理済みの基板Wをすくい取って、処理ユニット2外へと搬出する(ステップS13)。その基板Wは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリヤCに収納される。
第1実施形態によれば、基板Wの上面において第1溶融処理液膜100が凝固されることによって、第1固体膜110が形成される。そして、第1固体膜110は、基板Wの上面に供給された剥離液の作用によって基板Wの上面から剥離されて除去される。つまり、第1固体膜110を固体状態に維持したまま基板Wの上面から除去することができる。そのため、第1固体膜110からの除去対象物150の脱落を抑制または防止できるので、除去対象物150が基板Wの上面に再付着することを抑制または防止することができる。したがって、基板Wの上面を良好に洗浄することができる。
第1固体膜110が基板Wの上面から除去された後、基板Wの上面に同種の溶融処理液を再び供給することによって、溶融処理液の第2溶融処理液膜101が形成される。そして、第2溶融処理液膜101が凝固されることによって第2固体膜111が形成される。第2固体膜111は、液体状態を経ないように昇華されて基板Wの上面から除去される。そのため、溶融処理液から基板の上面に作用する表面張力を低減することができる。したがって、基板Wの上面に形成された凹凸パターン160の倒壊を抑制または防止しつつ基板Wの上面を乾燥させることができる。
以上により、基板Wの上面を良好に洗浄することができ、かつ、基板Wの上面を良好に乾燥することができる。
また、第1実施形態によれば、剥離除去される第1固体膜110と、気化除去される第2固体膜111とが同種の溶融処理液から形成される。そのため、第1固体膜110と第2固体膜111とが互いに異なる種類の(固体形成物質の化学式が異なる)処理液によって形成される基板処理と比較して、基板処理装置1を簡素化することができる。これにより、装置コストや装置のフットプリント(設置面積)を抑えることができる。
具体的には、第1実施形態に係る基板処理装置1では、第1液膜形成工程および第2液膜形成工程のいずれにおいても、共通の処理液タンク90から中央ノズル12に供給された溶融処理液が、中央ノズル12から基板Wの上面に向けて吐出される。そのため、第1液膜形成工程において中央ノズル12から吐出される処理液と、第2液膜形成工程において中央ノズル12から吐出される処理液とが、別々の処理液タンクから中央ノズル12に供給される方法と比較して、処理液タンクの数を減らすことができる。したがって、基板処理装置1を簡素化することができる。
なお、「同種の溶融処理液」とは、溶融処理液中の固体形成物質の化学式が同じであることをいい、「種類が異なる溶融処理液」とは、溶融処理液中の固体形成物質の化学式が異なっていることをいう。そのため、第1固体膜110の形成に用いられる溶融処理液と、第2固体膜111の形成に用いられる溶融処理液とで、溶融処理液の温度が互いに異なっていても、両溶融処理液の固体形成物質の化学式が同じであれば、両溶融処理液は、互いに同種の溶融処理液である。
また、剥離除去される第1固体膜110と気化除去される第2固体膜111とが同じ溶融処理液から形成されるので、仮に、剥離液で第1固体膜110を剥離除去した後に、基板Wの上面に第1固体膜110の残渣が付着していた場合であっても、第2固体膜111を気化除去する際に、第2固体膜111とともに第1固体膜110の残渣を除去することができる。したがって、基板Wの上面から第1固体膜110の残渣を確実に除去することができるので、基板Wの上面を良好に洗浄することができ、かつ、基板Wの上面を良好に乾燥することができる。
また、第1実施形態によれば、基板Wの上面に存在する除去対象物150は、第1固体膜110が形成される際に第1固体膜110によって保持され、第1固体膜110が基板Wの上面から剥離される際に基板Wの上面から引き離される。その後、除去対象物150を保持した状態の第1固体膜110が、剥離液によって基板Wの上面から除去される。そのため、基板Wの上面から引き離された除去対象物150が基板Wの上面に再付着することを抑制または防止することができる。
また、第1実施形態によれば、第1溶融処理液膜100が凝固するように第1溶融処理液膜100を冷却することによって第1固体膜110が形成され、第2溶融処理液膜101が凝固するように第2溶融処理液膜101を冷却することによって第2固体膜111が形成される。つまり、溶融処理液の冷却という共通の手法によって、第1固体膜110および第2固体膜111を形成することができる。
ここで、第1実施形態とは異なり、第1固体膜110および第2固体膜111が互いに異なる手法によって形成される場合、それぞれの手法に必要なユニットを、基板処理装置1に設けなければならない。たとえば、第1固体膜110および第2固体膜111のいずれか一方が処理液の加熱によって形成され、かつ、もう一方が処理液の冷却によって形成される場合、基板W上の処理液を加熱するためのユニット、および基板W上の処理液を冷却するためのユニットの両方が必要となる。
第1実施形態のように共通の固体形成ユニット(下面ノズル13)を用いて第1固体膜110および第2固体膜111を形成することができれば、基板処理装置1を簡素化することができる。
また、第1実施形態によれば、第1凝固工程において実行される第1冷却工程(基板冷却工程)が、第1固体膜剥離除去工程においても継続される。これにより、第1固体膜剥離除去工程の実行中においても、基板W上の固体形成物質を溶融させることなく固体状態に維持することができる。そのため、第1固体膜110を固体状態に確実に維持したまま基板Wの上面から除去することができる。したがって、第1固体膜110からの除去対象物150の脱落を一層抑制または防止し、除去対象物150の基板Wの上面への再付着を一層抑制または防止することができる。
また、第1実施形態によれば、第2凝固工程において実行される第2冷却工程(基板冷却工程)が、第2固体膜気化除去工程においても継続される。これにより、第2固体膜気化除去工程の実行中においても、基板W上の固体形成物質を溶融させることなく固体状態に維持することができる。そのため、第2固体膜111が液体に変化することを抑制または防止しながら第2固体膜111を気化させることができる。したがって、基板Wの上面に作用する表面張力を、一層低減することができる。
また、第1実施形態によれば、リンス液供給工程の終了後で、かつ、第1液膜形成工程の開始前に、リンス液および溶融処理液の両方に対して相溶性を有する相溶性液体が基板Wの上面に供給される(第1相溶性液体供給工程)。そのため、リンス液と溶融処理液とが混和しにくい場合であっても、基板W上のリンス液を相溶性液体で置換し、その後、基板W上の相溶性液体を溶融処理液で置換することで、基板W上のリンス液を溶融処理液に置換することができる。そのため、リンス液と溶融処理液とが混和するか否かに関係なく、リンス液および溶融処理液を選択することができる。したがって、リンス液および溶融処理液の選択の自由度が向上される。
また、第1実施形態によれば、第1固体膜剥離除去工程(剥離液供給工程)の終了後であって、かつ、第2液膜形成工程の開始前に、剥離液および溶融処理液の両方に対して相溶性を有する相溶性液体が基板Wの上面に供給される(第2相溶性液体供給工程)。そのため、剥離液と溶融処理液とが混和しにくい場合であっても、基板W上の剥離液を相溶性液体で置換し、その後、基板W上の相溶性液体を溶融処理液で置換することによって、基板W上の剥離液を溶融処理液で置換することができる。そのため、剥離液と溶融処理液とが混和するか否かに関係なく、剥離液および溶融処理液を選択することができる。したがって、剥離液および溶融処理液の選択の自由度が向上される。
上述したように、第1実施形態では、下面ノズル13が固体形成ユニットの一例である。しかしながら、固体形成ユニットは、下面ノズル13に限られない。図10に示すように、基板Wの下面に下方から対向するクーリングプレート120を、固体形成ユニット(冷却ユニット)として用いることもできる。
クーリングプレート120は、スピンベース21の上面と、複数のチャックピン20に挟持された基板Wの下面との間に配置されている。クーリングプレート120の上面120aは、基板Wの下面の全域に対向している。スピンベース21が回転してもクーリングプレート120は回転しない。
クーリングプレート120には、内蔵冷媒管121が内蔵されている。内蔵冷媒管121には、内蔵冷媒管121に冷媒を供給する冷媒供給管122と、内蔵冷媒管121から冷媒を排出する冷媒排出管123とが接続されている。クーリングプレート120の下面には、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びる中空の昇降軸125が結合されている。昇降軸125は、スピンベース21の中央部に形成された貫通孔21aと、中空の回転軸22とを挿通している。
冷媒供給管122および冷媒排出管123は、昇降軸125を挿通している。冷媒供給管122には、冷媒供給バルブ124が介装されている。冷媒供給バルブ124が開かれることにより、内蔵冷媒管121に冷媒が供給される。内蔵冷媒管121に冷媒が供給されることによって、クーリングプレート120が冷却される。
昇降軸125には、クーリングプレート120をスピンベース21に対して相対的に昇降させるクーラ昇降ユニット126が連結されている。クーラ昇降ユニット126は、たとえば、ボールねじ機構(図示せず)と、それに駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。クーラ昇降ユニット126は、クーラリフタともいう。
クーリングプレート120は、クーラ昇降ユニット126によって、基板Wの下面に接触する位置、または、基板Wの下面に近接する位置に配置されることによって、基板Wを介して基板W上の溶融処理液を冷却することができる。
クーリングプレート120は、上昇させられる過程で、チャックピン20から基板Wを持ち上げて上面120aによって基板Wを支持するように構成されていてもよい。そのためには、複数のチャックピン20は、基板Wの周端に接触して基板Wを把持する閉状態と、基板Wの周端から退避した開状態との間で開閉可能であり、開状態において、基板Wの周端から離間して把持を解除する一方で、基板Wの周縁部の下面に接触して、基板Wを下方から支持するように構成されている必要がある。
図示しないが、対向部材6がその内部に冷媒を供給できるように構成されていれば、対向部材6を固体形成ユニットとして用いることもできる。
<第2実施形態>
図11は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置1Pに備えられた処理ユニット2Pの模式図である。図11ならびに後述する図12A~図12I、図13および図14において、前述の図1~図10に示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態に係る処理ユニット2Pが第1実施形態の処理ユニット2(図2参照)と主に異なる点は、溶融処理液の代わりに、混合処理液が用いられる点である。
具体的には、中央ノズル12の第2チューブ32が、溶媒と溶質とを混合して調製された処理液を基板Wの上面に供給する処理液供給ユニットの一例である。第2実施形態において第2チューブ32から吐出される処理液は、溶質としての固体形成物質を溶媒に溶解させた溶液である。溶質としての固体形成物質と、固体形成物質を溶解させる溶媒とによって構成される処理液を混合処理液という。そのため、第2チューブ32は、混合処理液供給ユニットでもある。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第2チューブ32は、混合処理液を第2チューブ32に案内する処理液配管45の一端に接続されており、処理液配管45の他端は、処理液タンク90に接続されている(図3も参照)。第2実施形態では、処理液タンク90には混合処理液が貯留されている。処理液バルブ55が開かれると、処理液タンク90内の混合処理液がポンプ94によって処理液配管45に送られる。処理液配管45に送られた混合処理液は、フィルタ95を通った後、第2チューブ32(中央ノズル12)に供給され、第2チューブ32(中央ノズル12)から基板Wの上面の中央領域に向けて連続的に吐出される。
混合処理液に含まれる溶媒は、常温で液体状態を維持し、混合処理液に含まれる溶質は、常温で固体状態を維持する。そのため、加熱等によって溶媒を蒸発させることによって、固体状態の固体形成物質が析出する。固体状態の固体形成物質は、不活性ガスの吹き付けや周囲の雰囲気の減圧によって、液体状態を経ずに気体状態に状態変化可能な昇華性物質であることが好ましい。
常温で固体状態を維持する昇華性物質としては、たとえば、2-メチル-2-プロパノール(別名:tert-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール)やシクロヘキサノール等のアルコール類、フッ化炭化水素化合物、1,3,5-トリオキサン(別名:メタホルムアルデヒド)、樟脳(別名:カンフル、カンファー)、ナフタレン、およびヨウ素が挙げられる。
たとえば、昇華性物質として樟脳を用いた場合には、溶媒としてIPA、メタノール、アセトン、およびPGEE等を用いることができる。樟脳の凝固点は、175℃~177℃である。
第2実施形態では、下面ノズル13は、熱媒を下面ノズル13に案内する熱媒配管80に接続されている。熱媒バルブ81は、コントローラ3によって制御される(図4を参照)。熱媒配管80に介装された熱媒バルブ81が開かれると、熱媒が、下面ノズル13から基板Wの下面の中央領域に向けて連続的に吐出される。
下面ノズル13から吐出される熱媒は、たとえば、常温よりも高い温度のDIW(高温DIW)である。基板W上で混合処理液が沸騰しないように、下面ノズル13から吐出される熱媒は、混合処理液の溶媒の沸点よりも低い温度であることが好ましい。溶媒がIPAである場合には、高温DIWは、IPAの沸点である82.4℃よりも低いことが好ましい。
下面ノズル13から吐出される熱媒は、高温DIWに限られず、DIW以外の液体、たとえば、リンス液として列挙された液体のいずれかを高温に加熱したものであってもよい。また、下面ノズル13から吐出される熱媒は、気体であってもよく、たとえば、常温よりも高い温度の窒素ガス(不活性ガス)等であってもよい。
また、混合処理液中の固体形成物質が樟脳である場合、剥離液は、IPA/DIW混合液であることが好ましい。また、相溶性液体としては、混合処理液、リンス液および剥離液に対して相溶性を有する液体が用いられる。混合処理液が樟脳およびIPAの混合液であり、リンス液がDIWであり、剥離液がIPA/DIW混合液である場合、相溶性液体は、IPAであることが好ましい。
図12A~図12Iは、第2実施形態に係る基板処理装置1Pによる基板処理を説明するための図解的な断面図である。第2実施形態に係る基板処理装置1Pでは、第1実施形態に係る基板処理装置1による基板処理(図6参照)と同様の基板処理が可能である。以下では、主に図11および図6を参照しながら基板処理装置1Pによる基板処理について説明する。図12A~図12Iについては適宜参照する。
まず、第1実施形態に係る基板処理と同様に、基板搬入(ステップS1)~第1相溶性液体供給工程(ステップS4)が実行される。
第1相溶性液体供給工程が一定時間実行された後、第1液膜形成工程(ステップS5)が実行される。第1液膜形成工程では、基板Wの上面に混合処理液を供給することによって、基板Wの上面に混合処理液の液膜(第1混合処理液膜200)が形成される。
具体的には、相溶性液体の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、相溶性液体バルブ56が閉じられる。これにより、基板Wに対する相溶性液体の供給が停止される。そして、対向部材6が処理位置に位置する状態で、処理液バルブ55が開かれる。これにより、図12Aに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12から混合処理液が供給(吐出)される(第1混合処理液供給工程、第1混合処理液吐出工程)。第1混合処理液供給工程では、スピンベース21は、所定の第1混合処理液速度で回転される。第1混合処理液速度は、たとえば、300rpmである。
混合処理液の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出された混合処理液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上の相溶性液体が混合処理液で置換され、基板Wの上面全体を覆う第1混合処理液膜200が形成される(第1液膜形成工程)。
混合処理液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、処理液バルブ55が閉じられる。これにより、基板Wに対する混合処理液の供給が停止される。混合処理液の供給が停止された後、対向部材昇降ユニット61は、対向部材6を処理位置よりも下方(たとえば、下位置)に移動させる。
混合処理液の吐出が停止された後、スピンベース21の回転速度は、所定の第1薄膜化速度にされる。第1薄膜化速度は、たとえば、300rpmであり、第1混合処理液速度と同じ回転速度である。そのため、基板Wは、混合処理液の吐出の停止後も、混合処理液の吐出中と同じ速度で回転する。
基板Wの回転が継続される一方で、混合処理液の吐出が停止される。そのため、基板Wの上面には新たに混合処理液が供給されないにもかかわらず、遠心力によって混合処理液が基板W外に飛散する。これにより、基板Wの上面の混合処理液の量が減少する。そのため、図12Bに示すように、第1混合処理液膜200の厚みが薄くなる(第1薄膜化工程)。
基板Wの上面の第1混合処理液膜200が薄膜化された後、第1固体膜形成工程(ステップS6)が実行される。第1固体膜形成工程では、第1混合処理液膜200中の溶媒を蒸発させることによって第1固体膜210が形成される。
具体的には、混合処理液の供給の停止と同時に、または混合処理液の供給が停止されてから所定時間の経過した後に、対向部材6を処理位置よりも下方に維持した状態で熱媒バルブ81が開かれる。これにより、図12Cに示すように、回転状態の基板Wの下面に向けて、下面ノズル13から熱媒が供給(吐出)される(第1熱媒供給工程、第1熱媒吐出工程)。
下面ノズル13から吐出された熱媒は、回転状態の基板Wの下面に着液した後、遠心力によって基板Wの下面に沿って外方に流れて基板Wの下面全体に広がる。基板Wの下面全体に広がる熱媒によって、基板Wが加熱される(基板加熱工程)。基板Wの上面の第1混合処理液膜200は、基板Wの下面全体に広がる熱媒によって、基板Wを介して加熱される(第1加熱工程)。基板Wを介して第1混合処理液膜200が加熱されることによって、第1混合処理液膜200中の溶媒の蒸発が促進される。
スピンベース21の回転速度は、所定の第1加熱速度にされる。第1加熱速度は、たとえば、300rpmである。基板Wに回転によって、第1混合処理液膜200中の溶媒の蒸発が促進される。
熱媒によって基板W上の第1混合処理液膜200を加熱する間、第1混合処理液膜200には、不活性ガス等の気体が吹き付けられてもよい。具体的には、第2気体バルブ58が開かれる。これにより、図12Cに示すように、第5チューブ35から気体が吐出される。第5チューブ35から吐出された気体は、対向部材6と基板Wとの間の空間Sに送り込まれ、第1混合処理液膜200(図12B参照)の上面に吹き付けられる(第1気体吹付工程)。気体の吹き付けによって、第1混合処理液膜200中の溶媒の蒸発が促進される。
第1固体膜210を形成する際、排気バルブ27を調整して排気流量を大きくすることによって、チャンバ4を減圧してもよい(減圧工程)。チャンバ4内の減圧、すなわち第1固体膜210の周囲の雰囲気の減圧によって、第1混合処理液膜200中の溶媒の蒸発が促進される。
熱媒による加熱、気体の吹き付け、チャンバ4内の減圧、および基板Wの回転に起因して、第1混合処理液膜200中の溶媒が蒸発して基板Wの上面に固体形成物質が析出する。固体形成物質の析出によって、基板Wの上面に第1固体膜210が形成される(第1析出工程、第1固体膜形成工程)。第1固体膜210は、溶媒の蒸発によって析出した固体状態の固体形成物質を含有している。この実施形態では、下面ノズル13、第5チューブ35、排気ユニット8、FFU29およびスピンモータ23が、固体形成ユニットとして機能する。下面ノズル13は、基板W上の混合処理液を加熱する加熱ユニットでもある。
第1実施形態と同様に、第1固体膜210が形成される際に、基板Wのパターン面165に付着していたパーティクル等の除去対象物150が、当該基板Wから引き離されて、第1固体膜210中に保持される(図8A参照)。
基板Wの上面に第1固体膜210が形成された後、第1固体膜剥離除去工程(ステップS7)が実行される。第1固体膜剥離除去工程では、基板Wの上面に剥離液を供給することによって、基板Wの上面から第1固体膜210が剥離されて除去される。
具体的には、熱媒バルブ81および第2気体バルブ58が閉じられる。これにより、基板Wに対する熱媒および不活性ガスの供給が停止される。そして、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を上位置に移動させる。対向部材6が上位置に位置する状態で、第2ノズル移動ユニット37が、第2移動ノズル11を処理位置に移動させる。第2移動ノズル11の処理位置は、たとえば中央位置である。
そして、共通バルブ51、IPAバルブ52およびDIWバルブ53が開かれる。これにより、図12Dに示すように、回転状態の基板Wの上面(第1固体膜210の上面)に向けて、第2移動ノズル11からIPA/DIW混合液(剥離液)が供給(吐出)される(剥離液供給工程、剥離液吐出工程)。剥離液供給工程では、スピンベース21は、所定の剥離処理速度で回転される。剥離処理速度は、たとえば、10rpm~1000rpmである。
第2移動ノズル11から吐出された剥離液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れて基板Wの上面全体に広がる。第1固体膜210の上面に付着した剥離液は、第1固体膜210を通過して、基板Wの上面(パターン面165)と第1固体膜210との界面に達する。これにより、第1実施形態と同様に、第1固体膜210が、分裂して膜片となり、除去対象物150を保持した状態で基板Wから剥離される(剥離工程)(図8B参照)。そして、第1固体膜210が剥離液に流されて基板W外に排除されることによって、第1固体膜210とともに除去対象物150が基板Wの上面から除去される(第1除去工程、第1固体膜剥離除去工程)。
第1固体膜210が基板Wの上面から除去された後、図12Eに示すように、第2相溶性液体供給工程(ステップS8)が実行される。第2相溶性液体供給工程(ステップS8)は、第1実施形態とほぼ同じであるため、詳しい説明は省略する。第2相溶性液体供給工程では、相溶性液体を基板Wの上面に供給することによって、基板W上の剥離液が相溶性液体に置換される。
そして、第2相溶性液体供給工程が一定時間実行された後、第2液膜形成工程(ステップS9)が実行される。第2液膜形成工程では、基板Wの上面に混合処理液を供給することによって、基板Wの上面に混合処理液の液膜(第2混合処理液膜201)が形成される。
具体的には、相溶性液体の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、相溶性液体バルブ56が閉じられる。これにより、基板Wに対する相溶性液体の供給が停止される。そして、対向部材6が処理位置に位置する状態で、処理液バルブ55が開かれる。これにより、図12Fに示すように、回転状態の基板Wの上面に向けて、中央ノズル12から混合処理液が供給(吐出)される(第2混合処理液供給工程、第2混合処理液吐出工程)。第2混合処理液供給工程では、スピンベース21は、所定の第2混合処理液速度で回転される。第2混合処理液速度は、たとえば、300rpmである。
混合処理液の吐出が開始される前に、ガード昇降ユニット74は、基板Wから排出される液体を受け止めるガード71を切り替えるために、少なくとも一つのガード71を鉛直に移動させてもよい。
中央ノズル12から吐出された混合処理液は、回転状態の基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上の相溶性液体が混合処理液で置換され、基板Wの上面全体を覆う第2混合処理液膜201が形成される(第2液膜形成工程)。
第2液膜形成工程において基板Wの上面に供給される混合処理液は、第1液膜形成工程と同じ吐出ノズル(中央ノズル12)から吐出される。中央ノズル12の第2チューブ32には、単一の処理液タンク90に貯留された混合処理液が供給される。すなわち、第1液膜形成工程および第2液膜形成工程では、共通の処理液タンク90から中央ノズル12に混合処理液が供給され、中央ノズル12から基板Wの上面に向けて混合処理液が吐出される。
混合処理液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、処理液バルブ55が閉じられる。これにより、基板Wに対する混合処理液の供給が停止される。混合処理液の供給が停止された後、対向部材昇降ユニット61は、対向部材6を処理位置よりも下方(たとえば、下位置)に移動させる。混合処理液の吐出が停止された後、スピンベース21の回転速度は、所定の第2薄膜化速度にされる。第2薄膜化速度は、たとえば、300rpmであり、第2混合処理液速度と同じ回転速度である。そのため、基板Wは、混合処理液の吐出の停止後も、混合処理液の吐出中と同じ速度で回転する。
基板Wの回転が継続される一方で、混合処理液の吐出が停止される。そのため、基板Wの上面には新たに混合処理液が供給されないにもかかわらず、遠心力によって混合処理液が基板W外に飛散する。これにより、基板Wの上面の混合処理液の量が減少する。そのため、図12Gに示すように、第2混合処理液膜201の厚みが薄くなる(第2薄膜化工程)。
基板Wの上面の第2混合処理液膜201が薄膜化された後、第2固体膜形成工程(ステップS10)が実行される。第2固体膜形成工程では、第2混合処理液膜201を加熱して第2混合処理液膜201中の溶媒を蒸発させることによって第2固体膜211が形成される。
具体的には、混合処理液の供給の停止と同時に、または混合処理液の供給が停止されてから所定時間の経過した後に、対向部材6を下位置に維持した状態で熱媒バルブ81が開かれる。これにより、図12Hに示すように、回転状態の基板Wの下面に向けて、下面ノズル13から熱媒が供給(吐出)される(第2熱媒供給工程、第2熱媒吐出工程)。
下面ノズル13から吐出された熱媒は、回転状態の基板Wの下面に着液した後、遠心力によって基板Wの下面に沿って外方に流れて基板Wの下面全体に広がる。基板Wの下面全体に広がる熱媒によって、基板Wが加熱される(基板加熱工程)。基板Wの上面の第2混合処理液膜201は、基板Wの下面全体に広がる熱媒によって、基板Wを介して加熱される(第2加熱工程)。基板Wを介して第2混合処理液膜201が加熱されることによって、第2混合処理液膜201中の溶媒の蒸発が促進される。
スピンベース21の回転速度は、所定の第2加熱速度にされる。第2加熱速度は、たとえば、300rpmである。基板Wに回転によって、第2混合処理液膜201中の溶媒の蒸発が促進される。
熱媒によって基板W上の第2混合処理液膜201を加熱する間、第2混合処理液膜201には、不活性ガス等の気体が吹き付けられてもよい。具体的には、第2気体バルブ58が開かれる。これにより、図12Hに示すように、第5チューブ35か気体が吐出される。第5チューブ35から吐出された気体は、対向部材6と基板Wとの間の空間Sに送り込まれ、第2混合処理液膜201(図12G参照)の上面に吹き付けられる(第2気体吹付工程)。気体の吹き付けによって、第2混合処理液膜201中の溶媒の蒸発が促進される。
第2固体膜211を形成する際、排気バルブ27を調整して排気流量を大きくすることによって、チャンバ4を減圧してもよい(減圧工程)。チャンバ4内の減圧、すなわち第2固体膜211の周囲の雰囲気の減圧によって、第2混合処理液膜201中の溶媒の蒸発が促進される。
熱媒による加熱、気体の吹き付け、チャンバ4内の減圧、および基板Wの回転に起因して、第2混合処理液膜201中の溶媒が蒸発して基板Wの上面に固体形成物質が析出する。固体形成物質の析出によって、基板Wの上面に第2固体膜211が形成される(第2析出工程、第2固体膜形成工程)。第2固体膜211は、第1固体膜210(図12C参照)と同様に、溶媒の蒸発によって析出した固体状態の固体形成物質を含有している。
第1実施形態に係る第2固体膜111と同様に、第2実施形態に係る第2固体膜211の厚みT2は、パターン高さT1よりも厚く、かつ、可能な限り薄く設定されていることが好ましい(図9A参照)。
基板Wの上面に第2固体膜211が形成された後、第2固体膜気化除去工程(ステップS11)が実行される。第2固体膜気化除去工程では、液体状態を経ないように第2固体膜211が昇華することによって、第2固体膜211が基板Wの上面から除去される。
具体的には、第2気体バルブ58が開かれた状態に維持しながら、第1気体バルブ57が開かれる。これにより、図12Iに示すように、対向部材6の対向面6aと基板Wの上面との間の空間Sに中央ノズル12から不活性ガス等の気体が供給される。第1気体バルブ57を開く際、対向部材6が処理位置よりも下方(たとえば、下位置)に維持されている。
第2固体膜211が維持された状態で空間Sに不活性ガスが供給されることによって、空間Sから気体状態の固体形成物質が押し出されて空間Sにおける固体形成物質の分圧が低下する。これにより、空間Sにおける固体形成物質の分圧が蒸気圧に近づくように固体形成物質が昇華する(昇華工程、気化工程)。なお、対向部材6が基板Wの上面に近接しているため、空間S内の雰囲気が不活性ガスで置換されやすい。そのため、空間Sにおける固体形成物質の分圧を効率良く低減できる。
第1気体バルブ57が開かれる際、熱媒バルブ81は開かれた状態で維持されている。すなわち、基板加熱工程が、第2固体膜気化除去工程においても継続されている。そのため、熱媒による第2固体膜211の加熱によって、第2固体膜211の昇華が促進される(昇華工程、気化工程)。
スピンベース21の回転速度は、所定の昇華速度にされる。昇華速度は、たとえば、300rpmである。基板Wに回転によって、第2固体膜211の昇華が促進される(昇華工程、気化工程)。
最終的に、第1実施形態と同様に、凹凸パターン160の凹部162内に位置する固体状態の固体形成物質が昇華し尽くされて、第2固体膜211が除去される(第2除去工程、第2固体膜気化除去工程)(図9B参照)。第2実施形態では、下面ノズル13、第4チューブ34(中央ノズル12)、第5チューブ35およびスピンモータ23が、気化ユニット(昇華ユニット)として機能する。
また、第2固体膜形成工程に引き続き、チャンバ4を減圧状態に維持してもよい(減圧工程)。これにより、第2固体膜211の昇華が促進される。すなわち、FFU29および排気ユニット8は、気化ユニットとして機能する。第2固体膜気化除去工程では、第2固体膜形成工程よりも、減圧度合が高いことが好ましい。
第2混合処理液膜201が厚いほど、第2固体膜211に残留する内部応力(歪み)が大きくなる。第2混合処理液膜201を薄くすることで、第2固体膜211に残留する内部応力を、小さくすることができる。
また、第2固体膜211が薄いほど、第2固体膜気化除去工程後において基板Wの上面に残存する残渣が少ない。第2混合処理液膜201を薄くすることで、第2固体膜211を薄く調整することができる。これにより、第2固体膜気化除去工程後における残渣の発生を抑制できる。
基板Wの上面から第2固体膜211が除去された後、熱媒バルブ81が閉じられる。その後、乾燥工程(ステップS12)および基板搬出(ステップS13)が実行される。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
詳しくは、第2実施形態によれば、基板Wの上面において第1混合処理液膜200中の溶媒が蒸発して固体形成物質が析出する。言い換えると、第1混合処理液膜200中の溶媒が蒸発することによって第1固体膜210が形成される。そして、第1固体膜210は、基板Wの上面に供給された剥離液の作用によって基板Wの上面から剥離され除去される。つまり、第1固体膜210を基板W上で溶解させずに、第1固体膜210を固体状態に維持したまま基板Wの上面から除去することができる。そのため、第1固体膜210からの除去対象物150の脱落を抑制または防止できるので、除去対象物150が基板Wの上面に再付着することを抑制または防止することができる。したがって、基板Wの上面を良好に洗浄することができる。
第1固体膜210が基板Wの上面から除去された後、基板Wの上面に混合処理液を再び供給することによって、第2混合処理液膜201が形成される。そして、第2混合処理液膜201から溶媒が蒸発して固体形成物質が析出することによって第2固体膜211が形成される。第2固体膜211は、液体状態を経ないように昇華されて基板Wの上面から除去される。そのため、基板Wの上面に作用する表面張力を低減することができる。したがって、基板Wの上面に形成された凹凸パターン160の倒壊を抑制または防止しつつ基板Wの上面を乾燥させることができる。
以上により、基板Wの上面を良好に洗浄することができ、かつ、基板Wの上面を良好に乾燥することができる。
また、第2実施形態によれば、剥離除去される第1固体膜210と、気化除去される第2固体膜211とが同種の混合処理液から形成される。そのため、第1固体膜110と第2固体膜111とが互いに異なる種類の(固体形成物質の化学式が異なる)処理液によって形成される基板処理と比較して、基板処理装置1Pを簡素化することができる。これにより、装置コストや装置のフットプリントを抑えることができる。
具体的には、第2実施形態に係る基板処理装置1Pでは、第1液膜形成工程および第2液膜形成工程のいずれにおいても、共通の処理液タンク90から中央ノズル12に供給された混合処理液が基板Wの上面に向けて吐出される。そのため、第1液膜形成工程において中央ノズル12から吐出される処理液と、第2液膜形成工程において中央ノズル12から吐出される処理液とが、別々の処理液タンクから中央ノズル12に供給される方法と比較して、処理液タンクの数を減らすことができる。したがって、基板処理装置1Pを簡素化することができる。
なお、「同種の混合処理液」とは、混合処理液中の固体形成物質の化学式が同じであることをいい、「種類が異なる混合処理液」とは、混合処理液中の固体形成物質の化学式が異なっていることをいう。そのため、第1固体膜210の形成に用いられる混合処理液と、第2固体膜211の形成に用いられる混合処理液とで、固体形成物質の濃度や混合処理液の温度が互いに異なっていても、両混合処理液の固体形成物質の化学式が同じであれば、両混合処理液は、互いに同種の混合処理液である。
また、剥離除去される第1固体膜210と気化除去される第2固体膜211とが同じ混合処理液から形成されるので、仮に、剥離液で第1固体膜210を剥離除去した後に、基板Wの上面に第1固体膜210の残渣が付着していた場合であっても、第2固体膜211を気化除去する際に、第2固体膜211とともに第1固体膜210の残渣を除去することができる。したがって、基板Wの上面から第1固体膜210の残渣を確実に除去することができるので、基板Wの上面を良好に洗浄することができ、かつ、基板Wの上面を良好に乾燥することができる。
また、第2実施形態によれば、基板Wの上面に存在する除去対象物150は、第1固体膜210が形成される際に第1固体膜210によって保持され、第1固体膜210が基板Wの上面から剥離される際に基板Wの上面から引き離される。その後、除去対象物150を保持した状態の第1固体膜210が、剥離液によって基板Wの上面から除去される。そのため、基板Wの上面から引き離された除去対象物150が基板Wの上面に再付着することを抑制または防止することができる。
また、第2実施形態によれば、第1固体膜形成工程および第2固体膜形成工程において、混合処理液を加熱して溶媒を蒸発させて固体形成物質を析出させることによって、第1固体膜210および第2固体膜211がそれぞれ形成される。つまり、混合処理液の加熱(溶媒の蒸発)という共通の手法によって、第1固体膜210および第2固体膜211を形成することができる。そのため、第1実施形態と同様に、基板処理装置1Pを簡素化することができる。
また、第2実施形態によれば、固体形成物質が、固体から気体に昇華する昇華性物質である。さらに、第2析出工程において実行される基板加熱工程が、第2固体膜気化除去工程においても継続される。そのため、溶媒を蒸発させるために基板Wを加熱することによって基板Wに蓄積された熱量を、第2固体膜211の加熱に利用することができる。そのため、第2固体膜気化除去工程において、第2固体膜211中の固体形成物質を速やかに昇華させることができる。つまり、基板Wの上面を速やかに乾燥させることができる。したがって、基板W上から混合処理液を除去する際に基板Wの上面に作用する表面張力を、一層低減することができる。
また、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、リンス液供給工程の終了後で、かつ、第1液膜形成工程の開始前に、リンス液および混合処理液の両方に対して相溶性を有する相溶性液体が基板Wの上面に供給される(第1相溶性液体供給工程)。したがって、リンス液および混合処理液の選択の自由度が向上される。
また、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、剥離液供給工程の終了後であって、かつ、第2液膜形成工程の開始前に、剥離液および混合処理液の両方に対して相溶性を有する相溶性液体が基板Wの上面に供給される(第2相溶性液体供給工程)。したがって、剥離液および混合処理液の選択の自由度が向上される。
上述したように、第2実施形態では、下面ノズル13が固体形成ユニットの一例である。しかしながら、固体形成ユニットは、下面ノズル13に限られない。図13に示すように、基板Wの下面に下方から対向するホットプレート130を、固体形成ユニット(加熱ユニット)として用いることもできる。
ホットプレート130は、下面ノズル13の代わりに設けられている。ホットプレート130は、スピンベース21の上面と、複数のチャックピン20に挟持された基板Wの下面との間に配置されている。ホットプレート130の上面130aは、基板Wの下面の全域に対向している。
ホットプレート130は、プレート本体131と、ヒータ132とを含む。プレート本体131は、平面視において、基板Wよりも僅かに小さい。ヒータ132は、プレート本体131に内蔵されている抵抗体であってもよい。ヒータ132に通電することによって、ホットプレート130が加熱される。そして、ヒータ132には、給電線134を介して、ヒータ通電ユニット133から電力が供給される。
プレート本体131の下面には、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びる中空の昇降軸135が結合されている。昇降軸135は、スピンベース21の中央部に形成された貫通孔21aと、中空の回転軸22とを挿通している。
昇降軸135には、ホットプレート130をスピンベース21に対して相対的に昇降させるヒータ昇降ユニット136が連結されている。ヒータ昇降ユニット136は、たとえば、ボールねじ機構(図示せず)と、それに駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。ヒータ昇降ユニット136は、ヒータリフタともいう。
ホットプレート130は、ヒータ昇降ユニット136によって、基板Wの下面に接触する位置、または、基板Wの下面に近接する位置に配置されることによって、基板Wを介して基板W上の混合処理液を加熱することができる。
ホットプレート130は、上位置まで上昇させられる過程で、チャックピン20から基板Wを持ち上げて上面130aによって基板Wを支持するように構成されていてもよい。そのためには、複数のチャックピン20は、基板Wの周端に接触して基板Wを把持する閉状態と、基板Wの周端から退避した開状態との間で開閉可能であり、開状態において、基板Wの周端から離間して把持を解除する一方で、基板Wの周縁部の下面に接触して、基板Wを下方から支持するように構成されている必要がある。
また、第2実施形態における固体形成ユニットの別の変形例として、図14に示すように、対向部材6に内蔵された内蔵ヒータ140が挙げられる。内蔵ヒータ140は、対向部材6の内部に配置されている。内蔵ヒータ140は、対向部材6とともに昇降する。内蔵ヒータ140は、複数のチャックピン20に挟持された基板Wに上方から対向している。内蔵ヒータ140は、抵抗体である。内蔵ヒータ140には、給電線144を介して、ヒータ通電ユニット143から電力が供給される。
<第3実施形態>
図15は、この発明の第3実施形態に係る基板処理装置1Qの模式図である。図15ならびに後述する図16および図17において、前述の図1~図14に示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態に係る基板処理装置1Qが、第1実施形態に係る基板処理装置1と異なる点は、基板処理装置1Qが、ウェット処理ユニット2Wとドライ処理ユニット2Dとを備えている点である。ウェット処理ユニット2Wの構成は、図2に示す処理ユニット2または図11に示す処理ユニット2Pと同じ構成である。すなわち、ウェット処理ユニット2Wのチャンバ4は、処理液供給ユニット、固体形成ユニットおよび剥離液供給ユニットを収容する第1チャンバの一例である。
図15には、ドライ処理ユニット2Dが、チャンバ4D(第2チャンバ)内に処理ガスを案内する処理ガス配管190と、チャンバ4D内の処理ガスをプラズマに変化させるプラズマユニットとしてのプラズマ発生装置191とを含む例を示している。プラズマ発生装置191は、基板Wの上方に配置される上電極192と、基板Wの下方に配置され、基板Wが載置される下電極193とを含む。
プラズマ発生装置191は、チャンバ4D内の処理ガスをプラズマに変化させて、酸素ラジカル等による分解反応や酸化反応等の化学反応によって、基板W上の第2固体膜111,211を、液体状態を経ずに気化させることができる。
第3実施形態に係る基板処理装置1Qによる基板処理では、搬送ロボットCRによって基板Wがウェット処理ユニット2Wのチャンバ4(第1チャンバ)内に搬入された後、チャンバ4内で、図6に示す薬液処理工程(ステップS2)から第2固体膜形成工程(ステップS10)までが実行される。つまり、薬液処理工程(ステップS2)の開始から第2固体膜形成工程(ステップS10)の終了までの間、基板Wは、チャンバ4内のスピンチャック5に保持される(第1基板保持工程)。
その後、上面に第2固体膜111,211が形成された基板Wが、図15に示すように、搬送ロボットCRによって、ウェット処理ユニット2Wのチャンバ4から搬出され、ドライ処理ユニット2Dのチャンバ4Dに搬入される(搬送工程)。搬送ロボットCRは、搬送ユニットの一例である。
そして、基板W上の第2固体膜111,211は、チャンバ4D内のプラズマに起因する化学反応により液体を経ずに気体に変化する。これにより、基板W上から第2固体膜111,211が除去される(第2固体膜気化除去工程)。このように、第2固体膜気化除去工程が実行される間、基板Wは、下電極193に載置(保持)される(第2基板保持工程)。
第3実施形態によれば、基板Wは、第1液膜形成工程の開始から第2固体膜形成工程の終了までの間、ウェット処理ユニット2Wのチャンバ4(第1チャンバ)内に保持され、第2固体膜気化除去工程が実行される間、ドライ処理ユニット2Dのチャンバ4D(第2チャンバ)内に保持される。そのため、チャンバ4Dの構成を第2固体膜111,2111の気化に特化したもの(たとえば、上述したプラズマ発生装置191を備えた構成)とすることができる。したがって、第2固体膜111,211を気化させて基板Wの上面を良好に乾燥させることができる。
基板処理装置1Qが、ウェット処理ユニット2Wとドライ処理ユニット2Dとを備えている構成において、気化ユニットは、プラズマ発生装置191以外のユニットであってもよい。たとえば、図16に示すように、ドライ処理ユニット2Dが、基板Wが載置されるベース170と、ベース170に保持された基板Wの上面に向けてUV等の光を照射する光照射ランプ171とを含んでいてもよい。この場合、基板W上の第2固体膜111,211は、光の照射によって分解されて、液体状態を経ずに気体に変化する。
図15に示すプラズマ発生装置191や図16に示す光照射ランプ171が気化ユニットとして用いられる場合、第2固体膜111,211は、化学反応により気化する。そのため、処理液に含まれる固体形成物質は、昇華性物質でなくてもよい。
また、図17に示すように、ドライ処理ユニット2Dが、気化ユニットとして、基板Wが載置され基板Wを加熱するホットプレート180を含んでいてもよい。ホットプレート180は、プレート本体181と、プレート本体181に内蔵されたヒータ182とを含む。ヒータ182に通電することによって、ホットプレート180が加熱される。ヒータ182には、ヒータ通電ユニット183から電力が供給される。気化ユニットとしてホットプレート180が用いられる場合、処理液としては、加熱により第2固体膜211を形成する混合処理液が用いられる。基板W上の第2固体膜211は、基板Wを介してホットプレート180に加熱されることによって液体状態を経ずに昇華する。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
たとえば、上述の実施形態では、第1移動ノズル10から薬液が吐出され、第2移動ノズル11から剥離液が吐出され、中央ノズル12から処理液(混合処理液、溶融処理液)、リンス液、相溶性液体、および不活性ガスが吐出される。しかしながら、第1移動ノズル10から薬液以外の処理流体が吐出されてもよいし、第2移動ノズル11から剥離液以外の処理流体が吐出されてもよい。また、中央ノズル12から薬液や剥離液が吐出されてもよい。
上述の実施形態では、第2移動ノズル11から剥離液としてIPA/DIW混合液が吐出される。しかしながら、中央ノズル12に供給されるリンス液としてのDIWと相溶性液体としてのIPAとを混ぜ合わせて中央ノズル12から剥離液としてのIPA/DIW混合液が吐出されてもよい。
上述の実施形態では、リンス液、処理液および剥離液に対して相溶性を有する液体を相溶性液体として用いている。しかしながら、上述の実施形態とは異なり、リンス液および処理液の両方に対して相溶性を有する第1相溶性液体と、処理液および剥離液の両方に対して相溶性を有する第2相溶性液体とが異なる液体として準備されていてもよい。
また、第2実施形態に係る第1固体膜210および第2固体膜211は、超音波を付与することによって、混合処理液中に析出した固体形成物質によって形成されてもよい。
また、第1実施形態に係る第1固体膜110および第2固体膜111は、冷却することなく、基板Wの上面に溶融処理液が供給された状態で放置することによって、形成されてもよい。そのためには、溶融処理液を構成する固体形成物質として、常温よりも高い融点(凝固点)を有する物質を用いる必要がある。具体的には、常温よりも高い融点(凝固点)を有する固体形成物質を予め加熱することによって準備された溶融処理液をノズルから吐出すれば、基板Wの上面に着液した溶融処理液は、基板Wの上面で自然冷却されて凝固する。これにより、第1固体膜110または第2固体膜111が形成される。
また、第2実施形態に係る第1固体膜210および第2固体膜211は、気体の吹き付け、加熱、基板Wの回転等を行うことなく、基板Wを放置することによって、形成されてもよい。そのためには、混合処理液の溶媒として、揮発性が高いものを選択することが好ましい。
また、第2実施形態において、中央ノズル12(第4チューブ34)や第5チューブ35から空間Sに供給される気体の温度は、常温よりも高い温度に設定されていてもよい。この場合、第1固体膜形成工程および第2固体膜形成工程において、溶媒の蒸発を促進して第1固体膜210の形成および第2固体膜211の形成をそれぞれ促進することができる。また、中央ノズル12(第4チューブ34)や第5チューブ35から空間Sに供給される気体が常温よりも高い温度に設定されている場合、第2固体膜気化除去工程において、第2固体膜211の昇華を促進することができる。
また、第2固体膜気化除去工程において、第2固体膜111,211に供給される気体として、オゾンガス等の活性ガスを用いて、第2固体膜111,211を酸化して気化させてもよい。
また、熱媒を用いずに、気体の吹き付けのみによって、第1固体膜210が形成されてもよい。
第1固体膜110,210および第2固体膜111,211の形成や気化は、上述した方法を組み合わせて行うことができる。
たとえば、溶融処理液の凝固体である第1固体膜110の形成は、自然冷却、クーリングプレート120(図10参照)または対向部材6による冷却、および冷媒の供給(図2参照)による冷却の少なくともいずれかの手法を用いて行うことができる。
また、溶融処理液の凝固体である第2固体膜111の気化は、気体の吹き付け、雰囲気の減圧および基板Wの回転の少なくともいずれかの手法を用いて行うことができる。
また、混合処理液からの析出物である第2固体膜211の形成は、ヒータ(ヒータ132、内蔵ヒータ140)による加熱、熱媒の供給による加熱、気体の吹き付け、超音波の付与、雰囲気の減圧および基板Wの回転の少なくともいずれかの手法を用いて行うことができる。
また、混合処理液からの析出物である第2固体膜211の気化は、ヒータ(ヒータ132、内蔵ヒータ140、ヒータ182)による加熱、熱媒の供給による加熱、気体の吹き付け、UV照射、プラズマ照射、超音波の付与、雰囲気の減圧、および基板Wの回転の少なくともいずれかの手法を用いて行うことができる。
また、第1固体膜110の形成に用いられる溶融処理液と、第2固体膜111の形成に用いられる溶融処理液とで、温度が互いに異なっていてもよい。同様に、第1固体膜210の形成に用いられる混合処理液と、第2固体膜211の形成に用いられる混合処理液とで、混合処理液中の固体形成物質の濃度や混合処理液の温度が互いに異なっていてもよい。
また、上述の実施形態に係る基板処理では、第1液膜形成工程(ステップS5)の前に、薬液処理工程(ステップS2)、リンス工程(ステップS3)および第1相溶性液体供給工程(ステップS4)が実行される。しかしながら、薬液処理工程(ステップS2)~第1相溶性液体供給工程(ステップS4)が基板処理装置1,1P,1Qに搬入される前に別の装置で実行された後、基板処理装置1に搬入されてもよい。すなわち、基板処理装置1,1P,1Qでは、基板搬入(ステップS1)の後、薬液処理工程(ステップS2)~第1相溶性液体供給工程(ステップS4)が実行されずに、第1液膜形成工程(ステップS5)が実行されてもよい。
また、リンス液と溶融処理液とが混和可能である場合、第1実施形態に係る基板処理とは異なり、第1相溶性液体供給工程(ステップS4)を省略することが可能である。同様に、溶融処理液と剥離液とが混和可能である場合、第1実施形態に係る基板処理とは異なり、第2相溶性液体供給工程(ステップS8)を省略することが可能である。
また、リンス液と混合処理液とが混和可能である場合、第2実施形態に係る基板処理とは異なり、第1相溶性液体供給工程(ステップS4)を省略することが可能である。同様に、混合処理液と剥離液とが混和可能である場合、第2実施形態に係る基板処理とは異なり、第2相溶性液体供給工程(ステップS8)を省略することが可能である。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
1 :基板処理装置
1P :基板処理装置
1Q :基板処理装置
4 :チャンバ(第1チャンバ)
4D :チャンバ(第2チャンバ)
8 :排気ユニット(固体形成ユニット、気化ユニット)
11 :第2移動ノズル(剥離液供給ユニット)
12 :中央ノズル(吐出ノズル)
13 :下面ノズル(固体形成ユニット、気化ユニット)
23 :スピンモータ(固体形成ユニット、気化ユニット)
29 :FFU(固体形成ユニット、気化ユニット)
32 :第2チューブ(処理液供給ユニット)
34 :第4チューブ(固体形成ユニット、気化ユニット)
35 :第5チューブ(固体形成ユニット、気化ユニット)
90 :処理液タンク
100 :第1溶融処理液膜(第1液膜)
101 :第2溶融処理液膜(第2液膜)
110 :第1固体膜
111 :第2固体膜
120 :クーリングプレート(固体形成ユニット)
130 :ホットプレート(固体形成ユニット、気化ユニット)
140 :内蔵ヒータ(固体形成ユニット、気化ユニット)
150 :除去対象物
171 :光照射ランプ(気化ユニット)
180 :ホットプレート(気化ユニット)
191 :プラズマ発生装置(気化ユニット)
200 :第1混合処理液膜(第1液膜)
201 :第2混合処理液膜(第2液膜)
210 :第1固体膜
211 :第2固体膜
CR :搬送ロボット(搬送ユニット)
W :基板

Claims (14)

  1. 固体形成物質を含有する処理液を、基板の表面に供給することによって、前記処理液の第1液膜を前記基板の表面に形成する第1液膜形成工程と、
    固体状態の前記固体形成物質を含有する第1固体膜を前記第1液膜から形成する第1固体膜形成工程と、
    前記第1固体膜を剥離する剥離液を前記基板の表面に供給することによって、前記基板の表面から前記第1固体膜を剥離して除去する第1固体膜剥離除去工程と、
    前記第1固体膜を前記基板の表面から除去した後に、前記処理液を前記基板の表面に供給することによって、前記基板の表面に前記処理液の第2液膜を形成する第2液膜形成工程と、
    固体状態の前記固体形成物質を含有する第2固体膜を前記第2液膜から形成する第2固体膜形成工程と、
    液体状態を経ないように前記第2固体膜を気化させて、前記第2固体膜を前記基板の表面から除去する第2固体膜気化除去工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記第1固体膜形成工程が、前記基板の表面に存在する除去対象物を保持する前記第1固体膜を形成する工程を含み、
    前記第1固体膜剥離除去工程が、前記除去対象物を保持した状態の前記第1固体膜を前記基板の表面から剥離する工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記処理液が、前記固体形成物質の融液であり、
    前記第1固体膜形成工程において、前記第1液膜が凝固するように前記第1液膜を冷却する第1冷却工程と、
    前記第2固体膜形成工程において、前記第2液膜が凝固するように前記第2液膜を冷却する第2冷却工程とをさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記第1冷却工程が、前記第1固体膜剥離除去工程においても継続される、請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記第2冷却工程が、前記第2固体膜気化除去工程においても継続される、請求項3または4に記載の基板処理方法。
  6. 前記処理液が、溶質としての前記固体形成物質と、前記固体形成物質を溶解させる溶媒とを含み、
    前記第1固体膜形成工程において、前記第1液膜から前記溶媒を蒸発させて前記固体形成物質を析出させる第1析出工程と、
    前記第2固体膜形成工程において、前記第2液膜から前記溶媒を蒸発させて前記固体形成物質を析出させる第2析出工程とをさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  7. 前記固体形成物質が、固体から気体に昇華する昇華性物質であり、
    前記第2析出工程において前記第2液膜からの前記溶媒の蒸発が促進されるように前記基板を加熱する基板加熱工程をさらに含み、
    前記基板加熱工程が、前記第2固体膜気化除去工程においても継続される、請求項6に記載の基板処理方法。
  8. 前記第1液膜形成工程および前記第2液膜形成工程では、共通の処理液タンクから吐出ノズルに前記処理液が供給され、前記吐出ノズルから前記基板の表面に向けて前記処理液が吐出される、請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記第1液膜形成工程の開始前に前記基板の表面に薬液を供給する薬液供給工程と、
    前記薬液供給工程の終了後で、かつ、前記第1液膜形成工程の開始前に、前記基板の表面に付着した前記薬液を洗い流すリンス液を前記基板の表面に供給するリンス液供給工程と、
    前記リンス液供給工程の終了後で、かつ、前記第1液膜形成工程の開始前に、前記リンス液および前記処理液の両方に対して相溶性を有する第1相溶性液体を前記基板の表面に供給する第1相溶性液体供給工程とをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記第1固体膜剥離除去工程の終了後であって、かつ、前記第2液膜形成工程の開始前に、前記剥離液および前記処理液の両方に対して相溶性を有する第2相溶性液体を前記基板の表面に供給する第2相溶性液体供給工程をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記第1液膜形成工程の開始から前記第2固体膜形成工程の終了までの間、前記基板を第1チャンバ内に保持する第1基板保持工程と、
    前記第2固体膜が形成された状態の前記基板を、前記第1チャンバから第2チャンバに搬送する搬送工程と、
    前記第2固体膜気化除去工程が実行される間、前記第2チャンバ内に保持する第2基板保持工程とをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 固体形成物質を含有する処理液を、基板の表面に供給する処理液供給ユニットと、
    前記基板の表面上の前記処理液から固体状態の前記固体形成物質を形成する固体形成ユニットと、
    固体状態の前記固体形成物質を前記基板の表面から剥離する剥離液を前記基板の表面に供給する剥離液供給ユニットと、
    前記基板の表面上で固体状態の前記固体形成物質を、液体状態を経ないように気化させる気化ユニットと、
    前記処理液供給ユニット、前記固体形成ユニット、前記剥離液供給ユニットおよび前記気化ユニットを制御するコントローラとを含み、
    前記コントローラが、前記処理液を前記処理液供給ユニットから前記基板の表面に供給し、前記処理液の第1液膜を前記基板の表面に形成する第1液膜形成工程と、前記固体形成ユニットによって、固体状態の前記固体形成物質を含有する第1固体膜を前記第1液膜から形成する第1固体膜形成工程と、前記剥離液供給ユニットから前記基板の上面に前記剥離液を供給することによって、前記基板の表面から前記第1固体膜を剥離して除去する第1固体膜剥離除去工程と、前記第1固体膜を前記基板の表面から除去した後に、前記処理液供給ユニットから前記基板の表面に前記処理液を供給することによって、前記処理液の第2液膜を前記基板の表面に形成する第2液膜形成工程と、前記固体形成ユニットによって、固体状態の前記固体形成物質を含有する第2固体膜を前記第2液膜から形成する第2固体膜形成工程と、前記第2固体膜を前記気化ユニットによって気化させて前記基板の表面から前記第2固体膜を除去する第2固体膜気化除去工程とを実行する、基板処理装置。
  13. 前記処理液が貯留された処理液タンクをさらに含み、
    前記処理液供給ユニットが、前記処理液を前記基板の表面に吐出する吐出ノズルを含み、
    前記コントローラが、前記第1液膜形成工程および前記第2液膜形成工程において、前記処理液タンクから前記吐出ノズルに供給された前記処理液を、前記吐出ノズルから前記基板の表面に向けて吐出させる、請求項12に記載の基板処理装置。
  14. 前記処理液供給ユニット、前記固体形成ユニットおよび前記剥離液供給ユニットを収容する第1チャンバと、
    前記気化ユニットを収容する第2チャンバと、
    前記第1チャンバから前記第2チャンバに前記基板を搬送する搬送ユニットとをさらに含み、
    前記コントローラが、前記第1液膜形成工程の開始から前記第2固体膜形成工程の終了までの間、前記基板を前記第1チャンバ内に保持する第1基板保持工程と、前記第2固体膜が形成された状態の前記基板を、前記搬送ユニットによって、前記第1チャンバから前記第2チャンバに搬送する搬送工程と、前記第2固体膜気化除去工程が実行される間、前記第2チャンバ内に保持する第2基板保持工程とを実行する、請求項12または13に記載の基板処理装置。
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