JPH07286092A - 無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物 - Google Patents

無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物

Info

Publication number
JPH07286092A
JPH07286092A JP6000395A JP6000395A JPH07286092A JP H07286092 A JPH07286092 A JP H07286092A JP 6000395 A JP6000395 A JP 6000395A JP 6000395 A JP6000395 A JP 6000395A JP H07286092 A JPH07286092 A JP H07286092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic filler
weight
resin composition
sedimentation
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6000395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3385784B2 (ja
Inventor
Akira Yamamoto
山本  明
Seiya Matsumura
盛也 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinko Electric Co Ltd filed Critical Shinko Electric Co Ltd
Priority to JP06000395A priority Critical patent/JP3385784B2/ja
Publication of JPH07286092A publication Critical patent/JPH07286092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3385784B2 publication Critical patent/JP3385784B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁機器の絶縁コイルに含浸される無機フィ
ラーの微粉末を含むエポキシ系の注型樹脂組成物又はプ
レミックス組成物として、粘度の増大なしに加熱硬化後
にも無機フィラーが均一分散する注型樹脂組成物又は長
期貯蔵後に沈降した場合でも容易に再分散して均一化で
きるプレミックス組成物を提供する。 【構成】 平均粒子径が3〜8μmで無機フィラー微粉
末の平均粒子径より小さな平均粒子径を有するドロマイ
ト粘土微粉末を、無機フィラー微粒子の添加量に対して
20〜25又は3〜15重量%添加した構成による無機
フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組
成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動機や発電機等の電
磁機器に組み込まれる絶縁コイルに含浸され、該絶縁コ
イルを他の部材に固定させるために使用されるエポキシ
系の絶縁用注型樹脂組成物又はその完成直前の半製品と
してのプレミックス組成物に関するものである。更に詳
しくは、混合してから所定の時間経過後に加熱硬化させ
ても、無機フィラーが均一に分散するための注型樹脂組
成物又は混合された無機フィラーの長期貯蔵中に生じる
沈降を抑制し、沈降した場合でも撹拌による再分散を容
易にするためのプレミックス組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電動機や発電機等の電磁機器で使用され
ている絶縁コイルの振動や衝撃による断線もしくは絶縁
不良を防止し、あるいは上記機器からの脱落を防止する
ためにエポキシ系の注型樹脂が使用されている。このエ
ポキシ系の注型樹脂には、熱伝導率を高めて放熱を促進
し、耐クラック性を向上させるために微粒子状の無機物
質がフィラー(以下無機フィラーと称する)として混合
されている。例えば、特開平4−130126号公報
は、エポキシ樹脂に酸化アルミニウムと苦灰石(以下ド
ロマイトと称する)の混合物を配合して、機械的性質、
誘電率、熱膨脹率及びSF3分解ガス耐性を改善したこ
とを開示している。また、特開平4−370135号公
報は、エポキシ樹脂と酸無水物に特定の水和アルミナを
配合して、難燃性や絶縁性等を改善したことを開示して
いる。上記無機フィラーは微細な粉末状であるため、エ
ポキシ樹脂に混入させる作業中に飛散して作業環境を汚
染する。このため、長期に亘って使用する場合、予めエ
ポキシ樹脂と無機フィラーを多量に混合し、プレミック
スとして貯蔵しておき、注型作業が行われる直前に上記
プレミックスの必要量を小出しして、更に硬化剤を配合
して使用する方式が採用されている。
【0003】無機フィラーとしては、シリカ(SiO2
二酸化けい素)が誘電率が小さく構造的に安定であり、
また比重(2.6〜2.7)が小さいため注型樹脂又は
プレミックス中で沈降しにくいため使用されることが多
いが、シリカでさえもエポキシ樹脂の比重(約1.2)
よりかなり大きく、粘土が低い注型樹脂又はプレミック
ス中で無機フィラーが徐々に沈降し、含浸又は硬化剤の
配合の際に凝集したシリカ粒子を再び分散させる長時間
の撹拌作業が必要であった。このような、シリカを始め
とする無機フィラーの沈降を防止するため、種々の手段
が講じられている。例えば、特開昭53−21298号
公報は、エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤に予めエポキシ
樹脂と相溶性の良い樹脂で被覆した発泡シリカ粒子と酸
化マグネシウムの混合物を配合して耐沈降性や分散性が
改善されることを開示している。また、特開昭60−1
10754号公報は、不飽和ポリエステル樹脂にシリカ
とタルクとを配合し、特開昭60−110755号公報
は、不飽和ポリエステル樹脂にシリカと短繊維とを配合
し、それぞれ耐沈降性と耐クラック性が改善されること
を開示している。
【0004】無機フィラーの沈降防止のため、更に他に
も種々の手段が講じられており、その中で一般的に採用
されている手段として、プレミックス中に揺変成剤であ
るコロイド状シリカ微粉末(例えば、商品名で日本エア
ロジル社製のエアロジル#200;平均粒子径0.01
μm、以下エアロジルと称する)などが添加されてい
る。エアロジルは、上記プレミックス中で均一に分散
し、その水酸基が水素結合を繰り返して網目構造を形成
する。この網目構造の形成によりプレミックスにチクソ
トロピーが付与され、貯蔵中の静的粘度が増大し無機フ
ィラーの沈降速度を低下させ、この結果、実質的に沈降
が抑止されていた。揺変性剤として同様の効果を示すも
のに、ベントナイトやその有機化合物があり、沈降防止
剤としても利用されている。有機化合物を無機フィラー
の沈降防止剤として使用する例もあり、特開平4−63
828号公報では、エポキシ樹脂と、液状無水物と、無
機フィラーとしてのシリカ粉末と、更に必要に応じ硬化
促進剤と顔料等を含有するエポキシ樹脂組成物に、ベン
ジリデン化合物を添加してシリカ粉末の沈降を少なくし
た技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のエアロジルやベ
ントナイト等の揺変性剤の添加による無機フィラーの沈
降防止は、チクソトロピー、即ち、静的粘度の増大の効
果を利用しているため、注型作業の際には注型条件によ
って流動性が高すぎ、あるいは低すぎて含浸性が損なわ
れる。また、エナメル電線を密に巻回した絶縁コイルの
ように、複雑に入り組んだ多数の間隙に注型樹脂を確実
に含浸させ、無機フィラーが均一に分散した状態のまま
硬化させるためには、揺変成剤の添加量が少なく樹脂の
粘度が低いと無機フィラーの沈降が生じ且つ樹脂が間隙
に保持されず落下してしまい、その状態で加熱すると当
然無機フィラーが偏在した硬化物ができる。逆に、揺変
成剤を多量に添加して粘度が高い注型樹脂の場合、無機
フィラーの沈降は生じにくいが、細かい間隙にまで注型
樹脂を含浸させることができず、加熱しても多量の気泡
が残った硬化物ができてしまい、所望する絶縁特性など
が得られなくなる。更に、揺変性剤は長期の貯蔵中に流
動特性としてのチクソトロピーが失われていく性質があ
り、長期保存中にこの効果が薄れ無機フィラーの沈降が
徐々に進行してしまう。
【0006】上記のいずれの手段によっても、無機フィ
ラーは貯蔵中のプレミックス内で濃度が不均一化される
ため、注型作業にあたり硬化剤を添加する前には必ず撹
拌して再分散されていた。特に、シリカ粒子等の無機フ
ィラーは、湿潤環境中や液中で粒子同士が隣接すると相
互に固く凝集しやすいため、プレミックス中で結合した
凝集粒子を解砕して再分散させるためには長時間に亘っ
て撹拌することが必要になる。これらの欠点を解決し、
注型樹脂の粘度を増大することなしに無機フィラーの沈
降を防止し、(1)配合後比較的短時間で含浸する場
合、無機フィラーが注型樹脂中で均一に分散した状態の
まま硬化できるエポキシ系の注型樹脂組成物、(2)又
は配合後長期に亘って使用する場合、無機フィラーが沈
降しても容易に再分散可能であるエポキシ樹脂プレミッ
クス組成物を提供することを本発明の課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の、(1)無機フィラー沈降防止型注型樹脂組
成物(以下注型樹脂組成物と略称する)は、エポキシ樹
脂成分と、無機フィラーと、無機フィラーの沈降を防止
する沈降防止剤としてのドロマイト粘土微粉末と、硬化
剤とを主成分とし、(2)無機フィラー沈降防止型プレ
ミックス組成物(以下プレミックス組成物と略称する)
は、上記の硬化剤を除く各成分を主成分とするものであ
る。具体的には以下のように構成される。本発明の注型
樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂は、室温において液
状であるものが好ましく、具体的には、ビスフェノール
A型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、側鎖型エ
ポキシ、ポリグリコール型エポキシ、グリシジルエステ
ル型エポキシ、ウレタン変成エポキシ、ダイマー酸のエ
ポキシ化合物等が挙げられ、これらのうち1種又は2種
以上を組み合わせて成るエポキシ成分である。また、モ
ノグリシジルエーテルあるいはジグリシジルエーテル等
の反応性エポキシ化合物、又はポリエーテルポリオール
化合物などにより希釈して室温において液状としたエポ
キシ成分でもよい。
【0008】注型樹脂組成物に添加する無機フィラー
は、エポキシ樹脂の成形品、IC封止樹脂やモールド樹
脂などに通常添加されている、シリカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
アルミナ等であり、特に絶縁性(誘電率、体積固有抵抗
等)が高く、熱伝導率が大きく、線膨張係数がエポキシ
成分のそれに近く、また価格が安い等の点でシリカ微粉
末(平均粒子径が3〜20μmの高純度結晶性石英、例
えば、商品名で株式会社タツモリ製のクリスタライトV
X、AA、C等)が最適である。本発明の注型樹脂組成
物を構成する硬化剤は、MNA(メチルナジックアンハ
イドライド)、HHPA(ヘキサハイドロ無水フタル
酸)、メチルヘキサハイドロ無水フタル酸、メチルテト
ラハイドロ無水フタル酸、脂環式酸無水物、ポリアゼラ
イン酸無水物等の酸無水物硬化剤、脂肪族ポリアミン、
ポリアミノアミド、芳香族ジアミン、脂環族ジアミン、
イミダゾール、第3級アミン、ポリアミド、変成脂肪族
アミン、変成脂環族アミン、変成芳香族アミン等のアミ
ン系硬化物、又はルイス酸錯化合物、メルカプタン系化
合物等である。また、従来技術と同様に、必要によって
芳香族アミン系、イミダゾール系等の硬化促進剤や、ポ
リグリコール型エポキシ、ダイマー酸エポキシ化合物、
ポリアルキレングリコール類、側鎖型のビスフェノール
A型、ジグリシジルエーテル等の可とう性付与剤を添加
する。
【0009】本発明の注型樹脂組成物は、シリカ微粉末
を始めとする無機フィラーの沈降を防止し均一に分散し
た状態で硬化させるため、プレミックス組成物は長期保
存して無機フィラーが沈降しても容易に再分散して均一
化できるように、カルシウムとマグネシウムのダブルカ
ーボネート(複合炭化物)であるドロマイト粘土の微粉
末を使用する。本発明で使用するドロマイト粘土微粉末
の平均粒子径は、無機フィラーの平均粒子径より小さ
く、且つ3〜8μm(例えば、商品名でヘキスト合成株
式会社製のマイクロドール)であり、添加量は無機フィ
ラーの添加量に対し外掛けで、注型樹脂組成物には20
〜25重量%であり、プレミックス組成物には3〜15
重量部である。
【0010】
【作用】
(1)平均粒子径約20μmの無機フィラーを、エポキ
シ樹脂、硬化剤等で構成される従来技術による注型樹脂
組成物中に40〜45重量%添加し、更にドロマイト粘
土微粉末をシリカ微粉末の添加量に対し外掛けで20〜
25重量%添加することにより、加熱硬化中の無機フィ
ラーの沈降を防止し、硬化樹脂中に無機フィラーが均一
に分散するため、十分な接着強度、耐環境性及び熱放散
性を付与するとともに、振動の激しい使用環境において
も十分な耐クラック性を保持することが可能になる。 (2)平均粒子径8〜20μmの無機フィラーを含むプ
レミックスに、無機フィラー100重量部に対して3〜
15重量部のドロマイト粘土微粉末を混合したプレミッ
クス組成物は、無機フィラーの沈降が長期に亘り抑制さ
れ、無機フィラーが沈降した場合でも撹拌作業による再
分散が容易になる。
【0011】上記の理由は、ドロマイト粘土の比重
(2.8〜2.9)が、シリカ(比重2.6〜2.
7)、タルク(比重2.7〜2.8)、水酸化アルミニ
ウム(比重2.3〜2.4)、水酸化マグネシウム(比
重2.4)や炭酸カルシウム(比重2.7〜2.9)、
アルミナ(4.0)等本発明で使用する無機フィラーの
比重と近似していることと、ドロマイト粘土微粉末の平
均粒子径が無機フィラーのそれより小さいため無機フィ
ラーの沈降が抑制され、また、撹拌作業によって無機フ
ィラーの微粉末粒子間にドロマイト粘土微粉末粒子が進
入し、無機フィラー微粉末同士の凝集を妨げ再分散を容
易にし、加熱硬化後も均一に分散するためである。ドロ
マイト粘土微粉末を、上記の好適添加量より少なく添加
すると無機フィラー微粉末の沈降防止効果が得られず、
逆に多く添加すると沈降防止効果は得られるが、粘度が
増大して作業性が悪くなりまた気泡を生成し易くなる。
なお、ドロマイト粘土の添加量は無機フィラーの添加量
に比べて非常に少ないため、エアロジル添加に比べて粘
度の増大が少ない。
【0012】
【実施例】以下に本発明の無機フィラー沈降防止型注型
樹脂組成物及びプレミックス組成物の実施例を従来例や
比較例と比較して具体的に説明する。なお、本発明で使
用する無機フィラー微粉末は、平均粒子径や比重がシリ
カ微粉末とほぼ同等のものであり、上記の作用も同様に
得られるため、以下の説明はシリカ微粉末で代表して説
明する。無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物(以下
注型樹脂組成物と略称する)表1に示すようにエポキシ
樹脂、硬化剤及び硬化促進剤から成るエポキシ樹脂成分
に、平均粒子径20μmのシリカ微粉末を内掛けで約4
5重量%添加して従来例1の注型樹脂組成物とした。
【0013】
【表1】
【0014】表2に示すようにエポキシ樹脂、硬化剤及
び可とう性付与剤から成るエポキシ樹脂成分に、前記の
シリカ微粉末を内掛けで40重量%添加して従来例2の
注型樹脂組成物とした。
【0015】
【表2】
【0016】従来例1の注型樹脂組成物に更に平均粒子
径3μmのマイクロドール(ドロマイト、以下同じ)を
シリカ微粉末200重量部に対して外掛けで40又は5
0重量部添加して、それぞれ実施例1及び実施例2と
し、平均粒子径3μmのマイクロドールの添加量を1
0、20、30あるいは60重量部としたものをそれぞ
れ比較例1、2、3及び4とした。従来例2の注型樹脂
組成物に更に平均粒子径3μmのマイクロドールをシリ
カ微粉末200重量部に対して外掛けで40又は50重
量部添加しものをそれぞれ実施例3及び実施例4とし、
平均粒子径3μmのマイクロドールの添加量を10、2
0、30あるいは60重量部としたものをそれぞれ比較
例5、6、7及び8とした。また、上記の従来例1の注
型樹脂組成物に更に平均粒子径8μmのマイクロドール
をシリカ微粉末200重量部に対して外掛けで40又は
50重量部添加して、それぞれ実施例5及び実施例6と
し、平均粒子径8μmのマイクロドールの添加量を30
又は60重量部としたものをそれぞれ比較例9及び10
とした。これらの全注型樹脂組成物の無機フィラーとマ
イクロドールの添加量を表3にまとめて示す。
【0017】
【表3】
【0018】上記の18種の注型樹脂組成物すべてに対
して、それぞれ以下に示す3項目の試験を行った。 (A)従来例1又は2に対するマイクロドール添加によ
る粘度の増大の程度を大小で比較する。 (B)各注型樹脂組成物を室温で1日間放置した後のシ
リカ微粉末の沈降の発生の有無を観察する。 (C)(B)の注型樹脂組成物を加熱硬化した後のシリ
カ微粉末の沈降の発生の有無を観察する。
【0019】上記各試験の結果をまとめて表3に示し、
その内容を以下に説明する。従来例1と従来例2の注型
樹脂組成物は共に、シリカ微粉末の沈降が生じ加熱硬化
後にもシリカ微粉末の沈降が認められた。平均粒子径3
μmのマイクロドールの添加量が30重量%以下の比較
例1〜3と20重量%以下の比較例5、6は、粘度の増
大はほとんど認められないものの、1日放置後及び加熱
硬化後にシリカ微粉末の沈降が生じた。平均粒子径3μ
mのマイクロドール添加量が30重量部の比較例7は、
粘度の増大が小さく且つ1日後のシリカ微粉末の沈降は
生じていなかったが、加熱硬化後にはシリカ微粉末の沈
降が生じていた。平均粒子径3μmのマイクロドールの
添加量が60重量部の比較例4、8の注型樹脂組成物は
共に、粘度の増大が大きく、シリカ微粉末の沈降は生じ
なかったにも拘らず注型樹脂としては適さないことが確
認された。平均粒子径8μmのマイクロドールの添加量
が30重量部又は60重量部の比較例9、10の注型樹
脂組成物は、それぞれシリカ微粉末の沈降が生じるかあ
るいは粘度が大きくて注型樹脂としては適さないことが
確認された。本発明の実施例1〜6の平均粒子径3又は
8μmのマイクロドール添加量が40又は50重量部の
注型樹脂組成物は、いずれも粘度の増大がやや小と問題
なく、シリカ微粉末の沈降は1日放置後も加熱硬化後も
共に生じてなく、シリカ微粉末は均一に分散し注型樹脂
として十分によい性質を有することが確認された。
【0020】上記の結果を要約して以下に示す。 (イ)シリカ微粉末200重量部に対してマイクロドー
ルを40〜50重量部の範囲で添加すると、注型樹脂組
成物の粘度はやや増大するが注型に支障を及ぼす程度で
はなく、加熱硬化後でもシリカ微粉末の沈降が認められ
ず均質な硬化樹脂が得られた。 (ロ)シリカ微粉末200重量部に対してマイクロドー
ルを30重量部以下添加した場合、注型樹脂組成物の粘
度の増大は小さく注型に適すが、全ての場合で加熱硬化
後にはシリカ微粉末が沈降され不均質な硬化樹脂となっ
た。 (ハ)シリカ微粉末200重量部に対してマイクロドー
ルを50重量部を超えて以下添加した場合、加熱硬化後
でもシリカ微粉末の沈降は生じなかったが、注型樹脂組
成物の粘度の増大が大きく注型には適さなくなる。
【0021】無機フィラー沈降防止型プレミックス組成
物(以下プレミックス組成物と略称する) エポキシ成分としてエピコート815(商品名;油化シ
ェル社製)を、無機フィラーとして平均粒子径が20μ
mのシリカ微粉末を用い、共に100重量部を混合して
従来例3のプレミックス組成物(基準組成)として調整
した。エピコート815はビスフェノールA型のエポキ
シ樹脂で、エポキシ当量は180〜195g/eq、粘
度は9〜12ポイズ(室温)そして比重は1.1〜1.
2である。従来例3のプレミックス組成物中の、シリカ
微粉末100重量部に対して揺変性剤である前記エアロ
ジル#200を2重量部添加して、これを従来例4とし
た。上記従来例3、又はそのシリカ微粉末の平均粒子径
だけを6μに変えたプレミックス組成物中のシリカ微粉
末100重量部に対し、平均粒子径が3μmと8μmの
マイクロドールを2〜20重量部の範囲で添加して、実
施例7〜12及び比較例11〜14のプレミックス組成
物を調整した。これらプレミックス組成物の配合組成を
表4に示す。
【0022】
【表4】
【0023】上記12種のプレミックス組成物につい
て、それぞれ以下に示す3項目の試験を行った。 (A)分散剤を添加したことによる粘度の増大の大きさ
を比較する。 (B)室温で1週間放置後のシリカ微粉末の沈降発生の
程度を比較する。 (C)シリカ微粉末の沈降が認められた場合の撹拌によ
る再分散の容易さを比較する。 これらの結果をまとめて前記の表4に示した。従来例3
は、シリカ微粉末の沈降が生じ且つ再分散が困難であっ
た。又、従来例4は、シリカ微粉末の沈降は生じなかっ
たが粘度が極めて大きいため、注型には適さない状態で
あった。実施例7と実施例8は、それぞれ平均粒子径2
0μmのシリカ微粉末と平均粒子径3μmのマイクロド
ールを含むもので、マイクロドールが3重量部の実施例
7は粘度の増大は小さくシリカ微粉末は沈降するが再分
散が容易であり、マイクロドールを15重量部添加した
実施例8は粘度が多少増大したがシリカ微粉末は沈降し
なかった。実施例9と実施例10は、それぞれ実施例7
と実施例8のマイクロドールの平均粒子径だけをより大
きな8μmに変えたものであり、実施例9は再分散がや
や困難になったが容認できる程度であった。また、実施
例10はシリカ微粉末がやや沈降するが再分散は容易で
あった。
【0024】実施例11と実施例12は、平均粒子径6
μmのシリカ微粉末100重量部に対し、平均粒子径3
μmのマイクロドールを添加したものであり、本発明の
添加量の下限値である3重量部添加した実施例11の粘
度の増大は小さく、シリカ微粉末はやや沈降するが再分
散が容易であった。また、実施例12では粘度が多少増
大したがシリカ微粉末は沈降しなかった。比較例11
は、実施例7のマイクロドール添加量を2重量部に減じ
たものであり、シリカ微粉末の再分散が困難になった。
比較例12は、実施例8のマイクロドール添加量を20
重量部に増したもので、粘度が極めて大きくなり注型に
は適さなくなった。比較例13と比較例14は、平均粒
子径6μmのシリカ微粉末100重量部に対し、平均粒
子径が8μmとより大きなマイクロドールを、3重量部
と20重量部添加したものである。比較例13の3重量
部添加では沈降したシリカ微粉末の再分散が困難であ
り、比較例14の20重量部添加では粘度は多少増大し
たがシリカ微粉末は沈降しなかった。
【0025】上記の結果を要約して以下に示す。 (イ)シリカ微粉末100重量部に対し、平均粒子径が
より小さなマイクロドールを15重量部を超えて添加す
ると、シリカ微粉末は沈降しないが粘度は極めて増大し
注型には適さなくなる。 (ロ)マイクロドールの平均粒子径がシリカ微粉末のそ
れより大きいと、沈降したシリカ微粉末の再分散が困難
になる (ハ)シリカ微粉末100重量部に対し、平均粒子径が
より小さなマイクロドールを3重量部以上15重量部ま
で添加すると、粘度は多少増大する場合もあるがシリカ
微粉末が沈降した場合でも容易に再分散できる。
【0026】
【発明の効果】平均粒子径が3〜8μmで無機フィラー
より小さいドロマイト粘土微粉末を、無機フィラーに対
して20〜25重量%添加した本発明の無機フィラー沈
降防止型注型樹脂組成物は、粘度の増大を注型可能な範
囲に抑え、しかも無機フィラー微粉末の沈降を抑制して
加熱硬化後でも無機フィラーが均一に分散し、平均粒子
径が3〜8μmで無機フィラーより小さいドロマイト粘
土微粉末を、無機フィラーに対して3〜15重量%添加
した本発明の無機フィラー沈降防止型プレミックス組成
物は、実質的に粘度を増大することなく無機フィラーの
沈降を抑制し、長期貯蔵後に無機フィラーが沈降した場
合でも均一化のための撹拌による再分散を容易にすると
いう優れた効果を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂成分としてエポキシ樹脂と
    硬化剤とを無機フィラーとして、シリカ、タルク、水酸
    化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ及び炭
    酸カルシウムの群から選ばれた少なくとも1種の微粉末
    を含んで成るエポキシ系の注型樹脂組成物において;平
    均粒子径が3〜8μmで、且つ、前記無機フィラーの平
    均粒子径より小さいドロマイト粘土微粉末を、沈降防止
    剤として前記無機フィラーの添加量200重量部に対し
    て40〜50重量部添加して、前記注型樹脂組成物中の
    前記無機フィラーの沈降を抑制し、更に、前記注型樹脂
    組成物が加熱硬化されても前記無機フィラーが均一に分
    散することを特徴とする無機フィラー沈降防止型注型樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ樹脂に更に硬化促進剤を含
    んで成る請求項1記載の無機フィラー沈降防止型注型樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ樹脂に更に可とう性付与剤
    を含んで成る請求項1又は2記載の無機フィラー沈降防
    止型注型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂と、シリカ、水酸化アルミ
    ニウム、水酸化マグネシウムあるいは炭酸カルシウムの
    微粉末の群から選ばれた少なくとも1種の無機フィラー
    とを含んで成るエポキシ系のプレミックス組成物におい
    て;平均粒子径が3〜8μmで、且つ、前記無機フィラ
    ーの平均粒子径より小さいドロマイト粘土の微粉末を、
    沈降防止剤として前記無機フィラー100重量部に対し
    て3〜15重量部添加して、前記プレミックス中の前記
    無機フィラーの沈降を抑制し、さらに、該無機フィラー
    が沈降した場合の撹拌による再分散を容易にすることを
    特徴とする無機フィラー沈降防止型プレミックス組成
    物。
JP06000395A 1994-02-28 1995-02-24 無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物 Expired - Fee Related JP3385784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06000395A JP3385784B2 (ja) 1994-02-28 1995-02-24 無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5259694 1994-02-28
JP6-52596 1994-02-28
JP06000395A JP3385784B2 (ja) 1994-02-28 1995-02-24 無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07286092A true JPH07286092A (ja) 1995-10-31
JP3385784B2 JP3385784B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=26393219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06000395A Expired - Fee Related JP3385784B2 (ja) 1994-02-28 1995-02-24 無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3385784B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0889484A3 (de) * 1997-07-02 1999-01-20 Ciba SC Holding AG Verfahren zur Imprägnierung von elektrischen Spulen und ausgewählte Epoxidharzzusammensetzung zur Durchführung der Imprägnierung
WO2000054287A1 (de) * 1999-03-10 2000-09-14 Bakelite Ag Imprägniervergussmassen, ihre verwendung sowie ein verfahren zur imprägnierung von zündspulen
JP2005248036A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Kyocera Chemical Corp 注形用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた電気・電子部品
JP2018074845A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 株式会社東芝 硬化性樹脂材料、および、回転電機の製造方法
CN114605777A (zh) * 2022-04-03 2022-06-10 焦作市天益科技有限公司 一种环氧树脂基复合材料及降低填料沉淀速度的方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0889484A3 (de) * 1997-07-02 1999-01-20 Ciba SC Holding AG Verfahren zur Imprägnierung von elektrischen Spulen und ausgewählte Epoxidharzzusammensetzung zur Durchführung der Imprägnierung
WO2000054287A1 (de) * 1999-03-10 2000-09-14 Bakelite Ag Imprägniervergussmassen, ihre verwendung sowie ein verfahren zur imprägnierung von zündspulen
JP2005248036A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Kyocera Chemical Corp 注形用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた電気・電子部品
JP2018074845A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 株式会社東芝 硬化性樹脂材料、および、回転電機の製造方法
CN114605777A (zh) * 2022-04-03 2022-06-10 焦作市天益科技有限公司 一种环氧树脂基复合材料及降低填料沉淀速度的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3385784B2 (ja) 2003-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR880002102B1 (ko) 전기코일체에 사용하는 열 방산성 절연물
JP5129612B2 (ja) 注形用エポキシ樹脂組成物および高熱伝導コイル
JP2000510497A (ja) エポキシ樹脂注型用組成物
JP5314379B2 (ja) モールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物、モールドコイル装置及びモールドコイル装置の製造方法
JP2008195782A (ja) モールドコイル含浸用エポキシ樹脂組成物及びモールドコイル装置
JP6101122B2 (ja) モールドトランス用エポキシ樹脂組成物、モールドトランスおよびモールドトランスの製造方法
WO2009012442A1 (en) Thermally conductive underfill formulations
JP3385784B2 (ja) 無機フィラー沈降防止型注型樹脂組成物及びプレミックス組成物
JP3389533B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びモールドコイル
JP2020050767A (ja) ディップコート用エポキシ樹脂組成物
JP3705704B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、インダクタンス部品
JP3010828B2 (ja) 二液型エポキシ樹脂組成物
JP2005320479A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JP6475585B2 (ja) ロータ保護用樹脂組成物及びロータ
JP3567334B2 (ja) エポキシワニス組成物とその使用方法
JP2004099690A (ja) エポキシ用硬化剤組成物
JP3383134B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびそれから得られる注型絶縁物
JP2001261940A (ja) 電気コイル注型用エポキシ樹脂組成物
JP2000086869A (ja) エポキシ樹脂組成物およびコイル
JP3872038B2 (ja) 注形用エポキシ樹脂組成物、その硬化方法及び電気・電子部品装置
JPS59159819A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3450019B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JPS60255029A (ja) 回転電機のコイル
JP2005048100A (ja) 注形用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品装置
JP6804992B2 (ja) コイル含浸用エポキシ樹脂組成物、コイル製品の製造方法、及びイグニッションコイル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100110

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140110

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees