JPH07283641A - 移動体搭載衛星アンテナの追尾制御装置 - Google Patents

移動体搭載衛星アンテナの追尾制御装置

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JPH07283641A
JPH07283641A JP7022183A JP2218395A JPH07283641A JP H07283641 A JPH07283641 A JP H07283641A JP 7022183 A JP7022183 A JP 7022183A JP 2218395 A JP2218395 A JP 2218395A JP H07283641 A JPH07283641 A JP H07283641A
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正博 植松
Motonobu Moriya
元伸 守谷
Makoto Ochiai
誠 落合
Kazuo Kato
和郎 加藤
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 追随性と安定性の高い移動体搭載衛星アンテ
ナの追尾制御装置を提供する。 〔構成〕 この発明の移動体搭載衛星アンテナの追尾制
御装置(20)は、衛星アンテナ(AT)が受信した電波のレベ
ルを検出し、この検出した受信レベルに基づき、所定角
度にわたる衛星アンテナの回転を、直前の回転に伴う単
位角度当たりの受信レベルの増分が大きいほど大きな回
転速度で反復することにより、衛星アンテナの回転角の
制御を実行する(100) 。受信レベルが閾値よりも大きな
期間内はアンテナの回転角を現状値に保持したまま受信
レベルを監視し(200) 、受信レベルが閾値よりも低下す
ると、移動体の角速度とその積分値とを検出し(7,8) 、
いずれかが有為であれば移動体の旋回に伴う角度誤差の
増加が発生したと見做してアンテナの回転角の制御し(1
00) 、いずれも有為でなければ遮蔽物による瞬断と見做
してそのまま受信レベルの回復を待つ(300) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衛星放送受信などに利
用される移動体搭載用衛星アンテナの追尾制御装置に関
するものであり、特に、自動追尾方式の改良によってア
ンテナ装置全体の小型化と低廉化とを図った移動体搭載
用アンテナの追尾制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の衛星放送の普及に伴い、車両や船
舶など各種の移動体に搭載するための衛星放送受信アン
テナ装置が検討されている。将来は、放送衛星のような
静止衛星だけでなく移動衛星からの電波を受信したり、
あるいは、放送の受信だけでなく衛星との間の通信(送
受信)を含むサービスも予想される。この種の移動体搭
載用アンテナ装置、特に車載用衛星アンテナ装置の特徴
的な点は、受信対象の衛星が移動衛星であれば勿論のこ
と、これが静止衛星であっても車両の向きがその走行に
伴って時々刻々変化するため、アンテナ本体を常に衛星
の方向に向けるための自動追尾機構が必要になるという
点である。
【0003】このような自動追尾機構は、このアンテナ
本体の向きの水平成分(以下「追尾方位角」と称する)
を制御する方位角制御機構と、アンテナ本体の仰角を制
御する仰角制御機構との組合せによって実現される。こ
のような自動追尾機構は、コンバータやチューナなどの
電気回路部分も含めた衛星放送受信システム全体の製造
費用のかなりの部分を占めると共に、アンテナ装置の設
置高さと設置面積を増大させるため、これをどれだけ簡
略化するかが重要な技術課題の一つである。
【0004】アンテナ本体の追尾方位角については、車
両の走行に伴いこれを 360°にわたって制御する必要が
あるため、その制御は機械的な回転機構によって実現す
ることが現実的と考えられる。これとは対照的に、特
に、放送衛星のような静止衛星を対象とする場合には、
アンテナ本体の仰角の制御は、車両が走行中の地域の緯
度や±5o 程度の範囲の道路の傾斜の変化に対応できれ
ば足りるため、その制御範囲は比較的限られている。
【0005】このため、移動体搭載用衛星アンテナ装置
としては、アンテナ本体の仰角方向の指向性を予め広め
に設定しておくと共に、追尾方位角のみを制御する一軸
追尾方式や、仰角については離散的な粗い制御を行う方
式を採用することによって、受信システム全体の小型化
と経済化を図ることも試みられている。仰角方向の制御
をどのようにするにしても、追尾方位角の制御機構と仰
角の制御機構はほぼ独立性を保つ。以下では、比較的重
要な追尾方位角の制御について説明する。
【0006】車載用衛星アンテナの追尾制御装置として
は、本出願人が先に出願した特願平3ー350103号などに
開示されているように、いくつかに分割した衛星アンテ
ナをある配列方向に沿ってずらして設置しておき、各分
割部分で受信した電波の位相差から電波の到来方向と分
割アンテナ部分の配列方向との誤差、すなわちアンテナ
全体の追尾誤差を検出するような構成の位相差検出方式
が知られている。このような追尾制御装置は、多くの利
点を有する反面、コスト高になるという問題もある。
【0007】他の追尾制御装置としては、受信レベルを
最大にするように衛星アンテナを回転させる方式のもの
がある。このような受信レベルに基づく追尾装置として
は、特願平4ー176992号に開示されたオートスレ
ッシュホールド方式によるものや、特願平4ー6047
9号に開示されたバイブレーション方式によるものなど
が知られている。しかしながら、上記オートスレッシュ
ホールド方式やバイブレーション方式の追尾装置では、
追随性が低いため車両の右・左折時などの急旋回に即応
できないなどの問題があるように思われる。
【0008】原理的には、衛星アンテナ装置を搭載する
移動体の向きを方位センサを用いて検出し、この検出し
た移動体の向きを基準にしてアンテナ本体を衛星に向け
るための追尾方位角を算定し制御する方位センサ方式も
考えられる。しかしながら、この方位センサ方式では、
算定すべき追尾方位角が移動体の存在する地点の経度や
緯度に依存して変化するため、経度や緯度を検出するた
めにGPS受信装置などの位置決めシステムの併用が必
要になったり、人手によって大まかな経度や緯度を設定
し、変更するなどの煩雑さが伴うという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】車載アンテナの追尾制
御を困難にする理由の一つは、上述したように、車両の
右・左折時などに比較的短時間で90o にも達する大き
な方位角の変化が生ずるため、このような急激な方位角
の変化にも即応できるように、高い追随性が要求される
点にある。
【0010】車載衛星アンテナの追尾制御を困難にする
他の理由の一つは、車両の移動に伴ってアンテナが沿道
の電柱、建物、陸橋などの構築物や、樹木や山岳などの
自然物によって衛星から遮られることによる瞬断が頻発
することにある。このような瞬断が発生すると、短時間
とはいえ受信レベルが急激に低下しこれに基づく追尾が
不能になる。このような受信レベルの急激な低下が真の
瞬断であるならば、追尾動作の続行は無駄でありかつ受
信レベルがすぐにもとの値に復帰することになる。従っ
て、瞬断の発生時には、アンテナの向きを変えることな
くそのまま受信レベルが復帰するのを待つ方が合理的で
ある。
【0011】しかしながら、このような受信レベルの急
激な低下が遮蔽物による瞬断であるのか車両の急旋回に
よる追尾誤差の急増によるものなのかの区別がつかない
という問題がある。車両の急旋回による受信レベルの急
激な低下を瞬断と誤認したとすれば、そのままの状態で
受信レベルの回復を待つことになりその待ち時間だけ本
来必要な追尾動作の開始が遅れることになる。逆に、瞬
断による受信レベルの急激な低下を車両の急旋回による
ものと誤認すれば、本来不要な追尾制御を開始してしま
うだけでなく、この本来不要な追尾動作によって衛星ア
ンテナの向きを本来あるべき方向からかえって遠ざけて
しまうことになる。このような瞬断の時間が遮蔽物の大
きさや車両の走行速度によって大幅にバラツクことも適
切な追尾制御を困難にする一因となり、受信率の低下に
もつながる。
【0012】従って、本発明の一つの目的は、方位角の
急激な変化にも即応可能な追随性の高い追尾制御装置を
提供することにある。本発明の他の目的は、受信レベル
の急激な低下を遮蔽物による瞬断であるか移動体の急旋
回によるものであるかを直ちに弁別して状況に応じた制
御に移行することにより、急旋回時の追随性を向上する
と共に、瞬断時の制御の安定性を向上できる追尾制御装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる移動体搭
載衛星アンテナの追尾制御装置は、衛星アンテナが受信
した電波のレベルと移動体の角速度とこの角速度の積分
値とを検出し、これら検出した受信レベルと角速度とそ
の積分値とに基づき衛星アンテナの回転角を制御する追
尾制御手段を備えている。この追尾制御手段は、衛星ア
ンテナの所定角度にわたる回転を直前の回転に伴う単位
角度当たりの受信レベルの増分が大きいほど大きな回転
速度で反復する微分制御実行手段を備えている。
【0014】上記追尾制御手段は、検出した受信レベル
を所定の閾値Ltと比較しこの受信レベルが前記閾値L
tを越えていればアンテナの回転角を現状に保持したま
ま新たな受信レベルの検出と前記閾値Ltとの比較を反
復するホールド制御手段を備えている。このホールド制
御手段は、新たに検出した受信レベルが閾値Ltよりも
低下した際に検出した角速度又はその積分値が所定の閾
値以上であれば、直ちに微分制御手段に制御を移行させ
るホールド制御手段を備えている。このホールド制御手
段は、上記検出した角速度とその積分値とがいずれも上
記閾値未満であれば、受信レベルの回復を所定期間にわ
たって待ち合わせるウエイト制御手段に制御を移行させ
る。
【0015】本発明に係わる他の移動体搭載衛星アンテ
ナの追尾制御装置は、上述した各種の制御手段の一部に
よってそれぞれに固有な効果を奏することが可能なよう
に構成されている。
【0016】本発明の一実施例の移動体搭載用衛星アン
テナの追尾制御装置は、さらに、検出された角速度の水
平成分を積分することにより移動体の旋回角を検出する
旋回角検出手段と、受信レベルが所定の閾値以下に低下
する追尾外れが発生すると、旋回角検出手段が検出した
旋回角のこの追尾外れの直前の値に対する変化量を検出
し、この旋回角の変化量で現在の追尾方位角を修正し、
この修正済みの値を中心に時間の経過と共に増大する振
幅で前記追尾方位角を変化させて衛星の探索を行う衛星
探索手段とを備えている。
【0017】
【作用】衛星アンテナの受信レベルと角度誤差との関係
はガウス分布曲線で近似され、角度誤差が大きいほど、
単位角度当たりの受信レベルの変化量(微分量)は大き
くなる。このため、微分制御手段は、この微分量が大き
いほど角度誤差が大きいものと判断し、大きな回転速度
でアンテナを所定角度ずつ回転させる。この回転により
角度誤差が減少するにつれて微分量と回転速度とが段階
的に低下してゆくため、回転角度が目標値よりも行き過
ぎるようなオバーシュートが回避される。この結果、追
随性が高まり、車両の急旋回による受信レベルの急激な
低下にも即応可能となる。なお、極端に大きな角度誤差
の領域ではその微分量がかえって減少する。しかしなが
ら、このような領域では受信レベルが低すぎて微分制御
そのものが実行不能になるため、そのような領域を考慮
する必要がない。
【0018】さらに、上記微分制御に加えて実行される
ホールド制御によれば、新たに検出された受信レベルが
閾値よりも低下した際の角速度又はその積分値が所定の
閾値以上であれば、この受信レベルの低下が車両の動き
に伴う追尾精度の低下によって生じたものと見做なされ
る。この場合、受信レベル回復への待ち合わせ状態を経
ることなく直ちに微分制御が開始される。これに対し
て、上記角速度とその積算値とがいずれも上記閾値未満
であれば、上記受信レベルの低下が遮蔽物による瞬断と
見做される。この場合、受信レベルの回復を所定期間に
わたって待ち合わせるウエイト制御が開始される。この
ように、受信レベルだけでなく車両の動きを示す角速度
やその積分値を併用することにより、受信レベルの低下
が遮蔽物による瞬断なのか移動体の旋回による追尾誤差
の増大によるものなのかを迅速に弁別して適切な制御を
選択することが可能になり、追随性が大幅に向上する。
【0019】さらに、旋回角検出手段と衛星探索手段と
を備える本発明の一実施例の追尾制御装置によれば、ア
ンテナ本体部の追尾方位角も移動体の向きも共に相対的
な値が用いられる。すなわち、アンテナ本体部の追尾方
位角は、常に現在の値を基準値(ゼロ)とし、これから
時計廻りに何度、反時計廻りに何度というように表現さ
れる。また、移動体の向きについても、検出された角速
度の積分値という相対的な値が用いられる。追尾外れが
発生すると、旋回角検出手段が検出した旋回角のこの追
尾外れの直前における変化量が検出される。
【0020】すなわち、移動体が時計廻りに角θo だけ
旋回したため追尾外れが発生すると、この追尾外れの直
前に生じた角速度の積分値の変化量すなわちθo が検出
される。この検出された積分値の変化量によってアンテ
ナ本体部の現時点の追尾方位角を反時計方向に修正する
ことによって追尾方位角の中心値が推定される。そし
て、この中心値の廻りに時間と共に振幅を増加させなが
ら探索が行われる。振幅の小さな初期に探索に成功すれ
ば、電力消費量も節減される。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に関わる移動体搭
載衛星アンテナの追尾制御装置の構成を制御対象の衛星
放送受信用アンテナATと共に示すブロック図であり、
1はマイクロプロセッサ、2はダウンコンバータ、3は
回転結合器、4はBSチューナ、5は受信レベル検出
器、6はA/D変換器やD/A変換器を内蔵する入出力
インタフエース回路、7は角速度計、8は角速度計7で
検出された角速度を積分するための積分器、9はモータ
ドライバ、10はパルスモータ、11は回転支持機構で
ある。
【0022】衛星放送受信用アンテナATが衛星から受
信した12GHz帯のテレビジョン信号は、ダウンコンバ
ータ2によって1GHz帯の中間周波数のテレビジョン
信号に変換され、回転結合器3を経てBSチューナ4に
供給され、ビデオ信号と音声信号として復調され、テレ
ビジョン受像機に供給される。受信レベル検出器5は、
BSチューナ4内の自動利得制御増幅から出力される雑
音レベルに基づきアンテナ1が受信した信号のレベル
(受信レベル)を検出する。すなわち、受信レベルが低
下すると自動利得制御増幅器の利得が上昇し、これに伴
い雑音レベルが増加する。この雑音レベルの増減に基づ
き受信レベルが検出され、入出力インタフエース回路6
でディジタル信号に変換されたのち、マイクロプロセッ
サ1に供給される。
【0023】衛星放送受信用アンテナATと本実施例の
追尾制御装置を搭載する車両の適宜な箇所に角速度計7
が取付けられており、これによって車両の進路変更(旋
回)時に発生する角速度が検出される。角速度計7とし
ては、株式会社村田製作所から商品名「ジャイロスタ
ー」として市販されている角速度計などの適宜な形式の
ものを使用できる。検出される角速度は、車両の旋回方
向を示す極性を含んでおり、入出力インタフエース回路
6に供給され、保持される。検出された角速度は、積分
器8にも供給され角速度の積分値として入出力インタフ
エース回路6に供給されて保持される。これら保持値
は、角速度計7の出力が所定のサンプリング周期で変化
するたびに更新されてゆくと共に、マイクロプロセッサ
1の要求に応じて入出力インタフエース回路6からマイ
クロプロセッサ1に転送される。受信レベル検出器5で
検出される受信レベルについても同様である。なお、積
分器8の代わりにマイクロプロセッサ1で角速度を積算
することも可能であることは言うまでもない。
【0024】以下では、マイクロプロセッサ1が入出力
インタフエース回路6から角速度や受信レベルを受取る
ことを、マイクロプロセッサ1が角速度や受信レベルを
検出すると表現する。マイクロプロセッサ1は、検出し
た受信レベルと角速度とその積分値とに基づき、追尾制
御のための回転方向と回転角度とを決定し、入出力イン
タフエース回路6、モータドライバ8を介してパルスモ
ータ9に回転角度に応じた個数のパルスを出力する。な
お、回転方向や回転速度に関しては後に詳述する。パル
スモータ9の回転軸は、アンテナATを回転自在に支持
する支持機構10を介して衛星放送受信用アンテナAT
に結合されており、アンテナATの方位角が制御され
る。
【0025】時々刻々変化する受信レベルに応じて各種
の制御を実行するために、受信レベルに関していくつか
の閾値が定義されている。これらの閾値は、図2に示す
ように、ピーク値Lpに対する比率(相対値)として定
義されている。ピーク値Lpは、マイクロプロセッサが
検出した最新のいくつかの受信レベルのうちの最大値で
ある。このピーク値は、これよりも所定倍率だけ大きな
閾値Lo(例えばピーク値の110 %値)を越える新たな
受信レベルが検出されるたびに、そのような一層大きな
受信レベルによって更新される。このように、ピーク値
の更新に10%のヒステリシスを設定したのは、受信レベ
ルの短時間の変動に伴いピーク値を頻繁に変更するとい
う無駄な処理を除去するためである。
【0026】閾値Ltは、ピーク値Lpよりも多少低い
値(例えば93%値)であり、受信レベルがこの閾値L
tを越えている限り、アンテナの回転による追尾精度の
更改は行われない。閾値Lbは、ピーク値に比べて相当
小さな値(例えば20%値)であり、受信レベルがこの
閾値Lbよりも低下すると、大きな角度誤差が発生した
ものと見做される。この場合、マイクロプロセッサ1
は、アンテナの方位角を最大360o にわたって変化さ
せながら衛星の方向を探索するスイーピング制御の実行
を開始する。閾値Lmは、ピーク値Lpと閾値Lbの中
間程度の値(例えば50%値)である。この閾値Lmの
意義については後述する。
【0027】まず、マイクロプロセッサが実行する微分
制御について、図3のフローチャートを参照しながら説
明する。この微分制御は、主として次のような場合に開
始される。 (1)スイーピング制御の実行の結果、閾値Lbよりも大
きな受信レベルが検出された 場合。 (2)受信レベルがピーク値の93%程度の閾値Ltよりも
低下すると共に、閾値よりも大きな有為な角速度やその
積分値が検出されることにより、車両の旋回に伴うかな
りの角度誤差が生じたと判断された場合。
【0028】マイクロプロセッサ1は、微分制御の実行
を開始すると、まず、回転すべき方向が確定しているか
否かを判断する(ステップ11)。この微分制御の直前
に実行されていた追尾制御がスイーピング制御であれ
ば、このスイーピング制御において受信レベルをLb以
上まで増加させた回転方向が既に確定している。また、
この微分制御の開始の契機が角速度値やその積分値が有
為な値を越えたことにあれば、それらの極性によって示
される車両の旋回方向と逆の方向にアンテナを回転させ
ればよく、回転すべき方向が確定している。しかしなが
ら、角速度の積分値についてはその極性が角速度の場合
に比べて不確かなことも予想されるため、この場合だけ
回転すべき方向の確定が行われる(ステップ12)。す
なわち、マイクロプロセッサは、まず、角速度の積分値
の極性から予想される方向に所定角度だけ回転させ、こ
の回転に伴い受信レベルが増加すればこの方向を回転す
べき正しい方向として確定し、受信レベルが減少すれば
逆の方向を回転すべき正しい方向として確定する。
【0029】マイクロプロセッサ1は、回転すべき方向
の確定が終了すると、アンテナの回転速度Vとして初期
値Voを設定し(ステップ13)、アンテナをこの回転
速度Voで確定済みの方向に所定角度Δθだけ回転させ
る(ステップ14)。この後、マイクロプロセッサは、
新たな受信レベルLと、この受信レベルLの回転前の受
信レベルからの増分ΔLを検出する(ステップ15)。
次に、マイクロプロセッサは、新たに検出した受信レベ
ルが閾値Lbを越えているか否かを判定し、越えていれ
ば、次のステップ17に移行し、越えていなければスイ
ーピング制御に移行する(ステップ16)。マイクロプ
ロセッサは、ステップ17に移行すると、アンテナの回
転速度VをΔLに比例する量に変更する。
【0030】マイクロプロセッサ1は、新たに受信レベ
ルLを検出しこの検出した受信レベルが閾値Ltを越え
たか否かを判定し(ステップ18)、越えていなければ
衛星を補足していないと見做してステップ14に戻り、
アンテナを更新済みの回転速度Vで所定角度Δθだけ回
転させる。なお、この実施例では、所定角度Δθはパル
スモータに供給するパルス個数により設定され、回転速
度はパルスモータに供給するパルスの時間間隔を変更す
ることによって変更される。このように、マイクロプロ
セッサは、新たに検出した受信レベルが閾値Ltを越え
るまで、次回の回転速度を直前の回転によって検出され
た受信レベルの増分に比例する値に更新しながら、所定
角度Δθずつの回転を反復する(ステップ14乃至ステ
ップ18)。
【0031】マイクロプロセッサ1は、新たに検出した
受信レベルが閾値Ltを越えたことをステップ18で検
出すると、次のステップ19に移行し、設定中の回転速
度Vが所定の閾値Vth よりも小さいか否かを判定す
る。この判定結果が否定的であれば、マイクロプロセッ
サは、ステップ14に戻り、受信レベルLが閾値Ltを
越えかつ回転速度Vが閾値Vth 以下になるまで、ステ
ップ14からステップ19までの制御を反復する。新たに
検出した受信レベルがそのピーク値Lpに十分接近する
と、ステップ19の判定結果は肯定的となる。この場
合、マイクロプロセッサは、微分制御の実行を終了し、
ホールド制御の実行を開始する。
【0032】次に、マイクロプロセッサ1が実行するホ
ールド制御について、図4のフローチャートを参照しな
がら説明する。マイクロプロセッサは、まず、このホー
ルド制御の開始の直前に検出した受信レベルを新たなピ
ーク値Lpとして設定し、このピーク値に対する相対値
である閾値Lt,Lb,Lm,Loを算定して設定し直
す(ステップ21)。次に、マイクロプロセッサは、新
たな受信レベルLを検出し(ステップ22)、これを閾
値Ltと比較する。マイクロプロセッサは、受信レベル
Lが閾値Ltよりも大きければ、ステップ24に移行
し、この受信レベルLと閾値Loとを比較する。マイク
ロプロセッサは、新たに検出した受信レベルLが閾値L
oよりも小さければ、ステップ22戻り、ステップ24
までの処理を反復する。
【0033】すなわち、新たに検出した受信レベルLが
閾値Ltよりも大きな値に保たれる安定な受信状態が続
いている限り、ステップ22からステップ24までの処
理が反復される。この反復処理は、直前の処理を終了す
ると直ちに次の処理を開始するような非同期状態で実行
してもよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち状態を設し
て一定周期で処理を反復する同期状態で実行することも
できる。このホールド制御の実行中は、アンテナの回転
角度はその実行直前の値に保持される。
【0034】マイクロプロセッサ1は、新たに検出した
受信レベルLが閾値Loを越えたことをステップ24で
検出するとステップ21に戻り、この新たな受信レベル
を新たなピーク値Lpとして設定し直すと共に、この新
たなピークに対する相対値である閾値Lt,Lb,L
m,Loについても算定し直す。マイクロプロセッサ1
は、新たに検出した受信レベルLが閾値Ltよりも小さ
くなったことをステップ23で判定すると、角速度を検
出しこれが閾値を越えているか否かを判定する(ステッ
プ25)。マイクロプロセッサは、検出した角速度が閾
値を越えていなければ、その積分値を検出しこれが閾値
を越えているか否かを検出する(ステップ26)。この
角速度の積分値は、車両が緩やかに大きなカーブを描く
高速道路上などを走行中のため、追尾誤差のずれ速度は
小さいがその長時間にわたる積算値が相当大きくなる場
合に対処するために導入された量である。そのような場
合、角速度自体は閾値を越えるほどではないがその積分
値が有為な値を越えることになる。
【0035】マイクロプロセッサ1は、受信レベルLが
閾値Ltよりも低下した場合において角速度又はその積
分値のいずれかがそれぞれの閾値を越えていることをス
テップ25や26で判定すると、車両の旋回に伴って追
尾誤差が増大したものと見做し、図3を参照しながら既
に説明した微分制御の実行を開始する。マイクロプロセ
ッサ1は、受信レベルLが閾値Ltよりも低下した場合
において角速度又はその積分値がいずれもそれぞれの閾
値を越えていないことをステップ25と26で判定する
と、受信レベルの低下を遮蔽物による瞬断と見做しウエ
イト制御の実行を開始する。
【0036】次に、マイクロプロセッサ1が実行するウ
エイト制御について、図5のフローチャートを参照しな
がら説明する。このウエイト制御は、基本的には、受信
レベルが閾値Ltよりも大きな値に復帰するか、角速度
が閾値よりも大きな値になるのを監視し、それぞれの状
態変化に即した制御状態に移行するためのものである。
すなわち、受信レベルが閾値Ltよりも大きな値に復帰
すれば、受信レベルの低下を遮蔽物による一時的なもの
(瞬断)と見做して直ちにホールド制御に復帰する。ま
た、この待ち合せ期間内に閾値よりも大きな角速度が検
出されると、受信レベルの低下に遮蔽物による瞬断だけ
でなく車両の旋回に伴う角度誤差も関係していると見做
し、微分制御に移行する。このような場合としては、例
えば、遮蔽物による瞬断の発生直後に車両の旋回に伴う
角度誤差が発生するなどの複合的な状況の変化が生じた
場合などが考えられる。
【0037】このウエイト制御は、基本的には、上記状
態の変化の監視を短周期で反復する前半部分(前期ウエ
イト制御)と、このような状態変化の監視を長周期で反
復する後半部分(後期ウエイト制御)とに2分されてい
る。一例として、ウエイト制御実行のための全期間が2
秒程度に設定され、その前半部分が0.3 秒程度、後半部
分が1.7 秒程度に設定される。また、状態変化の有無に
対する監視の反復周期が前半部分については10ミリ秒程
度の値に、後半部分については100 ミリ秒程度の値に設
定される。
【0038】マイクロプロセッサ1は、ウエイト制御の
実行を開始すると、まず、経過時間を管理するためにカ
ウンタによって一定速度で歩進される時刻Tと、状態フ
ラグFとをゼロに初期設定する(ステップ31)。次
に、マイクロプロセッサは、所定の閾値を越えるような
大きさの有為な加速度が検出されているか否かを判定し
(ステップ32)、そのような有為な加速度が検出され
ていなければ、新たな受信レベルLを検出し(ステップ
33)、これが閾値Ltを越えているか否かを判定する
(ステップ34)。
【0039】マイクロプロセッサ1は、受信レベルが閾
値Ltを越えていなければ、このウエイト制御の実行の
開始からの経過時間Tが、このウエイト制御の前半部分
(前期ウエイト制御)を定める所定の時間Tmを越えて
いるか否かを判定し(ステップ35)、越えていなけれ
ばステップ32に戻り、ステップ35までの処理を反復
する。この反復処理は、図5に示したように、直前の処
理を終了すると直ちに次の処理を開始するような非同期
状態で実行してもよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち
状態を設定することにより、一定周期(例えば 10 ミリ
秒)で処理を反復する同期状態で実行してもよい。
【0040】マイクロプロセッサ1は、上記反復処理中
に有為な加速度を検出すると(ステップ32)、遮蔽物
だけではなく車両の旋回も受信レベルの低下に関連して
いるものと見做し、直ちに微分制御の実行を開始する。
これに対して、マイクロプロセッサは、上記反復処理中
に閾値Ltを越える大きさの受信レベルを検出すると
(ステップ34)、受信レベルの低下が遮蔽物による瞬
断であったと見做し、直ちにホールド制御に復帰する。
【0041】マイクロプロセッサ1は、上記反復処理中
に経過時間Tが所定の時間Tmを越えたことを検出する
と(ステップ35)、ステップ36から開始される後期
ウエイト制御に移行する。マイクロプロセッサは、後期
ウエイト制御の実行を開始すると、まず、閾値を越える
大きさの角速度が検出されているか否かを判定し(ステ
ップ36)、そのような有為な角速度が検出されていな
ければ、新たな受信レベルLを検出し(ステップ3
7)、これが閾値Ltを越えているか否かを判定する
(ステップ38)。マイクロプロセッサは、受信レベル
Lが閾値Ltを越えていなければ、この受信レベルLが
閾値Lmを越えているか否かを検出する(ステップ3
9)。この受信レベルLが閾値Lmを越えていなけれ
ば、マイクロプロセッサは状態フラグFを“0”に設定
し(ステップ40)、このウエイト制御の実行の開始か
らの経過時間Tが、このウエイト制御の実行期間を定義
する所定値Twを越えているか否かを判定する(ステッ
プ41)。
【0042】マイクロプロセッサ1は、ウエイト制御の
実行を開始してから経過した時間Tが所定値Twを越え
ていなければ、ステップ44に移行し、所定の反復周期
Toを定めるために設定されている待ち状態(ステップ
44)を経てステップ36に復帰し、このステップから
ステップ44までの処理を反復する。マイクロプロセッ
サは、前期ウエイト制御の場合と同様に、上記反復処理
中に有為な角速度を検出すると(ステップ36)、遮蔽
物だけではなく車両の旋回も受信レベルの低下に関連し
ているものと見做し、直ちに微分制御の実行を開始す
る。これに対して、マイクロプロセッサは、上記反復処
理中に閾値Ltを越える大きさの受信レベルを検出する
と(ステップ38)、受信レベルの低下が遮蔽物による
瞬断であったと見做し、直ちにホールド制御に復帰す
る。
【0043】マイクロプロセッサ1は、ウエイト制御の
実行を開始してから経過した時間Tが所定値Twを越え
てることをステップ41で検出すると、受信レベルの低
下が遮蔽物による瞬断でなかったものと見做し、このウ
エイト制御の実行を終了し、最大限360o にわたって
衛星方向の探索を行うためのスイーピング制御の実行を
開始する。
【0044】マイクロプロセッサ1は、新たに検出した
受信レベルLが閾値Ltよりは小さいものの閾値Lmよ
りも大きくなったことを検出すると(ステップ39)、
状態フラグFが1であるか否かを検査する(ステップ4
2)。マイクロプロセッサは、状態フラグFがゼロであ
ればこれを1に変更し(ステップ43)、ステップ44
の待ち合わせ状態を経てステップ36に戻る。この後、
マイクロプロセッサはステップ42で状態フラグFが1
であることを検出すると、このウエイト制御を終了し、
微分制御の実行を開始する。このように、状態フラグF
を採用したのは、受信レベルLが閾値Ltを越えるほど
ではないにしても連続して2回も閾値Lmを越えたとい
うことは、追尾誤差がそれほど大きな値ではないことを
意味しており、この場合、スイーピング制御を省略して
直ちに微分制御を実行することにより追随性を高めるた
めである。
【0045】次に、マイクロプロセッサ1が実行するス
イーピング制御について、図6のフローチャートを参照
しながら説明する。このスイーピング制御は、受信レベ
ルLがピーク値に比べて相当程度低い値(例えば50%
値)に設定されている閾値Lmさえも越えないという大
きな追尾誤差の状態が所定期間にわたって継続した場
合、極端に言えば追尾中に衛星方向を見失ってしまった
と判定された場合や、電源投入直後の追尾動作の開始時
点において実行される衛星方向の探索制御である。
【0046】マイクロプロセッサ1は、スイーピング制
御の実行を開始すると、まず、現在の回転角を中心にし
て最大限±5o の範囲にわたってアンテナを回転させな
がら受信レベルを検出し、これが閾値Lbを越えたか否
かを判定する(ステップ51)。マイクロプロセッサ
は、受信レベルが閾値Lbを越えない場合には、次のス
テップ52に移行し、現在の回転角を中心にして最大限
±20o の範囲にわたってアンテナを往復回転させながら
受信レベルを検出し、これが閾値Lbを越えたか否かを
判定する。以下、同様にして、マイクロプロセッサは、
受信レベルLが閾値Lbを越えるまで、アンテナの回転
範囲を±90o 、360 o という具合に段階的に増加させな
がらスイーピング制御を実行する。マイクロプロセッサ
は、ステップ51〜54のいずれかにおいて、受信レベ
ルLが閾値Lbを越えたことを検出すると、この結果を
生じさせたアンテナの回転方向を保存し(ステップ5
5)、微分制御の実行に移行する。
【0047】なお、ステップ51〜54のそれぞれは、
便宜上、単一のステップで表現されている。しかしなが
ら、各ステップは、詳細には、アンテナを単位角度だけ
回転させるステップ、新たな受信レベルLを検出するス
テップ、この受信レベルLと閾値Lbとを比較するステ
ップから成る3種類のステップが、回転方向のそれぞれ
について、(最大回転角度/単位回転角度)に等しい数
だけ配列された構成となっている。
【0048】上記実施例によれば、検出された受信レベ
ルLが所定の閾値Lbを越えている場合には、この受信
レベルLを増加させるように追尾方位角が変更される。
また、検出された受信レベルが上記閾値Lbよりも大き
な別の閾値Ltを越えておりかつ直前の追尾方位角の変
化速度が所定の閾値よりも小さい場合には、アンテナ本
体部がほぼ正確に衛星を向いている良好追尾状態にある
と判定して追尾方位角を一定値に保つホールド制御が実
行される。このホールド制御の追加によって、無用な追
尾動作が省略される。
【0049】しかしながら、この電波追尾方式によれ
ば、移動体の急旋回に伴う追尾誤差の急増によって受信
レベルが急減して雑音レベル程度に接近すると電波追尾
が継続不能となる場合がある。以下では、このような状
態を追尾外れの状態と称する。上記実施例では、上記追
尾外れの状態を受信レベルLが所定の閾値Lb以下にな
ったことで判定している。上記実施例では、追尾外れの
発生時にはその時点の追尾方位角を中心として振幅を漸
増させながらアンテナ本体部を振動的に旋回させて衛星
の再捕捉を行うというスイーピング制御(スイーピング
モード)が追加されている。
【0050】また、追尾外れが移動体の急旋回に起因し
てだけではなく、直進中での移動体が山や樹木やビルな
どの遮蔽物の陰に入ることによっても生じる。この追尾
外れが遮蔽物に起因するものであれば、上記スイーピン
グ制御の開始によってアンテナの追尾方位角が本来ある
べき値からかえって遠ざかってしまうと問題もある。そ
こで、上記実施例では、角速度センサを設置し、その検
出値やこれを積分した値の大きさに基づき追尾外れの発
生が移動体の急旋回によるものなのか、あるいは遮蔽物
の出現によるものなのかを弁別する構成を採用してい
る。
【0051】上記実施例の電波追尾方式では、車両の急
旋回による追尾外れが生じると直ちに上述したようなス
イーピング制御が開始される。しかしながら、このよう
なスイーピング制御では、振動的な変化の中心となる追
尾方位角は移動体の急旋回に伴って本来あるべき値から
大幅にずれてしまっている場合もある。このため、この
ようなずれ量をのもとで再捕捉までの時間を短縮しよう
とすれば、それだけ大振幅で高速の旋回が必要となる。
この結果、大きな負担に耐え得る頑丈な構造の旋回機構
が必要になり、大型で重くかつ高価になる。
【0052】上記微分制御によれば、所定角度にわたる
アンテナの回転が反復される。そして、この所定角度に
わたるアンテナの回転は直前の回転に伴う単位角度当た
りの受信レベルの増分が大きいほど大きな速度で行われ
る。また、上記実施例に開示したように、受信レベルが
閾値Lbよりも大きな値を有する閾値Ltよりも高くて
かつ直前に行われたアンテナの回転の速度Vが所定の閾
値Vthよりも小さければ、アンテナがほぼ正確に衛星の
方向を向いている追尾良好状態にあると見做され、追尾
方位角を固定状態に保つホールド制御が実行される。こ
のホールド制御においては、閾値Ltは、検出された一
層大きな受信レベルによって更新される最大受信レベル
に対する比率として定義されている。
【0053】本発明の第2の実施例は、上記実施例中の
スイーピング制御を、衛星方向の推定を取込んだ探索モ
ードによって置換した構成となっている。この第2の実
施例では、マイクロプロセッサ1は、上記電波追尾制御
と並行して時分割的に、車両旋回角検出ルーチンと電波
追尾ルーチンとを実行する。マイクロプロセッサ1は、
上記車両旋回角検出ルーチンにおいて、入出力インタフ
ェース回路6のバッファメモリから角速度のサンプリン
グ値を順次読取って積算してゆくことにより、角速度の
積分値、すなわち車両の旋回角を演算し内蔵のメモリに
書込む。この車両旋回角検出ルーチンでは、これと並行
して実行される電波追尾ルーチンにおいてホールド制御
が実行中であれば、検出された車両の旋回角がゼロにリ
セットされる。
【0054】図7は、移動体の旋回角とアンテナ本体の
追尾方位角との関係を示している。車両がθ旋回する
と、アンテナ本体の追尾方位角のずれもθとなる。図8
は、車両の旋回に伴って発生し角速度計7で検出された
角速度(A)と、その積分値(旋回角度)(B)と、追
尾外れを契機として開始される探索ルーチンによって設
定されるアンテナ本体部ATの追尾方位角θの中心値
(C)と、これを中心とする追尾方位角の掃引角度振幅
(D)と掃引速度(E)の時間変化の様子を例示してい
る。車両の旋回が開始されるまでは良好追尾状態にある
ものとすれば、マイクロプロセッサ1はホールド制御の
実行状態にある。このホールド制御状態のもとでは、角
速度計7によって検出された角速度の積分値が所定周期
でゼロにリセットされることにより、角速度計7の誤差
などに起因する累積誤差の発生が防止される。
【0055】車両の旋回の開始に伴い、一点鎖線で示す
時点で良好追尾状態から逸脱すると、ホールド制御に代
わって微分制御による電波追尾が開始される。この電波
追尾の開始後は、角速度の積分値(旋回角)のゼロへの
リセットが停止され、増加し始める。車両の旋回が急激
なため電波追尾によっては追随し切れなくなり、受信レ
ベルLが所定の閾値Lb以下に低下する追尾外れが生ず
ると、電波追尾ルーチンに代わって探索ルーチンの実行
が開始される。この追尾外れが図8中に点線で示す時点
で発生したものとすると、探索ルーチンの開始時点で
は、検出済みの旋回角はθ0 である。
【0056】探索ルーチンが開始されると、まず、現時
点の追尾方位角(0o )から検出済みの旋回角θ0 が減
算され、この減算値(−θ0 )が追尾方位角の掃引の中
心値に設定される。これと前後して階段的に増加する掃
引角度振幅Δθiと、掃引速度Viと、掃引時間Tiと
が設定される。上記設定された中心値のまわりに設定さ
れた振幅と掃引速度で設定された時間ずつ追尾方位角を
変化させながら、受信レベルLが閾値Lbを越えたか否
かの判定が反復される。この掃引中も、探索ルーチンの
開始後に生じた角速度の積分値に基づき、追尾方位角の
中心値の更新が反復される。受信レベルLが閾値Lbを
越えたことが検出されると、この探索ルーチンに代わっ
て電波追尾ルーチンが再開される。この探索ルーチンの
開始から所定の時間Tmax が経過しても受信レベルLが
閾値Lbを越えなければ、アンテナ本体部8を360 o
わたって回転させる最終段階の探索が開始される。
【0057】図9は、マイクロプロセッサ1が実行する
上記探索ルーチンの一例を示すフローチャートである。
マイクロプロセッサ1は、探索ルーチンの実行を開始す
るとまず、内蔵のタイマをリセットし(ステップ61)
し、同期外れ発生時点の追尾方位角から検出済みの移動
体の旋回角θoを減算し、この減算値−θoを掃引の中
心値として設定する(ステップ62)。次に、マイクロ
プロセッサ1は、探索の開始時点からの経過時間Tが最
終段階の探索を開始すべき時間Tmax に達しているか否
かを判定し(ステップ63)、達していなければ探索開
始時点からの経過時間Tと共に段階的に増大する掃引角
度振幅Δθiと掃引速度Viと掃引時間Tiとを設定す
る(ステップ64)。
【0058】次に、マイクロプロセッサ1は、−θo±
Δθiの角度範囲を速度Viで掃引しながら、受信レベ
ルLが閾値Lbを越えたか否かを判定する(ステップ6
5,66)。マイクロプロセッサ1は、受信レベルLが
閾値Lbを越えなかった場合は、設定中の掃引の中心値
−θoからその設定後に生じた移動体の旋回角の変化分
を減算し、これを新たな中心値として設定する(ステッ
プ67)。マイクロプロセッサ1は、掃引時間が設定し
た時間Tiを越えたか否かを判定し(ステップ68)、
越えていなければステップ65に戻ってステップ68ま
での処理を反復する。マイクロプロセッサ1は、掃引時
間が設定した時間Tiを越えた場合には、ステップ63
を経てステップ64に進み、掃引角度振幅θiと、掃引
速度Viと、掃引時間Tiを1段階増加させたのち、ス
テップ65からステップ68までを反復する。
【0059】マイクロプロセッサ1は、受信レベルLが
閾値Lbを越えたことをステップ66で検出すると、現
在の追尾方位角を保存し(ステップ70)、微分制御に
よる電波追尾状態に移行する。マイクロプロセッサ1
は、探索制御の開始時点からの経過時間Tが所定の時間
Tmax を越えたことをステップ63で検出すると、受信レ
ベルLが閾値Lbを越えるまで、360 o にわたって追尾
方位角を変化させる( ステップ69)。マイクロプロセ
ッサ1は、受信レベルLが閾値Lbを越えたことを検出
すると、この越えた時点の追尾方位角を保存し(ステッ
プ70)、微分制御による電波追尾状態に復帰する。な
お、上記ステップ69の実行は、この衛星アンテナ装置
の電源投入時にも直ちに開始される。
【0060】以上、本発明を二つの実施例によって説明
した。しかしながら、本発明は、上記各実施例を種々変
形することによっても実施することができる。以下に、
それらの変形例の典型的なものを列挙する。
【0061】上述した微分制御において、回転速度を所
定角度にわたる直前の回転に伴う受信レベルの増分に比
例させる構成を例示した。しかしながら、この回転速度
を上記増分の2乗に比例させたり、あるいはこの増分に
対する他の適宜な関数関係を設定できる。また、この所
定角度当たりの受信レベルの増分を、この所定角度とは
異なる適宜な単位角度、例えば、1°当たりや10°当
たりの受信レベルの増分に置き換えてもよい。
【0062】移動体の種類や角速度センサの検出精度な
どに応じて、角速度とその積分値も検出する構成の代り
に、角速度のみを検出しその積分値の検出を省略する構
成。
【0063】電波追尾手段による追尾状態が良好追尾状
態から逸脱したと判定した場合のみ保存中の角速度の積
分を所定時間だけ遡及して開始することにより、追尾外
れの直前に生じた移動体の旋回角を検出する構成。
【0064】良好追尾状態を受信レベルの大きさのみか
ら判定する構成。
【0065】角速度が所定の閾値を越えた時点からその
積分を開始することにより追尾外れ発生前後の移動体の
旋回角を検出する構成。
【0066】受信状態とは無関係に角速度の積分を定期
的に実行して最新の何個かの値を保存しておき、追尾外
れが発生すると、その直前に保存した積分値の変化量を
検出することにより追尾外れを発生させた移動体の旋回
角を検出する構成。
【0067】衛星の探索の開始後は、積分の所要時間を
削減するために、追尾方位角の中心値の修正を省略する
構成。
【0068】掃引振幅角度や、掃引速度などを段階的に
増加させる代わりに、滑らかに増加させる構成。
【0069】パルスモータを使用する代わりに、直流モ
ータをエンコーダと組合せて使用する構成。
【0070】必要な場合、方位角方向への追尾のみを行
う一軸追尾方式に代えて、仰角方向の追尾も並行して行
う構成。
【0071】衛星放送受信用アンテナに代えて、通信衛
星など他の適宜な静止衛星あるいは移動衛星からの電波
を受信し、あるいは送信するためのアンテナに本発明の
追尾装置を適用する構成。
【0072】車載用衛星アンテナの追尾制御に代えて、
船舶や列車など他の適宜な移動体に搭載された衛星アン
テナの追尾制御に本発明の追尾制御装置を適用する構
成。
【0073】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
追尾制御装置は、衛星アンテナを直前の回転に伴う単位
角度当たりの受信レベルの増分が大きいほど大きな回転
速度で所定角度ずつ回転させる微分制御実行手段を備え
ているので、高い追随性を実現できるという効果が奏さ
れる。
【0074】また、本発明の追尾制御装置は、受信レベ
ルの低下時に発生した角速度やその積分値を検出し、こ
の受信レベルの低下が遮蔽物による瞬断であるか車両の
急旋回によるものなのかに応じて直ちに適切な制御を開
始する構成であるから、一層高い追随性が実現できると
いう効果が奏される。
【0075】本発明の一実施例の追尾制御装置は、追尾
外れの発生時には、現在の追尾方位角を追尾外れの原因
となった移動体の旋回角で修正し、この修正値を中心に
時間の経過と共に増大する振幅で前記追尾方位角を掃引
して衛星の探索を行う構成であるから、そのような旋回
角による修正を行わない従来の方法に比べて掃引の中心
値が衛星の方向を向く可能性が大きい。このため、従来
に比べて低速で簡易な旋回機構のもとで再捕捉までの所
要時間を短縮できるという効果が奏される。
【0076】また、上記実施例によれば、掃引振幅、好
適には掃引速度も漸増させる構成であるから、再捕捉ま
での所要時間の短縮に伴って、消費電力も節減される。
【0077】さらに、追尾外れが移動体が直進中の遮蔽
物の出現のみによる瞬断に起因するものであれば、移動
体の旋回角はほぼゼロであるため現在の追尾方位角を中
心に探索が開始され、遮蔽物の影響が無くなると同時に
再捕捉が行われる可能性が高まる。
【0078】また、遮蔽物の出現と移動体の旋回が同時
に発生したことによって追尾外れが生じた場合にも、原
因の切りわけを行うことなく適切に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の追尾制御装置の構成を制御
対象の衛星アンテナと共に示すブロック図である。
【図2】アンテナの角度誤差と受信レベル及び受信レベ
ルの微分値との関係、並びに受信レベルと各種の閾値と
の関係を説明するための概念図である。
【図3】上記実施例の追尾制御装置が実行する微分制御
の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】上記実施例の追尾制御装置が実行するホールド
制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】上記実施例の追尾制御装置が実行するウエイト
制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】上記実施例の追尾制御装置が実行するスイーピ
ング制御の一例を説明するためのフローチャートであ
る。
【図7】移動体の旋回角とアンテナの追尾方位角との関
係を説明する概念図である。
【図8】移動体の旋回に伴って発生する角速度、角速度
の積分値、追尾方位角の中心値、掃引角度振幅等の時間
変化の様子の一例を示す波形図である。
【図9】本発明の他の実施例の移動体搭載用衛星アンテ
ナ装置が実行する探索制御の内容を説明するためのフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
AT 制御対象の衛星アンテナ 1 マイクロプロセッサ 5 受信レベル検出器 7 角速度計 8 加速度の積分値を出力する積分器 10 パルスモータ 11 回転支持機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 誠 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 加藤 和郎 神奈川県横浜市緑区鴨志田町79ー2 シス テム.ユニークス株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載され衛星から送信される電
    波を受信する衛星アンテナの追尾を制御する装置であっ
    て、 前記衛星アンテナ(AT)が受信した電波のレベルを検出
    し、この検出した受信レベルに基づき前記衛星アンテナ
    の回転角を制御する追尾制御手段(20)を備え、 この追尾制御手段は、所定角度にわたる衛星アンテナの
    回転を、直前の回転に伴う単位角度当たりの受信レベル
    の増分が大きいほど大きな回転速度で反復する微分制御
    手段(100) を備えたことを特徴とする移動体搭載衛星ア
    ンテナの追尾制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記追尾制御手段(20)は、前記衛星アンテナの回転角度
    を前記微分制御の実行終了時点の状態に保持し続けるホ
    ールド制御手段(200) を備え、 前記受信レベルが所定の閾値Ltを越えかつ前記回転速
    度が所定値よりも低下すると前記微分制御手段(100) の
    実行を終了させ、以後前記ホールド制御手段に制御を移
    行させることを特徴とする移動体搭載衛星アンテナの追
    尾制御装置。
  3. 【請求項3】移動体に搭載され衛星から送信される電波
    を受信する衛星アンテナの追尾を制御する装置であっ
    て、 追尾精度を高めるための制御手段(100) と、受信レベル
    の回復を所定期間待ち合わせるウエイト制御手段(300)
    と、前記衛星アンテナが受信した電波のレベルと前記移
    動体の角速度とを検出しこれら検出した受信レベルと角
    速度とに基づき前記衛星アンテナの回転角を制御する追
    尾制御手段とを備え、 この追尾制御手段は、 検出した受信レベルを所定の閾値Ltと比較しこの受信
    レベルが前記閾値を越えていれば前記衛星アンテナの回
    転角を現在の状態に保持したまま新たな受信レベルの検
    出と前記閾値Ltとの比較を反復し、 新たに検出した受信レベルが前記閾値Ltよりも低下し
    た際に検出した角速度が所定の閾値を越えていれば追尾
    精度を高めるための制御手段(100) に制御を移行させ、
    前記検出した角速度が前記閾値以下であれば前記ウエイ
    ト制御手段(300) に制御を移行させるホールド制御手段
    (200) を備えたことを特徴とする移動体搭載衛星アンテ
    ナの追尾制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3おいて、 前記ホールド制御手段(200) は、前記閾値Ltを受信レ
    ベルのピーク値に対する相対値として設定し、新たに検
    出した受信レベルがそのピーク値の所定倍率よりも大き
    な閾値を越えるたびに、この新たに検出した受信レベル
    によって前記受信レベルのピーク値を更新すると共にこ
    の新たなピークによって前記閾値Ltを更新することを
    特徴とする移動体搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3及び4のそれぞれにおいて、 前記追尾精度を高めるための制御手段(100) は、所定角
    度にわたる衛星アンテナの回転を直前の回転に伴う単位
    角度当たりの受信レベルの増分が大きいほど大きな回転
    速度で反復する微分制御を行うことを特徴とする移動体
    搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記追尾精度を高めるための手段(100) は、前記受信レ
    ベルが所定の閾値Ltを越えかつ前記回転速度が所定値
    以下になるとその実行を終了し、前記ホールド制御手段
    (200) に制御を移行させることを特徴とする移動体搭載
    衛星アンテナの追尾制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のそれぞれにおいて、 前記追尾制御手段はさらに360 o にわたる回転によって
    衛星方向を探索するスイーピング手段(500) を備え、 前記ウエイト制御手段(300) は、新たな受信レベルを検
    出し前記所定の閾値Ltと比較する動作を高頻度で反復
    する前半部分と、新たな受信レベルを検出し前記所定の
    閾値Ltと比較する動作を低頻度で反復する後半部分と
    から成り、前記所定の待ち合わせ期間内に受信レベルが
    前記閾値Ltを越える状態に復帰すれば前記ホールド制
    御手段(200) に制御を移行させ、復帰しなければ前記ス
    イーピング手段(500) に制御を移行させることを特徴と
    する移動体搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記ウエイト制御手段(300) は、前記待ち合わせ期間内
    に所定頻度で検出した角速度が所定の閾値以上になると
    その実行を終了し、前記追尾精度を高めるための制御手
    段(100) に制御を移行させることを特徴とする移動体搭
    載衛星アンテナの追尾制御装置。
  9. 【請求項9】移動体に搭載され衛星から送信される電波
    を受信する衛星アンテナの追尾を制御する装置であっ
    て、 追尾精度を高めるための制御手段(100) と、受信レベル
    の回復を所定期間にわたって待ち合わせるウエイト制御
    手段(300) と、前記衛星アンテナが受信した電波のレベ
    ルと前記移動体の角速度とこの角速度の積分値とを検出
    しこれら検出した受信レベルと角速度とその積分値とに
    基づき前記衛星アンテナの回転角を制御する追尾制御手
    段を備え、 この追尾制御手段は、 検出した受信レベルを所定の閾値Ltと比較しこの受信
    レベルが前記閾値を越えていれば前記衛星アンテナの回
    転角を現在の状態に保持したまま新たな受信レベルの検
    出と前記閾値Ltとの比較を反復し、 新たに検出した受信レベルが前記閾値Ltよりも低下し
    た際に検出した角速度とその積分値のいずれかがそれぞ
    れについて定められた閾値以上であれば追尾精度を高め
    るための制御手段(100) に制御を移行させ、前記検出し
    た角速度とその積算値とがいずれも前記閾値未満であれ
    ば前記ウエイト制御手段(300) に制御を移行させるホー
    ルド制御手段(200) を備えた特徴とする移動体搭載衛星
    アンテナの追尾制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9おいて、 前記ホールド制御手段(200) は、前記閾値Ltを受信レ
    ベルのピーク値に対する相対値として設定し、新たに検
    出した受信レベルがそのピーク値よりも所定倍率以上大
    きな閾値を越えるたびに、この新たに検出した受信レベ
    ルによって前記受信レベルのピーク値を更新すると共に
    この新たなピークによって前記閾値Ltを更新すること
    を特徴とする移動体搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項9及び10おいて、 前記追尾精度を高めるための制御手段(100) は、所定角
    度にわたる衛星アンテナの回転を直前の回転に伴う単位
    角度当たりの受信レベルの増分が大きいほど大きな回転
    速度で反復する微分制御を行うことを特徴とする移動体
    搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記追尾精度を高めるための制御手段(100) は、前記受
    信レベルが所定の閾値Ltを越えかつ前記回転速度が所
    定値以下になるとその実行を終了し、前記ホールド制御
    手段(200) に制御を移行させることを特徴とする移動体
    搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項9乃至12のそれぞれにおいて、 前記追尾制御手段は、さらに最大360 o にわたる回転に
    よって衛星方向を探索するスイーピング手段(500) を備
    え、 前記ウエイト制御手段(330) は、新たな受信レベルを検
    出し前記所定の閾値Ltと比較する動作を高頻度で反復
    する前半部分と、新たな受信レベルを検出し前記所定の
    閾値Ltと比較する動作を低頻度で反復する後半部分と
    から成り、前記所定の待ち合わせ期間内に受信レベルが
    前記閾値Ltを越える状態に復帰すれば前記ホールド制
    御手段(200) に制御を移行させ、復帰しなければ前記ス
    イーピング手段(500) に制御を移行させることを特徴と
    する移動体搭載衛星アンテナの追尾制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 前記ウエイト制御手段(300) は、前記待ち合わせ期間内
    に所定頻度で検出した角速度が所定の閾値以上になると
    その実行を終了し、前記追尾精度を高めるための制御手
    段(100) に制御を移行させることを特徴とする移動体搭
    載衛星アンテナの追尾制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項13及び14のそれぞれにおいて、 前記ウエイト制御手段(300) は、前記待ち合わせ期間内
    に検出した受信レベルが前記閾値Ltとこれよりも低い
    閾値Lmとの中間に連続して所定回数出現するとその実
    行を終了し、前記追尾精度を高めるための制御手段(10
    0) に制御を移行させることを特徴とする移動体搭載衛
    星アンテナの追尾制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項9乃至15のそれぞれにおいて、 前記衛星は静止軌道上の放送衛星であり、前記移動体は
    車両であることを特徴とする移動体搭載衛星アンテナの
    追尾制御装置。
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WO1996038876A1 (fr) * 1995-05-29 1996-12-05 Nippon Steel Corporation Dispositif de telecommunications par satellite monte sur un corps mobile
WO2003067771A1 (fr) * 2002-02-07 2003-08-14 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Appareil de communication radio
US7212510B2 (en) 1997-08-12 2007-05-01 Fujitsu Limited Wireless LAN system and a transmitter-receiver in a wireless LAN system
KR102082139B1 (ko) * 2018-11-12 2020-02-27 주식회사 제이컴스 전파강수계의 안테나 구동 방법 및 그 장치

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