JPH0951220A - 移動体搭載用衛星通信装置 - Google Patents

移動体搭載用衛星通信装置

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JPH0951220A
JPH0951220A JP8154942A JP15494296A JPH0951220A JP H0951220 A JPH0951220 A JP H0951220A JP 8154942 A JP8154942 A JP 8154942A JP 15494296 A JP15494296 A JP 15494296A JP H0951220 A JPH0951220 A JP H0951220A
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angle
antenna
satellite
communication device
receiving
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JP8154942A
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English (en)
Inventor
Takashi Oshima
孝 尾島
Shinji Takahashi
伸治 高橋
Masahiro Uematsu
正博 植松
Makoto Ochiai
誠 落合
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Transceivers (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Relay Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 〔課題〕車両等の移動体に搭載され、衛星に対する自動
追尾状態のもとでこの衛星との間で信号を送受信する移
動体搭載用衛星通信装置の小型、低廉、高性能化を実現
する。 〔解決手段〕受信アンテナ(RXAT)と、送信アンテナ(TXA
T)とが分離して設置され、受信アンテナについては、受
信レベル検出(RXDT)、追尾角度算定部(CMP) 、追尾角度
出力部(OUT) 、モータドライバ(RXMD)、モータ(RXMR)な
どを用いて電波追尾方式に基づくクローズドループ制御
が行われる。送信アンテナについては、追尾角度出力部
(OUT) 、モータドライバ(TXMD) 、モータ(TXMR)などを
用いて受信アンテナの追尾動作に追随せしめられるオー
プンループ制御が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車載用衛星通信装
置などとして利用される移動体搭載用衛星通信装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、急速に拡大しつつあるパーソナル
衛星通信の需要を満たすために、移動局、携帯局などの
間の直接通信を可能にする経済的なパーソナル衛星通信
システムが計画されている。
【0003】移動体搭載用衛星通信装置においては、高
速の自動追尾機能が必要になる。すなわち、通信の相手
方である衛星は赤道の上空にほぼ静止しているが、移動
体の向きがその走行に伴って時々刻々変化するため、ア
ンテナ本体を常に衛星の方向に向けておくための自動追
尾機能が必要になる。特に、車両については、交差点内
の右折や左折を想起すれば容易に理解できるように、向
きが急激に変化するという点で列車、船舶、航空機など
の他の移動体に比べて高度の自動追尾機能が要求され
る。
【0004】自動追尾の方式としては、受信電波のレベ
ルの検出回路を含むフィードバックループを構成してお
き受信電波のレベルの増加方向にアンテナの向きを制御
する電波追尾方式と、移動体の緯度と経度を検出し、こ
の検出値から静止衛星の方向を算出してアンテナの向き
を制御する絶対値追尾方式とがある。
【0005】電波追尾方式は、移動体の絶対位置の検出
を必要としないという利点があるが、遮蔽物による妨害
を回避するための特別の工夫が必要になる。すなわち、
都市の路上などを走行する車両では、建物や陸橋などに
よって衛星が遮られてしまうため、電波追尾方式のもと
では一時的な追尾不能状態が頻繁に発生するという問題
がある。
【0006】また、車両の場合にはアンテナを車室内や
荷物室内、あるいは屋根などに取付けることになるが、
大型のバスやトラックなどとは異なり小型の乗用車の場
合はいずれの取付け箇所も狭いため、自動追尾機構を含
むアンテナの小型化が必要になる。また、取付け面積の
低減だけでなく取付け高さの低減も必要になる。アンテ
ナ本体の小型化は、必要なアンテナ利得を確保するうえ
で限界があるため、その自動追尾機構の小型化が必要に
なる。
【0007】本出願人は、車両への搭載に適した小型・
高性能でしかも安価な構成の車載用衛星放送受信装置に
関するいくつかの発明について既に特許出願を行ってい
る(特開平7ー106847号等)。この車載用衛星放送受信
装置に使用しているアンテナ装置は、日本列島から見た
静止衛星の仰角の平均値程度のチルト角を有すると共に
ほぼ水平に設置される漏れ波導波管スロットアレイ平面
アンテナから成る本体部分と、この本体部分を水平面内
で回転させる自動追尾機構とから構成されている。この
ように、仰角方向の追尾を不要とすることにより、追尾
機構を含めたアンテナの取付け面積と取付け高さとが大
幅に低減されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した衛星放送受信
用アンテナを、上述したパーソナル衛星通信システムの
移動体搭載用衛星通信装置に適用するには、次のような
各種の課題を解決する必要がある。
【0009】まず、第1に、パーソナル衛星通信システ
ムでは受信用と送信用の搬送波周波数がほぼ10GHz と大
幅に異なっているため、衛星放送受信用に開発済みの漏
れ波導波管スロットアレイ平面アンテナを車載用衛星通
信装置に適用しようとした場合、受信専用のアンテナと
送信専用のアンテナとを別個に設置する必要がある。従
って、送信用と受信用に2個のアンテナを設置すること
に伴う衛星通信装置全体の大型化、自動追尾制御の煩雑
化、製造費用の増大などを回避するために、漏れ波導波
管スロットアレイ平面アンテナに代えて送受信の共用化
が容易な平面アンテナ(例えば、特開平 5ー7108号参
照)や、パラボラアンテナなど他のタイプのアンテナを
使用するという解決策も考えられる。
【0010】第2に、仮にパーソナル衛星通信システム
の車載用衛星通信装置に上記衛星放送受信用の漏れ波導
波管スロットアレイ平面アンテナを適用するものとすれ
ば、移動体上の取付け面積、追尾制御精度、製造費用な
どの点を勘案した最適の構成を実現するために、受信ア
ンテナと送信アンテナの自動追尾機構をどのように構成
すべきかの課題が残されている。一つの構成案として、
図16の平面図に示すように、仰角に対応するチルト角を
有する受信用アンテナRXATと送信用アンテナTXATとを共
通の回転基板BP上に取付け、この回転基板BPを回転自在
に保持させると共に自動追尾用のモータM を使用して、
回転基板BPの水平面内の角度(方位角)、従って各アン
テナRXAT,TXATの方位角を制御する方法が考えられる。
【0011】しかしながら、図16の構成では、送受信各
アンテナと静止中の無線装置との間を接続する給電線路
の途中にロータリージョイントRJを形成する必要があ
る。このロータリージョイントRJの形成箇所は回転基板
BPの回転中心という1点に限定されることから、ロータ
リージョイントを送受信共用の構成とする必要がある。
しかしながら、送受信の周波数が10GHz も離れているこ
とから、送受信アンテナの共用化の場合と同様に、ロー
タリージョイントの送受信共用化は技術的に困難であ
る。
【0012】そこで、他の構成として、図 17 平面図に
示すようなものが考えられる。すなわち、受信用アンテ
ナRXATと送信用アンテナTXATとを別体の回転基板BPr,
BPt上に取付け、各回転基板BPr,BPtを回転自在に保
持させると共に、共通のモータM と、プーリーPとを使
用して、各回転基板BPr,BPt、従って各アンテナRXAT
とTXATの方位角を同一の値に保ちながら制御する方法が
考えられる。
【0013】しかしながら、図17の構成では、送受信ア
ンテナと駆動装置とが一体化されているため、移動体へ
の取付け面積が増大するという問題がある。特に、移動
体が車両であれば、屋根などの取付け箇所について広い
面積を確保するのが困難になる。また、図17の構成で
は、ベルトやギヤなど回転力の伝達機構のずれなどによ
って送受信アンテナ間に方位角のずれが生じた場合、ユ
ーザーがこれを検出して修正することは困難である。
【0014】また、図16と図17に示した構成のいずれに
ついても、送信用、受信用の各アンテナとレドームとの
配置を各アンテナについて同時には最適化できないとい
う問題がある。従って、本発明の目的は、上記各種の問
題を解決することによって小型化、低廉化、高性能化を
実現した移動体搭載用衛星通信装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点による移動体搭載用衛星通信装
置は、移動体に搭載され、衛星に対する自動追尾を行う
ことにより前記衛星との間で信号を送受信する移動体搭
載用衛星通信装置であって、前記衛星から信号を受信す
るための可動な受信アンテナと、前記衛星に信号を送信
するための送信アンテナであって、前記受信アンテナと
分離して設置されているものと、前記衛星から送信され
る電波を追尾するよう、前記受信アンテナの方向をクロ
ーズドループを用いて制御する第1の制御手段と、前記
受信アンテナの方向に追随するように、前記送信アンテ
ナの方向をオープンループを用いて制御する第2の制御
手段とを備える。
【0016】本発明の第2の観点による移動体搭載用衛
星通信装置は、移動体に搭載され、衛星に対する自動追
尾を行うことにより前記衛星との間で信号を送受信する
移動体搭載用衛星通信装置であって、前記衛星から信号
を受信するための可動な受信アンテナと、前記衛星に信
号を送信するための可動な送信アンテナであって、前記
受信アンテナと分離して設置されているものと、前記受
信アンテナの角度を変更する受信角度変更部と、前記送
信アンテナの角度を変更する送信角度変更部と、前記受
信アンテナによって受信された信号のレベルを検出し、
この検出されたレベルを増加させる変更角度を前記受信
角度変更部に指令し、かつ前記受信角度変更部に指令し
た変更角度と同一の変更角度を前記送信角度変更部にも
指令する自動追尾部とを備える。
【0017】上記本発明の移動体搭載用衛星通信装置に
よれば、受信アンテナと送信アンテナとは機械的には完
全に独立に構成されると共に、電気的には同期して動作
する。この結果、本発明の衛星通信装置を大型のバスな
どに搭載する場合には、屋根上に形成されている換気装
置などの既存の構築物を避けながら受信アンテナ装置と
送信アンテナ装置とを屋根上に分散して設置することが
でき、小型の乗用車などに搭載する場合には、受信アン
テナと送信アンテナのうち一方を屋根上に、他方を車室
内やトランク内などに分散して配置することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一つの実施の形態に係わ
る移動体搭載用衛星通信装置は、図1に示すように、受
信系と送信系とから構成される。受信系については受信
アンテナRXAT、受信レベル検出部RXDT、追尾角度算定部
CMP 、追尾角度出力部OUT 、モータドライバRXMD及びモ
ータRXMRから成る電波追尾式のクローズドループが形成
される。これに対して、送信系については、追尾角度出
力部OUT 、モータドライバTXMD、モータTXMR及び送信ア
ンテナTXATから成るオープンループが構成され、追尾角
度出力部OUT からは受信アンテナの追尾状態が良好な場
合にのみこの受信アンテナの制御に使用されると同一の
角度変更指令が送信系にも出力される。この場合におい
て、追尾角度出力部OUTからは、受信アンテナの追尾
状態が良好な場合にのみ、この受信アンテナの制御に使
用されるのと同一の角度変更指令が送信系にも出力され
るようにしてもよい。
【0019】
【実施例】図2は、本発明の第1の実施例の移動体搭載
用衛星通信装置の構成を示すブロック図である。この移
動体搭載用衛星通信装置は、受信アンテナ11で受信し
た信号を処理すると共に、送信アンテナ21に送信信号
を供給する信号処理系として、送受信・信号処理部4
0、低雑音増幅器(LNA)41、バイアスティー4
2、ロータリー・ジョイント43、受信ミキサー(MI
X)44、受信ローカル発振器45、基準信号発振器4
6、送信ローカル発振器47、送信ミキサー48、大電
力増幅器49及びロータリー・ジョイント50を備えて
いる。
【0020】まず、上記信号処理系の動作の概要を説明
すれば、衛星から送信されて受信アンテナ11に受信さ
れた20GHz 帯の高周波の受信信号は、低雑音増幅器41
と、これにバイアス電圧を供給するバイアスティー42
と、ロータリー・ジョイント43とを経て受信ミキサー
44に供給される。受信ミキサー44には受信ローカル
発振器45から20GHz の受信ローカル信号が供給されて
おり、これと高周波の受信信号との差周波1GHzの中間周
波数信号が受信ミキサー44から出力され、送受信・信
号処理部40に供給される。
【0021】送受信・信号処理部40内で処理された 1
GHz の中間周波数の送信信号が送信ミキサー48に供給
される。送信ミキサー48には送信ローカル発振器47
から送信ローカル信号が供給されており、これと送信中
間周波数との和周波 30GHzの高周波の送信信号が、大電
力増幅器49とロータリー・ジョイント50とを経て送
信アンテナ21に供給され、レドーム22を通して衛星
に向けて送信される。上記受信ローカル発振器45と送
信ローカル発振器47は共にPLL発振器から構成され
ており、基準信号発振器46から供給される高い周波数
安定度を有する10 MHzの基準信号に基づき高い周波数
安定度のローカル発振信号を発生する。
【0022】上記受信アンテナ11も送信アンテナ21
も、仰角方向にチルト角を有する漏れ波導波管スロット
アレイ平面アンテナで構成されている。この車載用衛星
通信装置は受信アンテナ11と送信アンテナ21の自動
追尾を行うために、受信モータ13、受信モータ・ドラ
イバ14、受信アンテナの原点センサ15、PLL発振
器16、局部発振器17a〜17c、ミキサー18a〜
18c、検波器19、送信モータ23、送信モータ・ド
ライバ24、送信アンテナの原点センサ25、CPU3
0、入力インタフェース回路31、ジャイロセンサ3
2、地磁気センサ33などを備えている。
【0023】上記自動追尾は、受信信号のレベルを増大
させる方向に受信アンテナの方位角を変更するという電
波追尾方式を主体として行われる。この電波追尾におい
て、受信信号に含まれる所定周波数のパイロットの信号
のレベルが、受信電波のレベルの基準とされる。すなわ
ち、受信ミキサー44から出力される中心周波数1GHzの
中間周波数信号中には、その中心周波数よりも30MHz 高
い周波数を有するパイロット信号が含まれており、受信
信号中から抽出したパイロット信号のレベルを増大させ
る方向にアンテナ方位角が制御される。
【0024】ところで、上記パイロット信号のレベル
は、周辺のデータ信号に及ぼす干渉を最小限に留めるた
めに、データ信号のレベルよりも 5dBほど低い値に設定
されている。このため、帯域通過濾波回路を用いて周辺
のデータ信号からパイロット信号のみを抽出したので
は、パイロット信号のC/N が低下してしまい、追尾精度
の向上は望めない。そこで、この中間周波数のデータ信
号からパイロット信号を高C/N の状態を保ちながら抽出
するために、縦列配置された3段のミキサー18a〜1
8cにおいて、順次3回にわたる周波数変換が行われ
る。
【0025】すなわち、受信ミキサー44から出力され
る中心周波数1GHzの中間周波数信号が、ローカル発振器
17aからローカル発振信号を受ける初段のミキサー1
8aに供給され、400 MHz のビート信号に変換される。
この400 MHz のビート信号は、ローカル発振器17bか
らローカル発振信号を受ける次段のミキサー18bに供
給され、10MHz のビート信号に変換される。更に、この
10MHz のビート信号は、ローカル発振器17cからロー
カル発振信号を受ける最終段のミキサー18cに供給さ
れ、450KHzのビート信号に変換される。
【0026】最終段のミキサー18cから出力された45
0KHzのビート信号は、検波器19でAM検波を受けてパ
イロット信号のレベルを示す大きさの直流電圧となり、
A/D変換器を含む入力インタフェース回路31で12
ビットのディジタル信号に変換され、CPU30に読取
られる。このように、複数回にわたって周波数のダウン
コンバージョンを行うことにより、干渉回避のためにデ
ータ信号より 5dBも低いレベルに設定したパイロット信
号を高C/N 比の状態で抽出することができる。
【0027】さて、本実施例の移動体搭載用衛星通信装
置では、上記受信電波から抽出したパイロット信号のレ
ベルに基づく電波追尾制御に加えて、ジャイロセンサを
利用した追尾制御も併用される。すなわち、本実施例の
衛星通信装置を搭載している車両の適宜な箇所に取付け
られているジャイロセンサ32によって、この車両の進
路変更(旋回)時に発生する角速度が検出される。
【0028】ジャイロセンサ32としては、株式会社村
田製作所から商品名「ジャイロスター」として市販され
ている角速度計などの適宜な形式のものを使用できる。
検出される角速度は、車両の旋回方向を示す極性を含ん
でおり、これは入力インタフェース回路31において1
2ビット幅のディジタル信号に変換され、CPU30に
読取られ、内蔵のメモリに保存される。
【0029】CPU30は、読取った角速度を積分する
ことによって角速度の積分値を作成し、これも内蔵のメ
モリに保存する。これら保存値は、ジャイロセンサ32
の出力が入力インタフェース回路31において所定のサ
ンプリング周期で変化するたびに更新されてゆく。以下
では、CPU30が入力インタフエース回路31から角
速度やパイロット信号の受信レベルを受取ることと、受
け取った各速度からその積分値を算定することを、CP
U30が角速度や受信レベルや各速度の積分値を検出す
ると表現する。
【0030】CPU30は、検出したパイロット信号の
受信レベルと、角速度とその積分値とに基づき、受信ア
ンテナ11の追尾制御のための方位角の回転方向と回転
角度とを決定し、受信アンテナ11の方位角を変更する
ためのモータ駆動指令を受信モータ・ドライバ14に指
令する。受信モータ・ドライバ14は、CPU30から
受けたモータ駆動指令に従い、受信アンテナ11の方位
角の変更方向に対応する極性の駆動パルスを方位角の変
更値の大きさに対応する個数だけステップモータによっ
て構成される受信モータ13に供給する。
【0031】引き続き、CPU30は、受信モータ・ド
ライバ14に発したと同一のモータ駆動指令を送信モー
タ・ドライバ24にも発する。送信モータ・ドライバ2
4は、CPU30から受けたモータ駆動指令に従い、送
信アンテナ21の方位角の変更方向に対応する極性の駆
動パルスを方位角の変更値の大きさに対応する個数だけ
ステップモータによって構成される送信モータ23に供
給する。このように、CPU30は、電波追尾方式に従
い受信モータドライバ14に発したと同一の方位角変更
に関するモータ駆動指令を送信モータドライバ34にも
指令する構成であるから、受信アンテナ11と送信アン
テナ21は常に同一の方位角を保つように制御される。
【0032】上述のように受信アンテナ11と送信アン
テナ21との間の方位角の同期制御を実現するために、
各アンテナに原点センサ15、25が設置されている。
これらの原点センサは、適宜なもので構成できるが、例
えば、発光素子と受光素子の対と遮光体との組合せによ
る光学的な位置検出センサなどから構成可能である。す
なわち、各アンテナの回転保持機構の回転側の円周方向
の所定箇所に遮光のための突起を形成すると共に、この
突起を介在させながら対向できる状態で上記回転保持機
構の固定側の円周方向の所定箇所(以下「原点」と称す
る)に発光素子と受光素子の対を配置しておき、上記遮
光用の突起が原点に位置したことを受光素子の受信レベ
ルの低下によって検出する。
【0033】上記突起による遮光が生じた時点の各アン
テナの方位角を基準点とし、CPU30は、各アンテナ
が基準点に達した時に受信側のパルスモータと送信側の
パルスモータのそれぞれに設定されたパルス個数の差か
ら両者のずれ量を検出し、補正する。上記基準点のずれ
量の検出と補正は、CPU30が実行する後述する各種
の追尾制御のうちの適宜なもの、例えば、スイーピング
制御と並行して実行される。すなわち、CPU30は、
後述するスイーピング制御の実行中に受信側と送信側の
双方について原点検出時点におけるモータの回転角の差
を各モータに出力したパルス個数の差から検出し、両者
のずれ量を基準点のずれ量として補正する。
【0034】受信アンテナ装置と送信アンテナ装置とが
完全に分離された結果、双方でパルスモータなどを共用
できなくなるが、パルスモータなどの汎用品は、特注品
のレドームなどに比べて極めて安価であるため、全体と
しての低コスト化も実現される。さらに、受信アンテナ
と送信アンテナとを専用のレドームに収容する構成であ
るから、10GHz も異なる受信用と送信用の各周波数帯に
ついて、アンテナ本体部とレドームとの間の最適の配置
を独立に実現でき、レドームを含めたアンテナの感度を
向上できる。
【0035】図3は、図2の受信アンテナ11と、受信
モータ13とを含む受信アンテナ装置の構成をレドーム
12を取り外した状態で示す平面図である。13aは減
速機である。送信アンテナ装置も図3の受信アンテナ装
置と全く同じ構成となっている。このように、本実施例
の車載用衛星通信装置は、受信アンテナ装置と送信アン
テナ装置とは機械的には完全に独立した構成となってい
る。このため、大型のバスなどについてはそれぞれを屋
根上の換気装置を避けつつ屋根上に分散して設置した
り、小型の乗用車などについては一方を屋根上に、他方
を車室内やトランク内などに分散して配置することがで
きる。
【0036】さて、自動追尾に際しては、時々刻々変化
する受信レベルに応じて各種の制御を実行するために、
受信レベルに関していくつかの閾値が定義されている。
これらの閾値は、図4に示すように、ピーク値Lpに対
する比率(相対値)として定義されている。ピーク値L
pは、図示しないマイクロプロセッサが検出した最新の
いくつかの受信レベルのうちの最大値である。このピー
ク値は、これよりも所定倍率だけ大きな閾値Lo(例え
ばピーク値の110 %値)を越える新たな受信レベルが検
出されるたびに、そのような一層大きな受信レベルによ
って更新される。このように、ピーク値の更新に10%の
ヒステリシスを設定したのは、受信レベルの短時間の変
動に伴いピーク値を頻繁に変更するという無駄な処理を
除去するためである。
【0037】閾値Ltは、ピーク値Lpよりも多少低い
値(例えば93%値)であり、受信レベルがこの閾値L
tを越えている限り、アンテナの回転による追尾精度の
更改は行われない。閾値Lbは、ピーク値に比べて相当
小さな値(例えば20%値)であり、受信レベルがこの
閾値Lbよりも低下すると、大きな角度誤差が発生した
ものと見做される。この場合、マイクロプロセッサは、
アンテナの方位角を最大360o にわたって変化させな
がら衛星の方向を探索するスイーピング制御の実行を開
始する。閾値Lmは、ピーク値Lpと閾値Lbの中間程
度の値(例えば50%値)である。この閾値Lmの意義
については後述する。
【0038】まず、CPU30が実行する微分制御につ
いて、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
この微分制御は、主として次のような場合に開始され
る。 (1)スイーピング制御の実行の結果、閾値Lbよりも大
きな受信レベルが検出された場合。 (2)受信レベルがピーク値の93%程度の閾値Ltよりも
低下すると共に、閾値よりも大きな有為な角速度やその
積分値が検出されることにより、車両の旋回に伴うかな
りの角度誤差が生じたと判断された場合。
【0039】CPU30は、微分制御の実行を開始する
と、まず、回転すべき方向が確定しているか否かを判断
する(ステップS11)。この微分制御の直前に実行さ
れていた追尾制御がスイーピング制御であれば、このス
イーピング制御において受信レベルをLb以上まで増加
させた回転方向が既に確定している。また、この微分制
御の開始の契機が角速度値やその積分値が有為な値を越
えたことにあれば、それらの極性によって示される車両
の旋回方向と逆の方向にアンテナを回転させればよく、
回転すべき方向が確定している。
【0040】しかしながら、角速度の積分値については
その極性が角速度の場合に比べて不確かなことも予想さ
れるため、この場合だけ回転すべき方向の確定が行われ
る(ステップS12)。すなわち、マイクロプロセッサ
は、まず、角速度の積分値の極性から予想される方向に
所定角度だけ回転させ、この回転に伴い受信レベルが増
加すればこの方向を回転すべき正しい方向として確定
し、受信レベルが減少すれば逆の方向を回転すべき正し
い方向として確定する。
【0041】CPU30は、回転すべき方向の確定が終
了すると、アンテナの回転速度Vとして初期値Voを設
定し(ステップS13)、アンテナをこの回転速度Vo
で確定済みの方向に所定角度Δθだけ回転させる(ステ
ップS14)。この後、マイクロプロセッサは、新たな
受信レベルLと、この受信レベルLの回転前の受信レベ
ルからの増分ΔLを検出する(ステップS15)。次
に、マイクロプロセッサは、新たに検出した受信レベル
が閾値Lbを越えているか否かを判定し、越えていれ
ば、次のステップS17に移行し、越えていなければス
イーピング制御に移行する(ステップS16)。マイク
ロプロセッサは、ステップS17に移行すると、アンテ
ナの回転速度VをΔLに比例する量に変更する。
【0042】CPU30は、新たに受信レベルLを検出
しこの検出した受信レベルが閾値Ltを越えたか否かを
判定し(ステップS18)、越えていなければ衛星を補
足していないと見做してステップS14に戻り、アンテ
ナを更新済みの回転速度Vで所定角度Δθだけ回転させ
る。なお、この実施例では、所定角度Δθはパルスモー
タに供給するパルス個数により設定され、回転速度はパ
ルスモータに供給するパルスの時間間隔を変更すること
によって変更される。このように、マイクロプロセッサ
は、新たに検出した受信レベルが閾値Ltを越えるま
で、次回の回転速度を直前の回転によって検出された受
信レベルの増分に比例する値に更新しながら、所定角度
Δθずつの回転を反復する(ステップS14からステッ
プS18まで)。
【0043】CPU30は、新たに検出した受信レベル
が閾値Ltを越えたことをステップS18で検出する
と、次のステップS19に移行し、設定中の回転速度V
が所定の閾値Vth よりも小さいか否かを判定する。こ
の判定結果が否定的であれば、マイクロプロセッサは、
ステップS14に戻り、受信レベルLが閾値Ltを越え
かつ回転速度Vが閾値Vth 以下になるまで、ステップ
S14からステップS19までの制御を反復する。新た
に検出した受信レベルがそのピーク値Lpに十分接近す
ると、ステップS19の判定結果は肯定的となる。この
場合、マイクロプロセッサは、微分制御の実行を終了
し、ホールド制御の実行を開始する。
【0044】次に、CPU30が実行するホールド制御
について、図6のフローチャートを参照しながら説明す
る。CPU30は、まず、このホールド制御の開始の直
前に検出した受信レベルを新たなピーク値Lpとして設
定し、このピーク値に対する相対値である閾値Lt,L
b,Lm,Loを算定して設定し直す(ステップS2
1)。次に、マイクロプロセッサは、新たな受信レベル
Lを検出し(ステップS22)、これを閾値Ltと比較
する。マイクロプロセッサは、受信レベルLが閾値Lt
よりも大きければ、ステップS24に移行し、この受信
レベルLと閾値Loとを比較する。マイクロプロセッサ
は、新たに検出した受信レベルLが閾値Loよりも小さ
ければ、ステップS22戻り、ステップS24までの処
理を反復する。
【0045】すなわち、新たに検出した受信レベルLが
閾値Ltよりも大きな値に保たれる安定な受信状態が続
いている限り、ステップS22からステップS24まで
の処理が反復される。この反復処理は、直前の処理を終
了すると直ちに次の処理を開始するような非同期状態で
実行してもよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち状態を
設けて一定周期で処理を反復する同期状態で実行するこ
ともできる。このホールド制御の実行中は、アンテナの
回転角度はその実行直前の値に保持される。
【0046】CPU30は、新たに検出した受信レベル
Lが閾値Loを越えたことをステップS24で検出する
と、ステップS21に戻り、この新たな受信レベルを新
たなピーク値Lpとして設定し直すと共に、この新たな
ピークに対する相対値である閾値Lt,Lb,Lm,L
oについても算定し直す。マイクロプロセッサは、新た
に検出した受信レベルLが閾値Ltよりも小さくなった
ことをステップS23で判定すると、角速度を検出しこ
れが閾値を越えているか否かを判定する(ステップS2
5)。
【0047】マイクロプロセッサは、検出した角速度が
閾値を越えていなければ、その積分値を検出しこれが閾
値を越えているか否かを検出する(ステップS26)。
この角速度の積分値は、車両が緩やかに大きなカーブを
描く高速道路上などを走行中のため、追尾誤差のずれ速
度は小さいがその長時間にわたる積算値が相当大きくな
る場合に対処するために導入された量である。そのよう
な場合、角速度自体は閾値を越えるほどではないがその
積分値が有為な値を越えることになる。
【0048】CPU30は、受信レベルLが閾値Ltよ
りも低下した場合において角速度又はその積分値のいず
れかがそれぞれの閾値を越えていることをステップS2
5やS26で判定すると、車両の旋回に伴って追尾誤差
が増大したものと見做し、図5を参照しながら既に説明
した微分制御の実行を開始する。CPU30は、受信レ
ベルLが閾値Ltよりも低下した場合において角速度又
はその積分値がいずれもそれぞれの閾値を越えていない
ことをステップS25とS26で判定すると、受信レベ
ルの低下を遮蔽物による瞬断と見做し、ウエイト制御の
実行を開始する。
【0049】次に、CPU30が実行するウエイト制御
について、図7のフローチャートを参照しながら説明す
る。このウエイト制御は、基本的には受信レベルが閾値
Ltよりも大きな値に復帰するか、角速度が閾値よりも
大きな値になるのを監視し、それぞれの状態変化に即し
た制御状態に移行するためのものである。すなわち、受
信レベルが閾値Ltよりも大きな値に復帰すれば、受信
レベルの低下を遮蔽物による一時的なもの(瞬断)と見
做して直ちにホールド制御に復帰する。
【0050】また、この待ち合せ期間内に閾値よりも大
きな角速度が検出されると、受信レベルの低下に遮蔽物
による瞬断だけでなく車両の旋回に伴う角度誤差も関係
していると見做し、微分制御に移行する。このような場
合としては、例えば、遮蔽物による瞬断の発生直後に車
両の旋回に伴う角度誤差が発生するなどの複合的な状況
の変化が生じた場合などが考えられる。
【0051】このウエイト制御は、基本的には、上記状
態の変化の監視を短周期で反復する前半部分(前期ウエ
イト制御)と、このような状態変化の監視を長周期で反
復する後半部分(後期ウエイト制御)とに2分されてい
る。一例として、ウエイト制御実行のための全期間が2
秒程度に設定され、その前半部分が0.3 秒程度、後半部
分が1.7 秒程度に設定される。また、状態変化の有無に
対する監視の反復周期が前半部分については10ミリ秒程
度の値に、後半部分については100 ミリ秒程度の値に設
定される。
【0052】プロセッサ30は、ウエイト制御の実行を
開始すると、まず、経過時間を管理するためにカウンタ
によって一定速度で歩進される時刻Tと、状態フラグF
とをゼロに初期設定する(ステップS31)。次に、C
PU30は、所定の閾値を越えるような大きさの有意な
加速度が検出されているか否かを判定し(ステップ3
2)、そのような有意な加速度が検出されていなけれ
ば、新たな受信レベルLを検出し(ステップS33)、
これが閾値Ltを越えているか否かを判定する(ステッ
プS34)。
【0053】CPU30は、受信レベルが閾値Ltを越
えていなければ、このウエイト制御の実行の開始からの
経過時間Tが、このウエイト制御の前半部分(前期ウエ
イト制御)を定める所定の時間Tmを越えているか否か
を判定し(ステップS35)、越えていなければステッ
プS32に戻り、ステップS35までの処理を反復す
る。この反復処理は、図6に示したように、直前の処理
を終了すると直ちに次の処理を開始するような非同期状
態で実行してもよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち状
態を設定することにより、一定周期(例えば 10 ミリ
秒)で処理を反復する同期状態で実行してもよい。
【0054】CPU30は、上記反復処理中に有意な加
速度を検出すると(ステップS32)、遮蔽物だけでは
なく車両の旋回も受信レベルの低下に関連しているもの
と見做し、直ちに微分制御の実行を開始する。これに対
して、マイクロプロセッサは、上記反復処理中に閾値L
tを越える大きさの受信レベルを検出すると(ステップ
S34)、受信レベルの低下が遮蔽物による瞬断であっ
たと見做し、直ちにホールド制御に復帰する。
【0055】CPU30は、上記反復処理中に経過時間
Tが所定の時間Tmを越えたことを検出すると(ステッ
プS35)、ステップS36から開始される後期ウエイ
ト制御に移行する。マイクロプロセッサは、後期ウエイ
ト制御の実行を開始すると、まず、閾値を越える大きさ
の角速度が検出されているか否かを判定し(ステップS
36)、そのような有為な角速度が検出されていなけれ
ば、新たな受信レベルLを検出し(ステップS37)、
これが閾値Ltを越えているか否かを判定する(ステッ
プS38)。
【0056】CPU30は、受信レベルLが閾値Ltを
越えていなければ、この受信レベルLが閾値Lmを越え
ているか否かを検出する(ステップS39)。この受信
レベルLが閾値Lmを越えていなければ、マイクロプロ
セッサは状態フラグFを“0”に設定し(ステップS4
0)、このウエイト制御の実行の開始からの経過時間T
が、このウエイト制御の実行期間を定義する所定値Tw
を越えているか否かを判定する(ステップS41)。
【0057】CPU30は、ウエイト制御の実行の開始
後の経過時間Tが所定値Twを越えていなければ、ステ
ップS44に移行し、所定の反復周期Toを定めるため
に設定されている待ち状態(ステップS44)を経てス
テップ36に復帰し、このステップからステップS44
までの処理を反復する。CPU30は、前期ウエイト制
御の場合と同様に、上記反復処理中に有意な角速度を検
出すると(ステップS36)、遮蔽物だけではなく車両
の旋回も受信レベルの低下に関連しているものと見做
し、直ちに微分制御の実行を開始する。
【0058】これに対して、CPU30は、上記反復処
理中に閾値Ltを越える大きさの受信レベルを検出する
と(ステップS38)、受信レベルの低下が遮蔽物によ
る瞬断であったと見做し、直ちにホールド制御に復帰す
る。
【0059】CPU30は、ウエイト制御の実行の開始
後の経過時間Tが所定値Twを越えてることをステップ
41で検出すると、受信レベルの低下が遮蔽物による瞬
断でなかったものと見做し、このウエイト制御の実行を
終了し、最大限360 o にわたって衛星方向の探索を行う
ためのスイーピング制御の実行を開始する。
【0060】CPU30は、新たに検出した受信レベル
Lが閾値Ltよりは小さいものの閾値Lmよりも大きく
なったことを検出すると(ステップS39)、状態フラ
グFが1であるか否かを検査する(ステップS42)。
CPU30は、状態フラグFがゼロであればこれを1に
変更し(ステップS43)、ステップS44の待ち合わ
せ状態を経てステップS36に戻る。この後、CPU3
0は、ステップS42で状態フラグFが1であることを
検出すると、このウエイト制御を終了し、微分制御の実
行を開始する。
【0061】このように、状態フラグFを採用したの
は、受信レベルLが閾値Ltを越えるほどではないにし
ても連続して2回も閾値Lmを越えたということは、追
尾誤差がそれほど大きな値ではないことを意味してお
り、この場合、スイーピング制御を省略して直ちに微分
制御を実行することにより追随性を高めるためである。
【0062】次に、CPU30が実行するスイーピング
制御について、図8のフローチャートを参照しながら説
明する。このスイーピング制御は、受信レベルLがピー
ク値に比べて相当程度低い値(例えば50%値)に設定さ
れている閾値Lmさえも越えないという大きな追尾誤差
の状態が所定期間にわたって継続した場合、極端に言え
ば追尾中に衛星方向を見失ってしまったと判定された場
合や、電源投入直後の追尾動作の開始時点において実行
される衛星方向の探索制御である。
【0063】マイクロプロセッサは、スイーピング制御
の実行を開始すると、まず、現在の回転角を中心にして
最大限±5o の範囲にわたってアンテナを回転させなが
ら受信レベルを検出し、これが閾値Lbを越えたか否か
を判定する(ステップS51)。マイクロプロセッサ
は、受信レベルが閾値Lbを越えない場合には、次のス
テップS52に移行し、現在の回転角を中心にして最大
限±20o の範囲にわたってアンテナを往復回転させなが
ら受信レベルを検出し、これが閾値Lbを越えたか否か
を判定する。
【0064】以下同様にして、マイクロプロセッサは、
受信レベルLが閾値Lbを越えるまで、アンテナの回転
範囲を±90o 、360 o という具合に段階的に増加させな
がらスイーピング制御を実行する。マイクロプロセッサ
は、ステップS51〜S54のいずれかにおいて、受信
レベルLが閾値Lbを越えたことを検出すると、この結
果を生じさせたアンテナの回転方向を保存し(ステップ
S55)、微分制御の実行に移行する。
【0065】なお、ステップS51〜S54のそれぞれ
は、便宜上、単一のステップで表現されている。しかし
ながら、各ステップは、詳細には、アンテナを単位角度
だけ回転させるステップ、新たな受信レベルLを検出す
るステップ、この受信レベルLと閾値Lbとを比較する
ステップから成る3種類のステップが、回転方向のそれ
ぞれについて、(最大回転角度/単位回転角度)に等し
い数だけ配列された構成となっている。
【0066】上記実施例によれば、検出された受信レベ
ルLが所定の閾値Lbを越えている場合には、この受信
レベルLを増加させるように追尾方位角が変更される。
また、検出された受信レベルが上記閾値Lbよりも大き
な別の閾値Ltを越えておりかつ直前の追尾方位角の変
化速度が所定の閾値よりも小さい場合には、アンテナ本
体部がほぼ正確に衛星を向いている良好追尾状態にある
と判定され、追尾方位角が一定値に保たれるホールド制
御が実行される。このホールド制御の追加によって、無
用な追尾動作が省略される。
【0067】しかしながら、この電波追尾方式によれ
ば、移動体の急旋回に伴う追尾誤差の急増によって受信
レベルが急減して雑音レベル程度に接近すると電波追尾
が継続不能となる場合がある。以下では、このような状
態を追尾外れの状態と称する。上記実施例では、上記追
尾外れの状態を受信レベルLが所定の閾値Lb以下にな
ったことで判定している。上記実施例では、追尾外れの
発生時にはその時点の追尾方位角を中心として振幅を漸
増させながらアンテナ本体部を振動的に旋回させて衛星
の再捕捉を行うというスイーピング制御(スイーピング
モード)が追加されている。
【0068】また、上記追尾外れが移動体の急旋回に起
因してだけではなく、直進中での移動体が山や樹木やビ
ルなどの遮蔽物に陰に入ることによっても生じる。この
追尾外れが遮蔽物に起因するものであれば、上記スイー
ピング制御の開始によってアンテナの追尾方位角を本来
あるべき値からかえって遠ざかってしまうという問題も
ある。そこで、上記実施例では、角速度センサが設置さ
れ、その検出値やこれを積分した値の大きさに基づき追
尾外れの発生が移動体の急旋回によるものなのか、ある
いは遮蔽物の出現によるものなのかを弁別する構成を採
用し、ウエイト制御によって遮蔽物に起因する追尾外れ
に対応している。
【0069】図9は、受信アンテナについて行われるク
ローズドループ制御の全体を、処理開始直後に実行され
る原点決め処理と共に示すフローチャートである。ま
ず、受信アンテナに対する変更角度の出力のみを許可す
るためにRXフラグのみがON状態に設定され(ステッ
プS81)、受信アンテナに対する原点位置決め処理が
実行される(ステップS82)。次に、送信アンテナに
対する変更角度の出力のみを許可するためにTXフラグ
のみがON状態に設定され(ステップS83)、送信ア
ンテナに対する位置決め処理が実行される(ステップS
84)。
【0070】上記位置決めが終了すると、受信アンテナ
と送信アンテナの双方に対し変更角度の出力を許可する
ために、RXフラグとTXフラグの双方がON状態に設
定され(ステップS85)、受信レベルや車両に生じた
角速度やその積分値あるいは持続時間と所定の閾値との
大小関係に基づく上述した各種の制御が実行される(ス
テップS86〜S89)。
【0071】CPU30が算定した受信アンテナに対す
る変更角度は、図10のフローチャートに示す割り込み
処理によって受信モータドライバと送信モータドライバ
に出力される。すなわち、図9のフローチャートに示し
たように原点の位置決めの期間を除きRXフラグとTX
フラグは常時ONであるため、CPU30が算定した変
更角度は、まず受信系に出力され、続いて送信系に出力
される。このように、受信系が実行中の制御がスイーピ
ング制御、微分制御、ホールド制御あるいはウエイト制
御のいずれかであるかを問わず、全く同一の制御がオー
プンループの送信系についても実行される。
【0072】次に、受信アンテナの追尾状態が良好な場
合にのみ、受信アンテナの制御に使用されるのと同一の
角度変更指令が送信系にも出力される第2実施例につい
て説明する。
【0073】図11は、この第2の実施例において、受
信アンテナについて行われるクローズドループ制御の全
体を処理開始直後に実行される原点決め処理と共に示す
フローチャートである。電源が投入されると、まず受信
アンテナに対する原点位置決め処理が実行され(ステッ
プS101)、受信アンテナの角度θRが0o に設定さ
れる(ステップS102)。次に、受信状態が良好であ
ることを示す受信フラグがOFFされることにより、受
信状態が未だ良好状態に達していないことの表示が行わ
れる(ステップS103)。
【0074】続いて、スイーピング制御が開始され(ス
テップS104)、その過程で受信レベルLが閾値Lb
よりも大きくなると、この状態におけるアンテナ角度す
なわち、探索角度θsの保存が行われ(ステップS10
5)、微分制御が開始される(ステップS106)。こ
こで受信レベルLが閾値Lbよりも小さいと、受信信号
が再度OFFされ(ステップS103)、再度のスイー
ピング制御が開始される。この微分制御の仮定で受信レ
ベルLが閾値Ltを越えると、この状態における受信ア
ンテナの追尾角度θdが保存され(ステップS10
7)、受信良好状態に達したことを示す受信信号がON
とされ(ステップS108)、受信アンテナの角度θR
=θs+θdが算定され、メモリに保存される(ステッ
プS109)。
【0075】この後、受信レベルLや、車両に生じた角
速度、あるいはその積分値、持続時間と閾値との大小関
係に応じて、ホールド制御状態やウエイト制御状態に移
行する(ステップS110,S111)。ホールド制御
状態やウエイト制御状態のもとで閾値よりも大きな角速
度が作用すると、微分制御が開始される(ステップ10
6)。ウエイト制御状態において、受信レベルの低下が
閾値Twにわたって持続した場合には、ステップS10
3に戻り受信信号がOFFにされたのち、スイーピング
制御が開始される(ステップS104)。
【0076】図12は、送信アンテナについて行われる
オープンループ制御を示すフローチャートである。電源
が投入されると、受信アンテナの場合と同様に、まず、
送信アンテナに対する原点決め処理が実行され(ステッ
プS111)、送信アンテナの角度θT が0o に設定さ
れる(ステップS112)。
【0077】次に、受信信号がONであるか否かに基づ
き受信アンテナの受信状態が良好であるか否かが判定さ
れ(ステップS113)、良好でなければ、受信状態が
良好になるまで送信アンテナは停止状態を保つ。受信状
態が良好になると、送信アンテナと受信アンテナの角度
差δθT =θT −θR が算定され(ステップS11
4)、その絶対値が閾値よりも大きければ、これが閾値
以下になるまでこれを減少させるように送信アンテナの
角度θT の変更が行われる(ステップS115,S11
6)。
【0078】すなわち、受信アンテナについてスイーピ
ング制御や微分制御が実行中であれば受信信号はOFF
であり、この期間内は、送信アンテナについての角度の
変更が保留される。この結果、オープンループ制御の送
信アンテナにとっては意味のない電波追尾のためのスイ
ーピング制御や微分制御の実行が省略され、追尾機構の
磨耗や追尾のための電力の消費が有効に回避される。
【0079】上記微分制御によれば、所定角度にわたる
アンテナの回転が反復される。そして、この所定角度に
わたるアンテナの回転は直前の回転に伴う単位角度当た
りの受信レベルの増分が大きいほど大きな速度で行われ
る。また、上記実施例に開示したように、受信レベルが
閾値Lbよりも大きな値を有する閾値Ltよりも高くて
かつ直前に行われたアンテナの回転の速度Vが所定の閾
値Vthよりも小さければ、アンテナがほぼ正確に衛星の
方を向いている追尾状態にあると見做され、受信フラグ
がON状態となり、追尾方位角を固定状態に保つホール
ド制御が実行される。このホールド制御においては、閾
値Ltは、検出された一層大きな受信レベルによって更
新される最大受信レベルに対する比率として定義され
る。
【0080】上記実施例の電波追尾方式では、車両の急
旋回による追尾外れが生じると直ちに上述したようなス
イーピング制御が開始される。しかしながら、このよう
なスイーピング制御では、振動的な変化の中心となる追
尾方位角は移動体の急旋回に伴って本来あるべき値から
大幅にずれてしまっている場合もある。そこで、以下に
上記の問題を解決するための第3の実施例について説明
する。
【0081】本発明の電気的構成に関する第3の実施例
は、上記実施例中のスイーピング制御を、衛星方向の推
定を取込んだ探索モードによって置換した構成となって
いる。この第3の実施例では、CPU30は、上記電波
追尾制御と並行して時分割的に、車両旋回角検出ルーチ
ンと電波追尾ルーチンとを実行する。
【0082】CPU30は、上記車両旋回角検出ルーチ
ンにおいて、入力インタフェース回路31を通してジャ
イロセンサ32から出力される角速度のサンプリング値
を順次読取って積算することにより、角速度の積分値、
すなわち車両の旋回角を演算し内蔵のメモリに書込む。
この車両旋回角検出ルーチンでは、これと並行して実行
される電波追尾ルーチンにおいてホールド制御が実行中
であれば、検出された車両の旋回角がゼロにリセットさ
れる。
【0083】図13は、車両の旋回角とアンテナ本体の
追尾方位角との関係を示している。車両が角度θだけ旋
回すると、アンテナ本体の追尾方位角のずれもθとな
る。図14は、車両の旋回に伴って発生しジャイロセン
サ32で検出された角速度(A)と、その積分値(旋回
角度)(B)と、追尾外れを契機として開始される探索
ルーチンによって設定されるアンテナ本体部ATの追尾方
位角θの中心値(C)と、これを中心とする追尾方位角
の掃引角度振幅(D)と掃引速度(E)の時間変化の様
子を例示している。
【0084】車両の旋回が開始されるまでは良好追尾状
態にあるものとすれば、CPU30はホールド制御の実
行状態にある。このホールド制御状態のもとでは、ジャ
イロセンサ32によって検出された角速度を積分した値
が所定周期でゼロにリセットされることにより、ジャイ
ロセンサ32の誤差などに起因する累積誤差の発生が防
止される。
【0085】車両の旋回の開始に伴い、一点鎖線で示す
時点で良好追尾状態から逸脱すると、ホールド制御に代
わって微分制御による電波追尾が開始される。この電波
追尾の開始後は、角速度の積分値(旋回角)のゼロへの
リセットが停止され、増加し始める。車両の旋回が急激
なため電波追尾によっては追随し切れなくなり、受信レ
ベルLが所定の閾値Lb以下に低下する追尾外れが生ず
ると、電波追尾ルーチンに代わって探索ルーチンの実行
が開始される。この追尾外れが図14中に点線で示す時
点で発生したものとすると、探索ルーチンの開始時点で
は、検出済みの旋回角はθ0 である。
【0086】探索ルーチンが開始されると、まず、現時
点の追尾方位角(0o )から検出済みの旋回角θ0 が減
算され、この減算値(−θ0 )が追尾方位角の掃引の中
心値に設定される。これと前後して階段的に増加する掃
引角度振幅Δθiと、掃引速度Viと、掃引時間Tiと
が設定される。上記設定された中心値のまわりに設定さ
れた振幅と掃引速度で設定された時間ずつ追尾方位角を
変化させながら、受信レベルLが閾値Lbを越えたか否
かの判定が反復される。
【0087】この掃引中も、探索ルーチンの開始後に生
じた角速度の積分値に基づき、追尾方位角の中心値の更
新が反復される。受信レベルLが閾値Lbを越えたこと
が検出されると、この探索ルーチンに代わって電波追尾
ルーチンが再開される。この探索ルーチンの開始から所
定の時間Tmax が経過しても受信レベルLが閾値Lbを
越えなければ、受信アンテナ11と送信アンテナ21と
を360 o にわたって回転させる最終段階の探索が開始さ
れる。
【0088】図15は、CPU30が実行する上記探索
ルーチンの一例を示すフローチャートである。CPU3
0は、探索ルーチンの実行を開始するとまず、内蔵のタ
イマをリセットし(ステップS61)し、同期外れ発生
時点の追尾方位角から検出済みの移動体の旋回角θoを
減算し、この減算値−θoを掃引の中心値として設定す
る(ステップS62)。次に、CPU30は、探索の開
始時点からの経過時間Tが最終段階の探索を開始すべき
時間Tmax に達しているか否かを判定し(ステップS6
3)、達していなければ探索開始時点からの経過時間T
と共に段階的に増大する掃引角度振幅Δθiと掃引速度
Viと掃引時間Tiとを設定する(ステップS64)。
【0089】次に、CPU30は、−θo±Δθiの角
度範囲を速度Viで掃引しながら、受信レベルLが閾値
Lbを越えたか否かを判定する(ステップS65,S6
6)。CPU30は、受信レベルLが閾値Lbを越えな
かった場合は、設定中の掃引の中心値−θoからその設
定後に生じた移動体の旋回角の変化分を減算し、これを
新たな中心値として設定する(ステップS67)。
【0090】CPU30は、掃引時間が設定した時間T
iを越えたか否かを判定し(ステップS68)、越えて
いなければステップS65に戻ってステップS68まで
の処理を反復する。CPU30は、掃引時間が設定した
時間Tiを越えた場合には、ステップS63を経てステ
ップS64に進み、掃引角度振幅θiと、掃引速度Vi
と、掃引時間Tiを1段階増加させたのち、ステップS
65からステップS68までを反復する。
【0091】CPU30は、受信レベルLが閾値Lbを
越えたことをステップS66で検出すると、現在の追尾
方位角を保存し(ステップS70)、微分制御による電
波追尾状態に移行する。CPU30は、探索制御の開始
時点からの経過時間Tが所定の時間Tmax を越えたこと
をステップ63で検出すると、受信レベルLが閾値Lbを
越えるまで、360 o にわたって追尾方位角を変化させる
( ステップS69)。CPU30は、受信レベルLが閾
値Lbを越えたことを検出すると、この越えた時点の追
尾方位角を保存し(ステップS70)、微分制御による
電波追尾状態に復帰する。なお、上記ステップS69の
実行は、この衛星アンテナ装置の電源投入時にも直ちに
開始される。
【0092】上述した微分制御において、回転速度を所
定角度にわたる直前の回転に伴う受信レベルの増分に比
例させる構成を例示した。しかしながら、この回転速度
を上記増分の2乗に比例させたり、あるいはこの増分に
対する他の適宜な関数関係を設定できる。また、この所
定角度当たりの受信レベルの増分を、この所定角度とは
異なる適宜な単位角度、例えば、1°当たりや10°当
たりの受信レベルの増分に置き換えてもよい。
【0093】上述した追尾制御に関しては、移動体の種
類や角速度センサの検出精度などに応じて角速度とその
積分値も検出する構成の代りに、角速度のみを検出しそ
の積分値の検出を省略する構成や、電波追尾手段による
追尾状態が良好追尾状態から逸脱したと判定した場合の
み保存中の角速度の積分を所定時間だけ遡及して開始す
ることによって追尾外れの直前に生じた移動体の旋回角
を検出する構成などを採用してもよい。
【0094】また、良好な追尾状態を受信レベルの大き
さのみから判定する構成や、角速度が所定の閾値を越え
た時点からその積分を開始することにより追尾外れ発生
前後の移動体の旋回角を検出する構成や、受信状態とは
無関係に角速度の積分を定期的に実行して最新の何個か
の値を保存しておき、追尾外れが発生すると、その直前
に保存した積分値の変化量を検出することにより追尾外
れを発生させた移動体の旋回角を検出する構成などを採
用することもできる。
【0095】更に、衛星の探索の開始後は、積分の所要
時間を削減するために追尾方位角の中心値の修正を省略
する構成、掃引振幅角度や掃引速度などを段階的に増加
させる代わりに滑らかに増加させる構成、パルスモータ
を使用する代わりに直流モータをエンコーダと組合せて
使用する構成、あるいは、衛星放送受信用アンテナに代
えて通信衛星など他の適宜な静止衛星あるいは移動衛星
からの電波を受信しあるいは送信するためのアンテナに
本発明の追尾装置を適用する構成などを採用することも
できる。
【0096】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
移動体搭載用衛星アンテナ装置は、受信アンテナ装置と
送信アンテナ装置とが機械的には完全に独立しているの
で、大型のバスなどについては屋根上に形成されている
換気装置などの既存の構築物を避けながら受信アンテナ
装置と送信アンテナ装置とを屋根上に分散して設置した
り、小型の乗用車などについては一方を屋根上に、他方
を車室内やトランク内などに分散して配置することがで
きる。
【0097】さらに、受信アンテナと送信アンテナとを
専用のレドームに収容する構成であるから、10GHz も異
なる受信用と送信用の各周波数帯について、アンテナ本
体部とレドームとの間の最適の配置を独立に実現でき、
レドームを含めたアンテナの感度を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動体搭載用衛星通信装置の概要を示
すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の移動体搭載用衛星通信
装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す受信アンテナ装置11と受信モータ
13とをレドーム12を外した状態で示す平面図であ
る。
【図4】上記実施例におけるアンテナの角度誤差と受信
レベル及び受信レベルの微分値との関係、並びに受信レ
ベルと各種の閾値との関係を説明するための概念図であ
る。
【図5】上記実施例の移動体搭載用衛星通信装置が実行
する微分制御の一例を説明するためのフローチャートで
ある。
【図6】上記実施例の移動体搭載用衛星通信装置が実行
するホールド制御の一例を説明するためのフローチャー
トである。
【図7】上記実施例の車載用衛星通信装置が実行するウ
エイト制御の一例を説明するためのフローチャートであ
る。
【図8】上記実施例の移動搭載用衛星通信装置が実行す
るスイーピング制御の一例を説明するためのフローチャ
ートである。
【図9】上記実施例において、受信アンテナについて実
行されるクローズドループ制御の一例を、処理開始直後
に実行される原点決め処理と共に示すフローチャートで
ある。
【図10】上記実施例において、CPU30が算定した受
信アンテナに対する変更角度を出力する割り込み処理を
説明するためのフローチャートである。
【図11】第2の実施例において、受信アンテナについて
実行されるクローズドループ制御の一例を示すフローチ
ャートである。
【図12】第2の実施例において、送信アンテナについて
行われるオープンループ制御の一例を説明するためのフ
ローチャートである。
【図13】移動体の旋回角とアンテナの追尾方位角との関
係を説明する概念図である。
【図14】第3の実施例において、移動体の旋回に伴って
発生する角速度、角速度の積分値、追尾方位角の中心
値、掃引角度振幅等の時間変化の様子の一例を示す波形
図である。
【図15】上記実施例の移動体搭載用衛星通信装置が実行
する探索制御の内容を説明するためのフローチャートで
ある。
【図16】従来の移動体搭載用衛星通信装置の一つの構成
を示す平面図である。
【図17】従来の移動体搭載用衛星通信装置の他の一つの
構成を示す平面図である。
【符号の説明】
RXAT 受信アンテナ TXAT 送信アンテナ RXMR 受信モータ TXMR 送信モータ RXDT 受信レベル検出部 CMP 追尾角度算定部 OUT 追尾角度出力部 11 受信アンテナ 12 レドーム 13 受信モータ 14 受信モータドライバー 15 原点センサ 17a 〜17c ローカル発振器 18a 〜18c ミキサー 21 送信アンテナ 22 レドーム 23 送信モータ 24 送信モータドライバー 25 原点センサ 30 CPU
フロントページの続き (72)発明者 落合 誠 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体に搭載され、衛星に対する自動追尾
    を行うことにより前記衛星との間で信号を送受信する移
    動体搭載用衛星通信装置であって、 前記衛星から信号を受信するための可動な受信アンテナ
    と、 前記衛星に信号を送信するための送信アンテナであっ
    て、前記受信アンテナと分離して設置されているもの
    と、 前記衛星から送信される電波を追尾するように、前記受
    信アンテナの方向をクローズドループを用いて制御する
    第1の制御手段と、 前記受信アンテナの方向に追随するように、前記送信ア
    ンテナの方向をオープンループを用いて制御する第2の
    制御手段とを備えたことを特徴とする移動体搭載用衛星
    通信装置。
  2. 【請求項2】移動体に搭載され、衛星に対する自動追尾
    を行うことにより前記衛星との間で信号を送受信する移
    動体搭載用衛星通信装置であって、 前記衛星から信号を受信するための可動な受信アンテナ
    と、 前記衛星に信号を送信するための可動な送信アンテナで
    あって、前記受信アンテナと分離して設置されているも
    のと、 前記受信アンテナの角度を変更する受信角度変更部と、 前記送信アンテナの角度を変更する送信角度変更部と、 前記受信アンテナによって受信された信号のレベルを検
    出し、この検出されたレベルを増加させる変更角度を前
    記受信角度変更部に指令し、かつ前記受信角度変更部に
    指令した変更角度と同一の変更角度を前記送信角度変更
    部にも指令する自動追尾部とを備えたことを特徴とする
    移動体搭載用衛星通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記受信アンテナと前記受信角度変更部とが一体として
    第1の収納体に収納され、 前記送信アンテナと前記送信角度変更部とが一体として
    第2の収納体に収納されたことを特徴とする移動体搭載
    用衛星通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記受信アンテナと送信アンテナの各々が仰角方向のチ
    ルト角を有する漏れ波導波管スロットアレイ・アンテナ
    から構成され、 前記受信角度変更部と前記送信角度変更部がそれぞれ前
    記受信アンテナと前記送信アンテナの角度をほぼ水平面
    内において変更することを特徴とする移動体搭載用衛星
    通信装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記自動追尾部が所定周波数のパイロット信号について
    該受信された信号のレベルを検出することを特徴とする
    移動体搭載用衛星通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記パイロット信号のレベルが通信に用いられる信号の
    レベルよりも低く設定されており、 前記自動通信部は、複数回の周波数変換によって前記パ
    イロット信号を低周波のパイロット信号に変換し、この
    低周波のパイロット信号について該受信された信号のレ
    ベルを検出することを特徴とする移動体搭載用衛星通信
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記自動追尾部は、 前記受信アンテナの角度が所定の角度と一致することを
    検出する第1の検出器と、 前記送信アンテナの角度が該所定の角度と一致すること
    を検出する第2の検出器と、 前記受信アンテナの角度と前記送信アンテナの角度のう
    ちの選択された一つが該所定の角度と一致するときに、
    前記受信アンテナの角度と前記送信アンテナの角度との
    間のずれを補正する手段とを備えたことを特徴とする移
    動体搭載用衛星通信装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記第2の制御手段は、前記受信アンテナの追尾状態が
    良好な場合のみ、前記受信アンテナの方向に追随するよ
    うに前記送信アンテナの方向をオープンループを用いて
    制御し、前記受信アンテナの追尾状態が良好でない場合
    には、前記送信アンテナの方向を固定することを特徴と
    する移動体搭載用衛星通信装置。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の移動体搭載用通信装置
    であって、 前記自動追尾部は、前記受信アンテナの追尾状態が良好
    な場合のみ、前記受信角度変更部に指令した変更角度と
    同一の変更角度を前記送信角度変更部にも指令すること
    を特徴とする移動体搭載用衛星通信装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記受信アンテナの受信状態が良好であるか否かは、前
    記受信アンテナが衛星の方向を向いてほぼ静止中である
    か否かによって判断されることを特徴とする移動体搭載
    用衛星通信装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記受信アンテナの受信状態が良好であるか否かは、前
    記受信アンテナが衛星の方向を向いてほぼ静止中である
    か否かによって判断されることを特徴とする移動体搭載
    用衛星通信装置。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記受信アンテナと前記受信角度変更部とが一体として
    第1の収納体に収納され、 前記送信アンテナと前記送信角度変更部とが一体として
    第2の収納体に収納されたことを特徴とする移動体搭載
    用衛星通信装置。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記受信アンテナと送信アンテナの各々が仰角方向のチ
    ルト角を有する漏れ波導波管スロットアレイ・アンテナ
    から構成され、 前記受信角度変更部と前記送信角度変更部がそれぞれ前
    記受信アンテナと前記送信アンテナの角度をほぼ水平面
    内において変更することを特徴とする移動体搭載用衛星
    通信装置。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記自動追尾部が所定周波数のパイロット信号について
    該受信された信号のレベルを検出することを特徴とする
    移動体搭載用衛星通信装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記パイロット信号のレベルが通信に用いられる信号の
    レベルよりも低く設定されており、 前記自動通信部は、複数回の周波数変換によって前記パ
    イロット信号を低周波のパイロット信号に変換し、この
    低周波のパイロット信号について該受信された信号のレ
    ベルを検出することを特徴とする移動体搭載用衛星通信
    装置。
  16. 【請求項16】 請求項9に記載の移動体搭載用衛星通信
    装置であって、 前記自動追尾部は、 前記受信アンテナの角度が所定の角度と一致することを
    検出する第1の検出器と、 前記送信アンテナの角度が該所定の角度と一致すること
    を検出する第2の検出器と、 前記受信アンテナの角度と前記送信アンテナの角度のう
    ち選択された一つが該所定の角度と一致するときに、前
    記受信アンテナの角度と前記送信アンテナの角度との間
    のずれを補正する手段とを備えたことを特徴とする移動
    体搭載用衛星通信装置。
JP8154942A 1995-05-29 1996-05-27 移動体搭載用衛星通信装置 Withdrawn JPH0951220A (ja)

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JP7-154019 1995-05-29
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015013330A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 キヤノン株式会社 生産装置
JP2015013329A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 キヤノン株式会社 生産装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015013330A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 キヤノン株式会社 生産装置
JP2015013329A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 キヤノン株式会社 生産装置

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